JP2004099875A - 超低フィッシュアイ・ポリエチレンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産から超低フィッシュアイ・ポリエチレンの生産に移行する際に、熱交換器の加熱クリーニング、洗浄運転ならびにろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックの装着を行った上、一定量の洗浄用ポリエチレンの製造を行い、超低フィッシュアイ・ポリエチレンの生産を行う。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧ラジカル重合法によるポリエチレンの製造方法に関し、さらに詳細には、フィッシュアイ数が極めて少ないことを要求されるポリエチレン(マスキングフィルム等)(以下、「フィッシュアイに関する高品質品」または「超低フィッシュアイ・ポリエチレン」ともいう。)を、汎用フィルム用又は成型用等の他のポリエチレン(以下、「フィッシュアイに関する汎用品質品」ともいう。)との併産設備で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィッシュアイとは、ゲルもしくは異物を核として凝集した粗大ポリマー粒子であり、ポリマーを成膜したときにフィルム中に異物として残る。通常のポリエチレンの製造において、種々の原因からフィッシュアイの生成は避けられないが、汎用フィルムでは、マスキングフィルムや印画紙ラミネートフィルム等一部の許容フィッシュアイ数に厳しいフィルムほどには、フィッシュアイ数の低減が要求されない。
【0003】
マスキングフィルム(プロテクトフィルム)と呼ばれるフィルムは、各種工業生産品あるいはその部品をその次の段階での使用までの間、その表面を保護するために用いられるポリエチレン等のプラスチックフィルムであり、そのフィッシュアイ数が、汎用フィルムに比べて極めて少ないことが要求される。その理由は、フィッシュアイがあると被覆対象物の表面に傷つきや凹みをつくってしまうからである。フォトレジスト向けマスキングフィルムなど、フィッシュアイが致命的な問題を引き起こす用途も少なくない。マスキングフィルムにおけるフィッシュアイの許容限界は、60μm厚のインフレーションフィルムにおいて、直径0.3mm以上のフィッシュアイが0.2個/m2以下、望ましくは0.15個/m2以下とされる。ラミネートフィルムにおけるフィッシュアイの許容限界は、30μm厚のインフレーションフィルムにおいて、直径0.2mm以上のフィッシュアイが1.0個/m2以下、望ましくは0.5個/m2以下とされる。
【0004】
本来、マスキングフィルム用の超低フィッシュアイ・ポリエチレンは、ゲルや異物等の管理に特別の注意をはらった専用設備で生産されるべきである。しかし、マスキングフィルムの需要拡大により専用設備のみの生産では追いつかなくなる場合や、設備上の問題から、汎用フィルム用又は成型用等のポリエチレンを製造している設備での併産が必要となることがある。ところが、マスキングフィルムに許容されるフィッシュアイの存在量は非常に少なく、汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品を製造している設備でこれを製造することは極めて困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品を製造する高圧ラジカル重合法ポリエチレン製造設備で、それらフィッシュアイに関する汎用品質品の生産とともに、フィッシュアイに関する高品質品すなわち超低フィッシュアイのポリエチレンを生産する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フィッシュアイ発生の最大の原因が、反応器の後の熱交換器における付着物にあることに着目し、これを十分に取り除くこと、さらには、微小な夾雑粒子を濾過することにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
(A):製造方法に用いる製造設備が、重合反応器、熱交換器、高圧分離器、低圧分離器及び押出機を順次含むこと;
(B):押出機の出口にろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックを有すること;
(C):製造されたポリエチレンを用いたフィルムのフィッシュアイに関し、高品質品と汎用品質品が該製造設備でともに製造されること;
(D):フィッシュアイに関する高品質品を製造するに際し、熱交換器の洗浄を行い、次いで、MFRが上記高品質品のMFR±2.0の範囲にあるポリエチレンの重合操作を行い、その後に、高品質品の製造を開始すること;
の特徴を有する高圧ラジカル重合法によるポリエチレンの製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、高圧ラジカル重合法におけるポリエチレンの製造方法であり、一般的には、耐圧重合反応器中、酸素または有機過酸化物を重合開始剤として、1000〜2500気圧の圧力下、150〜250℃でエチレンモノマーを連続的に重合することによりポリエチレンを製造する。
【0009】
