JP2007224107A - ゴム組成物及び伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた難燃性を有すると共に耐久性や機械的物性に優れたゴム組成物及び伝動ベルトを提供する。
【解決手段】 Vリブドベルト10は、ベルト長手方向に沿って本体内に心線13を埋設し、背面に伸張層12である帆布15と、この伸張層12の下層に配置される接着層14と、さらにその下層に配置される圧縮層16とを備えて構成されている。そして摩擦伝動面を形成する圧縮層16は、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物の架橋物で構成される。前記ゴム組成物は好ましくは、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有する。
【選択図】図2

Description

本発明はゴム組成物並びに動力伝動に用いられる伝動ベルトに関する。
動力伝動に用いられるベルトにおいて、オゾン雰囲気下でのゴムの劣化が問題視されており、従来の天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどから構成されているベルトではこのゴム劣化によって早期にクラックを生じるという問題が指摘されている。また、クロロプレンなどのハロゲンを含んだゴムはダイオキシンの発生につながることから、環境負荷物質であるハロゲンを含有しないゴムで製造されたベルトが近年求められている。
このような要求に対して、最近ではエチレン−プロピレン系ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン・α−オレフィンゴムが、優れた耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有しているとともに比較的に安価なポリマーであり、脱ハロゲンという要求を満たしていることからも有望視されている。(例えば特許文献1参照)
特開平6−345948号公報
しかしながら、エチレン・α−オレフィンゴムは、汎用的に用いられているクロロプレンゴムなどと比較して難燃性が低いことが指摘されている。これに対して、難燃剤を含有させることが考えられるが、汎用の酸化アンチモン系難燃剤では、ベルトの永久伸びが大きく、寸法安定性に不安があると共に、環境への悪影響を及ぼす恐れがあることなどの問題があった。また赤燐系難燃剤では、難燃性に乏しいため、充分な難燃性を確保するためには難燃剤を多量に配合する必要があり、架橋体の耐久性や機械的物性の低下を招いていた。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、優れた難燃性を有すると共に耐久性や機械的物性に優れたゴム組成物及び伝動ベルトを提供することを目的とする。
即ち、本願請求項1記載の発明は、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有することを特徴とする架橋性ゴム組成物である。
本願請求項2記載の発明は、請求項1記載の架橋性ゴム組成物にあって、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有することを特徴とする。
本願請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の架橋性ゴム組成物にあって、ホスファゼン化合物が式(1)で示されるシクロホスファゼンオリゴマーであることを特徴とする。
Figure 2007224107
〔nは3〜15の整数であり、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれてなる基である。〕
本願請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋性ゴム組成物にあって、エチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部であることを特徴とする。
本願請求項5記載の発明は、本体の少なくとも一部が、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物の架橋体で構成されることを特徴とする伝動ベルトである。
本願請求項6記載の発明は、請求項5記載の伝動ベルトにあって、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有することを特徴とする。
本願請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の伝動ベルトにあって、ホスファゼン化合物が式(1)で示されるシクロホスファゼンオリゴマーであることを特徴とする。
Figure 2007224107
〔nは3〜15の整数であり、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれてなる基である。〕
本願請求項8記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の伝動ベルトにあって、エチレン・α−オレフィンゴム100重量部に対してエチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部であることを特徴とする。
本願請求項9記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載の伝動ベルトにあって、伝動ベルトが摩擦伝動ベルトであって、少なくとも摩擦伝動面の一部が、前記ゴム組成物の架橋体で構成されることを特徴とする。
本願請求項10記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載の伝動ベルトにあって、伝動ベルトが噛合伝動ベルトであって、少なくとも噛合伝動面の一部が、前記ゴム組成物の架橋体で構成されることを特徴とする。
