JP4624748B2 - 歯付ベルト - Google Patents

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本発明は動力伝動に用いられる歯付ベルトに関する。
歯付ベルトにおいて、オゾン雰囲気下でのゴムの劣化が問題視されており、従来の天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどから構成されているベルトではこのゴム劣化によって早期にクラックを生じるという問題が指摘されている。また、クロロプレンなどのハロゲンを含んだゴムはダイオキシンの発生につながることから、環境負荷物質であるハロゲンを含有しないゴムで製造されたベルトが近年求められている。
このような要求に対して、最近ではエチレン−プロピレン系ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン・α−オレフィンゴムが、優れた耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有しているとともに比較的に安価なポリマーであり、脱ハロゲンという要求を満たしていることからも有望視されている。(例えば特許文献1参照)
特開平6−345948号公報
しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴムをはじめとするエチレン・α−オレフィンゴムは引き裂き力が低く、歯欠けなどによる故障が問題となっていた。またパーオキサイド架橋系を用いると更に引き裂き力が低下し、一方、硫黄架橋系を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難であるため、摩耗が多くなるという問題があった。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生した。更に、エチレン・α−オレフィンゴムの接着性が低く、特に繊維部材との接着性に関して問題となっていた。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、耐歯欠け性に優れ、走行寿命の長い歯付ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有する歯付ベルトであって、少なくとも歯部が、ゴム成分としてビニルエステル含有量が30〜70重量%であるエチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0含有し、架橋剤として有機過酸化物が配合されると共に、ゴム成分100重量部に対してN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合されたゴム組成物で構成されることを特徴とした発明である。
本発明はまたゴム成分として前記エチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で10/90〜60/40含有する;エチレン−ビニルエステル共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である;キノンジオキシム類がベンゾキノンジオキシム類である発明である。
本発明では、少なくとも歯部を、特定組成を有するゴム組成物で構成することで、耐歯欠け性に優れ、走行寿命の長いベルトが得られる。またエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン・α−オレフィンゴムはハロゲンを含有しないため環境に負荷を与えない。
そして、エチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムの割合を特定範囲とすることで、より耐歯欠け性に優れる。またビニルエステル含有量が特定範囲にあるエチレン−ビニルエステル共重合体を選択することで、耐歯欠け性が高く、より走行寿命の長い歯付ベルトが得られる。更にキノンジオキシム類としてベンゾキノンジオキシム類を選択することで、耐歯欠け性を向上させることができる。
本発明に係る歯付ベルトの断面斜視図を図1に示す。歯付ベルト1はベルト長手方向(図中矢印)に沿って複数の歯部2と、心線3を埋設した背部4から構成されるベルト本体を有し、前記歯部2の表面には必要に応じて歯布5が貼着されている。
心線3は、一般には、ガラス繊維及びアラミド繊維が使用される。また、ポリベンゾオキサゾール、ポリパラフェニレンナフタレート、ポリエステル、アクリル、カーボン、スチールなどを組成とする撚コードのいずれでも使用できる。ガラス繊維の組成は、Eガラス、Sガラス(高強度ガラス)のいずれでもよく、フィラメントの太さ及びフィラメントの集束本数及びストランド本数に制限されない。
前記心線3は接着処理を施されることが望ましく、例えば(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理器に30〜600秒間通し−1〜3%延伸して延伸処理コードとする、ことができる。
この前処理液で使用するイソシアネート化合物としては、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。このイソシアネート化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
また、上記イソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
RFL処理液はレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物をゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は1:2〜2:1にすることが接着力を高める上で好適である。モル比が1/2未満では、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂の三次元化反応が進み過ぎてゲル化し、一方2/1を超えると、逆にレゾルシンとホルムアルデヒドの反応があまり進まないため、接着力が低下する。
ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどがあげられる。
また、レゾルシン−ホルムアルデヒドの初期縮合物と上記ゴムラテックスの固形分質量比は1:2〜1:8が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上で好適である。上記の比が1/2未満の場合には、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が多くなり、RFL皮膜が固くなり動的な接着が悪くなり、他方1/8を超えると、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が少なくなるため、RFL皮膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
更に、上記RFL液には加硫促進剤や加硫剤を添加してもよく、添加する加硫促進剤は、含硫黄加硫促進剤であり、具体的には2−メルカプトベンゾチアゾール(M)やその塩類(例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、シクロヘキシルアミン塩等)ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム類、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)ジエチルジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)等のジチオカルバミン酸塩類等がある。
また、加硫剤としては、硫黄、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛)、過酸化物等があり、上記加硫促進剤と併用する。
上記ベルト本体の少なくとも歯部2は、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0、耐歯欠け性を考慮すると更に好ましくは10/90〜60/40含有するゴム組成物で構成される。前記構成とすることで耐歯欠け性に優れ、寿命の長い歯付ベルトが得られる。尚、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを100/0含有するとは、エチレン−ビニルエステル共重合体を含有し、エチレン・α−オレフィンゴムを含有しない状態を示す。
エチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテン)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)からなるゴムをいう。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。
エチレン−ビニルエステル共重合体において、エステルの炭化水素が長くなるとエステル結合の相対量が下がり、極性が低くなるため、できるだけ短い炭化水素のものを選択することが望ましい。エチレン−ビニルエステル共重合体のビニルエステルとしては、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、そしてステアリン酸ビニルなどが挙げられるが、なかでも酢酸ビニル、すなわちエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。またビニルエステル含有量が30〜70重量%であるエチレン−ビニルエステル共重合体を選択すると、耐歯欠け性がより優れ、より走行寿命の長い歯付ベルトが得られる。30重量%未満では、耐歯欠け性が充分ではなく、走行寿命が短くなり、70重量%を超えるとゴムとしての弾性が損なわれ、ベルト変形が大きくなり、寸法変化が大きくなり、ベルト寿命が低下する。
前記ゴム組成物には架橋剤として有機過酸化物が配合される。有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常ゴム100重量部に対して0.5〜8重量部の範囲で使用されることが望ましい。
また前記ゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対して、N,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合される。N,N’−m−フェニレンジマレイミドやキノンジオキシム類は共架橋剤として作用し、0.5質量部未満では添加による効果が顕著でなく、13質量部を超えると引裂き力および接着力が急激に低下する。このとき、共架橋剤としてN,N’−m−フェニレンジマレイミドを選択した場合、架橋密度が高くなり、キノンジオキシムを選択した場合は、耐引き裂き性に優れるといった特徴がある。
キノンジオキシム類としては、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾキノンジオキシム、テトラクロロベンゾキノンポリ(P−ジニトロベンゾキノン)等が挙げられる。なかでも、耐歯欠け性や架橋密度を考慮すると、p−ベンゾキノンジオキシムやp,p’−ジベンゾキノンジオキシムなどのベンゾキノンジオキシム類が好ましい。
そして、それ以外に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。
尚、ベルト本体の少なくとも歯部2を該ゴム組成物で構成することを本発明の必須条件としてあげているが、いうまでもなくベルト本体を構成するゴム組成物全てを該ゴム組成物で構成することが可能である。また例えば、歯部2を該ゴム組成物、心線3が埋設される背部4を別のゴム組成物で構成することも可能である。
尚、心線3や歯布5といった繊維部材との接着性を考慮すると、繊維部材と接するゴム層を、ゴム成分としてエチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0含有し、架橋剤として有機過酸化物が配合されると共に、ゴム成分100重量部に対してN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合されたゴム組成物で構成することが望ましい。該ゴム組成物で構成することで、ベルト本体と繊維部材とが良接着する効果がある。例えば、歯布5と接する歯部2を該ゴム組成物で構成することで、歯布5の剥離を抑制する効果が期待できる。また心線3を埋設する背部4を該ゴム組成物で構成することで、心線との接着性が良好となる。
ベルト本体に上記ゴム組成物以外のゴム組成物を使用する場合は、例えばゴム成分としてエチレン・α−オレフィンゴム単独またはその他の種類ゴムからなる相手ゴムを混ぜ合わせたブレンドゴムなどが挙げられる。エチレン・α−オレフィンゴムにブレンドする相手ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)の少なくとも一種のゴムを挙げることができる。
歯付ベルトの歯部表面を被覆する歯布5としては、平織物、綾織物、朱子織物などからなる帆布が用いられる。これらの織物のベルト長手方向に配置される緯糸としては、例えば0.3〜1.2デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長手方向の緯糸全量の20〜80重量%含んだものが好ましい。
即ち、緯糸はパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸を含んだ糸であり、このパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラミド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである。
また、他の具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族繊維糸(6ナイロン、66ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものであってもよい。
歯布5の経糸としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィラメント糸、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド繊維のフィラメント糸が緯糸5にパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯布になる。
しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限定されるものではなく、またその他の形態としてはコード、不織布、編布などが挙げられ特に限定されるものではない。また歯布はソーキング、スプレディング、コーチングなどにより接着ゴムを付着することが望ましい。
以下本発明の歯付ベルトを、具体的な実施例を伴って説明する。
ベルト作製用の歯形付き金型にナイロン歯布を巻き付けた後、接着処理を施したガラス心線を所定のピッチにてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心線の上に、表1のゴム配合からなるゴムシートを貼り付けた後、加硫缶に投入して通常の圧入方式により165°Cにて30分加圧加硫して、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅にカットして歯付ベルトを得た。この歯付ベルトの設計は、歯型:3M、歯ピッチ:5mm、歯数;60、ベルト幅:6.0mmであり、各歯付ベルトの静物性試験および図2に示すレイアウトによって雰囲気温度23°Cで走行試験を行った結果を表1に併記する。引張り強さは、オートグラフ試験機にて引張り速度50mm/minの条件で測定した。また歯せん断強さは、歯形状治具を用い、オートグラフ試験機にて引張り速度50mm/minの条件で測定した。
Figure 0004624748
結果、共架橋剤としてTAICを使用した比較例1は、歯せん断強さが低く、また早期に心線剥離による故障が確認された。また共架橋剤として適量以上のマレイミドを配合した比較例2では、歯せん断強さが著しく低下し、実使用上不可能であった。更にゴム成分としてエチレン・α−オレフィンであるEPDMを単独で用いた比較例3,4は、耐せん断強さに乏しく、心線剥離による故障で500時間打ち切り時まで走行させることができなかった。一方、実施例は、歯せん断強さが高く、優れた静物性を示した。また走行試験においても、比較例に比べて実施例のほうが明らかに寿命が向上しており、EVAとEPDMを特定割合で配合することで、より歯せん断強さに優れていることが判明した。更に、エチレン含有量が特定範囲のEVAを選択することで、歯せん断強さがより向上し、また走行寿命が長いことが判った。またキノンジオキシム配合系のうちベンゾキノンジオキシムを選択した実施例は、より耐せん断強さに優れることが判った。


本発明にかかる歯付ベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着できる。
本発明に係る歯付ベルトの断面斜視図である。 実施例における走行試験のレイアウト図である。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 歯布

Claims (4)

  1. ベルト長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有する歯付ベルトであって、少なくとも歯部が、ゴム成分としてビニルエステル含有量が30〜70重量%であるエチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で5/95〜100/0含有し、架橋剤として有機過酸化物が配合されると共に、ゴム成分100重量部に対してN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が0.5〜13重量部配合されたゴム組成物で構成されることを特徴とした歯付ベルト。
  2. ゴム成分として前記エチレン−ビニルエステル共重合体とエチレン・α−オレフィンゴムを重量割合で10/90〜60/40含有する請求項1記載の歯付ベルト。
  3. エチレン−ビニルエステル共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1又は2記載の歯付ベルト。
  4. キノンジオキシム類がベンゾキノンジオキシム類である請求項1〜のいずれか1項に記載の歯付ベルト。
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