JP2007090806A - Vリブドベルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な脱型性、剥離性を確保することが可能であり、かつ背面平滑性に優れたVリブドベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】 内型21の外周面に、樹脂フィルム14を介して伸張ゴム層15を配置した後、心線13を螺旋状にスピニングする。次いで、未加硫接着ゴムシート、未加硫圧縮ゴムシートを順次巻き付けることにより接着ゴム層12、圧縮ゴム層16を配置し、未加硫ベルトスリーブ11を形成する。次いで、この未加硫ベルトスリーブを内型に捲き付けた状態のままで、ジャケットを外挿してモールド組立体を構成し、このモールド組立体を加硫缶内部の基台上に載置固定して上下面を密閉した後、スチームを入気して未加硫ベルトスリーブを加熱加圧し、加硫をおこなう。
【選択図】 図1
【解決手段】 内型21の外周面に、樹脂フィルム14を介して伸張ゴム層15を配置した後、心線13を螺旋状にスピニングする。次いで、未加硫接着ゴムシート、未加硫圧縮ゴムシートを順次巻き付けることにより接着ゴム層12、圧縮ゴム層16を配置し、未加硫ベルトスリーブ11を形成する。次いで、この未加硫ベルトスリーブを内型に捲き付けた状態のままで、ジャケットを外挿してモールド組立体を構成し、このモールド組立体を加硫缶内部の基台上に載置固定して上下面を密閉した後、スチームを入気して未加硫ベルトスリーブを加熱加圧し、加硫をおこなう。
【選択図】 図1
Description
本発明は動力伝動などに用いられるVリブドベルトの製造方法に関する。
動力伝動に用いられるVリブドベルトは、一般的には、ベルト長手方向に平行に延びて並列状態に配置された複数のリブが形成された圧縮ゴム層と、その圧縮ゴム層の上部に積層されてコードからなる心線が埋設された接着ゴム層と、この接着ゴム層の背面側に縫合された帆布からなる伸張層とを備えて構成されている。そして、このような一般的なVリブドベルトにおける伸張層としての帆布は、ベルトの耐縦亀裂性を保持するために設けられているものであり、例えば、経糸と緯糸とを織り込んだ平織布にゴム引き処理を施すことで形成されている。
しかし、上述したような一般的なVリブドベルトを駆動プーリと従動プーリとに掛架し、ベルト背面をアイドラープーリに接触係合させたときに、周期的に異音が発生することが多い。この周期的な異音発生は、帆布の縫合領域にて発生し易いが、その縫合領域以外の領域でも発生するものであり、縫合領域を平坦面となるように形成しても発生する。この縫合領域以外での異音発生の原因の一つとして、帆布の表面状態の影響があることが知られている。即ち、バイアス帆布や筒状帆布を成形中に、あるいは筒状帆布をベルト成形体に嵌入中に、帆布が機械的に変形して経糸と緯糸との交差角や経糸と緯糸とによって形成される開口部の大きさが変化し、開口部の大きい部分と小さい部分との差が広がってしまい、糸が局部的に収束する領域が発生する。このため、糸が局部的に収束した領域での帆布表面の凹凸等の形態が他の領域の形態と異なることによって異音が発生することが知られている。
そこで、異音の発生を抑制する観点から、ベルト背面に帆布を積層しないVリブドベルト、即ち、伸張層をゴム組成物で構成したVリブドベルトが提案されつつある。しかし、このようなVリブドベルトは、ベルト背面においてゴムが直接露出している状態となるため、アイドラープーリに当接係合するときに、ベルト背面にて粘着磨耗が発生し易く、そのことによって逆にスリップ音等の異音が発生し易くなってしまうという問題があった。そこで、ベルト背面を、短繊維を配合したゴム組成物で構成することにより、粘着磨耗の抑制並びに異音の発生を抑制する試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−162899号公報
このように背面をゴム層で構成したVリブドベルトの製造方法としては、まず内型に未加硫伸張ゴムシート、未加硫接着ゴムシートを順次捲き付けた後、心線をスピニングし、次いで未加硫圧縮ゴムシートを捲き付けて無端状の未加硫ベルトスリーブを形成する。そして、該未加硫ベルトスリーブが捲装された内型に加硫用ゴムジャケットを外挿して加硫缶に載置し、加熱加圧によりゴム加硫を行った後、冷却を経て内型から脱型せしめ、加硫ベルトスリーブを得ることが一般的である。
