JPS6391231A - 光学素子、及びその製造方法 - Google Patents

光学素子、及びその製造方法

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JPS6391231A
JPS6391231A JP61236769A JP23676986A JPS6391231A JP S6391231 A JPS6391231 A JP S6391231A JP 61236769 A JP61236769 A JP 61236769A JP 23676986 A JP23676986 A JP 23676986A JP S6391231 A JPS6391231 A JP S6391231A
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resin
resin composition
optical
foreign particles
less
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JP61236769A
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English (en)
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Masahiko Moriya
森谷 雅彦
Masahiro Niwano
庭野 正廣
Kenji Manabe
真鍋 健二
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、異物微粒子の少ない光学素子に関する。
例えば、光学的に情報の記録、再生を行う光学式ディス
ク基板、光カード、レンズ、プリズム等の光学素子に関
する。
〈従来の技術〉 レーザー光スポットを用いて、光学式ディスク基板上の
微細な凹凸で刻まれた記録情報を検出、画像や音響を再
生する方式、更には基板表面に設けた記録膜の光学的な
性質の変化により、高密度の情報記録再生を行うように
した記録再生方式が最近注目されている。
このような記録再生方式に利用される光学式ディスク基
板としては透明であることの他、寸法安定性の良いこと
、光学的に均質で複屈折の小さいこと等の特性が要求さ
れる。
光学式ディスク基板として樹脂材料を用いることにより
、安価に多量の複製基板を成形することが可能となるも
のの、多くの場合ディスク基板の成形に際し樹脂の流動
及び冷却過程において分子配向を生じ、複屈折を生ずる
ことは広く知られており、これが致命的欠陥となってい
る。
実際に光学式ディスク基板として使用する際には、54
6nmにおけるセルモノコンペンセーター法による複屈
折が+20〜−20nmであることが要望されている。
米国特許4,373,065号公報には、正反対の光学
的異方性を有するが、完全に相溶する2種のポリマーを
、その光学的異方性を丁度打ち消しあう組成で混合し、
実質的に複屈折性がゼロになるような光学的に等方性の
樹脂からなる光学的記録素子について開示されている。
更に該公報には、正反対の光学的異方性を有するポリマ
ーとしてポリフェニレンエーテルとポリスチレンを用い
た系について、その光学的異方性が丁度打消される組成
の混合物からつくったフィルムに応力をかけても複屈折
を生じないことが、つまり固体状態のポリマー組成物に
応力をかけた場合に複屈折が生じないことが示されてい
る。
さらに、これらの光学式ディスク基板としては、複屈性
による光学的異方性が少ないことと共に、記録再生時の
キャリヤー雑音比(以下、C/N比という)が充分高く
、ピットエラーレートの小さいことが要望される。
特開昭61−90345号公報には、射出成形により得
られる透明な樹脂製、特にアクリル樹脂製の光学式ディ
スク用基板中に、粒径0.5μm以上の大きさの異物を
lXl0’個/g以下含む光学式ディスクについて開示
されている。
しかしながら、従来知られているメタクリル酸メチルを
主成分とする重合体を基板に用いた場合、吸湿性が大き
いために、寸法安定性が不良であり、多湿環境下にて反
り、ねじれを生ずるという欠点を有している。
この欠点については例えば、日経エレクトロニクス(1
982年6月7日号、133頁)に詳述されている通り
であって、このため音響用コンパクトディスク材料とし
ては吸湿率の低い芳香族ポリカーボネート樹脂が用いら
れている。
一方、芳香族ポリカーボネート樹脂は異方性の大きい芳
香環をその主鎖に含むことから、成形基板の複屈折を低
減することが困難であり、分子量の低減化の他、成形条
件の検討が試みられているものの、複屈折性が素材その
ものに起因することから一様に複屈折の低い基板を安定
して、製造することができず、また直径が音響用コンパ
クトディスクよりも大きい低複屈折性基板を射出成形に
より製造することは極めて困難な状況にある。
また、メタクリル酸メチルを主体とした重合体の欠点で
ある寸法安定性を改良するため、例えば特開昭57−3
3’446号公報、特開昭57−162135号公報、
特開昭58−88843号公報ではメタクリル酸メチル
と芳香族ビニル単量体との共重合体が提案されている。
しかし、芳香環を有するビニル単量体との共重合体は大
きな複屈折を生じやすく、実用に供し得ないのが実状で
ある。
〈発明が解決しようとする問題点〉 光学素子は、寸法安定性、複屈折の近いことが要求され
るが、なかでも光学式ディスク基板は、この要求が厳し
く、その上記録、再生時のC/N比が充分高く、ビット
エラーの小さいことが要求される。
さらに、レンズ、プリズム等の他の光学素子においても
、従来メタクリル樹脂等の樹脂材料が用いられているが
、さらに複屈折の低い、耐熱性、機械的強度、寸法安定
性の優れていると共に、微粒子の少ない樹脂材料由来の
ものが求められている。
さらに近年、消去・再書き込み可能な光磁気方式のディ
スクのディスク基板をプラスチックで製造する試みが進
められている。
キ赤中*壜光磁気方式のディスクにおいては、記録され
ている情報を読みこむ際、偏光されたレーザー光をレン
ズで記録媒体上に焦点を結び、反射してもどってくるカ
ー効果によるレーザー光のわずかな偏光の旋回を検知し
て情報を読みこむため、斜め方向から入射した光に対し
ても複屈折をおこしにくい光学式ディスク基板を用いる
必要がある。
また、書き込みの際には媒体をレーザー光で加熱するた
め、光学式ディスク基板としては高い耐熱性が要求され
ている。
これらの要求に対して、芳香族ビニル単量体を主体とす
る重合体部分と、ポリフェニレンエーテル部分とから成
る光学式ディスク基板は、複屈折をおこしにくり、耐熱
性も高く、かつ吸湿性も低いことから寸法安定性良好で
、耐環境性も優れているが、C/N比が充分高(、かつ
信頼性の高い光学式ディスク基板はまだ見い出されてい
ない。
本発明はかかる事情に鑑み、射出成形、圧縮成形等によ
っても複屈折が低く、しかも、斜め方向からの入射光に
対しての複屈折が低(、かつ耐熱性が高く、機械的強度
のバランスが良く、寸法安定性の優れていると共に、異
物微粒子の少ない高性能、高倍転性の光学素子を提供す
ることにある。
く問題点を解決するための手段〉 本発明は、1μm以上の異物微粒子が10゜000個/
g以下の樹脂製光学素子に関する。
特に、芳香族ビニル単量体を主体とする重合体部分と、
ポリフェニレンエーテル部分とから成り、1μm以上の
異物微粒子が10,000個/g以下の樹脂組成物から
光学素子を製造する方法に関する。
本発明における光学素子としては、一般的な光学式ディ
スク基板のほか光磁気ディスク基板、光カード、レンズ
、プリズム等をあげることができる。
光学式ディスク基板において、異物微粒子が多数存在す
ると、C/N比が低下したり、ビットエラーレートが大
きくなるが、これらに影響を与える微粒子の大きさとし
ては、1μm以上の大きさの微粒子であり、これより小
さな微粒子は問題とならないことが、検討の結果判明し
た。
1μm以上の粒子の個数は、10,000個/g以下、
特に、光磁気ディスク基板については5,000個以下
が好ましい。
これより微粒子が多くなると、C/Nが低下したり、ビ
ットエラーレートが大きくなり、光学式ディスクの信軌
性が悪くなったり、性能が低下する。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ビニル単量体単位を主体
とする重合体とポリフェニレンエーテルとの混合物、両
者の重合体部分からなるブロック共重合体もしくはグラ
フト共重合体、またはこれらの混合物からなる。
本発明でいう、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重
合体とは、芳香族ビニル単量体単独重合体、及び芳香族
ビニル単量体単位を50重量%以上含有する共重合体で
あって、芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン
、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、0−クロルスチレン、m−クロルスチレン
、p−クロルスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロ
モスチレン、等が挙げられ、特にスチレンが好適に用い
られる。
また芳香族ビニル単量体と共重合する単量体の例として
は、不飽和ニトリル類例えばアクリロニトリル、メタク
リコニトリル;メタクリル酸アルキルエステル類、例え
ばメタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メ
タクリル酸1so−プロピル、メタクリル酸n−ブチル
、メタクリル酸シクロヘキシル;アクリル酸アルキル類
、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどが挙げられ、更に
メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイ
ミド等が挙げられる。
これら共重合する単量体は各々単独もしくは混合して使
用することができるが、芳香族ビニル単量体との共重合
体及びこれとポリフェニレンエーテルとからなる樹脂材
料の透明性を阻害しない範囲で、組合せ及び使用割合を
調節すればよい。
芳香族ビニル単量体は単量体混合物中50重量%以上で
あることが好ましく、50重量%以下では得られる樹脂
の吸湿性が大きくなることから好ましくない。
また芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体の溶融
流動性は230℃、3.8kg荷重でのメルトフローレ
ー) (MFR)が0.5〜200であることが、好ま
しく更に2〜100が好ましい。
200を越えると機械的強度が低下することから好まし
くなく、また0、5よりも小さいと複屈折を低減するの
が困難になることから好ましくない。
芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体の製造法と
しては、ラジカル開始剤を用いた塊状重合、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合のいずれでもよいが、生産性及び不
純物の混入の少ない重合体を得る目的からは塊状重合ま
たは懸濁重合が好ましい。
ラジカル開始剤としてはラウロイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、ジーtert−ブチルパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシドなどの過酸化物、2,2゛ 
−アゾビスイソブチロニトリル、1.1’−アゾビス(
1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物
をあげることができる。
また分子量を制御するため、必要であれば、連鎖移動剤
としてtert−ブチル、n−ブチル、n−オクチル、
n−ドデシル及びtert−ドデシルメルカブタンなど
を添加すれば良い。
重合温度は一般に50〜150℃の範囲で行われる。
本発明でいうポリフェニレンエーテルは、一般式 (但し、R1、R11、R3、R4は水素、ハロゲンま
たは炭化水素基を示す。) で表わされる繰返し単位を有する重合体である。
該ポリフェニレンエーテルはフェノール頻単量体を酸化
カップリングにより重合した重合体であって、公知の方
法たとえば特公昭36−18692号公報、特公昭47
−36518号公報、特公昭4B−17396号公報、
特公昭49−16120号公報、特開昭57−4462
5号公報、特開昭57−147517号公報、特開昭5
8−19329号公報、特開昭58−19330号公報
、特開昭58−122919号公報などに開示のある銅
系またはマンガン系触媒を用いた方法により製造される
このポリフェニレンエーテルの具体例は、ポリ (2,
6−シメチルー1.4−フェニレン)エーテル、ポリ(
2−メチル−6−ニチルー1゜4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−ブロビルー1.4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロビルー1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ブロム
−1,4−フェニレン)エーテル等が挙ケられ、特にポ
リ (2,6−シメチルー1.4−フェニレン)エーテ
ルが好マシい。
このポリフェニレンエーテルは、エンジニアリングプラ
スチックとして一般に用いられているものも使用可能で
あるが、より低分子量のものが適している。
つまりポリフェニレンエーテルの平均分子量は、重合体
の極限粘度(クロロホルム、25°Cでの測定値)で表
わして、0.1〜1.0でも用いることができるが、0
.3〜0.7がよい。
なかでも0.3〜0.45が好ましく、更に0.35〜
0.42が好ましい。
0.3より小さいと光学素子の機械的強度が小さくなる
芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体部分とポリ
フェニレンエーテル部分との割合は前者が30〜70重
量%好ましくは40〜55重量%であり、後者が30〜
70重量%、好ましくは45〜60重量%である。
ポリフェニレンエーテル部分が40重量%未満または7
0重量%を越えると光学素子の複屈折が充分低くならな
い。
その上40fi量%未満では耐熱性も十分でなくなる。
樹脂組成は具体的には、上記の範囲内で成形の方法によ
り、適宜選択する。
例えば、射出成形では、成形加工時の成形条件、つまり
樹脂温度、成形圧力、金型温度などの設定に応じて、得
られる成形体の複屈折がその使途から要求される性能に
合うよう上記割合を調整すれば良い。
また、本発明の光学素子、なかでも光学式ディスク基板
は半導体レーザー光などの光が通過する。
従って波長800nmにおける光線透過率が厚さ1. 
2mmの材料において75%以上であることが好ましい
本発明の樹脂組成物として、芳香族ビニル単量体単位を
主体とする重合体と、ポリフェニレンエーテを混合して
得るには、溶融混合もしくは溶液混合が適している。
混合度合は両型合体が互いに約1μ以下にまで分散混合
されることが好ましく、更に分子スケールまで混合され
ることが好ましい。
混合状態が分子スケールにまで達したかどうかは混合物
のガラス転移温度が唯一のものとなることで容易に判定
される。
溶融混合は、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度
以上にてスクリュー押出機、バンバリーミキサ−、ニー
ダーブレンダー、加熱ロールなどの混合機械を用いて高
剪断下、行われる。
十分満足される混合状態を得るため、混合温度を高める
、混合時間を延長する、更に剪断力を高めるといった方
法が採用される。
さらに溶融混合において両型合体のガラス転移温度を低
下せしめて混合を容易なものとするため可塑剤として有
機溶剤を少量用いることもできる。
有機溶剤としては後述の溶液混合法にて用いられる有機
溶剤を用いることができ、混合終了後、用いた有機溶剤
を蒸発除去すれば良い。
溶融混合により、溶融した状態の樹脂組成物から1μm
以上の大きさの異物微粒子を除くには、該溶融物をフィ
ルターなかでも焼結金属フィルターを通過させることに
よって行う。
この焼結金属フィルターは、樹脂の溶融物のごとく粘度
が高く、高圧がかかりしかも小さい ′口開きのもに適
している。
焼結金属フィルターは、チューブ状、ディスク状のもの
を用いる。
濾過粒度はJISB  8356の規定で1μm〜10
μmのものを用いる。
工業的に大量に実施するには、先端に焼結金属フィルタ
ーを設置したスクリュー押出機で溶融混合を行うのが適
している。
溶融樹脂は、その後の光学素子への成形方法に適した形
状で取り出せばよい。
たとえば射出成形用にはペレット化する。
溶液混合は両型合体を有機溶剤に溶解して少なくとも1
重量%の溶液とし、攪拌混合により均一混合物とした後
有機溶剤も蒸発除去するかまたは均一混合物に両型合体
の貧溶剤を入れて、混合された両型合体を析出させるこ
とができる。
好適な有la溶剤としては、クロロホルム、塩化メチレ
ン、塩化エチレン、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼ
ンなどを挙げることができ、また貧溶剤としては、水、
メタノール、エタノール、プロピルアルコール、n−ヘ
キサン、n−ペンタンなどを挙げることができる。
特に好ましい有機溶剤としては、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンである。
溶液混合された再重合体の回収方法としては、上記の貧
溶剤を入れて、析出させる方法、蒸発除去する方法以外
に、樹脂溶液を直接または、一部蒸発濃縮した樹脂溶液
をスクリュー押出造粒機に仕込み、溶媒を留去しながら
ペレット化する方法や、樹脂溶液に水を加え有機溶媒を
共沸留去し、樹脂粒状体の水スラリーとして、回収する
方法を用いることができる。
この溶液混合による該溶液から、1μm以上の異物微粒
子を除去するために、該溶液をあらかじめ濾過する。
濾過に際して用いられる濾材は、1μm以上の異物微粒
子を除去できることが必要で、このような濾材の例とし
ては、濾紙、パルプ、焼結金属、金属繊維の焼結体、セ
ラミック濾材等を挙げることができる。
好ましい濾材は、濾紙及び金属繊維の焼結体である。
濾過装置には、圧減器、加圧葉状濾過器、真空濾過器等
のバッチ式あるいは、連続式の通常の濾過器が適用でき
る。
濾過時の温度は該溶液の粘性を低くするために、約60
℃〜130℃の温度で行うのが得策である。
濾過後の該溶液は前述のごとく処理をして樹脂組成物を
回収する。
本発明でいう溶融成形とは樹脂の温度をガラス転移温度
以上にし、流動させた状態で成形することである。
例えば射出成形、押出成形、圧縮成形等を挙げることが
できる。
成形温度は、樹脂のガラス転移温度以上350℃程度ま
でである。
本発明の光学素子を得るに際しての成形法として射出成
形、圧縮成形、射出圧縮成形などが挙げられるが、これ
らの成形法のうち、成形によって生ずる複屈折の程度の
比較的大きい成形法はど、本発明の効果は、顕著なもの
であり、生産性の点からも射出成形が最も好ましい。
ここでいう射出成形法とは、閉鎖している金型キャビテ
ィに加熱して流動状態になった樹脂を圧入し冷却固化し
た成形品を製造する方法である。
また全型内真空吸引法や、射出成形中に金型キャビティ
容量を縮小させる射出圧縮法を併用してもよい。
射出成形により本発明の光学素子を製造するに際しては
溶融可塑化した樹脂温度を270℃以上350℃以下で
射出成形することが好ましく、更に好ましくは300℃
以上340 ”C以下である。
ここでいう樹脂温度とは射出成形機内においてヒーター
等の外部加熱とスクリューの回転による剪断発熱によっ
て可塑化熔融した射出シリンダー内での樹脂の温度であ
る。
樹脂温度が270℃未満では得られる光学素子、なかで
も光学式ディスク基板の複屈折が2Qnm以上となり光
学式ディスク基板として不適当であり、樹脂温度が35
0℃を超すと、樹脂が分解し、ヤケ、シルバー等の不良
現象が発生し、得られる光学式ディスク基板のビットエ
ラーが著じるしく増加するので不適当である。
この射出成形において金型温度は50°C以上140℃
以下に保つことが好ましく、更に好ましくは80℃以上
120℃以下である。
・  ここでいう金型温度とは射出直前の金型キャビテ
ィーの表面温度をいう。
金型温度が50℃未満では金型表面にきざみこまれた微
細な案内溝(グループ)の転写性が悪くなり、140℃
を超えると金型から成形体の離型が悪くなるので好まし
くない。
本発明の射出成形において射出成形時間はO、2秒以上
3秒以下の範囲内で成形することが好ましく、更に好ま
しくは0.3秒以上2秒以下の範囲で成形することであ
る。
ここでいう射出成形時間とは金型キャビティー内に樹脂
を充填する時間である。
射出成形時間が0.2秒未満ではシルバーが発生し、光
学式ディスクとして用いた場合ピッとなるので好ましく
ない。
特に芳香族ビニル単量体を主体とする重合体部分と、ポ
リフェニレンエーテル部分とから成る樹脂組成物の1μ
m以上の異物微粒子を10.000個/g以下にする方
法は、以上に述べたとおりであるが、さらに異物微粒子
の混入を防ぐために種々の配慮が必要である。
たとえば、元々の樹脂を製造するのに用いる原料(モノ
マー、重合開始剤、溶媒など)は、極力異物微粒子のな
いものを使用する。
製造設備内は、できる限りクリーンにして、また異物の
付着を除去して行う。
成形工程での異物混入を防ぐため、環境をできるだけク
リーン化する。
などの方法をとることが必要である。
特に、異物微粒子を除去した後は、無塵の環境で行うこ
とが望ましい。
〈実施例〉 以下実施例をもって詳細に説明するが、下記はもとより
、本発明を限定するものではない。
なお実施例中の部または%はいずれも重量基準である。
また実施例に示す物性測定及び処理操作は以下の方法に
より行った。
・複屈折:偏光顕微鏡を利用して、546nmにてセナ
ルモンコンペンセーター法にてリターデーションを測定
した。
・吸水率:ASTM  D−570に基づいて60℃蒸
留水中での平衡吸水率を測定した。
・光線透過率:自記分光光度計日立製作所製330型に
てs o o nmでの試料厚み1.2mmの透過率を
測定した。
・曲げ物性:ASTM  D−790に基づいて測定し
た。
・耐熱性:線膨張係数法によるガラス転移温度で示した
・重合体の極限粘度:ウベローデ粘度計を用い、クロロ
ホルム溶媒で、25℃にて測定、算出した。
・C/N比:ヒユーレットバーカード社製のスペクトラ
ムアナライザー853A型を用いて非差動光学系、スキ
ャニングフィルターのバンド巾30KHzの条件で測定
した値である。
・異物微粒子数:リオン株式会社製自動液中微粒子計測
器KL−01型により1μm以上の粒子の個数を測定し
、試料1gあたりの異物数とした。
・混練、ベレット化は二輪スクリュー押出機(日本製網
株式会社製、TEM00−30BW−2V型)より行っ
た。
・射出成形機は住友重機械工業株式会社製ネオマント1
50/75 (75)ン)型、金型は成形体直径120
mm厚さ1.2mmディスク用金型を使用した。
・光磁気ディスクの製造方法: 射出成形で得られた基
板上に5 X 10−3ToJrの減圧下、アルゴンと
窒素の混合ガス雰囲気中でシリコンの反応性スパッタリ
ングを行い、屈折率2゜0、膜厚850大の窒化ケイ素
膜を得た。
更に常法に従いTbFeCoの磁性層をこの上にスパッ
タリング法で900人付け、さらに上述の窒化ケイ素を
さらに850人付け、基板/窒化ケイ素/TbFeCo
/窒化ケイ素の構造を有する光磁気ディスクを作製した
実施例1 特公昭47−36518号公報実施例2、階9に記載の
方法に従い、塩化マンガン、エタノールアミンを触媒と
して2.6−キシレノールを重合して極限粘度が0.5
2のポリ (2,6−シメチルー1,4−フェニレン)
エーテルを調製した。
このポリフェニレンエーテル樹脂40重量部とポリスチ
レン樹脂(住友化学工業製ニスプライト■8、一般グレ
ード、MFRIO)60重量部とを混合配合し、二輪ス
クリュー押出機の先端にギヤポンプと、JISB  8
356で規定された濾過粒度3μmの日本端m@製のデ
ィスク型焼結金属フィルターを設置して混練、ペレット
化した。
該ペレットをシリンダー温度320℃、金型温度85℃
にて射出成形し、直径120mm、厚み1.2mmの光
学式ディスク基板を得た。
このディスク基板について光線透過率は86%であり、
円板の中心より35mmの位置での複屈折は+2nm、
吸水率は0.1%、ガラス転移温度は143℃、異物微
粒子数は7,000個であった。
光磁気ディスクのC/N比は45dBであった。
比較例1 混練ペレット化の際、ディスク型焼結金属フー27= イルターを設置しない以外は、実施例1と同様に行い、
光学式ディスク基板を得た。
ここで得られた光学式ディスク基板の異物微粒子数は、
12,000個/gで、光磁気ディスクのC/N比は3
9dBであった。
また、顕微鏡による観察でも異物が観察された。
実施例2 極限粘度が0.40のポリ(2,6−シメチルー1,4
−フェニレン)エーテル44部を部と、ポリスチレン(
日本ポリスチレン工業■製ニスブライト■4−62A)
50重量部とを400重量部のクロロホルムに溶解させ
た後、ステンレス繊維フィルター、(日本端線■製 ナ
スロン■NF 103)をろ材に用いて20kg/cI
112Gの加圧下に濾過した。
該樹脂溶液を2,000重量部のメタノールに滴下し、
樹脂を沈澱させて得られた樹脂をペレット化した。
該ペレットを、樹脂温度320 ”C1金型温度100
℃及び射出時間1秒の条件で射出成形し光学式ディスク
基板とした。
この基板の複屈折は中心より40mmの位置で一2nm
であり、異物微粒子数は、1,000個/gであった。
また、樹脂の曲げ強度は1 、 100 kg/cm”
で、ガラス転移温度は154℃であった。
光磁気ディスクのC/N比は47dBであった。
実施例3 極限粘度が0.44のポリ(2,6−シメチルー1. 
4−フェニレン)エーテル44部と、ポリスチレン(日
本ポリスチレン工業株式会社製、ニスプライト”4−6
2A)56重量部とを300重量部の、80℃に加温し
たトルエンに溶解させた後、ステンレス繊維フィルター
、(日本精練■製ナスロン■NF 103)をろ材に用
いて10 kg/am” Gの加圧下に濾過した。
該樹脂溶液を水1,000重量部を入れた攪拌槽に導入
した後、トルエンを共沸留去して、樹脂の水スラリーを
得た。
このスラリーをろ過遠心分離して樹脂を得た。
以降は、実施例2と同様に処理し評価した。
基板の複屈折は+1nmであり、異物微粒子数は、2.
000−個/gであった。
また、樹脂の曲げ強度は1 、 200 kg/an”
で、耐熱性は148℃であった。
光磁気ディスクのC/N比は46dBであった。
〈発明の効果〉 本発明によれば、1μm以上の異物微粒子数が10,0
00個/g以下と少ないことから、高性能、高信頼性の
光学素子を得ることができる。
特に、芳香族ビニル単量体を主体とする重合体部分とポ
リフェニレンエーテル部分とから成る光学素子の1μm
以上の異物微粒子数がIO,000個/g以下と少ない
ことから、優れた光学等方性と高い耐熱性等の良好な物
性を有する高性能、高信頼性の光学素子を得ることがで
きる。
本発明の光学素子は、光学式ディスクの基板、光カード
、レンズ、プリズム等であり、なかでも特定された波長
を持つ光を使用する場合に適している。
さらに前述のごとく、光デイスク基板として、複屈折が
小さいことと、高い耐熱性、良好な機械的性質を有し、
且つ、十分高い記録再生時のC/N比を有する光ディス
クを製造することができる。
一31完−

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)1μm以上の異物微粒子が10,000個/g以
    下の樹脂製の光学素子。
  2. (2)芳香族ビニル単量体を主体とする重合体部分とポ
    リフェニレンエーテル部分とから成る樹脂組成物を溶融
    成形して、光学素子を製造する方法において該樹脂組成
    物中に1μm以上の異物微粒子が10,000個/g以
    下であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  3. (3)該樹脂組成物が有機溶媒により溶解せしめた溶液
    をろ過して異物微粒子を除去した後回収した樹脂組成物
    である特許請求の範囲第(2)項記載の製造方法。
  4. (4)有機溶媒がクロロホルム、ベンゼン、トルエン、
    キシレンの中から選ばれた少なくとも1種である特許請
    求の範囲第(3)項記載の製造方法。
  5. (5)該樹脂組成物の回収が該溶液から該樹脂組成物の
    貧溶媒を用いて析出させることである特許請求の範囲第
    (3)項記載の製造方法。
  6. (6)該樹脂組成物の回収が該溶液をスクリュー押出造
    粒機に供給し、溶媒を留去しながらペレット化する特許
    請求の範囲第(3)項記載の方法。
  7. (7)該樹脂組成物の回収が該溶液に水を加え、有機溶
    媒を共沸留去し水スラリーとすることである特許請求の
    範囲第(3)項記載の方法。
  8. (8)該樹脂組成物が、その溶融状態のものを焼結金属
    フィルターを通して異物微粒子を除去した樹脂組成物で
    ある特許請求の範囲第(2)項記載の方法。
  9. (9)焼結フィルターをスクリュー押出機の先端部に設
    置した装置を用いることを特徴とする特許請求の範囲第
    (8)項記載の方法。
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