JPH0665455A - 加硫接着性ゴム組成物 - Google Patents

加硫接着性ゴム組成物

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JPH0665455A
JPH0665455A JP22301592A JP22301592A JPH0665455A JP H0665455 A JPH0665455 A JP H0665455A JP 22301592 A JP22301592 A JP 22301592A JP 22301592 A JP22301592 A JP 22301592A JP H0665455 A JPH0665455 A JP H0665455A
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JP
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sulfur
olefin copolymer
rubber
copolymer rubber
chlorinated ethylene
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JP22301592A
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Inventor
Yoshihide Matsuo
嘉英 松尾
Keiji Okada
圭司 岡田
Yoshiharu Kikuchi
義治 菊地
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充分な耐油性と、耐熱老化性や耐候性を有
し、しかも銅または銅を含有する合金との良好な接着性
を有する加硫接着性ゴム組成物を提供することにある。 【構成】 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
に硫黄または硫黄系化合物とケイ酸またはその塩を配合
する。トリアジン系化合物を配合すると、さらに好まし
い効果をもたらす。なお、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴムは、塩素含量が20ないし40重量%で
あり、ムーニー粘度[ ML1+4 、(121℃)] が10ない
し190であるものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫黄または硫黄系化合
物を含有する塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム組成物に関するものであって、より詳しくは、銅また
は銅を含有する合金等との加硫接着が可能な塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用のゴムホ−ス類等の銅または銅
を含有する合金との加硫接着が必要とされる材料として
は、物性のバランスの良いクロロプレンゴム(CR)が
多く使用されている。ところが近年の車の高性能化に伴
い、ゴムホ−スの使用される環境は益々厳しくなり、更
に高い耐環境老化性を求められる場合が増えてきてい
る。
【0003】エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPD
M)は、CRに比べ耐熱老化性、耐候性に優れるものの
機械油に触れると大きな膨潤を生じ、ゴムホ−スとして
の機能を果たさなくなり、また耐圧ホ−スを製造する際
にゴムと複合化される銅または銅を含有する合金との接
着性に劣るという欠点があった。
【0004】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、充分な耐油性
と、耐熱老化性や耐候性を有し、しかも銅または銅を含
有する合金との良好な接着性を有するゴム組成物を提供
することにある。
【0005】
【目的を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究した結果、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴムに硫黄または硫黄系化合物お
よびケイ酸またはその塩を含ませることにより、前記目
的を達成することができるという知見を得、この知見を
元に本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、塩
素含量が20ないし40重量%であり、ムーニー粘度[
ML1+4 、(121℃)] が10ないし190である塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムと、硫黄または硫
黄系化合物、およびケイ酸またはその塩を含むことを特
徴とする加硫接着性ゴム組成物が提供される。
【発明の具体的説明】
【0006】本発明で用いられる塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム、硫黄または硫黄系化合物、およ
びケイ酸またはその塩は、次の通りである。
【0007】〈塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム〉本発明に使用される塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴムは、塩素含量が20ないし40重量%で
あり、ムーニー粘度[ ML1+4 、(121℃)] が10ない
し190のものである。
【0008】塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重
合体のα−オレフィンは、炭素数で3ないし10のもの
が好ましい。とりわけ、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−ペンテン−1、ヘキセンが好ましい。エチレン
とαオレフィンの割合が、モル基準でエチレン/α−オ
レフィンが75/25ないし95/5であることが好ま
しい。
【0009】エチレン・α−オレフィン共重合体は、上
記の成分の他に、他の重合可能な成分を共重合していて
もよく、特にエチレン/α−オレフィン単位の総重量1
00gに対し、5−ビニル−2−ノルボルネンを最大3
0mmol含有しているのが好ましい。エチレン・α−
オレフィン共重合体は、上記各成分をランダム重合させ
て得られたゴム状重合体である。
【0010】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは、上記により得られたエチレン・α−オレフィン共
重合体を塩素化することにより得られる。
【0011】上記共重合体の塩素化は、例えば共重合体
を粉砕して細粒化し、この細粒を水性懸濁状態にして、
約70ないし90℃の温度で分子状塩素と接触させる方
法、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロルエチレン
のような塩素に対して安定な溶媒中に共重合体を溶解
し、均一な溶液状態として分子状塩素と接触させる方
