JP4495285B2 - 伝動ベルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は伝動ベルトに係り、詳しくはVリブドベルト、カットエッジタイプのVベルト等の摩擦伝動タイプを含む動力伝動用ベルトであり、プーリと接触する伝達面のベルト厚み方向の面租度を粗く維持することできる層を積層することにより、伝達面に水が付着しても高い伝動力を発揮することができ、また高温雰囲気下及び低温雰囲気下でのベルト走行寿命が向上し、耐候性にも優れる伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰囲気温度は従来に比べて上昇してきている。これにともないVリブドベルトの使用環境温度も高くなってきた。従来、Vリブドベルトは主として天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されてきたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期にクラックを生じるという問題が発生した。このため、クロロプレンゴムに代わってクロロスルフォン化ポリエチレンゴムが使用されてきた。
【0003】
クロロスルフォン化ポリエチレンゴムを用いたVリブドベルトは、クロロプレンゴムを用いたベルトに比べると高温雰囲気下でのベルト走行寿命が大きく向上し優れた耐熱性を有しているが、−30℃以下の低温雰囲気下でのベルト走行寿命が著しく劣ることが明らかになった。この理由として、従来のクロロスルフォン化ポリエチレンゴムは、ポリエチレンをクロロスルフォン化したもので、塩素を含有しているため低温下では塩素の凝集エネルギーが大きくなって低温領域でゴムの硬化が起こってゴム弾性を欠き、割れ易くなるためと推定される。
【0004】
これに対して、エチレン−プロピレン系ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラストマーは、優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価なポリマーであるが、耐油性を有していないため、油がかかる用途には積極的に使用されていない。Vリブドベルトのような乾式の摩擦伝動では多量の油がかかるとスリップし、伝達機能が損なわれることより従来からあまり使用されていなかったが、最近では例えば特開平6−345948号公報に開示されているように、エチレン−α−オレフィンエラストマーの使用した伝動ベルトも検討されつつある。
【0005】
また、上記Vリブドベルトも回転変動の大きな条件や高負荷条件になると、圧縮ゴム層が粘着摩耗を起こし、その結果粘着ゴムがリブ間の溝底に付着してスリップ率が大きくなって所期の伝達馬力が得られなくなったり、過度に粘着ゴムが付着すると、圧縮ゴム層が剥離する問題があった。このために圧縮ゴム層に綿、ナイロン、ポリエステル等の短繊維の量を多くしたり、カーボンブラックなどを増量していた。また、圧縮ゴム層にセラッミクス粉を混入して、粘着摩耗に対処していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、圧縮ゴム層に短繊維、カーボンブラックなどを増量したり、セラッミクス粉を均一に混入すると、ベルト幅方向のモジュラスが高くなって、ベルト長手方向の伸びが減少することになった。その結果、Vリブドベルトは耐屈曲性の低下が生じ、特に逆曲げ走行において早期に圧縮ゴム層に亀裂が発生した。
また、リブ面に水が付着した場合には、摩擦係数の低下が起こり、スリップしやすくなって伝達能力が低下することがあった。
【0007】
本発明はこのような問題に対処するものであり、プーリと接触する伝達面のベルト厚み方向の面租度を粗く維持することできる層を積層することにより、伝達面に水が付着しても高い伝動力を発揮することができ、また高温雰囲気下及び低温雰囲気下でのベルト走行寿命が向上し、耐候性にも優れる伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願の請求項1の発明では、表面にカバー帆布を積層し、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム層を配置した伝動ベルトにおいて、上記圧縮ゴム層ではゴム中に無機質材料微粒子を分散した少なくとも1層の微粒子分散ゴム層がゴム中に短繊維を分散した短繊維混入ゴム層に介在している伝動ベルトにあり、微粒子分散ゴム層が表面の面租度を粗く、長時間維持することによって伝達面に水が付着しても高い伝動力を発揮することができ、また微粒子分散ゴム層が圧縮ゴム層中に局部的に介在することによって、ベルト幅方向のモジュラスも高くならず、ベルト長手方向の伸びも維持され、耐屈曲性が阻害されることがない。
【0009】
本願の請求項2の発明では、微粒子分散ゴム層の無機質材料微粒子がセラミックス粉である伝動ベルトにある。
【0010】
本願の請求項3の発明では、微粒子分散ゴム層の無機質材料微粒子が珪藻土である伝動ベルトにある。
【0011】
本願の請求項4の発明では、圧縮ゴム層のゴムが有機過酸化物で架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物である伝動ベルトにある。
【0012】
本願の請求項5の発明では、伝動ベルトがベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴムと、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧縮ゴム層からなるVリブドベルトである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に示すVリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリブ部7が設けられ、またベルト表面には付着したカバー帆布5が設けられている。
【0014】
他のベルトとしてカットエッジタイプのVベルト21にも使用される。このベルト21は、図2に示すように心線23を埋設した接着ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にカバー帆布22を積層している。
【0015】
しかして、図1及び図2に示す圧縮ゴム層4、26では、ゴム中に無機質材料の微粒子を分散した一層の微粒子分散ゴム層8、28がゴム中に短繊維を分散した短繊維混入ゴム層9、29中に介在している。この微粒子分散ゴム層8、28の厚みは0.15〜1.0mmであり、0.15mm未満の場合には、該ゴム層の作製が困難なばかりか、伝達面の面租度を粗くすることが困難になり、他方1.0mmを超えると、ベルト長手方向のモジュラスが高くなるだけでなく、ベルト長手方向の伸びも低下するので、耐屈曲性が阻害される。
【0016】
微粒子分散ゴム層8、28の無機質材料微粒子は、001〜100μmの炭化珪素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン等の炭化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物、アルミナ、ジルコニア、ベベリア等の酸化物であり、最も好ましくは炭化珪素や窒化珪素である。また、珪藻土等の多孔質材も使用することができる。
上記無機質材料微粒子の添加量はゴム100重量部に対して5〜40重量部であり、5重量部未満の場合には、ベルト厚み方向の面粗度を粗くすることの効果がなく、一方40重量部を超えると、加工性が悪化するだけでなく耐久性が低下し、これ以上添加してもベルト厚み方向の面粗度は変わらない。
【0017】
前記圧縮ゴム層4、26に使用されるゴムとしては、エチレン−α−オレフィンエラストマーとともにニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRが使用される。このうち、エチレン−α−オレフィンエラストマーが好まし。
【0018】
このエチレン−α−オレフィンエラストマーはエチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなるゴムをいう。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
【0019】
上記圧縮ゴム層4、26には、エチレン−α−オレフィンエラストマーの加硫剤としてパーオキサイドを添加する。また、共架橋剤(co−agent)としTIAC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
【0020】
この中でもN,N’−m−フェニレンジマレイミドが好ましく、これを添加することによって架橋度を上げて粘着摩耗等を防止することができる。N,N’−m−フェニレンジマレイミドの添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.2〜10重量部であり、0.2重量部未満の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩耗性の改善効果が小さく、一方10重量部を越えると加硫ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。
更に、上記圧縮ゴム層4、26には、硫黄をエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して0.01〜1重量部添加することにより、加硫ゴムの伸びの低下を制御することができる。1重量部を越えると、架橋度が期待できる程に向上しないため、加硫ゴムの未耐摩耗性、耐粘着摩耗性も向上しなくなる。
【0021】
上記有機過酸化物としては、通常、ゴム、樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2・5−ジメチル−2・5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,1・3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、1・1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1分間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
【0022】
その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して約1〜8重量部であり、好ましくは1.5〜4重量部である。
【0023】
また、圧縮ゴム層4、26には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミドからなる短繊維を混入して圧縮ゴム層4の耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面になる圧縮ゴム層4の表面をグラインダーによって研磨加工して該短繊維を突出させる。圧縮ゴム層4の表面の摩擦係数は低下して、ベルト走行時の騒音を軽減する。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、しかも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が最も効果がある。
【0024】
上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して1〜30重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、例えば商品名コーネックス、ノーネックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。
【0025】
また、圧縮ゴム層4、26には、マトリクスゴムであるエチレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対して、エチレン−α−オレフィンエラストマーと繊維径1.0μm以下、好ましくは0.05〜0.8μmの微小短繊維とをグラフト結合した微小短繊維強化ゴムを繊維分で1〜50重量部、好ましくは5〜25重量部含有してもよい。上記微小短繊維強化ゴムの配合量が1重量部未満では耐摩耗性が充分でなく、また50重量部を越えるとゴム組成物の伸びが低下し、耐熱性、耐屈曲性が低下する。
【0026】
この微小短繊維強化ゴムは、これを構成しているエチレン−α−オレフィンエラストマーが圧縮ゴム層4、26のマトリクスゴムのエチレン−α−オレフィンエラストマーと全く同質かもしくは類似しているため、マトリクスゴムと良好に接合する。このため、微小短繊維強化ゴムとマトリクスゴムとの間、あるいは微小短繊維強化ゴム中でもエチレン−α−オレフィンエラストマーと微小短繊維とが化学結合しているため、圧縮ゴム層4、26では亀裂が入りにくく、たとえ亀裂が発生しても伝播しにくい。
【0027】
前記微小短繊維強化ゴムにおいて、この微小短繊維とエチレン−α−オレフィンエラストマーとの界面はカップリング剤、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートを始めとするチタネート系カップリング剤、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、あるいはノボラック型フェノール樹脂等の接着剤を介してグラフトしているものであり、エチレン−α−オレフィンエラストマーと微小短繊維、そしてカップリング剤等の接着剤を上記短繊維が溶融する温度以上で混練し押出して得たものである。
【0028】
この微小短繊維強化ゴムはゴム成分を連続相とし、その中に微小短繊維が微細な形態で分散し、微小短繊維はその界面でゴム成分と強固な化学結合、あるいは相互作用している。このため、これを含んだゴム層には亀裂が入りにくく、しかも亀裂が入っても伝播しにくい。しかも、これを使用したベルトも耐熱性、耐寒性、耐屈曲性、耐摩耗性に優れる。
【0029】
更に、圧縮ゴム層4、26には、必要に応じてカーボンブラック、シリカなどの補強剤、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、TAICなどの共架橋剤などの各種薬剤を添加してもよい。
【0030】
また、上記圧縮ゴム層4、26には、エチレン−α−オレフィンエラストマーとともにニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレン、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRが使用される。
【0031】
水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上で、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0032】
クロロスルフォン化ポリエチレンは塩素含有量15〜35重量%、好ましくは25〜32重量%で、かつ硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるようにクロロスルフォン化した直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0033】
前記接着ゴム層3、24にも圧縮ゴム層4、26と同様のエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物が使用される。しかし、心線であるポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等と良好に接着するために、パーオキサイドを含まない硫黄加硫によるエチレン−α−オレフィンエラストマー組成物や、クロロスルフォン化ポリエチレン組成物もしくは水素化ニトリルゴム組成物を使用することもできる。
【0034】
心線2、23にはポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維、ポリアミド繊維からなるロープが使用され、ゴムとの接着性を改善する目的で接着処理が施される。このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL液)に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
【0035】
本発明で使用するエチレン−2,6−ナフタレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることによって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成される。
【0036】
上記心線の接着処理は、まず(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理機に30〜600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コードとする。
【0037】
RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR等である。
【0038】
上記カバー帆布5、22は、綿、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布をRFL処理にて接着処理してスピニング工程で筒状のベルト帆布のしわ発生を阻止する。RFL処理はRFL液に0.1〜20秒間浸漬した後、100〜200℃で30〜600秒にて乾燥させ、オーバーロックなどのミシンがけ縫製により少なくとも1つのジョイント部を有する筒状帆布にする。
尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めする場合もある。綿織物の場合には、RFL液に公知の界面活性剤を0.1〜1.0重量%加えるとよい。
【0039】
Vリブドベルト1の製造方法の一例は以下の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜複数枚のカバー帆布とクッションゴム層とを巻き付けた後、この上にロープからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、これを加硫して加硫スリーブを得る。