しかし、背面をゴム層で構成した場合、背面を帆布で構成するのと比べて金型との摩擦係数が高くなり、加硫ベルトスリーブの脱型が非常に困難であった。またここで無理に脱型させると、心線乱れや蛇行などの変形が発生するといった問題があった。このような不具合に対して、金型表面に離型剤を塗布し、脱型性を確保することが考えられたが、金型表面に存在する離型剤の微塊が加硫中に気化・膨張し、得られた加硫ベルトスリーブ表面に微小な凹凸が発生することが判明した。
本願発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、良好な脱型性を確保することが可能であり、かつ背面平滑性に優れたVリブドベルトの製造方法を提供することにある。
即ち、本願請求項1の発明は、背面が伸張ゴム層で構成されるVリブドベルトの製造方法において、内型に、樹脂フィルムを介して伸張ゴム層を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する(1)工程と、該未加硫ベルトスリーブを加硫し、樹脂フィルム付加硫ベルトスリーブを形成する(2)工程と、内型から、樹脂フィルム付加硫ベルトスリーブを脱型する(3)工程と、前記樹脂フィルムを剥離し、表面が伸張ゴム層で構成された加硫ベルトスリーブを形成する(4)工程とを有することを特徴としたVリブドベルトの製造方法である。
本願請求項2の発明は、請求項1記載のVリブドベルトの製造方法において、樹脂フィルムがポリメチルペンテンフィルムであることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、内型と未加硫ベルトスリーブとの間に樹脂フィルムを介在させて加硫をおこなうことで、加硫ベルトスリーブの表面の摩擦係数が低下し、離型剤がなくとも加硫ベルトスリーブの脱型性を向上せしめることができると共に、背面の平滑性が高いVリブドベルトを製造することができる。
請求項2の発明によれば、樹脂フィルムとしてポリメチルペンテンフィルムを選択することで、耐熱性が高く、ガス透過性に優れると共に、金型からの脱型性、加硫ベルトスリーブからの剥離性を良好なものとすることができるといった特徴がある。
本発明のVリブドベルトの製造方法は、内型に、樹脂フィルムを介して伸張ゴム層を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する(1)工程と、該未加硫ベルトスリーブを加硫し、樹脂フィルム付加硫ベルトスリーブを形成する(2)工程と、内型から、樹脂フィルム付加硫ベルトスリーブを脱型する(3)工程と、前記樹脂フィルムを剥離し、表面が伸張ゴム層で構成された加硫ベルトスリーブを形成する(4)工程とを有する。
以下、本発明におけるVリブドベルトの製造方法を図1,2をもとに説明する。
図1は内型に未加硫ベルトスリーブを形成した状態を示す断面図、図2は加硫ベルトスリーブを形成した後の状態を示す断面図である。
図1は内型に未加硫ベルトスリーブを形成した状態を示す断面図、図2は加硫ベルトスリーブを形成した後の状態を示す断面図である。
先ず、内型21の外周面に、樹脂フィルムを装着し、未加硫伸張ゴムシート、心線、未加硫接着ゴムシート、未加硫圧縮ゴムシートを順次無端状に捲き付けたフラット状の広幅未加硫ベルトスリーブ11を形成する。即ち、内型21に、樹脂フィルム14を介して伸張ゴム層15を配置した後、心線13を螺旋状にスピニングする。次いで、未加硫接着ゴムシート、未加硫圧縮ゴムシートを順次巻き付けることにより接着ゴム層12、圧縮ゴム層16を配置し、未加硫ベルトスリーブ11を形成する。(工程(1))
次に、この未加硫ベルトスリーブ11を内型21に捲き付けた状態のままで、ジャケット22を外挿してモールド組立体を構成し、このモールド組立体を加硫缶(図示せず)内部の基台20上に載置固定して下面をシールし、その上面を内蓋26で密閉した後、モールド組立体の外面と内型21の内部にスチームを入気して未加硫ベルトスリーブ11を内外面より加熱加圧し、加硫をおこなう。(工程(2))
このように加硫されたモールド組立体を加硫缶から取り出して冷却させた後、内型21から加硫ベルトスリーブ11’を脱型し、樹脂フィルム14を有する加硫ベルトスリーブ11’を得る。(工程(3))次いで、加硫ベルトスリーブ11’から樹脂フィルム14を剥離し、表面がゴム層で構成された加硫ベルトスリーブを得る。(工程(4))この加硫ベルトスリーブの圧縮ゴム層に、円周方向に延びる複数のV溝を研削・研磨することによりリブ部を形成し、次いで、加硫ベルトスリーブを円周方向に所定幅に切断し、反転させることにより、周長が一定で、円周方向に延びるリブが形成されたVリブドベルトを複数本得ることができる。
