JPH0859894A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤトレッド用ゴム組成物Info
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Abstract
ウェット路面及びセミウェット路面におけるグリップ力
を向上させる。 【構成】 スチレン含有率20〜60%のSBRを少なくと
も70重量部含むゴム成分100 重量部に対し、一般式
(I)mM1 ・xSiOy・zH2 O[式中、M1 はA
l、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも一つの金属、金
属酸化物又は金属水酸化物、m、x、y及びzはそれぞ
れ1 〜5 、0 〜10、2 〜5 、0 〜10の整数である]で表
され、粒径が0.01〜10μmである無機化合物粉体を5 〜
150 重量部と、窒素吸着比表面積が130 〜280m2 /gのシ
リカを5 〜100 重量部と、無機化合物とシリカとのトー
タル量が80〜250 重量部となるように窒素吸着比表面積
が80〜280m 2 /gのカーボンブラックを5 〜170 重量部含
み、加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分が30〜270
重量部である。
Description
成物に関し、さらに詳細には、一般舗装路のみならずサ
ーキットのウェット路面上にて優れた制動性及び操縦安
定性を発揮できるタイヤトレッド用ゴム組成物に関す
る。
要求される特性は年々厳しくなっており、高速走行時の
ウェット路面における諸性能もその一つとして挙げられ
る。この高速走行時のウェット路面での制動性能や操縦
安定性等の諸性能を向上するには、路面とのグリップ力
を高めること及びタイヤトレッドパターンのブロック剛
性を大きくして、コーナリング時のブロック変形を防止
しコーナリング特性を良くすると共に、タイヤトレッド
に形成された溝部の変形を防止して排水をスムーズに行
いハイドロプレーニングを防止すること等が挙げられ
る。
スチレンSBRにシリカを配合して、グリップ力を高め
ていた。
タイヤトレッド用ゴム組成物は、路面温度が15°C以
下の低温域でのグリップ力を高めることはできるが、水
による冷却効果の小さい15°Cを越える高温域でのウ
ェット路面、又はセミウェット(半乾き)路面では、十
分なグリップ力を発現できないことが判明した。
と、グリップ力と相反する性質である耐摩耗性が低下し
てしまうという問題もある。
なうことなく、低温域のみならず高温域におけるウェッ
ト路面、及びセミウェットの路面におけるグリップ力を
向上させるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供すること
を目的とする。
め、請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ス
チレン含有率20〜60%のスチレン−ブタジエンゴム
を少なくとも70重量部含むゴム成分100重量部に対
し、下記一般式(I)で表され、粒径が0.01〜10
μm である無機化合物粉体を5〜150重量部と、窒素
吸着比表面積が130〜280m2/gのシリカを5〜1
00重量部と、該無機化合物粉体と該シリカとのトータ
ル量が80〜250重量部となるように、窒素吸着比表
面積が80〜280m2/gのカーボンブラックを5〜1
70重量部含み、加硫後のアセトン・クロロホルム抽出
分が30〜270重量部であることを特徴とする。 mM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(I) [式(I)中、M1 は、Al、Mg、Ti、Caから選
ばれる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金属水酸
化物であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整
数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数
である] また、請求項2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物は、
請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物において、
C9 芳香族系石油樹脂及び/又はアルキルフェノール系
樹脂を3〜50重量部含むことを特徴とする。
物は、請求項1又は2記載のタイヤトレッド用ゴム組成
物において、シランカップリング剤を前記シリカの3〜
20重量%含むことを特徴とする。
物は、スチレン含有率30〜45%のスチレン−ブタジ
エンゴムを少なくとも70重量部含むゴム成分100重
量部に対し、下記一般式(I)で表され、粒径が0.0
5〜5μm である無機化合物粉体を15〜120重量部
と、窒素吸着比表面積が130〜280m2/gのシリカ
を30〜100重量部と、該無機化合物粉体と該シリカ
とのトータル量が100〜230重量部となるように、
窒素吸着比表面積が80〜280m2/gのカーボンブラ
ックを15〜140重量部と、C9 芳香族系石油樹脂及
び/又はアルキルフェノール系樹脂を5〜40重量部
と、シランカップリング剤を該シリカの3〜20重量%
含み、加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分が30〜
200重量部であることを特徴とする。 mM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(I) [式(I)中、M1 は、Al、Mg、Ti、Caから選
ばれる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金属水酸
化物であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整
数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数
である] 請求項5記載のタイヤトレッド用ゴム組成物は、請求項
1、2、3及び4のいずれか記載のタイヤトレッド用ゴ
ム組成物において、前記無機化合物粉体が水酸化アルミ
ニウムであることを特徴とする。
使用されるゴム成分は、スチレン含有率が20〜60%
であるスチレンーブタジエンゴムを含む。このスチレン
含有率が20%未満の場合には、上記低温域及び高温域
における所望のグリップ力を得ることができず、また、
スチレン含有率が60%を越える場合には、ブロック剛
性が必要以上に高く路面へのゴムの食い込みが少なく、
所望のグリップ力を得ることができない。また、これら
の効果が顕著となることから、スチレン含有率は30〜
45%であることが好ましい。このスチレンーブタジエ
ンゴムは、乳化重合、溶液重合等どのような合成法によ
って合成されたものでもよい。
記のスチレンーブタジエンゴム以外の他のゴム成分を含
むことができる。他のゴム成分としては、シス−1,4
−ポリイソプレン、低シス−1,4−ポリブタジエン、
高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、天然ゴム等が
挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、スチレン含有率が上記の範囲外であるスチレン−
ブタジエンゴムを他のゴム成分として使用してもよい。
これらの他のゴム成分は、本発明に使用されるゴム成分
中に1種類又は2種類以上含まれてもよい。
ン−ブタジエンゴムの含有率は、本発明に使用されるゴ
ム成分中に70重量部以上存在することが好ましい。該
スチレン−ブタジエンゴムの配合量が70重量部未満で
は、上記低温域及び高温域における所望のグリップ力が
得られないので好ましくない。
下記一般式(I)で表される無機化合物粉体を含んでい
る。 mM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(I) 式(I)中、M1 は、Al、Mg、Ti、Caから選ば
れる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金属水酸化
物であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整
数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整
数である。
ある場合には、該無機化合物はAl、Mg、Ti、Ca
から選ばれる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金
属水酸化物となる。
例としては、アルミナ(Al2 O3)、水酸化アルミニ
ウム[Al(OH)3 ]、水酸化マグネシウム[Mg
(OH)2 ]、酸化マグネシウム(MgO2 )、タルク
(3MgO・4SiO2 ・H2O)、アタパルジャイト
(5MgO・8SiO2 ・9H2 O)、チタン白(Ti
O2 )、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(C
aO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2 ]、酸化ア
ルミニウムマグネシウム(MgO・Al2 O3 )、クレ
ー(Al2 O3 ・2SiO2 )、カオリン(Al2 O3
・2SiO2 ・2H2 O)、パイロフィライト(Al2
O3 ・4SiO2 ・H2 O)、ベントナイト(Al2 O
3 ・4SiO2 ・2H2 O)、ケイ酸アルミニウム(A
l2 SiO 5 、Al4 ・3SiO4 ・5H2 O等)、ケ
イ酸マグネシウム(Mg2 SiO4、MgSiO
3 等)、ケイ酸カルシウム(Ca2 ・SiO4 等)、ケ
イ酸アルミニウムカルシウム(Al2 O3 ・CaO・2
SiO2 等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaM
gSiO4 )等が挙げられる。
水和物(Al2 O3 ・3H2 O)も含まれる。
物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使
用してもよい。これらの無機化合物のうち、特に水酸化
アルミニウムがグリップ力向上効果が顕著である点から
好ましい。
10μmの粉体であることが必要である。該無機化合物
の粒径が0.01μm未満であるとグリップ力向上が望
めない割に混練作業性が悪化し、10μmを越えると弾
性率が極端に低下し、耐摩耗性が悪くなるため好ましく
ない。また、これらの効果が高いことから、粒径は0.
05〜5μmであることが好ましく、0.1〜3μmで
あることがさらに好ましい。
物は、窒素吸着比表面積(N2 SA)が130〜280
m2/gのシリカを含んでいる。シリカの窒素吸着比表面
積が130m2/g未満では、十分な弾性率が得られず耐
摩耗性が悪化し、280m2/gを越えるとグリップ力向
上が望めない割りに混練作業性が低下するため好ましく
ない。
用できるシリカとしては、特に制限はないが、乾式法シ
リカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が
挙げられ、湿式法シリカが好ましい。湿式法シリカの好
適例としては、日本シリカ社製ニップシールVN3 A
Q(商品名)等が挙げられる。
成物は、窒素吸着比表面積が80〜280m2/gのカー
ボンブラックを含んでいる。カーボンブラックの窒素吸
着比表面積が80m2/g未満では十分な弾性率が得られ
ず耐摩耗性が悪化し、280m2/gを越えると、グリッ
プ力、耐摩耗性向上が望めない割りに混練作業性が悪化
するため好ましくない。
は、HAF、ISAF、SAF等が挙げられ、SAFが
低温域のウェット路面及び高温域のウェット路面又はセ
ミウェット路面でのグリップ力等の性能の両立という点
から好ましい。
ボンブラックの配合量は、前述のゴム成分100重量部
に対して、それぞれ5〜150重量部、5〜100重量
部、及び5〜170重量部であり、かつこれらのトータ
ルの配合量は、該ゴム成分100重量部に対して、80
〜250重量部である。無機化合物粉体の配合量が5重
量部未満であると、十分なグリップ力を発揮できず、1
50重量部を越えると弾性率が極端に低下し、耐摩耗性
が悪くなるため好ましくない。また、シリカの配合量が
5重量部未満では、ウェット路面におけるグリップ力が
不十分であり、100重量部を越えるとグリップ力、耐
摩耗性向上が望めない割りに混練作業性が極端に悪化す
るため好ましくない。カーボンブラックの配合量が5重
量部未満では、十分な補強性が得られず耐摩耗性が低下
し、170重量部を越えるとグリップ力、耐摩耗性向上
が望めない割りに混練作業性が悪化するため好ましくな
い。さらに、これらのトータルの配合量が、80重量部
未満では十分なグリップ力と耐摩耗性が得られず、25
0重量部を越えるとグリップ力、耐摩耗性向上が望めな
い割りに混練作業性が悪化するため好ましくない。ま
た、上記効果が顕著であることから、無機化合物粉体、
シリカ及びカーボンブラックの配合量は、それぞれ、1
5〜120重量部、30〜100重量部、及び15〜1
40重量部であり、かつこれらのトータルの配合量は、
100〜230重量部であることが好ましい。
物は、シランカップリング剤を前記シリカの3〜20重
量%含んでいてもよい。シランカップリング剤はシリカ
とゴム成分との結合を強め、耐摩耗性を向上させる作用
を有しており、シランカップリング剤の配合量が前記シ
リカの3重量%未満では、上記のシランカップリング剤
添加の効果が現れず、20重量%を越えると、コストが
アップする割に上記効果が得られず好ましくない。
ング剤は、一般式Y3 −Si−CnH2nAで表される化
合物であり、式中のYは炭素数1〜4のアルキル基、ア
ルコキシル基又は塩素原子で3個のYは同一でも異なっ
ていてもよく、nは1〜6の整数を示し、Aは−Sm C
n H2nSi−Y3 基、ニトロソ基、メルカプト基、アミ
ノ基、エポキシ基、ビニル基、塩素原子、イミド基及び
−Sm Z基(ここで、mは1〜6の整数であり、n及び
Yはそれぞれ前述の通りであり、またZは以下の化1、
化2又は化3で表される基である)よりなる群から選ば
れた基である。
としては、具体的には、ビス(3−トリエトキシシリル
プロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシ
シリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメト
キシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−ト
リメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリ
メトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシ
ラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニ
トロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピル
トリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシ
シラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−ク
ロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリ
ルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラ
スルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N
