JPH09287957A - 音叉型圧電振動ジャイロ - Google Patents

音叉型圧電振動ジャイロ

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JPH09287957A
JPH09287957A JP8202569A JP20256996A JPH09287957A JP H09287957 A JPH09287957 A JP H09287957A JP 8202569 A JP8202569 A JP 8202569A JP 20256996 A JP20256996 A JP 20256996A JP H09287957 A JPH09287957 A JP H09287957A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、高精度で量産化に適した音叉型圧電
振動ジャイロを提供することを目的とする。 【解決手段】 第1のアーム、第2のアーム及びこれら
を支持するベースを有する音叉型圧電振動ジャイロにお
いて、圧電横効果により音叉振動を駆動させる駆動電極
と、前記第1及び第2のアームに回転角速度を検出する
検出電極を設けた音叉型圧電振動ジャイロ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転角速度を検出す
るジャイロに関し、より詳細には圧電体を用いた音叉型
の音叉型圧電振動ジャイロに関する。近年の車載ナビゲ
ーションやカメラの手振れ防止等に使用されるジャイロ
において、高精度化や高感度化が求められている。この
ため、圧電振動ジャイロに関する技術開発が活発化して
いる。
【0002】
【従来の技術】圧電振動ジャイロは、所定振動している
際に回転角速度が加わると、その振動と直角の方向にコ
リオリ力が生じることを利用している。このような圧電
振動ジャイロとして種々のタイプが提案されている。こ
のうち、音叉型圧電振動はコストパフォーマンスが比較
的高いので、注目されている。特に最近では、圧電単結
晶を利用した音叉型圧電振動ジャイロの研究開発が活発
である。
【0003】このような圧電単結晶を利用した音叉型圧
電振動ジャイロは、例えば米国特許第5、329、81
6号に開示されている。図33に示すように、音叉型圧
電振動ジャイロ(又はジャイロ素子とも言う)は2つの
アーム10、12とこれらを支持するベース14とを有
し、これらは圧電単結晶で一体的に形成されている。ま
た、一方のアームに音叉振動を駆動する駆動電極18を
設け、他方のアームに回転角速度を検出する検出電極1
6を設けている。なお、便宜上、図で現われている面を
ジャイロの表面とし、この表面に対向する面を裏面とす
る。駆動電極18は、表面に2つ設けられている。
【0004】図34は、電極構成が異なる従来の音叉型
圧電振動ジャイロを示す図で、例えば米国特許5、25
1、483に開示されている。この電極構成は、アーム
10と12の各々に検出電極16と駆動電極18とを設
けたものである。図34では、検出電極16を各アーム
10、12の先端側に設け、駆動電極18をベース14
側に設けた構成である。また図35では、検出電極16
を各アーム10、12のベース14側に設け、駆動電極
18を先端側に設けた構成である。
【0005】なお、図33、図34及び図35にはそれ
ぞれの容量比の一例を示してある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図33
〜図35に示す従来の音叉型圧電振動ジャイロは、次の
問題点を有する。図33に示す構成は電極がほぼ対称に
設けられているため、駆動及び検出の容量比バランスが
良いという半面、屈曲振動等の不要振動が出力されてし
まうという問題点がある。
【0007】この問題点を図36を参照して説明する。
図36の(a)は図16に示すジャイロの斜視図で不要
振動を示す図、(b)は側面図、(c)は(a)に示す
不要振動を示す図、及び(d)は不要振動によるアーム
内部の電界を示す図である。なお、図(a)〜(c)で
は電極は省略してある。また、図(d)で白抜き部分の
電極は互いに同電位であり、ハッチング部分の電極は互
いに同電位である。図33に示す構成では、図36で示
すような同相の不要振動が発生する。検出電極は2つの
アームの一方に設けられているため、図36の(d)で
示す電界による電位差を検出してしまう。この電位差は
雑音となり、検出精度を劣化させる。また、不要振動に
は温度ドリフトの原因となるねじり振動等もある。更
に、駆動側のアームと検出側のアームとの機械的結合や
静電結合に起因するもれ出力も存在する。
【0008】図34に示す構成は駆動側容量比が小さい
ため低駆動電圧化が可能である。また、両方のアーム1
0、12に検出電極16を設けているため不要振動を相