法、あるいはN−クロルアセトアミド、N−クロルサク
シイミド、1,3−ジクロル−5,5−ジメチルヒダン
トインのような塩素化合物をロ−ルやバンバリ−などで
共重合体中に均一に練り込み、塩素を遊離する温度に加
熱する方法などによって行なわれ、特に、四塩化炭素、
クロロホルムなどのハロゲン系溶媒中で、ラジカル開始
剤の存在化に塩素を吹き込む方法が好ましい。
【0012】塩素化反応後は、次のようにして処理され
る。水性懸濁状態での塩素化の場合、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴムは、水洗を行なうことによ
り、分子状塩素、副生する塩化水素を除き、乾燥させ
る。溶液状態での塩素化の場合には、反応溶液を過剰の
メタノ−ルなどの塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムの貧溶媒中に投入し、沈澱物を濾過し、この溶媒
で洗浄し乾燥させる。
【0013】本発明で使用する塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムは、塩素含量として20ないし40
重量%、好ましくは25ないし35重量%であり、この
範囲になるように塩素化が行なわれる。またムーニー粘
度[ ML1+4 、(121℃)] は、物性、作業性の見地から
10ないし190、好ましくは20ないし150、さら
に好ましくは30ないし120のものが使用される。
【0014】〈硫黄または硫黄系化合物〉本発明に使用
される硫黄または硫黄系化合物としては、具体的には、
単体イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、ジエチルチオ
ユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、
ジオルソトリルチオユリア、モルホリンジスルフィド、
アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンな
どが挙げられる。なかでもイオウおよびチオユリアが好
ましく用いられる。本発明において使用される硫黄また
は硫黄系化合物は、通常ゴムの加硫剤として広く知られ
ているものであるが、本発明においては、さらにゴム組
成物の接着性を改善する作用を有するものでもある。
【0015】〈ケイ酸またはその塩〉本発明に使用され
るケイ酸またはその塩としては、製造法からは、乾式法
シリカ、湿式法シリカ、合成ケイ酸塩などがあり、さら
に具体的には、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸アルミニウムなどがある。これらケイ酸ま
たはその塩は、通常ゴムの充填剤として広く知られてい
るものであるが、本発明においては、さらにゴム組成物
の接着性を改善する作用を有するものでもある。
【0016】次に本発明の塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合と硫黄または硫黄系化合物およびケイ酸また
はその塩から成るゴム組成物について説明する。
【0017】〈塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム組成物〉本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」という)
において、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
にたいする硫黄または硫黄系化合物の配合割合は、通
常、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100
重量部に対し硫黄または硫黄系化合物は、0.02ない
し10重量部配合されることが、本発明の目的を達する
上で必要であり、より好ましくは0.1ないし7重量部
が配合される。
【0018】上記比率において硫黄または硫黄系化合物
の配合量が0.02重量部よりも少ないと、目的とする
接着性が得られない。一方、10重量部より多いと、耐
熱老化性が著しく低下し、所望のゴム組成物を得ること
ができなくなる。
【0019】また、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムにたいするケイ酸またはその塩の配合割合は、
通常、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム10
0重量部に対しケイ酸またはその塩は、1ないし100
重量部配合されることが、本発明の目的を達する上で必
要であり、より好ましくは5ないし50重量部が配合さ
れる。
【0020】本発明において、硫黄または硫黄系化合物
とケイ酸またはその塩が同時に用いられると接着性が向
上する理由は明確ではないが、硫黄または硫黄系化合物
が銅または銅を含有する合金内の銅成分と結合すること
と、ケイ酸またはその塩による粘着効果との相乗効果に
よって、接着が促進されるためではないかと考えられ
る。
【0021】本発明では、硫黄または硫黄系化合物によ
り加硫されるが、他の加硫系を併用する方が好ましい。
それらの加硫系としては、トリアジン加硫、有機過酸化
物加硫などがあるが、より好ましくはトリアジン加硫で
ある。
【0022】トリアジン加硫を行う場合、本発明におい
ては少なくとも2個のメルカプト基を有するメルカプト
−s−トリアジンまたはその誘導体が使用される。該化
合物の具体例としては、2−ジブチルアミノ−4,6−
ジメルカプト−s−トリアジン、2−sec−アミルア
ミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−フ
ェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジ
ン、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドキ
シフェニル)アミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリ
アジン、2−(N−イソプロピル−4−フェニルアミ
ノ)フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリ
アジン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン
などが挙げられる。これらの、メルカプト−s−トリア
ジン系加硫剤はその2種以上を併用してもよい。
【0023】加硫剤は、塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴム100gに対して1×10-3ないし2.5
×10-2モル、好ましくは1.5×10-3ないし2×1
-2モル、更に好ましくは3×10-3ないし1.3×1
-2モルの割合で配合される。
【0024】加硫剤として前記メルカプト−s−トリア
ジンまたはその誘導体を使用するときは、加硫助剤を添
加することが好ましい。加硫助剤は、加硫速度を加工成
形上実用的なものとするために添加される。加硫助剤と
しては、酸解離定数(pKa)が7以上の有機塩基、あ
るいは有機塩基を発生しうる化合物が使用される。
【0025】これらの加硫助剤としては1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ラウリルアミ
ン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモ
ルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸
ピペリジン塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド、安息香酸・ピペリジン塩、安息
香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、ジフェニルグアニジ
ン、ジオルトトリルグアニジン、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、ヨウ化テトラメチルスルフォニウム、塩化テトラ
メチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、
臭化テトラブチルアンモニウム、ジステアリルジメチル
アンモニウムクロライドなどのオニウム塩が例示でき
る。これらの助剤は1種単独あるいは2種以上混合して
用いられる。
【0026】加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム100gに対して5×10-4ないし2×
10-2モル、好ましくは1×10-3ないし1×10-2
ル用いられる。
【0027】有機過酸化物加硫を行なう場合、加硫剤と
しては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキ
サン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ
第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、第三ジブチルヒドロペルオキシドを例示でき
るが、なかでもジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペ
ルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサンが好ましく使用される。
【0028】有機過酸化物の使用量は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100gに対して、通常3
×10-3ないし5×10-2モル、好ましくは1×10-3
ないし3×10-2モルの範囲を選ぶ。
【0029】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては硫
黄、P−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレートなどのアクリル系、ジアリ
ルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどのアリ
ル系、その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどが例
示される。
【0030】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対し0.5ないし2モル、好ましくは均等
モル使用する。
【0031】本発明のゴム組成物は、意図する加硫物の
用途、それに基づく性能に応じて、それ自体公知の配合
剤、ゴム用補強剤、顔料、充填剤、軟化剤、金属活性化
剤、スコーチ防止剤、塩酸吸収剤、老化防止剤、加工助
剤などを配合することができる。
【0032】ゴム用補強剤としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カーボンブラック、微粉けい酸などが適宜用
いられる。
【0033】充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、ケイ酸、ケイ酸塩、タルク、
クレーなどが用いられるが、接着性向上の点からはケイ
酸あるいはケイ酸塩が好ましい。
【0034】これらの補強剤および充填剤の配合量は、
所望の製品により適宜選択されるが、いずれも塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、通常200重量部以下、好ましくは150重量部以
下用いられる。
【0035】また軟化剤としては、例えばプロセスオイ
ル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスフ
ァルト、ワセリンなどの石油系物質、コールタール、コ
ールタールピッチなどのコールタール類、ヒマシ油、ナ
タネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油、トール油、蜜ロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、リシノー
ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、またはそ
の金属塩、ナフテン酸またはその金属石鹸、パイン油、
ロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、ク
マロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン、ジ
オクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチ
ルセバケ−トなどのエステル系可塑剤、その他マイクロ
クリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリ
ブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール
などを挙げることができる。これらの軟化剤の配合量
は、所望の製品により適宜選択されるが、いずれも塩素
化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に
対して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部
以下用いられる。
【0036】金属活性化剤としては、酸化マグネシウ
ム、高級脂肪酸亜鉛、鉛丹、リサージ、酸化カルシウ
ム、ハイドロタルサイトなどを使用しうる。これらの金
属活性化剤は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム100重量部に対して、通常3ないし15重量部、
好ましくは5ないし10重量部の範囲で用いられる。
【0037】スコーチ防止剤としては、公知のスコーチ
防止剤を用いることができ、無水マレイン酸、チオイミ
ド系化合物、スルフェンアミド系化合物、スルフォンア
ミド系化合物などを例示できる。上記成分は、塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、通常0.2ないし5重量部、好ましくは0.3ない
し3重量部の範囲で用いられる。
【0038】塩酸吸収剤としては、周期律表第IIA族金
属の酸化物および有機酸塩が用いられ、例えばステアリ
ン酸マグネシウム、マグネシア、ステアリン酸カルシウ
ム、マナセアイト、ハイドロタルサイト、エポキシ化大
豆油、エポキシ系塩酸吸収剤などが例示できる。これら
の塩酸吸収剤は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴム100重量部に対して、通常10重量部以下の量
で適宜配合できる。
【0039】また本発明のゴム組成物は、老化防止剤を
使用しなくても、優れた耐熱性、耐久性を示すが、老化
防止剤を使用すれば、本発明のゴム組成物を用いた製品
の材料寿命をさらに長くすることが可能であることも通
常のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用さ
れる老化防止剤としては、例えばフェニルブチルアミ
ン、N,N’ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミ
ンなどの芳香族第二アミン軽、ジブチルヒドロキシトル
エン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタンなどの
フェノール系安定剤、ビス[2−メチル−4−(3−n
−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチル
フェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安定剤、ジ
ブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのなどのジチオ
カルバミン酸塩系安定剤などが単独あるいは2種以上の
併用で配合される。このような老化防止剤の使用量は、
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量
部に対して、通常0.1ないし5重量部、好ましくは
0.5ないし3重量部の割合に選ぶ。
【0040】次に加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用されるものが使用でき、リシノール酸、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記
酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエ
ステル類などを例示できる。これらの加工助剤は通常の
場合には、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
100重量部に対して、約10重量部まで、好ましくは
約1ないし5重量部用いられる。
【0041】さらに、製品によっては、顔料が使用され
る。顔料としては公知の無機顔料(例えばチタンホワイ
ト)、有機顔料(例えばナフトールグリーンB)が使用
される。これらの顔料の使用量は、製品により異なる
が、最大20重量部、好ましくは最大10重量部使用さ
れる。
【0042】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム組成物は、例えば次のような方法で調製する
ことができる。
【0043】本発明の必須成分である塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム、補強剤、充填剤、軟化剤、
顔料などの添加剤をバンバリーミキサーの如きミキサー
類を用いて約80℃ないし170℃の温度で約3ないし
10分間混練した後、硫黄または硫黄系化合物、加硫
剤、加硫助剤をオープンロールの如きロール類を用いて
追加混合し、ロール温度約40℃ないし80℃で約3な
いし30分間混練して部出し、リボン状またはシ−ト状
のゴム配合物を調製する。
【0044】このようにして調製された未加硫ゴム配合
物は、例えば押出成形機、カレンダーロール、プレスな
どにより所望の形状に成形され、成形と同時にまたはそ
の成形品を加硫槽内で、通常約150℃ないし270℃
で約1ないし50分間加熱する方法により加硫される。
加硫槽としては、スチーム加硫缶、熱空気加熱槽、ガラ
スビ−ズ流動床、溶融塩加硫槽、マイクロ波加硫槽など
が単独あるいは組み合わせて使用される。
【0045】本発明の加硫物はその物自体でも電気絶縁
材料、自動車工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用
品、などとして有用である。
【0046】電気絶縁材としては、舶用電線、自動車用
イグニッションケーブルなどの電線の通電部を円筒状に
被覆した絶縁層、ケーブルジョイントカバーなどに具体
的に使用される。自動車部品としては、ラジエーターホ
ース、フューエルホースなどのホース類、また、各種防
振ゴムなどに使用できる。工業用ゴム製品としては、耐
圧ホ−ス、ロール、パッキング、ライニング、ベルトな
どに使用できる。また土木建材用としては、ルーフィン
グシート、耐熱ベルト、建材用ガスケット、ハイウエイ
ジョイントシールなどに使用される。更に、加硫に先立
ってゴム配合物中に発泡剤および必要に応じて発泡助剤
を配合し、断熱材、クッション材、シーリング材、防音
材、電気絶縁材などに使用し得る発泡加硫物とすること
もできる。
【0047】発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機
発泡剤;N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロソテレ
フタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテ
トラミンなどのニトロ化合物;アゾジカルボンアミド、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニト
リル、アゾジアミノベンゼン、アゾジカルボン酸バリウ
ムなどのアゾ化合物;ベンゼンスルフォニトリルヒドラ
ジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オ
キシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジフェ
ニルスルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジドな
どのスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジ
ド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアジド、p−
トルエンスルフォニルアジドなどのアジド化合物が挙げ
られ、特にニトロ化合物、アゾ化合物およびアジド化合
物が好んで使用される。
【0048】これらの発泡剤は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、通常0.
