JPH0753819A - 塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物 - Google Patents

塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物

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JPH0753819A
JPH0753819A JP19850693A JP19850693A JPH0753819A JP H0753819 A JPH0753819 A JP H0753819A JP 19850693 A JP19850693 A JP 19850693A JP 19850693 A JP19850693 A JP 19850693A JP H0753819 A JPH0753819 A JP H0753819A
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JP
Japan
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weight
vinyl chloride
chloride resin
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elastomer composition
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JP19850693A
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Masabumi Oshima
正文 大島
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮永久歪、低温柔軟性、耐候性、成形性及
び耐ブリード性の優れた塩化ビニル樹脂系エラストマー
組成物を提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂95〜50重量%及び塩素
化ポリエチレン5〜50重量%からなる塩素含有樹脂1
00重量部に対してテトラヒドロフラン不溶解架橋成分
を含むNBR97〜70重量%及びEPDM3〜30重
量%からなるゴム成分20〜400重量部並びに可塑剤
10〜300重量部を配合してなる塩化ビニル樹脂系エ
ラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮永久歪、耐クリー
プ特性、低温特性及び耐候性の優れた塩化ビニル樹脂系
エラストマー組成物に係る。
【0002】
【従来の技術】エラストマー材料に対する性能向上の要
求は、年々高まりを見せており、特に自動車分野ではグ
ラスランチャンネルや水切りの素材として優れた圧縮永
久歪が要求されている。従来、これら素材として軟質塩
化ビニル樹脂が柔軟なゴム様感触を有し、加硫ゴムに比
べて成形性、耐候性、着色性等に優れており、またコス
トの点からも広範囲に使用されてきた。しかし、圧縮永
久歪が加硫ゴムに比べて劣り、また軟化温度が低いため
に高温での使用が制限されている。そこで、塩化ビニル
樹脂を高重合度のものにかえて改良する試みがなされて
いるが満足すべきものが得られていない。
【0003】本出願人は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤及
びゴム状物質からなる組成物を有機過酸化物と共に混練
して、圧縮永久歪が改良され、かつ塩化ビニル系樹脂と
比較して成形性の変らない塩化ビニル樹脂系熱可塑性エ
ラストマーの製造方法について特願昭60−37205
号にて提案したが、該エラストマーは圧縮永久歪が優れ
ているものの、経時的劣化防止性能、低温特性が要求さ
れる近年の傾向には追随できず、耐候性、低温特性の改
善が待たれていた。上述出願に係る発明のエラストマー
は、塩化ビニル系樹脂自体の極性が強くて分子の凝集力
が強いために、低温側での温度依存性が大きく、冷却し
た場合に硬くなり硬度変化が大きいという現象がある。
例えば、このエラストマーを自動車用ウエザーストリッ
プのように可動部のシール材として使用した場合、常温
では柔軟性を示すが−20℃という低温になったとき、
硬化してゴム弾性が減少し、シール性が悪化する原因に
なっている。
【0004】また、耐ガソリン抽出性等の耐燃料油抽出
性を改良する目的で、塩素化ポリエチレン、可塑剤、塩
化ビニル樹脂及び部分架橋NBRを配合するエラストマ
ー組成物の製造法の発明が特開昭63−309546号
公報に開示されているが、塩素化ポリエチレンが主樹脂
成分であるために可塑剤のブリード現象は避けられず、
成形品を汚染するとともに、成形品を重ね合せたときブ
ロッキングが起るという欠点があり、またこの発明には
圧縮永久歪、耐クリープ性、低温特性を改良するという
技術思想は示されていない。
【0005】さらに、機械的特性、熱安定性、低温特
性、加工性においてバランスのとれた性能を有する成形
用樹脂組成物を得る目的で、ポリ塩化ビニル、ブタジエ