製造設備は、重合反応器、熱交換器、高圧分離器、低圧分離器及び押出機よりなる。本発明の製造設備の一実施形態である図1に基づいて説明すると、上記のような条件で重合された反応混合物は、重合反応器2を出て熱交換器3で冷却され、高圧分離器4で残存する未反応モノマーの大部分を分離して反応仕込み系へ戻し、低圧分離器5によってなお残る未反応モノマーを分離、除去して反応仕込み系へ戻す。低圧分離器5を出た溶融ポリエチレン6は、短軸造粒押出機7に入り、フィルター8でフィッシュアイ等の異物を濾過して、チャンバー9へ押し出され、アンダーウォーターカッティング法によりペレット化される。脱水機10で脱水されて製品ペレット11が得られる。
【0010】
本発明は、汎用フィルム用又は成型用等のポリエチレンを製造する高圧ラジカル重合法ポリエチレン製造設備で、汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産とともに、超低フィッシュアイ・ポリエチレンを生産するための方法を提供しようとするものであり、そのためには、製造設備および製造方法について以下の条件を満足させる必要がある。
【0011】
まず、汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産から超低フィッシュアイ・ポリエチレンの生産に移行する前に次の二つの操作を行うことを要する。
(1)熱交換器の加熱クリーニングを行うこと;(2)MFRが超低フィッシュアイ・ポリエチレンのMFRの±2.0の範囲にあるポリエチレンの重合操作を行うこと;
である。
【0012】
反応器出口の熱交換器の加熱クリーニングは次の要領で実施する。当該熱交換器は、通常、二重管型熱交換器であり、ジャケット部がいくつかのゾーンに分割され、それぞれを個々に冷却・加熱できる構造となっている。上流側ゾーンのジャケット部をスチームにて加熱、残りのゾーンについては水冷若しくは放冷状態とし、熱交換器の出口温度が所定温度となるように調整して、この状態を数時間維持する。次に、下流側ゾーンを加熱、上流側ゾーンを水冷若しくは放冷と逆の状態で同様に維持する。この様な操作を、順次繰り返すことによって、熱交換器内壁に付着していた架橋ポリマー等を剥離しようというものである。
【0013】
次に、この剥離架橋ポリマー等、設備内のフィッシュアイの素となる異物を洗浄するために、MFRが超低フィッシュアイ・ポリエチレンのMFRの±2.0の範囲にあるポリエチレンを一定量生産する。この洗浄運転をするうちに、系内の異物、フィッシュアイの数は減少して行く。しかしながら、熱交換器の加熱クリーニング、洗浄運転のみでは、目的とする超低フィッシュアイ・ポリエチレンのフィッシュアイ数に容易には到達しない。
【0014】
超低フィッシュアイ・ポリエチレンで要求されるフィッシュアイ数とは、60μm厚のインフレーションフィルムにおいて直径0.3mm以上のフィッシュアイが0.2個/m2以下であり、好ましくは0.15個/m2以下である。なお、フィッシュアイとは、ポリエチレンをインフレーション加工機にて60μm厚のフィルムに製膜後、1m2当りに存在する、ゲル若しくは繊維等の異物を核として凝集した、直径0.3mm以上の異物である。
【0015】
かかる超低フィッシュアイ数レベルを達成するには、上記の設備内洗浄操作のほかに、避けがたいフィッシュアイを捕捉するために、最終的なろ過設備の改善も必要である。
【0016】
すなわち、短軸造粒押出機7内の出口付近に、ろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックを取り付ける。ここで、ろ過精度とは「そのろ過材により95%以上が捕捉可能な最小グラスビーズ径」として定義されるため、数値が低い程、その精度が高いことを示している。また、スクリーンパックとは、複数のフィルターを重ね合わせた構成フィルターの呼称として使用する。
ろ過精度53μm以下のフィルターとして好適なものとして、ろ過精度53μm、43μmの金属繊維焼結フィルターが挙げられる(例えば、日本精線社製NF−12T、NF−10T)。このフィルターは、金網などの平面に1種類の孔を有するものではなく、押し付けられた金属繊維が絡み合って最大孔径が53μm、43μmである各種孔径の孔を有する立体構造のフィルターである。
上記の超低フィッシュアイ数レベルを達成するには、上記フィッシュアイの大きさ(直径0.3mm以上)に遥か至らない53μm以下の架橋ゲルポリマー等を捕捉することを要し、そのためのフィルターとしては、上記の立体構造フィルターが有利であるが、1000メッシュ程度であれば、平面状の金網フィルターも同様に使用できる。
なお、本発明で使用するスクリーンパックは、ろ過精度53μm以下のフィルターの微小粒子捕捉性を有効に利用することと合わせて、補強材として前後により大きなメッシュを有する複数枚の金網フィルターを組み合わせた構成とすることが好ましい。
【0017】
上記した「熱交換器の加熱クリーニング」、「洗浄運転」、ならびに「ろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックの装着」を行ってはじめて、目的とする超低フィッシュアイ・ポリエチレンの要求フィッシュアイ数に到達することができる。
