JP6128819B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は光学フィルムとして使用可能なフィルムの製造方法に関する。
フィルムの製膜方法として、熱可塑性樹脂を押出機等により加熱溶融した後にTダイを用いてフィルム状に吐出し、冷却固化する溶融製膜方法が知られている。本方法は、樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を支持体上にシート/フィルム状にキャストし、その後に乾燥させてフィルムを製造する溶液製膜方法に比べ、生産性に優れるものの、厚みムラや光学特性のバラツキなどを生じやすい問題があった。更には、加熱溶融により、樹脂が分解やゲル化する懸念があり、熱安定性の低い樹脂においてはフィルム品質を落としてしまう問題があった。
従って、現状では主に溶液製膜方法が選択されているが、溶液製膜方法は、乾燥速度に制限があり、生産性を上げるためには炉長を伸ばす必要や大規模な溶剤回収装置が必要となるため、生産性対コストが溶融製膜に劣る。その為、溶融製膜方法において、上記問題を解決する為に様々な取り組みが検討されている。
例えば、特許文献1ではエアギャップにおけるフィルムの伸長ムラやロールにおける冷却固化の幅方向ムラを抑制するために、Tダイ吐出後のフィルムを2本の成形ロールにより押圧する方法、挟み込み成形が行われている。しかし、光学フィルム、特に位相差フィルムの製造においては、挟み込み時に樹脂が幅方向に不均一に配向してしまい、挟み込み成形をした場合の方が位相差品質が悪化してしまう問題があった。
これに対し、更に特許文献2は弾性ロールを用いて挟み込み幅を1cm程度と大きくし、大きな面状で均一に挟み込むことで光学的歪みを小さくする試みがされている。しかしながら、挟み込み幅を大きくすることで挟み込まれている部分においてフィルムの変形が生じ、表面性が悪くなる問題があった。また、本発明者の検討によれば、このフィルムをクロスニコル状態で観察した時にフィルム面内にムラ状に微細な明暗差が確認されることがわかった。これは、幅方向で数mmピッチの微細な位相差ムラが生じていることを意味している。
この様に、位相差フィルム等の光学フィルムの成形に対して有効な溶融製膜法、特に挟み込み成形法はこれまでなかった。
特開2007−0141408号公報 特開2009−166290号公報
上記の様に、厚み精度および光学的歪みの向上のために挟み込み成形方法が提案されているが、従来の挟み込み成形方法ではフィルム表面の荒れや、微細な位相差ムラを逆に生じさせてしまうという問題があった。その為、本発明は、溶融製膜方法において、厚みムラ、表面の荒れ、微細な位相差ムラが共に低減された光学フィルムを製造可能な光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、挟み込み成形した場合に生じる微細な光学的歪みは、挟み込み時にフィルムが微小に変形することで発生していることを見出した。さらに、挟み込み時のフィルム溶融粘度、挟み込み線圧、特に、挟み込み時の接触幅を特定の範囲とすることで、微小な変形を抑え、位相差ムラを抑制できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(i)ダイよりフィルム状に吐出した熱可塑性樹脂の溶融フィルムをタッチロールとキャストロールで挟み込む光学フィルムの製造方法であって、その挟み込み線圧が3kgf/cm以上、30kgf/cm以下、キャストロール温度がTg−40℃以上、Tg℃以下、ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度がせん断速度122sec-1で測定した際に300Pa・s以上、1500Pa・s以下となる条件とし、更にタッチロールとキャストロールの接触幅を0.1mm以上、2.0mm未満とすることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
(ii)ダイ吐出時の溶融フィルムの幅方向温度ムラが5℃以下であって、挟み込み直後のロール上のフィルムの幅方向温度ムラが5℃以下である(i)に記載の光学フィルムの製造方法。
本発明を用いることで、厚みムラ、表面の荒れ、微細な位相差ムラが共に低減された光学フィルムを製造することが可能となる。したがって、高い歩留まり率で光学フィルムを製造することが可能となる。
