JP3193108B2 - 架橋可能なゴム組成物 - Google Patents

架橋可能なゴム組成物

Info

Publication number
JP3193108B2
JP3193108B2 JP08915092A JP8915092A JP3193108B2 JP 3193108 B2 JP3193108 B2 JP 3193108B2 JP 08915092 A JP08915092 A JP 08915092A JP 8915092 A JP8915092 A JP 8915092A JP 3193108 B2 JP3193108 B2 JP 3193108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
parts
crosslinkable
rubber composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08915092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0748478A (ja
Inventor
嘉英 松尾
哲夫 東條
堅 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP08915092A priority Critical patent/JP3193108B2/ja
Publication of JPH0748478A publication Critical patent/JPH0748478A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3193108B2 publication Critical patent/JP3193108B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋可能ゴム組成物に
関し、詳しくは、可塑性に優れ、耐熱老化性、耐寒性、
耐候性に優れた架橋可能ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム製品は、ゴム弾性という、他の素材
から得られる製品にはみられない独特の特性を持ち、そ
の特性を生かしてタイヤ、ホ−ス、シ−ル材等に好適に
使用されている。この特性を十分に発揮させるために
は、分子量をできるだけ大きくする必要があることは、
すでに広く知られていることであるが、分子量を大きく
すると、粘度が上昇し、所望の形状に加工しにくくなる
という問題が生じてくる。そこで、その問題点を解決す
るために、従来から、加硫可能ゴムに軟化剤を添加する
ことが試みられている。
【0003】それらの軟化剤としては、プロセスオイ
ル、流動パラフィンなどの鉱物系油、ひまし油、なたね
油、ロジンなどの植物系油、フタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、フマ−ル酸、トリメリット酸などのアルコ−
ルエステルが多用されてきた。
【0004】しかし、昨今では、自動車分野を中心に、
ますます高性能なゴム製品を期待する要求が強く、従来
の軟化剤を用いた製品では、耐熱老化性、耐寒性、耐候
性などで点で応えられなくなってきている。それゆえ、
各種架橋可能ゴムに対し、可塑性を有し、同時に耐熱老
化性、耐寒性、耐候性に優れたゴム組成物を与える新し
い軟化剤の出現が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、昨今
のゴム製品の高性能化要求に応える架橋可能なゴム組成
物を提供することにある。具体的には、充分な加工性
と、耐熱老化性、耐寒性、耐候性を持つ架橋可能ゴム組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、架橋可能ゴムに特定の
アルキルカーボネートを添加配合させ、その配合物から
得られるゴム製品は前記各種の性質に優れたものである
ことを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明に
よれば、架橋可能ゴム(但し、塩素含量が20〜40重
量%であり、ムーニー粘度[ML 1+4 (121℃)]が
10〜190である塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムを除く)100重量部と一般式(I)で表され
る長鎖アルキルカ−ボネ−トを5ないし200重量部含
むことを特徴とする架橋可能ゴム組成物が提供される。 R1 OCOOR2 ・・・・・・・・(I) (式中R1 及びR2 は同一または異なるものであって炭
素数1ないし36の直鎖状あるいは分岐のアルキル基、
シクロアルキル基あるいはシクロアルキル基を含むアル
キル基であって、R1 、R2 のうち少なくとも一つ以上
は炭素数6ないし36の直鎖状または分岐状アルキル基
である)
【0007】
【発明の具体的説明】前記架橋可能ゴムはそれ自体で、
ゴム製品として必要な、ゴム弾性、強度特性を示し、ま
た、該長鎖アルキルカーボネートは、架橋可能ゴムに配
合されることにより、架橋可能ゴム組成物に優れた加工
性を付与し、しかも他の軟化剤と異なり耐熱老化性、耐
寒性、耐候性に悪影響を与えない。
【0008】該架橋可能ゴムとしては、公知の架橋可能
なゴムであればどのようなものでも使用可能であるが、
そのなかでも特にクロロプレンゴム、塩素化ポリエチレ
