JPH1160850A - 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法

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JPH1160850A
JPH1160850A JP22134797A JP22134797A JPH1160850A JP H1160850 A JPH1160850 A JP H1160850A JP 22134797 A JP22134797 A JP 22134797A JP 22134797 A JP22134797 A JP 22134797A JP H1160850 A JPH1160850 A JP H1160850A
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JP
Japan
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thermoplastic elastomer
rubber
elastomer composition
chlorinated polyethylene
resin
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JP22134797A
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Shigeru Shiyouji
茂 庄治
Itsuo Yamada
聿男 山田
Hiromi Sasaki
廣海 佐々木
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Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩素化ポリエチレンを用いて得られる熱可塑性
エラストマーの上記のような問題点を解消し、優れたゴ
ム弾性と優れたクリープ特性をいずれも具備する新規な
熱可塑性エラストマー組成物、及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 塩素含有量15〜50重量%の塩素化ポ
リエチレンと架橋ゴム物質が前者対後者の重量比30:
70〜80:20で混合されており、架橋ゴム物質が塩
素化ポリエチレン中に実質的に均質に分散している熱可
塑性エラストマー組成物である。同組成物は、塩素化ポ
リエチレンと未架橋ゴム物質を混練機中で予め十分にブ
レンドした後、ブレンド物にゴム物質を架橋せしめ得る
架橋剤を添加し、混練しながらゴム物質を架橋せしめる
ことによって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたゴム弾性と
優れたクリープ特性(永久伸び、圧縮永久歪み)を併せ
持つ熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは常温においては
ゴム弾性を示し、高温においては可塑化されて種々の形
状に成形可能なポリマーであり、建築用部材、自動車用
内装材および外装材、電気・電子機器用ゴム部品等の様
々な分野で使用されている。
【0003】熱可塑性エラストマーは、基本的にゴム成
分(ソフトセグメント)と樹脂成分(ハードセグメン
ト)からなる構造を持っており、この構造を得るために
両成分をブロック共重合する方法やブレンドする方法が
採られている。また、熱可塑性エラストマーとしては、
ゴム成分と樹脂成分の組合せにより多種多様なものが提
供されており、用途に応じて最適なものを選択すること
ができる。
【0004】塩素化ポリエチレンを用いた熱可塑性エラ
ストマーの製造方法としては、結晶性塩素化ポリエチレ
ンをそのまま用いる方法や、結晶性塩素化ポリエチレン
に可塑剤を添加する方法(後者の例、特開平8−259
758号公報参照)、塩素化ポリエチレンとポリオレフ
ィンをブレンドし、混練しながら架橋を行う、いわゆる
動的加硫法(例えば、特開平2−99535号公報参
照)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結晶性
塩素化ポリエチレンをそのまま又は可塑剤と共に用いる
方法では、得られた組成物が化学的に結合した架橋点を
有していないため、熱時に十分な圧縮永久歪み性が得ら
れないという問題がある。また、塩素化ポリエチレンを
ポリオレフィンとブレンドして動的加硫を行う方法で
は、ハードセグメントにポリオレフィンを用いているた
め低硬度の組成物が得られず、また、ゴム弾性も十分で
はないといった問題がある。
【0006】本発明の目的は、塩素化ポリエチレンを用
いて得られる熱可塑性エラストマーの上記のような問題
点を解消し、優れたゴム弾性と優れたクリープ特性をい
ずれも具備する新規な熱可塑性エラストマー組成物、及
びその製造方法を提供しようとするところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々検討を重ねたところ、未架橋でも熱可
塑性エラストマーの挙動を示し、各種ゴムとの相溶性に
優れた所要塩素含有量の塩素化ポリエチレン中に、架橋
ゴム物質を分散させてなる熱可塑性エラストマー組成物
が、優れたゴム弾性とクリープ特性を共に有することを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明による熱可塑性エラストマー組成物
