JP2003240055A - 動力伝動ベルト - Google Patents

動力伝動ベルト

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JP2003240055A
JP2003240055A JP2002043521A JP2002043521A JP2003240055A JP 2003240055 A JP2003240055 A JP 2003240055A JP 2002043521 A JP2002043521 A JP 2002043521A JP 2002043521 A JP2002043521 A JP 2002043521A JP 2003240055 A JP2003240055 A JP 2003240055A
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rubber layer
rubber
power transmission
cord
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Takashi Kinoshita
隆史 木下
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
Sumiko Takeuchi
寿美子 竹内
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強力、高モジュラスであるとともに、走行
後のベルト強力低下が小さく、優れた耐屈曲疲労性を充
足する動力伝動ベルトを提供することを目的とする。 【解決手段】 接着ゴム層2内にベルト長手方向に沿っ
て心線3が埋設され、接着ゴム層2の下部にベルト長手
方向に複数のリブを設けた圧縮ゴム層4を有し、接着ゴ
ム層2の上部に基布5を積層したVリブドベルト1にお
いて、心線3は、400〜1,700dtexのポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維で構成される
子縄と、400〜1,700dtexのアラミド繊維で
構成される子縄を撚り合せて総繊度を3,000〜7,
000とした撚りコードで構成されることを特徴とす
る。前記コードは例えばフライヤー撚糸機を用いて作製
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は動力伝動ベルトに
係り、特に高強力、高モジュラスな性能が要求される駆
動装置に好適な動力伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に歯付ベルト、Vベルト、Vリブド
ベルトといった伝動ベルトは、ゴム組成物で構成された
本体に補強用心体としてコードが埋設されている。コー
ドは、ベルト張力の大部分を担う部材であって、その特
性は構成する繊維種及び撚り数、撚り方向、繊度その他
の組み合わせにより定まる。コードを構成する繊維種と
しては、一般にポリエステル、ガラス、アラミド繊維と
いった高モジュラス繊維が利用されている。
【0003】しかし、従来のベルトを検討してみると、
ポリエステル繊維コードを用いた伝動ベルトは、耐屈曲
疲労性が非常に良好であるものの、寸法安定性に乏しい
といった欠点がある。また、ガラス繊維を用いた場合
は、寸法安定性及び経時寸法安定性に優れているが、ゴ
ムベルト本体との接着性及び耐屈曲疲労性が悪いといっ
た問題がある。
【0004】一方、アラミド繊維コードはガラス繊維コ
ードと比較してベルト本体を構成するエラストマー部と
の接着性が良好で、これを用いた伝動ベルトは強度が高
く、屈曲疲労性に優れるといった特性を有する。ところ
が昨今の精密機器の高機能、高性能化に伴って、強度、
モジュラスについての要求が更に高まってきており、こ
の要求に応えるべくコードの繊度を汎用値より高く設定
すると、耐屈曲疲労性が低下するといった問題があっ
た。また幅広にベルトを設計して本体中に埋設される心
線本数を増加させると、エンジンルームの省スペース化
に逆行するといった弊害もある。
【0005】こういった事情を背景に、近年、従来の凡
用繊維よりも高いモジュラス、強度を有するポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)が
注目されている。特に強度及び弾性率においてはアラミ
ド繊維を凌ぐことから、工業ベルト業界においては、こ
のPBO繊維を心線として用いることで、コードの繊度
やエンジンルームのスペースを増加させることなく、高
強度、高モジュラスな動力伝動ベルトが提供できるとし
て期待されている。しかしPBO繊維はその分子骨格
上、官能基をほとんど含有していないことから、従来の
短繊維と比べてゴムとの接着性に乏しく、コード−ゴム
複合体の実現は困難であると考えられていた。
【0006】そこでゴムとの接着性を改善するために、
PBO繊維に特殊な接着処理を施すことが提案されてい
る。例えば、特開平9−176332号公報では、エポ
キシ化合物、ゴムラテックス、及び熱反応型水溶性ウレ
タン樹脂からなる第1処理液で処理した後、レゾルシ
ン、ホルマリン、及びゴムラテックスからなる第2処理
液で処理することにより、ゴムとの接着性を改善する技
術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
技術をPBO短繊維に適用しても、ゴム組成物との接着
力は充分満足できるものではなく、実使用上問題があっ
た。また近年では装置のコンパクト化に伴う設置スペー
スの減少化の要請により、多軸レイアウトで使用される
ケースが多くなっている。このレイアウトで使用するベ
ルトは耐屈曲疲労性に優れることが必要とされるが、P
BO繊維で構成された従来のベルトを検討してみると耐
屈曲疲労性に問題があることが判明した。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、高強力、高モジュラスであるとともに、走行後
のベルト強力低下が小さく、優れた耐屈曲疲労性を充足
する動力伝動ベルトを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着
ゴム層と、圧縮ゴム層から構成される動力伝動ベルトに
おいて、前記心線が、400〜1,700dtexのポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維で構成さ
れる子縄と、400〜1,700dtexのアラミド繊
維で構成される子縄を撚り合せて総繊度を3,000〜
7,000とした撚りコードであることを特徴とする。
【0010】本願請求項2記載の発明は、請求項1記載
の動力伝動ベルトにおいて、動力伝動ベルトがVリブド
ベルトであることを特徴とする。
【0011】本願請求項3記載の発明は、請求項1記載
の動力伝動ベルトにおいて、動力伝動ベルトがVベルト
であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に従って説明する。図1に本発明に係る動力伝動ベルト
の一例としてVリブドベルト1を示す。Vリブドベルト
1は、接着ゴム層2内にベルト長手方向に沿って心線3
が埋設され、接着ゴム層2の下部に、ベルト長手方向に
複数のリブを設けた圧縮ゴム層4を有している。また接
着ゴム層2の上部には、伸張層として基布5が積層した
構造を有する。
【0013】基布5は、織物、編物、不織布から選択さ
れる帆布である。構成する繊維素材としては、公知公用
のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、
金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミ
ド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ
スチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビ
ニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の
有機繊維が挙げられる。
【0014】上記基布5は、公知技術に従ってレゾルシ
ン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、
未加硫ゴムを基布5に擦り込むフリクションを行った
り、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソー
キング液に浸漬処理する。尚、RFL液には適宜カーボ
ンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の
界面活性剤を0.1〜5.0質量%加えてもよい。
【0015】上記圧縮ゴム層4の主材ゴムには、天然ゴ
ム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、エチ
レン−プロピレンゴムのようなエチレン−α−オレフィ
ン系共重合体ゴム、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニ
トリルゴム(H−NBR)に不飽和カルボン酸金属塩を
添加したもの、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチ
レン(ACSM)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴ
ム(CSM)等を主成分とし、これにカーボンブラック
のような補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助
剤、硫黄あるいは有機過酸化物のような加硫剤等が添加
混合される。
【0016】なかでも、耐油性と耐寒性を有するエチレ
ン−α−オレフィンエラストマーが好ましい。エチレン
−α−オレフィンエラストマーとしては、その代表的な
ものとしてEPDMがあり、これはエチレン−プロピレ
ン−ジエンモノマーをいう。ジエンモノマーの例として
は、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エ
チリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロ
オクタジエンなどがあげられる。
【0017】上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物
が使用される。有機過酸化物としては具体的には、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t−ブチル
ペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、
2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキ
シ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−
ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロ
キシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メチル
−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブ
チルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−2−
エチル−ヘキシルカーボネートが挙げられる。この有機
過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常エチレン
−α−オレフィンエラストマー100gに対して0.0
05〜0.02モルgの範囲で使用される。
【0018】また加流促進剤を配合しても良い。加硫促
進剤としてはチアゾール系、チウラム系、スルフェンア
ミド系の加硫促進剤が例示でき、チアゾール系加硫促進
剤としては、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジ
スルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩
等があり、チウラム系加硫促進剤としては、具体的にテ
トラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチ
ウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスル
フィド、N,N’−ジメチル− N,N’−ジフェニル
チウラム・ジスルフィド等があり、またスルフェンアミ
ド系加硫促進剤としては、具体的にN−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シ
クロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等
がある。また、他の加硫促進剤としては、ビスマレイミ
ド、エチレンチオウレアなども使用できる。これら加硫
促進剤は単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わ
せで使用してもよい。
【0019】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェ
ニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架
橋に用いるものである。
【0020】一方、接着ゴム層2は圧縮ゴム層4と同種
のゴムが使用可能である。配合物としては短繊維は混入
しないほうが好ましいが、必要に応じてカーボンブラッ
ク、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクの
ような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のよ
うな通常のゴム配合に用いるものが使用される。
【0021】尚、本発明に係る動力伝動用ベルトである
Vリブドベルト1の圧縮ゴム層4には、ナイロン6、ナ
イロン66、ポリエステル、綿、アラミド、ポリパラフ
ェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)などから選
ばれてなる短繊維を混入して圧縮ゴム層4の耐側圧性を
向上させるとともに、プーリと接する面になる圧縮ゴム
層4の表面に該短繊維を突出させ、圧縮ゴム層4の摩擦
係数を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽減させるこ
とができる。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有
し、しかも耐摩耗性を有するアラミド短繊維が汎用的に
用いられている。
【0022】上記アラミド短繊維が前述の効果を十分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はエチレン−α−オレフィンエラス
トマー100重量部に対して1〜30重量部である。
尚、短繊維の添加量が1質量部未満の場合には、圧縮ゴ
ム層4のゴムが粘着しやすくなって摩耗する欠点があ
り、また一方30質量部を超えると短繊維がゴム中に均
一に分散しなくなりクラックが発生しやすくなる。この
アラミド繊維は分子構造中に芳香環をもつアラミド、例
えば商品名コーネックス、ノーメックス、ケブラー、テ
クノーラ、トワロン等である。
【0023】ただし、このアラミド短繊維の添加は必須
ではなく、他の素材からなる短繊維を添加したものでも
良い。また、上記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長
手方向に対して直角方向を向いているのを90°とした
ときほとんどの短繊維が70°〜110°の範囲内に配
向されていることが望ましい。
【0024】上記配合物の混練り方法としては限定する
ものでなく、また混練り手段も例えばバンバリーミキサ
ー、ロール、ニーダー、そして押出機等限定するもので
なく、適宜公知の手段、方法によって混練することがで
きる。また加硫方法も限定されるものでなく、モールド
加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加硫機、射出成形機等
の加硫装置を用いた公知の手段で加硫される。
【0025】心線3としては、ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)とアラミド繊維
で構成したコードが用いられる。PBO繊維は、ジアミ
ノレゾルシノールとテレフタル酸をポリリン酸溶媒中で
縮重合したポリマーを紡糸することで得られる。従来の
凡用繊維よりも高い物性値を有し、例えば強度及び弾性
率においてはアラミド繊維を凌ぐといった特徴を有す
る。しかしその分子骨格上、官能基をほとんど含有して
いないことから従来の繊維と比べてゴムとの接着が困難
であるといった問題がある。そこでゴムと接着性が良好
なアラミド繊維を混撚することでコード−ゴム間の接着
力を改善し、しかもPBO繊維の高強力、高モジュラス
という特性をいかすことができる。
【0026】具体的には、心線3はPBO繊維で構成さ
れる子縄と、アラミド繊維で構成される子縄を撚り合せ
た撚りコードが用いられる。前記心線は例えばフライヤ
ー撚糸機を用いて作製される。前記撚りコードは、子縄
の繊度が400〜1,700dtex、総繊度が3,0
00〜7,000dtexとなるよう設定するとベルト
スリップ率を低くでき、ベルト寿命を延長させるために
好ましい。コードの上撚り数としては60〜160回/
mが好ましく、また下撚り数としてはPBO繊維で構成
された子縄が20〜140回/m、アラミド繊維で構成
された子縄が10〜100回/mとなるよう設定するこ
とが望ましい。尚、上撚りと下撚りの間に中撚りを設け
ることも可能である。
【0027】尚、心線3にはゴムとの接着性を改善する
目的で接着処理が施される。このような接着処理として
は繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RF
L)液に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形
成するのが一般的である。しかし、これに限ることなく
エポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった
後に、RFL液で処理する方法等もある。更にこの後、
ゴム糊で後処理することも可能である。
【0028】具体的な手法としては、未処理コードにエ
ポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた前処
理液を含浸させてプレディップさせた後、160〜20
0℃に温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾
燥し、続いてRFL液からなる接着処理を含浸させる。
尚、処理手順は上記に限らず、例えばプレディップ処理
した子縄を上撚りしてコードとし、該コードにRFL処
理を施してもよい。また子縄にプレディップ処理を施す
場合、PBO、アラミド繊維の各子縄に同一のプレディ
ップ処理を施しても、各子縄に異なるプレディップ処理
を施しても、また一方にのみプレディップ処理を施して
も良い。尚、PBO繊維には、ニトリルゴム変性エポキ
シ樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、
架橋剤、そして溶剤からなる前処理液にてプレディップ
処理を施すと、接着力を高める上で好適である。
【0029】エポキシ化合物としては、例えばエチレン
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多
価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアル
キレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲ
ン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムア
ルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポ
キシ化合物との反応生成物である。このエポキシ化合物
はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合し
て使用される。またイソシアネート化合物としては、例
えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレン2,4−ジイソシアネート、P−フェニルジイソ
シアネート、ポリアリールポリイソシアネート等があ
る。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0030】ここでRFL液に使用するラテックスとし
ては、クロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピ
リジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR、CS
M、ACSM等である。
【0031】上述のように処理されたコードは、スピニ
ングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜1.
3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕上げ
ることができる。1.0mm未満になると、コードが隣
接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.
3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くな
る。
【0032】次にVリブドベルト1の製造方法の一例を
以下に示す。まず、円筒状の成形ドラムの周面に基布と
接着ゴムを巻き付けた後、この上にロープからなる心線
を螺旋状にスピニングし、更に圧縮ゴムを順次巻き付け
て積層体を得た後、これを加硫して加硫スリーブを得
る。次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛
架し、所定の張力下で走行させ、更に回転させた研削ホ
イールを走行中の加硫スリーブに当接するように移動し
て加硫スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数
の溝状部を一度に研削する。
【0033】このようにして得られた加硫スリーブを駆
動ロールと従動ロールから取り外し、該加硫スリーブを
他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッ
ターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベルト
に仕上げる。
【0034】尚、上記Vリブドベルト1は本発明の実施
の一形態であって、これに限定されるものではない。例
えば、本発明に係る動力伝動ベルトの他の一例としてV
ベルト10を図2に示す。Vベルト10は、接着ゴム層
12内にベルト長手方向に沿って心線13が埋設され、
接着ゴム層12の上部下部に隣接して伸張ゴム層20と
圧縮ゴム層14を有し、伸張ゴム層20はその表面に基
布15が積層した構造を有する。尚、必要に応じて、圧
縮ゴム層12にベルト長手方向に所定間隔でコグ部を設
けてもよい。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例により更に
詳細に説明する。 実施例1 心線として、表1に示すように1束が545dtexの
PBO繊維マルチフィラメント(商品名:Zylon)
並びに1,100dtexのアラミド繊維マルチフィラ
メント(商品名:Technora)を準備し、PBO
繊維マルチフィラメントに65回/m、アラミド繊維マ
ルチフィラメントに46回/mの下撚りを施して子縄と
した。そしてフライヤー撚糸機を用いて、各子縄を3本
ずつを引き揃えて子縄と同一方向に撚りを掛けて白地コ
ードを作製した。
【0036】比較例1 心線として、表1に示すように1束が1,670dte
xのアラミド繊維マルチフィラメント(商品名:Tec
hnora)を準備し、37回/mの下撚りを施して子
縄とした。そして前記子縄3本を子縄と同一方向に撚り
を掛けて白地コードを作製した。
【0037】比較例2 心線として、表1に示すように1束が1,670dte
xのアラミド繊維マルチフィラメント(商品名:Tec
hnora)を準備し、37回/mの下撚りを施して子
縄とした。そして前記子縄4本を子縄と同一方向に撚り
を掛けて白地コードを作製した。
【0038】各白地コードを表2に示す前処理液に浸漬
した後、200℃で2分間乾燥し、続いて、表3に示す
RFL液を含浸させた後、再び230℃で2分間乾燥を
行なった。この処理コードを更に、表4に示す配合ゴム
を固形分濃度10%となるようトルエンで希釈したゴム
糊に浸漬し、160°Cで4分間乾燥を行なって処理コ
ードとした。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】次に、上記コードを用いてリブドベルトを
作製した。Vリブドベルトの製造工程として、まず、円
筒状モールドに経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にク
ロロプレンゴムをフリクションしたゴム付帆布を1プラ
イ巻き付けた後、表4にしめすクロロプレンゴム組成物
からなる接着ゴムシートを巻き、更にその上に上記コー
ドをスピニングし、そして表5に示す配合のゴムシート
からなる圧縮ゴム層を巻き付け成形を終えた。これを公
知の方法で160°C、30分で加硫して円筒状の加硫
ゴムスリーブを得た。
【0044】
【表5】
【0045】上記加硫ゴムスリーブを研磨機の駆動ロー
ルと従動ロールに装着して、張力を付与した後に回転さ
せた。150メッシュのダイヤモンドを表面に装着した
研磨ホイールを1,600rpmで回転させ、これを加
硫スリーブに当接させてリブ部を研磨した。研磨機から
取り出したスリーブを切断機に設置した後、回転しなが
ら切断した。
【0046】作製したVリブドベルトは、心線が接着ゴ
ム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ
積層し、他方接着ゴム層の下側にはゴム圧縮部があって
複数個のリブがベルト長手方向に設けられている。この
VリブドベルトはRMA規格による長さ1,100mm
のK型であり、ベルト圧縮層には実施例1、比較例2で
は6個、比較例1では7個のリブが設けられている。ま
た圧縮ゴム層に配合されている短繊維はベルト幅方向に
配向している。
【0047】1.処理コード引張強力 JIS L1071に基づき、処理コード引張強力を測
定した。
【0048】2.処理コード剥離力 処理繊維コードを密に並べて表4に示すゴム配合物に温
度153°C、圧力2MPaで30分間加圧密着させた
後、幅25mmに裁断し、長さ140mm、厚さ4mm
のシート状試料を作製した。室温で引張試験機を用いて
平剥離力を測定し、処理コードとゴムとの接着力を評価
した。
【0049】3.ベルト強力 ベルトを50mm/分の速度で引っ張って、ベルトが切
断したときの最大荷重を求めた。
【0050】4.ベルトモジュラス ベルトのSS曲線を作成し、そのSS曲線の直線部分の
傾きを算出した。
【0051】5.ベルト強力保持率 図3に示すレイアウトに従い雰囲気温度120°Cの条
件で、300時間走行試験を実施した後、走行後のベル
トの強力を測定した。そして、走行後のベルト強力を走
行前のベルト強力で除してベルト強力保持率求めた。
【0052】結果、ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾール繊維で構成した子縄と、アラミド繊維で構成し
た子縄を用いて構成した心線を用いた実施例1のVリブ
ドベルトは、アラミド繊維単独で構成された心線を用い
た比較例1のVリブドベルトと比べて1リブ少ないもの
の、同等のベルト引張強力、ベルトモジュラス、強力保
持率を有することが確認できた。よって、実施例は省ス
ペース化の要求に適したベルトであることが判る。ま
た、比較例2ではモジュラス、強度は実施例とほぼ同等
なものの、ベルト強力保持率が低いことが知見できる。
尚、実施例は比較例に比べてゴム−心線間の接着性が低
いものの、ベルト性能上問題ないことが確認できる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本願請求項記載の発明で
は、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層
と、圧縮ゴム層から構成される動力伝動ベルトにおい
て、前記心線が、400〜1,700dtexのポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維で構成される
子縄と、400〜1,700dtexのアラミド繊維で
構成される子縄を撚り合せて総繊度を3,000〜7,
000とした撚りコードであることを特徴とする動力伝
動ベルトであり、高強力、高モジュラスであるととも
に、走行後のベルト強力低下が小さく、優れた耐屈曲疲
労性を充足できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの断面斜視図であ
る。
【図2】本発明に係るVベルトの断面斜視図である。
【図3】Vリブドベルトの走行試験装置のレイアウトで
ある。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 接着ゴム層 3 心線 4 圧縮ゴム層 5 基布 10 Vベルト 12 接着ゴム層 13 心線 14 圧縮ゴム層 15 基布 20 伸張ゴム層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AB06 AB07 AB24 AB33 AC01 AD02 AE01 AE02 AF24 AF31 AG03 AH21 AJ04 AL19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層から構成される動力伝動ベル
    トにおいて、前記心線が、400〜1,700dtex
    のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維で構
    成される子縄と、400〜1,700dtexのアラミ
    ド繊維で構成される子縄を撚り合せて総繊度を3,00
    0〜7,000とした撚りコードであることを特徴とす
    る動力伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 動力伝動ベルトがVリブドベルトである
    請求項1に記載の動力伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 動力伝動ベルトがVベルトである請求項
    1に記載の動力伝動ベルト。
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