JP2002234080A - 伝動用ベルトの製造方法 - Google Patents

伝動用ベルトの製造方法

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JP2002234080A
JP2002234080A JP2001033195A JP2001033195A JP2002234080A JP 2002234080 A JP2002234080 A JP 2002234080A JP 2001033195 A JP2001033195 A JP 2001033195A JP 2001033195 A JP2001033195 A JP 2001033195A JP 2002234080 A JP2002234080 A JP 2002234080A
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rubber layer
ethylene
transmission belt
olefin elastomer
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Ryo Takahashi
涼 高橋
Hideki Sugawara
秀樹 菅原
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮ゴム層として短繊維を含んだエチレン−
α−オレフィンエラストマー組成物のシート体の両端に
おけるバイアス端面での突き合わせを良好にして、この
突き合わせ部からの割れを阻止した伝動用ベルトの製造
方法を提供する。 【解決手段】 型1面上にカバー帆布3とその上に心線
4を巻付けた後、更に予めエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー組成物のシート状の接着ゴム層5と短繊維を
含んだエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物の
シート状の圧縮ゴム層6を重ねた積層体を、その両端の
バイアス端面9で突き合わせし、この部分10を局部的
に50〜90°Cで加熱しつつ圧着することで接合して
ベルト成形体7にし、これを加硫し、得られたベルトス
リーブから伝動ベルトに仕上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝動用ベルトの製造
方法に係り、詳しくはエチレン−α−オレフィンエラス
トマーをゴム層に有するVリブドベルト、ローエッジシ
ングルコグベルト、ローエッジダブルコグベルトのよう
な伝動用ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇し、これにともない伝動用
ベルトの使用環境温度も高くなってきた。従来、伝動用
ベルトは天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムが主流で
あったが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早
期にクラックを生じるという問題が発生した。
【0003】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討されて
きたが、これに代わり最近では、環境問題の重要性が増
すに連れて、環境負荷物質を含まない又は、含有量が少
ないポリマーとして、エチレン・α−オレフィンエラス
トマー注目されている。このエチレン−α−オレフィン
エラストマーはエチレン−プロピレン系ゴム(EPR)
やエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等
があり、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価な
ポリマーであり、最近では例えば特開平6−34594
8号公報、特表平9−500930号公報、特開200
0−26674号公報等に開示されているように、エチ
レン・α−オレフィンエラストマー組成物を用いたVリ
ブドベルトが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来では、圧縮ゴム層
として短繊維を含んだエチレン−α−オレフィンエラス
トマー組成物のシート体の両端部をバイアス端面で突き
合わせした後、押えロールで圧着することでジョイント
を行っていた。しかし、エチレン−α−オレフィンエラ
ストマー組成物からなるシート物を用いたジョイント
は、突き合わせ部の接着が十分でなく、加硫時に接合面
が割れて不良になる問題があった。
【0005】本発明はこのような問題に対処するもので
あり、圧縮ゴム層として短繊維を含んだエチレン−α−
オレフィンエラストマー組成物のシート体のバイアス端
面の突き合わせを良好にして、この突き合わせ部からの
割れを阻止した伝動用ベルトの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1の
発明では、表面にカバー帆布を積層し、接着ゴム層にベ
ルト長手方向に沿って心線を埋設し、この接着ゴム層に
隣接して圧縮ゴム層を配置した伝動用ベルトの製造方法
において、型面上にカバー帆布とその上に心線を巻付け
た後、更に予めエチレン−α−オレフィンエラストマー
組成物のシート状の接着ゴム層と短繊維を含んだエチレ
ン−α−オレフィンエラストマー組成物のシート状の圧
縮ゴム層を重ねた積層体を、その両端部のバイアス端面
で突き合わせし、この部分を局部的に50〜90°Cで
加熱しつつ圧着することで接合してベルト成形体にし、
