JPH0711067A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
- Publication number
- JPH0711067A JPH0711067A JP18005393A JP18005393A JPH0711067A JP H0711067 A JPH0711067 A JP H0711067A JP 18005393 A JP18005393 A JP 18005393A JP 18005393 A JP18005393 A JP 18005393A JP H0711067 A JPH0711067 A JP H0711067A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic elastomer
- weight
- rubber
- parts
- polyolefin resin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 高度に架橋されたゴムをポリオレフィン系樹
脂に分散させた熱可塑性エラストマーに、(a)ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくと
も2個と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bを少なくとも1個有し、ビニル芳香族化合物の含有量
が5〜70重量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部分
の70%以上が水添されているブロック共重合体100
重量部、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤50〜500重
量部、及び(c)ポリオレフィン系樹脂10〜100重
量部からなるエラストマー状混合物を含有させたことを
特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 【効果】 架橋ゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エ
ラストマーが本来有している形状復元性、耐油性などの
性質を損うことなく、柔軟性、加工性が改良された熱可
塑性エラストマー組成物を提供することができる。
脂に分散させた熱可塑性エラストマーに、(a)ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくと
も2個と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bを少なくとも1個有し、ビニル芳香族化合物の含有量
が5〜70重量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部分
の70%以上が水添されているブロック共重合体100
重量部、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤50〜500重
量部、及び(c)ポリオレフィン系樹脂10〜100重
量部からなるエラストマー状混合物を含有させたことを
特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 【効果】 架橋ゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑性エ
ラストマーが本来有している形状復元性、耐油性などの
性質を損うことなく、柔軟性、加工性が改良された熱可
塑性エラストマー組成物を提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマー組
成物に関する。さらに詳しくは、本発明は柔軟性、流動
性、高温下における歪み回復性、耐油性等に優れる高性
能の熱可塑性エラストマー組成物に関する。
成物に関する。さらに詳しくは、本発明は柔軟性、流動
性、高温下における歪み回復性、耐油性等に優れる高性
能の熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、従来の加硫ゴ
ムの代替品として各種用途に広く用いられている。近
年、高度に架橋されたゴムをポリオレフィン樹脂に分散
させた熱可塑性エラストマー(以下、架橋ゴム−ポリオ
レフィン樹脂系熱可塑性エラストマーと呼称する)が上
市されている。架橋ゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑
性エラストマーは、ゴム成分が高度に架橋されているた
め、圧縮永久歪みに代表される形状回復性、耐油性が優
れている。このため、従来のクロロプレンゴム、EPD
Mゴムなどの加硫合成ゴムの代替品として、自動車分
野、工業機械分野などで広く利用されている。
ムの代替品として各種用途に広く用いられている。近
年、高度に架橋されたゴムをポリオレフィン樹脂に分散
させた熱可塑性エラストマー(以下、架橋ゴム−ポリオ
レフィン樹脂系熱可塑性エラストマーと呼称する)が上
市されている。架橋ゴム−ポリオレフィン樹脂系熱可塑
性エラストマーは、ゴム成分が高度に架橋されているた
め、圧縮永久歪みに代表される形状回復性、耐油性が優
れている。このため、従来のクロロプレンゴム、EPD
Mゴムなどの加硫合成ゴムの代替品として、自動車分
野、工業機械分野などで広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】架橋ゴム−ポリオレフ
ィン樹脂系熱可塑性エラストマーはこのように圧縮永久
歪みに代表される形状回復性、耐油性は優れているもの