【0018】
汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産から超低フィッシュアイ・ポリエチレンの生産に移行する際の、上記「熱交換器の加熱クリーニング」、「洗浄運転」ならびに「ろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックの装着」の操作順序は特に限定されるものではないが、汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の製造中に「熱交換器の加熱クリーニング」を行い、途中で一時運転を停止もしくは運転中にスクリーンチェンジャーを使用することで「フィルターの装着」を行って「洗浄運転」を開始するという操作手順が、最も効率的といえる。洗浄運転によるポリエチレンのフィッシュアイ数が、超低フィッシュアイ・ポリエチレンの要求フィッシュアイ数に到達した時点から本運転とすることができる。なお、「ろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパック」は、超低フィッシュアイ・ポリエチレンの生産時のみならず汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産の際にもずっと取り付けておいてもよいが、スクリーンパックの取替え、洗浄の頻度が上がり、設備の運転効率の面からは得策ではない。
【0019】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、もとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、表1に、ここで押出機出口のろ過材として使用した5種類のスクリーンパック(a)〜(e)のフィルター構成を示した。
【0020】
【表1】
【0021】
実施例1、2
重合反応器を二基有する高圧ラジカル重合法ポリエチレン製造プロセスにて、MFRが4〜7程度の汎用フィルムのポリエチレンを製造中に、反応器出口の熱交換器ジャケット部の加熱クリーニングを実施した。当該熱交換器は二重管型熱交換器で、ジャケット部が5つのゾーンに分割され、それぞれを個々に冷却・加熱できる構造である。
【0022】
5つのゾーンの内、上流側3〜4ゾーンのジャケット部をスチームにて加熱、残りの1〜2ゾーンについては水冷若しくは放冷状態とし、熱交換器の出口温度が210〜240℃となるように調整して、この状態を約8時間継続した。その後、今度は、下流側3〜4ゾーンを加熱、上流側1〜2ゾーンを水冷若しくは放冷とし、同様の温度調整でさらに約8時間維持した。このような操作を、上流→下流→上流→・・・と順次繰り返して行き、最終的に合計56時間、クリーニング処理を実施した。
【0023】
その後、一旦反応を停止し、押出機出口のろ過材を表1におけるすべて金網フィルターから構成されるスクリーンパック(a)からろ過精度53μmのフィルター(日本精線社製金属繊維焼結フィルターNF−12T)を含むスクリーンパック(c)へ交換後、洗浄用ポリエチレンとして、MFRが2のポリエチレンを約100トン生産した。洗浄用ポリエチレン製造開始直後は、フィッシュアイが0.3個/m2以上であり、目的とする超低フィッシュアイ・ポリエチレンの要求フィッシュアイ数よりも多かったが、徐々に減少して0.1〜0.2個/m2のレベルまで下がった。この時点から、目的とした超低フィッシュアイ・ポリエチレンの製造を開始し、約350トン生産した。同様の操作を2回繰り返した(実施例1、実施例2)結果、超低フィッシュアイ・ポリエチレンのフィッシュアイ数はすべて0.14個/m2以下であり、全く問題なかった。実施例1及び実施例2における洗浄用ポリエチレン製造開始からのフィッシュアイ数の推移を表2に示す。又、フィッシュアイは60μmのインフレーションフィルムへ製膜後、レーザー式フィッシュアイカウンターを用いて、直径0.3mm以上のフィッシュアイを、1.0mm以上、0.6mm以上〜1.0mm未満、0.3mm以上〜0.6mm未満の3段階に区分して測定した。
【0024】
【表2】
【0025】
比較例1
反応器出口の熱交換機の加熱クリーニングを実施しないこと、洗浄用ポリエチレンの製造を行わないこと、及び押出機出口のろ過材としてスクリーンパック(b)を用いることの3点を除いては、実施例と全く同等の方法によりポリエチレンの製造を行った。その結果、ポリエチレン製造開始から約50トンの段階でフィッシュアイ数が0.8個/m2以上であり、ここをピークとして少しずつ減衰している。しかし、100トン製造の段階でもフィッシュアイ数は0.3〜0.5個/m2であり、超低フィッシュアイ・ポリエチレンの要求フィッシュアイ数には遥か到達していない。製造開始からのフィッシュアイ数の推移について表3に示す。
【0026】
比較例2
