JP3600922B2 - 低硬度ゴム組成物及び低硬度ゴム成形物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多量の軟化剤を含む低硬度ゴム組成物でありながら加工性に優れ、ゴム弾性に富むゴム製品を製造することができるゴム組成物に関するもので、電子写真複写機等OA機器用ゴムロール、工業用ゴムパッキン等の用途に用いられるゴム組成物である。
【0002】
【従来の技術】
クロロスルフォン化ポリオレフィンは、機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、耐油性、耐候性等に優れたゴムであり、厳しい耐久性を必要とする用途で利用されている。一方、クロロスルフォン化ポリオレフィンは、ゴムそのものの加硫物基準硬度が高く、低硬度製品の製造が困難であった。一般に低硬度製品を製造するために、多量の軟化剤を配合し、またこれら軟化剤の表面ブリードを防止するためファクチスを配合する方法も検討されているが、ゴム組成物の加工性が劣り、得られた低硬度加硫物も機械的強度、耐熱性、ゴム弾性に乏しいものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電子写真複写機等OA用ゴムロール、工業用ゴムパッキン等の用途に使用されるゴム製品は、圧縮負荷のかかった状態で使用される場合が多く、圧縮永久歪、反発弾性等で示されるゴム弾性に優れた特性が求められている。このような要求において、高硬度製品は適当な配合処方等で対応が可能であるが、硬度(JISA)40゜以下のような低硬度品では、求める品の硬度とゴム弾性との両面を兼ね備える製品の製造が困難であり、これらの特性を両立するものが求められている。
【0004】
本発明は、硬度(JIS A)40゜以下、圧縮永久歪(70℃×22時間圧縮)30%以下の低硬度ゴム弾性を持つクロロスルフォン化ポリオレフィンの加硫成形物の製造を可能としたもので、低硬度でありながら加工性に優れ、非常にゴム弾性に富むゴム組成物及びゴム成形物に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、クロロスルフォン化ポリオレフィン100重量部に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量部、塩素化パラフィンを主成分とする軟化剤55〜80重量部を配合してなるゴム組成物が、加工性、流動性に優れ、低硬度製品でありながら機械的強度、耐熱性、ゴム弾性に富むことを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明の低硬度ゴム組成物は、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が80〜130のクロロスルフォン化ポリオレフィン100重量部に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量部、塩素化パラフィンを50重量%以上含む軟化剤55〜80重量部からなるものである。
【0008】
本発明に使用されるクロロスルフォン化ポリオレフィンは、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が80〜130のものであり、80未満の場合、加工中におけるゴム組成物のグリ−ン強度が小さく、混練機、加工機等への粘着トラブルを招く恐れがあり、130を越える場合、ゴム組成物に十分な可塑化を与えられず、加工時の流動性不良を招く結果となる。混練機、加工機等への粘着防止、流動性をバランスよく維持するために、ムーニー粘度ML1+4(100℃)は90〜110が好ましい。
【0009】
ムーニー粘度とは、ムーニー粘度計によって測定された未加硫ゴムの粘度であり、例えば、ML1+4(100℃) 97 とは、100℃でラージローターを用いて余熱1分、ローター始動後4分の粘度が97であることを意味する。
【0010】
本発明に使用されるクロロスルフォン化ポリオレフィンは、本発明の目的を阻害しなければ、特に限定するものでなく、例えば、特開平6−15764号公報等に示される方法により得ることができる。代表的なものとしては、例えば、ポリエチレンを塩素化、クロロスルフォン化して得られるクロロスルフォン化ポリエチレンがある。商品名としては、例えば、TOSO−CSM TS−930 (東ソー(株)製)、ハイパロン610、ハイパロン4085(デュポン(株)製)等が挙げられる。
【0011】
さらに、ポリオレフィンとして、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の共重合体を用いて塩素化、クロロスルフォン化して得られるクロロスルフォン化エチレン・ブテン−1共重合体、クロロスルフォン化エチレン・プロピレン共重合体、クロロスルフォン化エチレン・酢酸ビニル共重合体等であってもよい。
