JP2003012871A - 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト - Google Patents

短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト

Info

Publication number
JP2003012871A
JP2003012871A JP2001194073A JP2001194073A JP2003012871A JP 2003012871 A JP2003012871 A JP 2003012871A JP 2001194073 A JP2001194073 A JP 2001194073A JP 2001194073 A JP2001194073 A JP 2001194073A JP 2003012871 A JP2003012871 A JP 2003012871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
rubber layer
belt
mass
olefin elastomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001194073A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Takehara
剛 竹原
Yorifumi Hineno
順文 日根野
Toshimichi Takada
俊通 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2001194073A priority Critical patent/JP2003012871A/ja
Publication of JP2003012871A publication Critical patent/JP2003012871A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シーティングの加工性が良好な短繊維含有ゴ
ム組成物およびこの短繊維含有ゴム組成物を少なくとも
圧縮ゴム層に用いることにより、優れた屈曲疲労性、耐
熱性を有し、かつ耐寒性、耐摩耗性、耐粘着摩耗性を備
えた高耐久性を有する動力伝動用ベルトを提供する。 【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設し
た接着ゴム層3と、圧縮ゴム層4を含む弾性体層からな
るVリブドベルト1であり、接着ゴム層3と圧縮ゴム層
4からなる弾性体層のうち少なくとも圧縮ゴム層4にエ
チレン−α−オレフィンエラストマー配合物の加硫物を
使用し、該エチレン−α−オレフィンエラストマー中の
エチレン含量が60〜75質量%であり、かつ圧縮ゴム
層に補強繊維として長さが0.5〜3mmの1種類もし
くは2種類以上の短繊維を含み、その短繊維の総添加量
がエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部
に対して10〜30質量部である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は短繊維含有ゴム組成
物及びこれを用いた動力伝動用ベルトに係り、詳しく短
繊維を配合してもシーティングの加工性が良好な短繊維
含有ゴム組成物およびこの短繊維含有ゴム組成物を接着
ゴム層と圧縮ゴム層の少なくとも一方に用いることによ
り、優れた屈曲疲労性、耐熱性を有し、かつ耐寒性、耐
摩耗性、耐粘着摩耗性を備えた高耐久性を有する動力伝
動用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇して来ている。これにとも
なって動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってき
た。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されて
きたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期
にクラックを生じるという問題が発生した。
【0003】このようなベルトの早期破損現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討され、
ある程度の改良が行なわれてきたもののクロロプレンゴ
ムを使用している限り限界があって現在のところ充分な
効果を得るには至っていない。
【0004】このため、耐熱性に優れるクロロスルフォ
ン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴ
ム等のように主鎖が高度に飽和され、又は完全に飽和さ
れているゴムの使用が検討されている。このうち、一般
にクロロスルフォン化ポリエチレンは動的疲労性、耐摩
耗性、耐油性においてはクロロプレンゴムと同等である
が、耐水性においては加硫系、特に受酸剤の影響が大き
いことが知られている。通常、クロロスルフォン化ポリ
エチレンの受酸剤としてはMgO、PbO等の酸化物が
使用されていた。
【0005】しかし、PbO、Pb34 等の鉛化合物
の受酸剤を使用すれば、耐水性の良好なベルトが得られ
るが、公害、衛生上の問題から鉛化合物の使用は好まし
くない。又、MgOを受酸剤として使用した場合には、
架橋反応中に生成するMgC l2 により耐水性は著しく
損なわれ、ベルトへの適応は不適当であった。一方、金
属酸化物以外の受酸剤としてエポキシ系の受酸剤を使用
すれば、耐水性の良好な組成物を得ることは可能である
が、臭気の問題等が生じて人体に不快感を与える問題が
あった。
【0006】また、この動力伝動用ベルトはクロロプレ
ンゴムを用いたベルトに比べると高温雰囲気下でのベル
ト走行寿命が大きく向上し優れた耐熱性を有している
が、−30℃以下の低温雰囲気下でのベルト走行寿命が
劣ることが明らかになった。この理由として、従来のク
ロロスルフォン化ポリエチレンゴムは、ポリエチレンを
クロロスルフォン化したもので、塩素を含有しているた
め低温下では塩素の凝集エネルギ−が大きくなって低温
領域でゴムの硬化が起こってゴム弾性を欠き、割れ易く
なるためと推定される。
【0007】最近では、クロロプレンゴムに代わってα
−β−不飽和有機酸の金属塩で補強されたエチレン−α
−オレフィンエラストマーを伝動ベルトに使用すること
が、例えば特開平4−339843号公報、特表平9−
500930号公報、特開2000−26674号、そ
して特開2000−283243号公報等に開示されて
