JP2018095676A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、耐摩耗性が改善され、転がり抵抗の温度依存性が低減された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムAを50質量%以上と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムBを15〜45質量%含むゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムを5〜25質量部含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤには、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性が要求されている。これらの性能に加えて、季節による低燃費性の変動を抑制するために、転がり抵抗の温度依存性の低減も望まれている。
転がり抵抗の温度依存性を低減するために、例えば、特許文献1では、スチレンブタジエンゴムとカーボンブラックのマスターバッチ、天然ゴムとカーボンブラックのマスターバッチを混合することにより、転がり抵抗の温度依存性の低減を図っているが、まだ改善の余地がある。
特開2003−12863号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、耐摩耗性が改善され、転がり抵抗の温度依存性が低減された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムAを50質量%以上と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムBを15〜45質量%含むゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムを5〜25質量部含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
上記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、芳香族系樹脂を1〜10質量部含む軟化剤成分を10〜30質量部含むことが好ましい。
上記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカを60質量部以上含むことが好ましい。
上記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを1〜30質量部含むことが好ましい。
上記ゴム組成物が、ブタジエンゴムを含むことが好ましい。
本発明によれば、スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムAを50質量%以上と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムBを15〜45質量%含むゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムを5〜25質量部含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであるので、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、耐摩耗性が改善され、転がり抵抗の温度依存性が低減された空気入りタイヤを提供できる。
本発明の空気入りタイヤは、スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムAを50質量%以上と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムBを15〜45質量%含むゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムを5〜25質量部含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する。
本発明に係るゴム組成物では、高スチレン量、高分子量のスチレンブタジエンゴムA(SBR A)を50質量%以上と、低スチレン量、低分子量のスチレンブタジエンゴムB(SBR B)を15〜45質量%含むゴム成分と、特定量の水酸化アルミニウムを含む。
本発明に係るゴム組成物を用いて作製したトレッドにより、上記効果が得られる理由は以下のように推測される。
本発明に係るゴム組成物では、ゴム成分として、高スチレン量、高分子量のスチレンブタジエンゴムA(SBR A)を50質量%以上と、低スチレン量、低分子量のスチレンブタジエンゴムB(SBR B)を15〜45質量%含む。これにより、含有量の多いSBR Aを海相、含有量の少ないSBR Bを島相とする海島構造が形成され、配合された水酸化アルミニウムはその多くが海相に分散している。その結果、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、耐摩耗性を改善でき、転がり抵抗の温度依存性も低減できる。
本発明では、ゴム成分として、スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムA(SBR A)と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムB(SBR B)とが使用される。
SBR A、SBR Bとして使用できるSBRは特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBR Aのスチレン量は、30質量%以上、好ましくは33質量%以上である。スチレン量が30質量%以上であると、上述の海島構造を好適に形成でき、本発明の効果が充分に得られる。上記スチレン量は、45質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは38質量%以下である。スチレン量が45質量%以下であると、発熱が小さくなり、良好な低燃費性が得られる。
なお、本明細書において、スチレン量は、H−NMR測定により算出される。
SBR Aのビニル量は、40質量%以上、好ましくは45質量%以上である。ビニル量が40質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記ビニル量は、55質量%以下、好ましくは53質量%以下である。ビニル量が55質量%以下であると、良好な耐摩耗性が得られる。
なお、本明細書において、ビニル量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBR Aの重量平均分子量(Mw)は、60万以上、好ましくは65万以上である。60万以上であると、良好な耐摩耗性が得られる。上記Mwは、85万以下、好ましくは80万以下、より好ましくは75万以下である。85万以下であると、良好な加工性、低燃費性が得られる。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
SBR Bのスチレン量は、5質量%以上、好ましくは8質量%以上である。スチレン量が5質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記スチレン量は、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。スチレン量が25質量%以下であると、上述の海島構造を好適に形成でき、本発明の効果が充分に得られる。
SBR Bのビニル量は、30質量%以上、好ましくは35質量%以上である。ビニル量が30質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記ビニル量は、55質量%以下、好ましくは50質量%以下である。ビニル量が55質量%以下であると、良好な耐摩耗性が得られる。
SBR Bの重量平均分子量(Mw)は、10万以上、好ましくは15万以上である。10万以上であると、良好な耐摩耗性が得られる。上記Mwは、35万以下、好ましくは30万以下、より好ましくは25万以下である。35万以下であると、良好な加工性、低燃費性が得られる。
上述の海島構造を好適に形成でき、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、SBR AとSBR Bのスチレン量の差は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。一方、相溶性が向上し、良好な耐摩耗性、低燃費性が得られる傾向があるため、上記スチレン量の差は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
水酸化アルミニウムをより好適にSBR Aにより形成される海相に分散させるために、SBR Aは、水酸化アルミニウムが有する水酸基と相互作用する官能基を有することが好ましい。一方、SBR Bは、上記官能基を有さない非変性SBR、又は、SBR Aよりもスチレン量が10質量%以上小さいSBR(上記官能基を有していてもよい)であることが好ましい。
水酸基と相互作用する官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、ピロリジニル基などが挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシシリル基が好ましい。
上記変性SBR Aとしては、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBR、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)などが挙げられる。
ゴム成分100質量%中のSBR Aの含有量は、50質量%以上、好ましくは55質量%以上である。50質量%以上であると、上述の海島構造を好適に形成でき、本発明の効果が充分に得られる。また、上記SBR Aの含有量は、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。75質量%以下であると、良好な低燃費性、耐摩耗性、転がり抵抗の温度依存性の低減効果が得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中のSBR Bの含有量は、15質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。15質量%以上であると、上述の海島構造を好適に形成でき、本発明の効果が充分に得られる。特に、良好な低燃費性、耐摩耗性、転がり抵抗の温度依存性の低減効果が得られる傾向がある。また、上記SBR Bの含有量は、45質量%以下、好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。45質量%以下であると、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中のSBR A、SBR Bの合計含有量は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。上記合計含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
上記SBR AやSBR Bとして、例えば、住友化学(株)製、JSR(株)製、旭化成(株)製、または日本ゼオン(株)製の溶液重合SBRを使用できる。
SBR A、SBR B以外に本発明で使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。また、SBR A、SBR B以外のSBRを使用してもよい。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、耐摩耗性をより改善でき、転がり抵抗の温度依存性もより低減できるという理由から、BRが好ましい。BRを配合することにより、SBR Aを海相、SBR B及びBRを島相とする海島構造が形成され、本発明の効果がより好適に得られる。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が向上するという理由から、BRのシス含量は95質量%以上が好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%以上であると、良好な耐摩耗性の向上効果及び転がり抵抗の温度依存性の低減効果が得られる傾向がある。また、上記BRの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。30質量%以下であると、SBR A、SBR Bの含有量が低下せずに確保され、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、水酸化アルミニウムを含有する。水酸化アルミニウムとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上である。0.5μm以上では、水酸化アルミニウムの分散がより良好なものとなり、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、水酸化アルミニウムの平均一次粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。10μm以下であると、水酸化アルミニウムが破壊核となりにくく、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
なお、本発明において、金属水酸化物の平均一次粒子径は数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
水酸化アルミニウムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは8質量部以上である。5質量部以上では、本発明の効果が充分に得られる。また、水酸化アルミニウムの含有量は、25質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは18質量部以下である。25質量部以下であると、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、シリカを含むことが好ましい。充填剤として、シリカが含まれることにより、本発明の効果がより好適に得られる。これは、SBR Aを海相、SBR Bを島相とする海島構造において、水酸化アルミニウムの多くが海相に分散することに加えて、シリカの多くも海相に分散するため、本発明の効果がより好適に得られるものと推測される。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。50m/g以上では、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、シリカのNSAは、300m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましい。300m/g以下であると、良好な混練加工性、低燃費性が得られる傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明の効果がより好適に得られるという理由から、窒素吸着比表面積が異なる2種のシリカ(シリカ(1)及び(2))を配合することが好ましい。
シリカ(1)のNSAは130m/g以下、好ましくは125m/g以下、より好ましくは120m/g以下である。シリカ(1)のNSAが130m/g以下であると、シリカ(2)との混合により得られる効果が大きい。また、シリカ(1)のNSAは20m/g以上が好ましく、30m/g以上がより好ましく、80m/g以上が更に好ましい。シリカ(1)のNSAが20m/g以上では、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
窒素吸着比表面積(NSA)130m/g以下のシリカとしては、例えば、デグッサ社製のULTRASIL360(NSA50m/g)、ローディア社製のZEOSIL115GR(NSA115m/g)、ローディア社製のZEOSIL1115MP(NSA115m/g)等が挙げられる。
シリカ(2)のNSAは、150m/g以上、好ましくは160m/g以上、より好ましくは170m/g以上である。シリカ(2)のNSAが150m/g以上では、シリカ(1)との混合により得られる効果が大きい。また、シリカ(2)のNSAは、300m/g以下が好ましく、240m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましい。シリカ(2)のNSAが300m/g以下であると、良好な加工性、低燃費性が得られる傾向がある。
窒素吸着比表面積(NSA)150m/g以上のシリカとしては、例えば、デグッサ社製のULTRASILVN3(NSA175m/g)、ローディア社製のZEOSIL1165MP(NSA160m/g)、ローディア社製のZEOSIL1205MP(NSA200m/g)等が挙げられる。
シリカ(1)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、20質量部以上が特に好ましい。シリカ(1)の含有量が1質量部以上では、転がり抵抗が充分に低減する傾向がある。また、シリカ(1)の含有量は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。シリカ(1)の含有量が80質量部以下であると、転がり抵抗が充分に低減する傾向がある。
シリカ(2)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、20質量部以上が特に好ましく、30質量部以上が最も好ましい。シリカ(2)の含有量が1質量部以上では、充分な操縦安定性が得られる傾向がある。また、シリカ(2)の含有量は、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。シリカ(2)の含有量が60質量部以下であると、良好な加工性が得られる傾向がある。
シリカの含有量(好ましくはシリカ(1)及び(2)の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは60質量部以上である。シリカの含有量(好ましくはシリカ(1)及び(2)の合計含有量)が10質量部以上では、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。また、シリカの含有量(好ましくはシリカ(1)及び(2)の合計含有量)は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。シリカの含有量(好ましくはシリカ(1)及び(2)の合計含有量)が100質量部以下であると、ゴム組成物中において、シリカが均一に分散することが容易となり、良好な低燃費性、耐摩耗性が得られる傾向がある。
本発明に係るゴム組成物がシリカを含む場合、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましい。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明で使用されるシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、混練加工性が良好であるという理由からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。1質量部以上では、シランカップリング剤を配合したことによる効果が充分に得られる傾向がある。一方、該シランカップリング剤の含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が充分に得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。充填剤として、カーボンブラックが含まれることにより、本発明の効果がより好適に得られる。これは、SBR Aを海相、SBR Bを島相とする海島構造において、水酸化アルミニウムの多くが海相に分散することに加えて、カーボンブラックの多くも海相に分散するため、本発明の効果がより好適に得られるものと推測される。
使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができるとともに、紫外線による老化を防止できる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は5m/g以上が好ましく、15m/g以上がより好ましく、65m/g以上が更に好ましく、95m/g以上が特に好ましい。5m/g以上では、補強性が向上し、充分な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は200m/g以下が好ましく、180m/g以下がより好ましく、125m/g以下が更に好ましい。200m/g以下であると、カーボンブラックの良好な分散が得られやすく、良好な耐摩耗性、低燃費性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは15ml/100g以上、更に好ましくは55ml/100g以上、特に好ましくは80ml/100g以上である。5ml/100g以上であると、補強性が向上し、充分な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、カーボンブラックのDBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは120ml/100g以下である。300ml/100g以下であると、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001の測定方法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部以上では、十分な補強性を得ることができ、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。30質量部以下であると、良好な転がり抵抗が得られる傾向がある。
ゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウム、シリカ、カーボンブラックの合計含有量は、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、好ましくは15〜150質量部、より好ましくは35〜120質量部、更に好ましくは50〜100質量部、特に好ましくは70〜90質量部である。
本発明に係るゴム組成物は、軟化剤成分を含むことが好ましい。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。これは、SBR Aを海相、SBR Bを島相とする海島構造において、水酸化アルミニウムの多くが海相に分散することに加えて、軟化剤成分の多くも海相に分散するため、本発明の効果がより好適に得られるものと推測される。
特に、ゴム成分100質量部に対して、軟化剤成分を10〜30質量部含み、かつ、軟化剤成分として、ゴム成分100質量部に対して、芳香族系樹脂を1〜10質量部含むことが好ましい。これにより、本発明の効果が更に好適に得られる。これは、SBR Aを海相、SBR Bを島相とする海島構造において、芳香族系樹脂の多くが海相に分散するためと推測される。
軟化剤成分としては、オイル;C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、芳香族系樹脂などの樹脂が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、オイル、芳香族系樹脂が好ましく、芳香族系樹脂がより好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
芳香族系樹脂としては、芳香族化合物を主成分とする樹脂であれば特に限定されないが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる芳香族ビニル重合体が好ましい。
前記芳香族ビニル重合体では、芳香族ビニル単量体(単位)として、スチレン及び/又はα−メチルスチレンが使用され、それぞれの単量体の単独重合体、両単量体の共重合体のいずれでもよい。
前記芳香族ビニル重合体としては、経済的で、加工しやすく、ウェットグリップ性能に優れていることから、α−メチルスチレンの単独重合体、又はα−メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましい。
芳香族系樹脂(芳香族ビニル重合体)の軟化点(Softening Point)は、好ましくは100℃以下、より好ましくは92℃以下、更に好ましくは88℃以下である。100℃以下であると、良好な耐摩耗性及びウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、該軟化点は、好ましくは30℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは75℃以上である。30℃以上であると、ウェットグリップ性能を充分に改善できる傾向がある。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
芳香族系樹脂(芳香族ビニル重合体)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500以上、より好ましくは800以上である。500以上では、ウェットグリップ性能を充分に改善できる傾向がある。また、上記重量平均分子量は、好ましくは10,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,000以下である。10,000以下であると、良好な低燃費性が得られる傾向がある。
芳香族系樹脂(芳香族ビニル重合体)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部以上であると、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。また、芳香族系樹脂(芳香族ビニル重合体)の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。10質量部以下であると、良好な低燃費性及び耐摩耗性が得られる傾向がある。
軟化剤成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。10質量部以上であると、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。また、軟化剤成分の含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは27質量部以下である。30質量部以下であると、良好な低燃費性及び耐摩耗性が得られる傾向がある。
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワックス、硫黄、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、N,N’−ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられる。なかでも、加硫時間(加硫速度)を調整しやすいという理由から、TBBSが好ましく、TBBSとDPGを併用することがより好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR1:変性SBR(下記製造例1で調製したSBR、スチレン量:35質量%、ビニル量:50質量%、Mw:70万)
SBR2:変性SBR(下記製造例2で調製したSBR、スチレン量:10質量%、ビニル量:40質量%、Mw:20万)
SBR3:変性SBR(下記製造例3で調製したSBR、スチレン量:42質量%、ビニル量:40質量%、Mw:85万)
SBR4:変性SBR(下記製造例4で調製したSBR、スチレン量:21質量%、ビニル量:55質量%、Mw:35万)
SBR5:変性SBR(下記製造例5で調製したSBR、スチレン量:46質量%、ビニル量:35質量%、Mw:90万)
SBR6:変性SBR(下記製造例6で調製したSBR、スチレン量:26質量%、ビニル量:63質量%、Mw:90万)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:97質量%)
シリカ1:デグッサ社製のULTRASILVN3(NSA:175m/g)
シリカ2:ローディア社製のZEOSIL115GR(NSA:115m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(平均一次粒子径:1μm)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のN220(NSA:114m/g、DBP:100ml/100g)
可塑剤:(株)ジャパンエナジー製のNC300(オイル)
α−メチルスチレン樹脂:Arizona chemical社製のSYLVARES SA85(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Mw:1000)
老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:住友化学(株)製のアンチゲンRD(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「桐」
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:細井化学(株)製のHK−200−5(5%オイル硫黄)
加硫促進剤1(NS):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2(DPG):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
(製造例1)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、ヘキサン、1,3−ブタジエン、スチレン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルを投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン及びn−ブチルリチウムを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、反応器内温度を65℃とし、単量体を反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドを添加し、15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR1)を得た。
(製造例2)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR2)を得た。
(製造例3)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR3)を得た。
(製造例4)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR4)を得た。
(製造例5)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、メチルトリエトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR5)を得た。
(製造例6)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、メチルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR6)を得た。
実施例及び比較例
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を用いてゴムシートを作成し、150℃、25kgfで35分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、150℃で35分間加硫することで試験用タイヤ(タイヤサイズ:175/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(低燃費性)
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)の条件で走行させたときの転がり抵抗を測定した。そして、比較例1の転がり抵抗を100とし、指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。指数が98以上の場合に良好であると判断した。
(ウェットグリップ性能)
アンチロックブレーキシステム(ABS)評価試験により得られた制動性能をもとにして、ウェットグリップ性能を評価した。すなわち、1800cc級のABSが装備された乗用車に試験用タイヤを装着して、アスファルト路面(ウェット路面状態、スキッドナンバー約50)を実車走行させ、時速100km/hの時点でブレーキをかけ、乗用車が停止するまでの減速度を算出した。ここで、本発明でいう減速度とは、乗用車が停止するまでの距離である。そして、比較例1のウェットグリップ性能指数を100とし、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。ウェットグリップ性能指数が大きいほど、制動性能が良好であり、ウェットグリップ性能に優れることを示す。指数が95以上の場合に良好であると判断した。
(ウェットグリップ性能指数)=(比較例1の減速度)/(各配合の減速度)×100
(耐摩耗性)
試験用タイヤを1800cc級のABSが装備された乗用車に装着し、摩耗テスト用の所定コースを8000km走行した後のトレッドの溝探さを測定した。そして、溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、比較例1の耐摩耗性指数を100とし、下記式により指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合の溝深さが1mm減るときの走行距離)/(比較例1の溝深さが1mm減るときの走行距離)×100
(転がり抵抗の温度依存性(RR温度依存性))
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)の条件で走行させたときの転がり抵抗を、外気温が5℃と20℃の条件下で測定した。そして、両条件下における転がり抵抗の差を算出し、比較例1の結果を100として指数表示した。
指数が大きいほど、両条件下における転がり抵抗の差が小さく、転がり抵抗の温度依存性が低いことを示す。
Figure 2018095676
スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムAを50質量%以上と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムBを15〜45質量%含むゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムを5〜25質量部含む実施例では、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持又は改善しつつ、耐摩耗性が改善され、転がり抵抗の温度依存性が低減できた。
比較例1、3、5、実施例1の比較により、特定のゴム成分と、水酸化アルミニウムを併用することにより、耐摩耗性、転がり抵抗の温度依存性を相乗的に改善できることが分かった。

Claims (5)

  1. スチレン量30〜45質量%、ビニル量40〜55質量%、重量平均分子量60万〜85万のスチレンブタジエンゴムAを50質量%以上と、スチレン量5〜25質量%、ビニル量30〜55質量%、重量平均分子量10万〜35万のスチレンブタジエンゴムBを15〜45質量%含むゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウムを5〜25質量部含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、芳香族系樹脂を1〜10質量部含む軟化剤成分を10〜30質量部含む請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカを60質量部以上含む請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを1〜30質量部含む請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物が、ブタジエンゴムを含む請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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