JP2005155905A - 動力伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】心線との接着性、並びに耐引き裂き性に優れた動力伝動用ベルトを提供する。
【解決手段】歯付ベルト1はベルト長手方向に沿って複数の歯部2と、心線3を埋設した背部4から構成されるベルト本体を有し、前記歯部2の表面には必要に応じて歯布5が貼着されている。ベルト本体の少なくとも心線3を埋設したゴム層は、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0含有し、架橋剤として有機過酸化物が配合されると共に、ゴム成分100重量部に対してN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合されたゴム組成物で構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は動力伝動に用いられる動力伝動ベルトに関する。
動力伝動に用いられるベルトにおいて、オゾン雰囲気下でのゴムの劣化が問題視されており、従来の天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどから構成されているベルトではこのゴム劣化によって早期にクラックを生じるという問題が指摘されている。また、クロロプレンなどのハロゲンを含んだゴムはダイオキシンの発生につながることから、環境負荷物質であるハロゲンを含有しないゴムで製造されたベルトが近年求められている。
このような要求に対して、最近ではエチレン−プロピレン系ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン・α−オレフィンゴムが、優れた耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有しているとともに比較的に安価なポリマーであり、脱ハロゲンという要求を満たしていることからも有望視されている。(例えば特許文献1参照)
特開平6−345948号公報
しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴムをはじめとするエチレン・α−オレフィンゴムの接着性は低く、特に心線などの繊維基材との接着性に関して問題となっていた。また、接着性に乏しいことと併せて引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いると、更に引き裂き力が低下することから、走行時に心線がポップアウトしやすいという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、心線との接着性並びに耐引裂き性に優れた動力伝動ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、ゴムで構成された本体にベルト長手方向に沿って心線を埋設した動力伝動ベルトであって、少なくとも心線を埋設するゴム層が、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0含有し、架橋剤として有機過酸化物が配合されると共に、ゴム成分100重量部に対してN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合されたゴム組成物で構成されることを特徴とした動力伝動ベルトである。
また本発明は、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で10/90〜60/40含有する;エチレン−ビニルエステル共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である;エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体が、エチレン−アクリル酸エチル共重合体である;エチレン−ビニルエステル共重合体のビニルエステル含有量が30〜70重量%である;キノンジオキシム類がベンゾキノンジオキシム類である発明である。
本発明では、心線を埋設するゴム層に特定組成を有するゴム組成物を用いることで、心線との接着性が良好であると共に耐引裂き性に優れ、心線のポップアウトを抑制することが可能な動力伝動ベルトを提供できる。またエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、そしてエチレン・α−オレフィンゴムはハロゲンを含有しないため環境に負荷を与えない。
そして、エチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムの割合を特定範囲とすることで、モジュラス、耐引き裂き性、そして接着性にバランスのとれた動力伝動ベルトが得られる。またビニルエステル含有量が特定範囲にあるエチレン−ビニルエステル共重合体を選択することで、耐引き裂き性、接着性がより優れた構成とすることができる。更にオキシム類としてベンゾキノンジオキシム類を選択することで、硬度が高く、強固に心線と接着した動力伝動ベルトとすることができる。
本発明に係る動力伝動ベルトの一例として、歯付ベルト1の断面斜視図を図1に、Vリブドベルト10の断面斜視図を図2示す。
図1の歯付ベルト1は、ベルト長手方向(図中矢印)に沿って複数の歯部2と、心線3を埋設した背部4から構成されるベルト本体を有し、前記歯部2の表面には必要に応じて歯布5が貼着されている。ここで、心線3を埋設するゴム層は背部4を構成するゴム層をいう。
尚、歯付ベルト1が圧入成形方法によって作製される場合、歯部2および背部4は同一のゴム組成物シートから形成されるため、歯部2もまた背部4と同一のゴム層となる。
図2のVリブドベルト10は、カバー帆布15からなる伸張部12と、心線13を埋設した接着層14、その下側に弾性体層である圧縮部16からなっている。この圧縮部16は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブを有している。ここで、心線13を埋設するゴム層は接着層14を構成するゴム層をいう。
尚、Vリブドベルトは上記構成以外にも、例えば接着層14を配置せず、また背面にカバー帆布15を貼着しないで伸張部12をゴム組成物で構成したVリブドベルトがある。このとき、心線13は伸張部12と圧縮部16の境界領域でベルト本体に埋設されることになる。Vリブドベルトがこのような構成を有する場合、心線13を埋設するゴム層とは伸張部12と圧縮部16を各々構成するゴム層をさすことになる。この時、心線13とベルト本体との接着性を考慮すると、圧縮部16は短繊維を含有しないゴム組成物で構成することが望ましい。また伸張部12は短繊維を含有するゴム組成物で形成することが望ましい。
本発明で使用する心線3,13は、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ガラス繊維、またはアラミド繊維などから構成されるコードが使用できる。ガラス繊維の組成は、Eガラス、Sガラス(高強度ガラス)のいずれでもよく、フィラメントの太さ及びフィラメントの集束本数及びストランド本数に制限されない。
前記心線は接着処理を施されることが望ましく、例えば(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200℃に温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210〜260℃に温度設定した延伸熱固定処理器に30〜600秒間通し−1〜3%延伸して延伸処理コードとする、ことができる。
この前処理液で使用するイソシアネート化合物としては、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。このイソシアネート化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
また、上記イソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
RFL処理液はレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物をゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は1:2〜2:1にすることが接着力を高める上で好適である。モル比が1/2未満では、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂の三次元化反応が進み過ぎてゲル化し、一方2/1を超えると、逆にレゾルシンとホルムアルデヒドの反応があまり進まないため、接着力が低下する。
ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどがあげられる。
また、レゾルシン−ホルムアルデヒドの初期縮合物と上記ゴムラテックスの固形分質量比は1:2〜1:8が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上で好適である。上記の比が1/2未満の場合には、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が多くなり、RFL皮膜が固くなり動的な接着が悪くなり、他方1/8を超えると、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が少なくなるため、RFL皮膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
更に、上記RFL液には加硫促進剤や加硫剤を添加してもよく、添加する加硫促進剤は、含硫黄加硫促進剤であり、具体的には2−メルカプトベンゾチアゾール(M)やその塩類(例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、シクロヘキシルアミン塩等)ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム類、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)ジエチルジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)等のジチオカルバミン酸塩類等がある。
また、加硫剤としては、硫黄、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛)、過酸化物等があり、上記加硫促進剤と併用する。
上記ベルト本体の少なくとも心線3,13を埋設したゴム層は、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0、モジュラス、耐引き裂き性、そして接着性にバランスを考慮すると更に好ましくは10/90〜60/40含有するゴム組成物で構成される。前記構成とすることで心線3,13との接着性に優れると共に耐引き裂き性に優れた動力伝動ベルトが得られる。尚、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを100/0含有するとは、エチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体を含有し、エチレン・α−オレフィンゴムを含有しない状態を示す。
エチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテン)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)からなるゴムをいう。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。
エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体において、エステルの炭化水素が長くなると、エステル結合の相対量が下がり、極性が低くなるため、できるだけ短い炭化水素であることが望ましい。エチレン−ビニルエステル共重合体のビニルエステルとしては、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、そしてステアリン酸ビニルなどが挙げられるが、なかでも酢酸ビニル、すなわちエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。またビニルエステル含有量が30〜70重量%であるエチレン−ビニルエステル共重合体を選択すると、耐引き裂き性、接着性がより優れた構成とすることができる。30重量%未満では、耐引き裂き性、接着性が充分ではなく、70重量%を超えるとゴムとしての弾性が損なわれ、ベルト変形が大きくなり、寸法変化が大きくなり、ベルト寿命が低下する。一方、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体のα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどが例示できるが、なかでもアクリル酸エチル、すなわちエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)が好ましい。尚、これら共重合体は一種に限らず、併用することができる。但し、接着性を考慮すると、エチレン−ビニルエステル共重合体を選択することが望ましい。
前記ゴム組成物には架橋剤として有機過酸化物が配合される。有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、ゴム100重量部に対して0.5〜8重量部の範囲で好ましく使用される。
また前記ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対して、N,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合される。N,N’−m−フェニレンジマレイミドやキノンジオキシム類は共架橋剤として作用し、0.5質量部未満では添加による効果が顕著でなく、13質量部を超えると引裂き力および接着力が急激に低下する。このとき、共架橋剤としてN,N’−m−フェニレンジマレイミドを選択した場合、架橋密度が高くなり、キノンジオキシムを選択した場合は、耐引き裂き性に優れるといった特徴がある。
キノンジオキシム類としては、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾキノンジオキシム、テトラクロロベンゾキノンポリ(P−ジニトロベンゾキノン)等が挙げられる。なかでも、接着性や架橋密度を考慮すると、p−ベンゾキノンジオキシムやp,p’−ジベンゾキノンジオキシムなどのベンゾキノンジオキシム類が好ましい。
そして、それ以外に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。
尚、動力伝動ベルト本体の少なくとも心線を埋設するゴム層を該ゴム組成物で構成することを本発明の必須条件としてあげているが、いうまでもなく動力伝動ベルト本体を構成するゴム組成物全てを該ゴム組成物で構成することが可能である。
図1で示す歯付ベルト1においては、心線3が埋設されるゴム層は背部4であるが、歯部2も該ゴム組成物で構成することができる。また例えば、心線が埋設される背部4を該ゴム組成物、歯部2を別のゴム組成物で構成することも可能である。
図2に示すVリブドベルト10においては、心線13を埋設するゴム層は接着層14であるが、圧縮層16も該ゴム組成物で構成することができる。また例えば、心線が埋設される接着層14を該ゴム組成物、圧縮部16を別のゴム組成物で構成することも可能である。
