JPH06255305A - 操縦安定性に優れた空気入りタイヤ - Google Patents
操縦安定性に優れた空気入りタイヤInfo
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Abstract
領域のそれぞれの剛性を高いレベルでバランスさせるこ
とによって操縦安定性の向上をもたらす。 【構成】 二枚のカーカスプライ1a,1bのコードを
タイヤ赤道面X−Xに対して75〜85゜の角度で延在
させるとともに、プライ間で相互に交差させ、それらの
カーカスプライの少なくとも一方の巻上げ端部分の巻上
げ高さを、タイヤ断面高さHの0.5〜0.6倍とし、
また、カーカスプライコードの中間伸度を1.7〜3.
8%とし、カーカスプライの本体部分と巻上げ端部分と
の間に配設したビードフィラー4の、タイヤ半径方向の
高さをタイヤ断面高さHの0.25〜0.45倍とする
とともに、そのビードフィラー4のショアA硬度を93
〜98度とし、そして、ベルト7の少なくとも側端部分
を覆うベルト補助層8,9を構成する有機繊維コードの
中間伸度を2.5〜5.0%とし、さらに、トレッドゴ
ム10の損失係数を0.50〜0.59、動的弾性率を
150〜193、ショアA硬度を66〜73度とする。
Description
空気入りタイヤに関するものである。
求の下で、トレッド踏面を構成するトレッドゴムの損失
係数を高めるとともに、動的弾性率を高めることが広く
一般に行われており、このことによればタイヤの路面グ
リップ力を高めることが可能となる。
うにしてトレッド部剛性を高めた場合には、カーカス剛
性が相対的に不足することになり、実車走行フィーリン
グで、剛性感、応答性、リニアリティなどを十分に確保
することができず、タイヤの一層の高グリップ化の要請
に対しては、上記フィーリングがより悪化することにな
る。
についても同様であり、とくには、ビードフィラー剛性
が、トレッド部剛性に比して相対的に不足することに起
因して、上述の場合と同様のフィーリングの悪化が余儀
なくされていた。
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的はトレッド部剛性、いい
かえれば、路面グリップ力の一層の増加に対しても、剛
性感、応答性、リニアリティなどの実車フィーリングを
十分に高めることができる、操縦安定性に優れた空気入
りタイヤを提供するにある。
に優れた空気入りタイヤは、二枚のカーカスプライでカ
ーカスを形成し、それぞれのカーカスプライの側端部分
をビードコアの周りで内側から外側へ巻上げるととも
に、ビードコアの外周側で、カーカスプライの本体部分
と巻上げ端部分との間にビードフィラーを配設し、前記
カーカスのクラウン部の外周側に、二層のベルト層から
なり、層間でコードが相互に交差するベルトを設けると
ともに、そのベルトの外周側に、実質上タイヤ周方向に
延在する有機繊維コードよりなり、少なくとも、ベルト
の側端部分を覆うベルト補強層を設け、ベルト補強層の
さらに外周側に、トレッド踏面を構成するトレッドゴム
を配設したところにおいて、それぞれのカーカスプライ
のコードをタイヤ赤道面に対して75〜85゜の角度で
延在させるとともに、プライ間で相互に交差させ、それ
らのカーカスプライの、少なくとも一方の巻上げ端部分
の巻上げ高さを、タイヤ断面高さの0.5〜0.6倍と
し、また、カーカスプライコードの中間伸度1.7〜
3.8%とし、前記ビードフィラーの、タイヤ半径方向
の高さをタイヤ断面高さの0.25〜0.45倍とする
とともに、そのビードフィラーのショアA硬度を93〜
98度とし、前記ベルト補強層コードの中間伸度を2.
5〜5.0%とし、前記トレッドゴムのショアA硬度を
66〜73度、損失係数を0.50〜0.59とし、動
的弾性率を150〜193としたものである。
℃での損失係数を0.50〜0.59とし、これも30
℃での動的弾性率を150〜193とすることに加え
て、それのショアA硬度を66〜73度とすることによ
って、タイヤの路面グリップ力を十分に高めることがで
き、またここでは、少なくとも、ベルトの側端部分をベ
ルト補強層によって覆うことにより、トレッド部全体の
剛性を有効に増加させることができる。
するのは、本構造のケース剛性に見合うグリップ力を発
揮させるためであり、このことは、動的弾性率を150
〜193とすること、および、ショアA硬度を66〜7
3度の範囲とすることについてもまた同様である。
機繊維コードの、4.5kgf の荷重の作用時における中
間伸度を2.5〜5.0%とすることによって、すぐれ
た耐久性を確保する。
ライのそれぞれのコードを、タイヤ赤道面に対して75
〜85゜の角度で延在させてプライ間で相互に交差させ
ることにより、カーカス剛性、なかでもとくに、トレッ
ド端部分からタイヤ最大幅位置近傍部分までの間の剛性
を効果的に高めることができる。
くとも一方の巻上げ端部分の巻上げ高さを、タイヤ断面
高さの0.5〜0.6倍とすることによって、タイヤサ
イド部の剛性変化をスムーズにし、さらに、カーカスプ
ライコードの4.5kgf の荷重の作用時における中間伸
度を1.7〜3.8%とすることによって、これもまた
すぐれた耐久性を発揮させる。
ード角度が75度未満では、タイヤの横剛性が小さくな
りすぎ、それが85゜を越えると、セミラジアルタイヤ
の特性を充分に発揮させ得なくなる。また、カーカスプ
ライの巻上げ高さがタイヤ断面高さの0.5倍未満で
は、耐久性が低下し、0.6倍を越えると、剛性増加に
比して、重量およびコストの増加割合が大きくなる。そ
して、カーカスプライコードの中間伸度が1.7%〜
3.8%の範囲を外れると、耐久上問題となる。
A硬度を93〜98度とするとともに、それのタイヤ半
径方向の高さをタイヤ断面高さの0.25〜0.45倍
とすることによって、タイヤビード部から最大幅位置近
傍部分に至る部分の剛性増加をもたらす。
は、剛性が不足し、98度を越えると、ビードフィラー
のない部分との剛性差が大きくなりすぎる。また、ビー
ドフィラー高さがタイヤ断面高さの0.25倍未満で
は、剛性上のメリットが小さく、それが0.45倍を越
えると、剛性が上がりすぎて、タイヤの基本的性能に支
障をきたすことになる。
ッド部、ビード部、および、それらの中間領域のそれぞ
れの剛性を高いレベルで十分にバランスさせることが可
能となり、この結果として、車両の直進および旋回走行
時における路面からタイヤへの入力に対して、車両への
乗心地を維持しつつ、剛性感、応答性、リニアリティな
どの実車フィーリングを大きく向上させて、高い路面グ
リップ力の下で、すぐれた操縦安定性を実現することが
できる。
明する。図1はこの発明の実施例を示す、タイヤ幅方向
の略線断面図である。図中1は二枚のカーカスプライに
より形成したカーカスを示す。ここにおけるそれぞれの
カーカスプライ1a,1bは、タイヤ赤道面X−Xに対
して75〜85゜の角度で延在する有機繊維コードから
なり、それらのコードはプライ間で相互に交差する。ま
た、このようなカーカスプライコードの、4.5kgf の
荷重の作用時における中間伸度を、ここでは1.7〜
3.8%とする。
bのそれぞれの側端部分をビード部2に配設したビード
コア3の周りで内側から外側へ巻上げて、少なくとも一
方のカーカスプライ1aの巻上げ端部分の巻上げ高さ
を、タイヤ断面高Hの0.5〜0.6倍とする。
1b、ひいては、カーカス1の、本体部分と巻上げ端部
分との間には、ビードコア3に隣接して位置して半径方
向外方へ延びるビードフィラー4を配設し、このビード
フィラー4の半径方向の高さをタイヤ断面高さHの0.
25〜0.45倍とするとともに、そのビードフィラー
4のショアA硬度を93〜98度とする。
巻上げ端部分との間に、ビードコア3およびビードフィ
ラー4を挟み込むフリッパー5を配設するとともに、ビ
ードフィラー4の外側に隣接して位置してそれに沿って
延びるワイヤーインサート6を配設し、これらによっ
て、ビード部2のより一層の剛性増加をもたらす。
は、たとえばスチールコードよりなる二層のベルト層7
a,7bを層間でコードを相互に交差させて配設してベ
ルト7とし、このベルト7のさらに外周側には、そのベ
ルト7の少なく側端部分を覆う二層のベルト補助層8.
9を配設する。
4.5kgf の荷重の作用時における中間伸度を2.5〜
5.0%とした有機繊維コードを、実質的にタイヤ周方
向に延在させてなり、ここでの内層側のベルト補助層8
は、ベルト7をその全幅にわたって多い、外層側のベル
ト補助層9は、ベルト7の側端部分だけにオーパラップ
する。
周側にはトレッド踏面を構成するトレッドゴム10を配
設し、このトレッドゴム10の損失係数を0.50〜
0.59、動的弾性率を150〜193とするととも
に、それのショアA硬度を66〜73度とする。
うに、タイヤ各部の剛性を十分にバランスさせることが
でき、その結果として、実車フィーリングを大きく向上
させて、すぐれた操縦安定性をもたらすことができる。
しかも図示のタイヤによれば、内層側のベルト補助層8
によって、ベルト7をその全幅にわたって覆うことによ
り、すぐれた高速耐久性をもたらすことができ、また、
ビード部2に、フリッパー5およびワイヤーインサート
6を配設してビード部剛性をより高めることにて、トレ
ッド部の一層の高グリップ化に対応することができる。
ヤとの、タイヤ剛性および実車フィーリングに関する比
較試験について説明する。 ◎供試タイヤ サイズが205/55 R15のタイヤ ○発明タイヤ 図1に示す構成を有するタイヤであって、トレッドゴム
の、30℃における損失係数を0.55、動的弾性率を
170とするとともに、ショアA硬度を68度とし、ま
た、ベルト補助層コードの中間伸度を4.3%、そし
て、カーカスプライコードを、中間伸度が2.0%のレ
ーヨンコードとするとともに、そのコードの、タイヤ赤
道面に対する角度を81゜とし、内層側カーカスプライ
の巻上げ端部分の巻上げ高さをタイヤ断面高さの0.5
5倍とし、ビードフィラーの、タイヤ半径方向の高さを
タイヤ断面高さの0.35倍、ショアA硬度を98度と
したもの。 ○比較タイヤ トレッドゴムの30℃での損失係数を0.53、動的弾
性率を175とするとともにショアA硬度を63度と
し、カーカスプライコードを、中間伸度が2.0%のレ
ーヨンコードとするとともに、そのコードの、タイヤ赤
道面に対する角度を90°とした点を除いて、発明タイ
ヤと同一の構成を有するもの。
軸線方向の力を加えて変形させたときのその力を測定し
て評価し、また、実車フィーリングは、2000ccの
4WD車にタイヤを装着して筑波サーキットを走行した
ときのタイム計測および走行フィーリングをもって評価
した。
比較タイヤに比して、タイヤの半径方向剛性で10%、
横方向剛性で5%、そして回転方向の捩りに対する剛性
で25%それぞれ高くなり、また、実車フィーリングに
関しては、剛性感、応答性およびリニアリティのそれぞ
れにおいてともに50シリーズ並であった。
トレッド部、ビード部およびそれらの中間領域のそれぞ
れの剛性を、十分にかつ効果的にバランスさせることが
でき、この結果として、高い路面グリップ力の下で、乗
心地を損ねることなく、実車フィーリングを大きく向上
させて、すぐれた操縦安定性を実現することができる。
面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 二枚のカーカスプライでカーカスを形成
し、それぞれのカーカスプライの側端部分をビードコア
の周りで内側から外側へ巻上げるとともに、ビードコア
の外周側で、カーカスプライの本体部分と巻上げ端部分
との間にビードフィラーを配設し、前記カーカスのクラ
ウン部の外周側に、二層のベルト層からなり、層間でコ
ードが相互に交差するベルトを設けるとともに、そのベ
ルトの外周側に、実質上タイヤ周方向に延在する有機繊
維コードよりなり、少なくとも、ベルトの側端部分を覆
うベルト補強層を設け、ベルト補強層のさらに外周側
に、トレッド踏面を構成するトレッドゴムを配設したと
ころにおいて、 それぞれのカーカスプライのコードをタイヤ赤道面に対
して75〜85゜の角度で延在させるとともに、プライ
間で相互に交差させ、それらのカーカスプライの、少な
くとも一方の巻上げ端部分の巻上げ高さを、タイヤ断面
高さの0.5〜0.6倍とし、また、カーカスプライコ
ードの中間伸度1.7〜3.8%とし、 前記ビードフィラーの、タイヤ半径方向の高さをタイヤ
断面高さの0.25〜0.45倍とするとともに、その
ビードフィラーのショアA硬度を93〜98度とし、 前記ベルト補強層コードの中間伸度を2.5〜5.0%
とし、 前記トレッドゴムのショアA硬度を66〜73度、損失
係数を0.50〜0.59とし、動的弾性率を150〜
193としてなる操縦安定性に優れた空気入りタイヤ。
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- 1993-03-09 JP JP04796893A patent/JP3426278B2/ja not_active Expired - Lifetime
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