JPH0733928A - 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物 - Google Patents

塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物

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JPH0733928A
JPH0733928A JP18046593A JP18046593A JPH0733928A JP H0733928 A JPH0733928 A JP H0733928A JP 18046593 A JP18046593 A JP 18046593A JP 18046593 A JP18046593 A JP 18046593A JP H0733928 A JPH0733928 A JP H0733928A
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olefin copolymer
ethylene
chlorinated ethylene
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JP18046593A
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Keiji Okada
圭司 岡田
Yoshihide Matsuo
嘉英 松尾
Muneyuki Matsumoto
宗之 松本
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の塩素含量とム−ニ−粘度を有する塩素
化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムと酸化鉛を必須
成分とし、該塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム100重量部に対し、酸化鉛1〜200重量部を含む
組成物。 【効果】 酸化鉛は塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム組成物に優れた加工性を付与し、しかも他の軟
化剤と異なり耐熱老化性、耐寒性、耐退色性に悪影響を
与えない。本発明のゴム組成物は永い製品寿命を持つゴ
ム製品を得ることができ、例えば電気絶縁材料、自動車
工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布な
どに有効に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム組成物に関する。さらに詳しく
は、耐水性に優れ、耐熱老化性、耐寒性および耐候性に
優れた塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムは、耐熱老化性、耐寒性、耐候性に優れたゴムであ
るが、受酸剤(酸受容剤)として添加する化合物により
耐水性が悪化するという欠点がある。
【0003】従来、受酸剤としては、酸化マグネシウム
(マグネシア)、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等
のアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、酸化マグネシ
ウム−酸化アルミニウム固溶体等が使用されてきた。
【0004】しかし、昨今のゴム製品は、自動車分野を
中心に、高性能化要求が強く、従来の受酸剤を用いたの
では、耐水性で応えられない用途がでてきた。それゆ
え、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの耐水
性を損なわず、同時に耐熱老化性、耐寒性、耐候性に優
れたゴム組成物の出現が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、昨今
のゴム製品の高性能化要求に応えるゴム組成物を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、より具体的に、充
分な耐水性、耐熱老化性、耐寒性および耐候性を持つ塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物を提供
することにある。本発明のさらに他の目的および利点は
以下の説明から明らかになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、塩素含量が20〜40重量%
であり、ム−ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が10
〜190である塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム100重量部と酸化鉛1〜200重量部を含むこと
を特徴とする塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム組成物が提供される。
【0007】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムの塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体のα
−オレフィンの炭素数は3〜10であるのが好ましい。
またエチレンとα−オレフィンの割合は、モル基準でエ
チレン/α−オレフィン=75/25〜95/5である
ことが好適である。
【0008】
【作用】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴム組成物は、必須成分として前記した塩素含量とム
−ニ−粘度を有する塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムと酸化鉛を必須成分とし、該塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し、酸化鉛
を1〜200重量部含むことを特徴とする。
【0009】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムはそれ自体で、耐熱老化性、耐寒性、耐候性を示す。
酸化鉛は、受酸剤として塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムに配合されることにより、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム組成物の優れた耐水性を損
なうことなく、かつ耐熱老化性、耐寒性、耐候性に悪影
響を与えない。
【0010】本発明においては、該塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴム100重量部と酸化鉛1〜20
0重量部とを組み合わせることにより、本発明の目的を
達成することを可能としている。即ち上記範囲におい
て、耐水性、耐熱老化性、耐寒性および耐候性に優れた
ゴム組成物を得ることができる。
【0011】上記比率において酸化鉛が1重量部よりも
小さいと、充分な受酸効果が得られない。一方、200
重量部より大きいと、耐水性が低下し、所望のゴム組成
物を得ることができなくなる。