ン系コポリマー、塩素化ポリエチレン及びポリエステル
系可塑剤からなる発明が特開昭50−145454号公
報に開示されているが、ブタジエン系コポリマーが架橋
構造を有していないために、圧縮永久歪、耐クリープ性
の点で満足しうるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、塩化ビニ
ル系樹脂を主樹脂成分とした圧縮永久歪及び耐候劣化性
能に優れ、成形性が良好で、また成形品の可塑剤ブリー
ド及びブロッキングがなく、かつ少しでも低温柔軟性の
優れた塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物を得ること
を目的として鋭意検討した結果、塩化ビニル系樹脂、部
分架橋NBR及び可塑剤からなるエラストマーの塩化ビ
ニル系樹脂及び部分架橋NBRの一部をそれぞれ塩素化
ポリエチレン及びEPDMに置き換えることにより上述
の目的を全て達成しうることを見い出し、本発明を完成
するに到った。本発明の目的は、圧縮永久歪、耐候性、
低温柔軟性、成形性及び耐ブリード性の優れた塩化ビニ
ル樹脂系エラストマー組成物及びその製法を提供するに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、塩化ビニル系樹脂95〜50重量%及び塩素化ポ
リエチレン5〜50重量%からなる塩素含有樹脂100
重量部に対してテトラヒドロフラン不溶解架橋成分を含
むNBR97〜70重量%及びEPDM3〜30重量%
からなるゴム成分20〜400重量部並びに可塑剤10
〜300重量部を含有してなる塩化ビニル樹脂系エラス
トマー組成物にある。
【0008】本発明を詳細に説明する。本発明のエラス
トマー組成物の塩素含有樹脂成分である塩化ビニル系樹
脂は、塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれに共重合可能
なコモノマーとの混合物を懸濁重合法、塊状重合法、微
細懸濁重合法または乳化重合法等通常の方法によって製
造されたものすべてが用いられる。コモノマーとして
は、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル
酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエー
ト、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジ
ブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマール酸
エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエー
テル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレ
フィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル
以外のハロゲン化ビニリデンまたはハロゲン化ビニル
類、ジアクリルフタレート、エチレングリコールジメタ
クリレートなどの多官能性単量体が挙げられ、勿論、コ
モノマーは、上述のものに限定されるものではない。コ
モノマーは、塩化ビニル系樹脂の構成成分中30重量%
以下、好ましくは20重量%以下の範囲である。
【0009】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限
定するものではないが、加工性、成形性等の点から70
0〜8000、好ましくは1300〜3500の範囲に
あるのが望ましい。本発明のエラストマー組成物の塩素
含有樹脂の他の成分である塩素化ポリエチレンは、高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン単独
重合体またはエチレンとそれに共重合可能なα−オレフ
ィンとの共重合体の粉末を水性懸濁下その軟化温度付近
で塩素ガスを導入して塩素化することにより得られる。
また重合体を溶媒に溶解し、触媒の存在下塩素ガスを反
応させて製造したものであってもよい。塩素化ポリエチ
レンの塩素化度は20〜45%のものを用いるのが好ま
しい。
【0010】塩素化ポリエチレンの添加量は、塩素含有
樹脂成分の5〜50重量%、すなわち、上述の塩化ビニ
ル系樹脂95〜50重量%及び塩素化ポリエチレン5〜
50重量%の範囲で合計100重量部にすることが必要
である。5重量%より少ないと低温柔軟性の改良効果が
期待できず、一方、50重量%より多いと成形品表面に
可塑剤がブリードしてくる。また、ペレットが粘着(ブ
リッジング)し成形機への喰い込みが悪く、成形性に問
題が生じる。
【0011】本発明のエラストマー組成物に含まれるN
BRは、テトラヒドロフラン(以下THFという)に対
する不溶解架橋成分、いわゆるゲル分を含んでいること
が必要であり、ゲル分はNBRの30重量%以上、特に
50重量%以上あるのが好ましい。ゲル分の測定は、N
BRのサンプル1gに対し25℃のTHF40ccを攪拌
しながら加えた後浸漬静置し、12時間後に上澄みTH
Fを除去する。この操作を8回繰返し、不溶解残渣を乾
燥後その重量から算出する。なお、NBRに炭酸カルシ
ウム等の無機物質が打粉剤、互着防止剤として含まれて
いる場合には、無機物質の含有量を差引いて算出する。
【0012】NBR中のTHF不溶解架橋成分は、NB
Rに初めから含まれているのが好ましく、エラストマー
組成物調製時に架橋剤を配合して添加されたNBRと架
橋剤とを混練中に架橋反応させて、さらにゲル分を増大
させるのがより望ましい。勿論、ゲル分を含まないNB
Rと架橋剤とを反応させてゲル分を生成してもよい。前
者は市販のゲル分を含むNBRがそのまま使用され、後
者は塩化ビニル系樹脂、NBR、EPDM、架橋剤、可
塑剤等の配合物を加熱混練してエラストマー組成物を調
製する間にNBRと架橋剤とを反応させる。
【0013】上述のNBRを架橋するために用いる架橋
剤としては、例えばクメンヒドロペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン等の有機過酸化物、p−キノンジオキシム、p,p
´−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノン誘導体、
ブロモメチルアルキル化フェノール樹脂等のフェノール
樹脂、1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリエチレン
テトラミン等のアミン系化合物、硫黄または硫黄系化合
物等普通ゴムの架橋に使用される架橋剤が使用され、通
常、架橋促進剤、老化防止剤が併用される。架橋剤の使
用量は、前述塩素含有樹脂成分100重量部を基準にし
て0.05〜10重量部の範囲であるのが好ましく、特
に0.1〜5重量部の範囲が適当である。
【0014】架橋促進剤としては、例えばn−ブチルア
ルデヒドアミン等のアルデヒドアミン系、N,N´−ジ
フェニルチオ尿素等のチオ尿素系、ジ−o−トリグアニ
ジン、1,3−ジフェニルグアニジン等のグアニジン
系、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィド等のチアゾール系、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等
のチウラム系、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベン
ゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド
系、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N
−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミ
ン酸塩等各種のものが挙げられ、また老化防止剤として
は、例えば6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,
4−トリメチルキノリン、フェニル−1−ナフチルアミ
ン、オクチル化ジフェニルアミン、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2,2´−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メル
カプトベンツイミダゾール等が挙げられる。本発明組成
物のゴム成分の一つ、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン三元共重合体(EPDM)は、市販のものが使用さ
れる。共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン(D
CPD)、メチルテトラヒドロインデン(MTHI)、
メチレンノルボルネン(MNB)、エチリデンノルボル
ネン(ENB)等が挙げられる。
【0015】しかして、ゴム成分の配合割合は、前述塩
素含有樹脂成分100重量部に対して20〜400重量
部、好ましくは50〜300重量部の範囲であり、20
重量部よりも少ないと圧縮永久歪特性が劣り、目的とす
る物性が得られず、一方400重量部よりも多いと賦形
性が悪くなり、押出成形性が劣って成形品に耳切れ(エ
ッヂ切れ)等の不都合が生じる。また、ゴム成分のNB
R及びEPDMの使用割合は、NBR97〜70重量%
及びEPDM3〜30重量%の範囲で用いられ、EPD
Mの量が3重量%よりも少ないと耐候性改良の効果が少
なく、30重量%よりも多くなると成形性が劣る傾向に
ある。
【0016】本発明のエラストマー組成物は、可塑剤を
併用することにより組成物を軟らかくして混練、加工を
容易にし、かつ圧縮永久歪の改善に役立つ。可塑剤とし
ては、特に限定されるものではなく、例えば、ジ−2−
エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
ヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジ
オクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の直鎖二
塩基酸エステル系可塑剤;トリメリット酸エステル系可
塑剤;ポリエステル系高分子可塑剤;エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、液状エポキシ樹脂等のエポキ
シ系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリキシリル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エ
ステル系可塑剤が挙げられ、これらの1種または2種以
上を混合して使用する。
【0017】しかして、可塑剤の使用量は塩化ビニル系
樹脂、塩素化ポリエチレン、NBR、EPDM等の種類
及び添加量、充填剤の有無等によって異なるけれども、
樹脂成分100重量部に対して10〜300重量部、好
ましくは40〜200重量部の範囲から適宜選択され
る。
【0018】本発明のエラストマー組成物には、圧縮永
久歪を損なわない範囲で充填剤を添加するのが望まし
い。充填剤は過剰量の可塑剤を吸収するとともに混練、
成形を円滑にする作用がある。充填剤としては、例えば
カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タル
ク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイド
ロタルサイト、クレー、シリカ、ホワイトカーボン等が
挙げられる。充填剤の添加量は、樹脂成分100重量部
に対して600重量部以下、好ましくは10〜550重
量部、特に好ましくは20〜400重量部の範囲であ
る。充填剤の添加量が余り少ないと、混練、成形性を改
良する効果が小さく、600重量部より多くなると逆に
成形性が悪くなる傾向にあり、成形性を損なわない範囲
で添加するのが経済性の点からも望ましい。
【0019】また、本発明のエラストマー組成物にアク
リル樹脂を添加することにより、押出成形性を改善する
ことができる。アクリル樹脂とは、アクリル酸またはそ
の誘導体を重合して得られるものをいい、アクリル酸、
アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合体
または共重合体があげられる。特に本発明のエラストマ
ー組成物では、メタクリル酸メチルとアクリル酸アルキ
ルとの共重合体であって、前者が60重量%以上、好ま
しくは70〜90重量%及び後者が40重量%以下、好
ましくは30〜10重量%の範囲のものを使用するのが
適当である。アクリル樹脂の添加量は、塩化ビニル系樹
脂及び塩素化ポリエチレンの合計量100重量部に対し
て0.1〜30重量部好ましくは1〜20重量部の範囲
であるのが望ましい。
【0020】さらに、本発明のエラストマー組成物に
は、必要に応じて安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、発泡剤、難燃剤、顔料、衝撃改良剤、上述以外の
熱可塑性樹脂、ゴム等の各種添加剤を配合してもよい。
熱可塑性樹脂及びゴムとしては、例えば、メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレンゴム(MBS)、アク
リルゴム(AR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン
−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレンゴム(ABS)、イソプレンゴム(I
R)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPR)、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、
熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ナイロン等が挙げら
れる。
【0021】本発明の塩化ビニル樹脂系エラストマー組
成物は、塩化ビニル系樹脂、塩素化ポリエチレン、TH
F不溶解架橋成分を含むNBR、EPDM及び可塑剤並
びにアクリル樹脂、充填剤等他の各種添加剤を所定量混
合機または混練機に投入し、100〜230℃、好まし
くは130〜230℃の温度に加熱しながら混合・混練
するか、あるいは塩化ビニル系樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、未架橋または部分架橋NBR、EPDMと架橋剤、
可塑剤、アクリル樹脂、充填剤等所定量を均一に混合・
混練する方法によって製造される。
【0022】本発明のエラストマー組成物は、例えば次
のような方法によって製造するのが操作上または均一混
練組成物を得る点で望ましい。すなわち、まず塩化ビニ
ル系樹脂及び可塑剤並びに必要に応じてアクリル樹脂か
らなる配合物を予めドライブレンドし、該ドライブレン
ド物に、NBR、好ましくはTHF不溶解架橋成分を含
むNBR、塩素化ポリエチレン及び必要に応じて架橋
剤、充填剤等を均一に混合し、次いでEPDMとともに
100〜230℃の温度に加熱しながら混練する。
【0023】上述の配合成分を混合するのに用いる装置
は、実質的に均一に混合できるならいかなる装置でもよ
く、たとえばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、
プラネタリーミキサー等が挙げられ、また混合物を混練
するには、例えば押出機、ロール、バンバリーミキサ
ー、ニーダー等の加熱しながら剪断力下混練できる装置
が使用される。エラストマー組成物製造時にNBRのゲ
ル分を増加させる方法においては、バンバリーミキサ
ー、インテンシブミキサー、加圧ニーダー等の密閉式混
練機または同方向二軸押出機を用いるのが混練効果が大
きいので望ましい。
【0024】これら混練機を使用することにより、架橋
剤、例えば有機過酸化物の分解ガスが混練機外に拡散し
ないので混練効果と相俟って反応効率が向上し、良好に
NBRのゲル分濃度を増大させることができる。混練温
度が100℃よりも低いと架橋反応の進行が遅く、また
長時間を要するため生産性が劣り、また230℃より高
い温度ではエラストマー組成物が分解し易くなる。
【0025】
【実施例】次に本発明の組成物を実施例にて詳述する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。尚、塩化ビニル樹脂系エラ
ストマー組成物の品質評価は次の通り行い表−1に示し
た。
【0026】
【表1】 圧縮永久歪:JIS K6301に基づき70℃×22
時間、25%圧縮条件で測定。 低温柔軟性:JIS K6301に基づく低温ねじり試
験法において、見かけねじりモジュラスが1.0×10
3kg/cm2 になるときの温度で示した。 耐候性: 実施例および比較例で作成したペレットを
ロールにてシート化を行いプレスシートを作成した後、
該プレスシートを2cm角に打ち抜いて試料片とし、促進
耐候試験に供した。試験前後の色差を測定した。 促進耐候試験方法 機器:アイスーパーUVテスター 岩崎電気(株)製 ブラックパネル63℃、 1サイクル:5時間照射・1時間結露 紫外線強度:100±5ミリワット(mW)/cm2 上記条件にて48時間(8サイクル)行い、促進耐候試
験とした。 色差測定方法 機器:倉敷紡績(株)製 AUCOLOR VP−1 試料片表面に光を当て、反射光を分光光度計により測定
する。試験前後の試料表面の反射光強度差を色差とし
た。数値が大きいほど色変化が大きい。 押出成形性:エラストマー組成物のペレットを20mmφ
押出機で0.5mm厚、20mm幅の平ベルトを180℃の
温度で押出し、成形品のエッヂ切れを目視にて判断し
た。 ○ エッヂ切れなし。 △ エッヂ切れが若干認められる。 × エッヂ切れがあるもの。
【0027】
【表2】 成形品の加熱試験:耐ブリード性試験法に準拠して2mm
厚のプレスシートを50℃、60%相対湿度の恒温恒湿
機中に1週間放置加熱した後、それを取り出し23℃で
1時間放置後の成形品表面の変化を目視観察した。 ○ ブリード等表面に変化なし。 × ブリードがあるかまたは若干表面に肌荒れが観察さ
れる。 また、実施例で使用した表中の原料は次の通りである。 1 塩素化ポリエチレン(CPE) 塩素化前のポリエチレンの分子量20万、塩素化度30
%、結晶性(結晶融解熱)10.7cal/g 2 NBR PNC38 THF不溶解架橋成分 75wt%(日本
合成ゴム(株)製) 3 EPDM EP57P プロピレン比28重量%、非共役ジエンE
NBヨウ素化15.0 (日本合成ゴム(株)製) 4 過酸化物 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン 5 アクリル樹脂 P551A メタクリル酸メチル(70〜90wt%)
/アクリル酸アルキル(30〜10wt%)(三菱レイ
ヨン(株)社製)
【0028】実施例1〜6、比較例1〜2 塩化ビニル樹脂(PVC、平均重合度2350)を所定
重量部数(表−1に記載、以下同様)、バリウム−亜鉛
系安定剤3重量部、アクリル樹脂5重量部、ホスファイ
ト系キレーター1重量部、炭酸カルシウム150重量
部、酸化亜鉛5重量部、イミダゾール系老化防止剤4重
量部、黒色顔料6重量部をジャケット温度100℃のヘ
ンシェルミキサーに投入して攪拌し、可塑剤(アジピン
酸エステル)73重量部を添加し、樹脂温度110℃ま
で攪拌してドライアップした。ドライアップ後樹脂温度
が70℃以下になるまで冷却し、次いでNBR塩素化ポ
リエチレン(CPE)及び架橋剤(過酸化物)をそれぞ
れ所定重量部数添加して攪拌した。これをEPDM所定
重量部数とともにジャケット温度130℃のバンバリー
ミキサーで樹脂温度185℃になるまで混練し、表面温
度170℃のミルロールに移してシート化し、シートカ
ット方式でペレット化を行った。得られた塩化ビニル樹
脂系エラストマー組成物の品質評価を行い表−1に記し
た。
【0029】
【表3】
【0030】表−1の結果、本発明のエラストマー組成
物は、圧縮永久歪、低温特性、押出成形性等の諸物性に
優れており、EPDMを添加したものは耐候性が改良さ
れていることが判る。
【0031】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル樹脂系エラストマー