殺でき、またもれ出力も小さい。しかしながら、アーム
10、12の先端部の共振子の容量比がその根元部の共
振子に比べ約20倍と大きいため、検出感度が小さいと
いう問題点を有する。また、各アーム10、12に検出
電極16と駆動電極18とを設けているため配線が複雑
となり、量産性に難がある。
【0009】図35に示す構成は検出側容量比が小さい
ため高感度化が可能である。しかしながら、駆動側容量
比が大きいため高い駆動電圧が必要となってしまうとい
う問題点がある。更に、各アーム10、12に検出電極
16と駆動電極18とを設けているため配線が複雑とな
り、量産性に難がある。
【0010】したがって、本発明は上記従来技術の問題
点を解決し、高感度、高精度で量産化に適した音叉型圧
電振動ジャイロを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、第1のアーム、第2のアーム及びこれらを支持する
ベースを有する音叉型圧電振動ジャイロにおいて、圧電
横効果により音叉振動を駆動させる駆動電極と、前記第
1及び第2のアームに回転角速度を検出する検出電極を
設けたことを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロであ
る。この圧電横効果を利用すると、下記の通り駆動電極
及び検出電極を構成することができ、高感度、高精度で
量産化に適した音叉型圧電振動ジャイロを提供すること
ができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記駆動電極は前記ベースの表面及び裏面上にそれ
ぞれ設けられていることを特徴とする音叉型圧電振動ジ
ャイロである。ベースに駆動電極を設けることで、駆動
電極及び検出電極の構成及び配線を簡単にすることがで
きる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
て、前記駆動電極は、前記第1及び第2のアームの夫々
の表面及び裏面の内側部分と前記ベースの表面及び裏面
上にそれぞれ一体的に設けられていることを特徴とする
音叉型圧電振動ジャイロである。上記内側部分に駆動電
極を設けることでも、音叉振動を起こすことができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1におい
て、前記駆動電極は、前記第1及び第2のアームの夫々
の表面及び裏面の外側部分と前記ベースの表面及び裏面
上にそれぞれ一体的に設けられていることを特徴とする
音叉型圧電振動ジャイロである。上記外側部分に駆動電
極を設けることでも、音叉振動を起こすことができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれか一項において、前記検出電極は、第1及び
第2のアームの夫々の少なくとも3面上に設けられてい
ることを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロである。よ
って、検出電極の構成及び配線は簡単化可能である。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項5におい
て、前記検出電極は第1及び第2のグループを構成する
ように接続され、回転角速度に応じた電圧を第1及び第
2のグループで得られる電位差として出力することを特
徴とする音叉型圧電振動ジャイロである。検出電極の一
構成例を規定したものである。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項5におい
て、前記検出電極は第1、第2及び第3のグループを構
成するように接続され、回転角速度に応じた電圧を第1
のグループを基準とした第2及び第3のグループで得ら
れる電位差として出力することを特徴とする音叉型圧電
振動ジャイロである。検出電極の別の構成例を規定した
ものである。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項2におい
て、前記検出電極は前記第1及び第2のアームの夫々の
表面及び裏面上に設けられていることを特徴とする音叉
型圧電振動ジャイロである。駆動電極をベースに設ける
ことで、第1及び第2には検出電極のみを設けることが
できるようになり、特に配線や電極形成が容易になり、
量産化に適している。
【0019】請求項9に記載の発明は、請求項3におい
て、前記検出電極は、前記第1及び第2のアームの夫々
の表面及び裏面の外側部分に設けられていることを特徴
とする音叉型圧電振動ジャイロである。駆動電極を内側
部分に設けることで、検出電極を外側部分に設けること
ができるようになり、特に配線や電極形成が容易にな
り、量産化に適している。
【0020】請求項10に記載の発明は、請求項4にお
いて、前記検出電極は、前記第1及び第2のアームの夫