これを加硫し、得られたベルトスリーブから伝動ベルト
に仕上げる伝動用ベルトの製造方法にあり、短繊維を含
んだエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物から
なるゴムシートの突き合わせ部分の接合も良好になり、
該部分からの割れ発生もなくなる。
【0007】本願の請求項2の発明では、積層体の突き
合わせ部を接合した後、この突き合わせ部の表面を接着
テープで接合することによって割れ発生を阻止し、また
加硫したベルトスリーブを研磨する際には、接着テープ
を除去することができ、製品の外観形状上何ら支障を来
すことはない。
【0008】本願の請求項3の発明では、伝動ベルトが
ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴムと、ベ
ルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧縮ゴム層か
らなるVリブドベルトである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は型面上にベルト成形体を作
製しているところを示している。これによると、型1を
成形機(図示せず)に取付けた後、成形面2に水系離型
剤を塗布し乾燥した後、この上にレゾルシン−ホルマリ
ン−ラテックス処理したカバー帆布3を巻き付けた後、
ポリエステル繊維、アラミド繊維、あるいはガラス繊維
を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線4を
スパイラルにスピニングし、エチレン−α−オレフィン
エラストマー組成物からなるシート状の接着ゴム層5と
短繊維を含んだエチレン−α−オレフィンエラストマー
組成物からなるシート状の圧縮ゴム層6を予め積層した
シートを巻き付けてベルト成形体7を得る。
【0010】このとき、予め短繊維を含まないエチレン
−α−オレフィンエラストマー組成物からなるシート状
の接着ゴム層5と短繊維を含んだエチレン−α−オレフ
ィンエラストマー組成物のシート状の圧縮ゴム層6をロ
ールあるいはプレス板で重ねて積層体8にし、この積層
体8の両端部がバイアス端面9になるようにナイフ等で
切断され、該両端部のバイアス端面9を成形面2上で突
き合わせる。
【0011】その後、図2に示すように、作業者が型1
を回して突き合わせ部10が最上部に位置するように調
節した後、移動可能な細長い熱圧着盤13を下降させ
て、突き合わせ部10の全領域にわたって均一に圧接す
る。該突き合わせ部10を所定条件で加熱加圧し、エチ
レン−α−オレフィンエラストマーを熱可塑化して熱圧
着させる。熱圧着盤13の加熱媒体は電熱、蒸気、ガス
等であり、特に限定しない。
【0012】熱圧着盤13の温度は50〜90°C、好
ましくは60〜80°C、加圧力は4.5kg/cm以
上、好ましくは4.6〜5.2kg/cm、そして加圧
時間は20〜60秒である。
【0013】突き合わせ部10のジョイントが完了する
と、図3に示すように熱圧着盤13を上昇させ、その後
必要に応じて接着テープ(粘着テープを含む)15を突
き合わせ部10の全領域もしくは局部的に貼り付けて、
冷却後の突き合わせ部10の接着力を維持する。この接
着テープ15は必ずしも使用する必要がないが、厚みの
ある積層体8をジョイントする場合には、使用すること
が望ましい。
【0014】その後、上記ベルト成形体7を加硫し、そ
して型から抜き取ってベルトスリーブを得る。
【0015】次に、ベルトスリーブを駆動ロールと従動
ロールに掛架して所定の張力下で走行させ、更に回転さ
せた研削ホイールを走行中のベルトスリーブに当接する
ように移動してベルトスリーブの圧縮ゴム層表面に3〜
100個の複数の溝状部を一度に研削する。この研削工
程において、接着テープ15は研削ホイールによって除
去されるため、ベルトの外観上何ら問題がない。得られ
たベルトスリーブは駆動ロールと従動ロールから取り外
し、他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、
カッターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベ
ルトに仕上げる。
【0016】得られたVリブドベルト20は、図4に示
すようにポリエステル繊維、アラミド繊維、あるいはガ
ラス繊維を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる
心線21を接着ゴム層22中に埋設し、その下側に弾性
体層である圧縮ゴム層24を有している。圧縮ゴム層2
4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリ
ブ部27があり、該リブ部27にある突き合わせ部10
からの割れ発生は全く見られない。また、ベルト表面に
は付着したカバー帆布25が設けられている。
【0017】他のベルトとしてカットエッジタイプのV
ベルト30にも使用される。このベルト30は、図5に
示すように心線31を埋設した接着ゴム層32と圧縮ゴ
ム33とから構成され、更に上記接着ゴム層32及び圧
縮ゴム層33の各表面層にカバー帆布34を積層してい
る。
【0018】前記圧縮ゴム層に使用されるエチレン−α
−オレフィンエラストマーとして、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノ
マー(EPDM)からなるゴムをいう。ジエンモノマー
の例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボ
ルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエ
ン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
【0019】この圧縮ゴム層には、エチレン−α−オレ
フィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを添
加する。また、共架橋剤(co−agent)としTI
AC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン
酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミ
ド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものであ
る。
【0020】この中でもN,N’−m−フェニレンジマ
レイミドが好ましく、これを添加することによって架橋
度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,
N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン
−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して
0.2〜10質量部であり、0.2質量部未満の場合に
は、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改
善効果が小さく、一方10質量部を越えると加硫ゴムの
伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。
【0021】更に、上記圧縮ゴム層には、硫黄をエチレ
ン−α−オレフィンエラストマー100質量部に対して
0.01〜1質量部添加することにより、加硫ゴムの伸
びの低下を制御することができる。1質量部を越える
と、架橋度が期待できる程に向上しないため、加硫ゴム
の未耐摩耗性、耐粘着摩耗性も向上しなくなる。
【0022】上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2
・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1
・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分
間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0023】その添加量はエチレン−α−オレフィンエ
ラストマー100質量部に対して約1〜8質量部であ
り、好ましくは1.5〜4質量部である。
【0024】また、圧縮ゴム層には、ナイロン6、ナイ
ロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維
を混入して耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接
する面に研削加工によって短繊維を突出させる。圧縮ゴ
ム層の表面の摩擦係数は低下して、ベルト走行時の騒音
を軽減する。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有
し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が最も効果
がある。
【0025】上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラス
トマー100質量部に対して1〜30質量部である。こ
のアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、
例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、
テクノーラ、トワロン等である。
【0026】また、圧縮ゴム層には、マトリクスゴムで
あるエチレン−α−オレフィンエラストマー100質量
部に対して、エチレン−α−オレフィンエラストマーと
繊維径1.0μm以下、好ましくは0.05〜0.8μ
mの微小短繊維とをグラフト結合した微小短繊維強化ゴ
ムを繊維分で1〜50質量部、好ましくは5〜25質量
部含有してもよい。上記微小短繊維強化ゴムの配合量が
1質量部未満では耐摩耗性が充分でなく、また50質量
部を越えるとゴム組成物の伸びが低下し、耐熱性、耐屈
曲性が低下する。
【0027】更に、圧縮ゴム層には、必要に応じてカー
ボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カル
シウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、
TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよ
い。
【0028】上記圧縮ゴム層には、エチレン−α−オレ
フィンエラストマーとともにニトリルゴム、水素化ニト
リルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属
塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、
クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRが使用され
る。
【0029】前記接着ゴム層にも圧縮ゴム層と同様のエ
チレン−α−オレフィンエラストマー組成物が使用され
る。しかし、心線と良好に接着するために、パーオキサ