ン、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ニトリル
ゴム、水素添加ニトリルゴムが好適に用いられる。
【0009】クロロプレンゴムとしては、特にムーニー
粘度[ML1+4 (100℃)]は30ないし150であ
るものが好適に使用される。なお、イオウ変性品あるい
は非イオウ変性品のどちらも使用できる。
【0010】塩素化ポリエチレンとしては、塩素含有量
が20ないし50重量%であり、かつ比重が1.05な
いし1.30の範囲にあるものが好適に使用できる。ま
たムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]が10ないし
150の範囲にあるものが好ましい。この塩素化ポリエ
チレンは、クロロスルフォニル基としてイオウを1.5
重量%以内の割合で含んでいるものを用いてもよい。ま
た、塩素化前のポリエチレンが、エチレンとα−オレフ
ィンの共重合体でもよく、この場合、α−オレフィン
は、最大5モル%含むことができる。
【0011】エピクロルヒドリンゴムとしては、例え
ば、エピクロルヒドリンの単独重合体のみならず、エピ
クロルヒドリン・エチレンオキシド共重合体、エピクロ
ルヒドリン・プロピレンオキシド共重合体、エピクロル
ヒドリン・エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重
合体、およびこれら単独重合体ないしは共重合体にアリ
ルグリシジルエーテルを共重合させたものをあげること
ができる。このようなエピクロルヒドリンゴムの塩素含
有量は、通常15ないし40重量%の範囲が好ましく、
またムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]は20ない
し150の範囲にあるものが好適に使用できる。
【0012】アクリルゴムとしては、アクリル酸アルキ
ルエステルの共重合体から得られるものが好適に使用さ
れる。前記共重合体のアルキルエステルとしては、炭素
数が2ないし8のアルキル基を有するもの単独あるいは
2種以上のものが用いられる。また、前記共重合体は、
架橋サイトとして、2−クロルエチルビニルエーテル、
モノクロル酢酸ビニル、アクリルクロルアセテート、グ
リシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンのよう
なコモノマーを共重合成分として少量含まれることが好
ましい。これらのアクリルゴムのムーニー粘度[ML
1+4 (100℃)]は20ないし100の範囲にあるも
のが好適に使用できる。
【0013】ニトリルゴムとしては、特にアクリロニト
リルとブタジエンを共重合したものが用いられ、アクリ
ロニトリル含量が15ないし50重量%の範囲内である
ものが好んで用いられる。ニトリルゴムのムーニー粘度
[ML1+4 (100℃)]は20ないし100の範囲に
あるものが好適に使用できる。
【0014】本発明の水素添加ニトリルゴムは、上記ニ
トリルゴムを水素付加し、重合体鎖中の共役ジエン単位
の含有量が25重量%以下になったものをさす。水素添
加ニトリルゴムのムーニー粘度[ML1+4 (100
℃)]は50ないし150の範囲にあるものが好適に使
用できる。
【0015】本発明の組成物のもう一つの成分である長
鎖アルキルカーボネートは、一般式(I)で表されもの
が使用される。 R1 OCOOR2 (I) (式中R1 及びR2 は同一または異なるものであって炭
素数1ないし36の直鎖状あるいは分岐のアルキル基、
シクロアルキル基あるいはシクロアルキル基を含むアル
キル基であって、R1 、R2 のうち少なくとも一つ以上
は炭素数6ないし36の直鎖状または分岐状アルキル基
である)。
【0016】前記直鎖状あるいは分岐のアルキル基とし
て、以下のものが例示できる。メチル基、エチル基、n-
およびiso-プロピル基、n-、iso-、sec-、およびtert-
ブチル基、n-およびiso-ペンチル基、n-およびiso-ヘキ
シル基、n-およびiso-ヘプチル基、n-およびiso-オクチ
ル基、n-およびiso-ノニル基、n-およびiso-デシル基、
n-およびiso-ウンデシル基、n-およびiso-ドデシル基、
n-およびiso-トリデシル基、n-およびiso-テトラデシル
基、n-およびiso-ペンタデシル基、n-およびiso-ヘプタ
デシル基、n-およびiso-オクタデシル基、n-およびiso-
アイコシル基、n-およびiso-ペンタコシル基、n-および
iso-トリアコンチル基。
【0017】シクロアルキルあるいはシクロアルキル基
を含むアルキル基として以下のものが例示できる。シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンチル
基、トリシクロテトラデカニル基。
【0018】これらの長鎖アルキルカーボネートは、通
常以下のようにして合成される。合成反応器は、外部循
環流体によって温度制御できるもので、それに加えて合
成反応時に生成する低沸点留分が選択的に留去できるよ
うにするために、頂部に還流装置を備えた蒸留装置、撹
拌装置および温度計を具備したジャケット付きフラスコ
が使用される。このフラスコに、低沸点アルコールを原
料として合成された炭酸エステル(例えばジメチルカー
ボネート)と、少なくとも化学量論量、好ましくは化学
量論量よりも過剰量の高級アルコールまたは高級アルコ
ール混合物および強塩基性の有機または無機化合物系の