は、塩素含有量15〜50重量%の塩素化ポリエチレン
と架橋ゴム物質が前者対後者の重量比30:70〜8
0:20で混合されており、架橋ゴム物質が塩素化ポリ
エチレン中に実質的に均質に分散していることを特徴と
するものである。
【0009】また、本発明による熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法は、塩素化ポリエチレンと未架橋ゴム
物質を混練機中で予め十分にブレンドした後、ブレンド
物にゴム物質を架橋せしめ得る架橋剤を添加し、混練し
ながらゴム物質を架橋せしめ、上記特徴を有する熱可塑
性エラストマー組成物を製造する方法である。
【0010】以下、本発明の構成につき詳細に説明す
る。本発明において使用される塩素化ポリエチレンは、
ポリエチレン粉末又は粒子を水性懸濁液中又は有機溶媒
中で塩素化することにより得られるものである。これら
のうち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造に
は水性懸濁液中での塩素化で得られた塩素化ポリエチレ
ンの方が好ましい。また、原料のポリエチレンとして
は、その分子量が大きくなるほど得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物の引張強度が大きくなるが加工性は低下
するため、重量平均分子量4万〜70万を有するポリエ
チレンが好ましい。用いる塩素化ポリエチレンの塩素含
有量は15〜50重量%、好ましくは20〜45重量%
である。塩素含有量が15重量%未満であるか又は50
重量%を越えると低硬度の組成物が得られない。
【0011】本発明に特に好適に用いられる塩素化ポリ
エチレンは、示差走査型熱量分析計(DSC)によって
測定した融解熱量が0〜20cal/g、好ましくは2
〜20cal/gの結晶度を有する結晶性塩素化ポリエ
チレンである。塩素化ポリエチレンの残存結晶量が多過
ぎると得られる組成物のクリープ特性は向上するが、低
硬度の組成物が得難くなり好ましくない。
【0012】他方、本発明に使用される未架橋ゴム物質
としては、例えば天然ゴム、天然ゴムにメタクリル酸メ
チル、スチレン、アクリロニトリル等をグラフト重合し
たグラフト天然ゴム、天然ゴムをエポキシ化したエポキ
シ化天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ブチルゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルゴム、エチ
レン−アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピク
ロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロ
ルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエー
テル三元共重合ゴム等を挙げることができ、これらは用
途に応じてそれぞれ単独で又は二種以上の組合せで用い
ることができる。本発明においては加工性の点から、天
然ゴム、グラフト天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共
重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド
−アリルグリシジルエーテル三元共重合ゴム等のように
エチレン性不飽和結合を有するゴム物質が好ましく用い
られる。
【0013】上記塩素化ポリエチレンとゴム物質の組成
比は、塩素化ポリエチレンとゴム物質の合計100重量
部に対して塩素化ポリエチレンが30〜80重量部、好
ましくは35〜70重量部の範囲にある。塩素化ポリエ
チレンの割合が30重量部未満であると、得られる組成
物の加工性が悪化し、逆に80重量部を越えると、十分
なクリープ特性が得られない。
【0014】上記塩素化ポリエチレンと未架橋ゴム物質
を用いて本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造す
る方法では、まず、塩素化ポリエチレンと未架橋ゴム物
質を混練機中で予め十分にブレンドした後、ゴム物質を
架橋せしめ得る架橋剤を添加し、混練しながらゴム物質
を架橋せしめる方法(動的加硫)が最も簡便で効率的で
ある。
【0015】混練機としては、ニーダー、バンバリーミ
キサー、二軸混練押出機等のように、加熱しながら剪断
力下に混練できる装置が、用いるゴム物質に応じて適宜
選択される。また、混練しながらゴム物質を架橋せしめ
る際の温度及び時間は、用いるゴム物質及び架橋剤に応
じ適宜設定されるが、本発明においては、温度130〜
200℃で、時間2〜30分の範囲にあるのが望まし
い。
【0016】架橋剤としては、使用されるゴム物質を架
橋せしめ得る架橋剤であればいかなるものでも用いるこ
とができるが、本発明の場合、塩素化ポリエチレンが架
橋すると得られる組成物の成形性が著しく低下するた
め、塩素化ポリエチレンが全く架橋しないか、あるいは
ほとんど架橋しないものが好ましい。架橋剤の例として
は、硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペン
タメチレンチウラムテトラスルフィド、モルフォリンジ
スルフィド等の硫黄系架橋(加硫)剤、パラベンゾキノ
ンジオキシム、ベンゾイルキノンジオキシム等のキノン
ジオキシム系架橋剤、ポリメチロールフェノール、アル
キルフェノールホルムアルデヒド樹脂、臭化アルキルフ
ェノールホルムアルデヒド樹脂等の樹脂系架橋剤、トリ
クロルメラミン、ヘキサクロルペンタジエン、ベンゾト
リクロリド等の塩素含有化合物系架橋剤等を挙げること
ができ、これらは使用するゴム物質に応じて適宜選択さ
れ、これらがそれぞれ単独で又は2種以上の組合せで使
用される。
【0017】さらに、必要に応じて、架橋助剤、加硫促
進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等を使用することもで
き、この場合用いるゴム物質、架橋剤に応じて適当なも
のが選択される。
【0018】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
これに樹脂物質を適当量含ませることにより、低硬度の
ものから高硬度のものまで、組成物の硬度を容易に調節
することが可能である。樹脂物質の例としては、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹
脂、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ア
クリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(A
BS樹脂)等のスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン
12等のアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタ
クリル酸メチル樹脂等を挙げることができる。樹脂物質
としては、塩素化ポリエチレンあるいは用いるゴム物質
との混和性の良いものが好ましく、具体的にはポリエチ
レン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂
が例示される。樹脂物質の含有量は塩素化ポリエチレ
ン、及び用いるゴム物質の種類、両者の組成比等により
異なるが、塩素化ポリエチレン樹脂とゴム物質の合計1
00重量部に対して好ましくは0〜50重量部、より好
ましくは0〜30重量部である。樹脂物質は塩素化ポリ
エチレンと未架橋ゴム物質をブレンドする際にブレンド
物に添加するのが望ましい。
【0019】また、低硬度の組成物を必要とする場合に
は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に可塑剤を含
ませることが好ましい。用いる可塑剤の種類は特に限定
されるものではないが、塩素化ポリエチレン及び/又は
使用するゴム物質との相容性の良いものが好ましい。例
えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オ
クチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチル
フタレート、ジヘキシルフタレート等のフタル酸エステ
ル系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケ
ート等の直鎖二塩基酸エステル系可塑剤、トリメリット
酸エステル系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、液状エポキシ系
可塑剤、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフ
ォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤が挙げられ、
これらをそれぞれ単独で又は2種以上の組合せで使用す
る。可塑剤の含有量は塩素化ポリエチレン、および用い
るゴム物質の種類、両者の組成比等により異なるが、塩
素化ポリエチレンとゴム物質の合計100重量部に対し
て好ましくは0〜50重量部、より好ましくは0〜30
重量部である。可塑剤は塩素化ポリエチレンと未架橋ゴ
ム物質をブレンドする際にブレンド物に添加するのが望
ましい。また、上記樹脂物質と可塑剤を併用することも
できる。
【0020】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
これに塩素化ポリエチレンとゴム物質の相容化剤となり
得る高分子物質を含ませることにより、機械的強度を改
善することができる。このような高分子物質の例として
は、ゴム物質としてスチレン−ブタジエン共重合ゴムを
用いた場合、エチレン−スチレングラフト共重合体、エ
ポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、ゴム物質として天然ゴムを用いた場合、天然ゴム
にメタクリル酸メチルをグラフト重合したグラフト天然
ゴム、エポキシ化天然ゴム等を挙げることができる。高
分子物質の含有量は、その種類により異なるが、塩素化
ポリエチレンとゴム物質の合計100重量部に対して好
ましくは0〜15重量部、より好ましくは0〜10重量
部である。高分子物質は塩素化ポリエチレンと未架橋ゴ
ム物質をブレンドする際にブレンド物に添加するのが望
ましい。また、高分子物質は用いるゴム物質を架橋する
ための架橋剤により架橋しても架橋しなくても組成物の
成形性を悪化させることはない。
【0021】さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、これに安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、顔料等、当該技術分野で通常使
用されている各種添加剤を必要に応じて配合することも
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明を実施するための具体的な
形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明は
その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるも
のではない。
【0023】実施例及び比較例で使用した配合材料は下
記の通りである。
【0024】・塩素化ポリエチレン(CPE1〜7) CPE1:重量平均分子量8万のポリエチレンを水性懸
濁法で塩素化したもの(塩素含有量20重量%、融解熱
量7cal/g) CPE2:重量平均分子量6万のポリエチレンを水性懸
濁法で塩素化したもの(塩素含有量30重量%、融解熱
量7cal/g) CPE3:重量平均分子量8万のポリエチレンを水性懸
濁法で塩素化したもの(塩素含有量30重量%、融解熱
量17cal/g) CPE4:重量平均分子量25万のポリエチレンを水性
懸濁法で塩素化したもの(塩素含有量35重量%、融解
熱量0cal/g) CPE5:重量平均分子量8万のポリエチレンを水性懸
濁法で塩素化したもの(塩素含有量35重量%、融解熱
量5cal/g)CPE6:重量平均分子量8万のポリ
エチレンを水性懸濁法で塩素化したもの(塩素含有量4
5重量%、融解熱量3cal/g)CPE7:重量平均
分子量8万のポリエチレンを水性懸濁法で塩素化したも
の(塩素含有量10重量%、融解熱量21cal/g)
【0025】 ・未架橋ゴム物質 ENR50:エポキシ化天然ゴム(エポキシ化度50モル%) Kumpulan Guthrie BHD社製「エポキシプレン50」 ENR25:エポキシ化天然ゴム(エポキシ化度25モル%) Kumpulan Guthrie BHD社製「エポキシプレン25」 NR :天然ゴム マレーシア製「SMR−20」 SBR :スチレン−ブタジエン共重合ゴム 日本合成ゴム社製「SBR−1502」 NBR :アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム 日本合成ゴム社製「N−230S」 EPDM :エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム 三井石油化学工業社製「EPT−1045」 ECO :エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム ダイソー社製「エピクロマーC」
【0026】 ・樹脂物質 PE :ポリエチレン樹脂 三井石油化学工業社製「ハイゼックス 2100」 AS :アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂 ダイセル化学工業社製「セビアン N−020」 ABS :アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂 東レ社製「トヨラック 100」 PVC :ポリ塩化ビニル樹脂 日本ゼオン社製「103EP」
【0027】 ・高分子物質 PE−g−PS :エチレン−スチレングラフト共重合体 日本油脂社製「モディパー A−1100」 ESBS :エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体 ダイセル化学工業社製「エポフレンド AT−1020」
【0028】 ・滑剤:ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸 ・安定剤:ジブチル錫メルカプトプロピオネート ・加硫促進剤 TT :テトラメチルチウラムジスルフィド CZ :N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルス
ルフェンアミド M :2−メルカプトベンゾチアゾール TS :テトラメチルチウラムモノスルフィド MDCA:2−メルカプトベンゾチアゾールのジシクロ
ヘキシルアミン塩 ・加硫促進助剤:酸化マグネシウム、亜鉛華 ・加硫剤 硫黄 TTCA:2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジ
ン 但し、スレアリン酸は、加硫剤として硫黄を用いた場合
は、加硫促進剤としての作用も示す。
【0029】
【0030】[実施例1]150℃に温度設定したミキ
サー(ブラベンダー社製、W−50型)中でエポキシ化
天然ゴム(ENR50)50重量部を1分間素練りした
後、塩素化ポリエチレン(CPE1)50重量部、滑剤
(ステアリン酸カルシウム)1重量部、安定剤(ジブチ
ル錫メルカプトプロピオネート)1重量部、ステアリン
酸1重量部及び酸化マグネシウム5重量部をミキサー中
に投入した。これらを2分間混練した後、加硫促進剤
(TT)0.75重量部、加硫促進剤(CZ)1.25
重量部及び加硫剤(硫黄)0.15重量部をミキサー中
に投入して更に5分間混練を行い、得られた混練物をミ
キサーから取り出した。この時、混練物の温度は発熱に
より180〜190℃となっていた。この混練物を17
0℃に温度設定した2インチ2本ロールでシート化し、
ロールシート状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0031】このロールシートを170℃に温度設定し
たプレスで3分間予熱後3分間加圧し、ついで冷却する
ことにより、2mm厚のシートを成形し、打ち抜き型に
より打ち抜いて、JIS K−6301に示される3号
形ダンベル状試験片を得た。また、ロールシートを同様
の方法でプレスすることにより、JIS K−6301
に示される圧縮永久歪み試験用の円筒状試験片を得た。
【0032】[実施例2〜8]塩素化ポリエチレンの種
類及び割合、並びに各種添加剤の割合を、表1に示す値
に変え、その他の点は実施例1と同様の操作を行って、
熱可塑性エラストマー組成物を得、さらに試験片を得
た。
【0033】[実施例9]表1に示す配合材料全部を、
60℃に温度設定した6インチ2本ロールで混練し、得
られた混練物を160℃に温度設定したプレスで20分
間加圧した後、冷却した。得られたプレスシートを17
0℃に温度設定した2インチ2本ロールでシート化し、
ロールシート状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
その他の点は実施例1と同様の操作を行って試験片を得
た。
【0034】[比較例1〜3]表2に示す配合材料全部
を表2に示す割合で、150℃に温度設定したミキサー
中へ投入し、7分間混練した後、得られた混練物をミキ
サーから取り出した。その他の点は実施例1と同様の操
作を行って、熱可塑性エラストマー組成物を得、さらに
試験片を得た。
【0035】[比較例4〜7]表2に示す配合材料を表
2に示す割合で用いた点を除いて、実施例1と同様の操
作を行って、熱可塑性エラストマー組成物を得、さらに
試験片を得た。
【0036】[実施例10〜16]未架橋ゴム物質とし
て表3に示した各種ゴムを用い、他の配合材料として表
3に示すものを表3に示す割合で用いた点を除いて、実
施例1と同様の操作を行って、熱可塑性エラストマー組
成物を得、さらに試験片を得た。但し、表3において、
滑剤2重量部の場合にはステアリン酸カルシウムとステ
アリン酸をそれぞれ1重量部ずつ使用し、滑剤1重量部
の場合にはステアリン酸のみを使用した。
【0037】[実施例17〜22]表4に示す樹脂物質
(PE、AS又はPVC)、高分子物質(PE−g−P
S又はESBS)及び可塑剤(トリメリット酸トリオク
チル)を表4に示す割合で塩素化ポリエチレンと同時に
ミキサー中へ投入した点を除いて、実施例1と同様の操
作を行って、熱可塑性エラストマー組成物を得、さらに
試験片を得た。但し、表4において、滑剤2重量部の場
合にはステアリン酸カルシウムとステアリン酸をそれぞ
れ1重量部ずつ使用し、滑剤1重量部の場合にはステア
リン酸のみを使用した。
【0038】[性能試験]実施例及び比較例で得られた
各試験片に対し、JIS K−6301に記載の方法に
従って引張試験及び圧縮永久歪み試験を行った。引張試
験は引張強度500mm/分で行った。
【0039】試験結果を表1〜4に示す。
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】実施例及び比較例で得られた各熱可塑性エ
ラストマー組成物の評価は次の通りである。表1と表2
の比較から明らかなように、実施例1〜8の組成物は比
較例の組成物に較べ圧縮永久歪み性に優れている。実施
例9の組成物は実施例8と同一の配合材料を同一の割合
で用いたものであるが、静的加硫によって架橋されたゴ
ム物質が塩素化ポリエチレン中に均質に分散された組成
物であり、両者はほぼ同等の特性を示している。実施例
10〜16の組成物は、未架橋ゴム物質として各種ゴム
を用いた例を示すが、いずれも優れた圧縮永久歪み性を
有する。実施例17〜19の組成物は樹脂物質を含む例
で、上記特性を低下させずに硬度を容易に調整できる。
実施例20と21の組成物は相溶化剤となり得る高分子
物質を含む例であるが、ゴム弾性及びクリープ特性はさ
らに改善されている。実施例22の組成物は可塑剤を含
む例であるが、上記特性を低下させずに硬度を容易に調
整することができる。
【0044】これに対し、塩素化ポリエチレンをそのま
ま使用して得られた比較例1、3の組成物、及びゴム成
分が架橋されていない比較例2の組成物は、いずれも十
分な圧縮永久歪み性を有していない。架橋ゴム成分の割
合が大き過ぎる比較例4の組成物では加工性が著しく悪
化し、成形物が得られない。また、架橋ゴム成分の割合
が小さ過ぎる比較例5の組成物では充分な圧縮永久歪み
性が得られない。塩素化ポリエチレンの塩素含有量が低
く、結晶度の高過ぎる比較例6の組成物は硬度が高過ぎ
てエラストマー様とならない。塩素化ポリエチレンのみ
を架橋してゴム成分を架橋しない加硫剤を用いて得られ
た比較例7の組成物では、未架橋ゴム物質中に架橋され
た塩素化ポリエチレンが分散しているため、十分な引張
強度と圧縮永久歪み性は得られない。
【0045】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、以上のように構成されており、優れたゴム弾性と優
れたクリープ特性(永久伸び、圧縮永久歪み)とを共に