の、JIS A硬度が50以下のものの製造は一般に困
難であり、また高度に架橋されたゴムを含有するため、
成型加工性に劣る。そのため、その使用範囲は限定され
ているのが実情である。
ィン樹脂系熱可塑性エラストマーはこのように圧縮永久
歪みに代表される形状回復性、耐油性は優れているもの
の、JIS A硬度が50以下のものの製造は一般に困
難であり、また高度に架橋されたゴムを含有するため、
成型加工性に劣る。そのため、その使用範囲は限定され
ているのが実情である。
【0004】しかして本発明の目的は、架橋ゴム−ポリ
オレフィン樹脂系熱可塑性エラストマーが本来有してい
る特長を損うことなく、柔軟性、加工性が改良された熱
可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
オレフィン樹脂系熱可塑性エラストマーが本来有してい
る特長を損うことなく、柔軟性、加工性が改良された熱
可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、高度に架橋されたゴムをポリオレフィン系樹脂に
分散させた熱可塑性エラストマー(i)に、(a)ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なく
とも2個と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クBを少なくとも1個有し、ビニル芳香族化合物の含有
量が5〜70重量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部
分の70%以上が水添されているブロック共重合体(以
下、水添ブロック共重合体と呼称する)100重量部、
(b)非芳香族系ゴム用軟化剤50〜500重量部、及
び(c)ポリオレフィン系樹脂10〜100重量部から
なるエラストマー状混合物(ii)を含有させたことを
特徴とする熱可塑性エラストマー組成物により解決され
ることが見出された。
題は、高度に架橋されたゴムをポリオレフィン系樹脂に
分散させた熱可塑性エラストマー(i)に、(a)ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なく
とも2個と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クBを少なくとも1個有し、ビニル芳香族化合物の含有
量が5〜70重量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部
分の70%以上が水添されているブロック共重合体(以
下、水添ブロック共重合体と呼称する)100重量部、
(b)非芳香族系ゴム用軟化剤50〜500重量部、及
び(c)ポリオレフィン系樹脂10〜100重量部から
なるエラストマー状混合物(ii)を含有させたことを
特徴とする熱可塑性エラストマー組成物により解決され
ることが見出された。
【0006】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
柔軟性、加工性、高温下における歪み回復性、耐油性等
に優れるという特長を備えている。
柔軟性、加工性、高温下における歪み回復性、耐油性等
に優れるという特長を備えている。
【0007】以下、本発明を詳細に述べる。
【0008】本発明において成分(i)の熱可塑性エラ
ストマーを構成するポリオレフィン系樹脂を例示するな
らば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセンなどの単独重合体、およびこれらの2
種類以上の共重合体であり、好ましくはポリプロピレン
である。また、高度に架橋させて用いることのできるゴ
ムは天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM)などであり、好ましくはEPDMであ
る。これらのゴムは高度に架橋されていることが必要で
ある。架橋させる方法としては、ポリオレフィン系樹脂
を溶融させた状態でゴムを混合させ、架橋剤を加え、さ
らに溶融混練する方法が採られる。架橋剤としては、パ
ーオキサイド、フェノール系架橋剤、臭素化フェノール
系架橋剤が用いられる。架橋の程度はゴムを抽出する溶
媒で抽出を行い、抽出量がゴム量の10重量%以下にま
で、架橋する必要がある。
ストマーを構成するポリオレフィン系樹脂を例示するな
らば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセンなどの単独重合体、およびこれらの2
種類以上の共重合体であり、好ましくはポリプロピレン
である。また、高度に架橋させて用いることのできるゴ
ムは天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM)などであり、好ましくはEPDMであ
る。これらのゴムは高度に架橋されていることが必要で
ある。架橋させる方法としては、ポリオレフィン系樹脂
を溶融させた状態でゴムを混合させ、架橋剤を加え、さ
らに溶融混練する方法が採られる。架橋剤としては、パ
ーオキサイド、フェノール系架橋剤、臭素化フェノール
系架橋剤が用いられる。架橋の程度はゴムを抽出する溶
媒で抽出を行い、抽出量がゴム量の10重量%以下にま
で、架橋する必要がある。
【0009】架橋されたゴムはポリオレフィン系樹脂中
に分散させた状態で用いられ、その際、ポリオレフィン
系樹脂は架橋されたゴムに100重量部に対して一般に
10〜200重量部の範囲で用いられる。ポリオレフィ
ン系樹脂の使用量が10重量部未満では加工性が劣り、
使用量が200重量部以上では熱可塑性エラストマーに