いる。更には、特表2001−500910号公報に
は、エチレン−α−オレフィン−ビニルノルボルネンの
エラストマーの配合物を用いた伝動ベルトも示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のエチレン−プロ
ピレン系ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン
−ジエン系ゴム(EPDM)等のエチレン−アルファ−
オレフィンエラストマーは、優れた耐熱性、耐寒性を有
し、比較的に安価で、環境に優しいポリマーとして注目
されている。
【0009】しかし、エチレン−プロピレン−ジエン系
ゴムはエチレン含量が高くなると、シィーティングの加
工性が低下して圧延時にシートに穴があきやすくなり、
更に耐摩耗性等の性能向上を目的として短繊維を添加す
ると、更にシートに穴があいたり、破れたりしやすくな
るという欠点があった。一方、圧延時のシーティング性
を向上させるためにエチレン含有量を低くすると、耐摩
耗性が低下するという問題点が発生した。
【0010】本発明はこのような問題に対処するもので
あり、シーティングの加工性が良好な短繊維含有ゴム組
成物およびこの短繊維含有ゴム組成物を少なくとも圧縮
ゴム層に用いることにより、優れた屈曲疲労性、耐熱性
を有し、かつ耐寒性、耐摩耗性、耐粘着摩耗性を備えた
高耐久性を有する動力伝動用ベルトを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1の
発明では、エチレン−α−オレフィンエラストマーに短
繊維を配合し、これを圧延してシート状に仕上げる短繊
維含有ゴム組成物において、該エチレン−α−オレフィ
ンエラストマー中のエチレン含量が60〜75質量%で
あり、かつ補強繊維として長さが0.5〜3mmの1種
類もしくは2種類以上の短繊維を含み、その短繊維の総
添加量がエチレン−α−オレフィンエラストマー100
質量部に対して10〜30質量部である短繊維含有ゴム
組成物にあり、エチレン含量を特定したエチレン−α−
オレフィンエラストマーを使用することにより、圧延時
にシートの穴があくことなく、所定厚みのシーティング
ができるゴム組成物になる。
【0012】本願の請求項2の発明では、ベルト長手方
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなる動力伝動用ベルトにおいて、接着
ゴム層と圧縮ゴム層からなる弾性体層のうち少なくとも
圧縮ゴム層にエチレン−α−オレフィンエラストマー配
合物の加硫物を使用し、該エチレン−α−オレフィンエ
ラストマー中のエチレン含量が60〜75質量%であ
り、かつ圧縮ゴム層に補強繊維として長さが0.5〜3
mmの1種類もしくは2種類以上の短繊維を含み、その
短繊維の総添加量がエチレン−α−オレフィンエラスト
マー100質量部に対して10〜30質量部である動力
伝動用ベルトにあり、少なくとも圧縮ゴム層にエチレン
−α−オレフィンエラストマー配合物の加硫物を使用す
ることにより、ベルトの屈曲疲労性を大きく改善し、ま
た優れた耐熱性、耐寒性、耐摩耗性を有する動力伝動用
ベルトに仕上げることができる。
【0013】本願の請求項3の発明では、動力伝動用ベ
ルトがベルト長手方向にそって心線を埋設した接着ゴム
と、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧縮ゴ
ム層からなるVリブドベルトである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に示すVリブドベルト1は、
繊維材料を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる
心線2を接着ゴム層3中に埋設し、更にその下側に弾性
体層である圧縮ゴム層4を具備している。この圧縮ゴム
層4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数の
リブ部7が配置され、またベルト背面にはゴム付帆布5
が付着している。無論、ゴム付帆布5をベルト背面に設
けず、ゴム層を露出させてもよい。
【0015】他のベルトとしてカットエッジタイプのV
ベルト21がある。このベルト21は、図2に示すよう
に心線23を埋設した接着ゴム層24と圧縮ゴム26と
から構成され、更に上記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層
26の各表面層にゴム付帆布22を積層している。
【0016】前記圧縮ゴム層と接着ゴム層のうち少なく
とも圧縮ゴム層に使用されるエチレン−α−オレフィン
エラストマーは、エチレンとα−オレフィン(プロピレ
ン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテン)の共重合
体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役
ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピ
レンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー(EPDM)からなるゴムをいう。上記ジエ
ン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペ
ンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の
非共役ジエンが挙げられる。
【0017】上記エチレン−α−オレフィンエラストマ
ーのエチレン含量は60〜75質量%である。エチレン
含量が75質量%を越えると、結晶化度が急激に大きく
なって低温特性が低下し、更に短繊維を加えた場合のシ
ーティングの加工性が悪くなり、圧延時にシートに穴が
あきやすくなり、破れたりしやすくなる。また一方、6
0質量%未満になると、α−オレフィンであるプロピレ
ンの特性によってエラストマーの凝集がよくなって短繊
維を多く添加しても、圧延時においてシートに穴があき
にくくシーティングしやすくなるが、機械的強度が低下
してベルトの耐摩耗性が悪くなる。
【0018】エチレン−α−オレフィンエラストマー中
のジエン含量は、0.1〜3.5質量%、好ましくは
0.1〜3.0質量%であり、0.1質量%未満では、
ベルト走行によりゴムが軟化して劣化し、発音しやすく
なる。一方、3.5質量%を超えると、ジエン成分がポ
リマー主鎖であるエチレン−プロピレン鎖の屈曲の妨げ
に大きく関与し、ベルト屈曲走行時に圧縮ゴム層に亀裂
が発生しやすくなる。
【0019】また、本発明ではエチレン−α−オレフィ
ンエラストマーとしてジエン含量の違うものをブレンド
してもよく、ブレンドするポリマーの数は問わないが、
総ジエン含量は前記の範囲を満足する必要がある。ま
た、ブレンドはジエン成分を含有するエチレン−プロピ
レン−ジエンターポリマーとジエン成分を含有しないエ
チレン−プロピレンコポリマー等の間で行ってもよい。
【0020】エチレン−プロピレン−ジエンターポリマ
ーでは硫黄加硫させるための架橋サイトとして二重結合
を有するジエン成分を分子内に導入しているが、ジエン
含量が少ないと架橋密度が小さくなるため、市販品では
ジエン含量が3.5質量%を超えるものが多い。パーオ
キサイド加硫させる場合でも、ジエン含量が少なくなる
と、架橋密度が低下し、粘着摩耗しやすくなる。
【0021】パーオキサイドの共架橋剤としては、N,
N'−m−フェニレンジマレイミドを添加することがで
きる。N,N'−m−フェニレンジマレイミドの添加量
はエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量部
に対して0.2〜10質量部であり、0.2質量部未満
の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩
耗性の改善効果が小さく、一方10質量部を越えると加
硫ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じ
る。
【0022】更に、硫黄をエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー100質量部に対して0.01〜1質量部添
加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御するこ
とができる。1質量部を越えると、物性が低下し、ベル
ト走行時の摩耗性が大きく、粘着摩耗性が発生する。
【0023】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250℃のものが好ましい。その
添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100
質量部に対して約1〜8質量部であり、好ましくは1.
5〜4質量部である。
【0024】また、圧縮ゴム層には、ナイロン6、ナイ
ロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維
を混入して圧縮ゴム層の耐側圧性を向上させるととも
に、プーリと接する面になる圧縮ゴム層の表面をグライ
ンダーによって研磨加工して該短繊維を突出させる。圧
縮ゴム層の表面の摩擦係数は低下して、ベルト走行時の
騒音を軽減する。
【0025】上記短繊維が前述の効果を充分に発揮する
ためには、その繊維長さは0.5〜〜3mmで、その添
加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100質
量部に対して10〜30質量部である。
【0026】また、圧縮ゴム層には、マトリクスゴムで
あるエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量
部に対して、エチレン−α−オレフィンエラストマーと
繊維径1.0μm以下、好ましくは0.05〜0.8μ
mの微小短繊維とをグラフト結合した微小短繊維強化ゴ
ムを添加することもできる。
【0027】この微小短繊維強化ゴムは、これを構成し
ているエチレン−α−オレフィンエラストマーが圧縮ゴ
ム層のマトリクスゴムのエチレン−α−オレフィンエラ
ストマーと全く同質かもしくは類似しているため、マト
リクスゴムと良好に接合する。このため、微小短繊維強
化ゴムとマトリクスゴムとの間、あるいは微小短繊維強
化ゴム中でもエチレン−α−オレフィンエラストマーと
微小短繊維とが化学結合しているため、圧縮ゴム層では
亀裂が入りにくく、たとえ亀裂が発生しても伝播しにく
い。
【0028】この微小短繊維強化ゴムはゴム成分を連続
相とし、その中に微小短繊維が微細な形態で分散し、微
小短繊維はその界面でゴム成分と強固な化学結合あるい
は相互作用している。このため、これを含んだゴム層に
は亀裂が入りにくく、しかも亀裂が入っても伝播しにく
い。しかも、これを使用したベルトも耐熱性、耐寒性、
耐屈曲性、耐摩耗性に優れる。
【0029】更に、圧縮ゴム層には、必要に応じてカー
ボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カル
シウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、
TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよ
い。
【0030】また、エチレン−α−オレフィンエラスト
マーとともにニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素
化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したも
の、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、
ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、C
SM、ACSM、SBRをブレンドすることもできる。
【0031】心線にはポリエチレンテレフタレート繊
維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位
とするポリエステル繊維、ポリアミド繊維からなるコー
ドが使用され、ゴム組成物との接着性を改善する目的で
接着処理が施される。このような接着処理としては繊維
をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に
浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するの
が一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ
又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、R
FL液で処理する方法等もある。
【0032】本発明で使用するエチレン−2,6−ナフ
タレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な
条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることに
よって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフ
タレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第
3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成され
る。
【0033】上記心線の接着処理は、まず(1)未処理
コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選
ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップし
た後、(2)160〜200℃に温度設定した乾燥炉に
30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液
からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210
〜260ーCに温度設定した延伸熱固定処理機に30〜
600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コードと
する。
【0034】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使
用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブ
タジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリ
ル、NBR等である。
【0035】上記カバー帆布は綿、ポリアミド、ポリエ
チレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用い
て、平織、綾織、朱子織等に製織した布である。無論、
カバー帆布を使用しない場合もある。
【0036】また、上記圧縮ゴム層のゴム組成物には、
通常使用されるカーボンブラック、可塑剤、老化防止
剤、加工助剤を配合することができる。前記各成分を混
合する方法としては特に制限はなく、例えばバンバリー
ミキサー、ニーダー等を用い、適宜公知の手段、方法に
よって混練することができる。
【0037】上記Vリブドベルトの製造方法の一例は以
下の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1
〜複数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、
この上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、
更に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、加硫
してスリーブを得る。
【0038】次に、スリーブを駆動ロールと従動ロール
に掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させた研
削ホイールを走行中の加硫スリーブに当接するように移
動してスリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数
の溝状部を一度に研削する。このようにして得られたス
リーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、該スリ
ーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行さ
せ、カッターによって所定に幅に切断して個々のVリブ
ドベルトに仕上げる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1〜2、比較例1〜4 本実施例で製造したVリブドベルトでは、ポリエステル
繊維コードからなる心線を接着ゴム層内に埋設し、その
上側にゴム付綿帆布を2プライ積層し、他方接着ゴム層
の下側に設けた圧縮ゴム層に3個のリブをベルト長手方
向に配したものである。
【0040】ここで圧縮ゴム層を表1に示すゴム組成物
から調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダー
ロールで圧延したものを用いた。圧縮ゴム層には短繊維
が含まれベルト幅方向に配向している。接着ゴム層は表
1に示すゴム組成物から短繊維を除去したゴム配合にな
る。
【0041】
【表1】
【0042】ベルトの製造方法は従来の方法であり、ま
ずフラットな円筒モールドに2プライのゴム付綿帆布を
巻いた後、接着ゴム層を巻き付けて、心線をスピニング
し、圧縮ゴム層を設置した後、圧縮ゴム層の上に加硫用
ジャケットを挿入する。次いで、成形モールドを加硫缶
内に入れ、加硫した後、筒状の加硫スリーブをモールド
から取り出し、該スリーブの圧縮ゴム層をグラインダー
によってリブに成形し、成形体から個々のベルトに切断
する工程からなっている。
【0043】このようにして得られるシートの圧延性、
Vリブドベルトの耐熱屈曲性試験、粘着摩耗試験、およ
び耐寒走行試験の結果を表2に示す。
【0044】耐熱屈曲性試験の評価に用いた走行試験機
は、駆動プーリ(直径60mm)、アイドラープーリ
(直径50mm)、従動プーリ(直径50mm)、テン
ションプーリ(直径50mm)、そしてアイドラープー
リ(直径50mm)とを順に配置したものである。試験
機の各プーリにベルトを掛架し、ベルトのアイドラープ
ーリへの巻き付け角度を90°にし、雰囲気温度130
℃、駆動プーリの回転数が3300rpm、ベルト張力
が800N/リブになるように駆動プーリに荷重を付与
した後、走行させ、心線に達する亀裂が6個発生するま
での時間を調べた。
【0045】粘着摩耗試験では3リブのVリブドベルト
を室温下で駆動プーリ(直径120mm)従動プーリ
(直径120mm)これにアイドラープーリ(直径45
mm)に設置し従動プーリに負荷12馬力、アイドラー
プーリの取付け荷重85kgf、回転数800で48時
間走行させた後におけるベルト表面の粘着摩耗の有無を
調べた。
【0046】更に、耐寒走行試験の評価方法は、3リブ
のVリブドベルトを駆動プーリ(直径140mm)とテ
ンションプーリ(直径45mm)と背面アイドラープー
リ(直径70mm)に掛架し、テンションプーリに85
kgfの荷重を与えて、−40℃の雰囲気下で回転数7
00rpmで18時間予冷後、1分間走行させ、その後
2分間停止し、これを繰り返して心線に達する亀裂が4
個発生するまでの時間を調べた。
【0047】
【表2】
【0048】表2の走行試験の結果から明らかなよう
に、比較例2はエチレン含量が50質量%であるため、
耐熱寿命が短く、粘着も発生した。比較例3は短繊維量が
少ないために粘着が発生した。逆に比較例4は短繊維量
が多すぎるため、屈曲性が悪く耐熱寿命が短くなった。
比較例1は短繊維が長いために圧延時の加工性が悪く、
圧延時にシート切れが多く発生した。このことからリブ
部としてエチレン含量が60〜75質量%であるエチレ
ン−α−オレフィンエラストマーを用いたベルトは、良
好な耐熱性及び耐摩耗性が得られ、更に用いる短繊維が
長さ0.5〜3mmで総添加量10〜30質量部である
場合には、圧延性、耐熱性、耐摩耗性のバランスの取れた
ベルトが得られることが判る。
【0049】
【発明の効果】以上のように本願の請求項の発明では、
エチレン−α−オレフィンエラストマーに短繊維を配合
し、これを圧延してシート状に仕上げる短繊維含有ゴム
組成物であって、上記エチレン−α−オレフィンエラス
トマー中のエチレン含量が60〜75質量%で、かつ補
強繊維として長さが0.5〜3mmの1種類もしくは2
種類以上の短繊維を含み、その短繊維の総添加量がエチ
レン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対し
て10〜30質量部である短繊維含有ゴム組成物であ
り、優れた圧延性を持つことが可能になり、そしてこれ
を動力伝動用ベルトの接着ゴム層と圧縮ゴム層のうち少
なくとも圧縮ゴム層に使用することにより、ベルトの屈
曲疲労性を改善し、また優れた耐熱性、耐寒性、耐摩耗
性をもつ動力伝動用ベルトの仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図であ
る。
【図2】本発明に係るVカットエッジタイプのVベルト
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2,23 心線 3,24 接着ゴム層 4,26 圧縮ゴム層 5,22 ゴム付帆布 7 リブ部 21 Vベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB051 BB151 FA046 FB266 FD01 FD14 FD15 GM01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−α−オレフィンエラストマー
    に短繊維を配合し、これを圧延してシート状に仕上げる
    短繊維含有ゴム組成物において、該エチレン−α−オレ
    フィンエラストマー中のエチレン含量が60〜75質量
    %であり、かつ補強繊維として長さが0.5〜3mmの
    1種類もしくは2種類以上の短繊維を含み、その短繊維
    の総添加量がエチレン−α−オレフィンエラストマー1
    00質量部に対して10〜30質量部であることを特徴
    とする短繊維含有ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる動力
    伝動用ベルトにおいて、 接着ゴム層と圧縮ゴム層からなる弾性体層のうち少なく
    とも圧縮ゴム層にエチレン−α−オレフィンエラストマ
    ー配合物の加硫物を使用し、該エチレン−α−オレフィ
    ンエラストマー中のエチレン含量が60〜75質量%で
    あり、かつ圧縮ゴム層に補強繊維として長さが0.5〜
    3mmの1種類もしくは2種類以上の短繊維を含み、そ
    の短繊維の総添加量がエチレン−α−オレフィンエラス
    トマー100質量部に対して10〜30質量部であるこ
    とを特徴とする動力伝動用ベルト。
  3. 【請求項3】 動力伝動用ベルトがベルト長手方向にそ
    って心線を埋設した接着ゴムと、ベルトの周方向に延び
    る複数のリブ部をもつ圧縮ゴム層からなるVリブドベル
    トである請求項3または4記載の動力伝動用ベルト。
JP2001194073A 2001-06-27 2001-06-27 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト Pending JP2003012871A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001194073A JP2003012871A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001194073A JP2003012871A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003012871A true JP2003012871A (ja) 2003-01-15

Family

ID=19032257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001194073A Pending JP2003012871A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003012871A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005125742A (ja) * 2003-09-30 2005-05-19 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト
JP2005155905A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 動力伝動ベルト
JP2005155908A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルト
JP2005155906A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト
WO2005116482A1 (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Bando Chemical Industries, Ltd. 伝動ベルトとその製造方法
JP2006322483A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Bando Chem Ind Ltd 伝動ベルト
US7244207B2 (en) 2003-04-25 2007-07-17 Bando Chemical Industries, Ltd. Frictional forced power transmission belt and belt drive system with the same
US7258639B2 (en) 2003-04-25 2007-08-21 Bando Chemical Industries, Ltd. Frictional forced power transmission belt and belt drive system with the same
KR101404387B1 (ko) * 2012-07-26 2014-06-11 주식회사 한화 보강 충진제를 포함하는 내열재용 고무 조성물

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7244207B2 (en) 2003-04-25 2007-07-17 Bando Chemical Industries, Ltd. Frictional forced power transmission belt and belt drive system with the same
DE102004019631B4 (de) * 2003-04-25 2016-01-07 Bando Chemical Industries, Ltd. Reibschlüssiger Kraftübertragungsriemen und Riemenantriebsvorrichtung mit diesem
DE102004019025B4 (de) * 2003-04-25 2015-02-19 Bando Chemical Industries, Ltd. Reibschlüssiger Kraftübertragungsriemen und Riemenantriebsvorrichtung mit diesem
US7258639B2 (en) 2003-04-25 2007-08-21 Bando Chemical Industries, Ltd. Frictional forced power transmission belt and belt drive system with the same
JP2005125742A (ja) * 2003-09-30 2005-05-19 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト
JP2005155906A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 歯付ベルト
JP4624747B2 (ja) * 2003-10-31 2011-02-02 三ツ星ベルト株式会社 動力伝動ベルト
JP4624753B2 (ja) * 2003-10-31 2011-02-02 三ツ星ベルト株式会社 Vリブドベルト
JP4624748B2 (ja) * 2003-10-31 2011-02-02 三ツ星ベルト株式会社 歯付ベルト
JP2005155908A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルト
JP2005155905A (ja) * 2003-10-31 2005-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 動力伝動ベルト
WO2005116482A1 (ja) * 2004-05-25 2005-12-08 Bando Chemical Industries, Ltd. 伝動ベルトとその製造方法
US7901313B2 (en) 2004-05-25 2011-03-08 Bando Chemical Industries, Ltd. Power transmission belt and process for production of the same
JP2006322483A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Bando Chem Ind Ltd 伝動ベルト
KR101404387B1 (ko) * 2012-07-26 2014-06-11 주식회사 한화 보강 충진제를 포함하는 내열재용 고무 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007110974A1 (ja) 伝動ベルト
JP2008261489A (ja) 動力伝動ベルト
EP1000118A1 (en) Rubber composition and power transmission belt incorporating the rubber composition
JP2003012871A (ja) 短繊維含有ゴム組成物及びこれを用いた動力伝動用ベルト
JP2007009966A (ja) 伝動ベルト
JP3403938B2 (ja) ゴム組成物およびこれを用いた伝動ベルト
JP2009019663A (ja) 動力伝動ベルト
JP2004125012A (ja) 動力伝動ベルト
JP4820107B2 (ja) 伝動ベルト
JP2009052740A (ja) Vベルト
JP4837274B2 (ja) 伝動ベルト
JP4886223B2 (ja) 伝動ベルト
JP2003314624A (ja) 動力伝動用ベルト及びその製造方法
JP2008082538A (ja) 動力伝動ベルト及び動力伝動ベルトの製造方法
JP4416060B2 (ja) 動力伝動用ベルト
JP2003120756A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2007120759A (ja) 伝動ベルト
JP2004150524A (ja) 伝動ベルト
JP2002195349A (ja) 伝動ベルト
JP4392563B2 (ja) 伝動ベルト
JP2006124484A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルト
JP2004190686A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2004292735A (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト
JP4550224B2 (ja) Vリブドベルト
JP4907807B2 (ja) エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び伝動ベルト