JP2005125742A - Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト - Google Patents

Vリブドベルトの製造方法およびvリブドベルト Download PDF

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琢也 吉川
Hirotaka Hara
浩孝 原
Masato Murai
正人 村井
Tetsuji Mori
哲司 森
Masatomo Ito
正朝 伊藤
Akihiro Nagata
昭裕 永田
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【課題】埋設された心線のピッチラインが安定したVリブドベルトの製造方法およびVリブドベルトを提供する。
【解決手段】Vリブドベルト1は、背面8が短繊維4を含有する伸張ゴム層5で形成されており、該伸張ゴム層5に隣接してベルト長手方向に心線2が配置され、しかも心線2の一部が伸張ゴム層5に埋設された状態となっている。そして伸張ゴム層5の下層には接着ゴム層2、そして短繊維4を含有する圧縮ゴム層6を配置した構成を有している。また前記圧縮ゴム層6にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられている。上記伸張ゴム層5の背面8は必要に応じて凹凸パターンを設けることができる。
【選択図】図7

Description

本発明はVリブドベルトの製造方法およびVリブドベルトに係り、詳しくは伸張ゴム層の背面に帆布を積層しないVリブドベルトの製造方法およびVリブドベルトに関する。
動力伝動に用いられるVリブドベルトは、一般にはベルト長手方向に平行に延び並列状態に複数のリブを有する圧縮ゴム層と、その上部にコードからなる心線を埋設した接着ゴム層が積層し、そしてその背面に伸張層としてミシンジョイントした帆布を貼着された構成である。この帆布は本来ベルトの耐縦亀裂性を保持するために設けたものであり、経糸と緯糸を織り込んだ平織布にゴム引き処置を施したものである。
この背面帆布として広く使用されている織布は、経糸と緯糸の交叉角90度の平織帆布を機械的に処理、即ちテンター処理して両糸をベルト長手方向に対して120度に交叉した広角度処理したものがある。そして、前記帆布はレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、未加硫ゴムを帆布に擦り込むフリクションを行い、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸けることによって、ゴム層との接着性を向上させている。
しかし、上記Vリブドベルトを駆動プーリと従動プーリに懸架し、ベルト背面をアイドラープーリに接触係合させたときに、周期的に異音が発生することが明らかになった。原因として帆布のミシンジョイント領域に周期的に異音が発生することが判明し、このジョイント部を平坦面にすることにより異音発生は解消されたが、更に研究をすすめるとこれ以外の領域でも異音が周期的に発生することが確認された。
この原因の一つとして、ベルト背面に貼着されている帆布の表面状態がある。即ち、バイアス帆布や筒状帆布を成形中、あるいは筒状帆布をベルト成形体に嵌入中に、帆布が機械的に変形して経糸と緯糸の交差角、経糸と緯糸によって形成される開口部の大きさが変化し、開口部の大きい部分と小さい部分の差が大きくなって、糸が局部的に集束する領域が発生する。その為、この領域では帆布表面の凹凸等の形態が他の領域と異なり、異音が発生する原因となっていたのであった。
そこで近年、ベルト背面にカバー帆布を積層しないVリブドベルト、即ち、背面ゴム層と、リブを有する圧縮ゴム層との間に心線を埋設した接着ゴム層を介在させたVリブドベルトが提案されつつある。しかし、当該ベルトは背面にゴムが直接露出される状態となるため、アイドラープーリに当接係合するときにベルト背面が粘着磨耗を起こし、これによりスリップ音等の異音が発生することが依然として問題に残されていた。
一方、Vリブドベルトの製造方法として、材料の廃棄量をできるかぎり少なくすると共に、製造工程を簡素化させるようなVリブドベルト製造方法の要求がある。その要求に対して、周面にリブ刻印を設けた内型ドラムに、未加硫ベルトスリーブを巻き付けた後、加熱加圧によりベルトスリーブを内型ドラムに押圧してリブ部を型付けする方法が提案されている。しかし、前記方法においては、通常の温度、圧力条件では、リブ部を充分に刻印できないことがあり、これらの諸条件の水準を高くして正確に刻印しようとすると、ゴムに大きな熱履歴を与えるといった弊害があった。またこの方法では未加硫ベルトスリーブの形成方法として、圧縮ゴムシート、接着ゴムシートを巻き付けた後に心線をスピニングすることから、心線ピッチが乱れ、ひいてはベルト成形体を駆動させた時に発振、蛇行が生じるといった問題があった。更に、ベルトスリーブを内型ドラムへ押圧するため、成形後のベルトスリーブの脱型が困難であるといった問題もあった。