々の表面及び裏面の内側部分に設けられていることを特
徴とする音叉型圧電振動ジャイロである。駆動電極を外
側部分に設けることで、検出電極を内側部分に設けるこ
とができるようになり、特に配線や電極形成が容易にな
り、量産化に適している。
【0021】請求項11に記載の発明は、請求項1ない
し10のいずれか一項において、前記第1のアーム、第
2のアーム及びこれらを支持するベースは圧電単結晶で
一体的に形成されていることを特徴とする音叉型圧電振
動ジャイロである。請求項12に記載の発明は、第1の
アーム、第2のアーム及びこれらを支持するベースを有
する音叉型圧電振動ジャイロにおいて、前記第1及び第
2のアームのそれぞれの所定の2面にのみ音叉振動を駆
動させる駆動電極と、回転角速度を検出する検出電極
と、基準電位に設定された接地電極とを設けたことを特
徴とする。これにより、必要な感度を維持でき、請求項
1ないし11よりも簡単な電極構成でより量産化に適し
た音叉型圧電振動ジャイロを提供することができる。
【0022】請求項13に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記駆動電極は第1及び第2のアームの各々の
第1の面に設けられ、前記検出電極は前記第1の面に対
向する第1及び第2のアームの各々の第2の面に設けら
れ、角速度に応じた電圧は、第1及び第2のアームの第
2の面にそれぞれ設けられた検出電極間の電位差として
得られることを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロであ
る。
【0023】請求項14に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記駆動電極は第1及び第2のアームの各々の
第1の面に設けられ、前記検出電極は第1及び第2のア
ームの各々の第1の面に設けられ、角速度に応じた電圧
は、第1及び第2のアームの第1の面にそれぞれ設けら
れた検出電極間の電位差として得られることを特徴とす
る音叉型圧電振動ジャイロである。
【0024】請求項15に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記駆動電極は第1及び第2のアームの各々の
第1の面に設けられ、前記検出電極は第1及び第2のア
ームの各々の第1の面、並びに前記第1の面に対向する
第1及び第2のアームの各々の第2の面に設けられ、角
速度に応じた電圧は、第1のアームの第1及び第2の面
に設けられた検出電極と、第2のアームの第1及び第2
の面に設けられた検出電極との間の電位差として得られ
ることを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロである。
【0025】請求項16に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記駆動電極は前記検出電極を兼ねており、角
速度に応じた電圧は第1及び第2のアームに設けた駆動
電極から所定の差動増幅回路を介して電位差として得ら
れることを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロである。
【0026】請求項17に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記駆動電極は前記検出電極を兼ねており、第
1及び第2のアームの各々のいずれか一方の面に設けら
れ、角速度に応じた電圧は第1及び第2のアームに設け
た駆動電極から所定の差動増幅回路を介して電位差とし
て得られることを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロで
ある。
【0027】請求項18に記載の発明は、請求項12に
おいて、前記駆動電極は前記検出電極を兼ねており、第
1及び第2のアームの各々の対向する面の両方に設けら
れ、角速度に応じた電圧は第1のアームに設けた駆動電
極と第2のアームに設けた駆動電極とを入力とする所定
の差動増幅回路を介して電位差として得られることを特
徴とする音叉型圧電振動ジャイロである。
【0028】請求項19に記載の発明は、請求項12な
いし18のいずれか一項において、第1のアーム、第2
のアーム及びこれらを支持するベースは、圧電単結晶で
一体的に形成されていることを特徴とする音叉型圧電振
動ジャイロである。請求項20に記載の発明は、請求項
11又は19において、前記圧電単結晶はLiTaO3
40°±20°回転Z板であることを特徴とする音叉型
圧電振動ジャイロである。
【0029】請求項21に記載の発明は、請求項11又
は19において、前記圧電単結晶はLiNbO3 50°
±20°回転Z板であることを特徴とする音叉型圧電振
動ジャイロである。
【0030】
【発明の実施の形態】まず、本発明の原理を図1を参照
して説明する。本発明の音叉型圧電振動ジャイロは、図
1(a)に示すように、圧電単結晶からなるアーム2
0、22及びベース24とを有する。圧電単結晶として
は圧電横効果の結合係数が大きいものが好ましく、例え
ば、LiTaO3 140°±20°回転Y板(LiTa
3 40°±20°回転Z板)、LiNbO3 130°
±20°回転Y板(LiNbO350°±20°回転Z
板)、水晶Xカット板等を用いることができる。なお、
圧電単結晶の結晶方位はその厚み方向におけるものであ
る。
【0031】図1に示す構成では、駆動電極28a及び
28bをベース24の表面及び裏面(ジャイロの厚み方
向に対向する面)に設けてある。駆動電極28a及び2
8bの位置は、アーム20、22の根元付近(支点付
近)の領域である。この駆動電極28a及び28bに図
1(b)に示すように駆動電源OSCを接続して駆動す
ると、図1(a)及び(c)に示すような音叉振動がア
ーム20と22に起きる。この状態にあるジャイロを駆
動モードにあるという。この駆動振動は圧電横効果によ
り、ベース24の上面(アーム20、22が設けられて
いる面)が矢印Aで示すように振動するものである。こ
れにより、アーム20、22は図1(a)の破線で示す
ように振動する。このような振動モードにある状態で振
動軸に回転運動が加わると、次式の運動方程式で表され
る振動方向と垂直方向にコリオリ力が発生する。 Zx ηx ≒Fx +2my Ω0 ηyy ηy ≒Fy −2mx Ω0 ηx ここで、Zx 、Zy はそれぞれx軸及びy軸方向(図
(e)参照:x軸方向はジャイロの幅方向に相当し、y
軸方向はジャイロの厚み方向に相当する)の機械的イン
ピーダンス、ηx 、ηy はそれぞれx軸及びy軸方向の
速度、Fx 、Fyはそれぞれx軸及びy軸方向のコリオ
リ力、mx 、my はそれぞれx軸及びy軸方向の質量、
Ω0 は角速度である。
【0032】そこで、アーム20と22に上記の音叉振
動(fx モード振動とも言う)の垂直方向振動(fy
ード振動とも言う)を検出(又は励振)する電極を構成
しておけが、コリオリ力を受けて互いにたわんだアーム
から電気的出力を得ることができる。ここで、図16に
示すような一方のアームを駆動用とし、他方のアームを
検出用とすると、コリオリ力に起因する以外の屈曲振動
まで検出してしまうので、検出誤差が発生したり温度ド
リフトの原因となるねじり振動等の不要振動成分も検出
してしまう。
【0033】この点を考慮して、図2(b)に示すよう
に、本発明ではアーム20と22の両方に検出電極を設
けることで、同相方向の振動(図2(a))による出力
を検知することなく、互いに逆方向に振動するモード
(図1(e))だけを検出する。すなわち、2つのアー
ム20と22は互いに位相反転するように検出電極を設
けている。図2(b)に示すように、同相方向の振動に
よる検出出力はアーム20と22でどちらもプラスで同
一電圧値であり、アーム20と22の出力を差動増幅す
ることで、相殺することができる。
【0034】図3(a)は駆動モードの状態で角速度が
加わった時のアーム20、22の振動(逆相の振動)を
示し、図3(b)はこれによる内部電界を示す。図2
(b)で示す結線された電極以外の電極はグランド(基
準電位)に設定する。すなわち、アーム20と22は互
いに同位相信号出力となるように検出電極を設けてあ
る。これにより、角速度に起因する電圧はグランド電位
に対し一方のアームでプラスとなり、他方のアームでマ
イナスとなる(すなわち、差動増幅)。この場合、図2
を参照して説明したように、同相の振動による検出出力
は相殺されて出力端子には現われない。
【0035】また、図4に示す電極構成でも、角速度に
起因した逆相の振動による出力のみを検出することがで
きる。図4(a)に示す逆相振動に対し図4(b)に示
す電極構成で差動出力が得られる。同相振動による電圧
は図4(b)の結線でプラス成分とマイナス成分とが相
殺され、出力端子には現われない。
【0036】以上のように、本発明では圧電単結晶の圧
電横効果を利用して駆動振動を発生させ、角速度の検出
は角速度に起因した逆相振動のみを検出するような電極
構成を採用している。以上説明した駆動電極及び検出電
極をまとめた電極構成を、本発明の一実施の形態として
図5に示す。図5(a)は音叉型圧電振動ジャイロの正
面図、図5(b)は平面図である。駆動電極28a及び
28bはそれぞれ、ベース24の表面及び裏面上に設け
られ、かつアーム20及び22の根元部分に近接して位
置している。換言すれば、駆動電極28a及び28b
は、アーム20と22の支点部分を含む領域に設けられ
ているとも言える。アーム20の4面には検出電極26
a、26b、26c及び26dが設けられ、アーム22
の4面には検出電極27a、27b、27c及び27d
が設けられている。これらの検出電極は、例えば図3
(b)又は図4(b)の通り結線されている。後述する
ように、同相振動を検出せず、逆相振動のみを検出する
ためには図5に示す8枚の検出電極を用いる必要はな
い。
【0037】なお、駆動電極28a及び28bの面積
は、ジャイロの素子特性に応じて適宜選択する。また、
容量比は例えば、駆動電極側で478で検出電極側で2
21であり、従来構成のように駆動側と検出側で容量比
が大きくことなるようなことはない。
【0038】ここで、図5に示す電極構造をベースに、
特に検出電極構成の変形例について、図6及び図7を参
照して説明する。図6の(a)〜(l)は前述した図3
(b)の検出電極構成を利用したもので検出電極を2つ
のグループに分け、図7(a)〜(h)は前述した図4
(b)の検出電極構成を利用したもので検出電極を3つ
のグループに分けたものである。図を分かりやすくする
ために、アーム20と22に設けられた電極の参照番号
は省略する。
【0039】図6(a)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向両面から引き出した電極と、もう一方
のアームの厚み方向両面から引き出した電極とが基準電
位と接続され、出力は検出電極のうちの一方のアームの
幅方向表裏面から引き出した電極(図中の●)と、もう
一方のアームの幅方向表裏面から引き出した電極(○)
との電位差を検出する。
【0040】図6(b)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向表裏面から引き出した電極が、もう一方
のアームの幅方向表裏面から引き出した電極と基準電位
とに接続され、出力は検出電極のうちの一方のアームの
厚み方向両面から引き出した電極(○)と、もう一方の
アームの厚み方向両面から引き出した電極(●)との電
位差を検出する。
【0041】図6(c)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向表裏面から引き出した電極が、もう一
方のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極と基準
電位とに接続され、出力は検出電極のうちの一方のアー
ムの幅方向外側面から引き出した電極(○)と、もう一
方のアームの幅方向外側面から引き出した電極(●)と
の電位差を検出する。
【0042】図6(d)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向表裏面から引き出した電極が、もう一
方のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極と基準
電位とに接続され、出力は検出電極のうちの一方のアー
ムの幅方向内側面から引き出した電極(○)と、もう一
方のアームの幅方向内側面から引き出した電極(●)と
の電位差を検出する。
【0043】図6(e)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向外側面から引き出した電極が、もう一方
のアームの厚み方向外側面から引き出した電極と基準電
位とに接続され、出力は検出電極のうちの一方のアーム
の厚み方向表裏面から引き出した電極(●)と、もう一
方のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極(○)
との電位差を検出する。
【0044】図6(f)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向外側面及び厚み方向表裏面から引き出し
た電極が、もう一方のアームの幅方向外側面及び厚み方
向表裏面から引き出した電極と基準電位とに接続され、
出力は検出電極のうちの一方のアームの幅方向外側面か
ら引き出した電極(○)と、もう一方のアームの幅方向
外側面から引き出した電極(●)との電位差を検出す
る。
【0045】図6(g)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向内側面及び厚み方向表裏面から引き出し
た電極が、もう一方のアームの幅方向内側面及び厚み方
向表裏面から引き出した電極と基準電位とに接続され、
出力は検出電極のうちの一方のアームの幅方向内側面か
ら引き出した電極(●)と、もう一方のアームの幅方向
内側面(○)から引き出した電極との電位差を検出す
る。
【0046】図6(h)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向内側面と他方のアームの幅方向内側面と
から引き出した電極が基準電位に接続され、出力は一方
のアームの幅方向外側面及び厚み方向表裏面から引き出
した電極(○)と、もう一方のアームの幅方向外側面及
び厚み方向表裏面から引き出した電極(●)との電位差
を検出する。
【0047】図6(i)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向外側面と他方のアームの幅方向外側面と
から引き出した電極が基準電位に接続され、出力は一方
のアームの幅方向内側面及び厚み方向表裏面から引き出
した電極(○)と、もう一方のアームの幅方向内側面及
び厚み方向表裏面から引き出した電極(●)との電位差
を検出する。
【0048】図6(j)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向両面と厚み方向裏面と他方のアームの幅
方向両面と厚み方向表面とから引き出した電極が基準電
位に接続され、出力は一方のアームの厚み方向表面から
引き出した電極(○)と、もう一方のアームの厚み方向
裏面から引き出した電極(●)との電位差を検出する。
【0049】図6(k)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向表面と他方のアームの厚み方向表面と
から引き出した電極が基準電位に接続され、一方のアー
ムの幅方向両面と厚み方向裏面から引き出した電極
(●)と他方のアームの幅方向両面と厚み方向裏面とか
ら引き出した電極(○)との電位差を検出する。
【0050】図6(l)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向内側面と他方のアームの幅方向内側面と
から引き出した電極が基準電位に接続され、一方のアー
ムの厚み方向表裏面とから引き出した電極(○)と他方
のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極(●)と
の電位差を検出する。
【0051】次に、図4(b)の検出電極構成を利用し
た電極構成を図7(a)〜(h)を参照して説明する。
図7(a)に示す電極構成は次の通りである。アーム2
0と22に設けた検出電極のうち、一方のアームの厚み
方向表裏面から引き出した電極と他方のアームの幅方向
両面から引き出した電極とを接続して第1の検出電極
(図の○)を構成し、一方のアームの幅方向両面から引
き出した電極と他方のアームの厚み方向表裏面から引き
出した電極とを接続して第2の検出電極(図の●)を構
成し、第1及び第2の検出電極の電位差を検出する。
【0052】図7(b)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向表裏面から引き出した電極と他方のア
ームの幅方向外側面から引き出した電極とを接続して第
1の検出電極(○)を構成し、一方のアームの幅方向外
側面から引き出した電極と他方のアームの厚み方向表裏
面から引き出した電極とを接続して第2の検出電極
(●)を構成し、第1及び第2の検出電極の電位差を検
出する。
【0053】図7(c)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向表裏面から引き出した電極と他方のア
ームの幅方向内側面から引き出した電極とを接続して第
1の検出電極(○)を構成し、一方のアームの幅方向内
側面から引き出した電極と他方のアームの厚み方向表裏
面から引き出した電極とを接続して第2の検出電極
(●)を構成し、第1及び第2の検出電極の電位差を検
出する。
【0054】図7(d)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向裏面から引き出した電極と他方のアー
ムの幅方向両面から引き出した電極とを接続して第1の
検出電極(○)を構成し、一方のアームの幅方向両面面
から引き出した電極と他方のアームの厚み方向表表面か
ら引き出した電極とを接続して第2の検出電極(●)を
構成し、第1及び第2の検出電極の電位差を検出する。
【0055】図7(e)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの幅方向内側面から引き出した電極と他方のアー
ムの幅方向外側面と厚み方向表裏面とから引き出した電
極とを接続して第1の検出電極(○)を構成し、一方の
アームの幅方向外側面と厚み方向表裏面とから引き出し
た電極と他方のアームの幅方向内側面から引き出した電
極とを接続して第2の検出電極(●)を構成し、第1及
び第2の検出電極の電位差を検出する。
【0056】図7(f)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向両面と幅方向内側面とから引き出した
電極と他方のアームの幅方向外側面とから引き出した電
極とを接続して第1の検出電極(○)を構成し、一方の
アームの幅方向外側面と他方の電極の厚み方向表裏面と
から引き出した電極と他方のアームの幅方向内側面とか