イドを含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オレフィ
ンエラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポリエチ
レン組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物を使用す
ることもできる。
【0030】心線には、ポリエチレンテレフタレート繊
維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位
とするポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維か
らなるロープが使用され、ゴムとの接着性を改善する目
的で接着処理が施される。このような接着処理としては
繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL
液)に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成
するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエ
ポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後
に、RFL液で処理する方法等もある。
【0031】エチレン−2,6−ナフタレートは、通常
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体を触媒の存在下に適当な条件のもとにエチ
レングリコールと縮重合させることによって合成させ
る。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合
完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加す
れば、共重合体ポリエステルが合成される。
【0032】上記心線の接着処理は、まず(1)未処理
コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選
ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップし
た後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥炉
に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL
液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)21
0〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理機に30
〜600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コード
とする。
【0033】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使
用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブ
タジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリ
ル、NBR等である。
【0034】上記カバー帆布は、綿、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用
いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布を用意する。
その後、該布をRFL処理にて接着処理して厚みを硬く
し、スピニング工程で筒状のベルト帆布のしわ発生を阻
止する。RFL処理はRFL液に0.1〜20秒間浸漬
した後、100〜200℃で30〜600秒にて乾燥さ
せる。
【0035】ここで使用するRFL液はレゾルシンとホ
ルマリンの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したも
のであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は
1:0.5〜3にすることが接着力を高める上で好適で
ある。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、
これをラテックスのゴム分100質量部に対してその樹
脂分が10〜100質量部になるようにラテックスと混
合した上、全固形分濃度が5〜40%濃度になるように
調節される。
【0036】尚、RFL液には適宜カーボンブラック液
を混合して処理反を黒染めする場合もある。綿織物の場
合には、RFL液に公知の界面活性剤を0.1〜1.0
重量%加えるとよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0038】実施例1、比較例1 本実施例で製造したVリブドベルトでは、ポリエステル
繊維のロープからなる心線を接着ゴム層内に埋設し、こ
の接着ゴム層の上側にRFL液(スチレン−ブタジエン
−ビニルピリジン三元共重合体100質量部、レゾルシ
ン14.6質量部、ホルマリン9.2質量部、苛性ソー
ダ1.5質量部、水262.5質量部)のみで処理した
綿帆布を1プライ積層し、他方接着ゴム層の下側には圧
縮ゴム層があって3個のリブをベルト長手方向に有して
いる。得られたVリブドベルトはRMA規格による長さ
975mmのK型3リブドベルトであり、リブピッチ
3.56mm、リブ高さ2.9mm、ベルト厚さ5.3
mm、リブ角度40°である。