その一方で、円筒ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に背面帆布、未加硫接着ゴムシートを巻き、その上に心線をスピニングした後、さらに未加硫圧縮ゴムシートを順次無端状に捲き付けた未加硫ベルトスリーブを形成した後、ジャケットを膨張させてV型突起を有する外型に押圧して加硫成形する方法が提案されている。この方法により成形されたリブ部の形状は良好であり、しかも製造工程においてスクラップが発生しないといった利点があった。(例えば特許文献1参照)
特開昭58−25948号公報
しかし、フラットな圧縮ゴム層を有する未加硫ベルトスリーブをリブ溝付きの型に押し付けてリブを形成する場合、圧縮ゴムの径方向の変形に伴って接着ゴム層も径方向に変形し、接着ゴム層に埋設された心線もまたこの径方向の変形に伴って、径方向に浮き沈みするため、心線ピッチの乱れ等が発生しやすいことが判明した。特に、背面に帆布を積層しないVリブドベルトを製造する場合、内周面は帆布が存在せず接着ゴム層と背面ゴム層が配置された状態となるため、より圧縮ゴムの変形の影響を受けやすいことが知見された。
本願発明では、上記の問題点を解消し、心線ピッチの乱れを抑制し、背面の異音発生を改善したVリブドベルトの製造方法およびVリブドベルトを提供することを目的とする。
即ち、本願請求項1記載の発明は、伸張ゴム層と、ベルト長手方向に延びる複数のリブ部が設けられた圧縮ゴム層と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線を有し、背面にカバー帆布が積層されないVリブドベルトの製造方法において、内型に短繊維を含有する伸張ゴム層を配置し、接着ゴム層を配置しない状態で心線をスピニングした後、圧縮ゴム層を配置した未加硫ベルトスリーブを形成し、リブ部に対応した刻印を有する外型に、該未加硫ベルトスリーブを内周側から押圧して加硫することにより加硫ベルトスリーブを形成することを特徴としたVリブドベルトの製造方法である。
伸張ゴム層として短繊維を含有するゴム配合物で構成し、かつ接着ゴム層を配置しない状態で心線をスピニングすることにより、心線の内周面は硬度の高い伸張ゴム層が隣接して配置された状態となり、押圧成形における圧縮ゴムの変形の影響を受けにくい構成となる。これにより心線ピッチの乱れが少なく、また背面に帆布を積層しないために可撓性が高くベルト寿命が長くなり、そして安価なVリブドベルトが得られるといった効果がある。また簡便な工程でVリブドベルトを作製することができる。更に背面が短繊維含有ゴム配合物で構成されているため、背面走行においても粘着磨耗が発生し難いといった効果が期待できる。
本願請求項2記載の発明は、請求項1記載のVリブドベルトの製造方法にあって、伸張ゴム層は、短繊維がベルト幅方向に配向するように内型に配置されることを特徴とする。
伸張ゴム層に含有される短繊維の配向をベルト幅方向とすることで、ベルトの可撓性に影響を与えにくいといった利点がある。
本願請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のVリブドベルトの製造方法にあって、心線をスピニングした後、接着ゴム層、そして短繊維を含有する圧縮ゴム層を配置することを特徴とする。
圧縮ゴム層を短繊維含有ゴム組成物で構成した場合でも、接着ゴム層を設けるためベルト本体と心線との接着性が良好であり、しかも心線をスピニングした後に接着ゴム層を配置するため、押圧成形においても心線のピッチ乱れが生じ難いといった利点がある。
本願請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のVリブドベルトの製造方法にあって、心線をスピニングした後、接着ゴム層を配置しない状態で短繊維を含有しない圧縮ゴム層を配置することを特徴とする。
圧縮ゴム層を、短繊維を含有しないゴム組成物で構成することで、接着ゴム層を配置しなくともベルト本体と心線との接着性が良好である。
本願請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法にあって、伸張ゴム層と内型の間に凹凸パターン転写材を介在させた状態で加硫を行った後、凹凸パターン転写材を剥ぎ取ることにより伸張ゴム層表面に凹凸パターンを形成することを特徴とする。
背面に凹凸パターンを設けることで、ベルト走行時の異音の発生を抑制する効果がある。
本願請求項6記載の発明は、請求項5記載のVリブドベルトの製造方法にあって、凹凸パターン転写材が筒状織物であって、凹凸パターンが織物パターンであることを特徴とする。
凹凸パターンとして織物パターンを選択することで異音抑制効果に優れる。
本願請求項7記載の発明は、伸張ゴム層と、ベルト長手方向に延びる複数のリブ部が設けられた圧縮ゴム層と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線を有し、背面にカバー帆布が積層されないVリブドベルトの製造方法において、内型に圧縮ゴム層を配置した第1未加硫スリーブを形成し、リブ部に対応した刻印を有する外型に、該第1未加硫スリーブを内周側から押圧して、リブ部を有する予備成型体を作製した後、予備成型体を密着させた外型から、内型を離間させ、次いで、内型に短繊維を含有する伸張ゴム層を配置し、接着ゴム層を配置しない状態で心線をスピニングした第2未加硫スリーブを形成し、前記予備成型体を密着させた外型に、該第2未加硫スリーブを内周側から押圧して予備成型体と一体的に加硫することにより加硫ベルトスリーブを形成することを特徴としたVリブドベルトの製造方法である。
伸張ゴム層として短繊維を含有するゴム配合物で構成し、かつ接着ゴム層を配置しない状態で心線をスピニングすることにより、心線の内周面は硬度の高い伸張ゴム層が隣接して配置された状態となり、押圧成形における圧縮ゴムの変形の影響を受けにくい構成となる。これにより心線ピッチの乱れが少なく、また背面に帆布を積層しないために可撓性が高くベルト寿命が長くなり、そして安価なVリブドベルトが得られるといった効果がある。また予備成型体を形成することにより、心線の伸び量を抑えながら、寸法安定性に優れたVリブドベルトを作製することができる。更に背面が短繊維含有ゴム配合物で構成されているため、背面走行においても粘着磨耗が発生し難いといった効果が期待できる。
本願請求項8記載の発明は、請求項7記載のVリブドベルトの製造方法であって、伸張ゴム層は、短繊維がベルト幅方向に配向するように内型に配置されることを特徴とする。
伸張ゴム層に含有される短繊維の配向をベルト幅方向とすることで、ベルトの可撓性に影響を与えにくいといった利点がある。
本願請求項9記載の発明は、請求項7または8記載のVリブドベルトの製造方法であって、内型に、接着ゴム層、そして短繊維を含有する圧縮ゴム層を配置した第1未加硫スリーブを形成することを特徴とする。
圧縮ゴム層を短繊維含有ゴム組成物で構成した場合でも、接着ゴム層を設けるためベルト本体と心線との接着性が良好であり、しかも第1未加硫スリーブに接着ゴム層を配置するため、押圧成形においても心線のピッチ乱れが生じ難いといった利点がある。
本願請求項10記載の発明は、請求項7または8記載のVリブドベルトの製造方法であって、内型に、接着ゴム層を配置しない状態で短繊維を含有しない圧縮ゴム層を配置した第1未加硫スリーブを形成することを特徴とする。
圧縮ゴム層を、短繊維を含有しないゴム組成物で構成することで、接着ゴム層を配置しなくともベルト本体と心線との接着性が良好である。
本願請求項11記載の発明は、請求項7〜10のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法であって、伸張ゴム層と内型の間に凹凸パターン転写材を介在させた状態で加硫を行った後、凹凸パターン転写材を剥ぎ取ることにより伸張ゴム層表面に凹凸パターンを形成することを特徴とする。
背面に凹凸パターンを設けることで、ベルト走行時の異音の発生を抑制する効果がある。
本願請求項12記載の発明は、請求項11記載のVリブドベルトの製造方法であって、凹凸パターン転写材が筒状織物であって、凹凸パターンが織物パターンであることを特徴とする。
凹凸パターンとして織物パターンを選択することで異音抑制効果に優れる。
本願請求項13記載の発明は、伸張ゴム層と、ベルト長手方向に延びる複数のリブ部が設けられた圧縮ゴム層と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線を有し、背面にカバー帆布が積層されないVリブドベルトであって、伸張ゴム層は短繊維を含有するゴム組成物で構成されているとともに心線の背面側に隣接するよう配置され、しかも心線の一部が該伸張ゴム層に埋設されていることを特徴とするVリブドベルトである。
本願請求項14記載の発明は、請求項13記載のVリブドベルトにあって、伸張ゴム層は、短繊維がベルト幅方向に配向していることを特徴とする。
本願請求項15記載の発明は、請求項13または14記載のVリブドベルトにあって、圧縮ゴム層は、短繊維を含有するゴム組成物で構成されているとともに、伸張ゴム層と圧縮ゴム層との間に接着ゴム層が配置されていることを特徴とする。
本願請求項16記載の発明は、請求項13または14記載のVリブドベルトにあって、圧縮ゴム層は、短繊維を含有しないゴム組成物で構成されているとともに、伸張ゴム層に隣接するよう配置されていることを特徴とする。
本願請求項17記載の発明は、請求項13〜16のいずれかに記載のVリブドベルトにあって、ベルト背面に凹凸パターンが設けられていることを特徴とする。
本願請求項18記載の発明は、請求項17記載のVリブドベルトにあって、凹凸パターンが織物のパターンであることを特徴とする。
本発明によれば、埋設された心線のピッチラインが安定し、またゴム背面に織物を積層しないために可撓性が高くてベルト寿命が長くなり、そして安価なVリブドベルトが提供できる。しかも背面を短繊維を含有するゴム層で構成することにより、背面走行においても粘着を抑制する効果が期待できる。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
まず、本発明に係るVリブドベルトの製造方法を第1,2図をもとに説明する。
第1図は本発明に係るVリブドベルトの製造方法において使用するベルト加硫機の未加硫ベルトスリーブを形成した状態を示す断面図、第2図は同じくベルト加硫機の加硫ベルトスリーブを形成した後の状態を示す断面図である。これら各図において、内型20は基台上に載置された鉄製の内型円筒ドラム21と前記ドラム21の外周に装着された弾性体よりなる膨張収縮可能な円筒状可撓性ジャケット22からなる。可撓性ジャケット22は夫々の上下部において内型円筒ドラム21と固定されていて、本体部が内型円筒ドラム21と密着された状態となっている。そしてこの内型円筒ドラム21の中央部には後述する圧力媒体送入、排出のための媒体流通口Aが設けられている。
又、前記内型円筒ドラム21の中央付近に設けられた媒体流通口Aは、ジョイントJ、パイプ又は可撓性ホースかなる媒体送入排出路Bを通じて、高圧蒸気又は高圧空気のような媒体送入機(図示せず)と連結されている。また媒体送入排出路Bは、切換えバルブによって真空ポンプとも連結されてなる。
以上が、内型円筒ドラム21の構成であるが、この外周には外型円筒モールド26が内型ドラム21から一定の間隔をおいて包囲するように基台に固定されている。外型円筒モールド26は、その内周面に周方向に延びる複数横条のV形溝が刻設されていると共に、内部に加熱ヒーター、スチームバイブなどの加熱機構(図示せず)が設置されてなる。この外型円筒モールド26は、通常は分割不可能な円筒体であるが、軸方向に数個(例えば2分割)に分割可能にすることもできる。
本発明で用いるベルト加硫機は以上のような構成によりなるものであり、次にこのベルト加硫機を使用して実施する未加硫ベルトスリーブの加硫方法について説明する。
先ず、前記内型ドラム21に装着された可撓性ジャケット22の外周面に、未加硫伸張ゴムシート、心線、未加硫圧縮ゴムシートを順次無端状に捲き付けたフラット状の広幅未加硫ベルトスリーブ11を形成する。即ち、可撓性ジャケット22を装着した内型円筒ドラム21に、未加硫伸張ゴムシートを巻き付けて伸張ゴム層15を配置した後、心線13を螺旋状にスピニングし、未加硫圧縮ゴムシートを巻き付けることにより圧縮ゴム層16を配置した未加硫ベルトスリーブ11が形成される。尚、ベルトの可撓性を考慮すると、未加硫伸張ゴム層15は短繊維がベルト幅方向に配向するよう配置することが好ましい。
ここで、心線13をとりまくゴム層がすべて短繊維を含む配合となると、心線13とベルト本体との接着性に難があるため、圧縮ゴム層16が短繊維を含有する場合は、伸張ゴム層15と圧縮ゴム層16を隣接させず、接着ゴム層12を介在させることが好ましい。即ち、未加硫伸張ゴムシートを巻き付け、心線13をスピニングした後、未加硫圧縮ゴムシートを巻装する前に未加硫接着ゴムシートを巻き付けて接着ゴム層12を配置したり、未加硫圧縮ゴムシートとして圧縮ゴム層16の内周面に接着ゴム層12を積層したものを用いることにより接着性の改善を図ることが望ましい。このとき心線13をスピニングした後に接着ゴム層12を配置するため、加硫後のベルト成形体において心線全体が接着ゴム層内に埋設されることはなく、心線の一部が成形時の圧力により背面側に隣接する伸張ゴム層に埋設された状態となる。
次いでこの未加硫ベルトスリーブ11を内型円筒ドラム21に捲き付けた状態のままで、外型モールド26の内側に一定の空隙部を形成するよう基台上に載置固定する。この場合、内型ドラム21は別の成形工程より移動してくる関係上、媒体流通口Aと媒体送入排出路Bとは分離しており、内型円筒ドラム21を基台に載置後、媒体流通口AをジョイントJでパイプと連結する。
次いで、媒体送入機を作動して高圧空気もしくは高圧蒸気を媒体送入排出路B、媒体流通口Aを経て、可撓性ジャケット22の内部に送入する。可撓性ジャケット22は、その上下部が内型円筒ドラム21上に密閉固定されているため、可撓性ジャケット22の内面と内型円筒ドラム21の外面の間にエアーが充満し、可撓性ジャケット22は次第に膨張する。そして、その外周面に装着されている未加硫ベルトスリーブ11を半径方向に均一に膨張させ、加熱ヒーター若しくは高温蒸気で加熱した外型モールド26のV形突起と接触せしめる。
このとき、可撓性ジャケット22の膨張押圧力により、未加硫ベルトスリーブ11の未加硫圧縮ゴムは、外型モールド26の熱で次第に流動状態を呈しながら加硫されると共に、外型モールド26のV溝中に食い込み、第2図のような表面に複数のV型溝を有する加硫ベルトスリーブ11’を形成するに至る。このとき伸張ゴム層15’を構成するゴム組成物が短繊維を含有するため、圧縮ゴムの流動による影響を受けにくく、径方向の変形が少なくなるため、結果、伸張ゴム層15’に隣接する心線13’の整列状態が維持される。尚、圧縮ゴム層16’に含有される短繊維はリブ形状に沿った流動状態となっている。
そして、加硫後はバルブを真空ポンプの方へ切替えて、真空ポンプを作動させて可撓性ジャケット22内に充満しているエアーを排気し、次いで吸引作用で可撓性ジャケット22を第1図に示す元の位置に収縮復帰せしめる。
次いで、内型円筒ドラム21から加硫ベルトスリーブ11’を取り出すが、取り出された加硫ベルトスリーブ11’は、以後別のドラムに挿入し、加硫ベルトスリーブ11’を円周方向に所定幅に切断し、ドラムより取出して反転することにより、周長が一定で、V形リブが正確に型付形成されたVリブドベルトが複数本得られる。尚、外型円筒モールド26を前述のような分割式モールドを使用した場合、未加硫ベルトスリーブ11の挿入ならびに加硫スリーブの取り外しが容易にでき、かつこの分割面が一種のエアー抜きの機能を果し、V型リブをより一層正確に形成することができる。
上述の製造方法によれば、簡便な工程で加硫ベルトスリーブを作製することができるといった利点がある。
次に、本発明に係るVリブドベルトの別の製造方法を第3〜6図をもとに説明する。第3図は本発明に係るVリブドベルトの別の製造方法において使用するベルト加硫機の第1未加硫スリーブを形成した状態を示す断面図、第4図は同じくベルト加硫機の予備成型体を作製した状態を示す断面図、第5図は同じくベルト加硫機の第2未加硫スリーブを形成した状態を示す断面図、第6図は同じくベルト加硫機の加硫ベルトスリーブを形成した状態を示す断面図である。ここで用いるベルト加硫機は上述と同様のものを使用することができる。
先ず、図3に示すように、内型円筒ドラム21に装着された可撓性ジャケット22の外周面に、未加硫接着ゴムシート、未加硫圧縮ゴムシートを順次無端状に巻き付けたフラット状の広幅未加硫スリーブ(第1未加硫スリーブ30)を形成する。即ち、可撓性ジャケット22を装着した内型円筒ドラム21に、未加硫接着ゴムシートを巻き付けて接着ゴム層12を配置した後、未加硫圧縮ゴムシートを巻き付けることにより圧縮ゴム層16を配置した第1未加硫スリーブ30が形成される。尚、接着ゴム層12と圧縮ゴム層16を予め積層した未加硫ゴムシートを巻き付けて第1未加硫スリーブ30を形成してもかまわない。
ここで、第1未加硫スリーブ30として接着ゴム層12を有する構成を挙げたが、接着ゴム層12を配置せず圧縮ゴム層16のみの構成とすることも可能である。但し、心線13をとりまくゴム層がすべて短繊維を含む配合となると、心線13とベルト本体との接着性に難があるため、圧縮ゴム層16が短繊維を含有する場合は、伸張ゴム層15と圧縮ゴム層16を隣接させず、接着ゴム層12を介在させることが好ましい。
次いで、この接着ゴム層12付き圧縮ゴム層16(第1未加硫スリーブ30)を内型円筒ドラム21に捲き付けた状態のままで、外型円筒モールド26の内側に一定の空隙部を形成するよう基台上に載置固定する。内型円筒ドラム21は別の成形工程より移動してくる関係上、媒体流通口Aと媒体送入排出路Bとは分離しており、内型円筒ドラム21を基台に載置後、媒体流通口AをジョイントJでパイプと連結する。
次いで、媒体送入機を作動して高圧空気もしくは高圧蒸気を媒体送入排出路B、媒体流通口Aを経て、可撓性ジャケット22の内部に送入する。可撓性ジャケット22は、その上下部が内型円筒ドラム21上に密閉固定されているため、可撓性ジャケット22の内面と内型円筒ドラム21の外面の間にエアーが充満し、可撓性ジャケット22は次第に膨張する。そして、その外周面に装着されている第1未加硫スリーブ30を半径方向に均一に膨張させ、加熱ヒーター若しくは高温蒸気で130〜160°Cに加熱したV型突起を有する外型円筒モールド26と10〜30秒間接触せしめる。
このとき、可撓性ジャケット22の膨張押圧力により、圧縮ゴム層16が外型円筒モールド26のV型に押圧され、第4図のような表面に複数のV型溝を有する予備成型体31を形成するに至る。
その後は、バルブを真空ポンプの方へ切替えて、真空ポンプを作動させて可撓性ジャケット22内に充満しているエアーを排気し、次いで吸引作用で可撓性ジャケット22を図3に示す元の位置に収縮復帰せしめる。このとき、予備成型体31は外型円筒モールド26に密着した状態となっている。
そして、内型円筒ドラム21を外型円筒モールド26から取出し、内型円筒ドラム21の可撓性ジャケット22の外周面に、未加硫伸張ゴムシートを巻き付けて伸張ゴム層15を配置した後、心線13を螺旋状にスピニングして第2未加硫スリーブ32を形成する。ここで、ベルトの可撓性を考慮すると、未加硫伸張ゴム層15は短繊維がベルト幅方向に配向するよう配置することが好ましい。そして、図5に示すようにこの内型円筒ドラム21を外型円筒モールド26内へ設置した後、図6に示すように可撓性ジャケット22を膨張させ、伸張ゴム層15と心線13(第2未加硫スリーブ32)を半径方向に均一に膨張させ、加熱ヒーター若しくは高温蒸気で150〜180°Cに加熱したV型突起を有する外型円筒モールド26に密着した予備成型体31に押し付けて一体的に加硫し、加硫ベルトスリーブ11’を作製する。
このとき接着ゴム層12は予備成型体31として心線13の外周に存在するため、加硫後のベルト成形体において心線全体が接着ゴム層内に埋設されることはなく、心線の一部が成形時の圧力により背面側に隣接する伸張ゴム層に埋設された状態となる。そして伸張ゴム層15’を構成するゴム組成物が短繊維を含有するとともに予備成型体を予め作製することから、圧縮ゴムの流動による影響を受けにくく、径方向の変形が少なくなるため、結果、伸張ゴム層15’に隣接する心線13’の整列状態が維持される。
次いで、内型円筒ドラム21から加硫ベルトスリーブ11’を取り出すが、取り出された加硫ベルトスリーブ11’は、以後別のドラムに挿入し、加硫ベルトスリーブ11’を円周方向に所定幅に切断し、ドラムより取出して反転することにより、周長が一定で、V形リブが正確に型付形成されたVリブドベルトが複数本得られる。尚、外型円筒モールド26を前述のような分割式モールドを使用した場合、未加硫ベルトスリーブ11の挿入ならびに加硫スリーブの取り外しが容易にでき、かつこの分割面が一種のエアー抜きの機能を果し、V型リブをより一層正確に形成することができる。
上述の製造方法にように未加硫の予備成型体31を形成することにより、心線13の伸び量を抑えながら、寸法安定性に優れたVリブドベルトを作製することができる。
これらのような製造方法により得られるVリブドベルトの一実施形態を図7に示す。Vリブドベルト1は、背面8が短繊維4を含有する伸張ゴム層5で形成されており、該伸張ゴム層5に隣接してベルト長手方向に心線2が配置され、しかも心線2の一部が伸張ゴム層5に埋設された状態となっている。そして伸張ゴム層5の下層には接着ゴム層2、そして短繊維4を含有する圧縮ゴム層6を配置した構成を有している。また前記圧縮ゴム層6にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられている。
第8図はVリブドベルトの別の一実施形態を示す。Vリブドベルト1は、背面8が短繊維4を含有する伸張ゴム層5で形成されており、該伸張ゴム層5に隣接してベルト長手方向に心線2が配置され、しかも心線2の一部が伸張ゴム層5に埋設された状態となっている。そして伸張ゴム層5の下層には短繊維を含有しない圧縮ゴム層6を配置した構成を有している。また前記圧縮ゴム層6にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられており、表面は短繊維9が植毛されている。
上記圧縮ゴム層6に使用されるゴムとしては、エチレン−α−オレフィンエラストマー、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRなどが挙げられる。
水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上で、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
クロロスルフォン化ポリエチレンは塩素含有量15〜35重量%、好ましくは25〜32重量%で、かつ硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるようにクロロスルフォン化した直鎖状低密度ポリエチレンである。
エチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)などが例示できる。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
上記エチレン−α−オレフィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを添加することができる。また、共架橋剤(co−agent)としTIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
この中でもN,N’−m−フェニレンジマレイミドが好ましく、これを添加することによって架橋度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.2〜10重量部であり、0.2重量部未満の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改善効果が小さく、一方10重量部を越えると加硫ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。
更に、上記圧縮ゴム層6には、硫黄をエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.01〜1重量部添加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御することができる。1重量部を越えると、架橋度が期待できる程に向上しないため、加硫ゴムの未耐摩耗性、耐粘着摩耗性も向上しなくなる。
また、圧縮ゴム層6には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維を混入して圧縮ゴム層4の耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面になる圧縮ゴム層6の表面をグラインダーによって研磨加工して該短繊維を突出させることができる。これにより圧縮ゴム層16の表面の摩擦係数は低下して、ベルト走行時の騒音を軽減する効果がある。尚、これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が好ましく用いられる。
上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して1〜30重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。
また、圧縮ゴム層6には、マトリクスゴムであるエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して、エチレン−α−オレフィンエラストマーと繊維径1.0μm以下、好ましくは0.05〜0.8μmの微小短繊維とをグラフト結合した微小短繊維強化ゴムを繊維分で1〜50重量部、好ましくは5〜25重量部含有してもよい。上記微小短繊維強化ゴムの配合量が1重量部未満では耐摩耗性が充分でなく、また50重量部を越えるとゴム組成物の伸びが低下し、耐熱性、耐屈曲性が低下する。
この微小短繊維強化ゴムは、これを構成しているエチレン−α−オレフィンエラストマーが圧縮ゴム層6のマトリクスゴムのエチレン−α−オレフィンエラストマーと全く同質かもしくは類似しているため、マトリクスゴムと良好に接合する。このため、微小短繊維強化ゴムとマトリクスゴムとの間、あるいは微小短繊維強化ゴム中でもエチレン−α−オレフィンエラストマーと微小短繊維とが化学結合しているため、圧縮ゴム層6では亀裂が入りにくく、たとえ亀裂が発生しても伝播しにくい。
更に、圧縮ゴム層6には、必要に応じてカーボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよい。
また図8のようにVリブドベルト1の圧縮ゴム層表面に短繊維9を植毛し、ベルト走行時の騒音を軽減させることも可能である。
心線2にはポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維、ポリアミド繊維などからなるロープが使用され、ゴムとの接着性を改善する目的で接着処理が施される。このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
エチレン−2,6−ナフタレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることによって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成される。
RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR等である。
伸張ゴム層5は上記に記載した圧縮ゴム層と同様のマトリクスゴム、配合剤を用いることができる。配合する短繊維4としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミドなどが使用可能であって、繊維長さは1〜20mmのものが好ましく用いられている。その添加量はゴム100重量部に対して1〜30重量部である。
尚、ベルト背面8の表層には背面駆動時の異音を抑制すべく凹凸パターンを設けることができる。例えば、前記工程において内型20と伸張ゴム層15の間に凹凸パターン転写材を介在させた状態で加硫を行った後、凹凸パターン転写材を剥ぎ取って凹凸パターンを付与する。凹凸パターンとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ織布パターンなどを挙げることができるが、最も好ましくは織物パターンである。織物パターンが独特のパターンにより、摩擦係数の低下を防止し、背面駆動時の異音発生を効果的に阻止できる。
上記凹凸パターンの具体的な形成工程を例示すると、内型20に超音波溶着ジョイントした筒状帆布を嵌入する。この筒状帆布としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール等の有機繊維で構成される糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布、また編布である。そして前記筒状帆布の上に未加硫伸張ゴムシートを巻き付けて、上述と同様の成形を行い、加硫ベルトスリーブを形成する。得られた加硫スリーブを金型から抜き取り、そして筒状織物を強制的に剥ぎとることによって凹凸パターンを付与できる。
凹凸パターンの深さであるが、平均深さで0.1〜0.6mmの範囲のパターンとすることが好ましい。この平均深さが0.1mm未満であるとパターンの凸部が小さくなって摩擦係数が低下せずに背面駆動時の異音発生が起こりやすくなり、逆に0.6mmを超えるような深さであると搬送物との摩擦によって、搬送面表面の凸部が削り取られたりちぎられたりすることによって、周囲にゴム粉を撒き散らしたり、場合によってはベルトの破損につながったりすることもあるので好ましくない。
また接着ゴム層2を配置する場合、圧縮ゴム層4と同様のエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物などが使用される。しかし、心線であるポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等と良好に接着するために、パーオキサイドを含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポリエチレン組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物を使用することもできる。また短繊維は配合しないことが望ましい。
尚、Vリブドベルトの実施形態として、接着ゴム層2を配置し、圧縮ゴム層6として短繊維を含有するゴム組成物で構成したVリブドベルト(図7)と、接着ゴム層2を配置せず、圧縮ゴム層6として短繊維を含有しないゴム組成物で構成し、表面に短繊維9を植毛したVリブドベルト(図8)を例示したが、例えば接着ゴム層2を配置し、圧縮ゴム層6として短繊維を含有しないゴム組成物で構成したVリブドベルトや、圧縮ゴム層6として短繊維を含有するゴム組成物で構成し、しかも表面に短繊維9を植毛したVリブドベルトなども本発明の技術的範囲に属する。
本発明にかかるVリブドベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着できる。
本発明に係るVリブドベルトの製造方法において使用するベルト加硫機の未加硫ベルトスリーブを形成した状態を示す断面図である。 本発明に係るVリブドベルトの製造方法において使用するベルト加硫機の加硫ベルトスリーブを形成した状態を示す断面図である。 本発明に係るVリブドベルトの別の製造方法において使用するベルト加硫機の第1未加硫スリーブを形成した状態を示す断面図である。 本発明に係るVリブドベルトの別の製造方法において使用するベルト加硫機の予備成形体を作製した状態を示す断面図である。 本発明に係るVリブドベルトの別の製造方法において使用するベルト加硫機の第2未加硫スリーブを形成した状態を示す断面図である。 本発明に係るVリブドベルトの別の製造方法において使用するベルト加硫機の加硫ベルトスリーブを作成した状態を示す断面図である。 本発明に係るVリブドベルトの断面図である。 本発明に係る別のVリブドベルトの断面図である。
符号の説明
1 Vリブドベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 短繊維
5 伸張ゴム層
6 圧縮ゴム層
7 リブ部
8 背面

Claims (18)

  1. 伸張ゴム層と、ベルト長手方向に延びる複数のリブ部が設けられた圧縮ゴム層と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線を有し、背面にカバー帆布が積層されないVリブドベルトの製造方法において、
    内型に短繊維を含有する伸張ゴム層を配置し、接着ゴム層を配置しない状態で心線をスピニングした後、圧縮ゴム層を配置した未加硫ベルトスリーブを形成し、
    リブ部に対応した刻印を有する外型に、該未加硫ベルトスリーブを内周側から押圧して加硫することにより加硫ベルトスリーブを形成することを特徴としたVリブドベルトの製造方法。
  2. 伸張ゴム層は、短繊維がベルト幅方向に配向するように内型に配置される請求項1記載のVリブドベルトの製造方法。
  3. 心線をスピニングした後、接着ゴム層、そして短繊維を含有する圧縮ゴム層を配置する請求項1または2記載のVリブドベルトの製造方法。
  4. 心線をスピニングした後、接着ゴム層を配置しない状態で短繊維を含有しない圧縮ゴム層を配置する請求項1または2記載のVリブドベルトの製造方法。
  5. 伸張ゴム層と内型の間に凹凸パターン転写材を介在させた状態で加硫を行った後、凹凸パターン転写材を剥ぎ取ることにより伸張ゴム層表面に凹凸パターンを形成する請求項1〜4のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法。
  6. 凹凸パターン転写材が筒状織物であって、凹凸パターンが織物パターンである請求項5記載のVリブドベルトの製造方法。
  7. 伸張ゴム層と、ベルト長手方向に延びる複数のリブ部が設けられた圧縮ゴム層と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線を有し、背面にカバー帆布が積層されないVリブドベルトの製造方法において、
    内型に圧縮ゴム層を配置した第1未加硫スリーブを形成し、
    リブ部に対応した刻印を有する外型に、該第1未加硫スリーブを内周側から押圧して、リブ部を有する予備成型体を作製した後、
    予備成型体を密着させた外型から、内型を離間させ、
    次いで、内型に短繊維を含有する伸張ゴム層を配置し、接着ゴム層を配置しない状態で心線をスピニングした第2未加硫スリーブを形成し、
    前記予備成型体を密着させた外型に、該第2未加硫スリーブを内周側から押圧して予備成型体と一体的に加硫することにより加硫ベルトスリーブを形成することを特徴としたVリブドベルトの製造方法。
  8. 伸張ゴム層は、短繊維がベルト幅方向に配向するように内型に配置される請求項7記載のVリブドベルトの製造方法。
  9. 内型に、接着ゴム層、そして短繊維を含有する圧縮ゴム層を配置した第1未加硫スリーブを形成する請求項7または8記載のVリブドベルトの製造方法。
  10. 内型に、接着ゴム層を配置しない状態で短繊維を含有しない圧縮ゴム層を配置した第1未加硫スリーブを形成する請求項7または8記載のVリブドベルトの製造方法。
  11. 伸張ゴム層と内型の間に凹凸パターン転写材を介在させた状態で加硫を行った後、凹凸パターン転写材を剥ぎ取ることにより伸張ゴム層表面に凹凸パターンを形成する請求項7〜10のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法。
  12. 凹凸パターン転写材が筒状織物であって、凹凸パターンが織物パターンである請求項11記載のVリブドベルトの製造方法。
  13. 伸張ゴム層と、ベルト長手方向に延びる複数のリブ部が設けられた圧縮ゴム層と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線を有し、背面にカバー帆布が積層されないVリブドベルトであって、伸張ゴム層は短繊維を含有するゴム組成物で構成されているとともに心線の背面側に隣接するよう配置され、しかも心線の一部が該伸張ゴム層に埋設されていることを特徴とするVリブドベルト。
  14. 伸張ゴム層は、短繊維がベルト幅方向に配向している請求項13記載のVリブドベルト。
  15. 圧縮ゴム層は、短繊維を含有するゴム組成物で構成されているとともに、伸張ゴム層と圧縮ゴム層との間に接着ゴム層が配置されている請求項13または14記載のVリブドベルト。
  16. 圧縮ゴム層は、短繊維を含有しないゴム組成物で構成されているとともに、伸張ゴム層に隣接するよう配置されている請求項13または14記載のVリブドベルト。
  17. ベルト背面に凹凸パターンが設けられている請求項13〜16のいずれかに記載のVリブドベルト。
  18. 凹凸パターンが織物パターンである請求項17記載のVリブドベルト。
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