JP2007333059A - 伝動ベルト - Google Patents

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寛之 尻池
Hiroyuki Tachibana
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Abstract

【課題】耐久性の低下を抑制しつつ騒音の発生が抑制された伝動ベルトの提供を課題としている。
【解決手段】無機充填材を含有するゴム組成物によって摩擦伝動面が形成されており、炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子が前記無機充填材として用いられていることを特徴とする伝動ベルトを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Vリブドベルトなどの伝動ベルトに関し、より詳しくは、摩擦伝動面がゴム組成物で形成されている伝動ベルトに関する。
従来、エンジンやモーターなどの回転動力を伝達する手段として、駆動側と従動側との回転軸にプーリーなどを固定させて設け、それぞれのプーリーに伝動ベルトを掛け渡す方法などが広く用いられている。
このような伝動ベルトは、運転中に被水した時などにスティック−スリップなどと呼ばれる現象を引き起こすことが知られており、プーリーとの間にスリップを生じてスリップ音を発生させることが知られている。
このような伝動ベルトのスリップ音は、装置の騒音の原因となることから、従来、種々の対策が検討されている。その対策の一つとして、例えば、摩擦伝動面(以下単に「伝動面」ともいう)の表面に短繊維を突出させてプーリーなどとの接触面積を低減する方法が知られており、下記特許文献1には、綿などの天然繊維が含有されるゴム組成物を用いて伝動ベルトの摩擦伝動面を形成させ、この天然繊維を摩擦伝動面から突出させることにより騒音を抑制させることが記載されている。しかし、この短繊維を摩擦伝動面に露出させる方法においては短繊維とゴムとの界面に応力が集中して亀裂を発生させやすくなるという問題を有している。
また、特許文献2には、繊維と炭酸カルシウムなどの無機充填材とを併用することにより騒音を抑制させることが記載されたりしている。
しかし、通常、伝動ベルトの摩擦伝動面に用いられるゴム組成物に炭酸カルシウムなどの無機充填材を含有させると耐摩耗性や、耐屈曲疲労性などといった特性が低下してしまうという問題を有している。
すなわち、従来の伝動ベルトにおいては、ベルト耐久性の低下を抑制しつつ騒音の発生を十分抑制させることが困難であるという問題を有している。
特開2004−125012号公報 特開2006−64174号公報
本発明は、耐久性の低下を抑制しつつ騒音の発生が抑制された伝動ベルトの提供を課題としている。
本発明は、前記課題を解決すべく、伝動ベルトの伝動面の形成に用いるゴム組成物の配合について鋭意検討を行ったところ、所定の無機充填材を用いることにより耐摩耗性や、耐屈曲疲労性などといった特性が低下することを抑制しつつ伝動ベルトのスティック−スリップを抑制させ得ることを見出し本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、無機充填材を含有するゴム組成物によって摩擦伝動面が形成されており、炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子が前記無機充填材として用いられていることを特徴とする伝動ベルトを提供する。
本発明によれば、無機充填材を含有するゴム組成物によって摩擦伝動面が形成されていることから、この無機充填材が伝動ベルトの摩擦伝動面とプーリーなどとの接触面積を低減させるべく作用し、しかも、この無機充填材として炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子が用いられていることから、被水時などにおいても摩擦伝動面に水膜が形成されることを抑制させ得る。したがって、スティック−スリップの発生が抑制され、騒音の発生が抑制させることとなる。
また、この無機充填材として用いられる複合粒子が、炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着したものであるため、単なる炭酸カルシウムを用いた場合に比べてベースゴムに対する優れた補強効果を奏し、耐摩耗性、耐屈曲疲労性などを向上させ得る。
すなわち、本発明によれば、耐久性の低下を抑制しつつ騒音の発生が抑制された伝動ベルトを提供し得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、本実施形態のVリブドベルトの断面を示す図1を参照しつつ説明する。
