JPH0939073A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造装置及び製造方法

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JPH0939073A
JPH0939073A JP7216517A JP21651795A JPH0939073A JP H0939073 A JPH0939073 A JP H0939073A JP 7216517 A JP7216517 A JP 7216517A JP 21651795 A JP21651795 A JP 21651795A JP H0939073 A JPH0939073 A JP H0939073A
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resin film
filler
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悼知 安斎
Yutaka Okuyama
豊 奥山
Naoki Kawaji
直樹 川治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂フィルム製造工程で発生する耳
部、屑を効率よく再利用できるようにする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの成膜に供され
る、平均粒子径が0.1μm以上の無機または有機のフ
ィラーを一種以上含む溶融熱可塑性樹脂を、濾過精度が
前記平均粒子径の5倍以下のフィルターを用いて濾過す
ることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造装置お
よび製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラーを含む熱
可塑性樹脂フィルムの再利用に関する。更に詳しくは、
熱可塑性樹脂フィルムの耳、屑などの効率的な再利用に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムはその成膜過程で
製品にならない耳部が発生する。また、広幅の製品か
ら、加工に適した幅の製品を得るためにスリットなどを
経ると、この段階でも耳部及び広幅の製品の巻芯に残る
部分が出てくる。これ以外にもスリットで発生する「し
わ」、「端面不揃い」、「ゲージバンド」等の巻きの外
観不良や、製膜工程で発生する熱可塑性樹脂フィルム表
面の「傷」、「汚れ」、「穴開き」などの欠陥や、品種
切り替え途中などのもので製品にならない部分が発生す
るが、これらは以下のような方法で再利用されることが
ある。
【0003】すなわち、比較的厚いフィルムの場合は細
かく粉砕して、また、比較的薄い品種の場合は、粉砕後
に圧縮したり、押出機などで溶融後ストランドを得て、
固形化し(以下これらを高次処理物と呼ぶ)、再度同じ
品種の熱可塑性樹脂フィルムを製造するときに新しい熱
可塑性樹脂(以下バージン原料またはバージンチップと
呼ぶ)と共に投入して、押出機で溶融し、所定の熱可塑
性樹脂フィルムを得ている。
【0004】この再利用を有利にするために、例えば実
公昭56−53861号公報には、これらの高次処理物
を再利用するときに発生する異物を抑える装置が提案さ
れている。該公報には明示されていないが、これらの再
利用される高次処理物は、再利用可能な品種が、添加し
てあるフィラーの種類、粒子径、量などによって制約を
受けることが多いし、品質上も高次処理物の使用量に対
して制限があり、必ずしも高次処理物の発生量と、混合
再利用量のバランスが取れないことが多い。また別の使
用方法として、これらの高次処理物を適当な薬液処理で
重合途中または重合前の低分子量物まで戻して、フィル
ム以外の用途に再利用する方法もある。いずれの方法で
再利用するにしても、既に添加されたフィラーの影響が
色濃く残るので、利用できる範囲が限られている。更に
また、これらの高次処理物はバージン原料に比べて熱履
歴が異なるために、バージンチップとは区別して使用さ
れることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱可
塑性樹脂フィルム製造過程で発生する耳部、屑の再利用
に関して、再利用を有利にする装置およびその方法を提
供することにある。特にバージン原料の使用割合を減ら
すことによって、製造コストを低減できる熱可塑性樹脂
フィルムの製造装置及びその製造方法を提供するもので
ある。
【0006】さらに、熱履歴の異なる高次処理物を使用
しても、安定した熱可塑性樹脂フィルムの品質が得られ
る熱可塑性樹脂フィルムの製造装置及びその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、以
下の製造装置および製造方法によって達成される。すな
わち、熱可塑性樹脂フィルムの成膜に供される、平均粒
子径が0.1μm以上の無機または有機のフィラーを含
む溶融熱可塑性樹脂フィルムを、濾過精度が前記平均粒
子径の5倍以下のフィルターを用いて濾過する、つま
り、高度処理することを特徴とする、熱可塑性樹脂フィ
ルムの製造装置およびその製造方法である。