なり得ない。
に分散させた状態で用いられ、その際、ポリオレフィン
系樹脂は架橋されたゴムに100重量部に対して一般に
10〜200重量部の範囲で用いられる。ポリオレフィ
ン系樹脂の使用量が10重量部未満では加工性が劣り、
使用量が200重量部以上では熱可塑性エラストマーに
なり得ない。
【0010】商業的に入手可能な熱可塑性エラストマー
として、例えば日本モンサント(株)製のサントプレー
ンA201−55が例示される。
として、例えば日本モンサント(株)製のサントプレー
ンA201−55が例示される。
【0011】次に、本発明において(a)成分として用
いられる水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくと
も1個有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜70重
量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部分の70%以上
が水添されている必要がある。水添ブロック共重合体の
形態は、例えば(A−B)n −A(nは1〜5の整数を
表す)、もしくは(A−B)m −X(Xはカップリング
剤残基を表し、mは2〜6の整数を表す)で示される。
いられる水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物
を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくと
も1個有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜70重
量%の範囲にあり、共役ジエン化合物部分の70%以上
が水添されている必要がある。水添ブロック共重合体の
形態は、例えば(A−B)n −A(nは1〜5の整数を
表す)、もしくは(A−B)m −X(Xはカップリング
剤残基を表し、mは2〜6の整数を表す)で示される。
【0012】水添前のブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o,m−またはp−メチルスチレン、1、3−ジメ
チルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン
などのなかから1種または2種以上が選ばれ、共役ジエ
ン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエンなどのなかから1種ま
たは2種以上が選ばれる。共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBのミクロ構造は特に限定されない
が、そのビニル化度は70%以下であることが望まし
い。
ル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o,m−またはp−メチルスチレン、1、3−ジメ
チルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン
などのなかから1種または2種以上が選ばれ、共役ジエ
ン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエンなどのなかから1種ま
たは2種以上が選ばれる。共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBのミクロ構造は特に限定されない
が、そのビニル化度は70%以下であることが望まし
い。
【0013】またブロック共重合体の分子構造は、線状
あるいは分岐状のいずれであってもよいが、上記ブロッ
ク形態で示されるブロック共重合体に、必要に応じ(A
−B)n (nは1〜5の整数を表す)で示されるブロッ
ク共重合体を添加して用いてもよい。
あるいは分岐状のいずれであってもよいが、上記ブロッ
ク形態で示されるブロック共重合体に、必要に応じ(A
−B)n (nは1〜5の整数を表す)で示されるブロッ
ク共重合体を添加して用いてもよい。
【0014】上記ブロック共重合体において、ビニル芳
香族化合物の含有量と共役ジエン化合物の含有量の比率
は5/95〜70/30の範囲であり、この範囲を逸脱
すると充分なゴム弾性体が得られない。ブロック共重合
体の分子量について特に制限はないが、好ましくは5
0,000〜1,000,000であり、さらに好まし
くは150,000〜300,000である。
香族化合物の含有量と共役ジエン化合物の含有量の比率
は5/95〜70/30の範囲であり、この範囲を逸脱
すると充分なゴム弾性体が得られない。ブロック共重合
体の分子量について特に制限はないが、好ましくは5
0,000〜1,000,000であり、さらに好まし
くは150,000〜300,000である。
【0015】上記ブロック共重合体を公知の方法、例え
ば特公昭42−8704号公報に記載の方法で水添する
ことにより、共役ジエン化合物部分の70%以上が水素
添加されている水添ブロック共重合体が得られる。共役
ジエン化合物部分の水素添加率が70%未満では、得ら
れる水添ブロック共重合体の熱老化性が劣り、望ましく
ない。
ば特公昭42−8704号公報に記載の方法で水添する
ことにより、共役ジエン化合物部分の70%以上が水素
添加されている水添ブロック共重合体が得られる。共役
ジエン化合物部分の水素添加率が70%未満では、得ら
れる水添ブロック共重合体の熱老化性が劣り、望ましく
ない。
【0016】上記水添ブロック共重合体は、さらに変性
して分子末端又は分子鎖中に水酸基、カルボキシル基、
エポキシ基、ハロゲン基等の極性基を導入して使用して