【0012】
【発明の好適な実施態様】本発明に使用される塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムは、次のとおりであ
る。
【0013】本発明に使用される塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムは、塩素含量が20〜40重量%
であり、ム−ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が10
〜190である。
【0014】塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重
合体のα−オレフィンは、炭素数が3〜10のものが好
ましい。とりわけ、プロピレン、1−ブテン、4−メチ
ル−ペンテン−1およびヘキセンが好ましい。エチレン
とα−オレフィンの割合が、モル基準でエチレン/α−
オレフィン=75/25〜95/5であることが好まし
い。
【0015】エチレン・α−オレフィン共重合体は上記
の成分の他に、他の重合可能な成分を共重合していても
よく、特にエチレン/α−オレフィン単位の総重量10
0gに対し、5−ビニル−2−ノルボルネンを最大30
mmol含有しているのが好ましい。エチレン・α−オ
レフィン共重合体は、上記各成分をランダム重合させて
得られたゴム状重合体である。
【0016】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは上記により得られたエチレン・α−オレフィン共重
合体を塩素化することにより得られる。
【0017】上記共重合体の塩素化は、例えば共重合体
を粉砕して細粒化し、この細粒を水性懸濁状態にして、
約70〜90℃の温度で分子状塩素と接触させる方法;
四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロルエチレンのよ
うな塩素に対して安定な溶媒中に共重合体を溶解し、均
一な溶液状態として分子状塩素と接触させる方法;ある
いはN−クロルアセトアミド、N−クロルサクシニイミ
ド、1,3−ジクロル−5,5−ジメチルヒダントインの
ような塩素化合物をロ−ルやバンバリ−などで共重合体
中に均一に練り込み、塩素を遊離する温度に加熱する方
法などによって行なわれる。特に、四塩化炭素、クロロ
ホルムなどのハロゲン系溶媒中で、ラジカル開始剤の存
在化に塩素を吹き込む方法が好ましい。
【0018】塩素化反応後は、次のようにして処理され
る。水性懸濁状態での塩素化の場合、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴムは、水洗を行なうことにより
分子状塩素、副生する塩化水素を除き、乾燥させる。溶
液状態での塩素化の場合には、反応溶液を過剰のメタノ
−ルなどの塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
の貧溶媒中に投入し、沈澱物を濾過し、この溶媒で洗浄
し乾燥させる。
【0019】本発明で使用する塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムは、塩素含量として20〜40重量
%、好ましくは25〜35重量%であり、この範囲にな
るように塩素化が行なわれる。またム−ニ−粘度[ML
1+4(121℃)]は、物性、作業性の見地から10〜
190、好ましくは20〜150、さらに好ましくは3
0〜120のものが使用される。
【0020】次に本発明の塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム組成物について説明する。本発明の塩素
化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物(以下、
単にゴム組成物という)において、塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムに対する酸化鉛の配合割合は用
途、目的に応じて選択される。通常、塩素化エチレン・
α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し、酸化鉛
は1〜200重量部配合されることが、本発明の目的を
達する上で必要である。より好ましくは5〜50重量部
配合される。
【0021】上記比率において酸化鉛が1重量部よりも
小さいと、充分な受酸効果が得られない。一方、200
重量部より大きいと、耐水性が低下し、所望のゴム組成
物を得ることができなくなる。好適な酸化鉛としては、
例えば一酸化鉛、二酸化鉛を挙げることができる。
【0022】本発明のゴム組成物は、意図する加硫物の
用途、それに基づく性能に応じてそれ自体公知の配合
剤、例えば加硫剤、加硫助剤、ゴム用補強剤、顔料、充
填剤、軟化剤、金属活性化剤、スコ−チ防止剤、塩酸吸
収剤、老化防止剤、加工助剤などを配合することができ
る。
【0023】本発明では、ゴム組成物中に占める塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの総量は、意図す
る加硫物の性能、用途に応じて適宜選択されるが、好ま
しくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上
である。
【0024】本発明のゴム組成物の加硫方法としては、
トリアジン加硫、有機過酸化物加硫が適当である。トリ
アジン加硫を行なう場合、加硫剤としては、下記一般式
【0025】
【化1】
【0026】(式中、R1は−NR23、−OR2または
−SR2を表わし、ここでR2、R3はそれぞれ水素原
子、未置換もしくは置換アルキル基、または未置換もし
くは置換アリ−ル基を表わすものとする。)で表わされ
るトリアジンチオ−ル類が使用される。
【0027】このような一般式で表わされるトリアジン
チオ−ル類として具体的には、トリアジン−2,4,6−
トリチオ−ル、2−ジブチルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−フェニルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−ヘキシルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−ジエチルアミノトリアジン−4,6
−ジチオ−ル、2−ブトキシトリアジン−4,6−ジチ
オ−ルなどを挙げることができる。
【0028】加硫剤は塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム100gに対して、好ましくは1×10-3
2.5×10-2モル、より好ましくは1.5×10-3〜2
×10-2モル、さらに好ましくは3×10-3〜1.3×
10-2モルの割合で配合される。
【0029】加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場
合には、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られ難く、
また上記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し、実
用に供し難くなる傾向がある。
【0030】加硫剤としてトリアジン化合物を使用する