ここで、樹脂フィルム14としては、優れた耐熱性を有し、かつ良好な脱型性、剥離性を有するものが用いられる。好ましくは、臨界表面張力が20〜30dyne/cm、融点が200〜300°Cの樹脂フィルムを用いることができる。臨界表面張力を前記範囲とすることで剥離性に優れると共に、融点を前記範囲とすることで加硫工程においてもフィルムが溶着することがない。具体的には、ポリメチルペンテンフィルムが望ましく、上市されている製品としては4−メチルベンテンー1を主原料とする三井化学社製TPXなどを挙げることができる。ポリメチルペンテンは、臨界表面張力が24dyne/cm、融点が220〜240°Cであって、剥離性、耐熱性に優れた性質を有し、かつガス透過性を兼ね備えているといった特徴を有する。尚、樹脂フィルム14は、熱融着などによって円筒状にした状態で内型に装着することができる。
上述の図1,2における実施形態では、伸張ゴム層15と圧縮ゴム層16との間に接着ゴム層12が存在してなるが、本発明においては接着ゴム層12を必須とするものではない。一方で、未加硫伸張ゴムシート、未加硫接着ゴムシートを順次捲き付けた後に、心線をスピニングすることも可能である。また未加硫伸張ゴムシート、未加硫接着ゴムシートを順次捲き付けた後に、心線をスピニングし、更に未加硫接着ゴムシート、未加硫圧縮ゴムシートを順次捲き付けることも可能である。
尚、心線をとりまくゴム層がすべて短繊維を含む配合となると、心線とベルト本体との接着性に難があるため、心線と接するゴム層のうちいずれかは短繊維を含有しないゴム組成物で構成することが望ましい。ここで、心線の落ち込みを抑制するためには、伸張ゴム層には短繊維を含有させることが望ましい。このときベルトの可撓性を考慮すると、短繊維がベルト幅方向に配向するよう構成することが好ましい。また伸張ゴム層は、短繊維をランダム配向状態で含有するものであってもよい。これにより、一定の方向に対する方向性を示すことなく多方向から作用する力に対して耐性があるため、多方向からの裂きや亀裂の発生を抑制でき、これによりベルト寿命が向上するという効果を奏することができる。このとき短繊維は屈曲を有する短繊維であることが好ましい。
また、本発明におけるVリブドベルトの製造方法に用いる装置としては、上述のものに限定されるものではない。また本発明の製造方法は、圧縮ゴム層表面に植毛を施す工程を含むものでもよい。
上記製造方法により得られるVリブドベルトの一実施形態を図3に示す。Vリブドベルト1は、背面8が短繊維をランダム配向させた伸張ゴム層5で形成されており、該伸張ゴム層5に隣接してベルト長手方向に心線3が配置され、しかも心線3の一部が伸張ゴム層5に埋設された状態となっている。そして伸張ゴム層5の下層には接着ゴム層2、そして短繊維を含有する圧縮ゴム層6(短繊維はベルト幅方向に配向)を配置した構成を有している。また前記圧縮ゴム層6にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられている。
第4図はVリブドベルトの別の一実施形態を示す。Vリブドベルト1は、背面8が短繊維を幅方向に配向させた伸張ゴム層5で形成されており、該伸張ゴム層5に隣接してベルト長手方向に心線3が配置され、しかも心線3の一部が伸張ゴム層5に埋設された状態となっている。そして伸張ゴム層5の下層には短繊維を含有しない圧縮ゴム層6を配置した構成を有している。また前記圧縮ゴム層6にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられており、その表面は植毛層9を有する構成となっている。
第5図にVリブドベルトの更に別の一実施形態を示す。Vリブドベルト1は、背面8が短繊維をランダム配向させた伸張ゴム層5で形成されており、該伸張ゴム層5に隣接してベルト長手方向に心線3が配置され、しかも心線3の一部が伸張ゴム層5に埋設された状態となっている。そして伸張ゴム層5の下層には接着ゴム層2、そして短繊維を含有する圧縮ゴム層6(短繊維はリブ形状に沿って配向)を配置した構成を有している。また前記圧縮ゴム層6にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられている。