反応器出口の熱交換器の加熱クリーニングを実施したことを除き、比較例1と全く同じ方法でポリエチレンの製造を行った。熱交換器の加熱クリーニングの手順については実施例1と全く同じ方法であり、合計約22時間実施した。その結果、比較例1に比べてかなりフィッシュアイ数に改善効果は見られたものの、製造開始から約50トン目で依然としてフィッシュアイ数は0.5個/m2以上であり、それ以降も超低フィッシュアイ・ポリエチレンの要求フィッシュアイ数に対しては、高目であった。製造開始からのフィッシュアイ数の推移について表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
実施例3
重合反応器を二基有する高圧ラジカル重合法ポリエチレン製造プロセスにて、洗浄用ポリエチレンとしてMFRが3.75のポリエチレンを約100トン生産した。その後、運転中に押出機出口のろ過材を表1におけるスクリーンパック(a)から、ろ過精度53μmのフィルター(日本精線社製金属繊維焼結フィルターNF−12T)を含むスクリーンパック(c)へ交換後、目的とする超低フィッシュアイ・ポリエチレンを約200トン生産した。更に、ろ過精度38μmのフィルター(1000メッシュ金網フィルター)を含むスクリーンパック(d)へ交換し、約100トン超低フィッシュアイ・ポリエチレンを生産した。その結果、超低フィッシュアイ・ポリエチレンのフィッシュアイ数はすべて1.0個/m2以下であり、全く問題なかった。超低フィッシュアイ・ポリエチレン生産中のフィッシュアイ数推移を表4に示す。また、フィッシュアイは30μmのインフレーションフィルムへ製膜後、レーザー式フィッシュアイカウンターを用いて、直径0.2mm以上のフィッシュアイを、1.0mm以上、0.5mm以上〜1.0mm未満、0.2mm以上〜0.5mm未満の3段階に区分して測定した。
【0029】
実施例4
重合反応器を二基有する高圧ラジカル重合法ポリエチレン製造プロセスにて、洗浄用ポリエチレンとしてMFRが7のポリエチレンを約50トン生産した。その後、運転中に押出機出口のろ過材を表1におけるスクリーンパック(a)から、ろ過精度53μmのフィルター(日本精線社製金属繊維焼結フィルターNF−12T)を含むスクリーンパック(c)へ交換後、目的とする超低フィッシュアイ・ポリエチレンを約380トン生産した。更に、ろ過精度43μmのフィルター(日本精線社製金属繊維焼結フィルターNF−10T)を含むスクリーンパック(e)へ交換し、約20トン超低フィッシュアイ・ポリエチレンを生産した。その結果、超低フィッシュアイ・ポリエチレンのフィッシュアイ数はすべて1.0個/m2以下であり、全く問題なかった。超低フィッシュアイ・ポリエチレン生産中のフィッシュアイ数推移を表5に示す。また、フィッシュアイの測定については実施例3と同様の方法で行った。
【0030】
比較例3
洗浄用ポリエチレンの製造を行わないこと、及び押出機出口のろ過材としてスクリーンパック(a)を用いることの2点を除いては、実施例3、4と全く同様の方法によりポリエチレンの製造を行った。その結果、ポリエチレン製造開始から250トン経過しても、フィッシュアイ数が1.0個/m2以上であり、超低フィッシュアイ・ポリエチレンが要求するマスキングフィルム、印画紙ラミネートフィルム等の用途に適合するフィッシュアイ数には遥かに及ばなかった。製造開始からのフィッシュアイ数の推移について表6に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【発明の効果】
汎用フィルム用又は成形用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産から超低フィッシュアイ樹脂の生産に移行する際に、熱交換器の加熱クリーニング、洗浄運転ならびにろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックの装着により、汎用フィルム用又は成型用等のポリエチレン樹脂を製造する高圧ラジカル重合法ポリエチレン製造設備で、汎用フィルム用又は成型用等のフィッシュアイに関する汎用品質品の生産とともに、超低フィッシュアイ・ポリエチレン(マスキングフィルム)を生産することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造設備の一実施形態の概要を示す概念図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 反応器
3 熱交換器
4 高圧分離器
5 低圧分離器
6 溶融ポリエチレン
7 単軸造粒押出機
8 フィルター
9 チャンバー
10 脱水機
11 ペレット
Claims (1)
- 下記(A)〜(D)の特徴を有する高圧ラジカル重合法によるポリエチレンの製造方法。
(A):製造方法に用いる製造設備が、重合反応器、熱交換器、高圧分離器、低圧分離器及び押出機を順次含むこと。
(B):押出機の出口にろ過精度53μm以下のフィルターを少なくとも一枚以上含むスクリーンパックを有すること。
(C):製造されたポリエチレンを用いたフィルムのフィッシュアイに関し、高品質品と汎用品質品が該製造設備でともに製造されること。
(D):フィッシュアイに関する高品質品を製造するに際し、熱交換器の洗浄を行い、次いで、MFRが前記高品質品のMFRの±2.0の範囲にあるポリエチレンの重合操作を行い、その後に、前記高品質品の製造を開始すること。
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