【0008】更に、フィルターをメディアの積層構成と
し、溶融樹脂の流れ方向にn層目の金属繊維の径dが3
0μm以下で、その目付け量wが100〜10000g
/m2 でその積(w・d)n が16000以下、(W・
d)n+1 /(W・d)n が2.5以下で、空隙率が35
〜90%のメディアを積層した、空気による流動抵抗r
が35mmH2 O以上のフィルターを用いた高度処理装
置を有する熱可塑性樹脂フィルム製造装置及びその製造
方法である。
【0009】更にこのフィルターは、目付け量wp が2
0000以下で、空隙率が25〜65%の金属粉末によ
るメディアを、前記金属繊維によるメディアの下流側お
よび/または上流側に積層することが好ましい。そして
この金属繊維及び/または金属粉末はステンレス金属よ
り構成されていることが好ましい。
【0010】この高度処理装置は、フィルターに入る溶
融熱可塑性樹脂の粘度を調整し、フィルターを通過した
熱可塑性樹脂の重合度を調整する。また、前記フィラー
を含む熱可塑性樹脂を清澄濾過した後に、装置内の別の
フィルターで清澄濾過した熱可塑性樹脂を反対方向から
流してフィルターに堆積したフィラーを自動的に排出
し、常にフィルターの機能を回復できるようにすること
が好ましい。
【0011】さらに、高度処理装置に続く口金より溶融
熱可塑性樹脂を吐出し、冷却してストランド状にし、細
かく切断して、一旦チップにし、該チップをフィルム成
膜に供することもできる。このチップは、熱可塑性樹脂
フィルム成膜装置の押出機に、フィラーを含む熱可塑性
樹脂、別のフィラーを含まない熱可塑性樹脂、フィラー
の一種以上と共に投入され再び熱可塑性樹脂フィルムと
することができる。
【0012】また、上記濾過された熱可塑性樹脂を、高
度処理装置に続く熱可塑性樹脂フィルム成膜装置の押出
機に、前記フィラーを含む熱可塑性樹脂、フィラーを含
まない熱可塑性樹脂、フィラーの一種以上と共に投入
し、再び熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。
【0013】なお、熱可塑性樹脂フィルムの代表的な例
は、二軸延伸後熱固定してなるポリエステルフィルムで
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
詳細に説明する。図1は、本発明の熱可塑性樹脂フィル
ムの製造装置の一実施態様を示している。1は本発明に
係る熱可塑性樹脂フィルムの製造装置全体を示してお
り、2は熱可塑性樹脂フィルムの成膜装置である。該成
膜装置2に供される原料5、6、7、8を押出機9へ投
入して溶融後シート化装置10へ送り、更に縦延伸機1
1、横延伸機12、熱固定13を経て、耳部トリム14
で不要な耳部を除去して巻取機15で巻き取る。更にス
リッタ16で所定の幅、長さに切断し、ロール状に巻き
取り、熱可塑性樹脂フィルム製品17となる。これら一
連の製品化のフローと、これら各工程で発生する製品と
ならない部分のシートまたはフィルム18〜25の粉砕
31または造粒33工程のフローを含む熱可塑性樹脂フ
ィルムの成膜のフロー図である。造粒後の段階から、ま
たは粉砕前の段階34から、あるいは粉砕後の段階32
から、適宜、再利用すべき熱可塑性樹脂35が高次処理
物供給装置51に送られる。
【0015】また、3は本発明における、これら粉砕ま
たは造粒した高次処理物を高度処理する高度処理装置の
フローを示しており、高次処理物供給装置51から溶融
装置(溶融押出機)52、粘度調整装置53、フィルタ
ー54、重合度調整装置55を経る高度処理のフローと
して示されている。この高度処理装置3に、チップ化す
る装置63を介して、あるいは、直接熱可塑性樹脂フィ
ルム成膜用の溶融押出機9が続いている。また、4は本
発明に係る濾過装置部を示しており、フィルターに堆積
したフィラーを除去して、フィルターの能力を回復でき
るようにした装置として示してある(後に詳述する)。
【0016】図1における熱可塑性樹脂フィルムの成膜
装置においては、スリットを有する広幅の口金より吐出
して未延伸シートを得たあとに、二軸延伸してフィルム
とする装置を例示しているが、本発明の適用可能な熱可
塑性樹脂フィルムの成膜装置としては、延伸および/ま
たは熱処理工程が多段になっている装置、各工程間にコ
ロナ処理や塗布工程、貼り合わせなどの物理的および/
または化学的処理工程を含む成膜装置などにも適用出来
る。また、これらを含む共押出複合成膜装置や、単に広
幅の口金より吐出しただけの未延伸フィルムでもよく、
また円形のスリットを有する口金より吐出して空気圧に
よって延伸するチューブラー法の装置などでもよく、ま
た未延伸シートを同時二軸延伸する装置などでもよい。
更に、平面的なフィルム成膜装置以外に、ブロー成形す
るボトル等の成形装置に適用してもよい。
【0017】また、図1における製品とならない部分の
処理には、粉砕機を使用し、更に適宜造粒機を使用して
高次処理するが、高次処理物のかさ密度を0.1t/m
3 以上、より好ましくは0.3t/m3 以上にすると、
保管、運搬、再処理などの取扱いが容易になるので好ま
しい。更に粉砕機を使用せず直接高度処理装置3の溶融
装置52に投入することもできる。
【0018】また、高度処理装置3では、高次処理物供