本実施形態のVリブドベルト1aは、無端状ベルトに形成されており、ベルトの内周側から外周側に向けて、圧縮ゴム層5a、接着ゴム層3a、ゴム引き帆布層2aの順となる積層構造が形成されている。これら圧縮ゴム層5a、接着ゴム層3a、ゴム引き帆布層2aは、この積層構造を保った状態でベルトの周回方向に延在している。
この圧縮ゴム層5aと接着ゴム層3aの界面および接着ゴム層3aとゴム引き帆布層2aの界面においては強固な接着状態が形成されており圧縮ゴム層5a、接着ゴム層3a、ゴム引き帆布層2aが一体化された状態でVリブドベルト1aを構成している。
また、この圧縮ゴム層5aと接着ゴム層3aは、いずれもゴム組成物により形成され、ゴム引き帆布層2aがゴムコート帆布などにより形成されており、Vリブドベルト1aは、十分な屈曲柔軟性を備えた状態に形成されている。
この圧縮ゴム層5aの内周面側は、プーリーなどに当接される摩擦伝動面とされ、溝付きプーリーなどと呼ばれる外周面に溝が形成されたプーリーに嵌合させて用い得るように圧縮ゴム層5aの内周側には、内方に向けて突出したリブ6が形成されている。このリブ6は、Vリブドベルト1a周方向に延在した状態で複数条形成されており、この複数条のリブ6は、互いに平行となるようにVリブドベルト1a幅方向に離間した状態で配されている。(図1では、3条のリブが形成されている場合を例示している。)
また、接着ゴム層3aには、Vリブドベルト1aの周方向に抗張力を付与すべく心線4aが埋設されている。
この心線4aは、接着ゴム層3aのゴム組成物と接着された状態で複数本埋設されており、この複数本の心線4aは、ベルト幅方向に一定の間隔を設けて周方向に延在された状態で接着ゴム層3a中に埋設されている。
本実施形態のVリブドベルト1aは、上記のような構造を有し、例えば、駆動側と従動側とに設けられた溝付きプーリーに掛け渡されて用いることができる。すなわち、駆動側で溝付きプーリーの外周面からVリブドベルト1a内周面(圧縮ゴム層5a)に摩擦力により駆動力が伝達されて、この伝達された駆動力が主として心線4aの抗張力によりVリブドベルト1aを伝播して従動側にもたらされ、Vリブドベルト1a内周面と従動側の溝付きプーリー外周面との摩擦力により駆動力が従動側溝付きプーリーに伝導されるべく用いることができる。
このVリブドベルト1aの摩擦伝動面となる圧縮ゴム層5aを形成するゴム組成物には、ベースとなるゴム成分(ベースゴム)と無機充填材が含有されている。
前記ゴム成分としては、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム、天然ゴム、アルキルクロロスルホン化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴムあるいはその水素添加物、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどを用いることができる。
なかでも、前記ベースゴムとしてエチレン−α−オレフィンエラストマーが用いられることが好ましい。
なお、この“ベースゴムとしてエチレン−α−オレフィンエラストマーが用いられている”とは、ゴム組成物中に占めるゴム成分の内、重量で50%以上がエチレン−α−オレフィンエラストマーで占められていることを意図している。
このエチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマーを用いることができ、中でも、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーが低コストでしかも加工性に優れ、架橋効率が高い点において好適である。
このエチレン−α−オレフィンエラストマーとしては、特に、エチリデンノルボルネンが5%程度含有されているものが好適である。
例えば、エチレン分が54〜56%、プロピレン分が39〜41%、エチリデンノルボルネン分が4〜6%含有されてなるエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを好適に用いることができる。このような、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーとしては、例えば、デュポンダウエラストマー社から商品名「ノーデルIP4640」として市販されているものを挙げることができる。なお、このエチレン分ならびにプロピレン分は、ASTM D 3900に基づき測定することができ、エチリデンノルボルネン分は、ASTM D 6047に基づき測定することができる。