【0039】ここで圧縮ゴム層及び接着ゴム層は、それ
ぞれ表1に示すゴム組成物から調製し、バンバリーミキ
サーで混練後、カレンダーロールで厚さ約3mmに圧延
した圧縮ゴム層用シートと厚さ約0.5mmに圧延した
接着ゴム層用シートであり、これらをロールによって積
層したものを使用した。圧縮ゴム層には短繊維が含まれ
ベルト幅方向に配向している。
【0040】
【表1】
【0041】ベルトの製造方法は、まず平滑な円筒モー
ルドに1プライのミシンジョイントしたRFL液でのみ
処理した綿製の筒状のカバー帆布を挿入した後、心線を
スピニングし、更に接着ゴム層と圧縮ゴム層を予め重ね
た積層体を、その両端部のバイアス端面(40〜50
°)で突き合わせし、この突き合わせ部を最上部へ位置
するように旋回した後、熱圧着盤を下降させて、突き合
わせ部全領域にわたって均一に加熱圧接した。熱圧着盤
の温度は75°C、加圧力は5.2kg/cm、そして
加圧時間は30秒であった。
【0042】熱圧着盤を上昇させた後、粘着テープを突
き合わせ部全領域に貼り、圧縮ゴム層の上にジャケット
を挿入し、次いで上記型を加硫缶内に入れて加硫した
後、筒状のベルトスリーブを型から取り出し、該スリー
ブの圧縮ゴム層をグラインダーによってリブに成形し、
成形体から個々のベルトに切断した。
【0043】このようにして得られたVリブドベルトの
圧縮ゴム層の突き合わせ部を観察しても割れの発生は見
られなかった。
【0044】しかし、上記に接着ゴム層と圧縮ゴム層を
予め重ねた積層体をその両端部のバイアス端面(40〜
50°)で突き合わせし、この突き合わせ部を熱圧着盤
で加熱圧接せずに、粘着テープを突き合わせ部全領域に
貼りあわせ、その前述のとおり加硫してベルトスリーブ
を作製した場合には、圧縮ゴム層の突き合わせ部から小
さな割れが発生し、充分に接合していなかった。
【0045】
【発明の効果】以上のように本願の請求項の発明では、
型上に予めエチレン−α−オレフィンエラストマー組成
物のシート状の接着ゴム層と短繊維を含んだエチレン−
α−オレフィンエラストマー組成物のシート状の圧縮ゴ
ム層を重ねた積層体を、その両端のバイアス端面で突き
合わせし、この部分を局部的に50〜90°Cで加熱し
つつ圧着することで接合してベルト成形体にし、これを
加硫し、得られたベルトスリーブからベルトに仕上げる
伝動用ベルトの製造方法にあり、短繊維を含んだエチレ
ン−α−オレフィンエラストマー組成物からなるゴムシ
ートの突き合わせ部分の接合も良好になり、該部分から
の割れ発生もなくなり、エチレン−α−オレフィンエラ
ストマー組成物を用いた伝動ベルトの品質も向上する効
果がある。
【0046】また、積層体の突き合わせ部を接合した
後、この突き合わせ部の表面を接着テープで接合するこ
とによって割れ発生を阻止し、また加硫したベルトスリ
ーブを研磨する際には、接着テープを除去することがで
き、製品の外観形状上何ら支障を来すことはなく、しか
もVリブドベルトの製造方法ではよりその効果が発揮さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型面上にベルト成形体を作製しているところを
示す断面図である。
【図2】本発明に係る製造工程であり、突き合わせ部を
所定条件で加熱加圧しているとこを示す図である。
【図3】本発明に係る製造工程であり、突き合わせ部を
接合した後、接着テープを貼った状態を示す図である。
【図4】本発明の製造方法によって得られたVリブドベ
ルトの縦断面図である。
【図5】本発明の製造方法によって得られたVカットエ
ッジタイプのVベルトの縦断面図である。
【符号の説明】
1 型 2 成形面 3 カバー帆布 4 心線 5 接着ゴム層 6 圧縮ゴム層 7 ベルト成形体 9 バイアス端面 10 突き合わせ部 13 熱圧着盤 15 接着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 5/06 F16G 5/06 A C // B29K 21:00 B29K 21:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にカバー帆布を積層し、接着ゴム層
    にベルト長手方向に沿って心線を埋設し、この接着ゴム
    層に隣接して圧縮ゴム層を配置した伝動用ベルトの製造
    方法において、型面上にカバー帆布とその上に心線を巻
    付けた後、更に予めエチレン−α−オレフィンエラスト
    マー組成物のシート状の接着ゴム層と短繊維を含んだエ
    チレン−α−オレフィンエラストマー組成物のシート状
    の圧縮ゴム層を重ねた積層体を、その両端のバイアス端
    面で突き合わせし、この部分を局部的に50〜90°C
    で加熱しつつ圧着することで接合してベルト成形体に
    し、これを加硫し、得られたベルトスリーブから伝動ベ
    ルトに仕上げることを特徴とする伝動用ベルトの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 積層体の突き合わせ部を接合した後、こ
    の突き合わせ部の表面を接着テープで接合する請求項1
    記載の伝動用ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 伝動ベルトが、ベルト長手方向に沿って
    心線を埋設した接着ゴムと、ベルトの周方向に延びる複
    数のリブ部をもつ圧縮ゴム層からなるVリブドベルトで
    ある請求項1または2記載の伝動用ベルトの製造方法。
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