エステル交換反応触媒を充填する。この混合物を撹拌し
ながら加熱し沸騰温度にいたらしめ、生成する低沸点ア
ルコールを蒸留塔頂部より除去しながら反応を進行させ
る。いくつかのケースでは、低沸点アルコールと最低共
沸混合物を形成する不活性溶媒の存在下で低沸点アルコ
ールの留去を容易にせしめて反応を進行させる。反応の
終了後、触媒を除去するために中和、水洗を行い、しか
る後に不要の副生成物および未反応の原料を留去するこ
とによって、フラスコ内に反応生成物を回収する。
【0019】次に本発明の架橋可能ゴム組成物について
説明する。本発明の架橋可能ゴム組成物(以下単にゴム
組成物という)において、ゴムに対する長鎖アルキルカ
ーボネートの配合割合は用途、目的に応じて適宜選択さ
れるのであるが、本発明においては、ゴム100重量部
に対し長鎖アルキルカーボネートは、5ないし200重
量部配合されることが、本発明の目的を達する上で必要
であり、より好ましくは10ないし150重量部が配合
される。
【0020】上記比率において該長鎖アルキルカーボネ
ートが5重量部よりも小さいと、目的とする加工性が得
られない。一方、200重量部より大きいと、強度特性
が著しく低下し、所望のゴム組成物を得ることができな
くなる。
【0021】本発明のゴム組成物は、意図する加硫物の
用途、それに基づく性能に応じてそれ自体公知の配合
剤、例えば、加硫剤、加硫助剤、ゴム用補強剤、顔料、
充填剤、軟化剤、金属活性化剤、スコーチ防止剤、塩酸
吸収剤、老化防止剤、加工助剤などを配合することがで
きる。
【0022】本発明では、ゴム組成物中にしめるゴムと
長鎖アルキルカーボネートの総量は、意図する加硫物の
性能、用途に応じて適宜選択されるが、通常40重量%
以上、好ましくは50重量%以上である。
【0023】本発明のゴム組成物の加硫方法としては、
公知の方法が使用される。ゴムの特性により使い分けら
れるが、通常、硫黄加硫、金属加硫、樹脂加硫、キノイ
ド加硫、トリアジン加硫、有機過酸化物加硫等を例示で
きる。
【0024】加硫剤はゴム100gに対して1×10-3
ないし7.0×10-2モル、好ましくは1.5×10-3
ないし5.0×10-2モル、更に好ましくは3×10-3
ないし4.0×10-2モルの割合で配合される。
【0025】加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場
合には、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られず、ま
た上記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し、実用
に供し難くなる傾向がある。
【0026】多様なゴムの加工工程に対応するため、加
硫速度の調節は実用上極めて重要である。このため、加
硫助剤が添加される。本ゴム組成物においては、これら
の加硫助剤を必要に応じて添加してかまわない。
【0027】ゴム用補強剤としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カーボンブラック、微粉けい酸などが適宜用
いられる。
【0028】充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが用いら
れる。
【0029】これらの補強剤及び充填剤の配合量は、所
望の製品により適宜選択されるが、いずれもゴム100
重量部に対して、通常200重量部以下、好ましくは1
50重量部以下用いられる。
【0030】また軟化剤としては、前記特定の長鎖アル
キルカーボネートが用いられるが、必要に応じ既存の軟
化剤を併用してもよい。そのような軟化剤としては、例
えばプロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフ
ィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系物質、
コールタール、コールタールピッチなどのコールタール
類、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油などの脂肪
油、トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなど
のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムな
どの脂肪酸、またはその金属塩、ナフテン酸またはその
金属石鹸、パイン油、ロジンまたはその誘導体、テルペ
ン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチッ
クポリプロピレン、ジオクチルフタレート、ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケ−トなどのエステル系可
塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(フ
ァクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジ
エン、液状チオコールなどを挙げることができる。
【0031】これらの軟化剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択されるが、いずれもゴム100重量部に対
して、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以
下用いられる。
【0032】金属活性化剤としては、酸化マグネシウ
ム、亜鉛華、高級脂肪酸亜鉛、鉛丹、リサージ、酸化カ
ルシウム、ハイドロタルサイトなどを使用しうる。
【0033】これらの金属活性化剤は、ゴム100重量
部に対して、通常3ないし15重量部、好ましくは5な
いし10重量部の範囲で用いられる。
【0034】スコーチ防止剤としては、公知のスコーチ
防止剤を用いることができ、無水マレイン酸、チオイミ
ド系化合物、スルフェンアミド系化合物、スルフォンア
ミド系化合物などを例示できる。上記成分は、ゴム10
0重量部に対して、通常0.2ないし5重量部、好まし
くは0.3ないし3重量部の範囲で用いられる。
【0035】塩酸吸収剤は必要に応じ添加されるが、一
般に周期律表第 A族金属の酸化物および有機酸塩が用
いられ、例えばステアリン酸マグネシウム、マグネシ
ア、ステアリン酸カルシウム、マナセアイト、ハイドロ
タルサイト、エポキシ化大豆油、エポキシ系塩酸吸収剤
などが例示できる。これらの塩酸吸収剤は、ゴム100
重量部に対して、通常10重量部以下の量で適宜配合で
きる。
【0036】また本発明のゴム組成物は、老化防止剤を
使用し、耐久性を向上できることも通常のゴムにおける
場合と同様である。この場合に使用される老化防止剤と
しては公知のものが使用できるが、例えば、フェニルブ
チルアミン、N,N’ジ−2−ナフチル−p−フェニレ
ンジアミンなどの芳香族第二アミン系、ジブチルヒドロ
キシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメ−ト]メタ
ンなどのフェノ−ル系安定剤、ビス[2−メチル−4−
(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t
−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安
定剤、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのなど
のジチオカルバミン酸塩系安定剤などの単独あるいは2
種以上の併用で配合される。このような老化防止剤は、
ゴム100重量部に対して、通常0.1ないし5重量
部、好ましくは0.5ないし3重量部用いられる。
【0037】次に加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用されるものが使用でき、リシノール酸、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、上記
酸のエステル類など、高級脂肪酸、その塩およびそのエ
ステル類などを例示できる。これらの加工助剤は通常の
場合には、ゴム100重量部に対して、約10重量部ま
で、好ましくは約1ないし5重量部用いられる。
【0038】さらに、製品によっては、顔料が使用され
る。顔料としては、公知の無機顔料(例えばチタンホワ
イト)、有機顔料(例えばナフトールグリーンB)が使
用される。これらの顔料の使用量は、製品により異なる
が、最大20重量部、好ましくは10重量部以下の量が
使用される。
【0039】発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無
機発泡剤;N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロソテ
レフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミンなどのニトロ化合物;アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、アゾジアミノベンゼン、アゾジカルボン酸バ
リウムなどのアゾ化合物;ベンゼンスルフォニトリルヒ
ドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジ
フェニルスルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジ
ドなどのスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムア
ジド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアジド、p
−トルエンスルフォニルアジドなどのアジド化合物が挙
げられ、特にニトロ化合物、アゾ化合物およびアジド化
合物が好んで使用される。
【0040】これらの発泡剤は、ゴム100重量部に対
して、通常0.3ないし30重量部、好ましくは0.5
ないし20重量部の割合で配合され、一般に見掛比重約
0.03ないし0.9程度の発泡体を形成させる。
【0041】発泡剤とともに使用することのできる発泡
助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸な
どの有機酸、あるいは尿素またはその誘導体などが使用
され、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一
化などの働きを示す。
【0042】本発明のゴム組成物は、例えば次のような
方法で調整することができる。本発明の必須成分である
架橋可能ゴム、特定の長鎖アルキルカーボネートに加
え、補強剤、充填剤、軟化剤、顔料などの添加剤をバン