本発明の架橋性ゴム組成物は、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有することにより、高い難燃性を備えつつ、耐久性や機械的物性に優れるといった特徴を有する。ホスファゼン化合物は、エチレン・α−オレフィンゴムとの相溶性がよく、またエチレン・α−オレフィンゴムはハロゲンを含有しないため環境に負荷を与えない。
また本発明は、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有することにより、優れた難燃性を有し、且つ好適な硬度、モジュラスを兼ね備えた架橋性ゴム組成物とすることができる。
また本発明は、ホスファゼン化合物が式(1)で示されるシクロホスファゼンオリゴマーであることで、更に高い難燃性を有する架橋性ゴム組成物とすることができる。
また本発明は、エチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部とすることで、耐熱性を維持しつつ高強度の配合とすることができる。
更に、本発明は、本体の少なくとも一部が、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物の架橋体で構成した伝動ベルトであって、高い難燃性を備えつつ、耐久性や機械的物性に優れ、ベルト寿命が長い伝動ベルトとすることができる。ホスファゼン化合物は、エチレン・α−オレフィンゴムとの相溶性がよく、またエチレン・α−オレフィンゴムはハロゲンを含有しないため環境に負荷を与えない。
また本発明は、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有することで、優れた難燃性を有し、且つ好適な硬度、モジュラスを兼ね備え、長寿命な伝動ベルトとすることができる。
また本発明は、ホスファゼン化合物が式(1)で示されるシクロホスファゼンオリゴマーであることで、更に高い難燃性を有する伝動ベルトとすることができる。
本発明は、エチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部とすることで、耐熱性を維持しつつ高強度の配合とすることができる。
本発明は、伝動ベルトが摩擦伝動ベルトであって、少なくとも摩擦伝動面の一部を、前記ゴム組成物の架橋体で構成することで、優れた難燃性を備え、耐久性や機械的物性が高く、摩擦伝動面などの耐亀裂性に優れた摩擦伝動ベルトとすることができる。
本発明は、伝動ベルトが噛合伝動ベルトであって、少なくとも噛合伝動面の一部が、前記ゴム組成物の架橋体で構成されることで、優れた難燃性を備え、耐久性や機械的物性が高く、噛合伝動面の耐歯欠け性に優れた噛合伝動ベルトとすることができる。
本発明に係る伝動ベルトの一例として、噛合伝動ベルトである歯付ベルト1の断面斜視図を図1に、摩擦伝動ベルトであるVリブドベルト10の断面斜視図を図2示す。
図1の歯付ベルト1は、ベルト長手方向(図中矢印)に沿って複数の歯部2と、心線3を埋設した背部4から構成されるベルト本体を有し、前記歯部2の表面には必要に応じて歯布5が貼着されている。ここで、噛合伝動面とは歯部表面をいう。
尚、歯付ベルト1が圧入成形方法によって作製される場合、歯部2および背部4は同一のゴム組成物シートから形成されるため、歯部2もまた背部4と同一のゴム層となる。
図2のVリブドベルト10は、帆布15からなる伸張部12と、心線13を埋設した接着層14、その下側に弾性体層である圧縮部16からなっている。この圧縮部16は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブを有している。ここで、摩擦伝動面とは圧縮部表面をいう。またVリブドベルトが背面駆動を行う場合は、背面(伸張部表面)も摩擦伝動面となる。
尚、Vリブドベルトは上記構成以外にも、例えば背面となる伸張部を帆布で構成せず、ゴム組成物で構成したVリブドベルトや、また接着層を配置しないVリブドベルトなどがある。接着層を配置しないVリブドベルトでは、心線は伸張部と圧縮部の境界領域でベルト本体に埋設されることから、伸張部はゴム組成物で構成することが望ましい。この時、心線とベルト本体との接着性を考慮すると、伸張部、圧縮部の少なくともどちらか一方は短繊維を含有しないゴム組成物で構成することが望ましい。
本発明で使用する心線3,13は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維、またはアラミド繊維などから構成される撚糸コードが使用できる。ガラス繊維の組成は、Eガラス、Sガラス(高強度ガラス)など限定されるものではない。
前記心線は接着処理を施されることが望ましく、例えば(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200℃に温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210〜260℃に温度設定した延伸熱固定処理器に30〜600秒間通し−1〜3%延伸して延伸処理コードとする、ことができる。
この前処理液で使用するイソシアネート化合物としては、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。このイソシアネート化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
また、上記イソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
RFL処理液はレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物をゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は1:2〜2:1にすることが接着力を高める上で好適である。モル比が1/2未満では、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂の三次元化反応が進み過ぎてゲル化し、一方2/1を超えると、逆にレゾルシンとホルムアルデヒドの反応があまり進まないため、接着力が低下する。
ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどがあげられる。
また、レゾルシン−ホルムアルデヒドの初期縮合物と上記ゴムラテックスの固形分質量比は1:2〜1:8が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上で好適である。上記の比が1/2未満の場合には、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が多くなり、RFL皮膜が固くなり動的な接着が悪くなり、他方1/8を超えると、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が少なくなるため、RFL皮膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
更に、上記RFL液には加硫促進剤や加硫剤を添加してもよく、添加する加硫促進剤は、含硫黄加硫促進剤であり、具体的には2−メルカプトベンゾチアゾール(M)やその塩類(例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、シクロヘキシルアミン塩等)ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム類、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)ジエチルジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)等のジチオカルバミン酸塩類等がある。
また、加硫剤としては、硫黄、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛)、過酸化物等があり、上記加硫促進剤と併用することができる。
本発明は、上記ベルト本体の少なくとも一部が、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有する架橋性ゴム組成物を用いて形成されたもの、即ち、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物の架橋体で構成されることを特徴とする。前記構成とすることで、難燃性に優れると共に高い耐久性を有する伝動ベルトが得られる。
エチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテンなど)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)からなるゴムをいう。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。
ホスファゼン化合物は、ホスファゼン構造を有するものであればよく、例えばシクロホスファゼンオリゴマーやポリホスファゼンなどを挙げることができるが、好ましくは式(1)で示すシクロホスファゼンオリゴマーである。
Figure 2007224107
〔nは3〜15の整数であり、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれてなる基である。〕
具体的には、フェノキシシクロホスファゼンオリゴマー、メトキシフェノキシシクロホスファゼンオリゴマーなどを例示できる。分子量は、例えばフェノキシシクロホスファゼンオリゴマーとしては600〜2,000、メトキシフェノキシシクロホスファゼンオリゴマーとしては500〜1,500のものが用いられる。更に具体的には、フェノキシシクロホスファゼンオリゴマーとしては伏見製薬所社製「FP−100」、メトキシフェノキシシクロホスファゼンオリゴマーとしては伏見製薬所社製「FP−200」などがある。ホスファゼン化合物としてフェノキシシクロホスファゼンオリゴマーを選択すると、優れた難燃性を有する伝動ベルトとすることが可能であり、メトキシフェノキシシクロホスファゼンオリゴマーを選択すると、エチレン・α−オレフィンゴムとの相溶性が高く、難燃性や機械的物性に優れた伝動ベルトとすることが可能である。
その配合量は、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有させることが望ましい。ホスファゼン化合物が前記割合より少ない場合、難燃性を付与する効果に乏しく、一方、ホスファゼン化合物が前記割合より多い場合、硬度やモジュラスが極端に低下し、ベルト寿命が短くなる恐れがある。
前記ゴム組成物には架橋剤として有機過酸化物が配合されている。有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、エチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部の範囲で使用されることが望ましい。
即ち、本発明は、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを含有するゴム組成物に対して、架橋剤(有機過酸化物)の存在下で架橋せしめることにより、エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とが共架橋した有機過酸化物架橋体が得られると考えられる。
またエチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、N,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類を好ましくは0.5〜13重量部配合することができる。N,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類は共架橋剤として作用し、0.5重量部未満では添加による効果が顕著でなく、13重量部を超えると引裂き力並びに接着力が急激に低下する。このとき、共架橋剤としてN,N’−m−フェニレンジマレイミドを選択した場合、架橋密度が高くなり、耐摩耗性が高く、また注水時と乾燥時の伝達性能の差が少ないといった特徴がある。またキノンジオキシム類を選択した場合は、繊維基材との接着性に優れるといった特徴がある。
キノンジオキシム類としては、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾキノンジオキシム、テトラクロロベンゾキノンポリ(P−ジニトロベンゾキノン)等が挙げられる。接着性や架橋密度を考慮すると、p−ベンゾキノンジオキシムやp,p’−ジベンゾキノンジオキシムなどのベンゾキノンジオキシム類が好ましい。