前記無機充填材には、炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子を用いる。この複合粒子としては、幅0.2〜0.5μmで長さが約3μmの針状の一次粒子が平均粒径7μm程度の二次凝集粒子を形成してなるものが好適であり、この複合粒子における二酸化ケイ素の含有量としては、ゴム組成物の補強効果とスティック−スリップ抑制効果とをバランスよく発揮させ得る点において重量で5〜25%の範囲が好適であり、中でも、8〜15%が好適である。
この複合粒子の一次粒子あるいは二次粒子の形状や大きさは、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて2万倍程度の倍率で複合粒子を観察するなどして測定できる。
このような炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子は、例えば、水酸化カルシウムからスラリー法により炭酸カルシウムを製造する工程の途中段階で水酸化カルシウムの炭酸化が行われているスラリーにコロイダルシリカ等の合成シリカを添加するなどして製造することができる。
より具体的には、水酸化カルシウムスラリーを撹拌しながら二酸化炭素と空気との混合ガスを導入して炭酸化を実施しつつ、合成シリカを添加して、この炭酸化をスラリーのpHが7に達する時点まで実施することにより製造することができる。
この炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子のゴム組成物に対する配合割合としては、前記ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対してこの複合粒子が20〜60重量部となる割合であることが好ましい。
この複合粒子の配合量がこのような範囲であることが好ましいのは、20重量部未満の場合には、ゴム組成物に対する補強効果ならびにVリブドベルトに対する騒音抑制効果を十分に発揮させることが困難となるおそれがあり、一方、60重量部を超えた配合量としても、それ以上にゴム組成物に対する補強効果ならびにVリブドベルトに対する騒音抑制効果を発揮させることが困難となり、むしろ、過剰な配合量となってゴム組成物の強度を低下させるおそれがあるためである。
前記無機充填材としては、このような複合粒子以外に、本発明の効果を損ねない範囲において、通常の(二酸化ケイ素が付着していない)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸アルミニウム類(カオリンクレー、セリサイト、マイカ、含水珪酸アルミニウム、ゼオライト、ベントナイト、パイロフィライトなど)やタルクなどの珪酸マグネシウム類、合成ワラストナイトのような珪酸カルシウム類、ハイドロタルサイトなどを用いることができる。
また、これら無機充填材は、シランカップリング剤で表面処理されたものを用いることもでき、例えば、官能基としてビニル基、メルカプト基、スルフィド基、メタクリル基、アミノ基、エポキシ基などを有するシランカップリング剤を用いることができる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕テトラスルフィドなど例示できる。
また、本実施形態における圧縮ゴム層用のゴム組成物には、本発明の効果を損ねない範囲において、一般的な伝動ベルトのゴム組成物に通常用いられるゴム薬品などを含有させることができ、例えば、カーボンブラック、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋助剤、短繊維などを含有させることができる。
前記加硫剤としては、硫黄や有機過酸化物を用いることができ、この有機過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ビス(t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートなどを用いることができる。
前記加硫促進剤としては、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系のものを用いることができ、チアゾール系加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩などを例示することができ、前記チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィドなどを例示することができ、前記スルファミド系加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどを例示することができる。
また、その他の加硫促進剤としてビスマレイミド、エチレンチオウレアなども用いることができる。
これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよい。
前記架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄などを用いることができる。
前記短繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、綿繊維、絹繊維、麻繊維、羊毛繊維、セルロース繊維、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、炭素繊維、ポリケトン繊維、玄武岩繊維などを用いることができ、中でも、ポリアミド繊維、綿繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維が好ましい。
前記接着ゴム層3aは、上記、圧縮ゴム層5aと同様のゴム成分ならびにゴム薬品を用いて形成することができ、前記ゴム引き帆布層2aは、一般的なゴムコート帆布を用いることができる。
前記心線4aは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステルや、ナイロン、アラミド、ビニロン、ガラス繊維、スチールコードなどを用いることができ、この心線は、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス処理(以下「RFL処理」ともいう)や溶剤系接着剤による接着処理がされたものを用いることができる。
このRFL処理には、レゾルシンとホルマリンとを(レゾルシン/ホルマリン)のモル比で1/3〜3/1の割合で塩基性触媒下に縮合させて、レゾルシン−ホルマリン樹脂(レゾルシン−ホルマリン初期縮合物、以下、「RF」ともいう)を作製し、このRFを水に5〜80重量%の濃度で分散させたものに、ラテックスを混合したRFL処理液を用いることができる。
心線4aのRFL処理に用いられるRFL処理液の固形分濃度は、特に限定されるものではなく、通常、10〜30重量%の範囲とされる。
前記ラテックスとしては、クロロスルホン化ポリエチレン、あるいはアルキルクロロスルホン化ポリエチレンをポリマー成分として含有するものや、カルボキシル変性ビニルピリジンラテックス、ビニルピリジンラテックスなどピリジン基あるいはカルボキシル基を含むもの、クロロプレン(CR)ラテックス、2,3−ジクロロブタジエン(2,3−DCB)ラテックスなどの塩素基を含有するもの、ブタジエンアクリロニトリル共重合体(NBR)ラテックス、カルボキシル基含有水素添加NBRラテックスなどニトリル基を含有するもの、フェニル基を側鎖に有するスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)ラテックスなどを単独または複数混合して用いることができ、要すれば、異なるRFL処理液を用いて心線に複数回のRFL処理を実施することも可能である。
また、このRFL処理液には、RFとラテックスとが(RF/ラテックス)の重量比で1/2〜1/10の割合で含有されることが好ましい。
このような圧縮ゴム層5a、接着ゴム層3a、ゴム引き帆布層2a、心線4aを用いてVリブドベルト1aを製造するには、まず、圧縮ゴム層5a、接着ゴム層3aのゴム組成物に含有される各種材料を、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール、二軸混練機などの一般的なゴムの混練手段にて混練した後にカレンダーロールなどのシーティング手段によりシート化させて未加硫ゴムシートを作製する。
次いで、例えば、表面が平滑な円筒状の成形ドラムの周面に一層あるいは複数層ゴムコート帆布2aを巻付け、接着ゴム層3a用の未加硫ゴムシートを巻きつけたものの上に心線4aをらせん状にスピニングし、さらに接着ゴム層3a用の未加硫ゴムシートを巻きつけた後に圧縮ゴム層5a用未加硫ゴムシートを巻きつけて未加硫状態の積層体を作製する。
さらに、作製した前記積層体を、例えば、加硫缶中で加熱加圧して一体化させて管状体を形成させて、この管状体を駆動ロールと従動ロールとに掛け渡して周動させて、研削砥石などによって表面にリブ6を形成させた後に所定幅に切り出すなどしてVリブドベルト1aを製造することができる。
なお、本実施形態においては、特に、騒音の抑制効果を顕著に発揮させ得る点においてVリブドベルトを例に説明したが、本発明においては伝動ベルトをVリブドベルトに限定するものではなく、一般的なVベルト、平ベルト、丸ベルトなどの摩擦伝動される伝動面が形成されている伝動ベルト全般に用いることができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
(圧縮ゴム層用ゴム組成物の未加硫シートの作製)
各実施例、比較例の伝動ベルトの圧縮ゴム層の形成には表1に示す配合(単位:重量部)を用い、これら配合剤をバンバリーミキサーを用いて混練して圧縮ゴム層用ゴム組成物を作製し、作製したゴム組成物をカレンダーロールにより圧縮ゴム層用未加硫シートを作製した。
Figure 2007333059
(接着ゴム層ゴム組成物の未加硫シートの作製)
次の2種類の配合を、バンバリーミキサーを用いて混練し、2種類の接着ゴム層用ゴム組成物を作製し、さらに作製した各ゴム組成物を、カレンダーロールによりシート成形した。
<接着ゴム層用配合1::EPDM(三井化学社製、商品名「3085」、エチレン含量62重量%、プロピレン含量33.5重量%、ジエン含量4.5重量%):100重量部、カーボンブラック(東海カーボン社製、商品名「シースト3」):50重量部、シリカ(トクヤマ社製、商品名「トクシールGu」):20重量部、パラフィンオイル(日本サン社製、商品名「サンフレックス2280」):10重量部、加硫剤(日本油脂社製DCP、商品名「パークミルD」):2.5重量部、加工助剤(花王社製ステアリン酸):1重量部、加硫助剤(堺化学工業社製 酸化亜鉛):5重量部、粘着付与剤(日本ゼオン社製石油樹脂、商品名「クイントンA−100」):5重量部、短繊維(綿粉):2重量部>
<接着ゴム層用配合2::クロロプレン(デュポンダウエラストマー社製、商品名「ネオプレンGS」):100重量部、カーボンブラック(東海カーボン社製、商品名「シースト3」):50重量部、シリカ(トクヤマ社製、商品名「トクシールGu」):20重量部、可塑剤(大日本インキ化学工業社製、商品名「DOS」):10重量部、加工助剤(花王社製ステアリン酸):1重量部、加硫助剤(堺化学工業社製 酸化亜鉛):5重量部、老化防止剤(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラックAW」):2重量部、酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品名「キョーワマグ150」):4重量部>
(心線の作製)
帝人社製のポリエステルコード(1000デニール/2×3、上撚り9.5T/10cm(Z)、下撚り2.19T/10cm)をイソシアネートのトルエン溶液(イソシアネート固形分20重量%)に浸漬後、240℃×40秒の熱風乾燥し、前処理を行った。
この前処理後の心線をRFL接着組成物に浸漬した後、200℃×80秒の熱風乾燥し、さらに、EPDM(三井化学社製、商品名「3085」、エチレン含量62重量%、プロピレン含量33.5重量%、ジエン含量4.5重量%)のトルエン溶液に浸漬し、60℃×40秒の熱風乾燥を行った。なお、このとき下記の2種類のRFL接着組成物を用いることにより、2種類の心線を作製した。
(RFL接着組成物1の調整)
レゾルシン7.31重量部とホルマリン(37重量%)10.77重量部とを混合し、水酸化ナトリウム水溶液(固形分0.33重量%)を加えて攪拌し、その後、水160.91重量部加え、5時間熟成して、レゾルシン−ホルマリン樹脂(レゾルシン−ホルマリン初期縮合物、以下「RF」という、レゾルシン/ホルマリン比=0.5)水溶液を作製した。
次いで、RF水溶液にクロロスルホン化ポリエチレンラテックス(固形分40%)をRF/ラテックス比=0.25(固形分量45.2重量部)となるよう混合し、さらに、水を加えて固形分濃度20%となるよう調整した後、12時間熟成しつつ攪拌を行いRFL接着組成物1の調整を行った。
(RFL接着組成物2の調整)
レゾルシン7.31重量部とホルマリン(37重量%)6.9重量部とを混合し、水酸化ナトリウム水溶液107重量部(固形分0.6重量部)を加えて攪拌し、その後、2時間熟成して、レゾルシン−ホルマリン樹脂(RF)を作製し、レゾルシンとホルマリンとの比が(レゾルシン/ホルマリン)=0.82となる水溶液を作製した。
次いで、このRF水溶液に2,3ジクロロブタジエンラテックス(東ソー社製、商品名「LH430」、固形分32%)を67重量部加えて6時間熟成してRFL接着組成物2の調整を行った。
(Vリブドベルトの製造)
円筒形金型(周長約1000mm)に内側から順番にゴムコート帆布、接着ゴム層用ゴムシート、心線、接着ゴム層用ゴムシートの順に積層し、最後に圧縮ゴム層用ゴムシートを積層した。
このとき圧縮ゴム層用ゴムシートは、配合された短繊維が伝動ベルトの幅方向に配向するよう積層した。
この積層体を内圧6kgf/cm2、外圧9kgf/cm2、温度165℃×35分、加硫缶中にて蒸気加硫し、予備成形体(筒状体)を作製した。
次いでこの筒状体の表面に、複数のリブを研削ホイールで作製した後、リブ数3ずつに切断し、Vリブドベルトを作製した。
なお、実施例1乃至5、比較例1乃至3のVリブドベルトでは、表1の配合により作製された圧縮ゴム層用未加硫シートと、接着ゴム層用配合1により作製された接着ゴム層用未加硫シートと、RFL接着組成物1が用いられた心線とを用い、実施例6のVリブドベルトでは、表1の配合により作製された圧縮ゴム層用未加硫シートと、接着ゴム層用配合2により作製された接着ゴム層用未加硫シートと、RFL接着組成物2が用いられた心線とを用いてVリブドベルトを作製した。
(評価試験)
(ベルト走行試験)
ベルトの走行試験を図2に示すごとく実施した。
上記のようにして作製したVリブドベルト1aを、径120mmの駆動プーリー11と従動プーリー12に掛け渡し、さらに、径70mmのアイドラープーリー13と径55mmのアイドラープーリー14とがともに中心からの角度が90度となる区間で伝動ベルトと接するように巻きかけ、従動プーリーにはリブ1山あたり負荷2.5kWとなるようセットし、径55mmアイドラープーリー14に、リブ1山あたりセットウェイトが277Nとなるようにして駆動プーリーを4900rpmで回転させた。
(騒音抑制効果の評価)
この走行試験を室温で実施し、ベルト走行時に、アイドラープーリー13にベルトが接する位置から側方約10cmの位置に、騒音計(RION社製、型名「NA−40」)のマイクロホンを設置し、前述のベルト走行試験を実施したときに観測される騒音を測定した。
このとき観測された騒音が70dB未満を「無」、70dB以上75dB未満を「微小」、75dB以上80dB未満を「小」、80dB以上90dB未満を「中」、90dB以上を「大」として判定した。結果を表2に示す。
(補強効果の評価)
上記のベルト走行試験を室温で実施しつつ、24時間ごとに圧縮ゴム層の表面状態を確認し、クラックが観測されるまでの時間を計測した。また、この走行試験は、最長700時間まで実施した。結果を表2に示す。
Figure 2007333059
上記において、実施例1は、比較例1のカーボンブラックの一部を炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子に置き換えたものであるが、この表2からも炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子を用いることで耐久性の低下を抑制しつつ騒音の発生を抑制させ得ることがわかる。
また、二酸化ケイ素が付着していない、通常の炭酸カルシウムを用いた場合(比較例3)は、短時間でクラックが発生してしまい伝動ベルトの耐久性を低下させてしまうこともわかる。
一実施形態の伝動ベルトを示す断面図。 騒音抑制効果の評価試験方法を示す概略図。
符号の説明
1a:伝動ベルト、2a:ゴム引き帆布層、3a:接着ゴム層、5a:圧縮ゴム層

Claims (4)

  1. 無機充填材を含有するゴム組成物によって摩擦伝動面が形成されており、炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子が前記無機充填材として用いられていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記ゴム組成物のベースゴムにはエチレン−α−オレフィンエラストマーが用いられている請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. 前記ゴム組成物には、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して前記複合粒子が20〜60重量部含有されている請求項1または2に記載の伝動ベルト。
  4. 無機充填材を含有するゴム組成物によって圧縮ゴム層が形成されており、炭酸カルシウムの表面に二酸化ケイ素が付着している複合粒子が前記無機充填材として用いられていることを特徴とするVリブドベルト。
JP2006164717A 2006-06-14 2006-06-14 伝動ベルト Withdrawn JP2007333059A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011117576A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Mitsuboshi Belting Ltd 摩擦伝動ベルト
EP2584217A4 (en) * 2010-06-15 2017-12-13 Bando Chemical Industries, Ltd. Transmission belt

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