尚、該ゴム組成物は繊維との接着性に優れることから、心線以外の繊維部材と接するゴム層をも該ゴム組成物で構成することで、ベルト本体と繊維部材とが良接着する効果が得られる。例えば、歯付ベルト1においては、歯布5と接するゴム層、すなわち歯部2を該ゴム組成物で構成すると、歯布5の剥離を抑制することができる。
ベルト本体に上記ゴム組成物以外のゴム組成物を使用する場合は、例えばゴム成分としてエチレン・α−オレフィンゴム単独またはその他の種類ゴムからなる相手ゴムを混ぜ合わせたブレンドゴムなどが挙げられる。エチレン・α−オレフィンゴムにブレンドする相手ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)の少なくとも一種のゴムを挙げることができる。
歯付ベルト1の歯部表面を被覆する歯布5としては、平織物、綾織物、朱子織物などからなる帆布が用いられる。これらの織物のベルト長手方向に配置される緯糸としては、例えば0.3〜1.2デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長手方向の緯糸全量の20〜80重量%含んだものが好ましい。
即ち、緯糸はパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸を含んだ糸であり、このパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラミド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである。
また、他の具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族繊維糸(6ナイロン、66ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものであってもよい。
歯布5の経糸としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィラメント糸、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド繊維のフィラメント糸が緯糸5にパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯布になる。
しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限定されるものではなく、またその他の形態としてはコード、不織布、編布などが挙げられ特に限定されるものではない。また歯布はソーキング、スプレディング、コーチングなどにより接着ゴムを付着することが望ましい。
Vリブドベルト10に用いるカバー帆布15は、織物、編物、不織布などから選択される繊維基材である。構成する繊維素材としては、公知公用のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。織物の場合は、これらの糸を平織、綾織、朱子織等することにより製織される。
上記カバー帆布15は、公知技術に従ってレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)に浸漬することが好ましい。またRFL液に浸漬後、未加硫ゴムをカバー帆布15に擦り込むフリクションを行ったり、ゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理することができる。尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の界面活性剤を0.1〜5.0質量%加えてもよい。
尚、動力伝動ベルトは上述した歯付ベルト、Vリブドベルトに限定されるものではなく、Vベルト、平ベルトなども本発明の技術範囲に属するものである。
以下、具体的な実施例を伴って説明する。
表1に示す配合のゴム組成物の未加硫ゴム物性、ならびに165℃で30分間プレス加硫した加硫ゴム物性を測定した。粘度はJISK6300、硬度はJISK6253、100%モジュラス,破断強度,破断伸度はJISK6251、引き裂きはJISK6252に従い評価した。尚、試験片はJISK6250に従い作製した。また接着処理されたガラス繊維コードを表1に示す配合をもつ厚さ4mmのゴムシートの上に25mm幅に並べ、プレス板で2.0MPaの圧力をかけて165℃で30分間加硫し、接着試験用の試料を作製した。各試料についてJISK6256に従い接着力を測定した。その結果を表2に記す。
Figure 2005155905
Figure 2005155905
共架橋剤としてTAICを使用した比較例1は、加硫ゴムの伸度、引裂き力が低く、心線との接着性にも乏しい。また共架橋剤として適量以上のマレイミドを配合した比較例2では、引裂き力、接着性が著しく低下し、実使用上不可能であった。更にゴム成分としてエチレン・α−オレフィンであるEPDMを単独で用いた比較例3,4は、心線との接着性が極端に低かった。一方、実施例は比較例に対して、耐引裂き性、接着力が向上しているのがわかる。なかでもEVA配合系が接着性において顕著な効果を示し、更にEVAとEPDMを特定割合で配合することで、モジュラスと接着性及び耐引き裂き性のバランスに優れていることが判明した。更に、エチレン含有量が特定範囲のEVAを選択することで、接着性、耐引き裂き性がより向上することが判った。またキノンジオキシム配合系のうちベンゾキノンジオキシムを選択した実施例は、ゴム硬度が高く、接着性に優れることが知見できた。
本発明にかかる動力伝動用ベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着できる。
本発明に係る動力伝動ベルトである歯付ベルトの断面斜視図である。 本発明に係る動力伝動ベルトであるVリブドベルトの断面斜視図である。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 歯布
10 Vリブドベルト
12 伸張部
13 心線
14 接着層
15 カバー帆布
16 圧縮部

Claims (6)

  1. ゴムで構成された本体にベルト長手方向に沿って心線を埋設した動力伝動ベルトであって、少なくとも心線を埋設するゴム層が、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0含有し、架橋剤として有機過酸化物が配合されると共に、ゴム成分100重量部に対してN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合されたゴム組成物で構成されることを特徴とした動力伝動ベルト。
  2. ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体及び/又はエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で10/90〜60/40含有する請求項1記載の動力伝動ベルト。
  3. エチレン−ビニルエステル共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1又は2記載の動力伝動ベルト。
  4. エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体が、エチレン−アクリル酸エチル共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の動力伝動ベルト。
  5. エチレン−ビニルエステル共重合体のビニルエステル含有量が30〜70重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の動力伝動ベルト。
  6. キノンジオキシム類がベンゾキノンジオキシム類である請求項1〜5のいずれか1項に記載の動力伝動ベルト。
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