組成物は、塩化ビニル系樹脂、部分架橋ゲル分含有NB
R及び可塑剤からなるエラストマーの塩化ビニル系樹脂
及びNBRの一部分をそれぞれ塩素化ポリエチレン及び
EPDMに置き換えることにより、圧縮永久歪、成形加
工性、耐ブリード性等の特性を損なうことなく低温柔軟
性を向上させることができ、また特に耐候性が改良さ
れ、押出成形は勿論、カレンダー加工、射出成形、イン
フレーション成形、圧縮成形等の原料として使用するこ
とができ、したがって任意または所望形状の成形体を得
ることができる。
【0032】本発明の塩化ビニル樹脂系エラストマー組
成物は、特にウエザーストリップ、グラスランチャンネ
ル、パッキン、ガスケット、ホース、シート、グリッ
プ、ロール、グロメット、ダクトブーツ、クッション材
等の工業用、自動車用、建材用の幅広い用途に使用する
ことができる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表3】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂95〜50重量%及び
    塩素化ポリエチレン5〜50重量%からなる塩素含有樹
    脂100重量部に対してテトラヒドロフラン不溶解架橋
    成分を含むアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下N
    BRという)97〜70重量%及びエチレン−プロピレ
    ン−非共役ジエン三元共重合体(以下EPDMという)
    3〜30重量%からなるゴム成分20〜400重量部並
    びに可塑剤10〜300重量部を含有する塩化ビニル樹
    脂系エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 テトラヒドロフランに対する不溶解架橋
    成分を30重量%以上含むNBRである請求項1記載の
    塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 架橋剤0.05〜10重量部を含有する
    請求項1または請求項2記載の塩化ビニル樹脂系エラス
    トマー組成物。
  4. 【請求項4】 架橋剤が有機過酸化物である請求項3記
    載の塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 アクリル樹脂を含有する請求項1乃至請
    求項4いずれかの項に記載の塩化ビニル樹脂系エラスト
    マー組成物。
  6. 【請求項6】 充填剤を含有する請求項1乃至請求項5
    いずれかの項に記載の塩化ビニル樹脂系エラストマー組
    成物。
  7. 【請求項7】 充填剤が炭酸カルシウムまたはクレーで
    ある請求項6記載の塩化ビニル樹脂系エラストマー組成
    物。
  8. 【請求項8】 塩化ビニル系樹脂95〜50重量%及び
    塩素化ポリエチレン5〜50重量%からなる塩素含有樹
    脂100重量部に対してテトラヒドロフラン不溶解架橋
    成分を含むNBR97〜70重量%及びEPDM3〜3
    0重量%からなるゴム成分20〜400重量部並びに可
    塑剤10〜300重量部を含む配合物を100〜230
    ℃の温度で混合、混練することを特徴とする塩化ビニル
    樹脂系エラストマー組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 混合、混練時に充填剤、アクリル樹脂ま
    たは架橋剤を存在させる請求項8記載の塩化ビニル樹脂
    系エラストマー組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 塩化ビニル系樹脂及び可塑剤またはこ
    れらにアクリル樹脂を配合したものを予めドライブレン
    ドした後、NBR、塩素化ポリエチレン及び架橋剤を混
    合し、次いでEPDMと一緒に混練する請求項8または
    請求項9記載の塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 塩化ビニル系樹脂95〜50重量%及
    び塩素化ポリエチレン5〜50重量%からなる塩素含有
    樹脂100重量部に対してNBR97〜70重量%及び
    EPDM3〜30重量%からなるゴム成分20〜400
    重量部、可塑剤10〜300重量部並びに架橋剤0.0
    5〜10重量部を含む配合物を100〜230℃の温度
    で混合、混練し、NBRにテトラヒドロフラン不溶解架
    橋成分を生成せしめることを特徴とする塩化ビニル樹脂
    系エラストマー組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 混合、混練時に充填剤またはアクリル
    樹脂を存在せしめる請求項11記載の塩化ビニル樹脂系
    エラストマー組成物の製造方法。
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