本発明は、ダイよりフィルム状に吐出した熱可塑性樹脂の溶融フィルムをタッチロールとキャストロールで挟み込む光学フィルムの製造方法であって、その挟み込み線圧が3kgf/cm以上、30kgf/cm以下、キャストロール温度がTg−40℃以上、Tg℃以下、ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度がせん断速度122sec-1で測定した際に300Pa・s以上、1500Pa・s以下となる条件とし、更にタッチロールとキャストロールの接触幅を0.1mm以上、2.0mm未満とすることを特徴とする光学フィルムの製造方法に関するものである。
一般に、溶融押出製膜は、押出機等を使用し、樹脂に対して加熱と混練を行って溶融、可塑化し、スリット状のダイ穴から吐出させることにより溶融フィルムを得て、この溶融フィルムを温調されたロール等に接せさせることによりフィルム形状を保ったまま冷却固化させ、フィルムを得るものである。
本発明では、押出機として、単軸押出機、同方向噛合型2軸押出機、同方向非噛合型2軸押出機、異方向噛合型2軸押出機、異方向非噛合型2軸押出機、多軸押出機等の各種押出機を用いることができる。
押出機に投入する熱可塑性樹脂の原料の形態は、固体状態の樹脂、特に3mm角のペレット形状であることが好ましい。また、このペレット形状の樹脂は、一般に押出機の原料供給口に取り付けられたホッパーを介して押出機内に供給される。
押出機に投入される樹脂は、加工時に加水分解や酸化劣化を生じさせないために、事前に加熱乾燥し水分を除去した状態とすることが好ましい。樹脂中の水分量としては200ppm以下が好ましい。
単軸押出機で使用するスクリュとしては、圧縮比2〜3程度の一般的なフルフライト構成のものを用いることができるが、必要に応じ、未溶融物が残存しないように特殊な混練機構(ミキシングエレメント)を持たせてもよい。混練機構として、バリアフライト、ユニメルト等が挙げられる。
押出機などの溶融手段により得られた溶融樹脂は、次いでギアポンプを用いてダイに供給することが好ましい。ギアポンプを用いることで押出機における吐出量変動を吸収し、供給の定量性が著しく向上し、経時的なフィルム厚みの安定性向上(厚みむらの低減)に効果がある。
ギアポンプより定量的に供給された溶融樹脂、或いは押出機から直接供給された溶融樹脂は、流路(押出ライン)を通りダイに供給され、ダイからフィルム状に吐出される。ギアポンプからダイまでの押出ライン中に、或いはギアポンプを介さない場合は押出機からダイまでの押出ライン中に、或いはギアポンプを介する場合であってもギアポンプの上流側に、異物除去装置を設けることが好ましい。これにより、原料樹脂中に含まれていた異物や押出機で発生した異物を捕集し、フィルム中の異物を低減することが可能となる。
異物除去装置としては、スクリーンメッシュ、プリーツ型フィルター、リーフディスク型フィルター等を用いることができる。このうち、小容積で大濾過面積での濾過が可能という特徴を持つリーフディスク型フィルターが好ましい。この特徴から、濾過能力に対する圧力損失が他の異物除去装置より小さくなるため、濾過精度を細かくすることが可能となる。また、異物によるフィルター目詰りまでの時間も長くなり、生産性の向上の観点からも好ましい。
フィルターの濾材は、例えば金属繊維の焼結不織布のものを用いることができる。フィルター公称濾過精度(規定サイズの異物を95%カットする性能で定義)は、1〜20μmカット、特に3〜10μmカットのものを選択することが好ましい。濾過精度を決定した後、生産量と溶融粘度を鑑みて、フィルターエレメントの枚数およびサイズ(外径)を決定する。その際に滞留時間を短くするために、耐圧制限に対して可能な範囲でエレメントの枚数を少なく/サイズを小さくすることが好ましい。一方、フィルターにおけるせん断発熱が問題となる場合には、逆に、可能な範囲でエレメントの枚数を増やし圧力を低減することが好ましい。また、フィルター内の各隙間などの流路を滞留部のないように設計することが好ましい。
本発明では、ダイとして、各種構造のものを使用することができるが、Tダイ、例えば一般的なコートハンガーダイを用いることが好ましい。さらに、ボルト等の押し込みによりダイリップの幅方向任意部分の隙間を調節できるものが好ましい。また、フィルムの幅方向厚み分布をインラインで測定し、所望の厚み分布との偏差のある位置に対応するリップ隙間を自動で調整可能な、例えば熱作動式ボルトを用いて厚みプロファイルの調整をすることが好ましい。
また、本発明においては、ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度はせん断速度122sec-1で測定した際に300Pa・s以上、1500Pa・s以下となる条件とすることが必要である(ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度の調整は、使用樹脂が決定している場合は、ダイ吐出時の温度条件の変更が利用でき、また、使用する樹脂の構造や分子量を変更することによっても調整することができる。)。ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度をこの範囲とすることで、挟み込み時におけるフィルムの微小な変形を抑えることができる。300Pa・s未満であると、挟み込み時に溶融樹脂が容易に変形し微細な振動からフィルムの表面性が荒れてしまうため好ましくない。また、ロールの表面荒れや傷があった場合に、それがフィルムに転写されやすくなってしまい、結果、光学的な歪みが生じる原因となる。一方、1500Pa・sより大きいとフィルム幅方向で押圧されない部分が生じ易くなる。この結果、押圧部分と未押圧部分の表面性の違いが欠陥として検出されてしまうため好ましくない。
また、本発明では、ダイからフィルム状に吐出された溶融フィルムを、タッチロールとキャストロールで挟み込みを行いながら、引き取り、更に別途配置したロール(以下、冷却ロール)へ接せさせて冷却固化してフィルムを製造する。この場合、フィルムのロール着地位置が安定し厚み品質が向上することに加え、フィルム幅方向の冷却も均一化され、冷却固化時の配向状態も均一となる。
特に、配向状態を均一とするためには、Tダイの流路設計を最適化することや幅方向のTダイ温調設定値を変えることでダイ吐出時の溶融樹脂フィルムの温度ムラを5℃以下とすることが好ましく、さらにタッチロールで挟み込み成形を施すことによりロール上のフィルム温度ムラも5℃以下とすることが好ましい。
タッチロールの押付機構は、位置センサーによりキャストロールとタッチロールの隙間を検出し、その隙間を一定に制御する機構、および/または、圧力センサーによりタッチロールがフィルムを押し付ける荷重を検出し、その荷重を一定に制御する機構を有していることが好ましい。このうち、フィルムの配向状態均一化、温度ムラの低減のためには、荷重を一定に制御することが好ましい。
この時、荷重に関し、フィルムが受ける応力を表現するために、押付荷重(kgf)をフィルム幅(cm)で除した値である線圧(kgf/cm)に換算して考えるとよい。本発明では、この線圧を3kgf/cm以上、30kgf/cm以下の範囲で設定することが必要である。線圧が3kgf/cmよりも低いとフィルム幅方向で押圧されない部分が生じ易くなる。この結果、押圧部分と未押圧部分の表面性の違いが欠陥(例えば、表面の荒れ)として検出されてしまうため好ましくない。また、線圧が30kgf/cmよりも高いと幅方向で配向ムラ(例えば、微細な位相差ムラ)が生じやすくなり、光学フィルム、特に位相差フィルムとしての品質が悪くなるために好ましくない。
更に本発明では、線圧に関連する値として、同時にタッチロールとキャストロールの接触幅を0.1mm以上、2.0mm未満とする必要がある。また、この範囲は0.5mm以上、2mm未満とすることが更に好ましい。尚、実際の成形中の接触幅を知ることは困難である為、成形開始前に成形フィルムと同幅、同厚みの感圧紙により線圧と挟み込み幅との関係を調べ、これを元に設定することが好ましい。挟み込み幅が0.1mmよりも小さいと、幅方向で挟み込みを均一に行うことが困難であり冷却ムラが生じてしまう。また一方で、挟み込み幅が2mm以上であると、ロール周方向での押付ムラが生じフィルム表面性(表面の荒れ)が悪くなる。
また、フィルム全幅を均一に押圧するため、タッチロールにはその用途で設計されたロールを用いることが好ましい。例えば、ゴムやシリコン等の比較的柔らかい材質のロールや、ロールの幅方向中央から両端部にかけてロール径が小さくなる構造のロール(クラウンロール)や、金属等の薄膜スリーブ(例えば、外側に配置)とゴム等の弾性ロール(例えば、内側に配置)の二重構造の弾性ロールを用いることができる。このうち、ロール表面粗さを細かくするために表面に金属メッキが可能なロールの幅方向中央から両端部にかけてロール径が小さくなる構造のロールか、金属薄膜スリーブと弾性ロールの二重構造のロールのどちらかを用いることが好ましい。ロール表面はHCrやNiメッキを施し、表面粗さ0.2s以下とし、表面の傷や汚れのないように管理することが好ましい。
さらに、本発明で規定する線圧と挟み込み幅の関係を満足するよう、ロールの構造を最適に設計することが好ましい。具体的には、ロールの幅方向中央から両端部にかけてロール径が小さくなる構造のロールの場合はロールの縮径度を最適に設定することで挟み込み幅と挟み込み線圧の関係を上記範囲にすることが可能である。また、金属薄膜スリーブと弾性ロールの二重構造のロールの場合は金属薄膜スリーブ厚みや弾性ロール硬さ、内部熱媒循環圧力を最適に設定することで、挟み込み幅と挟み込み線圧の関係を上記範囲にすることが可能である。
キャストロールの温度は、特に本発明では、熱可塑性樹脂のTg―40℃以上、Tg以下とすることが必要である。キャストロール温度がTg−40℃未満ではフィルム幅方向で押圧されない部分が生じ易くなる。この結果、押圧部分と未押圧部分の表面性の違いが欠陥として検出されてしまうため好ましくない。Tg以上ではロールの表面荒れや傷があった場合に、それがフィルムに転写されやすくなってしまい、結果、光学的な歪みが生じる原因になるため好ましくない。
一方、冷却ロールはガラス転移温度±30℃とすることが好ましい。また、タッチロールはキャストロールに対し±10℃で設定することが好ましい。
また、フィルムの引き取りは各種方法で行うことが可能であり、例えば冷却ロール以降に設置されたニップロールにより引き取り、その後、巻き取りコアに巻きつける方法で行うことができる。この時、フィルム両端部はTダイから樹脂が吐出する際に生じるネックインの影響で厚みが厚くなってしまうため、製品品質を全幅で一定とするためカッター等でトリミングしてもよい。
この様にして得られたフィルムは、厚み精度、表面性、光学特性に優れる高品位なフィルムである。これを延伸機により延伸することで、位相差フィルムなどの光学フィルムとして取得することができる。
一方、本発明では熱可塑性樹脂として、各種樹脂を使用することができるが、例えばノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、それぞれの変性物や混合物にも使用することができる。
本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で測定した各物性の測定方法は次の通りである。
(1)位相差ムラの評価(クロスニコル状態における明暗差の確認)
バックライト、偏光板、評価フィルム、偏光板の順に配置し、偏光板を互いに90°傾けた状態(クロスニコル状態)で目視にて明暗差の有無を確認し、明暗差が確認されたものを位相差ムラ有りと判断した。
(2)厚みムラの評価
フィルムを長さ方向(MD方向)に5cm分、全幅で切り出し、フィルム全幅のうち両端10%を除き、接触式厚さ計にて1mm間隔で厚みを測定した。
(3)表面の荒れの評価
得られたフィルムの幅方向フィルム中央80%の範囲について、目視にて表面の荒れの有無を確認した。
(4)ゲル状欠点の評価
先ず、フィルム上の欠点を目視にて検出した。検出した欠点は、デジタルマイクロスコープで500倍まで拡大し、その際に金属等の核が見られず、更にクロスニコル状態(二枚の偏光板の間にフィルムを配置)とした際に周囲と色見の変化がないものをゲル状欠点としてカウントした。
(実施例1)
熱可塑性樹脂としてポリカーボネート系樹脂(三菱ガス化学製ユーピロンH−4000,粘度平均分子量15000,ガラス転移温度148℃)を用い、乾燥機にて100℃で4時間乾燥させ、吸湿しないように50℃にしたホッパー型乾燥機に輸送し、φ65mm単軸押出機に供給した。押出機出口で樹脂温度が240℃、吐出量が時間当たり90kgとなるよう加熱溶融し、ギアポンプを介し、10μmカットのリーフディスクフィルター、Tダイへと溶融樹脂を押し出した。また、この時のTダイ出口における吐出直後の樹脂温度は240℃であり、この温度での当該ポリカーボネート系樹脂のせん断速度122sec-1における溶融粘度は1000Pa・secであった。
Tダイより吐出された溶融フィルムは、120℃に温調したキャストロールと120℃に温調したタッチロール(クラウンロール形状)で、成形前に確認した挟み込み線圧5kgf/cm、接触幅0.9mmの条件にて押圧し、115℃に温調した冷却ロールにて冷却固化し、引き取りロールにて15m/分で引き取り、巻き取りコアにフィルム厚み70μmのフィルム原反を得た。この時、Tダイ出口における幅方向の樹脂温度ムラは1℃であり、キャストロール上の挟み込み直後のフィルム樹脂温度ムラは1℃であった。
得られたフィルム原反を延伸機により、縦方向に延伸し、最終的に延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムは、クロスニコル状態における明暗差が無く、位相差ムラは確認されなかった。また、顕著な厚みムラ、表面の荒れも確認されなかった。尚、フィルム上にゲル状欠点は観察されなかった。
(実施例2)
Tダイ出口における吐出直後の樹脂温度を270℃とし(この温度での当該ポリカーボネート系樹脂のせん断速度122sec-1における溶融粘度は600Pa・secであった。)、更に挟み込み線圧kgf/cm、接触幅0.8mmの条件にて押圧した以外は、実施例1と同様にして原反フィルム、延伸フィルムを作成した。尚、Tダイ出口における幅方向の樹脂温度ムラは2℃であり、キャストロール上の挟み込み直後のフィルム樹脂温度ムラは1℃であった。
得られた延伸フィルムは、クロスニコル状態における明暗差が無く、位相差ムラは確認されなかった。また、顕著な厚みムラ、表面の荒れも確認されなかった。尚、フィルム上にゲル状欠点は観察されなかった。
(比較例1)
Tダイ出口における吐出直後の樹脂温度を300℃とした(この温度での当該ポリカーボネート系樹脂のせん断速度122sec-1における溶融粘度は150Pa・secであった。)以外は、実施例1と同様にして原反フィルム、延伸フィルムを作成した。
得られた延伸フィルムは、クロスニコル状態における明暗差がきつく、位相差ムラが確認された。また、顕著な厚みムラ、表面の荒れが確認された。尚、フィルム上にゲル状欠点が10個/m2の割合で観察された。
(比較例2)
挟み込み線圧を15kgf/cm、接触幅を2.2mmとした以外は、実施例1と同様にして原反フィルム、延伸フィルムを作成した。
得られた延伸フィルムは、クロスニコル状態における明暗差がきつく、位相差ムラが確認された。また、顕著な厚みムラは確認されなかったが、表面の荒れが確認された。
(比較例3)
キャストロール温度を150℃、タッチロール温度を150℃、冷却ロール温度を140℃とした以外は、実施例1と同様にして原反フィルム、延伸フィルムを作成した。
得られた延伸フィルムは、クロスニコル状態における明暗差がきつく、位相差ムラが確認された。また、顕著な厚みムラは確認されなかったが、表面の荒れが確認された。
(比較例4)
タッチロールを用いない以外は、実施例1と同様にして原反フィルム、延伸フィルムを作成した。尚、Tダイ出口における幅方向温度ムラは1℃であり、キャストロール上の挟み込み直後のフィルム樹脂温度ムラは3℃であった。
得られたポリカーボネート延伸フィルムはクロスニコル状態における明暗差が無く、位相差ムラは確認されなかった。また、顕著な厚みムラが確認されが、表面の荒れは確認されなかった。尚、フィルム上に異物/欠陥は観察されなかった。
Figure 0006128819

Claims (3)

  1. ダイよりフィルム状に吐出した熱可塑性樹脂の溶融フィルムをタッチロールとキャストロールで挟み込む光学フィルムの製造方法であって、その挟み込み線圧が3kgf/cm以上、30kgf/cm以下、キャストロール温度がTg−40℃以上、Tg℃以下、ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度がせん断速度122sec−1で測定した際に300Pa・s以上、1500Pa・s以下となる条件とし、更にタッチロールとキャストロールの接触幅を0.1mm以上、2.0mm未満とし、前記タッチロールはクラウンロールであることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. ダイよりフィルム状に吐出した熱可塑性樹脂の溶融フィルムをタッチロールとキャストロールで挟み込む光学フィルムの製造方法であって、その挟み込み線圧が3kgf/cm以上、5kgf/cm以下、キャストロール温度がTg−40℃以上、Tg℃以下、ダイ吐出時の樹脂の溶融粘度がせん断速度122sec−1で測定した際に300Pa・s以上、1500Pa・s以下となる条件とし、更にタッチロールとキャストロールの接触幅を0.1mm以上、2.0mm未満とし、前記タッチロールはクラウンロールであることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  3. ダイ吐出時の溶融フィルムの幅方向温度ムラが5℃以下であって、挟み込み直後のロール上のフィルムの幅方向温度ムラが5℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
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