3ないし30重量部、好ましくは0.5ないし20重量
部の割合で配合され、一般に見掛比重約 0.03ない
し0.9程度の発泡体を形成させる。
【0049】発泡剤とともに使用することのできる発泡
助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸な
どの有機酸あるいは尿素またはその誘導体などが使用さ
れ、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化
などの働きを示す。
【0050】
【効果】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴム組成物は、前記した通り、必須成分として特定の
塩素含量とムーニー粘度を有する塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムと硫黄または硫黄含有化合物とメ
ルカプト−s−トリアジンまたはその誘導体、さらには
ケイ酸またはその塩を必須成分とすることを特徴とす
る。塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムはそれ
自体で、優れた耐熱老化性、耐寒性、耐候性、耐油性を
示し、硫黄または硫黄含有化合物とメルカプト−s−ト
リアジンまたはその誘導体、さらにはケイ酸またはその
塩を塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムに配合
されることにより、銅または銅を含有する合金との接着
性が付与される。従って、高い製品寿命を持つ銅または
銅を含有する合金との複合化ゴム製品を得ることができ
る。
【0051】本発明のゴム組成物は、このように優れた
物性を有するので前記したように電気絶縁材料、自動車
工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、などに有効
に使用することができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 表1に示す配合の未加硫ゴムを準備する。配合に際し
て、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成
物、ステアリン酸、ハイドロタルサイト、カーボンブラ
ック、ケイ酸塩およびナフテン系オイルとを4.3リッ
トルバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)で4分間混練
した後、室温下で1日放置した。このようにして得られ
た混練物にオープンロールで硫黄、ジブチルアミノトリ
アジンジチオール、安息香酸・ピペリジン塩を加えて混
練しリボン状に成形した配合ゴムを得た(前ロール/後
ロ−ル:50/60℃、16/18rpm)。
【0053】 *1 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[ ML1+4 、(121℃)] 50 塩素含量 27wt%
【0054】この配合ゴムを用い、縦60.3mm×横
25.4mm×厚さ2.54mmの真鍮片と160℃−
20分間加硫接着を行い、JIS K 6301加硫ゴ
ム物理試験法に従って、90度方向の剥離試験を行った
更に、この配合ゴムを160℃−40分間でプレス加硫
し2mm厚の加硫ゴムシ−トを用い、JIS K 630
1加硫ゴム物理試験方法に従って25℃雰囲気下で引張
強さ、伸びを測定した。これらの測定結果を表2−1に
示す。
【0055】実施例2 実施例1において、硫黄を0.3重量部用いた以外は、
実施例1と同様に行なった。測定結果を表2−1に示
す。
【0056】比較例1 実施例1において、ケイ酸を用いる代わりにFEFカ−
ボンを用い、FEFカ−ボンの配合量を全部で35重量
部とした以外は、実施例1と同様に行なった。測定結果
を表2−2に示す。
【0057】比較例2 実施例1において、表1に記載された配合から硫黄を
0.5重量部取り除いた以外は、実施例1と同様に行な
った。測定結果を表2−2に示す。
【0058】実施例3 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[ ML1+4 、(121℃)] 125 塩素含量 27wt% 測定結果を表2−1に示す。
【0059】実施例4 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ムーニー粘度[ ML1+4 、(121℃)] 50 塩素含量 35wt% 測定結果を表2−1に示す。
【0060】実施例5 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 85/15 ムーニー粘度[ ML1+4 、(121℃)] 100 塩素含量 23wt% 測定結果を表2−1に示す。
【0061】実施例6 実施例1において、ケイ酸系塩として湿式法シリカを用
いた代わりに乾式法シリカ(日本アエロジル社製アエロ
ジル200)を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。測定結果を表2−2に示す。
【0062】 接着状況の欄の「A」は、接着部がゴム破壊であったこ
とを示す。 接着状況の欄の「A」は、接着部がゴム破壊であったこ
とを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東條 哲夫 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含量が20ないし40重量%であ
    り、ムーニー粘度[ ML 1+4 、(121℃)] が10ないし
    190である塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
    ムと、硫黄または硫黄系化合物、およびケイ酸またはそ
    の塩を含むことを特徴とする加硫接着性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
    ゴムの塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体の
    α−オレフィンが、炭素数で3ないし10であり、エチ
    レンとαオレフィンの割合が、モル基準でエチレン/α
    −オレフィンが75/25ないし95/5である請求項
    1記載の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組
    成物。
JP22301592A 1992-08-21 1992-08-21 加硫接着性ゴム組成物 Withdrawn JPH0665455A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019214688A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 東洋紡株式会社 熱伝導性絶縁組成物、熱伝導性絶縁成形体及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019214688A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 東洋紡株式会社 熱伝導性絶縁組成物、熱伝導性絶縁成形体及びその製造方法

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