上記圧縮ゴム層6に使用されるゴムとしては、エチレン・α−オレフィンエラストマー、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRなどが挙げられる。
水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上で、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
クロロスルフォン化ポリエチレンは塩素含有量15〜35重量%、好ましくは25〜32重量%で、かつ硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるようにクロロスルフォン化した直鎖状低密度ポリエチレンである。
エチレン・α−オレフィンエラストマーとしては、エチレン・プロピレンゴム(EPM)やエチレン・プロピレン・ジエンモノマー(EPDM)などが例示できる。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
上記エチレン・α−オレフィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを添加することができる。また、共架橋剤(co−agent)としTIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
この中でもN,N’−m−フェニレンジマレイミドが好ましく、これを添加することによって架橋度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン・α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.2〜10重量部であり、0.2重量部未満の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改善効果が小さく、一方10重量部を越えると加硫ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。
更に、上記圧縮ゴム層6には、硫黄をエチレン・α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.01〜1重量部添加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御することができる。1重量部を越えると、架橋度が期待できる程に向上しないため、加硫ゴムの未耐摩耗性、耐粘着摩耗性も向上しなくなる。
また、圧縮ゴム層6には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールなどからなる短繊維を混入して圧縮ゴム層6の耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面になる圧縮ゴム層6の表面をグラインダーによって研磨加工して該短繊維を突出させることができる。これにより圧縮ゴム層16の表面の摩擦係数は低下して、ベルト走行時の騒音を軽減する効果がある。尚、これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が好ましく用いられる。
上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して1〜30重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。
更に、圧縮ゴム層6には、必要に応じてカーボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよい。
また図4のようにVリブドベルト1の圧縮ゴム層表面に短繊維を植毛し、ベルト走行時の騒音を軽減させることも可能である。
心線3は、接着処理を施した撚糸コードを用いることができる。撚糸コードを構成する繊維材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、エチレン−2,6−ナフタレート(PEN)を主たる構成単位とするポリエステル繊維、ナイロン66などのポリアミド繊維等を挙げることができる。寸法安定性、吸湿性などを考慮すると好ましくはPET繊維である。
伸張ゴム層5は上記に記載した圧縮ゴム層と同様のマトリクスゴム、配合剤を用いることができる。ここで伸張部5は、短繊維を含有するゴム組成物で形成されているが、短繊維としては、ポリエステル、アラミド、ポリアミド、綿、PBOなどの短繊維を所望に応じて配合することができる。図3,5において短繊維はランダム方向に配向しているが、図4のようにベルト幅方向に配向させるなど一方向に配向していてもかまわない。尚、ランダム方向に配向させた場合、多方向からの裂きや亀裂の発生を抑制できるといった特徴があるが、このとき短繊維として屈曲部を有する短繊維(例えばミルドファイバー)を選択すると、より多方向から作用する力に対して耐性ができるといった特徴がある。ミルドファイバーは、例えばポリアミド製のものを用いることができ、繊維長が0.1〜3.0mmの範囲であることが望ましい。また、伸張部における短繊維の配合量は、ゴム100重量部に対して短繊維が35〜100の範囲の割合となるように、短繊維が含有されていることが望ましい。なお、屈曲部を有する短繊維とともに、屈曲部を有さない短繊維も含有するものであってもよい。
また接着ゴム層2を配置する場合、圧縮ゴム層4と同様のマトリクスゴム、配合剤などが使用可能である。しかし、心線である繊維コードと良好に接着するためには、パーオキサイドを含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポリエチレン組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物などを使用することが好ましい。また短繊維は配合しないことが望ましい。
尚、Vリブドベルトの実施形態として、接着ゴム層2を配置し、圧縮ゴム層6として短繊維を含有するゴム組成物で構成したVリブドベルト(図3,5)と、接着ゴム層2を配置せず、圧縮ゴム層6として短繊維を含有しないゴム組成物で構成し、表面に短繊維9を植毛したVリブドベルト(図4)を例示したが、例えば接着ゴム層2を配置し、圧縮ゴム層6として短繊維を含有しないゴム組成物で構成したVリブドベルトや、圧縮ゴム層6として短繊維を含有するゴム組成物で構成し、しかも表面に植毛層9を設けたVリブドベルトなども本発明の技術的範囲に属する。
本発明にかかる製造方法により得られたVリブドベルトは、自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着できる。
1 Vリブドベルト
2 接着ゴム層
3 心線
5 伸張ゴム層
6 圧縮ゴム層
7 リブ部
8 背面
9 植毛層
11 未加硫ベルトスリーブ
11’ 加硫ベルトスリーブ
12 接着ゴム層
13 心線
14 樹脂フィルム
15 伸張ゴム層
16 圧縮ゴム層
21 内型
2 接着ゴム層
3 心線
5 伸張ゴム層
6 圧縮ゴム層
7 リブ部
8 背面
9 植毛層
11 未加硫ベルトスリーブ
11’ 加硫ベルトスリーブ
12 接着ゴム層
13 心線
14 樹脂フィルム
15 伸張ゴム層
16 圧縮ゴム層
21 内型
Claims (2)
- 背面が伸張ゴム層で構成されるVリブドベルトの製造方法において、
内型に、樹脂フィルムを介して伸張ゴム層を配置した未加硫ベルトスリーブを形成する(1)工程と、該未加硫ベルトスリーブを加硫し、樹脂フィルム付加硫ベルトスリーブを形成する(2)工程と、内型から、樹脂フィルム付加硫ベルトスリーブを脱型する(3)工程と、前記樹脂フィルムを剥離し、表面が伸張ゴム層で構成された加硫ベルトスリーブを形成する(4)工程とを有することを特徴としたVリブドベルトの製造方法。 - 樹脂フィルムがポリメチルペンテンフィルムである請求項1記載のVリブドベルトの製造方法。
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Cited By (2)
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JP2010150436A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Mitsui Chemicals Inc | オレフィン樹脂系塗料 |
JP2014095452A (ja) * | 2012-11-12 | 2014-05-22 | Mitsuboshi Belting Ltd | 伝動ベルト及びその製造方法 |
-
2005
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