ときは加硫助剤が添加される。加硫助剤は加硫速度を加
工成形上実用的なものとするために添加される。加硫助
剤としては、酸解離定数(pKa)が7以上の有機塩
基、あるいは有機塩基を発生しうる化合物が使用され
る。
【0031】これらの加硫助剤としては、1,8−ジア
ザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、ラウリルアミ
ン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモ
ルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸
ピペリジン塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド、安息香酸・ピペリジン塩、安息
香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、ジフェニルグアニジ
ン、ジオルトトリルグアニジン、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、ヨウ化テトラメチルスルフォニウム、塩化テトラ
メチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、
臭化テトラブチルアンモニウム、ジステアリルジメチル
アンモニウムクロライドなどのオニウム塩が例示でき
る。
【0032】加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム100gに対して、好ましくは5×10
-4〜2×10-2モル、より好ましくは1×10-3〜1×
10 -2モル、1種単独あるいは2種以上一緒に用いられ
る。
【0033】有機過酸化物加硫を行なう場合、加硫剤と
してはジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)
ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチ
ルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
第三ジブチルヒドロペルオキシドを例示できる。なかで
もジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、
ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンが好ましく使用される。
【0034】有機過酸化物の使用量は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100gに対して、好まし
くは3×10-3〜5×10-2モル、より好ましくは1×
10 -3〜3×10-2モルの範囲である。
【0035】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては硫
黄、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、
エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ル
プロパントリメタクリレ−トなどのアクリル系、ジアリ
ルフタレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−トなどのアリ
ル系、その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどが例
示される。
【0036】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対し、好ましくは0.5〜2モル、より好
ましくは均等モル使用する。
【0037】ゴム用補強剤としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カ−ボンブラック、微粉けい酸などが適宜用
いられる。
【0038】充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−などが用いら
れる。
【0039】これらの補強剤及び充填剤の配合量は、所
望の製品により適宜選択されるが、いずれも塩素化エチ
レン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、好ましくは200重量部以下、より好ましくは15
0重量部以下用いられる。
【0040】また軟化剤としては、例えばプロセスオイ
ル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスフ
ァルト、ワセリンなどの石油系物質;コ−ルタ−ル、コ
−ルタ−ルピッチなどのコ−ルタ−ル類;ヒマシ油、ナ
タネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油;ト−ル油、蜜ロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類;リシノ−
ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸またはその
金属塩;ナフテン酸またはその金属石鹸; パイン油、ロ
ジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン、ジオ
クチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジオクチル
セバケ−トなどのエステル系可塑剤、長鎖アルキルカー
ボネート系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワック
ス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液
状ポリブタジエン、液状チオコ−ルなどを挙げることが
できる。
【0041】これらの軟化剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択されるが、いずれも塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、好ましく
は100重量部以下、より好ましくは70重量部以下用
いられる。
【0042】金属活性化剤としては、本発明の目的を損
なわない範囲で、酸化マグネシウム、高級脂肪酸亜鉛、
酸化カルシウム、ハイドロタルサイトなどを使用しう
る。
【0043】これらの金属活性化剤は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、本
発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
【0044】スコ−チ防止剤としては、公知のスコ−チ
防止剤を用いることができ、無水マレイン酸、チオイミ
ド系化合物、スルフェンアミド系化合物、スルフォンア
ミド系化合物などを例示できる。上記成分は、塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対し
て、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3
〜3重量部の範囲で用いられる。
【0045】塩酸吸収剤としては、周期律表第IIA族
金属の酸化物および有機酸塩が用いられ、例えばステア
リン酸マグネシウム、マグネシア、ステアリン酸カルシ
ウム、マナセアイト、ハイドロタルサイト、エポキシ化
大豆油、エポキシ系塩酸吸収剤などが例示できる。これ
らの塩酸吸収剤は、本発明の目的を損なわない範囲でお
いてのみ適宜配合できる。
【0046】また本発明のゴム組成物は、老化防止剤を
使用しなくても、優れた耐熱性、耐久性を示すが、なお
老化防止剤を使用すれば、本発明のゴム組成物を用いた
製品の材料寿命を長くすることが可能であることも通常
のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用され
る老化防止剤としては、例えばフェニルブチルアミン、
N,N’−ジ −2−ナフチル−p−フェニレンジアミン
などの芳香族第二アミン系安定剤;ジブチルヒドロキシ
トルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメ−ト]メタンな
どのフェノ−ル系安定剤;ビス[2−メチル−4−(3
−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブ
チルフェニル]スルフィドなどのチオエ−テル系安定
剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオ
カルバミン酸塩系安定剤などが単独あるいは2種以上の
併用で配合される。このような老化防止剤の使用量は、
塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量
部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好まし
くは0.5〜3重量部の割合である。
【0047】次に加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用されるものが使用でき、リシノ−ル酸、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記
酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエ
ステル類などを例示できる。これらの加工助剤は通常の
場合には、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
100重量部に対して、好ましくは約10重量部まで、
より好ましくは約1〜5重量部用いられる。
【0048】さらに、製品によっては、顔料が使用され
る。顔料としては公知の無機顔料(例えばチタンホワイ
ト)、有機顔料(例えばナフト−ルグリ−ンB)が使用
される。これらの顔料の使用量は、製品により異なる
が、最大20重量部、好ましくは最大10重量部使用さ
れる。
【0049】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム組成物は、例えば次のような方法で調整する
ことができる。本発明の必須成分である塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムおよび酸化鉛、必要により
さらに補強剤、充填剤、軟化剤、顔料などの添加剤をバ
ンバリ−ミキサ−の如きミキサ−類を用いて約80〜1
70℃の温度で約3〜10分間混練した後、場合により
加硫剤、加硫助剤をオ−プンロ−ルの如きロ−ル類を用
いて追加混合し、ロ−ル温度約40〜80℃で約3〜3
0分間混練して押出し、リボン状またはシ−ト状のゴム
配合物を調製する。
【0050】このようにして調製された未加硫ゴム配合
物は、例えば押出成形機、カレンダ−ロ−ル、プレスな
どにより所望の形状に成形され、成形と同時にまたはそ
の成形品を加硫槽内で、通常約150〜270℃で約1
〜30分間加熱する方法により加硫される。加硫槽とし
ては、スチ−ム加硫缶、熱空気加熱槽、ガラスビ−ズ流
動床、溶融塩加硫槽、マイクロ波加硫槽などが単独ある
いは組み合わせて使用される。
【0051】加硫物はそのもの自体でも電気絶縁材、自
動車工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引
布などとして有用である。電気絶縁材としては、プラグ
キャップ、イグニッションキャップ、デイストリビュ−
タ−キャップなどの自動車エンジン周辺のキャップ類、
コンデンサ−キャップ、船舶用電線、自動車用イグニッ
ションケ−ブルなどの電線の通電部を円筒状に被覆した
絶縁層、ケ−ブルジョイントカバ−などに具体的に使用
される。自動車部品としては、ラジエ−タ−ホ−ス、フ
ュ−エルホ−スなどのホ−ス類、またバンパ−、バンパ
−フィラ−、バンパ−ストリップ、バンパ−サイドガ−
ド、オ−バ−ライダ−、サイドプロテクションモ−ルな
どの自動車外装用部品、各種ウエザ−ストリップ類、ブ
−ツ、ボ−ルジョイントシ−ル、各種防振ゴムなどに使
用できる。
【0052】工業用ゴム製品としては、ロ−ル、パッキ
ング、ライニング、ベルトなどに使用できる。また土木
建材用としては、ル−フィングシ−ト、耐熱ベルト、建
材用ガスケット、ハイウエイジョイントシ−ルなどに使
用される。ゴム引布としては、防水布、天幕、レジャ−
シ−トなどに使用される。さらに、加硫に先立ってゴム
配合物中に発泡剤および必要に応じて発泡助剤を配合
し、断熱材、クッション材、シ−リング材、防音材、電
気絶縁材などに使用し得る発泡加硫物とすることもでき
る。
【0053】発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機
発泡剤;N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレ
フタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテ
トラミンなどのニトロ化合物;アゾジカルボンアミド、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニト
リル、アゾジアミノベンゼン、アゾジカルボン酸バリウ
ムなどのアゾ化合物;ベンゼンスルフォニトリルヒドラ
ジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オ
キシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジフェ
ニルスルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジドな
どのスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジ
ド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアジド、p−
トルエンスルフォニルアジドなどのアジド化合物が挙げ
られる。特にニトロ化合物、アゾ化合物およびアジド化
合物が好んで使用される。
【0054】これらの発泡剤は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、好ましく
は0.3〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量
部の割合で配合される。一般に見掛比重約0.03〜0.
9程度の発泡体が形成される。
【0055】発泡剤とともに使用することのできる発泡
助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸な
どの有機酸あるいは尿素またはその誘導体などが使用さ
れ、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化
などの働きを示す。
【0056】
【効果】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴム組成物は、前記したとおり、必須成分として特定
の塩素含量とム−ニ−粘度を有する塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴムと特定の構造の酸化鉛を必須成
分とし、該塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
100重量部に対し、酸化鉛を5〜200重量部含むこ
とを特徴とする。塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムはそれ自体で、耐熱老化性、耐寒性、耐退色性を
示し、酸化鉛は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムに配合されることにより、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム組成物に優れた加工性を付与し、
しかも他の軟化剤と異なり耐熱老化性、耐寒性、耐退色
性に悪影響を与えない。従って、本発明によれば、永い
製品寿命を持つゴム製品を得ることができる。
【0057】本発明のゴム組成物は、このように優れた
物性を有するので前記したように電気絶縁材料、自動車
工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布な
どに有効に使用することができる。
【0058】
【実施例】
実施例1 まず表1に示す配合剤を4.3リットル バンバリ−ミ
キサ−(神戸製鋼社製)で5分間混練しダンプアウトし
た。ついでダンプアウトした混練物を14インチオ−プ
ンロ−ル(日本ロ−ル社製)に巻き付けた。このときロ
−ル表面温度は、前ロ−ル60℃、後ロ−ル70℃であ
った。このオ−プンロ−ル上で表2に示す配合剤を添加
し2分間混練したのち、厚さ3mmでシ−ト出しした。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】この配合ゴムを160℃−20分間でプレ
ス加硫し2mm厚の加硫ゴムシ−トを用い、JIS K
6301加硫ゴム物理試験方法に従って25℃雰囲気
下で引張強さ、伸び、80℃の水に72時間浸漬させた
ときの体積膨潤度を測定した。これらの測定結果を表3
に示す。
【0062】実施例2 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ML1+4(121℃) 70 塩素含量 27wt% 結果は、表3に示す。
【0063】実施例3 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 90/10 ML1+4(121℃) 50 塩素含量 35wt% 結果は、表3に示す。
【0064】実施例4 実施例1において、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムとして下記性状のものを用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。 エチレン/1−ブテン(モル比) 85/15 ML1+4(121℃) 100 塩素含量 23wt% 結果は、表3に示す。
【0065】実施例5 実施例1において、受酸剤の鉛丹の替わりにリサージを
用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果は、表
3に示す。
【0066】比較例1 実施例1において、受酸剤として酸化マグネシウムを5
部用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果は、
表3に示す。
【0067】比較例2 実施例1において、受酸剤として酸化カルシウムを10
部用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果は、
表3に示す。
【0068】比較例3 実施例1において、受酸剤として酸化マグネシウム−酸
化アルミニウム固溶体を7部用いた以外は、実施例1と
同様に行なった。結果は、表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含量が20〜40重量%であり、ム
    −ニ−粘度[ML1+ 4(121℃)]が10〜190で
    ある塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100
    重量部と酸化鉛1〜200重量部を含むことを特徴とす
    る塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
    ゴムの塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合体の
    α−オレフィンの炭素数が3〜10であり、且つエチレ
    ンとα−オレフィンの割合が、モル基準でエチレン/α
    −オレフィン=75/25〜95/5であることを特徴
    とする請求項1に記載の塩素化エチレン・α−オレフィ
    ン共重合ゴム組成物。
JP18046593A 1993-07-21 1993-07-21 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物 Withdrawn JPH0733928A (ja)

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