バリーミキサ−の如きミキサー類を用いて約80℃ない
し170℃の温度で約3ないし10分間混練した後、加
硫剤、加硫助剤をオープンロールの如きロール類を用い
て追加混合し、ロール温度約40℃ないし80℃で約3
ないし30分間混練して部出し、リボン状またはシート
状のゴム配合物を調製する。
【0043】このようにして調製された未加硫ゴム配合
物は、例えば押出成形機、カレンダーロール、プレスな
どにより所望の形状に成形され、成形と同時にまたはそ
の成形品を加硫槽内で、通常約150℃ないし270℃
で約1ないし30分間加熱する方法により加硫される。
加硫槽としては、スチーム加硫缶、熱空気加熱槽、ガラ
スビーズ流動床、溶融塩加硫槽、マイクロ波加硫槽など
が単独あるいは組み合わせて使用される。
【0044】本発明のゴム組成物の好適な用途として
は、電気絶縁材、自動車部品、工業用ゴム製品、土木建
材用、ゴム引布などを例示することができる。
【0045】電気絶縁材としては、プラグキャップ、イ
グニッションキャップ、デイストリビューターキャップ
などの自動車エンジン周辺のキャップ類、コンデンサー
キャップ、舶用電線、自動車用イグンッションケーブル
などの電線の通電部を円筒状に被覆した絶縁層、ケーブ
ルジョイントカバーなどに具体的に使用される。
【0046】自動車部品としては、ラジエーターホー
ス、フューエルホースなどのホース類、またバンパー、
バンパーフィラー、バンパーストリップ、バンパーサイ
ドガード、オーバーライダー、サイドプロテクションモ
ールなどの自動車外装用部品、各種ウエザーストリップ
類、ブーツ、ボールジョイントシール、各種防振ゴムな
どに使用できる。
【0047】工業用ゴム製品としては、ロール、パッキ
ング、ライニング、ベルトなどに使用できる。また土木
建材用としては、ルーフィングシート、耐熱ベルト、建
材用ガスケット、ハイウエイジョイントシールなどに使
用される。ゴム引布としては、防水布、天幕、レジャー
シートなどに使用される。更に、加硫に先立ってゴム配
合物中に発泡剤および必要に応じて発泡助剤を配合し、
断熱材、クッション材、シーリング材、防音材、電気絶
縁材などに使用し得る発泡加硫物とすることもできる。
【0048】
【発明の効果】本発明の架橋可能ゴム組成物は、前記し
た通り、必須成分として市販のゴムと特定の構造の長鎖
アルキルカーボネートを必須成分とし、ゴム100重量
部に対し、その長鎖アルキルカーボネートを5ないし2
00重量部含むことを特徴とする。架橋可能ゴムはそれ
自体で、ゴム弾性という他製品に無い特徴や耐熱老化
性、耐寒性、耐候性を有し、長鎖アルキルカーボネート
は、架橋可能ゴムに配合されることにより、架橋可能ゴ
ム組成物に優れた加工性を付与し、しかも他の軟化剤と
異なり耐熱老化性、耐寒性、耐退色性に悪影響を与えな
い。したがって、高い製品寿命を持つゴム製品を得るこ
とができる。本発明のゴム組成物は、このように優れた
物性を有するので前記したように電気絶縁材料、自動車
工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布な
ど幅広くかつ有効に使用することができる。
【0049】
【実施例】実施例1 まず表1に示す配合剤を4.3l バンバリーミキサー
(神戸製鋼社製)で5分間混練しダンプアウトした。つ
いでダンプアウトした混練物を14インチオープンロー
ル(日本ロール社製)に巻き付けた。このときロール表
面温度は、前ロール40℃、後ロール50℃であった。
このオープンロール上で表2に示す配合剤を添加し2分
間混練したのち、厚さ3mmでシート出しした。この配合
ゴムを用い、JIS K 6300未加硫ゴム物理試験
法に従って、125℃でムーニー粘度を測定した。 更
に、この配合ゴムを160℃−20分間でプレス加硫し
2mm厚の加硫ゴムシ−トを用い、JIS K 6301
加硫ゴム物理試験方法に従って25℃雰囲気下で引張強
さ、伸び、低温脆化温度を測定した。同じく、JIS
K 6301に基づき耐熱老化試験を行なった。老化温
度は120℃であり、老化時間は70時間とした。これ
らの測定結果を表13に示した。
【0050】
【0051】
【0052】実施例2 実施例1において、軟化剤として下記に示す物を用いた
以外は、実施例1と全く同様に行なった。 C1225OCOOC1225 結果は、表13に示した。
【0053】実施例3 実施例1において、軟化剤として下記に示す物を用いた
以外は、実施例1と全く同様に行なった。 ROCOOR Rはアルキル基の混合物を表し、その比率は以下の通り
である。 C1225/C1327/C1429/C1531 =40/10/45/5 結果は、表13に示した。
【0054】比較例1 実施例1において、軟化剤として下記に示す市販の芳香
族系プロセスオイルを用いた以外は、実施例1と全く同
様に行なった。 ダイアナプロセスオイルAH−10S: 出光興産社製 結果は、表13に示した。
【0055】比較例2 実施例1において、軟化剤として下記に示す市販のエス
テル系可塑剤を用いた以外は、実施例1と全く同様に行
なった。 DOP(Dioctyl phthalate):大八化学社製 結果は、表13に示した。
【0056】実施例4 実施例1において、表1の配合物を表3の如くし、表2
の配合物を表4の如くし、加硫条件を160℃で30分
とし、耐熱老化試験における老化温度を150℃で70
時間とした以外は実施例1と同様にした。結果は、表1
3に示した。
【0057】
【0058】