持っている。また、この組成物に樹脂物質を加えること
により容易に硬度の調節が可能である。従って、建築用
部材、自動車用内装材および外装材、電気・電子機器用
ゴム部品等の様々な分野への同組成物の応用が期待され
る。また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、塩
素化ポリエチレンと未架橋ゴム物質を、混練機中で予め
十分にブレンドした後、ゴム物質を架橋せしめ得る架橋
剤を添加し、混練しながらゴム物質を架橋せしめること
により、容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 55/02 C08L 55/02 101/00 101/00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有量15〜50重量%の塩素化ポ
    リエチレンと架橋ゴム物質とが前者対後者の重量比3
    0:70〜80:20で混合されており、架橋ゴム物質
    が塩素化ポリエチレン中に実質上均質に分散しているこ
    とを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化ポリエチレンが、示差走査型熱量
    分析による融解熱量2〜20cal/gの結晶度を有す
    る結晶性塩素化ポリエチレンである請求項1に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 架橋ゴム物質が、エチレン性不飽和結合
    を有するゴム物質である請求項1又は2に記載の熱可塑
    性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 組成物の硬度を調節し得る樹脂物質を含
    有する請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂物質がポリエチレン樹脂、アクリロ
    ニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブ
    タジエン−スチレン共重合樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂
    よりなる群から選ばれた樹脂又はこれらの2種以上の組
    合せである請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  6. 【請求項6】 塩素化ポリエチレンとゴム物質の相容化
    剤となり得る高分子物質を含有する請求項1から5のい
    ずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 塩素化ポリエチレンと未架橋ゴム物質を
    混練機中で予め十分にブレンドした後、ブレンド物にゴ
    ム物質を架橋せしめ得る架橋剤を添加し、混練しながら
    ゴム物質を架橋せしめることを特徴とする請求項1に記
    載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 塩素化ポリエチレンが、示差走査型熱量
    分析による融解熱量2〜20cal/gの結晶度を有す
    る結晶性塩素化ポリエチレンである請求項7に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 未架橋ゴム物質が、エチレン性不飽和結
    合を有するゴム物質である請求項7又は8に記載の熱可
    塑性エラストマー組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 さらに、混練機中に、組成物の硬度を
    調節し得る樹脂物質を投入する請求項7から9のいずれ
    かに記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 樹脂物質がポリエチレン樹脂、アクリ
    ロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−
    ブタジエン−スチレン共重合樹脂及びポリ塩化ビニル樹
    脂よりなる群から選ばれた樹脂又はこれらの2種以上の
    組合せである請求項7に記載の熱可塑性エラストマー組
    成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 さらに、混練機中に、塩素化ポリエチ
    レンとゴム物質の相容化剤となり得る高分子物質を投入
    する請求項7から11のいずれかに記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物の製造方法。
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JP2008056939A (ja) * 2007-10-15 2008-03-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物
CN112852028A (zh) * 2021-01-15 2021-05-28 河北皋端建材科技有限公司 一种运动地板用热塑性弹性体组合物及其制备方法

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