JP2639651B2 - 光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法 - Google Patents

光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般式 (式中R1はアルキル基、Xはハロゲン原子を示す)で表
わされる光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの
新規な製造法に関する。
式Iのカルボン酸及びその対掌体エステルは光学活性
を有する種々の生理活性物質を合成するための中間原料
として有用である。従来、これらの光学活性体の製造法
としては、あらかじめ有機合成的にラセミ体を合成した
のち、各種の光学分割剤を用いて分割する方法、すなわ
ち物理化学的に一方の光学活性体とその対掌体とに分別
する方法(特開昭58−74623号公報参照)、あるいは光
学活性β−ヒドロキシカルボン酸をハロゲン化する方法
(特開昭60−78929号公報参照)が知られている。しか
しこれらの方法では、高価な分割剤が多量に必要とされ
ること、この分割剤が不純物として製品中に混入しやす
いこと、分割工程が非常に複雑であること、あるいは過
剰量のハロゲン化剤が必要となり、反応副生物としてハ
ロゲン化水素や亜硫酸ガスなどの発生を伴うという問題
点があり、工業的な製法としては満足できるものでな
い。
本発明者らは、前記の製造法の欠点を解決し、より効
率的な光学活性のカルボン酸(I)及びそのエステルの
製造法について研究を進めた結果、エステル加水分解能
を有する酵素又は微生物を用いることにより式Iの光学
活性カルボン酸及びその対掌体エステルが効率よく製造
できることを見出した。
本発明は、一般式 (式中R1及びR2はアルキル基、Xはハロゲン原子を示
す)で表わされるエステルに、エステル結合を不斉加水
分解する能力を有する酵素、アシネトバクター属、シユ
ードモナス属、エシエリキア属、スタフイロコツクス
属、アルカリゲネス属もしくはアグロバクテリウム属に
属する微生物の培養液、菌体又は菌体処理物を作用させ
ることを特徴とする、一般式 (式中R1及びXは前記の意味を有する)で表わされる光
学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法であ
る。
式I及び式IIの化合物の置換基R1及びR2のためのアル
キル基としては例えばメチル基、エチル基などが挙げら
れる。また置換基Xのためのハロゲン原子としては例え
ば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ
る。
本発明に用いられる酵素は、式IIの化合物のエステル
結合を不斉加水分解する能力を有する酵素であり、通常
エステラーゼあるいはリパーゼと呼ばれている一群の酵
素の他に、例えばα−キモトリプシンのようにプロテア
ーゼとして分類されている酵素であつても、エステル加
水分解能を有している場合には本発明に使用できる。こ
のエステル加水分解酵素は、起源、純度等は特に限定さ
れず、動植物のホモジネート、微生物菌体、その破砕
物、抽出物等の形のものでもよい。
この酵素を生産する微生物としては例えばムコール
属、リゾープス属、アスペルギルス属、ノカルデイア
属、ストレプトマイセス属、トリコデルマ属、キヤンデ
イダ属、ロドトルラ属、トルロプシス属、バシリス属、
アルカリゲネス属、シユードモナス属、ブレビバクテリ
ウム属、エンテロバクター属、クロモバクテリウム属、
アルスロバクター属、ミクロバクテリウム属、マイコバ
クテリウム属、サツカロマイセス属、ペニシリウム属な
どに属する微生物が挙げられる。これらの微生物起源の
酵素の市販品の例としては、ムコール属のリパーゼ(リ
パーゼM−AP、天野製薬社製)、アスペルギルス属のリ
パーゼ(リパーゼAP、天野製薬社製)、キヤンデイダ属
のリパーゼ(シグマ社製)、リゾープス属のリパーゼ
(リパーゼサイケン、大阪細菌研究所)などが挙げられ
る。また動物組織由来の酵素としては、豚肝臓由来のエ
ステラーゼ、膵臓由来のα−キモトリプシン、パンクレ
アチンなどが挙げられる。
本発明に用いられる微生物は、式IIの化合物のエステ
ル結合を不斉加水分解する能力を有する微生物であつ
て、アシネトバクター属(Acinetobacter)、シユード
モナス属(Pseidomonas)、エシエリキア属(Eocherich
ia)、スタフイロコツクス属(Staphylococcus)、アル
カリゲネス属(Alcaligenes)、、アグロバクテリウム
属(Agrobacterium)に属する微生物が挙げられる。こ
れらの微生物はこれを含む培養液、分離した菌体又は菌
体処理物として用いられる。
これらの微生物の培養は、通常は液体培養で行われる
が、固体培養によつても行うことができる。培地として
は、微生物が通常資化しうる炭素源、窒素源、ビタミ
ン、ミネラルなどの成分を適宜配合したものが用いられ
る。微生物の加水分解能を向上させるため、培地にエス
テルを少量添加することが好ましい。培養は10〜50℃の
温度で、pH2〜11の範囲で行われる。微生物の生育を促
進させるために通気撹拌を行つてもよい。
本発明を実施するに際しては、反応媒体中でエステル
(II)に不斉加水分解酵素を作用させる。原料エステル
(II)は、微生物の培養の開始時又は途中で培地にエス
テル(II)を添加してもよく、あらかじめ微生物を培養
したのち培養液に添加してもよい。また増殖した微生物
の菌体を遠心分離等により採取し、これをエステルを含
む反応媒体に加えてもよい。この場合菌体は取り扱い上
の便宜から、乾燥菌体例えば凍結乾燥菌体、噴霧乾燥菌
体又は有機溶媒例えばアセトン、トルエン等で処理した
菌体、あるいは菌体破壊物、菌体抽出物等の菌体処理物
として用いることもできる。エステル加水分解酵素は、
固定化した酵素として用いることもできる。
反応媒体としては例えばイオン交換水、燐酸ナトリウ
ム等の無機酸塩及び/又は酢酸ナトリウム等の有機酸塩
を含有する緩衝液が用いられる。エステルの溶解性を向
上させるため、有機溶媒例えばメタノール、アセトンな
どを反応液に加えることもできる。
反応媒体又は培養液中のエステルの濃度は0.01〜50%
が好ましい。エステルは反応の途中で回分的に又は連続
的に加えてもよい。その際、水に懸濁した状態で加える
こともできる。
反応液のpHは2〜11の範囲、好ましくは5〜8の範囲
である。反応の進行に伴い、生成したカルボン酸によ
り、反応液のpHが低下した場合は、中和剤を添加して最
適pHに維持することが好ましい。反応温度は5〜50℃で
あり、反応時間は酵素、微生物菌体等の量によつて適宜
変更できる。
反応液からの生成物の分離精製は、通常の方法、例え
ば抽出、再結晶、カラムクロマトグラフイー、蒸留等の
手段により行うことができる。
実施例1〜4 (±)−β−クロルイソ酪酸メチル1.0g及び酵素500m
gをM/10燐酸緩衝液(pH7.0)100mlに加え、30℃で振盪
して反応させた。24時間反応させたのち、反応液のpHを
7.0に調整し、等容量のクロロホルムでβ−クロルイソ
酪酸メチルを抽出した。次いで水層のpHを濃塩酸で2.0
に調整したのち、等容量のクロロホルムでβ−クロルイ
ソ酪酸を抽出した。クロロホルム抽出液の旋光度をユニ
オン技研社のデジタル自動旋光度計(PM−101型)を用
いて測定した。その結果を第1表に示す。なお酵素とし
ては、リパーゼ・サイケン100(大阪細菌研究所)、ニ
ユーラーゼF(天野製薬社製)、パンクレアチン(天野
製薬社製)及びリパーゼ・タイプII(シグマ社製)を用
いた。
実施例5及び6 フラスコに(±)−β−クロルイソ酪酸メチル25ml、
M/20燐酸緩衝液(pH7.0)250ml及びリパーゼ・サイケン
100又はパンクレアチン5.0gを加え、30℃、pH7.0で撹拌
下64時間反応させた。pHは10%NaOHで調整した。反応終
了後、β−クロルイソ酪酸メチルを300mlのクロロホル
ムで2回抽出した。次いで水層のpHを濃塩酸で2.0にし
たのち、β−クロルイソ酪酸を300mlのクロロホルムで
2回抽出した。
このクロロホルム抽出液を減圧下で単蒸留し、光学活
性β−クロルイソ酪酸及びその対掌体のメチルエステル
を得た。これら蒸留物の収量、沸点及び比旋光度を第2
表に示す。なお蒸留により得られた反応生成物がβ−ク
ロルイソ酪酸又はβ−クロルイソ酪酸メチルであること
はNMR及びIR分析により確認した。
実施例7及び8 シユードモナス・フルオレツセンスIFO12055、アルカ
リゲネス・フエカーリスIFO13111の2菌株をそれぞれ肉
エキス1.0%、ペプトン1.0%及びNaCl0.5%から成る液
体培地(pH6.8)100mlに植菌し、28℃で24時間振盪培養
を行つた。こうして得られた各菌株の培養液500mlを遠
心分離して集菌した。この菌体の全量を250mlのM/20燐
酸緩衝液(pH7.0)に懸濁したのち、(±)−β−クロ
ルイソ酪酸メチル25mlを加え、30℃、pH7.0で撹拌下48
時間反応させた。pHは10%NaOHで調整した。反応終了
後、β−クロルイソ酪酸メチルを300mlのクロロホルム
で2回抽出した。
次いで水層のpHを濃塩酸で2.0にしたのち、β−クロ
ルイソ酪酸を300mlのクロロホルムで2回抽出した。
このクロロホルム抽出液を減圧下で単蒸留し、光学活
性β−クロルイソ酪酸及びその対掌体のエチルエステル
を得た。得られた生成物がβ−クロルイソ酪酸及びβ−
クロルイソ酪酸メチルであることはNMR及びIR分析で確
認した。その結果を第3表に示す。
実施例9〜18 第4表に示す菌株を肉エキス1.0%、ペプトン1.0%及
びNaCl0.5%から成る液体培地(pH68)100mlに植菌し、
28℃24時間振盪培養を行つた。培養終了後、培養液を遠
心分離し、得られた菌体をイオン交換水で洗浄したの
ち、その全量をM/10燐酸緩衝液(pH7.0)100mlに懸濁し
た。この菌体懸濁液に(±)−β−クロルイソ酪酸メチ
ル1mlを加え、30℃で24時間振盪して反応させた。
反応液をpH7.0に調整しβ−クロルイソ酪酸メチルを
クロロホルムで抽出した。次いで水層のpHを濃塩酸で2.
0に下げたのち、水層中のβ−クロルイソ酪酸をクロロ
ホルムで抽出した。これらβ−クロルイソ酪酸メチル及
びβ−クロルイソ酪酸のクロロホルム抽出液の波長589n
mにおける旋光性を調べた。その結果を第4表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:19) (C12P 41/00 C12R 1:445) (C12P 41/00 C12R 1:40)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中R1及びR2はアルキル基、Xはハロゲン原子を示
    す)で表されるエステルに、エステル結合を不斉加水分
    解する能力を有する酵素、アシネトバクター属、シユー
    ドモナス属、エシエリキア属、スタフイロコツクス属、
    アルカリゲネス属もしくはアグロバクテリウム属に属す
    る微生物の培養液、菌体又は菌体処理物を作用させるこ
    とを特徴とする、一般式 (式中R1及びXは前記の意味を有する)で表される光学
    活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法。
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