そして、それ以外に必要に応じて、短繊維、老化防止剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。これらの配合成分をゴム組成物に混合させる方法としては特に制限はなく、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー等を用い、適宜公知の手段、方法によって混練することができる。
本発明においては、伝動ベルト本体の少なくとも一部を該ゴム組成物で構成することを条件としてあげているが、具体的には、伝動ベルトが摩擦伝動ベルトであって、少なくとも摩擦伝動面の一部を、前記ゴム組成物の架橋体で構成することができる。また例えば、伝動ベルトが噛合伝動ベルトであって、少なくとも噛合伝動面の一部を、前記ゴム組成物の架橋体で構成することができる。前記伝動面を構成するゴム組成物に基布が貼着されている場合は、基布の表面に該ゴム組成物が存在していてもよい。尚、いうまでもなく伝動ベルト本体を構成するゴム組成物全てを該ゴム組成物で構成することも可能である。
ベルト本体に上記ゴム組成物以外のゴム組成物を使用する場合は、例えばゴム成分としてエチレン・α−オレフィンゴム単独またはその他の種類ゴムからなる相手ゴムを混ぜ合わせたブレンドゴムなどを挙げることができる。エチレン・α−オレフィンゴムにブレンドする相手ゴムとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、の少なくとも一種のゴムなどを挙げることができる。
歯付ベルト1の歯部表面を被覆する歯布5としては、平織物、綾織物、朱子織物などからなる帆布が用いられる。これらの織物のベルト長手方向に配置される緯糸としては、例えば0.3〜1.2デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長手方向の緯糸全量の20〜80重量%含んだものが好ましく用いられる。
即ち、緯糸はパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸を含んだ糸であり、このパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラミド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものである。
また、他の具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族繊維糸(6ナイロン、66ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等)、そしてウレタン弾性糸の3種の糸を合撚したものであってもよい。
歯布5の経糸としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィラメント糸、6ナイロン、6.6ナイロン、12ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド繊維のフィラメント糸が緯糸5にパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯布になる。
しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限定されるものではなく、またその他の形態としてはコード、不織布、編布などが挙げられ特に限定されるものではない。また歯布はソーキング、スプレディング、コーチングなどにより接着ゴムを付着させたものを用いることが望ましい。
Vリブドベルト10に用いる帆布15は、織物、編物、不織布などから選択される繊維基材である。構成する繊維素材としては、公知公用のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。織物の場合は、これらの糸を平織、綾織、朱子織等することにより製織される。
上記帆布15は、公知技術に従ってレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)に浸漬することが好ましい。またRFL液に浸漬後、未加硫ゴムを帆布15に擦り込むフリクションを行ったり、ゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理することができる。尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の界面活性剤を0.1〜5.0質量%加えたりしてもよい。
尚、伝動ベルトは上述した歯付ベルト、Vリブドベルトに限定されるものではなく、Vベルト、平ベルトなども本発明の技術範囲に属するものである。
以下、具体的な実施例を伴って説明する。
表1の配合に従いゴム組成物を調製し、JIS K6300−1に準じてムーニー粘度を測定した。また該ゴム組成物をカレンダーロールにて圧延して、厚み1.0mmのゴムシートとし、更にこれを2枚重ねて厚み2.0mmの未加硫ゴムシートを作製し、165°Cで30分間加プレス加硫して加硫ゴムシートを得た。この加硫ゴムについて、JIS K6253に従って硬度(JIS−A)を、JIS K6251に従って破断伸度EB(%)を、JIS K6251に従って破断強度TB(MPa)をそれぞれ測定した。またJIS K6324に従って難燃性評価を行った。これらの結果を表1に併記する。
Figure 2007224107
結果、実施例はいずれも燃焼時間が短く、自己消火性が確認でき、難燃性に優れることが知見できた。一方、比較例は燃焼時間が長く、難燃性に乏しいことが判明した。
<Vリブドベルト評価>
表1の実施例7及び比較例2に示すゴム配合のゴムシートを用いてVリブドベルトを作製した。Vリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のロープからなる心線を埋設し、背面(伸張層)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮層に6個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記圧縮層、伸張層には短繊維が含有されてなり、かつ短繊維はベルト幅方向に配向している。
