JP2010248315A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性の向上を図るとともに優れた低発熱性と加硫物性とを兼ね備え、ゴム成分として乳化重合ポリマーをも採用し得るシリカ配合系のゴム組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、少なくとも一種のスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを50〜100質量%の量で含むゴム成分100質量部に対し、充填剤としてシリカを10〜150質量部、脂肪酸亜鉛塩を0.5〜5.0質量部、スルフェンアミド系加硫促進剤を0.2〜50質量部および/またはチウラム系加硫促進剤を0.2〜50質量部の量で配合し、かつシランカップリング剤をシリカ100質量部に対して1〜20質量部の量で配合してなり、酸化亜鉛を配合しないことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐摩耗性および低発熱性に優れるとともに良好な加工性を有するゴム組成物、およびこれを用いて得られる空気入りタイヤに関する。
従来より、充填剤としてシリカを配合したゴム組成物(シリカ配合系ゴム組成物)においては、高い耐摩耗性を得るために、シランカップリング剤を添加してシリカとエラストマーとを化学的に結合させることが必要である。このような目的で配合されるシランカップリング剤としては、一般にビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィドが用いられているが、これ以外にも種々のシランカップリング剤が知られている。
こうしたなか、例えば特許文献1には、有機リチウム化合物を開始剤として用い、ジエン系単量体を(共)重合させた後、重合活性末端を特定のアルコキシシラン系化合物と反応させることにより得られる変性(共)重合体を、ゴム重量分率で20重量%以上含んでなるゴム成分100重量部に対して、シリカ充填剤を10重量部から100重量部含有するタイヤ用ゴム組成物が開示されており、これによって得られるタイヤの耐摩耗性の向上を図っている。
特開昭和62−50346号公報
しかしながら、シリカ配合系ゴム組成物において、上記各種シランカップリング剤を用いることによる耐摩耗性の向上が検討されているものの、かかる耐摩耗性はカーボンブラックのみを配合したゴム組成物に比すれば未だ不充分であり、更なる改良が望まれているのが現状である。また、特許文献1の変性(共)重合体を用いて耐摩耗性の向上を図る手法においても、ゴム成分として使用できるポリマーが溶液重合ポリマーに限定されてしまう点に依然として改善の余地がある。
そこで、本発明は、耐摩耗性の向上を図るとともに優れた低発熱性と加硫物性とを兼ね備え、ゴム成分として乳化重合ポリマーをも採用し得るシリカ配合系のゴム組成物を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定の共重合体ゴムをベースにシリカを配合しつつ、酸化亜鉛を配合しないゴム組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、
少なくとも一種のスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを50〜100質量%の量で含むゴム成分100質量部に対し、
充填剤としてシリカを10〜150質量部、脂肪酸亜鉛塩を0.5〜5.0質量部、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部および/またはチウラム系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部の量で配合し、さらに
シランカップリング剤を前記シリカ100質量部に対して1〜20質量部の量で配合してなり、かつ
酸化亜鉛を配合しないことを特徴とする。
前記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムは、乳化重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムであるのが望ましい。
また、前記チウラム系加硫促進剤は、テトラキス−2−エチルヘキシルチウラムスルフィドであるのが好ましい。
さらに、前記スルフェンアミド系加硫促進剤は、下記式(I)で表されるのが望ましい。
Figure 2010248315
(式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。R3〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基或いはアルコキシ基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いたことを特徴とし、かかるゴム組成物をトレッドに用いるのが望ましい。
本発明のゴム組成物によれば、充填剤としてシリカを配合しつつも優れた耐摩耗性および低発熱性を発揮し得るタイヤを得ることができる。また、スコーチ安全性が高いと同時に加硫速度が速く、かつ良好な加工性をも有する。したがって、かかるゴム組成物を用いれば、高性能な空気入りタイヤが得られ、特にトレッド用ゴム組成物として好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、
少なくとも一種のスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを50〜100質量%の量で含むゴム成分100質量部に対し、
充填剤としてシリカを10〜150質量部、脂肪酸亜鉛塩を0.5〜5.0質量部、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部および/またはチウラム系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部の量で配合し、さらに
シランカップリング剤を前記シリカ100質量部に対して1〜20質量部の量で配合してなり、かつ
酸化亜鉛を配合しないことを特徴としている。
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分には、かかるゴム成分100質量%中、少なくとも一種のスチレン・ブタジエン共重合体ゴムが50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%の量で含まれる。スチレン・ブタジエン共重合体ゴムの含有量が上記範囲内であると、後述するシリカとの分散性を良好に保持しつつ、得られるゴム組成物の耐摩耗性や低発熱性の向上を図ることが可能となる。
上記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムとしては、特に制限されず、従来よりタイヤ用として用いられているスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを採用し得、乳化重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムであっても、溶液重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムであってもよく、これらを併用して用いてもよい。なかでも乳化重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムであるのが好ましい。乳化重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムと溶液重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムとを併用する場合、これら全量100質量%中、乳化重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムが50質量%以上、好ましくは70質量%以上であるのが望ましい。これらスチレン・ブタジエン共重合体ゴムは少なくとも一種を用いればよく、二種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明のゴム組成物に用いるゴム成分には、上記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムのほか、必要に応じて天然ゴム(NR)及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴム以外のジエン系合成ゴムを含んでもよく、かかるジエン系合成ゴムとしては、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらゴム成分は一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対し、充填剤としてシリカを、通常10〜150質量部、好ましくは30〜120質量部、より好ましくは50〜100質量部の量で配合する。シリカの配合量が10質量部未満であると、本発明の効果が充分に発揮されないおそれがあり、150質量部を超えると硬度が必要以上に高くなるおそれがある。
上記シリカとしては、特に制限されないが、従来ゴム補強用として慣用されているもの、例えば湿式法シリカ(含水ケイ酸)、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、各種ケイ酸塩などの中から適宜選択して用いることができるが、中でも沈降法による合成シリカ(湿式法シリカ)が好適である。これらシリカは、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。なお、上記シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、作業性または耐摩耗性向上の観点から、50〜300m2/gであるのが望ましい。
また、充填剤として上記シリカのほか、本発明の目的を損なわない範囲内で、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等のカーボンブラック、水酸化アルミニウム等の充填剤を配合してもよい。
本発明のゴム組成物には、さらにシランカップリング剤が配合されてなる。かかるシランカップリング剤の配合量は、上記シリカ100質量部に対して、通常1〜20質量部、好ましくは3〜15質量部、より好ましくは6〜12質量部の量である。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満であるとカップリング効果が充分に発揮されないおそれがあり、20質量部を超えるとゲル化を引き起こすおそれがある。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシエトキシシリル)−1−プロピルチオオクタノエート等が挙げられ、市販品を好適に用いることができる。これらシランカップリング剤は一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシエトキシシリル)−1−プロピルチオオクタノエートなどが好ましく、市販品としては、デグサ社の「Si−69」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)や「Si−75」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社のNXTシラン(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)、NXT−LowV(3−(2−メチル−1,3−プロパンジアルコキシエトキシシリル)−1−プロピルチオオクタノエート)などを使用することができる。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対し、脂肪酸亜鉛塩を、通常0.5〜5.0質量部、好ましくは0.8〜3.0質量部、より好ましくは1.0〜2.0質量部の量で配合する。かかる脂肪酸亜鉛塩は、加硫促進助剤として作用し得るため、酸化亜鉛を配合しなくとも充分に加硫速度を確保することができる。脂肪酸亜鉛塩の配合量が0.5質量部未満であると加硫促進助剤としての作用が不充分となり弾性率が低下するおそれがあり、5.0質量部を超えると未加硫時にブルームし易くなるおそれがある。
上記脂肪酸亜鉛塩としては、具体的には、例えば、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、リノール酸亜鉛等が挙げられる。これら脂肪酸金属塩は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。なかでもステアリン酸亜鉛が好ましい。
本発明のゴム組成物には、加硫促進剤として、スルフェンアミド系加硫促進剤またはチウラム系加硫促進剤、或いはスルフェンアミド系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤の双方を配合する。なかでも、互いに発揮し得る相乗効果を活用する観点から、スルフェンアミド系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤とを併用するのが好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤を用いる場合、上記ゴム成分100質量部に対し、スルフェンアミド系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部、好ましくは0.3〜3.0質量部、より好ましくは0.5〜2.0質量部の量で配合する。スルフェンアミド系加硫促進剤はスコーチ安全性が高く、またシリカ配合系のゴム組成物においても有効に加硫促進性能を発揮することができる。上記配合量が0.2質量部未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、5.0質量部を超えるとブルームが問題となるおそれがある。
かかるスルフェンアミド系加硫促進剤として汎用されているものには、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)等があり、市販品を好適に用いることができる。なかでも、本発明では特に下記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を用いるのが望ましい。かかるスルフェンアミド系加硫促進剤であると、適度な加硫遅延効果をより有効に発揮しつつ、ムーニー粘度の上昇をさらに効果的に抑制するとともに好適なムーニースコーチタイムをも確保することができる。
Figure 2010248315
上記式(I)中のRは、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示す。R1が炭素数3〜12の分岐アルキル基であれば、良好な加硫促進性能を確保することができる。
1としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、トリイソブチル基、sec−ブチル基,tert−ブチル基、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、イソヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、tert−ウンデシル基、イソドデシル基、tert−ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、好適なムーニースコーチタイムが得られるなどの効果の点から、炭素数1〜12のtert−アルキル基が好ましく、特に、tert−ブチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、tert−ドデシル基、トリイソブチル基が好ましく、中でもtert−ブチル基が、合成面、原料入手の観点から経済的に優れており望ましい。
上記式(I)中のnは、0または1を示し、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、0であるのが好ましい。また式(I)中のxは1または2の整数を示す。xが3以上になると反応性が高くなり過ぎるためスルフェンアミド系加硫促進剤の安定性が低下し、加工性が悪化するおそれがある。これらは、R1に隣接する−N−の近傍にかさ高い基が存在するほど、良好なムーニースコーチタイムを付与できる傾向にあるためと推定される。
本発明において、上記式(I)中のR2は、炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を表す。R2が炭素数1〜10の直鎖または炭素数3〜10の分岐アルキル基であれば、良好な加硫促進性能を保持することができる。
2としては具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基,tert−ブチル基、n−アミル基(n−ペンチル基)、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソ−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、炭素数1〜8の直鎖または炭素数3〜8の分岐アルキル基であるのが好ましく、さらに炭素数1〜6の直鎖または炭素数3〜6の分岐アルキル基であるのがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基が挙げられる。特に、好適なムーニースコーチタイムが得られる点で、上記炭素数の分岐アルキル基よりも上記炭素数の直鎖アルキル基が好ましくい。これは分岐アルキル基であると加硫がさらに遅れるため、生産性が低下したり、直鎖アルキル基と同じ炭素数で比較した場合には接着性が低下したりするおそれがある。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が最も望ましい。仮にR2がHであると、加硫速度が速すぎるおそれがあり、R2がシクロヘキシル基のようなかさ高い基や上記範囲外の長鎖の基であると、逆に加硫速度が遅すぎる傾向にある。
上記式(I)中のR3〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基或いはアルコキシ基を示す。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐鎖状のプロポキシ基、ブトキシ基が挙げられ、なかでもメトキシ基が好ましい。これらR3〜R6のうち、加硫促進性能を充分に機能させる観点から、R3〜R6のすべてがHであるのが好ましい。また、R3〜R6のうち、少なくとも一部が炭素数1〜4のアルキル基或いはアルコキシ基である場合、合成面および経済的な面の観点から、R3およびR5が炭素数1〜4のアルキル基或いはアルコキシ基であり、かつR4およびR6がHであるのが好ましく、R3およびR5がメチル基或いはメトキシ基であり、かつR4およびR6がHであるのがより好ましい。最も好適な態様は、R3〜R6のすべてがHである。
上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の代表例としては、例えば、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−イソブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド;
N−メチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソブチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソブチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
これらのなかでも、加硫促進性能向上の点から、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソプロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−イソブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドが好ましい。
上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を製造する場合には、下記方法を好ましく挙げることができる。
すなわち、対応するアミンと次亜塩素酸ソーダの反応によりあらかじめ調製したN−クロロアミンとビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィドを、アミンおよび塩基存在下、適切な溶媒中で反応させる。塩基としてアミンを用いた場合は、中和を行い、遊離のアミンに戻した後、得られた反応混合物の性状に従って、ろ過、水洗、濃縮、再結晶など適切な後処理をおこなうと、目的とするスルフェンアミドが得られる。
本製造方法に用いる塩基としては,過剰量用いた原料アミン、トリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化アルカリ,炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、ナトリウムアルコキシドなどが挙げられる。特に、過剰の原料アミンを塩基として用いたり、3級アミンであるトリエチルアミンを用いて反応を行い、水酸化ナトリウムで生成した塩酸塩を中和し、目的物を取り出した後、ろ液からアミンを再利用する方法が望ましい。
本製造方法に用いる溶媒としては、アルコールが望ましく、特にメタノールが望ましい。
例えば、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)では、N−t−ブチルエチルアミンに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド、N−t−ブチルエチルアミンおよび前述の油層を、メタノ−ルに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウムで中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBEBS(白色固体)を得ることができる。
チウラム系加硫促進剤を用いる場合、上記ゴム成分100質量部に対し、チウラム系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部、好ましくは0.3〜3質量部、より好ましくは0.5〜2.0質量部の量で配合する。チウラム系加硫促進剤は加硫促進性能に優れ、適度な加硫遅延効果を発揮することができる。また、上記スルフェンアミド系加硫促進剤と併用した場合、かかる促進剤の二次的促進剤としても有効に機能することができる。上記配合量が0.2質量部未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、5.0質量部を超えるとブルームが問題となるおそれがある。
かかるチウラム系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド(DPTH)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、テトラキス−2−エチルへキシルチウラムジスルフィド、テトラキス−2−イソプロピルチウラムジスルフィド、テトラキス−ドデシルチウラムジスルフィド、及びテトラキス−ベンジルチウラムジスルフィド等が挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。なかでもテトラキス−2−エチルヘキシルチウラムジスルフィドが好ましく、市販品としては、大内新興化学工業(株)の「ノクセラーTOT−N」などを使用することができる。
本発明のゴム組成物には、上記スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤のほか、本発明の目的を損なわない範囲内でその他の加硫促進剤を配合してもよい。かかる加硫促進剤としては、例えば、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジ−o−トリルグアニジン(DOTG)等のグアニジン系加硫促進剤、エチレンチオウレア(ETU)、1,3−ジエチルチオウレア(DETU)、1,3−ジブチルチオウレア(DBTU)、トリメチルチオウレア(TMU)等のチオウレア系加硫促進剤、ジチオカルバメート系加硫促進剤、キサントゲネート系加硫促進剤等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、脂肪酸亜鉛塩、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤および/またはチウラム系加硫促進剤が配合されてなり、かつ酸化亜鉛を配合しないことを特徴としている。かかる酸化亜鉛を配合しないことで、得られるゴム組成物を用いたタイヤの耐摩耗性をより向上させることが可能となる。また、酸化亜鉛を配合せずとも上記脂肪酸亜鉛塩を配合することで、加硫促進助剤としての作用を充分に確保することができ、好適な加硫速度を容易に実現することができる。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、脂肪酸亜鉛塩、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤および/またはチウラム系加硫促進剤のほか、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明のゴム組成物は、上記各成分を、たとえば、バンバリーミキサー、ニーダー等により混練りすることにより製造することができる。また、本発明のゴム組成物を用いて乗用車、トラック、バス、二輪車用等の空気入りタイヤを製造する場合には、たとえば押し出し機やカレンダー等によりトレッドやサイドトレッド等の各部材を作製し、これらの部材を成型ドラム上で張り合わせること等でグリーンタイヤを作製し、このグリーンタイヤをタイヤモールドに収め、内側から圧を加えながら加硫する方法などにより行うことができる。なお、タイヤ内部には、空気のほか、窒素や不活性ガスを充填してもよい。さらに、本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド、ホース、ベルトコンベアなどの肉厚のゴム製品などにも好適に使用でき、特にタイヤのトレッドのベースゴムやベルトゴム等に用いるゴム組成物として最適である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、ゴム組成物の各測定および評価についは、下記方法に従って行った。
《ムーニー粘度(ML1+4)、ムーニースコーチタイム》
得られた未加硫ゴム組成物(後述する温度165℃の加硫前のもの)のムーニー粘度(ML1+4)を、JIS K6300−1−2001に準拠し、L型ロータを用い、余熱1分、測定4分、温度130℃にてムーニー粘度を測定した。また、余熱を始めてからの値が最低値Vmより5単位上昇するまでの時間(ムーニースコーチタイム)(単位:分)を測定した。ムーニー粘度の指数が小さいほど、加工性が優れていることを示し、ムーニースコーチタイムの値が大きいほど加工安定性が良好であることを示す。
《加硫速度:Fmax、T0.1、T0.9、T0.1−T0.9
JIS K6300−2:2001に準拠して、ゴム組成物の加硫曲線を、ジェイエスアール(株)製のキュラストメーターを用いて、160℃で測定した。加硫曲線におけるトルクの最大値(Fmax)と最小値(Fmin)を測定し、{(Fmax−Fmin)×0.1+Fmin}のトルクに達するまでの時間(分)を10%加硫時間(T0.1)とし、{(Fmax−Fmin)×0.9+Fmin}のトルクに達するまでの時間(分)を90%加硫時間(T0.9)とし、その差T0.1−T0.9(分)を加硫速度の指標とした。
《引張り試験:破断時伸び、破断強度、M300》
160℃で20分加硫した厚さ2mmのスラブシートから、ダンベル状3号形試験片を打ち抜き、JIS K6251:2004に準拠して、破断時伸び(%)、破断強度(MPa)、300%伸長時の応力(M300)(単位:MPa)を測定した。
《ランボーン摩耗試験:ランボーン耐摩耗性》
ランボーン摩耗試験機を用いて、室温においてスリップ率50%で試験を実施した。摩耗減量を求め、下記式に従い、比較例1の摩耗量に対するインデックスで表記した。数値が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
耐摩耗性インデックス=(比較例1の摩耗量/試料の摩耗量)×100
《反発弾性》
JIS K 6255−1996に準拠し、ダンロップトリプソメーターを用いて反発弾性の値(%)を測定した。該数値が大きいほど反発弾性が良好であることを示す。
《動的粘弾性試験:tanδ》
ゴム組成物のtanδの値を、上島製作所(株)製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用いて、周波数50Hz、初期歪率10%、動歪率2%で、60℃におけるtanδの値(損失係数)を測定した。tanδの値が小さいほど低発熱性であることを示す。
[製造例1:N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS、加硫促進剤A)の合成]
N−t−ブチルメチルアミン14.1g(0.162mol)に12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液148gを0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド39.8g(0.120mol)、N−t−ブチルメチルアミン20.9g(0.240mmol)および前述の油層を、メタノ−ル120mlに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウム6.6g(0.166mol)で中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBMBSを46.8g(収率82%)の白色固体(融点56〜58℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.32(9H,s,CH3(t−ブチル))、3.02(3H,s,CH3(メチル))、7.24(1H,m)、7.38(1H,m)、7.77(1H,m)、7.79(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=27.3、41.9、59.2、120.9、121.4、123.3、125.7、135.0、155.5、180.8.
質量分析(EI,70eV)m/z;252(M+)、237(M+−CH3)、223(M+−C26)、195(M+−C49)、167(M+−C512N)、86(M+−C74NS2)。
[製造例2:N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS、加硫促進剤B)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−t−ブチルエチルアミン16.4g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、BEBSを41.9g(収率66%)の白色固体(融点60〜61℃)として得た。
得られたBEBSのスペクトルデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.29(t,3H,J=7.1Hz,CH3(エチル))、1.34(s,9H,CH3(t−ブチル))、2.9−3.4(br−d,CH2)、7.23(1H,m)、7.37(1H,m)、7.75(1H,m)、7.78(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=15.12、28.06、47.08、60.41、120.70、121.26、123.23、125.64、134.75、154.93、182.63.
質量分析(EI、70eV):m/z;251(M+−CH4)、167(M+−C614N)、100(M+−C75NS2):IR(KBr,cm-1):3061,2975,2932,2868,1461,1429,1393,1366,1352,1309,1273,1238,1198,1103,1022,1011,936,895,756,727。
[製造例3:N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤C)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−n−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点50〜52℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=0.92(t,J=7.3Hz,3H),1.34(s,9H),1.75(br,2H),3.03(brd,2H),7.24(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=11.7,23.0,28.1,55.3,60.4,120.7,121.3,123.3,125.7,134.7,154.8,181.3.
[製造例4:N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤D)の合成]
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−i−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて実施例1と同様に行い、N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドを白色固体(融点68〜70℃)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.20−1.25(dd,(1.22ppm:J=6.4Hz,1.23ppm:J=6.4Hz)6H),1.37(s,9H),3.78(m,J=6.3Hz,1H),7.23(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=22.3,23.9,29.1,50.6,61.4,120.6,121.2,123.2,125.6,134.5,154.5,183.3.
[実施例1〜6、比較例1〜4]
バンバリーミキサーを使用して、各成分を表1〜2に示す配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製し、上記の方法にしたがって各項目につき評価した。結果を表1〜2に示す。
Figure 2010248315
Figure 2010248315
※1:SBR#1712(ゴム成分100部に対してオイル37.5部含む油展SBR)、JSR(株)製
※2:ニップシールAQ、東ソーシリカ(株)製
※3:ISAF、シースト6、東海カーボン(株)製
※4:関東化学(株)製
※5:シランカップリング剤Si75、デグッサ社製
※6:ノクラック6C、大内新興化学工業(株)製
※7:酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製
※8:ノクセラーD、ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業(株)製
※9:ノクセラーDM、ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
※10:ノクセラーNS、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製
※11:ノクセラーTOT−N、テトラキス−2−エチルヘキシルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
表1〜2の結果によれば、実施例1〜6はいずれも、酸化亜鉛を配合しつつ脂肪酸亜鉛塩を配合しない比較例1〜3、および酸化亜鉛を配合せずに脂肪酸亜鉛塩を配合した比較例4に比して、良好な加硫物性と低発熱性、および優れた耐摩耗性をバランスよく備えることがわかる。
なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤とを併用した実施例2〜6は、スルフェンアミド系加硫促進剤単独使用の実施例1に比して、良好な加工性を保持しつつ速い加硫速度とより優れた耐摩耗性および低発熱性を実現できることがわかる。

Claims (6)

  1. 少なくとも一種のスチレン・ブタジエン共重合体ゴムを50〜100質量%の量で含むゴム成分100質量部に対し、
    充填剤としてシリカを10〜150質量部、脂肪酸亜鉛塩を0.5〜5.0質量部、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部および/またはチウラム系加硫促進剤を0.2〜5.0質量部の量で配合し、さらに
    シランカップリング剤を前記シリカ100質量部に対して1〜20質量部の量で配合してなり、かつ
    酸化亜鉛を配合しないことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記スチレン・ブタジエン共重合体ゴムが、乳化重合スチレン・ブタジエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記チウラム系加硫促進剤が、テトラキス−2−エチルヘキシルチウラムジスルフィドであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記スルフェンアミド系加硫促進剤が、下記式(I)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物;
    Figure 2010248315
    (式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基または炭素数3〜10の分岐アルキル基を示す。R3〜R6は、互いに同一であっても異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基或いはアルコキシ基を示す。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物をトレッドに用いることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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