−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−ト
リエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバ
モイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロ
ピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエト
キシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィ
ド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモ
ノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタク
リレートモノスルフィド等が挙げられ、カップリング剤
添加効果とコストの両立という点からビス(3−トリエ
トキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメ
トキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィ
ド等が好ましい。また、3個のYが同一でない例として
は、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テト
ラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチ
ルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラ
ン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメ
トキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカ
ルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリル
プロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げら
れる。
C9 芳香族系石油樹脂及び/又はアルキルフェノール系
樹脂を含んでいてもよい。ここで、C9 芳香族系石油樹
脂とは、C9 芳香族系モノマーの重合体をいい、C9 芳
香族系モノマーの例には、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、クマロン、インデン等が挙げられる。C9芳
香族系モノマーは単独で使用しても、2種以上使用して
もよい。またアルキルフェノール系樹脂としては、p−
t−ブチルフェノール−アセチレン等のアルキルフェノ
ール−アセチレン系樹脂、及びクレゾール類、キシレノ
ール類、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチル
フェノール類を含むアルキルフェノール−ホルムアルデ
ヒド系樹脂が挙げられる。これらの樹脂の軟化点として
は60〜150°Cが好ましい。軟化点が60°C未満
では高温域におけるウェット路面及びセミウェット路面
における十分なグリップ力が得られず、また150°C
を越えると混練の際に樹脂が均一に分散せず、耐摩耗性
が著しく低下するため好ましくない。これらのC9 芳香
族系石油樹脂、アルキルフェノール系樹脂は単独で使用
しても、2種以上を使用してもよい。また、C9 芳香族
系石油樹脂及びアルキルフェノール系樹脂用を併用して
もよい。C9 芳香族系石油樹脂としては、日本石油化学
社製ネオポリマー80(商品名、軟化点83°C)、同
社製ネオポリマー140(商品名、軟化点145°C)
が好ましく、またアルキルフェノール系樹脂としては大
日本インキ化学工業社製フェノライトAA1101(商
品名、軟化点94°)が好ましい。
00重量部に対して、3〜50重量部である。これらの
樹脂の配合量が3重量部未満の場合には目的とするグリ
ップ力等のウェット性能での添加効果が得られず、50
重量部を越える場合にはグリップ力、耐摩耗性向上が望
めない割りに混練作業性を著しく悪化させるため好まし
くない。また、これらの効果が顕著である点から樹脂の
配合量は、5〜40重量部であることが好ましい。
クロロホルム抽出分が、前述のゴム成分100重量部に
対して30〜270重量部であることを必要とする。該
抽出分が30重量部未満及び270重量部を越えると、
いずれもグリップ力、耐摩耗性向上が望めない割りに混
練作業製が悪化するため好ましくない。該抽出分は、グ
リップ力及び耐摩耗性と混練作業性との両立という点か
ら30〜200重量部であることが好ましい。
物には、上記以外にもゴム工業で通常使用されている硫
黄等の加硫剤、各種加硫促進剤、各種軟化剤、各種老化
防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、アロマティックオイ
ル、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等の添加剤を配合す
ることができる。
説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、本実施例に
限定されるものではない。
部)に従って、バンバリーミキサを用いて、各種タイヤ
トレッド用ゴム組成物を混練配合した。
45°C、45分で加硫した後、下記に示す各種の測定
を行った。
率は699cm-1のフェニル基の吸収に基づいた赤外法
による検量線から求めた。
K 6350に準じた。路面摩擦試験は、実開平5−6
6545号公報に記載された路面摩擦試験機を用いて試
験を行った。図1に示すように、この路面摩擦試験機1
0は、アスファルト等で形成された路面34に載置され
た図示しない所定のケースに収納されていて、固定枠3
2を備えている。固定枠32の上部には、図示しない空
気チューブを介して空圧源ユニット(図示省略)と連結
されているベローズ31が固定されている。このベロー
ズ31の真下には、空圧源ユニットから供給される空気
圧によってベローズ31が加える下向きの荷重を検出す
るロードセル30と、モータ29とが配設されている。
これらのロードセル30と、モータ29とは、ガイド枠
33によってベローズ31の真下からずれないように固
定されていて、検出データのばらつきを防止している。
また、モータ29の真下には回転軸27が配置されてい
て、この回転軸27とモータ29の出力軸が連結されて
モータ29の駆動により回転軸27が回転するようにな
っている。回転軸27の下部には、路面34との間で円
盤状又は円筒状のゴムサンプル25を挟持するためのソ
ケット26が連結されていて、ロードセル30、モータ
29及び回転軸27と共にベローズ31からの下向きの
荷重をゴムサンプル25に伝達しながら、回転軸27の
回転に伴って路面34と平行方向に回転して、ゴムサン
プル25を回転させるようになっている。また、回転軸
27の近傍には、ゴムサンプル25の回転により発生す
るトルクを検出するトルクメータ28が配設されてい
る。
は図示しない計測制御トランクとそれぞれ電気的に接続
されていて、検出したトルク及び荷重を計測制御トラン
クへ送信するようになっている。この計測制御トランク
は制御パネルを備えていて、送信されてきたトルクから
算出した路面32とゴムサンプル25との摩擦力と、送
信されてきた荷重とをこの制御パネルに表示するように
なっている。また、この計測制御トランクは前述の空気
源ユニットとも電気的に接続されていて、ロードセル3
0から送信されてきた荷重を基に、空気源ユニットから
ベローズ31に供給される空気圧を調節して、ゴムサン
プル25に加えられる荷重を制御している。なお、空気
源ユニットと計測制御トランクとは、図示しない発電機
と電気的に接続されている。
いて、荷重8kgf、回転速度20rpmにより行われ
た。また、得られた値(ラボμ)は比較例1の値を10
0として指数表示をした。なお5°C、20°Cの値
は、それぞれ低温域のウェット路面、高温域のウェット
路面又はセミウェット路面における磨耗指数を示す指標
であり、これらの値が大きい程、グリップ力が良いと評
価する。
験機を用いて室温でスリップ率25%の条件で試験を行
い、比較例1の値を基準として指数表示をした。耐摩耗
指数が大きい程耐摩耗性が良いと評価する。
名)(スチレン含有率35%) *2 SAF(N2 SA150m2 /g) *3 日本シリカ社製 ニップシールVN3 AQ(商
品名、N2 SA200m2 /g) *4 昭和電工社製 ハイジライトH−43M(平均粒
子径0.6μm) *5 J.M.HUBER社製 NUCAP290(商
品名)(平均粒子径0.2μm) *6 DEGUSSA社製 Si−69(商品名) *7 C9 芳香族系石油樹脂、日本石油化学社製 ネオ
ポリマー80(商品名)(軟化点83°C) *8 C9 芳香族系石油樹脂、日本石油化学社製 ネオ
ポリマー140 (商品名)(軟化点145°C) *9 アルキルフェノール樹脂、大日本インキ化学工業
社製 フェノライトAA1101(商品名)(軟化点94°
C) *10 大内新興化学工業社製 ノクセラ−CZ−G(商
品名、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−1−
スルフェンアミド) *11 大内新興化学工業社製 ノクセラ−TOT−N
(商品名、テトラキス−2−エチルヘキシルチウラムジ
スルフィド) 実施例1及び比較例1を比較すると、カーボンブラック
の配合量と、カーボンブラック及びシリカ及び/又は無
機化合物粉体のトータルの配合量は同じであるが、無機
化合物粉体として水酸化アルミニウムを使用している実
施例1の方が5°C(低温域)及び20°C(高温域)
におけるラボμ並びに耐摩耗性が向上していることがわ
かる。
水酸化アルミニウムの配合量を変化させたものであり、
実施例1に対して、さらに5°C(低温域)及び20°
C(高温域)におけるラボμが向上していることがわか
る。
ボンブラックの配合量と、トータルの配合量は同じであ
るが、無機化合物粉体としてクレーを使用している実施
例4の方が5°C(低温域)及び20°C(高温域)に
おけるラボμ並びに耐摩耗性が向上していることがわか
る。また、この実施例4を無機化合物粉体として水酸化
アルミニウムを使用している実施例1と比較すると、実
施例1の方が5°C(低温域)及び20°C(高温域)
におけるラボμが向上しており、無機化合物粉体として
水酸化アルミニウムの方が好ましいことがわかる。
を含んでおり、カーボンブラックの配合量とトータルの