もよい。 本発明において成分(b)として用いられる
非芳香族系ゴム用軟化剤は、熱可塑性エラストマー組成
物に対して柔軟性を付与するために必要な必須成分であ
り、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の
合成軟化剤が適している。具体的には、ゴム用軟化剤の
パラフィン系、ナフテン系プロセスオイルが好適に用い
られる。ここで非芳香族系とは芳香族成分が30%以下
のものをいう。軟化剤の芳香族成分が30%を超える
と、熱可塑性エラストマー組成物の高温での形状復元性
が著しく低下するため好ましくない。
して分子末端又は分子鎖中に水酸基、カルボキシル基、
エポキシ基、ハロゲン基等の極性基を導入して使用して
もよい。 本発明において成分(b)として用いられる
非芳香族系ゴム用軟化剤は、熱可塑性エラストマー組成
物に対して柔軟性を付与するために必要な必須成分であ
り、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の
合成軟化剤が適している。具体的には、ゴム用軟化剤の
パラフィン系、ナフテン系プロセスオイルが好適に用い
られる。ここで非芳香族系とは芳香族成分が30%以下
のものをいう。軟化剤の芳香族成分が30%を超える
と、熱可塑性エラストマー組成物の高温での形状復元性
が著しく低下するため好ましくない。
【0017】成分(b)の配合量は、成分(a)の10
0重量部に対して50〜500重量部、好ましくは80
〜200重量部である。50重量部未満の配合量では柔
軟性が劣り、500重量部を超える配合では可塑剤のブ
リードが起こる。
0重量部に対して50〜500重量部、好ましくは80
〜200重量部である。50重量部未満の配合量では柔
軟性が劣り、500重量部を超える配合では可塑剤のブ
リードが起こる。
【0018】また本発明において成分(c)として用い
られるポリオレフィン系樹脂は、熱可塑性エラストマー
組成物に対して加工性、耐溶剤性を付与するために必要
な成分である。ポリオレフィン系樹脂の具体例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン/エチ
レン共重合体などであり、ポリプロピレンが好適であ
る。 成分(c)の配合量は、成分(a)の100重量
部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜50
重量部である。10重量部未満の配合量では加工性、耐
溶剤性が劣り、100重量部を超える配合では柔軟性が
劣る。
られるポリオレフィン系樹脂は、熱可塑性エラストマー
組成物に対して加工性、耐溶剤性を付与するために必要
な成分である。ポリオレフィン系樹脂の具体例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン/エチ
レン共重合体などであり、ポリプロピレンが好適であ
る。 成分(c)の配合量は、成分(a)の100重量
部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜50
重量部である。10重量部未満の配合量では加工性、耐
溶剤性が劣り、100重量部を超える配合では柔軟性が
劣る。
【0019】成分(i)の熱可塑性エラストマーと成分
(ii)のエラストマー状混合物の好ましい配合比(重
量比)[(i)/(ii)]は、5/95〜95/5の
範囲である。成分(i)の熱可塑性エラストマーの配合
比が95/5を超えると、熱可塑性エラストマー組成物
の加工性、柔軟性が劣ることがあり、また熱可塑性エラ
ストマーの配合比が5/95未満以下では耐油性、高温
での形状復元性が劣ることがある。かかる観点から好ま
しい熱可塑性エラストマーの配合比は10/90〜90
/10、より好ましくは20/80〜80/20であ
る。
(ii)のエラストマー状混合物の好ましい配合比(重
量比)[(i)/(ii)]は、5/95〜95/5の
範囲である。成分(i)の熱可塑性エラストマーの配合
比が95/5を超えると、熱可塑性エラストマー組成物
の加工性、柔軟性が劣ることがあり、また熱可塑性エラ
ストマーの配合比が5/95未満以下では耐油性、高温
での形状復元性が劣ることがある。かかる観点から好ま
しい熱可塑性エラストマーの配合比は10/90〜90
/10、より好ましくは20/80〜80/20であ
る。
【0020】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
基本的には上記成分からなるが、その性質を損なわない
程度に、スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂などを配合したり、低分子量
ポリエチレン、ポリエチレングリコールなどを配合する
ことができる。さらに、コストの低減を目的として、無
機充填材を添加することもできる。この目的に使用しう
る無機充填材は、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、
酸化チタンなどである。
基本的には上記成分からなるが、その性質を損なわない
程度に、スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂などを配合したり、低分子量
ポリエチレン、ポリエチレングリコールなどを配合する
ことができる。さらに、コストの低減を目的として、無
機充填材を添加することもできる。この目的に使用しう
る無機充填材は、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、
酸化チタンなどである。
【0021】さらに、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物の改質を目的に、ガラス繊維、カーボン繊維、熱老
化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発
泡剤などを添加することができる。
成物の改質を目的に、ガラス繊維、カーボン繊維、熱老
化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発
泡剤などを添加することができる。
【0022】本発明の組成物の製造方法については特に
制限がなく、例えば単軸押し出し機、2軸押し出し機、
ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機によって製
造される。
制限がなく、例えば単軸押し出し機、2軸押し出し機、
ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機によって製
造される。
【0023】このようにして得られた熱可塑性エラスト
マー組成物は、射出成型、ブロー成型、カレンダー成型
などの従来法にしたがって成型することができる。
マー組成物は、射出成型、ブロー成型、カレンダー成型
などの従来法にしたがって成型することができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげて本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。なお、実施例および比較例におい
て、各種の評価に用いた試験方法は以下の通りである。 1 破断強度および破断伸度:JIS−K6301に準
拠して測定した。試料2mm厚みシート、JIS3号ダ
ンベル片使用。 2 硬度:JIS−K6301に準拠し、Aタイプの硬
度計で測定した。 3 圧縮永久歪み(高温での歪み復元性):JIS−K
6301に準拠して測定した。100℃×22時間、2
5%変形。 4 溶融粘度:流動性キャピラリー式粘度計を用いて2
30℃、剪断速度12.2(1/秒)で見かけ溶融粘度
を測定した。 参考例 成分(ii)のエラストマー状混合物の調整 水添ブロック共重合体として、(株)クラレ製のセプト
ン4055(スチレン含有量30wt%)100重量
部、非芳香族系ゴム用軟化剤として出光興産(株)製の
プラセスオイル(ダイアナプロセスPW−90)150
部、ポリオレフィン系樹脂として、三菱油化(株)製の
ポリプロピレンMA−3 25部をドライブレンドして
2軸押し出し機で200℃で混練し、エラストマー状混
合物を得た。以下、このものをS−TPEと呼称する。 実施例1〜3および比較例1〜3 成分(i)の架橋ゴム−オレフィン樹脂系熱可塑性エラ
ストマーとして、日本モンサント(株)製のサントプレ
ーンA201−55を用い、参考例で得たS−TPEを
表1に示す割合で配合し、2軸押し出し機を用いて20
0℃で混練した。得られたペレットをバレル温度230
℃で射出成型を行い、諸物性を測定した。結果を表1に
示す。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。なお、実施例および比較例におい
て、各種の評価に用いた試験方法は以下の通りである。 1 破断強度および破断伸度:JIS−K6301に準
拠して測定した。試料2mm厚みシート、JIS3号ダ
ンベル片使用。 2 硬度:JIS−K6301に準拠し、Aタイプの硬
度計で測定した。 3 圧縮永久歪み(高温での歪み復元性):JIS−K
6301に準拠して測定した。100℃×22時間、2
5%変形。 4 溶融粘度:流動性キャピラリー式粘度計を用いて2
30℃、剪断速度12.2(1/秒)で見かけ溶融粘度
を測定した。 参考例 成分(ii)のエラストマー状混合物の調整 水添ブロック共重合体として、(株)クラレ製のセプト
ン4055(スチレン含有量30wt%)100重量
部、非芳香族系ゴム用軟化剤として出光興産(株)製の
プラセスオイル(ダイアナプロセスPW−90)150
部、ポリオレフィン系樹脂として、三菱油化(株)製の
ポリプロピレンMA−3 25部をドライブレンドして
2軸押し出し機で200℃で混練し、エラストマー状混
合物を得た。以下、このものをS−TPEと呼称する。 実施例1〜3および比較例1〜3 成分(i)の架橋ゴム−オレフィン樹脂系熱可塑性エラ
ストマーとして、日本モンサント(株)製のサントプレ
ーンA201−55を用い、参考例で得たS−TPEを
表1に示す割合で配合し、2軸押し出し機を用いて20
0℃で混練した。得られたペレットをバレル温度230
℃で射出成型を行い、諸物性を測定した。結果を表1に
示す。
【0025】比較例として、成分(i)の架橋ゴム−オ
レフィン樹脂系熱可塑性エラストマーであるサントプレ
ーンA201−55とS−TEPを射出成型し、諸物性
を測定した。結果を表1に示す。比較例1は、実施例1
〜3に比べ柔軟性、流動性に劣るものであった。また比
較例2は、4実施例1〜3に比べ圧縮永久歪みが劣るも
のであった。比較例3は実施例1〜3に比べ、硬度が高
いものであった。
レフィン樹脂系熱可塑性エラストマーであるサントプレ
ーンA201−55とS−TEPを射出成型し、諸物性
を測定した。結果を表1に示す。比較例1は、実施例1
〜3に比べ柔軟性、流動性に劣るものであった。また比
較例2は、4実施例1〜3に比べ圧縮永久歪みが劣るも
のであった。比較例3は実施例1〜3に比べ、硬度が高
いものであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、架橋ゴム−ポリオレフ
ィン樹脂系熱可塑性エラストマーが本来有している形状
復元性、耐油性などの性質を損うことなく、柔軟性、加
工性が改良された熱可塑性エラストマー組成物を提供す
ることができ、産業上の利用価値が極めて大きい。
ィン樹脂系熱可塑性エラストマーが本来有している形状
復元性、耐油性などの性質を損うことなく、柔軟性、加
工性が改良された熱可塑性エラストマー組成物を提供す
ることができ、産業上の利用価値が極めて大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 21/00 LBH 53/02 LLW LLY (72)発明者 石井 正雄 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内
Claims (1)
- 【請求項1】 高度に架橋されたゴムをポリオレフィン
系樹脂に分散させた熱可塑性エラストマー(i)に、
(a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
Aを少なくとも2個と共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックBを少なくとも1個有し、ビニル芳香族化
合物の含有量が5〜70重量%の範囲にあり、共役ジエ
ン化合物部分の70%以上が水添されているブロック共
重合体100重量部、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤5
0〜500重量部、及び(c)ポリオレフィン系樹脂1
0〜100重量部からなるエラストマー状混合物(i
i)を含有させたことを特徴とする熱可塑性エラストマ
ー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18005393A JPH0711067A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18005393A JPH0711067A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711067A true JPH0711067A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16076670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18005393A Pending JPH0711067A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711067A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0757077A1 (en) * | 1995-08-01 | 1997-02-05 | Advanced Elastomer Systems, L.P. | Very soft thermoplastic elastomer compositions |
WO2000061681A1 (fr) * | 1999-04-13 | 2000-10-19 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Composition à base de caoutchouc |
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JP2001261964A (ja) * | 2000-01-14 | 2001-09-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材 |
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US6559829B1 (en) | 1998-07-09 | 2003-05-06 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Flat display device and fixing member for display unit |
US6803398B1 (en) | 1997-08-28 | 2004-10-12 | Mitsui Chemicals, Inc. | Thermoplastic olefin elastomer composition |
US6846872B2 (en) | 2000-02-18 | 2005-01-25 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Elastomer composition containing a softening agent |
US6886701B2 (en) | 2002-05-28 | 2005-05-03 | Samsung Electronics Co., Ltd | Display apparatus having a structure for wall mounting |
WO2023176810A1 (ja) * | 2022-03-18 | 2023-09-21 | 三井化学株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物および熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP18005393A patent/JPH0711067A/ja active Pending
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