Vリブドベルトの製造方法としては、まず、フラットな円筒状の成形モールドに伸張ゴムシートを巻きつけ、ポリエステル心線をスピニングし、さらに、圧縮ゴムシートを巻きつけた後、該圧縮ゴムシートの上に加硫用ジャケットを挿入する。ついで、成形モールドを加硫缶内に入れて加硫した後、筒状の加硫スリーブを成形モールドから取り出す。そして、加硫スリーブの圧縮層をグラインダーにより研削して複数のリブ部を形成してから、カッターにより個々のベルトに切断して、6PK1100サイズのVリブドベルトを得た。
このようにして得られたVリブドベルトについて耐熱耐久性の評価を行った。用いた走行試験機は、駆動プーリ(直径60mm)、アイドラープーリ(直径50mm)、従動プーリ(直径50mm)、テンションプーリ(直径50mm)、そしてアイドラープーリ(直径50mm)とを順に配置したものである。試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、ベルトのアイドラープーリへの巻き付け角度を90°にし、雰囲気温度130℃、駆動プーリの回転数が3300rpm、ベルト張力が800N/6リブになるように駆動プーリに荷重を付与した後、走行させ、心線に達する亀裂が6個発生するまでの時間を調べた。結果を表1に示す。尚、試験は400時間で打ち切りとした。
結果、実施例7のVリブドベルトは打切時間(400時間)走行可能であり、かつ走行試験後のベルトを確認したところ異常はなく、耐熱耐久性に優れることが知見できた。
<歯付ベルト評価>
表1の実施例2,4,6及び比較例1に示すゴム配合のゴムシートを用いて歯付ベルトを作製した。本実施例で作製した歯付ベルトでは、この歯付ベルトは、本体にガラス心線を埋設し、かつ歯部をナイロン歯布で被覆した構成であって、ベルトサイズは、歯型:3M、歯ピッチ:5mm、歯数;60、ベルト幅:60mmのサイズである。
歯付ベルトの作製方法としては、歯形付き金型にナイロン歯布を巻き付けた後、接着処理を施したガラス心線を所定のピッチにてスパイラルに所定の張力で巻き付けた。この心線の上に、表1に示す配合のゴムシートを貼り付けた後、架橋缶に投入して通常の圧入方式により165°Cにて30分加圧架橋して、加硫ベルトスリーブを得た。この加硫ベルトスリーブのベルト背面を一定厚さに研磨し、一定幅にカットして歯付ベルトを得た。
このようにして得られた歯付ベルトについて、耐熱耐久性の評価を行った。歯付ベルトを、22歯の駆動プーリ、40歯の従動プーリのレイアウトからなる試験装置に架掛し、駆動プーリ回転数3600rpm、雰囲気温度130°C、従動プーリ負荷390W、初期張力2.4kgfという条件で走行試験を行った。結果を表1に示す。尚、試験は400時間で打ち切りとした。
結果、実施例2,4,6の歯付ベルトは打切時間(400時間)走行可能であり、かつ走行試験後のベルトを確認したところ異常はなく、耐熱耐久性に優れることが知見できた。
本発明にかかる伝動用ベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着できる。
本発明に係る伝動ベルトである歯付ベルトの断面斜視図である。 本発明に係る伝動ベルトであるVリブドベルトの断面斜視図である。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 歯布
10 Vリブドベルト
12 伸張部
13 心線
14 接着層
15 帆布
16 圧縮部

Claims (10)

  1. エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有することを特徴とする架橋性ゴム組成物。
  2. エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有する請求項1記載の架橋性ゴム組成物。
  3. ホスファゼン化合物が式(1)で示されるシクロホスファゼンオリゴマーである請求項1又は2記載の架橋性ゴム組成物。
    Figure 2007224107
    〔nは3〜15の整数であり、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれてなる基である。〕
  4. エチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋性ゴム組成物。
  5. 本体の少なくとも一部が、エチレン・α−オレフィンゴム、ホスファゼン化合物、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物の架橋体で構成されることを特徴とする伝動ベルト。
  6. エチレン・α−オレフィンゴムとホスファゼン化合物とを99/1〜50/50の重量割合で含有する請求項5記載の伝動ベルト。
  7. ホスファゼン化合物が式(1)で示されるシクロホスファゼンオリゴマーである請求項5又は6記載の伝動ベルト。
    Figure 2007224107
    〔nは3〜15の整数であり、Xはアルコキシ基、アリールオキシ基からな群からそれぞれ独立して選ばれてなる基である。〕
  8. エチレン・α−オレフィンゴム及びホスファゼン化合物の総量100重量部に対して、有機過酸化物0.1〜10重量部である請求項5〜7のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
  9. 伝動ベルトが摩擦伝動ベルトであって、少なくとも摩擦伝動面の一部が、前記ゴム組成物の架橋体で構成される請求項5〜8のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
  10. 伝動ベルトが噛合伝動ベルトであって、少なくとも噛合伝動面の一部が、前記ゴム組成物の架橋体で構成される請求項5〜8のいずれか1項に記載の伝動ベルト。
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