【0040】
次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させた研削ホイールを走行中の加硫スリーブに当接するように移動して加硫スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研削する。
【0041】
このようにして得られた加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、該加硫スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上げる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0043】
実施例1、比較例1
本実施例で製造したVリブドベルトでは、ポリエステル繊維のロープからなる心線を接着ゴム層内に埋設し、その上側にRFL液(スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体100重量部、レゾルシン14.6重量部、ホルマリン9.2重量部、苛性ソーダ1.5重量部、水262.5重量部)のみで処理した綿帆布を1プライ積層し、他方接着ゴム層の下側には圧縮ゴム層があって3個のリブをベルト長手方向に有している。得られたVリブドベルトはRMA規格による長さ975mmのK型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベルト厚さ4.3mm、リブ角度40°である。
【0044】
ここで圧縮ゴム層を、それぞれ表1に示す短繊維混入ゴム層と微粒子分散ゴム層の2種のゴム組成物から調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。圧縮ゴム層には短繊維が含まれベルト幅方向に配向している。
尚、実施例1の圧縮ゴム層では、3mmの短繊維混入ゴム層を短繊維混入ゴム層中に1層設け、他方比較例2では短繊維混入ゴム層のみとしたものである。
【0045】
【表1】
Figure 0004495285
【0046】
ベルトの製造方法は通常の方法であり、まず平滑な円筒モールドに1プライのミシンジョイントしたRFL液でのみ処理した綿製の筒状のカバー帆布を挿入した後、接着ゴム層を巻き付けて、心線をスピニングし、更に圧縮ゴム層を配置した後、圧縮ゴム層の上に架橋用ジャケットを挿入する。次いで、モールドを加硫缶内に入れ、架橋した後、筒状の架橋スリーブをモールドから取り出し、該スリーブの圧縮ゴム層をグラインダーによってリブに成形し、成形体から個々のベルトに切断する工程からなっている。
【0047】
このようにして得られたVリブドベルトの注水走行試験による2%スリップ時のトルク、そしてベルト厚み方向のリブ表面の粗さを測定した。この結果は表2に示される。
【0048】
注水走行試験は、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径120mm)、これにテンションプーリ(直径80mm)とを組み合わせて配置したものである。試験機の各プーリにベルトを掛架し、駆動プーリの入り側に注水量10cc/秒で注水しながら室温、駆動プーリの回転数2000rpm、ベルト張力147N/3リブで200時間走行させた。
【0049】
【表2】
Figure 0004495285
【0050】
この結果から明らかなように、伝達面に水が付着しても高い伝動力を発揮することができることが判る。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本願の請求項の発明では、微粒子分散ゴム層が伝達面のベルト厚み方向の面租度を粗く、長時間維持することによって伝達面に水が付着しても高い伝動力を発揮することができ、また微粒子分散ゴム層が圧縮ゴム層中に局部的に介在することによって、ベルト幅方向のモジュラスも高くならず、ベルト長手方向の伸びも維持され、耐屈曲性が阻害されることがない。また、圧縮ゴム層にエチレン−アルファ−オレフィンエラストマーを使用することで、高温雰囲気下及び低温雰囲気下でのベルト走行寿命が向上し、耐候性にも優れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図である。
【図2】本発明に係るVカットエッジタイプのVベルトの縦断面図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト
2、23 心線
3、24 接着ゴム層
4、26 圧縮ゴム層
5、22 カバー帆布
7 リブ部
8、28 微粒子分散ゴム層
9、29 短繊維混入ゴム層
21 Vベルト

Claims (5)

  1. 表面にカバー帆布を積層し、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム層を配置した伝動ベルトにおいて、上記圧縮ゴム層ではゴム中に無機質材料微粒子を分散した少なくとも1層の微粒子分散ゴム層がゴム中に短繊維を分散した短繊維混入ゴム層に介在していることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 微粒子分散ゴム層の無機質材料微粒子がセラミックス粉である請求項1記載の伝動ベルト。
  3. 微粒子分散ゴム層の無機質材料微粒子が珪藻土である請求項1記載の伝動ベルト。
  4. 圧縮ゴム層のゴムが有機過酸化物で架橋させたエチレン−α−オレフィンエラストマーの架橋物である請求項1記載の伝動ベルト。
  5. 伝動ベルトがベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴムと、ベルトの周方向に延びる複数のリブ部をもつ圧縮ゴム層からなるVリブドベルトである請求項1または2記載の伝動ベルト。
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