JP4158548B2 - 塩素化ポリオレフィン組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素化ポリオレフィン未加硫ゴムの押出成型時の加工性改良及び加硫物の機械物性改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩素化ポリエチレンは、耐熱性,耐寒性,耐候性,耐オゾン性に優れることから、ホース等の外層材としての適応が検討されてきた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
ホースは一般に押出成型により加工され加硫することにより製造されるが、押出成型時又は加硫初期のヘタリの問題から未加硫ゴムのコンパウンドムーニー粘度を高くする必要があった。コンパウンドムーニー粘度を高くする方法の一つに、補強剤、充填剤を増量する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
しかし、補強材の添加は、未加硫物のコンパウンドムーニー粘度を上げるのに有効であるが、同時に加硫物の硬度が非常に高くなり、添加量に制限があった。また充填剤の添加は、補強材に比べて多く添加することが可能であるが、加硫物の硬度が高くなり、機械物性の低下や低温特性の低下等の問題があった。多くの場合、補強材,充填剤を組み合わせて添加し、可塑剤,軟化剤の添加により加硫物の硬度調節を行うが、加硫物の機械物性,低温特性を維持しつつ、未加硫物のコンパウンドムーニー粘度をアップさせることは困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−123031号公報
【特許文献2】
特開平4−171380号公報
【特許文献3】
特開平4−168137号公報
【非特許文献1】
郷田兼成、樋口秀臣著「合成ゴム加工技術全書▲9▼ハイパロン/塩素化ポリエチレン」大成社出版、昭和48年11月25日発行、97頁〜102頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塩素化ポリオレフィンに関し、加硫物の低温特性を損なうこと無しに、未加硫物コンパウンドのムーニー粘度を高くし、押出加工性改良及び加硫物の機械物性の改善された塩素化ポリオレフィン組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、塩素化ポリオレフィンにクロロスルホン化ポリオレフィンをブレンドし、特定の有機化合物を添加することにより上記課題が解決し得ることを見出し本発明に至ったものである。すなわち、塩素化ポリオレフィン70〜99wt%,クロロスルホン化ポリオレフィン1〜30wt%の割合からなるブレンド体100重量部に対して、有機化合物として、以下に示した試験方法でのムーニースコーチタイムが5分以下となる有機化合物を0.3〜15重量部配合してなることを特徴とする塩素化ポリオレフィン組成物である。
<ムーニースコーチタイム試験方法>
クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO−CSM TS−530:塩素含量35wt%,硫黄含量1.0wt%,ML(1+4)100℃=56)100重量部、酸化マグネシウム(協和化学工業社製キョーワマグ150)10重量部、有機化合物を2重量部、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン(大内新興化学工業社製ノクセラーTCA)を2重量部を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、JIS−K 6300(2001)に従いL形ローター、125℃の条件でのVmより5M上昇する時間(スコーチタイムt5)を測定する。
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明で用いられる塩素化ポリオレフィンとしては、原料であるポリオレフィンを塩素化して得られる塩素化ポリオレフィンであれば特に限定するものではなく、例えば1,1,2−トリクロロエタン、クロロホルム、塩化ベンゼン、フッ化ベンゼン、四塩化炭素、水等の塩素化反応に不活性な溶剤に溶解又は懸濁させたポリオレフィンを、ラジカル活性剤あるいは紫外線の存在下で、塩素ガスや塩化スルフリル等の塩素化剤で塩素化して得られるものが挙げられる。また使用するポリオレフィンとしては特に制限はないが、例えば、ポリエチレンや、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン等のエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。また、これらの塩素化ポリオレフィンは単独、若しくは2種類以上のブレンド体であっても何等の問題なく使用可能である。
【0010】
塩素化ポリオレフィン中の塩素量は、耐熱性、耐候性及び加硫物性のバランスにより15〜50wt%が好ましく、更に好ましくは20〜45wt%である。
【0011】
本発明で用いられるクロロスルホン化ポリオレフィンとしては、原料であるポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化して得られるクロロスルホン化ポリオレフィンであれば特に限定するものではなく、例えば、クロロスルホン化ポリエチレンや、クロロスルホン化エチレン−プロピレン共重合体、クロロスルホン化エチレン−1−ブテン共重合体、クロロスルホン化エチレン−1−ヘキセン共重合体、クロロスルホン化エチレン−1−オクテン等のクロロスルホン化エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。また、これらのクロロスルホン化ポリオレフィンは単独、若しくは2種類以上のブレンド体であっても何等の問題なく使用可能である。
【0012】
クロロスルホン化ポリオレフィン中の硫黄量は、本発明の目的である塩素化ポリオレフィンの未加硫ゴムコンパウンドを有効にアップさせるには、0.2wt%以上が好ましく、更に好ましくは0.5wt%以上である。クロロスルホン化ポリオレフィン中の塩素量は、特に制限はないが、15〜50wt%が好適に使用できる。
【0013】
塩素化ポリオレフィンとクロロスルホン化ポリオレフィンのブレンド比(wt%)は、塩素化ポリオレフィン/クロロスルホン化ポリオレフィン=99/1〜70/30である。更に好ましくは、95/5〜75/25である。クロロスルホン化ポリオレフィンのブレンド比(wt%)が1より小さい場合には、塩素化ポリオレフィン未加硫物のコンパウンドムーニー粘度をアップさせることができず、30より大きい場合には、コンパウンドムーニー粘度が高くなり過ぎて押出成型ができない問題点が発生する。
【0014】
本発明で用いられる有機化合物は、クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO−CSM TS−530:塩素含量35wt%,硫黄含量1.0wt%,ML(1+4)100℃=56)100重量部、酸化マグネシウム(協和化学工業社製キョーワマグ150)10重量部、有機化合物を2重量部、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン(大内新興化学工業社製ノクセラーTCA)を2重量部を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、JIS−K 6300(2001)に従いL形ローター、125℃の条件でのVm(最低ムーニー粘度)より5M(M:ムーニー粘度の略、1M=0.083N・m)上昇する時間(スコーチタイムt5)を測定した場合、5分以下となる有機化合物であれば特に制限はなく、オニウム塩、アミン類、アミン類の塩、アミジン類、アミジン類の塩から選ばれる少なくとも1種類以上が好ましく用いられる。具体的には、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド等の有機アンモニウム塩、臭化アリルトリフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、塩化アリルトリブチルホスホニウム等の有機ホスホニウム塩、ジシクロヘキシルアミン等のアミン類、2−メルカプトベンゾチゾールのジシクロヘキシルアミン塩等のアミン類の塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5及び6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン類、アミジン類と炭酸,フェノール類,カルボン酸等の酸性成分からなる塩等のアミジン類の塩が挙げられる。
【0015】
これらの有機化合物は、単独若しくは2種類以上の併用も可能である。その添加量は、塩素化ポリオレフィン70〜99wt%,クロロスルホン化ポリオレフィン1〜30wt%の割合からなるブレンド体100重量部に対して、0.3〜15重量部であり、好適な加硫物性を得るためには1〜10重量部が好ましい。0.3重量部未満の場合は、加硫物性が劣ったものとなるため好ましくない。一方、15重量部を超える場合には、得られる塩素化ポリオレフィン加硫物の耐熱性、耐オゾン性、及び圧縮永久歪み性が劣るために好ましくない。
【0016】
本発明で使用される加硫剤は、オニウム塩、アミン類、アミン類の塩、アミジン類、アミジン類の塩等の有機化合物の存在下で塩素化ポリオレフィンの加硫が可能なものであれば特に制限はないが、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、6−ジブチルアミノ−2,4−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、6−アニリノ−2,4−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン等の分子内にメルカプト基が2個以上のメルカプトトリアジン化合物が例示される。これらの架橋剤は単独若しくは2種類以上の併用も可能である。架橋剤の配合量は、加硫物性(破断伸びや疲労性)や組成物の貯蔵安定性等を考慮すると、塩素化ポリオレフィン70〜99wt%,クロロスルホン化ポリオレフィン1〜30wt%の割合からなるブレンド体100重量部に対して、好ましくは0.2〜5重量部であり、好適な加硫物性を得るためには1〜3重量部がさらに好ましい。
【0017】
本発明における塩素化ポリオレフィン組成物には、他に受酸剤、補強剤、充填剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤等が必要に応じて加えられる。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト類が挙げられる。補強剤、充填剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、クレー、タルク等が挙げられる。加工助剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、金属石鹸等が使用される。軟化剤、可塑剤としては、例えば、各種オイル、エステル類、塩化パラフィン等が使用される。老化防止剤としては、例えば、アミン系老化防止剤やフェノール系老化防止剤等が使用できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、これらの実施例で用いた値、及び試験結果は以下の測定法に準拠したものである。
<クロロスルホン化ポリエチレン配合物のスコーチタイムt5の測定法>
クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO−CSM TS−530:塩素含量35wt%,硫黄含量1.0wt%,ML(1+4)100℃=56)100重量部、酸化マグネシウム(協和化学工業社製キョーワマグ150)10重量部、有機化合物を2重量部、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン(大内新興化学工業社製ノクセラーTCA)を2重量部を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、JIS−K 6300(2001)に従いL形ローター、125℃の条件でのVmより5M上昇する時間(スコーチタイムt5)を測定した。この結果を表1の有機化合物の欄に記載した。
<塩素化ポリオレフィン配合物(未加硫物)のコンパウンドムーニー粘度>
表1の配合を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、JIS−K 6300(2001)に従いL形ローター、100℃の条件でのムーニー粘度を測定した。この結果を表1の未加硫ゴム物性の欄に記載した。
<塩素化ポリオレフィン配合物(未加硫物)のムーニースコーチVm,t5>
表1の配合を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、JIS−K 6300(2001)に従いL形ローター、125℃の条件での最低ムーニー粘度(Vm)及びVmより5M上昇する時間を測定した。この結果を表1の未加硫ゴム物性の欄に記載した。
<加硫ゴム特性>
表1の配合を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、厚み2mmの金型で160℃×35分の条件で加硫後、JIS−K 6250(2001)の条件に従い状態調節を行った。その後、JIS−K 6251(1993)に従い引張試験(引張強さ(TB),切断時伸び(EB),100%伸び時における引張応力(M100))及びJIS−K 6301(1995)に従い硬さ(Hs)試験を行った。この結果を表1の加硫ゴム物性の欄に記載した。
<低温特性>
表1の配合を、JIS−K 6299(2001)に従いロール表面温度50±5℃でロール混練りを行い、得られたサンプルを、厚み2mmの金型で160℃×35分の条件で加硫後、JIS−K 6250(2001)の条件に従い状態調節を行い、JIS−K 6261(1997)に従い、低温衝撃脆化試験を行った。この結果を表1の低温特性の欄に記載した。
【0019】
表1における各資材は、以下の通り。
【0020】
塩素化ポリオレフィン:塩素量=35wt%、
ML(1+4)100℃=98の塩素化ポリエチレン
クロロスルホン化ポリオレフィンTOSO−CSM TS−930
:塩素量=36wt%、硫黄量=1wt%、
ML(1+4)100℃=105のクロロスルホン化ポリエチレン
キョーワマグ150 :酸化マグネシウム(協和化学工業社製)
KW#2100 :ハイドロタルサイト(協和化学工業社製)
ステアリン酸300 :ステアリン酸(新日本理化社製)
ACPE617A :ポリエチレンワックス(アライド・シグナル社製)
パラフィンワックス135F:パラフィンワックス(日本精蝋社製)
カーボンFEF :シーストSO(東海カーボン社製)
ニプシールVN3 :ホワイトカーボン(日本シリカ製)
シルバーW :軽質炭酸カルシウム(白石工業社製)
堺100 :硫酸バリウム(堺化学工業社製)
ハイジライトH−42M:水酸化アルミニウム(昭和電工社製)
サンソサイザーDOS:ジ(2−エチルヘキシル)セバケート
(新日本理化社製)
サンソサイザーTOTM:トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート
(新日本理化社製)
レジタックスA−2 :アルキルフェノール樹脂(三井鉱山化成社製)
ハイペールCH :水素添加ロジン(荒川化学社製)
ノクセラーTCA:2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン
(大内新興化学工業社製)
ゼオネットPB:テトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート
(日本化学工業(株)製)
ノクラックAW:6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−
トリメチルキノリン(大内新興化学工業(株)製)
【0021】
【表1】
Figure 0004158548
実施例1
塩素含有量35wt%,ML(1+4)100℃=98の塩素化ポリエチレンとクロロスルホン化ポリエチレン(TOSO−CSM TS−930)を90/10の比(wt%)でブレンドしたポリマー100重量部に対して、有機化合物として、クロロスルホン化ポリエチレン配合物でのムーニースコーチタイムt5が1.9分であるゼオネットPBを使用し表1に示した配合処方に従って8インチオープンロールにより混練した。得られた塩素化ポリエチレン未加硫物のコンパウンドムーニー粘度を測定したところ49と高いものであり、押出加工性に優れるものであった。
【0022】
この未加硫コンパウンドをプレス加硫装置を用い、160℃で35分間加熱することにより加硫し、引張特性及び低温特性を測定した。その結果、引張強さ(TB),100%伸び時における引張応力(M100)が高く、引張物性に優れており、脆化温度も−38℃と低温特性に優れたものであった。これらの結果を表1に示した。
【0023】
比較例1
クロロスルホン化ポリエチレンをブレンドせず、塩素含有量35wt%,ML(1+4)100℃=98の塩素化ポリエチレンを使用した以外は、実施例1と同様な操作を行い、未加硫ゴム物性(ムーニー粘度,ムーニースコーチ),引張特性,低温特性を測定した。
【0024】
その結果、未加硫ゴムのコンパウンドムーニー粘度は37と低く、押出加工に劣るものであり、また引張強さ(TB),100%伸び時における引張応力(M100)も低く引張特性の劣ったものであった。これらの結果を表1に示した。
【0025】
比較例2
クロロスルホン化ポリエチレンをブレンドせず、塩素含有量35wt%,ML(1+4)100℃=98の塩素化ポリエチレンを使用し、キョーワマグ150を20重量部の代わりに、KW−2100を30重量部使用し、サンソサイザーTOTMを15重量部から30重量部に増量し、更に堺100を30重量部増量した以外は、実施例1と同様な操作を行い、未加硫ゴム物性(ムーニー粘度,ムーニースコーチ),引張特性,低温特性を測定した。
【0026】
その結果、未加硫ゴムのコンパウンドムーニー粘度は47と高く、押出加工に優れるものであったが、引張強さ(TB),100%伸び時における引張応力(M100)が低く引張特性に劣っており、脆化温度も−32℃と低温特性も劣ったものであった。これらの結果を表1に示した。
【0027】
実施例2
塩素含有量35wt%,ML(1+4)100℃=98の塩素化ポリエチレンとクロロスルホン化ポリエチレン(TOSO−CSM TS−930)を80/20の比(wt%)でブレンドしたポリマーを使用した以外は、実施例1と同様な操作を行い、未加硫ゴム物性(ムーニー粘度,ムーニースコーチ),引張特性,低温特性を測定した。
【0028】
その結果、未加硫ゴムのコンパウンドムーニー粘度は90と高く、押出加工に優れるものであった。また引張強さ(TB),100%伸び時における引張応力(M100)が高く、引張物性に優れており、脆化温度も−38℃と低温特性に優れたものであった。これらの結果を表1に示した。
【0029】
比較例3
クロロスルホン化ポリエチレン配合物でのムーニースコーチタイムt5が1.9分であるゼオネットPBの添加量を、ポリマー100重量部に対し2重量部から0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、未加硫ゴム物性(ムーニー粘度,ムーニースコーチ)を測定した。その結果、未加硫ゴムのコンパウンドムーニー粘度は50と高く、押出加工に優れるものであったが、スコーチタイムt5が60分以上と長く、160℃で35分間加熱を行ったが加硫は進行しなかった。そのため、引張特性及び低温特性の測定は行わなかった。
【0030】
比較例4
クロロスルホン化ポリエチレン配合物でのムーニースコーチタイムt5が1.9分であるゼオネットPBの添加量を、ポリマー100重量部に対し2重量部から20重量部に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、未加硫ゴムのムーニー粘度の測定を行ったが、測定中にゲル化し試験を中止した。
【0031】
比較例5
クロロスルホン化ポリエチレン配合物でのムーニースコーチタイムt5が13.5分であるノクラックAWをポリマー100重量部に対し2重量部添加した以外は、実施例1と同様な操作を行い、未加硫ゴム物性(ムーニー粘度,ムーニースコーチ)を測定した。その結果、未加硫ゴムのコンパウンドムーニー粘度は49と高く、押出加工に優れるものであったが、スコーチタイムt5が60分以上と長く、160℃で35分間加熱を行ったが加硫は進行しなかった。そのため、引張特性及び低温特性の測定は行わなかった。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明の塩素化ポリオレフィン組成物は、加硫物の低温特性を損なうこと無しに、未加硫物の押出加工性及び加硫物の機械物性が改善されることが明白である。よって本発明の塩素化ポリオレフィン組成物は、ホース等の外層材等の押出加工製品に好ましく適用できる。

Claims (6)

  1. 塩素化ポリオレフィン70〜99wt%,クロロスルホン化ポリオレフィン1〜30wt%の割合からなるブレンド体100重量部に対して、以下に示した試験方法でのムーニースコーチタイムが5分以下となるテトラ−n−ブチルホスホニウムベンゾトリアゾレートを0.3〜15重量部配合してなることを特徴とする塩素化ポリオレフィン組成物。
    <ムーニースコーチタイム試験方法>
    クロロスルホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSO−CSM TS−530:塩素含量35wt%,硫黄含量1.0wt%,ML(1+4)100℃=56)100重量部、酸化マグネシウム(協和化学工業社製キョーワマグ150)10重量部、有機化合物を2重量部、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン(大内新興化学工業社製ノクセラーTCA)を2重量部を、JIS−K 6299(2001)に従いロール混練りを行い、得られたサンプルを、JIS−K 6300(2001)に従いL形ローター、125℃の条件でのVmより5M上昇する時間(スコーチタイムt5)を測定する。
  2. 塩素化ポリオレフィンが、塩素化ポリエチレン、塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の塩素化ポリオレフィン組成物。
  3. クロロスルホン化ポリオレフィンが、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロスルホン化エチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の塩素化ポリオレフィン組成物。
  4. 更に、塩素化ポリオレフィン70〜99wt%,クロロスルホン化ポリオレフィン1〜30wt%の割合からなるブレンド体100重量部当たり、架橋剤0.2〜5重量部を添加してなることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の塩素化ポリオレフィン組成物。
  5. 架橋剤が、メルカプトトリアジン化合物であることを特徴とする請求項記載の塩素化ポリオレフィン組成物。
  6. メルカプトトリアジン化合物が、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、6−ジブチルアミノ−2,4−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、6−アニリノ−2,4−ジメルカプト−1,3,5−トリアジンから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項記載の塩素化ポリオレフィン組成物。
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