【0012】
本発明に使用される塩化硫黄ファクチスは、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油等の植物油と塩化硫黄とを加熱反応させて得られるゴム状弾性体の一種であり、例えば、通称白サブと呼ばれているものがこれに当たる。
【0013】
しかし、植物油と硫黄とを加熱反応物させて得られるゴム状弾性体である硫黄ファクチスは、本発明で述べる効果は得られない。
【0014】
塩化硫黄ファクチスの添加量は、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が80〜130のクロロスルフォン化ポリオレフィン100重量部に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量部用いる。20重量部未満では、本発明の規定する軟化剤55〜80重量部を添加すると、混練あるいは加工中におけるゴム組成物が混練機、加工機等への粘着トラブルを招き、また加硫物から軟化剤がブリードする恐れがある。50重量部を越えると、加硫成形物の耐熱性、圧縮永久歪等が劣る結果となる。混練機、加工機等への粘着防止、成形物のゴム弾性等をバランスよく維持するためには、30〜40重量部がさらに好ましい。
【0015】
さらに、この塩化硫黄ファクチスのアセトン抽出分が10重量%以下、遊離硫黄分が0.5重量%以下の塩化硫黄ファクチスを使用すれば、優れた耐熱性、圧縮永久歪等が得られるので好ましい。
【0016】
このような塩化硫黄ファクチスとしては、例えば、白サブ#1、白サブ#2、白サブS(天満サブ化工(株)製)等が挙げられる。
【0017】
本発明の軟化剤は、ゴムに可塑性を付与し、加工を容易にするために用いるものであり、例えば、クロロスルフォン化ポリオレフィンとの相溶性に優れるもので、塩素化パラフィン、エステル系可塑剤、ナフテン系プロセス油、アロマ系プロセス油等が挙げられ、軟化剤全量で55〜80重量部とし、塩素化パラフィンの占める割合が50重量%以上であればよく、その軟化剤の全量あるいは一部が塩素化パラフィンであってもよい。軟化剤が55重量部未満の場合、本発明で示すような低硬度ゴム成形物が得られず、80重量部を越えると該軟化剤を配合したゴム組成物のグリーン強度が著しく低下し、加工性が悪く、軟化剤のブリードが発生する恐れがある。
【0018】
また、塩素化パラフィン量が50重量%未満であると、混練あるいは加工中におけるゴム組成物のグリーン強度が著しく低下し、混練機、加工機等への粘着トラブルを招き、本発明に示す低硬度ゴム成形物が得られない。
【0019】
塩素化パラフィンは特に限定するものではなく、パラフィンの塩素化物で、塩素化度40%〜50%の常温で液状を示すものであればよい。商品名としては、例えば、トヨパラックスA−40、トヨパラックス145、トヨパラックス150(東ソー(株)製)、エンパラ40、エンパラK−45、エンパラK−50 (味の素(株)製)、モノサイザーW−40(大日本インキ化学工業(株)製)、アデカ・サイザーE−410、アデカ・サイザーE−450(アデカ・アーガス化学(株)製)等が挙げられる。塩素化パラフィンの配合は、総量において上記の性状を満足するものであればよく、併用も可能である。
【0020】
エステル系可塑剤は特に限定するものではなく、例えば、フタル酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジブチルフタレート等、アジピン酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジブチルアジペート等、アゼライン酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート等、セバシン酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−n−ブチルセバケート等、トリメリット酸誘導体として、ジ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート等が挙げられる。
【0021】
ナフテン系プロセス油は特に限定するものではなく、石油系軟化剤のナフテン系炭化水素を主成分とする油であり、商品名として、例えばダイアナプロセスオイルNS−24(出光興産(株)製)、共石プロセスR−50(共同石油(株)製)、サンセン4240(日本サン石油(株)製)、コーモレックス#2(日本石油(株)製)等が挙げられる。
アロマ系プロセス油は特に限定するものではなく、石油系軟化剤のアロマ系炭化水素を主成分とする油であり、商品名として、例えばダイアナプロセスオイルAH−16(出光興産(株)製)、共石プロセスX−100(共同石油(株)製)、コーモレックス#300(日本石油(株)製)、ペトレックスLPO−R(山文油化(株)製)等が挙げられる。
【0022】
本発明の低硬度ゴム組成物には、既に記載のものの他に、必要に応じて補強剤、充填剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、加工助剤、老化防止剤等の配合剤を適宜配合することができる。
【0023】
補強剤は、カーボンブラック、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム等が挙げられ、10〜60重量部用いられる。充填剤は、炭酸カルシウム、クレー (ケイ酸アルミニウム)、タルク(ケイ酸マグネシウム)、硫酸バリウム等が挙げられ、10〜60重量部用いられる。加硫剤は、酸化マグネシウム、N,N´−m−フェニレンジマレイミド等が挙げられ、0.5〜10重量部用いられる。加硫助剤は、ペンタエリスリトール等が挙げられ、0.5〜5重量部用いられる。加硫促進剤は、チオ尿素系(エチレン・チオ尿素、トリメチル・チオ尿素等)、チウラム系(ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド等)、グァニジン系(ジフェニル・グァニジン、ジ・オルトトリル・グァニジン等)等が挙げられ、0.1〜5重量部用いられる。加硫遅延剤は、チアゾール系(2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾール・ジスルフィド等)等が挙げられ、0.1〜2重量部用いられる。加工助剤は、パラフィン・ワックス、ポリエチレン・ワックス、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等が挙げられ、0.5〜10重量部用いられる。老化防止剤は、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、フェノール系、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられ、0.5〜5重量部用いられる。
【0024】
本発明のゴム組成物は、クロロスルフォン化ポリオレフィン、塩化硫黄ファクチス、軟化剤等を所定の割合で配合し、さらに必要に応じて、補強剤、充填剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、加工助剤、老化防止剤等の配合剤を適宜配合したものを密閉式混合機(バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックス等)、又は開放式混合機(オープンミル等)で混練することにより得られる。
【0025】
ゴム成形物は、この混練されたゴム組成物を、目的とした形状にプレス加硫法、又は釜加硫法によって加硫することにより得られる。
【0026】
本発明の低硬度ゴム成形物は、例えば、低硬度でありながら圧縮永久歪、反発弾性等で示されるゴム弾性に優れた特性が必要とされる電子写真複写機等のOA機器用ゴムロール、工業用ゴムパッキンとして適している。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明を以下の実施例によってさらに詳しく説明するが、これは本発明の理解を助けるための例であり、本発明はこれらの実施例により何等制限を受けるものではない。
【0028】
以下の実施例、比較例において得られた低硬度ゴム組成物の加工性、流動性等と低硬度ゴム成形物の外観、硬度、引張強度、圧縮永久歪等を、以下の方法でそれぞれ測定及び評価した。
【0029】
<加工性>
ゴム組成物をオープンロールで混練りを行い、ロール粘着性を観察した。
【0030】
<流動性>
ゴム組成物を加硫成形する際に金型内での流動性を観察した。
【0031】
<外観>
150mm×150mm×2mmのシート状の成形物を23℃の恒温室に24時間放置し、シート表面のブリードの有無を観察した。
【0032】
<硬度>
80mm×50mm×10mmの試料を用い、JIS K 6301に準拠し、硬度計(JIS A)で測定した。
【0033】
<引張強度>
150mm×150mm×2mmのゴムシートからJIS3号ダンベル形状の打ち抜き刃で打ち抜き、試験用の試料とし、JIS K 6301に準拠し、引張試験を行った。
【0034】
<圧縮永久歪>
直径29mm、厚み12.7mmの円柱形のサイズの試料を用い、JIS K6301に準拠し、70℃×22時間、25%圧縮率での残留歪より求めた。
【0035】
【実施例】
【0036】
【表1】
【0037】
実施例1〜6
表1に示す配合に従い、オープンミルへ、クロロスルフォン化ポリエチレン (東ソー(株)製:TOSO−CSM・TS−930,ムーニー粘度ML1+4(100℃);97)を巻き付け後、加硫剤(キョーマグ#150:協和化学工業(株)製)、塩化硫黄ファクチス(白サブ#1:天満サブ化工(株)製)、加工助剤(ステアリン酸700:新日本理化ノクラック(株)製、サンノックN:大内新興化学工業(株)製)を添加する。次に、補強剤(アサヒサーマル:旭カーボン(株)製)、軟化剤(トヨパラックスA−40:東ソー(株)製、DOP:(株)大八化学工業所製、コモレックス#2:日本石油(株)製)等を添加する。最後に、加硫促進剤(ノクセラーTRA、バルノックPM:大内新興化学工業(株)製)、加硫助剤(ノイザイラーP:日本合成化学(株)製)、老化防止剤(ノクラックNBC:大内新興化学工業(株)製)等を配合し、ゴム組成物を作成した。
【0038】
この該ゴム組成物をオープンミルでシート状に分出して、各種試験用にプレス成形する。
【0039】
引張試験用には、150mm×150mm×2mmの金型を用い160℃×20分プレス成形する。また、圧縮永久歪測定用には、直径29mm、厚み12.7mmの直円柱形金型を用い160℃×25分プレス成形する。さらに、硬度測定用には、80mm×50mm×10mmの金型を用い160℃×25分プレス成形する。
【0040】
組成物の加工性、流動性、成形品の外観、硬度、引張強度、圧縮永久歪の結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例1〜6のゴム組成物は、加工性、流動性に優れ、さらに該ゴム組成物を成形してなる加硫物は低硬度でありながら引張強度、圧縮永久歪に富み、満足するものが得られた。
【0043】
参考例1 クロロスルフォン化ポリエチレンの製造例1
ムーニー粘度ML1+4(100℃) 124のクロロスルフォン化ポリエチレンは、次の方法で合成した。30 lのオートクレーブにメルトインデックス0.90g/10分、密度0.960g/cm3の高密度ポリエチレン(ニポロンハード5110、東ソー(株)製)を1.4kgと、1,1,2−トリクロロエタンを28kg仕込んだ。クロロスルホン化反応の助触媒としてピリジンを0.15g添加した後、120℃で2時間保持することによってポリエチレンを均一に溶解した。次にラジカル開始剤として7gのα,α´−アゾビスイソブチルロニチリルを加え、亜硫酸ガスと塩素ガス用いてクロロスルホン化反応物を得た。この溶液を加熱したドライヤーで溶剤をストリップし、クロロスルフォン化ポリエチレンを得た。得られたクロロスルフォン化ポリエチレンは、ムーニー粘度ML1+4(100℃) 124であった。
【0044】
実施例7
表1に示す配合に従い、参考例1のクロロスルフォン化ポリエチレン(ムーニー粘度ML1+4、100℃ 124)を使用した他は、実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表2に示す。
【0045】
加工性、流動性に優れ、さらに該ゴム組成物を成形してなる加硫物は低硬度でありながら引張強度、圧縮永久歪に富み、満足するものが得られた。
【0046】
【表3】
【0047】
比較例1
表3に示す配合に従い、クロロスルフォン化ポリオレフィンとして、東ソー (株)製 TOSO−CSM・TS−530(ムーニー粘度ML1+4(100℃) 56)のクロロスルフォン化ポリエチレンを使用した以外は、実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
混練り時のロ−ル粘着が激しく加工性が悪く、所定のゴム成形物を得ることが出来なかった。
【0050】
参考例2 クロロスルフォン化ポリエチレンの製造例2
ムーニー粘度ML1+4(100℃) 145のクロロスルフォン化ポリエチレンは、次の方法で合成した。30 lのオートクレーブにメルトインデックス0.85g/10分、密度0.958g/cm3の高密度ポリエチレン(ニポロンハード5400、東ソー(株)製)を1.4kgと、1,1,2−トリクロロエタンを28kg仕込んだ。クロロスルホン化反応の助触媒としてピリジンを0.15g添加した後、120℃で2時間保持することによってポリエチレンを均一に溶解した。次にラジカル開始剤として7gのα,α´−アゾビスイソブチルロニチリルを加え、亜硫酸ガスと塩素ガス用いてクロロスルホン化反応物を得た。この溶液を加熱したドライヤーで溶剤をストリップし、クロロスルフォン化ポリエチレンを得た。得られたクロロスルフォン化ポリエチレンは、ムーニー粘度ML1+4(100℃) 145であった。
【0051】
比較例2
表3に示す配合に従い、参考例2のクロロスルフォン化ポリエチレン(ムーニー粘度ML1+4、100℃ 145)を使用した他は、実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0052】
加硫ゴムを得る成形工程に於いて組成物の流動性が悪く、所定の成形物を得ることが出来なかった。
【0053】
比較例3
表3に示す配合に従い、軟化剤全量中に50重量%以上の塩素化パラフィンが存在しないことを除き、実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0054】
混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪く、また成形物に軟化剤のブリ−ドが認められ、所定の成形物を得ることができなかった。
【0055】
比較例4
表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチス10重量部を使用した以外は実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0056】
混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪く、また成形物に軟化剤のブリードが認められ、所定の成形物を得ることができなかった。
【0057】
比較例5
表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチスを使用せず、軟化剤として塩素化パラフィンのみにした他は、実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0058】
混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪く、また成形物に軟化剤のブリードが認められ、所定の成形物を得ることができなかった。
【0059】
比較例6
表3に示す配合に従い、軟化剤全量が100重量部である以外は実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0060】
混練り時のロール粘着が激しく加工性が悪く、また成形物に軟化剤のブリードが認められ、所定の成形物を得ることが出来なかった。
【0061】
比較例7
表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチスの代わりに硫黄ファクチスを45重量部使用した以外は、実施例1と同様の条件で評価し、その結果を表4に示す。
【0062】
混練り時のロール粘着も無く加工性に優れるが、成形物の圧縮永久歪が大きく、満足するものが得られなかった。
【0063】
比較例8
表3に示す配合に従い、軟化剤全量が50重量部である以外は実施例1と同様の条件で評価し、その結果を表4に示す。
【0064】
混練り時のロール粘着も無く加工性に優れるが、成形物の硬度が高く、満足するものが得られなかった。
【0065】
比較例9
表3に示す配合に従い、塩化硫黄ファクチス55重量部を使用した以外は実施例1と同様の条件で評価を行い、その結果を表4に示す。
【0066】
混練り時のロール粘着も無く加工性に優れるが、成形物の圧縮永久歪が大きく、満足するものが得られなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は硬度(JIS A)40゜以下、圧縮永久歪(70℃×22時間圧縮)30%以下の低硬度ゴム弾性を持つクロロスルフォン化ポリオレフィンの加硫物の製造を可能としたもので、低硬度でありながら加工性に優れ、かつまた非常にゴム弾性に富む低硬度ゴム組成物及び低硬度ゴム成形物に関するものであり、電子写真複写機等OA用ゴムロール、工業用ゴムパッキン等の用途に好適である。
【0068】
Claims (3)
- ムーニー粘度ML1+4(100℃)が80〜130のクロロスルフォン化ポリオレフィン100重量部に対し、塩化硫黄ファクチス20〜50重量部、塩素化パラフィンを50重量%以上含む軟化剤55〜80重量部からなることを特徴とする低硬度ゴム組成物。
- 請求項1記載の塩化硫黄ファクチスが、アセトン抽出分10重量%以下、遊離硫黄分0.5重量%以下のものであることを特徴とする請求項1記載の低硬度ゴム組成物。
- 請求項1又は請求項2記載の低硬度ゴム組成物を成形してなる、成形物の硬度(JIS A)が40゜以下、圧縮永久歪(70℃×22時間圧縮)が30%以下であることを特徴とする低硬度ゴム成形物。
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