給装置51を用いて、溶融装置52に供給する。溶融装
置52としては、一般にはスクリューを用いる一軸の押
出機または二軸の押出機などを用いる。高次処理物供給
装置51には、ホッパから自重で落下供給される装置、
計量装置を有するフィーダーで押出機の吐出量をフィー
ドバックしながら計量供給する装置などを使用する。ま
た、熱可塑性樹脂が溶融押出時に加水分解などを起こす
熱可塑性樹脂では、溶融する前に乾燥操作を行うが、溶
融中に真空操作などで瞬時に脱気する能力のある押出機
などを使用する場合は、この限りではない。溶融押出機
としては、例えば、(株)神戸製鋼所製のKTXや
(株)日本製鋼所製のTEX等の二軸押出機,EREM
A製のRM−TEの回収システム等が知られているが、
この限りではない。
【0019】溶融熱可塑性樹脂の粘度調整装置53は、
熱可塑性樹脂の溶融粘度が温度によって変化する特性を
利用する。すなわち、フィルター54でフィラーの粒子
径の大きな部分を効率良く除去するために、フィルター
を通過する溶融熱可塑性樹脂の流動抵抗を小さくする。
本発明においては、溶融熱可塑性樹脂の粘度は出来る限
り低く、例えば1000ポイズ以下、好ましくは500
ポイズ以下であり、更に好ましくは300ポイズ以下に
する。このような粘度の調整は熱可塑性樹脂の溶融開始
温度より高い温度にすると容易に得られる。更に、投入
された粉砕物などの形状、かさ密度の違いなどで溶融さ
れた溶融熱可塑性樹脂の粘度が変化するとフィルター内
で流れの分布が起こって好ましくないので、ミキシング
して溶融熱可塑性樹脂の流れの入れ換えを繰り返し、粘
度むら、温度むらを解消しながら、外部加熱手段によっ
て粘度を調整する。流れの入れ替えには、例えばノリタ
ケ(株)製のハイミキサーなどが好ましいがこの限りで
はない。また、加熱手段としては、前記ユニットの外側
にジャケットを巻き付けて熱媒を循環させる方式が熱効
率、温度むらの点から好ましいが、この限りではなく、
単にアルミ鋳込みヒーターやその他の手段で加熱しても
よい。また、溶融粘度の検出はフィルターに入る直前に
温度計を設置し、予め求められた温度−粘度の関係によ
って算出する方式、溶融熱可塑性樹脂に一定の距離を通
過させ、その前後の圧力差より検出する方式等がある。
これらの粘度のデータは、粘度調整装置53へフィード
バックして制御に供する。
【0020】フィルター54は、本発明のフィラーの平
均粒子径の5倍以下の濾過精度を有するが、本発明のフ
ィルターの構成及び特性は以下の通りである。すなわ
ち、本発明のフィルターは、例えば図2に示すように、
金属繊維および/または金属粉末を焼結したメディアよ
り構成される。図2の顕微鏡写真においては、白い部分
が金属繊維または金属粉末の断面を表しており、左側の
写真が、上流側から101、102、103の部分を有
するフィルターの縦断面を示しており、右側の写真が、
それぞれの部分101、102、103の平面方向(フ
ィルター面と平行方向)における断面図(平断面図)を
示している。特に金属繊維層は多層積層された方が濾過
精度、濾過能力の点で好ましい。さらに、濾過時に発生
する圧力を受ける層を兼ねて強度的に強い金属粉末焼結
層を用いると好ましい。更にメディアを保護するために
下流側及び/または上流側に目開きの大きい金網で覆う
と好ましいがこの限りでない。更に詳細にこれらメディ
アの好ましい構成を説明する。
【0021】金属繊維により構成されるメディア各層
は、メディアの材料径と目付け量の積(w・d)n が1
6000以下である。すなわち強度の必要なメディアで
太径の材料を用いる場合には、目付け量を少なくし、濾
過精度をコントロールするメディアには細径の材料を用
いて目付け量を多くすることが重要である。しかし、1
6000以上では濾過層の厚み方向密度が上がり、内部
での濾過の効率が下がるので好ましくない。また隣同士
のメディアを積層する条件は、(w・d)n+1 /(w・
d)n が2.5以下をキープすると、無駄のない連続し
た濾過が出来て、効果的である。2.5以上では濾過の
上流側に配したメディアの働きが減殺されるので好まし
くない。好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.5
以下である。積層数は2層以上であれば特に限定しない
が、好ましくは3層以上、更に好ましくは4層以上であ
る。また、数十層積層してあたかも(w・d)n が連続
する様な構成にして積層すると、大きな濾過能力が得ら
れるので好ましい。
【0022】これらのメディアはその空隙率が35〜9
0%であることが好ましい。好ましくは50〜80%で
あり、更に好ましくは65〜75%である。35%未満
では有効な濾過が出来難くなるので好ましくない。また
90%を越えるとメディアが濾過圧に耐えきれなくなる
ので好ましくない。さらに積層する隣同士のメディアの
空隙率の差は15%以下、更には10%以下であること
が好ましいが、この限りではない。また、各メディアの
目付け量は100〜10000g/m2 が好ましい。1
00g/m2 未満では濾過が十分出来ないし、1000
0g/m2 を越えると濾過詰まりが速くなるので好まし
くない。ここで目付け量とはメディアを構成している材
料の単位濾過面積当たりの重量である。また、材料径は
30μm以下が好ましい。30μmを越えると本発明で
目的とする濾過精度を得られにくいので好ましくない。
ここで金属繊維の材料径とは通常はその平均径であり、
金属繊維状で長径と短径を有する異径材料を用いる場合
はその短径をもって材料径と言う。
【0023】本発明における更に好ましい形態として、
こうして構成した金属繊維を積層したメディアに、熱可
塑性樹脂が通過する下流側及び/または上流側に金属粉
末を焼結したメディアを積層すると、本発明の効果がよ
り顕著になる。すなわち、金属粉末をその目付け量が2
0000g/m2 以下でその空隙率が25〜65%にな
る様に焼結し、積層する。金属粉末はアトマイズ法など
によって得られる2〜200μmの球状の粉末より焼結
することが好ましいがこの限りではない。また金属粉末
の目付け量が20000g/m2 を越えると、本来の濾
過精度及び能力を決める金属繊維層に比べて不用意に大
きな容積を取るので好ましくない。好ましくは1000
0g/m2 以下でさらにこのましくは5000g/m2
以下である。また、空隙率を25%以下にすると積層厚
みを本メディア層の効果が出なくなるほど薄くしないと
圧力損失が大きくなる。また65%以上では金属粉末同
士の結合力が弱くなって、使用中に金属粉末が脱落して
きたりして好ましくない。好ましくは30〜60%、更
に好ましくは35〜55%である。
【0024】本発明におけるメディアの積層は、単体の
メディアをそれぞれ焼結後に積層しても、又、単体のメ
ディアを構成する金属繊維及び/又は金属粉末を仮に不
織布層として構成した後に一体焼結してもよい。ここで
焼結とは、その物質の融点よりも低い温度で粒子を結合
させたものであって、その特徴は例えば「金属便覧(社
団法人日本金属学会編、丸善発行)」に詳述されている
通りである。
【0025】本発明における金属粉末焼結層は、金属繊
維層の下流側に積層すると受圧や分散の機能が増すので
好ましいが、金属繊維層の上流側に積層して、熱可塑性
樹脂中のフィラーを予め大雑把に捕捉した後に、濾過精
度の細かい金属繊維層に導くことも可能である。
【0026】また、濾過精度は金属繊維及び/又は金属
粉末同士の間隙及び熱可塑性樹脂が通過する長さで決ま
るが、高次処理物中に存在するフィラーを除去するため
に重要である。濾過精度はフィラーの平均粒子径の5倍
以下とされる。また、5倍を越えると、本発明の効果が
小さくなるので好ましくない。本発明では5μm以下、
好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μ以下の
濾過精度のフィルターをフィラーの平均粒子径との関係
で適宜選択するとよい。また熱可塑性樹脂が2種以上の
フィラーを含み、その平均粒子径が異なる場合は、大き
い方の粒子径をもって要求する濾過精度を決めるものと
する。
【0027】ここで濾過精度とは、JIS−Z8901
−1974に規定された11種を用い、その95%がカ
ットされる粒子径(μm)をいう。
【0028】更にまた、本発明のフィルターは、空気に
よる流動抵抗値rが35mmH2 O以上であることが好
ましい。35mmH2 O未満の流動抵抗を示すメディア
では前記高次処理物中のフィラーの捕集効率が悪くな
る。好ましくは、50mmH2O以上、更に好ましくは
60mmH2 O以上である。
【0029】本発明で用いるフィルターメディアの金属
としては、ステンレス、ブロンズ、銅などを用いること
ができるが、熱可塑性樹脂との活性の問題、再生再使用
の観点からステンレス製とするのが好ましい。ステンレ
スの中でもSUS304、SUS316、SUS316
L、SUS410、SUS430等が好適であるがこれ
に限定しない。
【0030】フィルターとしては、たとえば図3に示す
ように、上流側から、メディア121、121′、その
下流側のメディア122、122′、その下流側のメデ
ィア123、123′を円盤状に成形し、この円盤状の
フィルターを2枚合わせて、2枚のフィルターの内側に
濾過圧に耐え且つ溶融熱可塑性樹脂が流れ得る空間を確
保するための支持体として細い金網124を、平織り、
綾織り、畳織りなどの織り方で編織したものおよび/ま
たは平板に無数の穴を開けた多孔板(図示略)を用い、
外周を溶接し(溶接部125)、内周部に、中央部に排
出孔127を有するシールリング126を溶接して(溶
接部125′)溶融熱可塑性樹脂をフィルターの径方向
中央部に集めるようにできる。そして、図4に示すよう
に、上記円盤状のフィルター131を重ねて組立て、フ
ィルター装置に構成できる。図4においては、円盤状の
フィルター131が、複数、フィルターツリー134を
支持体として積層、組み立てられ、フィルターケーシン
グ132、133内に収められている。溶融熱可塑性樹
脂は、熱可塑性樹脂導入孔135から導入され、各フィ
ルター131で濾過された後、熱可塑性樹脂排出孔13
6から排出される。
【0031】高次処理物を溶融した熱可塑性樹脂では、
少なくともバージン原料に比べて熱履歴を多く受けてい
るので、熱的には劣化していると考えてよい。更に粘度
調整装置で高温に曝されているためにその劣化の度合い
は大きくなっていると考えられる。このために、本発明
では、重合度調整装置55を設けてバージンチップに近
い特性となるように調整する。重合度を見るために、本
発明では重合機の温度と撹拌機のトルクを検出して実施
するが、重合度の判定には流路61を通過する溶融熱可
塑性樹脂の圧力損を検出してその流速より粘度を求め重
合度を算出してもよい。重合機としては反応型押出機を
用いると短時間に重合度が上がるので好ましく、例えば
Werner&Pfleidere社製の反応型二軸押
出機や住友重機械工業(株)製の二軸反応装置BIVO
LAKなどを用いることができるが、これに限定しな
い。
【0032】フィルター54を通過した後では熱可塑性
樹脂中のフィラーの大部分はフィルターの上流側に堆積
し、高次処理物の通過と共に濾過能力が落ちてくるの
で、本発明の高度処理装置3には濾過能力回復のための
逆洗装置を併設した濾過装置4とされる。すなわちコッ
ク57、58を用いて溶融熱可塑性樹脂の流れをフィル
ター54またはフィルター56から洗浄したいフィルタ
ーに切り替えることが出来る。ここでコック59は堆積
したフィラーを系外60に排出するものであり、フィル
ター56がフィラーで堆積し、濾過能力が落ちてきた
ら、コック57からフィルター54で清澄濾過した後
に、コック58からフィルター56へ流れを変えてコッ
ク59より堆積したフィラーを系外60へ排出する。こ
こで排出の時間は堆積したフィラーの量によって決まる
が、新しいフィルターが再びフィラーの堆積によって次
に切り替わらなければならなくなるまでの時間内に排出
することが好ましい。堆積したフィラーの排出が完了す
るまでの時間と、フィラーが堆積して濾過能力の回復が
必要になるまでの時間差は少ない方が、逆洗するフィル
ター内で劣化した熱可塑性樹脂を作らないために重要で
ある。このためにコック58は逆洗側に流れる流量と重
合度調整装置に流れる流量を調節してバランスを設定す
る。通常はこの量のバランスは1:10ないし100
で、好ましくは1000であるが、これに限定しない。
【0033】また、このコック57、58、59の切替
は、例えばフィルター54、56の入口に設けた圧力計
によって濾過中の圧力を検出して、設定圧力になったら
自動的にコック及びフィルターが切り替わる様にするこ
とが好ましい。これらの微妙な制御は、マイコンを利用
すると比較的簡単に出来る。なお、図1において、コッ
ク57と59はそれぞれ別個のものとして示したが、設
計に当たってはコック57と59は一体物とすることが
出来る。
【0034】本発明に使用する熱可塑性樹脂としては、
機械的特性、熱的特性、電気的特性などにおいて機能性
の高い熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
アミド、アラミドなどが好適である。特に熱可塑性樹脂
をシート状に溶融押出して、さらに縦および横方向に二
軸延伸し、熱処理した寸法安定性、機械・熱安定性に優
れた磁気材料用、コンデンサ用、電気絶縁用、熱転写リ
ボン用、孔版印刷用途などに利用される熱可塑性樹脂フ
ィルムに好適である。特に図1において、フィラーを含
む熱可塑性樹脂6、フィラーを実質的に含まない熱可塑
性樹脂7は重合工程(図示せず)より直接供されるもの
でも、熱可塑性樹脂フィルム成膜装置2で処理された高
次処理物でもよい。また、熱可塑性樹脂フィルムの押出
機9への投入は、一旦これら熱可塑性樹脂をホッパで受
けて混合したものでも、直接押出機9へ投入されるもの
でもよい。押出機への投入前には乾燥して水分を除去す
るが、前記したように、その処理を必要としない押出機
にあっては乾燥処理をしなくてもよい。
【0035】また、ここで用いる無機のフィラーとして
は、二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、
炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、カオリンなどの無
機系粒子が一般的である。また、これらの不活性粒子の
凝集体を使用してもよい。さらに、有機のフィラーとし
て、スチレン、シリコーン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアミドイミドなどの高耐熱性高分子の粒子の使
用を単独でまたは前記無機フィラーと併用して用いても
よい。また、本発明で用いるフィラーの平均粒子径は
0.1μm以上のものが好適である。0.1μm未満で
あると、本発明の高度処理装置を通して、目的とする高
次処理物からフィラーを除去する有効なフィルターを構
成しにくいので実用的でない。
【0036】フィラーの用い方は、重合工程及び/叉は
熱可塑性樹脂フィルムの成膜装置の押出機9に投入する
前の工程で熱可塑性樹脂に添加する方法、図1のフロー
の様にフィラー8として直接押出機および/または熱可
塑性樹脂をホッパで受け、本発明によるチップ5、前記
フィラーを含む熱可塑性樹脂6、フィラーを含まない熱
可塑性樹脂7の一種以上と共に混合して用いることが出
来る。又別の方法として、本発明のフィルターで清澄濾
過した後に重合度調整装置に入る前または重合度調整装
置内で前記フィラーを添加してフィラーを含む熱可塑性
樹脂を製造することもできる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、測定方法は次の方法によった。 (1)フィラーの平均粒子径 透過型電子顕微鏡写真により粒子の面積を求め、おなじ
面積を有する円の直径として全観測粒子よりその平均値
を求める。
【0038】(2)濾過精度 試験粉体JIS−Z8901−1974の11種を蒸留
水中に分散させてHIACで粒度分布を測定し、フィル
ターを通過させた後の粒度分布と比較してその95%カ
ット値をもって濾過精度とする。
【0039】(3)空隙率 メディアの容積と使用した材料の量及び比重より空間部
分の容積を求め百分率で表す。
【0040】(4)目付け量 メディアの単位濾過面積当たりに使用した材料の重量で
表す(単位:g/m2)。
【0041】(5)材料径 顕微鏡写真により粒子の材料径を測定し、その平均径を
求める。長径と短径を有する異径の場合は短径をもって
測定し、その平均径とする。
【0042】(6)フィルターメディアの断面 フィルターメディアをエポキシ樹脂で固めた後にメディ
アの縦断面または平断面に沿って切断し、切断面を研磨
した後に金属顕微鏡写真を撮り金属繊維軸の配置方向、
材料径、空隙状態を観察する。
【0043】(7)流動抵抗 空気を流す孔を有する半球状の上下一対のカップで有効
直径40mmのフィルターの外周をシールして0.5l
/min.・cm2 の空気を流したときの上下のカップ
内の空気圧の差をマノメータより読み取る。
【0044】(8)表面粗さ JIS−B0601に従って中心線平均粗さRaを長さ
4mm、カットオフ0.8mmで10点測定しその平均
をとる。
【0045】(9)破断強度 JIS−C2318によりフィルムの長手方向について
20回測定しその平均と標準偏差を求める。
【0046】(10)固有粘度 オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定す
る。
【0047】(11)溶融粘度 加熱溶融した熱可塑性樹脂を高化式フローテスターによ
り粘度を測定し、温度−粘度曲線の検量線を作成する。
熱可塑性樹脂の溶融時の粘度は温度を検出して、検量線
より算出する。
【0048】(12)粗大突起 平滑なガラス円筒面に熱可塑性樹脂フィルムを貼り付け
て、ナトリウムランプの光線を当てたときに出来るニュ
ートン環を顕微鏡観察して3重環以上の個数を100c
2 の面積について数える。
【0049】[実施例]フィルターとして、材質がSU
S316Lで各種線径のステンレス金属繊維とSUS4
30の金属粉末を用い、表1のメディアを積層して構成
し焼結した。表中上段側を上流側とした。このときの空
気による流動抵抗を同表に示し、金属繊維によるメディ
ア層の縦断面と平断面の代表的な実施例を図2に示し
た。
【0050】熱可塑性樹脂としてフィラーの濃度が1重
量%になるように添加調整したポリエチレンテレフテレ
ートのマスター原料を重合した。また重合工程での内部
析出粒子以外に実質的にフィラーを含まないポリエチレ
ンテレフタレートを重合して、前記フィラーを含むマス
ター原料と適宜配合して下記組成でそれぞれ二軸延伸後
熱固定してフィルムを得た。固有粘度は使用した原料の
算術平均を用いた。
【0051】ポリエステルフィルムA 一次粒子径が0.02μmで平均粒子径が2.6μmの
凝集シリカを0.2重量%と、平均粒子径が0.4μm
の珪酸アルミニウムを0.15重量%添加した固有粘度
が0.62のポリエチレンテレフタレートを配合し、常
法により乾燥し、押出機に投入して280℃で溶融押出
し、この後広幅の口金よりシート状に吐出して回転冷却
体で急冷し、縦延伸機で110℃で4.5倍に延伸し、
さらに横延伸機で105℃で3.8倍に延伸して、22
5℃で熱固定して、150℃で冷却した。熱固定から冷
却にかけて横方向に3%緩和させ、4.5μmの厚みの
フィルムコンデンサ用二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを得た。その特性を表2に示す。この成膜
工程で発生した耳部および製品とならなかった部分を粉
砕後、圧縮して造粒し、かさ密度が0.4t/m3 の高
次処理物を得た。
【0052】ポリエステルフィルムB 平均粒子径が0.8μmのシリカを0.05重量%と、
平均粒子径が0.2μmの珪酸アルミニウムを0.25
重量%を添加した固有粘度が0.63のポリエチレンテ
レフタレートを配合し、常法により乾燥し、押出機に投
入して280℃で溶融押出し、この後広幅の口金よりシ
ート状に吐出して回転冷却体で急冷し、縦延伸機で11
5℃で5.5倍に延伸し、さらに横延伸機で115℃で
4.2倍に延伸して、200℃で熱固定して、150℃
で冷却した。熱固定から冷却にかけて横方向に3.6%
緩和させ、厚さ14μmの磁気テープベース用二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得、その特性を
表2に示した。この成膜工程で発生した耳部および製品
とならなかった部分を粉砕後、圧縮して造粒し、かさ密
度が0.8t/m3 の高次処理物を得た。
【0053】実施例1 ポリエステルフィルムAの成膜工程で得られた高次処理
物を表1のフィルターを有する高度処理装置で、フィル
ターに入る前の粘度を80〜150ポイズとして調整
し、フィルターを通過後に二軸の反応押出機を用い、連
続的に285℃で1Torr以下の高真空下で撹拌し口
金より吐出してストランドを得、チップ化装置でチップ
にした。得られたチップの品質を表2に示す(高度処理
物特性)。本発明の高度処理装置では、フィルターの目
詰まりで濾過圧が250kg/cm2 なった時点で自動
的に切り替え逆洗を繰り返したが、逆洗側の流量を1/
30として概ね3時間毎の切り替えで清澄濾過を繰り返
すことが出来た。更に本発明で得られたチップをポリエ
ステルフィルムAの成膜のフィラーを含まない熱可塑性
樹脂7に代えて配合し、成膜装置の押出機に投入してコ
ンデンサベース用二軸延伸フィルムを得、その特性を表
2に示した。
【0054】実施例2 ポリエステルフィルムBの成膜工程で得られた高次処理
物を表1のフィルターを有する高度処理装置で、フィル
ターに入る粘度を80〜150ポイズとして調整し、フ
ィルターを通過後に二軸の反応押出機を用い、連続的に
285℃で1Torr以下の高真空下で撹拌し口金より
吐出してストランドを得、チップ化装置でチップにし
た。得られたチップの品質を表2に示す。本発明の高度
処理装置はフィルターの目詰まりを濾過圧の急上昇のタ
イミングとして、マイコンで計算しながら切り替えて逆
洗を繰り返したが、逆洗側の流量を1/20として概ね
4時間毎に切り替えを繰り返して高度処理することが出
来た。更に本発明で得られたチップをポリエステルフィ
ルムBの成膜のフィラーを含まない熱可塑性樹脂7に代
えて配合し、成膜装置の押出機に投入して磁気テープベ
ース用二軸延伸ポリエステルフィルムを得、その特性を
表2に示した。
【0055】実施例3 実施例1の高度処理物を、ポリエステルフィルムBの成
膜のフィラーを含まない熱可塑性樹脂7に代えて配合
し、磁気テープベース用二軸延伸ポリエステルフィルム
を得、その特性を表2に示した。
【0056】比較例1 ポリエステルフィルムAの成膜で得た高次処理物を、再
度ポリエステルフィルムAの成膜に全体の40%の割合
で配合して、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。フ
ィラーの調整は高次処理物中のフィラーを含んで調整し
た。
【0057】比較例2 ポリエステルフィルムBの成膜で得た高次処理物を、再
度ポリエステルフィルムBの成膜に全体の45%の割合
で配合して、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。フ
ィラーの調整は高次処理物中のフィラーを含んで調整し
た。
【0058】比較例3 ポリエステルフィルムBの成膜で得た高次処理物を、表
1のフィルターを用いて高度処理したチップを得て、再
度ポリエステルフィルムBの成膜に配合して、二軸延伸
ポリエステルフィルムを得た。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【発明の効果】本発明によると、成膜過程で発生する耳
部、製品にならなかった部分がバージン原料並みに何等
制約を受けること無く利用可能となり、原料コスト低
減、さらに産業廃棄物削減に共に効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る熱可塑性樹脂フィル
ム製造装置のフロー図である。
【図2】実施例で用いたフィルターの縦断面及び平断面
を表す顕微鏡写真である。
【図3】実施例で用いたフィルターの断面図である。
【図4】実施例で用いたフィルター装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂フィルム製造装置 2 熱可塑性樹脂フィルム成膜装置 3 高度処理装置 4 濾過装置 5 高度処理、チップ化された熱可塑性樹脂原料 6 フィラーを含む熱可塑性樹脂原料 7 フィラーを含まない熱可塑性樹脂原料 8 別のフィラー 9 溶融押出機 10 シート化装置 11 縦延伸機 12 横延伸機 13 熱固定手段 14 耳部トリム手段 15 巻取機 16 スリッタ 17 熱可塑性樹脂フィルム製品 31 粉砕手段 33 造粒手段 51 高次処理物供給装置 52 溶融押出機 53 粘度調整装置 54、56 フィルター 55 重合度調整装置 57、58、59 コック 63 チップ化装置 101、102、103 フィルターのメディア 121、121′ 上流側のメディア 122、122′ その下流側のメディア 123、123′ その下流側のメディア 124 SUS金網 125、125′ 溶接部 126 シールリング 127 排出孔 131 フィルター 132、133 フィルターケース 134 フィルターツリー 135 熱可塑性樹脂導入孔 136 熱可塑性樹脂排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 7:00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの成膜に供され
    る、平均粒子径が0.1μm以上の無機または有機のフ
    ィラーを一種以上含む溶融熱可塑性樹脂を、濾過精度が
    前記平均粒子径の5倍以下のフィルターを用いて濾過す
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルターをメディアの積層構成と
    し、該フィルターが、溶融樹脂の流れ方向にn番目のメ
    ディアの金属繊維の材料径dが30μm以下、目付け量
    wが100〜10000g/m2 でその積(w・d)n
    が16000以下、(w・d)n+1 /(w・d)n
    2.5以下で、空隙率が35〜90%のメディアを積層
    した、空気による流動抵抗rが35mmH2 O以上のフ
    ィルターである、請求項1の熱可塑性樹脂フィルムの製
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルターが、目付け量wp が20
    000以下で、空隙率が25〜65%の金属粉末による
    メディアを、前記金属繊維によるメディアの下流側およ
    び/または上流側に積層したフィルターである、請求項
    2の熱可塑性樹脂フィルムの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記金属繊維及び/または金属粉末がス
    テンレス金属より構成されている、請求項3の熱可塑性
    樹脂フィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂フィルムの成膜に供され
    る、平均粒子径が0.1μm以上の無機または有機のフ
    ィラーを一種以上含む溶融熱可塑性樹脂を、濾過精度が
    前記平均粒子径の5倍以下のフィルターを用いて濾過す
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フィルターをメディアの積層構成と
    し、該フィルターが、溶融樹脂の流れ方向にn番目のメ
    ディアの金属繊維の材料径dが30μm以下、目付け量
    wが100〜10000g/m2 でその積(w・d)n
    が16000以下、(w・d)n+1 /(w・d)n
    2.5以下で、空隙率が35〜90%のメディアを積層
    した、空気による流動抵抗rが35mmH2 O以上のフ
    ィルターである、請求項5の熱可塑性樹脂フィルムの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記フィルターが、目付け量wp が20
    000以下で、空隙率が25〜65%の金属粉末による
    メディアを、前記金属繊維によるメディアの下流側およ
    び/または上流側に積層したフィルターである、請求項
    6の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記フィルターを通過する溶融熱可塑性
    樹脂の粘度を調整する、請求項5ないし7のいずれかに
    記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記フィルターを通過した溶融熱可塑性
    樹脂の重合度を調整する、請求項5ないし8のいずれか
    に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記フィラーを含む溶融熱可塑性樹脂
    を清澄濾過した後に、濾過装置内の別のフィルターで清
    澄濾過した溶融熱可塑性樹脂を反対方向から流してフィ
    ルターに堆積したフィラーを排出する、請求項5ないし
    9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 堆積したフィラーを自動的に排出す
    る、請求項10の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 濾過装置に続く口金より溶融熱可塑性
    樹脂を吐出し、冷却してストランド状にし、それを細か
    く切断して、一旦チップを製造し、該チップを熱可塑性
    樹脂フィルムの成膜に供する、請求項5ないし11のい
    ずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記チップが、前記フィラーを含む熱
    可塑性樹脂、フィラーを含まない熱可塑性樹脂、別のフ
    ィラーの一種以上と共に熱可塑性樹脂フィルム成膜装置
    の押出機に投入される、請求項12の熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 濾過された熱可塑性樹脂が、濾過装置
    に続く熱可塑性樹脂フィルム成膜装置の押出機に、前記
    フィラーを含む熱可塑性樹脂、フィラーを含まない熱可
    塑性樹脂、別のフィラーの一種以上と共に投入される、
    請求項5ないし11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フ
    ィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 成膜される熱可塑性樹脂フィルムが二
    軸延伸後熱固定してなるポリエステルフィルムである、
    請求項5ないし14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フ
    ィルムの製造方法。
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