【0059】比較例3 実施例4において、軟化剤として下記に示す市販の芳香
族系プロセスオイルを用いた以外は、実施例4と全く同
様に行なった。 ダイアナプロセスオイルAH−10S: 出光興産社製 これをプレス加硫したが、加硫が甘く、加硫物性の測定
はできなかった。
【0060】比較例4 実施例4において、軟化剤として下記に示す市販のエス
テル系可塑剤を用いた以外は、実施例4と全く同様に行
なった。 DOP(Dioctyl phthalate):大八化学社製 結果は、表13に示した。
【0061】実施例5 実施例1において、表1の配合物を表5の如くし、表2
の配合物を表6の如くし、加硫条件を150℃で30分
とし、耐熱老化試験における老化温度を135℃で70
時間とした以外は実施例1と同様にした。結果は、表1
3に示した。
【0062】
【0063】
【0064】比較例5 実施例5において、軟化剤として下記に示す市販の芳香
族系プロセスオイルを用いた以外は、実施例5と全く同
様に行なった。 ダイアナプロセスオイルAH−10S: 出光興産社製 結果は、表13に示した。
【0065】比較例6 実施例5において、軟化剤として下記に示す市販のエス
テル系可塑剤を用いた以外は、実施例5と全く同様に行
なった。 DOP(Dioctyl phthalate):大八化学社製 結果は、表13に示した。
【0066】実施例6 実施例1において、表1の配合物を表7の如くし、表2
の配合物を表8の如くし、加硫条件を一次加硫150℃
で10分のプレス加硫とし、二次加硫を150℃−15
時間のオーブン加硫とし、耐熱老化試験における老化温
度を150℃で70時間とした以外は実施例1と同様に
した。結果は、表13に示した。
【0067】
【0068】
【0069】比較例7 実施例6において、軟化剤として下記に示す市販の芳香
族系プロセスオイルを用いた以外は、実施例6と全く同
様に行なった。 ダイアナプロセスオイルAH−10S: 出光興産社製 結果は、表13に示した。
【0070】比較例8 実施例6において、軟化剤として下記に示す市販のエス
テル系可塑剤を用いた以外は、実施例6と全く同様に行
った。 DOP(Dioctyl phthalate):大八化学社製 結果は、表13に示した。
【0071】実施例7 実施例1において、表1の配合物を表9の如くし、表2
の配合物を表10の如くし、加硫条件を155℃で30
分とした以外は実施例1と同様にした。結果は、表13
に示した。
【0072】
【0073】
【0074】比較例9 実施例7において、軟化剤として下記に示す市販の芳香
族系プロセスオイルを用いた以外は、実施例7と全く同
様に行なった。 ダイアナプロセスオイルAH−10S: 出光興産社製 結果は、表13に示した。
【0075】比較例10 実施例7において、軟化剤として下記に示す市販のエス
テル系可塑剤を用いた以外は、実施例7と全く同様に行
なった。 DOP(Dioctyl phthalate):大八化学社製 結果は、表13に示した。
【0076】実施例8 実施例1において、表1の配合物を表11の如くし、表
2の配合物を表12の如くし、加硫条件を160℃で1
5分とし、耐熱老化試験における老化条件を150℃で
70時間とした以外は実施例1と同様にした。結果は、
表13に示した。
【0077】 ** ノクラックNBC;大内新興社製
***ノクラックODA;大内新興社製
【0078】
【0079】比較例11 実施例8において、軟化剤として下記に示す市販の芳香
族系プロセスオイルを用いた以外は、実施例8と全く同
様に行なった。ダイアナプロセスオイルAH−10S:
出光興産社製結果は、表13に示した。
【0080】比較例12 実施例8において、軟化剤として下記に示す市販のエス
テル系可塑剤を用いた以外は、実施例8と全く同様に行
なった。 DOP(Dioctyl phthalate):大八化学社製 結果は、表13に示した。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33/08 C08L 33/08 (72)発明者 藤井 堅 東京都港区虎ノ門二丁目7番7号 ミテ ックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−214187(JP,A) 特開 平2−99534(JP,A) 特開 平3−2234(JP,A) 特開 昭61−145236(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 21/00 C08L 9/02 C08L 11/00 C08L 23/08 C08L 33/08 C08K 5/11

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋可能ゴム(但し、塩素含量が20〜
    40重量%であり、ムーニー粘度[ML 1+4 (121
    ℃)]が10〜190である塩素化エチレン・α−オレ
    フィン共重合ゴムを除く)100重量部と一般式(I)
    で表される長鎖アルキルカ−ボネ−トを5ないし200
    重量部含むことを特徴とする架橋可能ゴム組成物。 R1 OCOOR2 ・・・・・・・・(I) (式中R1 及びR2 は同一または異なるものであって炭
    素数1ないし36の直鎖状あるいは分岐のアルキル基、
    シクロアルキル基あるいはシクロアルキル基を含むアル
    キル基であって、R1 、R2 のうち少なくとも一つ以上
    は炭素数6ないし36の直鎖状または分岐状アルキル基
    である)
  2. 【請求項2】 該架橋可能ゴムが、クロロプレンゴム、
    塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、アクリ
    ルゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴムから選ば
    れたものである請求項1記載の架橋可能ゴム組成物。
JP08915092A 1992-04-09 1992-04-09 架橋可能なゴム組成物 Expired - Fee Related JP3193108B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08915092A JP3193108B2 (ja) 1992-04-09 1992-04-09 架橋可能なゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08915092A JP3193108B2 (ja) 1992-04-09 1992-04-09 架橋可能なゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0748478A JPH0748478A (ja) 1995-02-21
JP3193108B2 true JP3193108B2 (ja) 2001-07-30

Family

ID=13962838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08915092A Expired - Fee Related JP3193108B2 (ja) 1992-04-09 1992-04-09 架橋可能なゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3193108B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4867311B2 (ja) * 2004-11-24 2012-02-01 ダイソー株式会社 加硫ゴム用組成物およびその加硫物
JP5589289B2 (ja) * 2008-09-30 2014-09-17 Nok株式会社 ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0748478A (ja) 1995-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2604594B2 (ja) 加硫可能ゴム組成物
JP3193108B2 (ja) 架橋可能なゴム組成物
EP0453262B1 (en) Chlorinated ethylene-alpha-olefin copolymer rubber and composition thereof
JP3193109B2 (ja) 架橋可能ゴム組成物
JP3376658B2 (ja) 熱風架橋用エチレン−プロピレン系共重合ゴム組成物
JP3153607B2 (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JP3150402B2 (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JP3480131B2 (ja) 架橋可能なゴム組成物
JP2904861B2 (ja) 塩素化エチレン・α―オレフィン共重合ゴム及びその組成物
US5237010A (en) Chlorinated ethylene-α-olefin copolymer rubber and composition
JP3313774B2 (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JPS6036164B2 (ja) エチレン共重合体
JPH0465856B2 (ja)
JP2813407B2 (ja) 加硫可能ゴム組成物
JPH03258846A (ja) 加硫可能ゴム組成物
JPH03263437A (ja) 半導電性ゴム発泡体
JP2932740B2 (ja) 熱風架橋用エチレン−プロピレン系共重合ゴム組成物
JPH0456059B2 (ja)
JPH06345922A (ja) 加硫可能ゴム組成物
JPH06136207A (ja) オイルブリード性塩素化エチレン・α−オレフィン共 重合ゴム組成物
JPH05279529A (ja) 加硫可能塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JPH0790146A (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JPH0733928A (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JPH0733927A (ja) 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物
JPH0459845A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010515

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees