JPH09316044A - 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法 - Google Patents
光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法Info
- Publication number
- JPH09316044A JPH09316044A JP13003396A JP13003396A JPH09316044A JP H09316044 A JPH09316044 A JP H09316044A JP 13003396 A JP13003396 A JP 13003396A JP 13003396 A JP13003396 A JP 13003396A JP H09316044 A JPH09316044 A JP H09316044A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- genus
- chlorolactonitrile
- optically active
- pseudomonas
- ester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
その酢酸エステル。エステル加水分解酵素の存在下、ラ
セミ体3−クロロラクトニトリル酢酸エステルを不斉加
水分解することを特徴とする、前記光学活性3−クロロ
ラクトニトリル又はその酢酸エステルの製造方法。有機
溶媒中、エステル加水分解酵素の存在下、ラセミ体3−
クロロラクトニトリルをアシル化剤で不斉エステル化す
ることを特徴とする、光学活性3−クロロラクトニトリ
ル又はその酢酸エステルの製造方法。 【効果】 医薬、農薬、液晶等の原料、中間体等として
有用な光学活性体を効率的に製造することができる。
Description
ラクトニトリル及び光学活性3−クロロラクトニトリル
酢酸エステル、並びにこれらの光学活性体を生物化学的
な不斉加水分解又は不斉合成反応により製造する方法に
関する。本発明で得られる光学活性3−クロロラクトニ
トリル及び光学活性3−クロロラクトニトリル酢酸エス
テルは医薬、農薬、液晶等の原料、中間体等として有用
な化合物である。
びその酢酸エステルは、クロロアセトアルデヒド、青酸
及び酢酸を原料として合成されることが報告されている
が(Journal of Organic Chemistry, 28, 1182(1963))、
Journal of Organic Chemistry, 29, 1800(1964)等) 、
それらの光学活性体及びその製造法に関しては知られて
いない。
課題は、光学活性3−クロロラクトニトリル及びその酢
酸エステル、並びにそれらの効率的な製造方法を提供す
ることにある。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酵素反応によりラセ
ミ体3−クロロラクトニトリル酢酸エステルを不斉加水
分解するか、或いはラセミ体3−クロロラクトニトリル
を酢酸ビニルなどのアシル化剤で不斉エステル化するこ
とにより、光学活性3−クロロラクトニトリル及びその
酢酸エステルが容易に、しかも、高い光学純度で合成さ
れることを見い出して本発明を完成した。本発明は、下
記式(1) :
リルである。また、本発明は、下記式(3) :
リル酢酸エステルである。更に、本発明は、エステル加
水分解酵素の存在下、ラセミ体3−クロロラクトニトリ
ル酢酸エステルを不斉加水分解することを特徴とする、
上記光学活性3−クロロラクトニトリル又は光学活性3
−クロロラクトニトリル酢酸エステルの製造方法であ
る。
水分解酵素の存在下、ラセミ体3−クロロラクトニトリ
ルをアシル化剤で不斉エステル化することを特徴とす
る、上記光学活性3−クロロラクトニトリル又は光学活
性3−クロロラクトニトリル酢酸エステルの製造方法で
ある。以下、本発明を詳細に説明する。
使用する原料は、ラセミ体3−クロロラクトニトリル又
はラセミ体3−クロロラクトニトリル酢酸エステルであ
る。これらの化合物は公知の方法により合成することが
できる。すなわち、ラセミ体3−クロロラクトニトリル
は、例えば、2−クロロアセトアルデヒドの重亜硫酸塩
水溶液に、アンモニウム塩存在下、冷却しながらシアン
化カリウム水溶液を滴下して反応させることによって合
成することができる。得られた反応混合物から、常法、
例えば、エーテルにて抽出後減圧蒸留することによりラ
セミ体3−クロロラクトニトリルを分離することができ
る。
酢酸エステルは、例えば、前記ラセミ体3−クロロラク
トニトリルをピリジン溶媒中でアセチルクロライドでエ
ステル化することにより容易に合成することができる。
本発明に用いられる酵素は、ラセミ体3−クロロラクト
ニトリル酢酸エステルを加水分解して光学活性3−クロ
ロラクトニトリル及びその対掌体エステルを製造する能
力を有するエステル加水分解酵素であれば酵素の種類、
その製造源を問わない。また、このような酵素は、溶
媒、温度等の反応条件を適宜選択することにより、不斉
加水分解反応又は不斉エステル化反応のいずれの反応に
も使用することができる。
ス(Pseudomonas) 属、アスペルギルス(Aspergirus)属、
アシネトバクター(Acinetobacter) 属、エシェリキア(E
scherichia) 属、クロモバクテリウム(Chromobacteriu
m) 属、ムコール(Mucor) 属及びキャンディダ(Candida)
属からなる群から選ばれる微生物であって、上記エス
テル加水分解酵素生産能を有する微生物が生産するエス
テル加水分解酵素を使用することができる。シュウドモ
ナス属に属し、エステル加水分解酵素生産能を有する微
生物としては、例えば、シュウドモナス sp.(Pseudomon
as sp.) MR-2068株(FERM-BP-3846)、シュウドモナス s
p. MR-2301株(FERM-BP-4870)、シュウドモナス フルオ
レッセンス(Pseudomonas fluorescens) IFO3018 等が挙
げられる。アスペルギルス属に属し、エステル加水分解
酵素生産能を有する微生物としては、例えば、アスペル
ギルス ニガー(Aspergilus niger)、アスペルギルス
オリザエ(Aspergilus oryzae) 等が挙げられる。アシネ
トバクター属に属し、エステル加水分解酵素生産能を有
する微生物としては、例えば、アシネトバクター sp.(A
cinetobacter sp.)MR-2302株(FERM-BP-4871)等が挙げら
れる。クロモバクテリウム属に属し、エステル加水分解
酵素生産能を有する微生物としては、例えば、クロモバ
クテリウム ビスコサム(Chromobacterium viscosum)等
が挙げられる。ムコール属に属し、エステル加水分解酵
素生産能を有する微生物としては、例えば、ムコール
ミエヒー(Mucor Miehei)、ムコール ジャバニカス(Muc
or javanicus) 等が挙げられる。キャンディダ属に属
し、エステル加水分解酵素生産能を有する微生物として
は、例えば、キャンディダ アンターチカ(Candida ant
artica) 、キャンディダ リポリティカ(Candida lipol
ytica)、キャンディダ ルゴーサ(Candida rugosa)等が
挙げられる。エシェリキア属に属し、エステル加水分解
酵素生産能を有する微生物としては、シュウドモナス s
p. MR-2068(FERM-BP-3846)のエステル加水分解酵素をコ
ードする遺伝子により形質転換された、エシェリキア・
コリ(E. coli)MR-2103株(FERM-BP-3835)等が挙げられ
る。これらの中で好ましいのは、シュウドモナス属に属
する微生物、キャンディダ属に属する微生物、及びエシ
ェリキア コリ MR-2013株である。
はリパーゼが例示され、市販されているリパーゼとして
は、リパーゼアマノP(商品名、天野製薬製、シュウド
モナス属由来酵素) 、リパーゼアマノPS(商品名、天
野製薬製、シュウドモナス属由来酵素) 、リパーゼアマ
ノA6(商品名、天野製薬製、アスペルギルス属由来酵
素)、リパーゼアマノAP4(商品名、天野製薬製)、
リパーゼM10(商品名、天野製薬製、ムコール属由来
酵素)、名糖リパーゼOF(商品名、名糖産業製、キャ
ンディダ属由来酵素)、東洋紡トヨチームLIP(商品
名、東洋紡製、シュウドモナス属由来酵素) 、リパーゼ
LP-051-S(商品名、旭化成工業製、クロモバクテリウム
属由来酵素) 、キャンディダリパーゼ(商品名、シグマ
製、キャンディダ属由来酵素)等が挙げられる。
加水分解酵素を反応に供するに際しては、該酵素が活性
を示す限りその使用の態様は特に限定されず、精製され
たエステル加水分解酵素はもちろんのこと、上記エステ
ル加水分解酵素生産能を有する微生物の菌体を含む培養
液をそのまま、又は該培養液から遠心分離などの手段に
よって分離して得られる菌体もしくはその処理物をも用
いることができる。菌体処理物としては、微生物菌体を
凍結乾燥したもの、微生物菌体をアセトン乾燥したも
の、微生物菌体組織を破砕した無細胞抽出物、これらか
ら酵素を抽出した粗酵素液等が挙げられる。また、当該
酵素を固定化したものや、上記微生物を固定化したもの
も用いることができる。精製酵素や微生物の菌体等は、
そのままで、或いは適当な溶媒に懸濁させた懸濁液の状
態で反応に供することができる。
等の水性媒体中で行うが、この水性媒体と有機溶媒との
混合液中で行うこともできる。有機溶媒としては、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、tert−ブチルアル
コール、tert−アミルアルコール等のアルコール類;エ
チルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類等が挙げられる。水性媒体に有機溶
媒を添加すると、基質であるラセミ体3−クロロラクト
ニトリル酢酸エステルの濃度を調製しながら反応を行う
ことができるので、反応速度の調節や高濃度の基質によ
る酵素の失活を防ぐことができる。
量%で行うことができるが、生産性等を考慮すると5〜
20重量%が好ましい。基質である3−クロロラクトニト
リル酢酸エステルは、単独で、あるいはそれが溶解する
有機溶媒、例えば、tert−ブチルアルコール、イソプロ
ピルエーテル等に溶解した状態で反応に供することがで
きる。
ましくは20〜40℃の温度で行われる。また、この反応
は、通常、pH4〜8、好ましくは、pH6〜7.5 で行われ
る。反応液中の酵素量は当該反応に対する接触能力に応
じて適宜調製すればよく、具体的には、0.01〜10重量%
の濃度である。この不斉加水分解反応においては、反応
の進行に伴い、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ
を添加してpHを一定に保持するのが好ましい。これによ
り、反応の進行が促進される場合が多い。
活性3−クロロラクトニトリルが生成する。また、残存
基質は、光学活性3−クロロラクトニトリルの対掌体3
−クロロラクトニトリル酢酸エステルとなる。不斉エス
テル化反応は、有機溶媒中で、上記エステル加水分解酵
素の存在下、基質である3−クロロラクトニトリルと、
酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、無水酢酸等のアシル
化剤とを反応させることにより行われる。
は、例えば、tert−ブチルアルコール、tert−アミルア
ルコール、イソプロピルエーテル等が挙げられ、これら
の有機溶媒は予め脱水しておくのが好ましい。不斉エス
テル化反応は、通常、10〜60℃、好ましくは20〜40℃の
温度で行われる。
学活性3−クロロラクトニトリル酢酸エステルが生成す
る。また、残存基質は、光学活性3−クロロラクトニト
リル酢酸エステルの対掌体3−クロロラクトニトリルと
なる。不斉加水分解反応又は不斉エステル化反応は、い
ずれも、溶液状又は懸濁状で振盪等により攪拌しながら
行われる。尚、基質濃度、反応温度、酵素濃度等の反応
条件は、条件の相違による反応収率、光学収率、立体選
択性の厳密さなどを考慮して、目的とする光学活性体が
最も多く採取できる条件を選択する。通常、反応が1時
間〜1週間、好ましくは1〜72時間で終了する反応条件
を選択することが好ましい。また、必要に応じてpHを調
整しながら反応を行うことも可能である。
び不斉エステル化反応のいずれによっても、反応終了後
の反応混合物中には光学活性3−クロロラクトニトリル
及びその対掌体3−クロロラクトニトリル酢酸エステル
が生成する。生成した光学活性3−クロロラクトニトリ
ル及びその対掌体3−クロロラクトニトリル酢酸エステ
ルの反応混合物からの分離は一般的な分離法で行うこと
ができる。例えば、反応混合物を蒸留することにより溶
媒を除去した後、例えば、エチルエーテル等の有機溶媒
により光学活性3−クロロラクトニトリルとその対掌体
3−クロロラクトニトリルエステルを抽出分離すること
ができる。光学活性3−クロロラクトニトリルとその対
掌体3−クロロラクトニトリルエステルの分離は種々の
方法で行うことができるが、簡便に行う方法としては、
例えば、これらをシリカゲルクロマトグラフィーを用い
て通常の方法で溶出分離する方法が挙げられる。
ルは、通常の方法で有機酸によりエステル化することに
より光学活性を保持したまま3−クロロラクトニトリル
有機酸エステルにすることができる。また、得られた光
学活性3−クロロラクトニトリル酢酸エステルは通常の
方法で加水分解することにより光学活性を維持したまま
3−クロロラクトニトリルとすることができる。この光
学活性3−クロロラクトニトリル及び光学活性3−クロ
ロラクトニトリル酢酸エステルは種々の医薬品や生理活
性物質の重要な中間体として利用することができる。
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって何ら
限定されるものではない。 〔調製例1〕ラセミ体3−クロロラクトニトリル酢酸エステルの製造
方法 2−クロロアセトアルデヒドの40〜45重量%水溶液30.2
g、亜硫酸水素ナトリウム27g及び水30mlを混合して85
℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を冷却した
後、該混合物を、それと等量の酢酸エチルで洗浄した。
洗浄後、水相に、水70mlに塩化アンモニウム13.9g及び
青酸カリウム16.9gを溶解した水溶液を、氷冷下で徐々
に添加して5〜10℃で2時間放置した。得られた溶液に
ついて、100ml の酢酸エチルによる抽出を3回行った。
得られた抽出液を無水酢酸ナトリウムで脱水し、溶媒を
留去した。このようにして、ラセミ体3−クロロラクト
ニトリル14.4gが得られた。
たラセミ体3−クロロラクトニトリル2.36g及びピリジ
ン2.77gを加えた。次いで、これに、アセチルクロライ
ド2.25gを氷冷下にて滴下した後、室温にて1時間放置
した。その後、得られた反応混合物を50mlの水で2回洗
浄した。洗浄後、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水
し、溶媒を留去した。このようにしてラセミ体3−クロ
ロラクトニトリル酢酸エステル 2.4gが得られた。
を調製した。培地組成 ペプトン(Difco 社製)10g、酵母エキス(Difco社
製)5g、食塩5g、蒸留水1L 上記液体培地を、 300mlエルレンマイヤーフラスコに50
mlずつ分注し、 120℃で15分間蒸気滅菌した。
R-2068株(FERM-BP-3846)を1白金耳植菌し、30℃で1日
間振盪培養した。次に、各フラスコ内の培養液から遠心
分離により菌体を集めて水洗した後、各菌体を50mMリン
酸緩衝液(pH 7.2)10ml に懸濁した。この菌体懸濁液を
下記に示す反応液 100mlに加え、30℃にて攪拌しながら
24時間反応を行った。
ルの50mMリン酸バッファー(pH7.2)/tert−ブチルアル
コール(1:9 vol/vol) 溶液 反応終了後、反応混合物から遠心分離により菌体を除去
し、得られた上清について、ガスクロマトグラフィー
(カラム:Chirasil-DEX CB 0.25mm×25M (クロムパッ
ク社製))により残存基質及び生成物濃度並びにそれら
の光学純度を分析した。
光学活性体(R体)であり、その光学純度は92.8e.e.%
であった。残存基質である3−クロロラクトニトリル酢
酸エステルも光学活性体(S体)であり、その光学純度
は99.0e.e.%であった。また、得られた上清の溶媒を50
℃にて除去した後、残油分をクロロホルム20mlに溶解
し、 100mlのシリカゲルカラム(充填剤:ワコーゲルc
-300 (和光純薬工業(株)製))を用いてクロロホルム
を溶離液として常法にしたがってR−3−クロロラクト
ニトリルとS−3−クロロラクトニトリル酢酸エステル
を溶出分離した。
ル画分をそれぞれまとめた後、溶媒を除去した。このよ
うにして、R−3−クロロラクトニトリル1.78g及びS
−3−クロロラクトニトリル酢酸エステル1.16gが得ら
れた。得られたR−3−クロロラクトニトリル及びS−
3−クロロラクトニトリル酢酸エステルのNMR分析結
果を下記に示す。
5.37Hz, 1H),3.775(w, J=4.88Hz, 2H), 3.369(s, 1H) (S−3−クロロラクトニトリル酢酸エステル)1 H−NMRδ(ppm in CDCl3、270MHz):5.494(t, J=
5.86Hz, 1H), 3.755(d, J=5.37Hz, 2H), 2.113(s, 3H)
リル及びS−3−クロロラクトニトリル酢酸エステルの
旋光度 [α] D 25を測定したところ、それぞれ−6.26
(5.16重量%CHCl3 溶液)、+76.3(2.25重量%CHCl3
溶液)であった。また、得られたR−3−クロロラクト
ニトリル 0.5gを前記調製例1に記載の方法に従ってエ
ステル化することにより、R−3−クロロラクトニトリ
ル酢酸エステル 0.4gが得られた。更に、上記で得られ
たS−3−クロロラクトニトリル酢酸エステル(0.5g)
を名糖リパーゼOF(名糖産業製)を用いて同様に加水分
解することにより、S−3−クロロラクトニトリル 0.2
gが得られた。
1と同様にして培養、集菌して菌体懸濁液を調製した。
この菌体懸濁液 0.2mlを2重量%濃度のラセミ体3−ク
ロロラクトニトリル酢酸エステルの50mMリン酸バッファ
ー(pH7.2) 0.8mlに添加し、30℃にて振盪攪拌しながら
24時間反応を行った。
り菌体を除去した。得られた上清について、ガスクロマ
トグラフィー(カラム:Chirasil-DEX CB 0.25mm×25M
(クロムパック社製))により残存基質である3−クロ
ロラクトニトリル酢酸エステルの濃度(重量%)及びそ
の光学純度(e.e.%)を分析した。その結果を表1に示
す。
れ、2重量%濃度のラセミ体3−クロロラクトニトリル
酢酸エステルの50mMリン酸バッファー(pH7.2)溶液に
0.1〜0.2wt/vol %の濃度で添加し、30℃にて24時間反
応を行った。反応終了後、反応混合物中の残存基質であ
る3−クロロラクトニトリル酢酸エステルの濃度(重量
%)及びその光学純度(e.e.%)を、実施例2と同様に
して分析した。その結果を表2に示す。
ミ体3−クロロラクトニトリルを1重量%及び酢酸ビニ
ルを5重量%の濃度で溶解し、次いでそれぞれにリパー
ゼA6(天野製薬製) 1.0gを添加して30℃にて3日間
振盪攪拌して反応を行った。反応終了後、反応混合物中
の3−クロロラクトニトリル酢酸エステルの濃度(重量
%)及びその光学純度(e.e.%)を実施例2と同様にし
てガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果を表
3に示す。
トリル及び酢酸ビニルを、それぞれ2重量%濃度で溶解
したtert−ブチルアルコール溶液5mlに、表4に示す酵
素を 0.5g添加し、30℃にて3日間振盪攪拌して反応を
行った。反応終了後、反応混合物中の3−クロロラクト
ニトリル酢酸エステルの濃度(重量%)及びその光学純
度(e.e.%)を実施例2と同様にしてガスクロマトグラ
フィーにて分析した。その結果を表4に示す。
リル及び光学活性3−クロロラクトニトリル酢酸エステ
ルは医薬、農薬、液晶等の原料、中間体等として有用な
化合物である。また、本発明により、それらの光学活性
体を効率的に製造することができる。
Claims (14)
- 【請求項1】 下記式(1) : 【化1】 又は下記式(2) : 【化2】 で表される光学活性3−クロロラクトニトリル。
- 【請求項2】 下記式(3) : 【化3】 又は下記式(4) : 【化4】 で表される光学活性3−クロロラクトニトリル酢酸エス
テル。 - 【請求項3】 エステル加水分解酵素の存在下、ラセミ
体3−クロロラクトニトリル酢酸エステルを不斉加水分
解することを特徴とする、請求項1に記載の光学活性3
−クロロラクトニトリルの製造方法。 - 【請求項4】 エステル加水分解酵素の存在下、ラセミ
体3−クロロラクトニトリル酢酸エステルを不斉加水分
解することを特徴とする、請求項2に記載の光学活性3
−クロロラクトニトリル酢酸エステルの製造方法。 - 【請求項5】 不斉加水分解反応を水、又は水と有機溶
媒との混合液中で行う、請求項3又は4に記載の製造方
法。 - 【請求項6】 有機溶媒中、エステル加水分解酵素の存
在下、ラセミ体3−クロロラクトニトリルをアシル化剤
で不斉エステル化することを特徴とする、請求項1に記
載の光学活性3−クロロラクトニトリルの製造方法。 - 【請求項7】 有機溶媒中、エステル加水分解酵素の存
在下、ラセミ体3−クロロラクトニトリルをアシル化剤
で不斉エステル化することを特徴とする、請求項2に記
載の光学活性3−クロロラクトニトリル酢酸エステルの
製造方法。 - 【請求項8】 エステル加水分解酵素がリパーゼであ
る、請求項3〜7のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項9】 エステル加水分解酵素が、シュウドモナ
ス(Pseudomonas) 属、アスペルギルス(Aspergirus)属、
アシネトバクター(Acinetobacter) 属、エシェリキア(E
scherichia) 属、クロモバクテリウム(Chromobacteriu
m) 属、ムコール(Mucor) 属及びキャンディダ(Candida)
属からなる群から選ばれる微生物により生産されるも
のである、請求項3〜8のいずれか1項に記載の製造方
法。 - 【請求項10】 不斉加水分解反応をシュウドモナス(P
seudomonas) 属、アスペルギルス(Aspergirus)属、アシ
ネトバクター(Acinetobacter) 属、エシェリキア(Esche
richia) 属、クロモバクテリウム(Chromobacterium)
属、ムコール(Mucor) 属及びキャンディダ(Candida) 属
からなる群から選ばれる少なくとも1種の微生物であっ
て、エステル加水分解酵素生産能を有する微生物の菌体
又はその処理物の存在下で行うことを特徴とする、請求
項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項11】 不斉エステル化反応をシュウドモナス
(Pseudomonas) 属、アスペルギルス(Aspergirus)属、ア
シネトバクター(Acinetobacter) 属、エシェリキア(Esc
herichia) 属、クロモバクテリウム(Chromobacterium)
属、ムコール(Mucor) 属及びキャンディダ(Candida) 属
からなる群より選ばれる少なくとも1種の微生物であっ
て、エステル加水分解酵素生産能を有する微生物の菌体
又はその処理物の存在下で行うことを特徴とする、請求
項6又は7に記載の製造方法。 - 【請求項12】 微生物が、シュウドモナス sp.(Pseud
omonas sp.)MR-2068株(FERM-BP-3846)、シュウドモナス
sp.(Pseudomonas sp.) MR-2301 株(FERM-BP-4870)、及
びシュウドモナス フルオレッセンス(Pseudomonas flu
orescens)IFO3018からなる群より選ばれる少なくとも1
種である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造
方法。 - 【請求項13】 微生物が、アシネトバクター sp.(Aci
netobacter sp.)MR-2302株(FERM-BP-4871)である、請求
項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項14】 微生物が、エシェリキア コリ(Esche
richia coli)MR-2103 株(FERM-BP-3835)である、請求項
9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13003396A JP3935992B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13003396A JP3935992B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316044A true JPH09316044A (ja) | 1997-12-09 |
JP3935992B2 JP3935992B2 (ja) | 2007-06-27 |
Family
ID=15024492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13003396A Expired - Fee Related JP3935992B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3935992B2 (ja) |
-
1996
- 1996-05-24 JP JP13003396A patent/JP3935992B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3935992B2 (ja) | 2007-06-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH04248993A (ja) | 光学的に純粋な(S)−α−〔(ターシヤリー−ブチルスルホニル)メチル〕ヒドロ桂皮酸の製造方法 | |
JPS61239899A (ja) | 光学活性アルフア‐アリールアルカン酸の生物工学的製造方法 | |
AU6444494A (en) | Enantioselective hydrolysis of ketoprofen esters by (beauveria bassiana) and enzymes derived therefrom | |
JPS5847495A (ja) | シクロペンテノロン誘導体の生化学的光学分割法 | |
JPH09316044A (ja) | 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法 | |
JP3732535B2 (ja) | 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法 | |
WO2013094499A1 (ja) | 光学活性なα-置換-β-アミノ酸の製造方法 | |
JP2639651B2 (ja) | 光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法 | |
JPH01281098A (ja) | 光学活性カルボン酸及び光学活性カルボン酸エステルの製造方法 | |
JP2579766B2 (ja) | 光学活性なビフェニル誘導体およびその製造法 | |
JP3007461B2 (ja) | 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法 | |
JPH08507683A (ja) | エステラーゼおよびバイオトランスフォーメーションにこれを使用する方法 | |
JP3545442B2 (ja) | 光学活性4−(2−ハロ−1−ヒドロキシエチル)−2−トリフルオロメチルチアゾールの製造方法 | |
JPH0632633B2 (ja) | 光学活性カルボン酸の製造法 | |
JP3970898B2 (ja) | 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法 | |
JPH10210997A (ja) | 光学活性3−キヌクリジノールの製法 | |
JP3741758B2 (ja) | 光学活性グリセロール誘導体の製法 | |
JP3203865B2 (ja) | アセチレンアルコール化合物の製造法 | |
JP4565672B2 (ja) | 光学活性β−シアノイソ酪酸類及びその製造方法 | |
JPH01247100A (ja) | 光学活性カルボン酸誘導体の製造方法 | |
JPH0947298A (ja) | 光学活性2−アルコキシシクロヘキサノール誘導体の製造法 | |
JPH0319698A (ja) | 光学活性な3―アシルオキシ―2―メチルプロパノール製造法 | |
JPH07327692A (ja) | 光学活性β−ヒドロキシカルボン酸及びその対掌体エステルの製造方法 | |
JPS59210892A (ja) | 光学活性第一菊酸の生化学的製造法 | |
JPH0856687A (ja) | (s)−3−(2−チエニルチオ)ブタン酸の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050816 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051014 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060307 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060508 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070313 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070322 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140330 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |