JP2011246527A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量%中、下記式(1)で表される化合物により変性され、ガラス転移温度が−10〜−30℃のスチレンブタジエンゴム(1)を10質量%以上、下記式(1)で表される化合物により変性され、スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度より5〜20℃低いガラス転移温度を有するスチレンブタジエンゴム(2)を10質量%以上含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
[化1]
Figure 2011246527

(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来より、補強用充填剤(特にシリカ)を増量する方法、ゴム成分のブレンドによりゴム組成物のガラス転移温度を高くする方法等により、ウェットスキッド性能の向上が試みられてきた。 しかし、これらの方法では、 近年期待されている、 車の低燃費化への要求(低燃費性)や、 タイヤのロングライフ要求(耐摩耗性)を満足させることが困難であるという問題がある。
一方、補強用充填剤(特にカーボンブラック)を増量する方法、ゴム成分のブレンドによりゴム組成物のガラス転移温度を高くし、ゴム硬度を高くする方法等により、操縦安定性の向上が試みられてきた。しかし、 これらの方法では、ゴム硬度の上昇に伴い、耐摩耗性や低燃費性が悪化してしまうという問題がある。
特許文献1では、特定のシリカ及び酸化亜鉛を所定量使用することにより、ウェットスキッド性能、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できることが開示されている。しかし、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく改善するという点では、改善の余地がある。
特開2008−308637号公報
本発明は、前記課題を解決し、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量%中、下記式(1)で表される化合物により変性され、ガラス転移温度が−10〜−30℃のスチレンブタジエンゴム(1)を10質量%以上、下記式(1)で表される化合物により変性され、スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度より5〜20℃低いガラス転移温度を有するスチレンブタジエンゴム(2)を10質量%以上含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 2011246527
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
スチレンブタジエンゴム(1)のスチレン含量が25〜50質量%、ビニル含量が40〜75質量%であり、スチレンブタジエンゴム(2)のスチレン含量が15〜35質量%、ビニル含量が10〜50質量%であることが好ましい。
スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度が−10〜−25℃であることが好ましい。
天然ゴム、イソプレンゴム、及び/又はブタジエンゴムを含むことが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部含むことが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを2〜50質量部含むことが好ましい。
タイプAデュロメーターで測定した硬度が63〜72であることが好ましい。
トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分100質量%中、上記式(1)で表される化合物により変性され、ガラス転移温度が−10〜−30℃のスチレンブタジエンゴム(1)を特定量以上、上記式(1)で表される化合物により変性され、スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度より5〜20℃低いガラス転移温度を有するスチレンブタジエンゴム(2)を所定量以上含むタイヤ用ゴム組成物であるので、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上でき、これらの性能に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中、上記式(1)で表される化合物により変性され、ガラス転移温度が−10〜−30℃のスチレンブタジエンゴム(1)(SBR(1))を特定量以上、上記式(1)で表される化合物により変性され、スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度より5〜20℃低いガラス転移温度を有するスチレンブタジエンゴム(2)(SBR(2))を所定量以上含む。
本発明では、SBR(1)と、SBR(2)とを併用する。SBR(1)によりウェットスキッド性能、操縦安定性、耐摩耗性を改善でき、SBR(2)により低燃費性を改善できると推測される。さらに、SBR(1)と、SBR(2)は、相溶性が高いため、相溶系のポリマーブレンドを形成し、耐摩耗性の低下を抑制できると推測される。
また、SBR(1)、SBR(2)は、上記式(1)で表される化合物により変性されているため、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をよりバランスよく向上できる。これは、上記式(1)で表される化合物によりシリカの分散性が向上するためと推測される。
SBR(1)、SBR(2)は、上記式(1)で表される化合物により変性されたスチレンブタジエンゴムである。
上記式(1)で表される化合物において、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
上記シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
上記アセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。R、R及びRとしては、アルコキシ基が望ましい。これにより、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できる。
及びRのアルキル基としては、例えば、上記アルキル基と同様の基を挙げることができる。R及びRとしては、アルキル基が好ましい。これにより、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できる。
n(整数)としては、1〜5が好ましい。これにより、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが0であるとケイ素原子と窒素原子との結合が困難であり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるスチレンブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、スチレンブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、スチレンブタジエンゴムを重合し、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、スチレンブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
なお、スチレンブタジエンゴムの重合方法も特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。そして、モノマー(スチレン、1,3−ブタジエン)量、ランダマイザー(例えば、テトラヒドロフラン)量、重合条件(反応温度、反応時間等)、変性条件(反応温度、反応時間、変性剤量等)等を調整することにより、任意のガラス転移温度、スチレン含量、ビニル含量、重量平均分子量を有するスチレンブタジエンゴム(変性スチレンブタジエンゴム)を調製できる。
変性されるスチレンブタジエンゴム(SBR)としては特に限定されず、例えば、乳化重合SBR(E−SBR)と溶液重合SBR(S−SBR)が挙げられる。なかでも、分子量をコントロールし易いため、S−SBRが好ましい。
SBR(1)のガラス転移温度は、−10℃以下、好ましくは−12℃以下である。−10℃を超えると、発熱性が著しく上昇し、低燃費性が悪化する傾向がある。SBR(1)のガラス転移温度は、−30℃以上、好ましくは−25℃以上、より好ましくは−20℃以上である。−30℃未満であると、充分なヒステリシスロスが確保できず、ウェットスキッド性能が悪化する傾向にある。
なお、本明細書において、スチレンブタジエンゴム(SBR)のガラス転移温度は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
SBR(1)のスチレン含量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。スチレン含量が25質量%未満であると、充分なヒステリシスロスが確保できず、ウェットスキッド性能が悪化する傾向にある。該スチレン含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。スチレン含量が50質量%を超えると、発熱性が著しく上昇し、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
SBR(1)のビニル含量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。ビニル含量が40質量%未満であると、ウェットスキッド性能が悪化する傾向がある。該ビニル含量は、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。ビニル含量が75質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのビニル含量は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
SBR(1)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100000以上、より好ましくは200000以上である。100000未満であると、ゴムの強度が低下してしまい、耐摩耗性が悪化する傾向がある。該Mwは、好ましくは1000000以下、より好ましくは800000以下、更に好ましくは600000以下である。1000000を超えると、混練り時の加工性が著しく悪化してしまうおそれがある。
なお、本明細書において、SBRの重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
ゴム成分100質量%中のSBR(1)の含有量は、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、操縦安定性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性の向上効果が充分に得られない。SBR(1)の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。90質量%を超えると、ゴムの強度、低燃費性が低下するおそれがある、又は低温時(例えば、路面温度10℃以下)のウェットスキッド性能が低下するおそれがある。
SBR(2)のガラス転移温度は、SBR(1)のガラス転移温度よりも5〜20℃低いが、10〜15℃低いことが好ましい。SBR(2)のガラス転移温度とSBR(1)のガラス転移温度の差が5℃未満であると、SBRをブレンドする効果が充分に得られず、ウェットスキッド性能、低燃費性、耐摩耗性の全てを改善できないおそれがある。SBR(2)のガラス転移温度とSBR(1)のガラス転移温度の差が20℃を超えると、SBR(1)とSBR(2)の相溶性が低下し、非相溶系のポリマーブレンドを形成することとなり、耐摩耗性が著しく低下する。また、操縦安定性、ウェットスキッド性能も低下する。
SBR(2)のスチレン含量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、特に好ましくは28質量%以上である。スチレン含量が15質量%未満であると、充分なヒステリシスロスを確保できず、ウェットスキッド性能が悪化する傾向がある。該スチレン含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは33質量%以下である。スチレン含量が35質量%を超えると、発熱性が著しく上昇し、低燃費性が悪化する傾向がある。
SBR(2)のビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。ビニル含量が10質量%未満であると、ウェットスキッド性能が悪化する傾向がある。該ビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。ビニル含量が50質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
SBR(2)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100000以上、より好ましくは200000以上である。100000未満であると、ゴム強度が低下し、耐摩耗性が悪化する傾向がある。該Mwは、好ましくは1000000以下、より好ましくは800000以下、更に好ましくは600000以下である。1000000を超えると、混練り時の加工性が著しく悪化してしまうおそれがある。
ゴム成分100質量%中のSBR(2)の含有量は、10質量%以上、好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、ウェットスキッド性能、低燃費性の向上効果が充分に得られない。SBR(2)の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは60質量%以下、最も好ましくは40質量%以下である。90質量%を超えると、ゴムの強度が不充分となるおそれがある。また、操縦安定性、ウェットスキッド性能、耐摩耗性が低下するおそれがある。
SBR(1)、SBR(2)以外に本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、上記SBR(1),SBR(2)以外のスチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、加工性(混練り時の加工性)や耐摩耗性を向上できるという理由から、NR、IR、BRが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれる。また、NRは改質されていてもよく、例えば、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等であってもよい。また、IRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNR及びIRの合計含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。5質量%未満であると、加工性(混練り時の加工性)、耐摩耗性、低燃費性が低下するおそれがある。上記合計含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、SBR(1)、SBR(2)の配合量が相対的に少なくなり、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性を向上できるという理由から、BRのシス含量は96質量%以上が好ましい。
BRを配合する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。上記含有量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。35質量%を超えると、ウェットスキッド性能が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有することが好ましい。これにより、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性をより向上できる。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは110m/g以上、特に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満であると、補強効果が小さく、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。300m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、ヒステリシスロスが増大し、低燃費性が悪化するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは20質量部以上である。10質量部未満であると、シリカを配合した効果が充分に得られないおそれがある。該シリカの含有量は、150質量部以下、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化するおそれがある。また、低燃費性、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
上記ゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、補強性改善効果等が高い点からスルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く、加工性が悪化する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、耐摩耗性、操縦安定性をより向上できる。カーボンブラックは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、80m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。80m/g未満では、充分なウェットスキッド性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは280m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましく、170m/g以下が特に好ましく、125m/g以下が最も好ましい。280m/gを超えると、分散性に劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、80ml/100g以上がより好ましく、100ml/100g以上が更に好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強効果が得られず、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、150ml/100g以下がより好ましく、125ml/100g以下が更に好ましい。200ml/100gを超えると、分散性が劣り、混練り加工性、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向にある。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。50質量部を超えると、フィラーの分散性が悪化し、加工性が悪化するおそれがある。また、ヒステリシスロスが増大し、低燃費性が悪化するおそれがある。また、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
シリカとカーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは12質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。12質量部未満では、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性が低下する傾向にある。また、該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは95質量部以下である。200質量部を超えると、フィラーの分散性が悪化し、加工性が悪化するおそれがある。また、低燃費性、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明では、SBR(1)、SBR(2)をそれぞれ特定量配合することにより、シリカとカーボンブラックの合計含有量を上記量とすることができ、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をよりバランスよく向上できる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、クレー等の無機・有機充填剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、オイル等の軟化剤、可塑剤、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
加硫促進剤としては、特に限定されず、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−ジフェニルグアニジンなどを使用できる。なかでも、本発明の効果が充分に得られる点から、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましく、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドとN,N’−ジフェニルグアニジンを併用することが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、加硫速度が小さく、生産性が悪化する傾向がある。
加硫促進剤の含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。5質量部を超えると、加硫促進剤がブリードしてしまい、接着強度が低下する傾向にある。
なお、加硫促進剤の含有量は、2種以上の加硫促進剤を使用する場合には、合計含有量を意味する。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物(加硫後)のタイプAデュロメーターで測定した硬度は、好ましくは63以上、より好ましくは65以上、更に好ましくは66以上である。63未満であると、充分な操縦安定性を得ることができないおそれがある。該硬度は、好ましくは72以下、より好ましくは70以下である。72を超えると、走行時にゴム欠けが発生しやすくなる(耐摩耗性が悪化する)おそれがある。
なお、本明細書において、硬度は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
本発明のゴム組成物は、トレッド、サイドウォール、クリンチ等のタイヤの各部材に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより空気入りタイヤを得る。本発明の空気入りタイヤは、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性が高次元にバランスよく得られる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
n−ヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
1,3−ブタジエン:高千穂化学(株)製
テトラヒドロフラン:関東化学(株)製
1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液:関東化学(株)製
3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン:アヅマックス(株)製の3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン(上記式(1)のR、R及びR=エトキシ基、R及びR=エチル基、n=3の化合物)
メタノール:関東化学(株)製
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:関東化学(株)製
製造例1
(変性スチレンブタジエンゴム(1)(変性SBR(1))の調製)
十分に窒素置換した耐熱容器にn−ヘキサン1500ml、スチレン44g、1,3−ブタジエン90g、テトラヒドロフラン3gを加え、さらに1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを加えて、30℃で4時間撹拌した。その後、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン0.3gを添加し30分間撹拌した。重合体溶液にメタノール1gを加えて反応を止め、反応溶液にオイル27g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、50℃で24時間減圧乾燥し、共重合体(変性SBR(1))を得た。
製造例2
(変性スチレンブタジエンゴム(2)(変性SBR(2))の調製)
十分に窒素置換した耐熱容器にn−ヘキサン1500ml、スチレン42g、1,3−ブタジエン92g、テトラヒドロフラン3gを加え、さらに1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを加えて、50℃で4時間撹拌した。その後、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン0.3gを添加し30分間撹拌した。重合体溶液にメタノール1gを加えて反応を止め、反応溶液にオイル27g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、50℃で24時間減圧乾燥し、共重合体(変性SBR(2))を得た。
製造例3
(変性スチレンブタジエンゴム(3)(変性SBR(3))の調製)
十分に窒素置換した耐熱容器にn−ヘキサン1500ml、スチレン42g、1,3−ブタジエン92g、テトラヒドロフラン0.4gを加え、さらに1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを加えて、70℃で4時間撹拌した。その後、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン0.3gを添加し30分間撹拌した。重合体溶液にメタノール1gを加えて反応を止め、反応溶液にオイル27g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、50℃で24時間減圧乾燥し、共重合体(変性SBR(3))を得た。
製造例1〜3により得られた変性SBR(1)〜(3)について、下記の評価を行った。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)を用い、標準ポリスチレンにより換算して測定した。
(構造同定(スチレン含量、ビニル含量の測定))
スチレン含量、ビニル含量は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズのNMR装置を用いて測定した。
(ガラス転移温度の測定)
ガラス転移温度は、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
SBR:旭化成(株)製のタフデンT4850(重量平均分子量(Mw):350000、スチレン含量:40質量%、 ビニル含量:46質量%、ガラス転移温度:−17℃)
変性SBR(1):製造例1により得られた変性SBR(1)(重量平均分子量(Mw):250000、スチレン含量:36質量%、 ビニル含量:57質量%、ガラス転移温度:−15℃)(本発明のSBR(1)に相当)
変性SBR(2):製造例2により得られた変性SBR(2)(重量平均分子量(Mw):230000、スチレン含量:32質量%、 ビニル含量:42質量%、ガラス転移温度:−28℃)(本発明のSBR(2)に相当)
変性SBR(3):製造例3により得られた変性SBR(3)(重量平均分子量(Mw):220000、スチレン含量:30質量%、 ビニル含量:24質量%、ガラス転移温度:−36℃)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量は97質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g、DBP:115ml/100g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のULTRASIL VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
プロセスオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例1〜6及び比較例1〜5
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をタイヤのトレッドの形状に成型し、他のタイヤ部材と貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で35分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(硬度)
得られた加硫ゴム組成物について、ゴムの硬度をJIS K6253に準拠し、25℃の温度でタイプAデュロメーターを用いて測定した。数値が大きいほど硬いことを示す。
(操縦安定性)
得られた試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。その際に、10点を満点とし、比較例1の操縦安定性を6点としてそれぞれ相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
(低燃費性)
得られた加硫ゴム組成物を(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、周波数10Hz、初期歪み10%および動歪2%の条件下で、70℃における加硫ゴム組成物の損失正接tanδを測定し、比較例1の低燃費性指数を100とし、下記計算式により、各配合のtanδを指数表示した。なお、低燃費性指数が大きいほど、発熱が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(ウェットスキッド性能)
得られた試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面において、速度100km/hのときにブレーキをかけた地点からの制動距離を求めた。そして、それぞれの制動距離を以下の式にあてはめて、それぞれ指数で表した。指数が大きいほど、ウェットスキッド性能が良好であることを示す。
(ウェットスキッド性能指数)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
(耐摩耗性)
得られた加硫ゴム組成物について、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温でスリップ率20%の条件で摩耗試験を行なった。摩耗量の逆数を、比較例1を100として指数表示をした。指数が大きいほど、耐摩耗性が向上していることを示している。
(混練加工性)
JIS K6300に準じて、得られた各未加硫ゴム組成物のムーニ一粘度を130℃で測定した。測定結果を、比較例1を100とした指数で示した。指数が大きいほど粘度が低く、加工が容易であることを示す。
(混練加工性指数)=(比較例1のムーニ一粘度)/(各配合のムーニ一粘度)×100
Figure 2011246527
表1により、上記式(1)で表される化合物により変性され、ガラス転移温度が−10〜−30℃のSBR(1)(変性SBR(1))を特定量以上、上記式(1)で表される化合物により変性され、SBR(1)のガラス転移温度より5〜20℃低いガラス転移温度を有するSBR(2)(変性SBR(2))を所定量以上含む実施例では、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく向上できた。
一方、上記式(1)で表される化合物により変性されたSBRを2種併用しなかった比較例1〜3は、実施例3に比べて、ウェットスキッド性能、操縦安定性、低燃費性、耐摩耗性が劣っていた。また、SBR(1)(変性SBR(1))のガラス転移温度より21℃低いガラス転移温度を有するSBR(変性SBR(3))を使用した比較例4は、実施例3に比べて、ウェットスキッド性能、操縦安定性、耐摩耗性、混錬加工性が劣っていた。

Claims (9)

  1. ゴム成分100質量%中、下記式(1)で表される化合物により変性され、ガラス転移温度が−10〜−30℃のスチレンブタジエンゴム(1)を10質量%以上、下記式(1)で表される化合物により変性され、スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度より5〜20℃低いガラス転移温度を有するスチレンブタジエンゴム(2)を10質量%以上含むタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2011246527
    (式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
  2. スチレンブタジエンゴム(1)のガラス転移温度が−10〜−25℃である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. スチレンブタジエンゴム(1)のスチレン含量が25〜50質量%、ビニル含量が40〜75質量%であり、スチレンブタジエンゴム(2)のスチレン含量が15〜35質量%、ビニル含量が10〜50質量%である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 天然ゴム、イソプレンゴム、及び/又はブタジエンゴムを含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部含む請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを2〜50質量部含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. タイプAデュロメーターで測定した硬度が63〜72である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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