配合量が同じである比較例1とそれぞれ比較すると、5
°C(低温域)及び20°C(高温域)におけるラボμ
並びに耐摩耗性が向上していることがわかる。また、カ
ーボンブラックの配合量、無機化合物粉体の配合量及び
シリカの配合量が同じである実施例1と実施例5及び6
とを比べると、C9 芳香族系石油樹脂を含んだ実施例5
及び実施例6の方が、20°C(高温域)におけるラボ
μの向上の度合いが大きいことがわかる。
樹脂を含んでおり、カーボンブラックの配合量とトータ
ルの配合量が同じである比較例1とそれぞれ比較する
と、5°C(低温域)及び20°C(高温域)における
ラボμ並びに耐摩耗性が向上しており、特に20°C
(高温域)におけるラボμが向上していることがわか
る。
していない点が他の実施例と異なっており、カーボンブ
ラックの配合量、無機化合物粉体の配合量及びシリカの
配合量が同じである実施例1と比べると、20°C(高
温域)におけるラボμ及び耐摩耗性が低下するものの、
カーボンブラックの配合量とトータルの配合量が同じで
ある比較例1と比較すると、耐摩耗性は同程度である
が、5°C(低温域)及び20°C(高温域)における
ラボμが向上していることがわかる。この結果から、シ
ランカップリング剤を使用する方が好ましいことがわか
る。
と、樹脂を使用している場合には、シランカップリング
剤を使用していなくても同様の特性を示すことがわか
る。
低温域のみならず高温域におけるウェット路面、及びセ
ミウェットの路面における著しくグリップ力を向上させ
るタイヤトレッド用ゴム組成物を提供できる。
験機の主要部を示した断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 スチレン含有率20〜60%のスチレン
−ブタジエンゴムを少なくとも70重量部含むゴム成分
100重量部に対し、 下記一般式(I)で表され、粒径が0.01〜10μm
である無機化合物粉体を5〜150重量部と、 窒素吸着比表面積が130〜280m2/gのシリカを5
〜100重量部と、 該無機化合物粉体と該シリカとのトータル量が80〜2
50重量部となるように、窒素吸着比表面積が80〜2
80m2/gのカーボンブラックを5〜170重量部含
み、 加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分が30〜270
重量部であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組
成物。 mM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(I) [式(I)中、M1 は、Al、Mg、Ti、Caから選
ばれる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金属水酸
化物であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整
数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数
である] - 【請求項2】 シランカップリング剤を前記シリカの3
〜20重量%含むことを特徴とする請求項1記載のタイ
ヤトレッド用ゴム組成物。 - 【請求項3】 C9 芳香族系石油樹脂及び/又はアルキ
ルフェノール系樹脂を3〜50重量部含むことを特徴と
する請求項1又は2記載のタイヤトレッド用ゴム組成
物。 - 【請求項4】 スチレン含有率30〜45%のスチレン
−ブタジエンゴムを少なくとも70重量部含むゴム成分
100重量部に対し、 下記一般式(I)で表され、粒径が0.05〜5μm で
ある無機化合物粉体を15〜120重量部と、 窒素吸着比表面積が130〜280m2/gのシリカを3
0〜100重量部と、 該無機化合物粉体と該シリカとのトータル量が100〜
230重量部となるように、窒素吸着比表面積が80〜
280m2/gのカーボンブラックを15〜140重量部
と、 C9 芳香族系石油樹脂及び/又はアルキルフェノール系
樹脂を5〜40重量部と、 シランカップリング剤を該シリカの3〜20重量%含
み、 加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分が30〜200
重量部であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組
成物。 mM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(I) [式(I)中、M1 は、Al、Mg、Ti、Caから選
ばれる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金属水酸
化物であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整
数、0〜10の整数、2〜5の整数及び0〜10の整数
である] - 【請求項5】 前記無機化合物粉体が水酸化アルミニウ
ムであることを特徴とする請求項1、2、3及び4のい
ずれか記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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