JPH06136207A - オイルブリード性塩素化エチレン・α−オレフィン共 重合ゴム組成物 - Google Patents

オイルブリード性塩素化エチレン・α−オレフィン共 重合ゴム組成物

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JPH06136207A
JPH06136207A JP28476392A JP28476392A JPH06136207A JP H06136207 A JPH06136207 A JP H06136207A JP 28476392 A JP28476392 A JP 28476392A JP 28476392 A JP28476392 A JP 28476392A JP H06136207 A JPH06136207 A JP H06136207A
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JP
Japan
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copolymer rubber
olefin copolymer
oil
chlorinated ethylene
weight
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Withdrawn
Application number
JP28476392A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Matsuo
嘉英 松尾
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Keiji Okada
圭司 岡田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水シール性に優れ、圧縮永久歪、耐熱老化
性にも優れたオイルブリード性ゴム製品を得る。 【構成】 塩素含量が20ないし40重量%であり、ム
ーニー粘度[ML1+4 (121℃)]が10ないし190であ
る塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重
量部と、パラフィン系プロセスオイル10ないし60重
量部とを必須成分とする組成物。 【効果】 上記組成物からの加硫ゴム表面には油膜が生
成され防水シール性が向上される。本発明のゴム組成物
は電気回路のコネクター、パッキング、ハウジング材の
成形材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オイルブリ−ド性塩素
化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物に関する
ものであって、より詳しくは、自動車用あるいは工業部
品の防水、電気絶縁材料として好適に使用される耐オイ
ルブリード性塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムは、耐熱老化性、耐油性、耐寒性に優れることか
ら、自動車用あるいは工業用ゴム部品等に多用されてい
る。ところが、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムは電気絶縁性であるが、水をかぶると表面が濡れて
しまい、その結果電気絶縁性が損なわれるといった欠点
があり、この欠点のため、厳しい電気絶縁性を要求され
る、電気回路のコネクター、パッキング、ハウジング等
の部品等の用途には使用できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、水をかぶっても表面が濡れず、従って、電気絶縁性
を損なわない塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム組成物を求めて研究を重ねた結果、上記特性を得るた
めには少量の特定のオイルが製品表面にブリードアウト
すれば良いことを見いだし発明を完成した。
【0004】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、上記の厳しい
電気絶縁性が要求される、電気回路のコネクター、パッ
キング、ハウジング等の部品への成形が可能なゴム組成
物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであって、特定のエチレン
−α−オレフィン共重合体ゴムに、特定のオイルを特定
量配合することを特徴とするものである。すなわち、本
発明によれば、塩素含量が20ないし40重量%であ
り、ムーニー粘度[ML1+4 (121℃)]が10ないし19
0である塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム1
00重量部と、パラフィン系プロセスオイル20ないし
60重量部を必須成分とするオイルブリード性塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物が提供され
る。
【0006】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムの塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体のα
−オレフィンは、炭素数で3ないし10であり、エチレ
ンとαオレフィンの割合が、モル基準でエチレン/α−
オレフィン=75/25ないし95/5であることが好
適である。
【0007】パラフィン系プロセスオイルとしては、環
分析でパラフィン含量が50重量%以上であり、動粘度
が40℃の測定で20ないし800 cStの範囲にあるこ
とを特徴とする、鉱物油系あるいは合成系プロセスオイ
ルが好適である。
【0008】
【作用】本発明のオイルブリード性塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴム組成物は、前記塩素含量とムー
ニー粘度を有する塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムとパラフィン系プロセスオイルを必須成分とし、
該塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重
量部に対し、該パラフィン系プロセスオイルを10ない
し60重量部含むことを特徴とするものであるが、本発
明の組成物が厳しい条件で何故電気絶縁性が優れるかは
未だ明確ではないが、ブリードしたオイルが薄い膜とな
り、水分の浸入を防ぐことにより達成できるものと推定
される。
【0009】
【発明の具体的説明】本発明に使用される塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴム及びパラフィン系プロセ
スオイルは、次の通りである。
【0010】<塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム>本発明に使用される塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴムは、塩素含量が20ないし40重量%で
あり、ムーニー粘度[ML1+4 (121℃)]が10ないし1
90である塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
である。
【0011】塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重
合体のα−オレフィンは、炭素数で3ないし10のもの
が好ましい。とりわけ、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−ペンテン−1、ヘキセンが好ましい。エチレン
とα−オレフィンの割合が、モル基準でエチレン/α−
オレフィン=75/25ないし95/5であることが好
ましい。
【0012】エチレン・α−オレフィン共重合体は上記
の成分の他に、他の重合可能な成分を共重合していても
よく、特にエチレン/α−オレフィン単位の総重量10
0gに対し、5−ビニル−2−ノルボルネンを最大30
mmol含有しているのが好ましい。エチレン・α−オ
レフィン共重合体は、上記各成分をランダム重合させて
得られたゴム状重合体が好適である。
【0013】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは上記により得られたエチレン・α−オレフィン共重
合体を塩素化することにより得られる。
【0014】上記共重合体の塩素化は、例えば、共重合
体を粉砕して細粒化し、この細粒を水性懸濁状態にし
て、約70ないし90℃の温度で分子状塩素と接触させ
る方法、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロルエチ
レンのような塩素に対して安定な溶媒中に共重合体を溶
解し、均一な溶液状態として分子状塩素と接触させる方
法、あるいはN−クロルアセトアミド、N−クロルサク
シイミド、1,3−ジクロル−5,5−ジメチルヒダン
トインのような塩素化合物をロールやバンバリーなどで
共重合体中に均一に練り込み、塩素を遊離する温度に加
熱する方法などによって行なわれ、特に、四塩化炭素、
クロロホルムなどのハロゲン系溶媒中で、ラジカル開始
剤の存在下に塩素を吹き込む方法が好ましい。
【0015】塩素化反応後は、次のようにして処理され
る。水性懸濁状態での塩素化の場合、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴムは、水洗を行なうことにより
分子状塩素、副生する塩化水素を除いた後に、乾燥させ
る。溶液状態での塩素化の場合には、反応溶液を過剰の
メタノールなどの塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムの貧溶媒中に投入し、沈澱物を濾過し、該貧溶媒
で洗浄し乾燥させる。
【0016】本発明で使用する塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムは、塩素含量として20ないし40
重量%、好ましくは25ないし35重量%であり、この
範囲になるように塩素化が行なわれる。またムーニー粘
度[ML1+4 (121℃)]は、物性、作業性の見地から10
ないし190、好ましくは20ないし150、さらに好
ましくは30ないし120のものが使用される。
【0017】ここで、塩素含量があまりに小さいと、塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの特徴たる耐
油性が発現せず、かつ、所望のオイルブリード性が発現
しない。一方、あまりに大きいと耐熱老化性の低下が生
じる。ムーニー粘度があまりに小さいと強度特性が発現
せず、一方、あまりに大きいと加工性が著しく低下す
る。
【0018】<パラフィン系オイル>パラフィン系オイ
ルは、環分析でパラフィン含量が50重量%以上であ
り、好ましくは60重量%以上、動粘度は40℃の測定
で20ないし800 cStの範囲、好ましくは40ないし
600 cStの範囲にある、鉱物油系あるいは合成系プロ
セスオイルが好適に使用される。
【0019】パラフィン含量が50重量%未満の場合
は、所望のオイルブリード性が発現しない。また、動粘
度が20 cSt未満の場合は、耐熱老化性が低下し、一
方、800 cStを超える場合は加工性が低下する。
【0020】<オイルブリード性塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム組成物>本発明のオイルブリ−ド
性塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
(以下、「ゴム組成物」という)においては、塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部にたい
しパラフィン系プロセスオイルは、10ないし60重量
部配合されることが、本発明の目的を達する上で必要で
あり、より好ましくは20ないし50重量部が配合され
る。
【0021】上記比率において該パラフィン系プロセス
オイルが10重量部未満の場合は、目的とするオイルブ
リ−ド性が得られず、60重量部を超える場合は、オイ
ルブリ−ドがあまりに大きくなり製品を製造したり部品
に組み込む際に不具合を生じる。
【0022】本発明のゴム組成物は、意図する加硫物の
用途、それに基づく性能に応じてそれ自体公知の配合
剤、例えば、加硫剤、加硫助剤、ゴム用補強剤、顔料、
充填剤、軟化剤、金属活性化剤、スコーチ防止剤、塩酸
吸収剤、老化防止剤、加工助剤などを配合することがで
きる。
【0023】本発明では、ゴム組成物中にしめる塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムとパラフィン系プ
ロセスオイルの総量は、意図する加硫物の性能、用途に
応じて適宜選択されるが、通常40重量%以上、好まし
くは50重量%以上である。
【0024】本発明のゴム組成物の加硫方法としては、
トリアジン加硫、有機過酸化物加硫が適当である。トリ
アジン加硫を行なう場合、加硫剤としては、下記一般式
で表わされるトリアジンチオール類などの化合物が使用
される。
【0025】
【化1】 (式中、R1 は−NR23 、−OR2 または−SR2
を表わし、ここでR2 およびR3 は、それぞれ水素原
子、未置換もしくは置換アルキル基、または未置換もし
くは置換アリール基を表わすものとする。)
【0026】かかる一般式で表わされるトリアジン化合
物として具体的には、トリアジン−2,4,6−トリチ
オ−ル、2−ジブチルアミノトリアジン4,6−ジチオ
ール、2−フェニルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
ール、2−ヘキシルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
ール、2−ジエチルアミノトリアジン−4,6−ジチオ
ール、2−ブトキシトリアジン−4,6−ジチオールな
どを挙げることができる。
【0027】加硫剤は、塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴム100gに対して1×10-3ないし2.5
×10-2モル、好ましくは1.5×10-3ないし2×1
-2モル、さらに好ましくは3×10-3ないし1.3×
10-2モルの割合で配合される。
【0028】加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場
合には、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られず、ま
た上記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し、実用
に供し難くなる傾向がある。
【0029】加硫剤としてトリアジン化合物を使用する
ときは加硫助剤が添加される。加硫助剤は加硫速度を加
工成形上実用的なものとするために添加される。加硫助
剤としては、酸解離定数(pKa)が7以上の有機塩
基、あるいは有機塩基を発生しうる化合物が使用され
る。
【0030】これらの加硫助剤としては1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ラウリルアミ
ン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモ
ルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸
ピペリジン塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド、安息香酸・ピペリジン塩、安息
香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、ジフェニルグアニジ
ン、ジオルトトリルグアニジン、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、ヨウ化テトラメチルスルフォニウム、塩化テトラ
メチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、
臭化テトラブチルアンモニウム、ジステアリルジメチル
アンンモニウムクロライドなどのオニウム塩が例示でき
る。
【0031】加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム100gに対して5×10-4ないし2×
10-2モル、好ましくは1×10-3ないし1×10-2
ル、1種単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0032】有機過酸化物による加硫を行なう場合、加
硫剤としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキ
シド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、第三ジブチルヒドロペルオキシドを
例示できるが、なかでもジクミルペルオキシド、ジ第三
ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましく使用され
る。
【0033】有機過酸化物の使用量は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100gに対して、通常3
×10-4ないし5×10-2モル、好ましくは1×10-3
ないし3×10-2モルの範囲が好ましい。
【0034】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては、硫
黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、
エチレングリコ−ルジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレートなどのアクリル系、ジアリ
ルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリ
ル系、その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどが例
示される。
【0035】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対し0.5ないし2モル、好ましくは均等
モル使用する。
【0036】ゴム用補強剤としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カーボンブラック、微粉けい酸などが適宜用
いられる。
【0037】充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−などが用いら
れる。
【0038】これらの補強剤及び充填剤の配合量は、所
望の製品により適宜選択されるが、いずれも塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、通常200重量部以下、好ましくは150重量部以
下用いられる。
【0039】また軟化剤としては、本発明における基本
要件たる特定のパラフィン系プロセスオイルが用いられ
るが、必要に応じ既存の軟化剤を用いてかまわない。そ
のような軟化剤としては、例えば、ヒマシ油、ナタネ
油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油、トール油、蜜ロウ、
カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、リシノール
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、またはその
金属塩、ナフテン酸またはその金属石鹸、パイン油、ロ
ジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン、ジオ
クチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチル
セバケートなどのエステル系可塑剤、その他マイクロク
リスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブ
タジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコールな
どを挙げることができる。
【0040】これらの軟化剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択されるが、いずれも塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、通常10
0重量部以下、好ましくは70重量部以下用いられる。
【0041】金属活性化剤としては、酸化マグネシウ
ム、高級脂肪酸亜鉛、鉛丹、リサージ、酸化カルシウ
ム、ハイドロタルサイトなどを使用しうる。
【0042】これらの金属活性化剤は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、通
常3ないし15重量部、好ましくは5ないし10重量部
の範囲で用いられる。
【0043】スコーチ防止剤としては、公知のスコーチ
防止剤を用いることができ、無水マレイン酸、チオイミ
ド系化合物、スルフェンアミド系化合物、スルフォンア
ミド系化合物などを例示できる。上記成分は、塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、通常0.2ないし5重量部、好ましくは0.3ない
し3重量部の範囲で用いられる。
【0044】塩酸吸収剤としては、周期律表第IIA族金
属の酸化物および有機酸塩が用いられ、例えば、ステア
リン酸マグネシウム、マグネシア、ステアリン酸カルシ
ウム、マナセアイト、ハイドロタルサイト、エポキシ化
大豆油、エポキシ系塩酸吸収剤などが例示できる。これ
らの塩酸吸収剤は、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム100重量部に対して、通常10重量部以下の
量で適宜配合できる。
【0045】また本発明のゴム組成物は、老化防止剤を
使用しなくても、優れた耐熱性、耐久性を示すが、なお
老化防止剤を使用すれば、本発明のゴム組成物を用いた
製品の材料寿命を長くすることが可能であることも通常
のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用され
る老化防止剤としては、例えばフェニルブチルアミン、
N,N’ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンな
どの芳香族第二アミン軽、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタンなどのフ
ェノール系安定剤、ビス[2−メチル−4−(3−n−
アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフ
ェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安定剤、ジブ
チルジチオカルバミン酸ニッケルなどのなどのジチオカ
ルバミン酸塩系安定剤などが単独あるいは2種以上の併
用で配合される。このような老化防止剤の使用量は、塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部
に対して、通常0.1ないし5重量部、好ましくは0.
5ないし3重量部の割合である。
【0046】次に加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用されるものが使用でき、リシノール酸、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記
酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエ
ステル類などを例示できる。これらの加工助剤は通常の
場合には、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
100重量部に対して、約10重量部まで、好ましくは
約1ないし5重量部用いられる。
【0047】さらに、製品によっては、顔料が使用され
る。顔料としては公知の無機顔料(例えばチタンホワイ
ト)、有機顔料(例えばナフトールグリーンB)が使用
される。これらの顔料の使用量は、製品により異なる
が、最大20重量部、好ましくは最大10重量部使用さ
れる。
【0048】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム組成物は、例えば次のような方法で調整する
ことができる。本発明の必須成分である塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム、特定のパラフィン系プロ
セスオイルに加え、補強剤、充填剤、軟化剤、顔料など
の添加剤をバンバリーミキサーの如きミキサー類を用い
て約80℃ないし170℃の温度で約3ないし10分間
混練した後、加硫剤、加硫助剤をオープンロールの如き
ロール類を用いて追加混合し、ロール温度約40℃ない
し80℃で約3ないし30分間混練して部出し、リボン
状またはシート状のゴム配合物を調製する。
【0049】このようにして調製された未加硫ゴム配合
物は、押出機、カレンダーロール、プレス、射出成形
機、トランスファー成形機などにより所望の形状に成形
され、成形と同時にまたはその成形品を加硫槽内で、通
常約150℃ないし270℃で約1ないし30分間加熱
する方法により加硫される。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムはそれ自体で、耐熱老化性、耐寒
性、電気絶縁性を示し、パラフィン系プロセスオイル
は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムに配合
されたのち、その一部が製品の表面ブリードアウトする
ことにより防水シール性を確実なものとする。従って、
厳しい条件下での電気絶縁性を要求される電気回路のコ
ネクター、パッキング、ハウジング成形用のポリマーと
して好適に用いられる。
【0051】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。実施例1 まず表−1に示す配合剤を4.3l バンバリーミキサー
(神戸製鋼社製)で5分間混練しダンプアウトした。つ
いでダンプアウトした混練物を14インチオープンロー
ル(日本ロール社製)に巻き付けた。このときロール表
面温度は、前ロール60℃、後ロール70℃であった。
このオープンロール上で表−2に示す配合剤を添加し2
分間混練したのち、厚さ3mmでシート出しした。この配
合ゴムを用い、JIS K 6300未加硫ゴム物理試
験法に従って、125℃でムーニー粘度を測定した。ま
た、この配合ゴムを160℃−20分間でプレス加硫し
2mm厚の加硫ゴムシートを用い、JIS K 6301
加硫ゴム物理試験方法に従って25℃雰囲気下で引張強
さ、伸び、硬さを測定した。同じく、JIS K 63
01に基づき圧縮永久歪と耐熱老化性を試験した。老化
温度は150℃であり、老化時間は70時間とした。さ
らに、JIS K 6301に基づき耐油試験を行なっ
た。浸漬温度は150℃であり、浸漬時間は70時間で
あった。次に、熱さ2mmの加硫ゴムシートを25℃雰
囲気下に置き、オイルブリードの有無を目視と触手によ
り経時的に最長1時間まで観察し、オイルブリードの開
始までの時間を記録した。これらの測定結果を表3に示
す。
【0052】 1)エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[(ML1+4 、(121℃)] 70 塩素含量 32wt% 2)商品名:ダイアナプロセスオイルPW−90 [出光
興産] 環分析 パラフィン含量 71wt% 動粘度 96cSt 3)商品名:ミストロンベーパータルク[日本タルク] 4)商品名:キョウワマグ150 [協和化学] 5)商品名:DOS[三建化工]
【0053】
【0054】実施例2 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[(ML1+4 、(121℃)] 50 塩素含量 27wt% 結果は、表3に示す。
【0055】実施例3 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[(ML1+4 、(121℃)]120 塩素含量 35wt% 結果は、表3に示す。
【0056】実施例4 実施例1において、パラフィン系プロセスオイルとして
下記性状のものを用いた以外は、実施例1と同様に行な
った。 商品名 ダイアナプロセスオイルPW−380[出光興
産] 環分析 パラフィン含量 73wt% 動粘度 382cSt 結果は、表3に示す。
【0057】実施例5 実施例1において、パラフィン系プロセスオイルとして
下記性状のものを用いた以外は、実施例1と同様に行な
った。 商品名 ルーカントHC−40[三井石油化学] 環分析 パラフィン含量 100wt% 動粘度 380cSt 結果は、表3に示す。
【0058】比較例1 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[(ML1+4 、(121℃)] 5 塩素含量 27wt% 結果は、表3に示す。
【0059】比較例2 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[(ML1+4 、(121℃)] 70 塩素含量 15wt% 結果は、表3に示す。
【0060】比較例3 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[(ML1+4 、(121℃)]150 塩素含量 43wt% この場合、混練中にオイルがブリードし、加工性が著し
く悪化した。
【0061】実施例6 実施例2において、パラフィン系プロセスオイルの配合
量を40重量部にした以外は実施例2と同様に行なっ
た。結果は、表3に示す。
【0062】比較例4 実施例1において、パラフィン系プロセスオイルを用い
なかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果は、
表3に示す。
【0063】比較例5 実施例1において、パラフィン系プロセスオイルを10
0重量部用いた以外は、実施例1と同様に行なった。こ
の場合、混練中にオイルがブリードし、加工性が著しく
悪化した。
【0064】比較例6 実施例1において、パラフィン系プロセスオイルの代わ
りに以下の性状のナフテン系プロセスオイルを用いた以
外は、実施例1と同様に行なった。 商品名 サンセン4240[日本サン石油] 環分析 パラフィン含量 42wt% 動粘度 360cSt 結果は、表3に示す。
【0065】
【0066】
【0067】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含量が20ないし40重量%であ
    り、ムーニー粘度[ML 1+4 (121℃)]が10ないし19
    0である塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム1
    00重量部と、パラフィン系プロセスオイル10ないし
    60重量部とを含むオイルブリード性塩素化エチレン・
    α−オレフィン共重合ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
    ゴムの塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体の
    α−オレフィンが、炭素数で3ないし10であり、エチ
    レンとα−オレフィンの割合が、モル基準でエチレン/
    α−オレフィン=75/25ないし95/5である請求
    項1に記載のオイルブリード性塩素化エチレン・α−オ
    レフィン共重合ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 パラフィン系プロセスオイルが、環分析
    でパラフィン含量が50重量%以上であり、動粘度が4
    0℃の測定で20ないし800 cStの範囲にある請求項
    1に記載のオイルブリード性塩素化エチレン・α−オレ
    フィン共重合ゴム組成物。
JP28476392A 1992-10-22 1992-10-22 オイルブリード性塩素化エチレン・α−オレフィン共 重合ゴム組成物 Withdrawn JPH06136207A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6337364B1 (en) 1999-02-10 2002-01-08 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Low modulus of elasticity-rubber composition
JP2014159505A (ja) * 2013-02-19 2014-09-04 Nippon Valqua Ind Ltd シール材用ゴム組成物及びこれを用いたシール材

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US6337364B1 (en) 1999-02-10 2002-01-08 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Low modulus of elasticity-rubber composition
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