JP2009057413A - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性、耐摩耗性などの他の特性を損なうことなく、タイヤのグリップ性能、特にウェットグリップ性能を向上させるタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴムをゴム成分とし、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値が−40〜−10℃であり、前記ゴム成分100重量部に対してカーボンブラック及びシリカを合計で50〜200重量部、シランカップリング剤を前記シリカ量に対して2〜25重量%、プロセスオイルを50〜200重量部、及び下記一般式(1)で表される有機シラン化合物を前記シランカップリング剤量の10〜70重量%の量で含むゴム組成物。
SiR1n(OR4−n ……(1)
(式(1)中、Rは炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素のいずれかであり、Rは炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤに優れたグリップ性能、特にウェット路面におけるウェットグリップ性能を付与するトレッド用ゴム組成物に関するものであり、特にレース用タイヤのトレッドゴムとして好適なタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
従来、ウェット路面走行に用いられる空気入りタイヤでは、その対策としてはトレッド面に配置される溝パターンに係るものが多い。しかし、単に溝パターンを改善しただけでは限界があり、接地面を形成するトレッドゴムの改善が同時に行われている。例えば、レーシングコースに用いられるタイヤは、ラップタイムを縮めるため、様々な改善がなされ、よりラップタイムを短縮するという要望がある。
タイヤのウェットグリップ性能を向上させるには、トレッドゴムのヒステレシスロスを高めるために、トレッドゴムにスチレン含量の多いスチレンブタジエンゴムなどのガラス転移温度の高いポリマーを使用する、補強性フィラーやオイルの充填量を増加する、粘着付与性の樹脂類を増量する、などの手法が一般的に知られている。
上記ポリマーのガラス転移温度が通常のタイヤ使用温度である常温付近まで高くなるとゴム硬度が高くなり、タイヤ接地面積の低下に伴いなうグリップ力の低下及びトレッドゴムの脆性破壊に伴ない耐クラック性が悪化する傾向を示し、また、補強性フィラーやオイル充填量また粘着性樹脂類を増量すると、ゴム混合性の悪化、押出し、カレンダー作業などの工程作業性の悪化、或いはゴム成分との補強効果が損なわれ、摩耗量の増大及び摩耗粉の付着によるグリップ力の低下が問題となリ、これら従来の手法には限界があった。
ウェットグリップ性能と転動抵抗のバランスを向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物として、例えば、(A)スチレン量=15〜45重量%、ビニル量=25〜75重量%、ガラス転移温度=−50〜−10℃であるポリマー末端水酸基を導入した高カップリング溶液重合SBRを10〜100重量部、(B)高分散性シリカを10〜90重量部、(C)特定のカーボンブラックを10〜90重量部、および(D)特定のポリシロキサンをシリカ配合量の1〜40重量%配合したものが提案されている(特許文献1)。
特開2006−160812号公報
しかしながら、従来技術によるウェットグリップ向上の手法では、他のゴム特性や工程性を低下させるという問題があり、また、特許文献1に記載の技術は、特定の末端変性溶液重合SBRに特定のフィラーおよびポリシロキサンを選択配合することにある。
本発明は、タイヤ製造工程における加工性、耐摩耗性などの他の特性を損なうことなく、タイヤのグリップ性能、特にウェットグリップ性能を著しく向上させたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ゴム成分とシリカとの反応を促進し得る特定の有機シラン化合物を併用することでシリカの分散性を改良し加工性、耐摩耗性などのゴム特性を損なうことなくウェットグリップ性能を向上し得ることを見出し本発明に到達したものである。
すなわち、本発明にかかるタイヤトレッド用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴムをゴム成分とし、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値が−40〜−10℃であり、前記ゴム成分100重量部に対してカーボンブラック及びシリカを合計で50〜200重量部、シランカップリング剤を前記シリカ量に対して2〜25重量%、プロセスオイルを50〜200重量部、及び下記一般式(1)で表される有機シラン化合物を前記シランカップリング剤量の10〜70重量%の量で含むことを特徴とする。
SiR1n(OR4−n ……(1)
(式(1)中、Rは炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素のいずれかであり、Rは炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の整数である。)
本発明にかかる空気入りタイヤは、前記のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに適用したものである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物によれば、有機シラン化合物のアルコキシル部分がシリカのシラノール基に作用してシリカ表面の親水性を弱めると共に、ポリマーとの親和性及び立体効果の高い長鎖構造を持つことで、ポリマーの動きを確保しシリカの凝集塊が作り難くなりポリマーへの分散性が向上する。これによりゴム組成物の加工性、耐摩耗性などのゴム特性をそこなわず、ゴム硬度を維持しグリップ性能、特にウェットグリップ性能を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分としてスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとは、天然ゴム(NR)及び各種のジエン系合成ゴムが挙げられる。ゴム成分としては、必須ゴム成分として含まれるスチレンブタジエンゴム(SBR)単独でも、このSBRに他のSBR、或いは他のジエン系ゴムをブレンドしてもよい。
ジエン系合成ゴムとしては、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ、これらのジエン系ゴムは、単独又は2種類以上がブレンドされ含まれていてもよい。
上記SBRとしては、特に限定されないが、溶液重合によるSBRが挙げられ、その結合スチレン含は30〜45%、ビニル含量は10〜50%にあるものが好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、−40〜−15℃にあるものが好ましい。また、油展SBRを使用することもでき、これらのSBRを単独又は2種類以上を使用してもよい。
本発明において、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値は−40〜−10℃である。
Tgの平均値は下記式(2)より求められる値である。
Tg平均値=Tg・X+Tg・X+Tg・X+・・・ ……(2)
式(2)中、Tg、Tg、Tg ・・・はゴム成分1、2、3・・・のTgを示し、X、X、X ・・・はゴム成分1、2、3・・・の全ゴム成分中に占める重量%である。なお、Tgは示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定した値である。
上記Tgの平均値が−40℃より低いと、ゴム硬度が低くなってウェットグリップ性能が低下し、−10℃よりも高くなるとゴム硬度が上昇し、タイヤ接地面積の低下に伴いなうグリップ力の低下や耐クラック性の悪化が見られる。
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分100重量部に対してカーボンブラック及びシリカが合計で50〜200重量部配合される。
カーボンブラックとしては、NSA(窒素吸着比表面積)が70m/g以上、DBP吸油量が105ml/100g以上であるものが好ましく、更にNSAが80〜150m/g、DBP吸油量が110〜150ml/100gであるものが好ましい。この値が低過ぎると十分なグリップ性能が得られず、また引張強さ、モジュラスなどが低くなり耐摩耗性が低下し好ましくない。このようなカーボンブラックの具体例としては、SAF、ISAF級のカーボンブラックが挙げられる。
また、使用されるシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも低転がり抵抗特性とウェット性能の両立効果が良好である湿式シリカが好ましく、また生産性に優れる点からも好ましい。
上記シリカは、窒素吸着比表面積(BET)が100〜300m/g、DBP吸油量が150〜300ml/100gにあるものが好ましく、ウェットグリップ性能を改善しやすくする。BETが100m/g未満であるとシリカの補強効果が得られにくくなり、300m/gを超えるとシリカの分散性が著しく低下し、加工性(混合、押出性)が悪化する傾向にある。また、DBP吸油量を150〜300ml/100gとすることで分散性を良好に維持することができる。このようなシリカとしては、東ソー・シリカ(株)製のニップシールAQ、VN3、トクヤマ(株)製のトクシールUR、U−13、デグサ社製のウルトラジルVN3などの市販品が使用できる。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に、DBP吸油量はJIS K6221に記載の方法に準拠し測定される。
さらに、シリカとしてはアミン類や有機高分子などで表面処理しポリマーとの親和性を改善した表面処理シリカなどを用いてもよい。
上記カーボンブラック及びシリカの配合量は、その合計でゴム成分100重量部に対して50〜200重量部であり、両者の比率は特に限定されないが、カーボンブラックが20〜100重量部、好ましくは30〜70重量部、シリカが20〜100重量部、好ましくは30〜80重量部の範囲の配合量であることが好ましい。
上記配合量が50重量部未満では補強性、シリカの低発熱性などの作用が発揮されず、200重量部を超えると本発明によりシリカの分散性を向上したとしてもゴムのムーニー粘度や硬度が上昇し加工性が維持し難く、また耐摩耗性も低下し好ましくない。
本発明では、上記シリカ量に対して2〜25重量%のシランカップリング剤を使用する。より好ましくは5〜15重量%の範囲で使用される。シランカップリング剤としては、ゴム用のシランカップリング剤であれば特に限定されることはない。
シランカップリング剤の例として、例えば、下記式(3)で表されるスルフィド結合を有するシランカップリング剤が挙げられる。
(C2a+1O)−Si−(CH−S−(CH−Si−(OC2a+1 ……(3)
式(3)中、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数である。cはスルフィド部の硫黄数を表し、平均値は2〜4である。
このような式(3)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィドなどが挙げられる。中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドやビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが好ましく、市販品としては、デグサ社の「Si−69」、「Si−75」などを使用することができる。
また、下記式(4)で表されるシランカップリング剤を使用することもできる。
(C2x+1O)Si−(CH−S−CO−C2z+1 ……(4)
式(4)中、xは1〜3の整数、yは1〜5の整数、zは5〜9の整数である。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤は保護化メルカプトシランであり、式(4)において、x=2、y=3、z=7である、GEシリコーンズ社の「NXT」が市販品として挙げられる。
シランカップリング剤の配合量が2重量%未満ではシランカップリング剤自体のカップリング効果が充分でなく、かつ有機シラン化合物との相互作用も不十分となり、25重量%を超えると、やはり体積効果によりゴム組成物自体が軟化し、ウェット性能、補強性、耐摩耗性を低下させるおそれがある。
また、プロセスオイルがゴム成分100重量部に対して50〜200重量部配合される。プロセスオイルは、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のいずれも使用できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、下記一般式(1)で表される特定の有機シラン化合物が、前記シランカップリング剤量の10〜70重量%の量で配合される。
SiR1n(OR4−n ……(1)
式(1)中、Rは炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素のいずれかであり、Rは炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の整数である。
における炭素数が5〜20のアルキル基としては、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル基等が挙げられる。
これらのアルキル基の中でも炭素数が6以上、好ましくは8以上の直鎖構造であるもの長鎖アルキル基を形成し好ましい。また、Rは上記に記載のアルキル基を2種類以上含んでいても良い。
上記炭素数が5未満ではRとポリマーとの反応性が不十分でありシランカップリング剤との併用効果が発現されずシリカの分散性が向上しない。また、炭素数が20を超えるとゴム物性への影響、特にゴム硬度が低下する傾向にある。
また、Rにおけるアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
一般式(1)中のRは、炭素数1〜3のアルキル基であり、すなわちメチル、エチル、プロピル基である。このRは式中の酸素原子と結合してアルコキシル基を形成し、すなわちROはメトキシ、エトキシ、プロポキシ基のいずれかである。
上記の有機シラン化合物は、そのアルコキシシラン部分がシリカ表面と相互作用を持ち、シリカ表面に存在することでシラノール基と反応しシリカの凝集塊を作り難くし、これによりシリカの分散性を向上させることでシリカ凝集を抑え、かつポリマーの動くを確保しゴム組成物の硬度上昇を抑えウェットグリップ性能を向上することができる。
前記有機シラン化合物の配合量が、シランカップリング剤量の10重量%未満では、シランカップリング剤との相互作用が不十分でウェットグリップ性能の改善効果が十分得られず、70重量%を超えるとやはり体積効果によりゴム組成物自体が軟化し、ウェット性能、補強性、耐摩耗性などの他のゴム特性を低下させる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、上記ゴム成分とカーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、プロセスオイル、有機シラン化合物の他に、タイヤトレッド用ゴム組成物において通常に用いられる硫黄などの加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫助剤などの各種配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ適宜配合し用いることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、原料ゴムと上記成分に各種配合剤を配合しバンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して常法に従い作製することができ、空気入りタイヤのトレッド、特にレース用タイヤのトレッドゴムに好適であるが、もちろん一般用途のタイヤにも使用できる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[タイヤトレッド用ゴム組成物の調製]
容量20リットルの密閉式バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合処方(重量部)に従い、各ゴム組成物を調製した。表1に記載の各成分及び共通配合成分は以下の通りである。
[ゴム成分]
・SBR−1:旭化成(株)「タフデン4850」(Tg=−25℃、スチレン量=39%、ビニル含量=34%、50重量部油展)
・SBR−2:JSR(株)「SBR1723」(Tg=−53℃、スチレン量=24%、ビニル含量=15%、37.5重量部油展)
・SBR−3:JSR(株)「SBR0122」(Tg=−40℃、スチレン量=37%、ビニル含量=14%、34重量部油展)
[配合成分]
・カーボンブラック:三菱化学(株)「SAFカーボンブラック UX10」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)「ニップシールAQ」
・プロセスオイル:ジャパンエナジー(株)「JOMOプロセスNC140」
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si69」
・有機シラン化合物:信越化学(株)製 デシルトリメトキシシラン
各ゴム組成物には、共通配合剤として、ゴム成分100重量部に対して、ステアリン酸(花王製「ルナックS−20」)2重量部、亜鉛華(三井金属鉱業製「亜鉛華1種」)3重量部、老化防止剤(住友化学製「アンチゲン6C」)2重量部、ワックス(大内新興化学工業製「サンノックN」)2重量部、クマロン樹脂(新日鐵化学製「エスクロンV120」)10重量部、加硫促進剤(三新化学工業製「サンセラーDM−G」)1.5重量部、加硫促進剤(住友化学製「ソクシノールCZ」)2.5重量部、硫黄(鶴見化学工業製「粉末硫黄」)1.5重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、ウェットグリップ性能の指標としてtanδ、耐摩耗性(ランボーン摩耗試験)、加工性の指標としてムーニー粘度を、下記方法により評価した。結果を表1に示す。
[tanδ]
東洋精機(株)製、粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz,静歪10%、動歪1%の条件で、0℃でのtanδ(損失係数)を測定した。比較例1を100とする指数で示した。数値が大きいほどウェットグリップ性能に優れる。
[耐摩耗性]
JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N、スリップ率30%の条件にて摩耗減量を測定した。比較例1を100とする指数で示した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れる。
[ムーニー粘度]
ASTM D1646に準拠して100℃でのムーニー粘度(ML1+4)を測定した。比較例1を100とする指数で示した。数値が大きいほどムーニー粘度が低く加工性に優れる。
Figure 2009057413
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッドゴムに使用することができ、特にレーシング用舗装路面で走行使用されるレース用タイヤのトレッドゴムに好適である。

Claims (2)

  1. スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴムをゴム成分とし、前記ゴム成分のガラス転移温度(Tg)の平均値が−40〜−10℃であり、前記ゴム成分100重量部に対してカーボンブラック及びシリカを合計で50〜200重量部、シランカップリング剤を前記シリカ量に対して2〜25重量%、プロセスオイルを50〜200重量部、及び下記一般式(1)で表される有機シラン化合物を前記シランカップリング剤量の10〜70重量%の量で含む
    ことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
    SiR1n(OR4−n ……(1)
    (式(1)中、Rは炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素のいずれかであり、Rは炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の整数である。)
  2. 請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに適用した
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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