ら引き出した電極とを接続して第2の検出電極(●)を
構成し、第1及び第2の検出電極の電位差を検出する。
【0057】図7(g)に示す電極構成は次の通りであ
る。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方の
アームの厚み方向両面と幅方向外側面とから引き出した
電極と他方のアームの幅方向外側面とから引き出した電
極とを接続して第1の検出電極(○)を構成し、一方の
アームの幅方向内側面と他方の電極の厚み方向表裏面と
幅方向内側面とから引き出した電極とを接続して第2の
検出電極(●)を構成し、第1及び第2の検出電極の電
位差を検出する。
【0058】以上のように、検出電極を各アームの4面
又は3面に設けて上述の配線とすることで、簡単な構成
で回転角速度を精度良く検出することができる。図8に
は、図7(g)に示す電極構成を有する音叉型圧電振動
ジャイロの構成を示す図である。なお、電極構成を分か
りやすくするために、電極の厚み等は強調して図示して
ある。図8(a)は正面図、図8(b)は右側面図、図
8(c)は裏面図、及び図8(d)は平面図である。
【0059】検出電極26a、26b及び26dは一体
的に形成され、引き出し線31を介してベース24の表
面上に設けられた外部接続用の端子33に接続されてい
る。同様に、検出電極27a、27b及び27dは一体
的に形成され、引き出し電極線32を介してベース24
の表面上に設けられた外部接続用の端子34に接続され
ている。検出電極26cは引き出し電極線35を介し
て、外部接続用の端子37に接続されている。同様に、
検出電極27cは引き出し電極線36を介して、外部接
続用の端子38に接続されている。駆動電極28aは引
き出し電極線40を介して、外部接続用の端子39に接
続されている。ベース24の裏面に形成された駆動電極
28bは、ベース24に設けられたスルーホール43及
びベース24の表裏面を通る引き出し電極線42を介し
て、ベース24の表面に設けられた外部接続用の端子4
1に接続されている。
【0060】次に、上述した電極構成とは異なる電極構
成について説明する。上述した電極構成では、駆動電極
28a及び28bはベース24の表裏面上であって、ア
ーム20と22の根元付近に設けられていた。以下に説
明する電極構成では、駆動電極をアーム20と22の夫
々の表裏面上の内側に設けて、圧電単結晶の横圧電効果
を利用して駆動振動を起こすことを特徴とする。
【0061】図9は、この電極構成を示す図である。図
9(a)はジャイロの正面図、図9(b)はジャイロの
平面図である。略U字状パターンの駆動電極48a及び
48bが、ジャイロの表面及び裏面に図示するように設
けられている。駆動電極48aは、アーム20及び22
の表面上の内側部分及びベース24の表面上の根元付近
に設けられている。同様に、駆動電極48bは、アーム
20及び22の裏面上の内側部分及びベース24の裏面
上の根元付近に設けられている。
【0062】このような構成の駆動電極48a及び48
bに駆動電源OSCで駆動信号を与えると、図9(b)
の直線状の矢印で示すような内部電界が発生し、図9
(a)に示すような伸び振動(音叉振動)が発生する。
この状態(振動モードにある状態)で回転角速度が加わ
ると、図9(b)に示す変位に起因して曲線状の矢印で
示すような内部電界が発生する。従って、この内部電界
による電圧を検出することで回転角速度を検出すること
ができる。この電圧を検出ための検出電極を、アーム2
0及び22の表裏面の各々の外側部分に設けることがで
きる。
【0063】このような電極構成を図10に示す。図1
0(a)は上記電極構成を有する音叉型圧電振動ジャイ
ロの正面図、図10(b)は右側面図、図10(c)は
平面図である。駆動電極48a及び48bは前述したよ
うに設けられてる。図示する電極構成では、各アームご
とに3つの検出電極が設けられている。アーム20の厚
み方向表裏面及び幅方向外側面にはそれぞれ、検出電極
46a、46b及び46cが設けられている。同様に、
アーム22の厚み方向表裏面及び幅方向外側面にはそれ
ぞれ、検出電極47a、47b及び47cが設けられて
いる。検出電極46aと46bはそれぞれ、アーム20
の表面及び裏面の外側部分に配置されている。これによ
り、アーム20の表面及び裏面では夫々、内側に駆動電
極が外側に検出電極が位置するようにこれらの電極が並
んで設けられている。アーム22においても同様であ
る。なお、図10では、引き出し電極線や外部接続用端
子等は便宜上省略してある。
【0064】なお、図10に示す構成において、容量比
は一例として、駆動電極側で136であり、検出電極側
で278であり、従来構成のように駆動側と検出側で容
量比が大きくことなるようなことはない。図11は図1
0に示す電極配置における電極構成を示す図である。図
11(a)は2つの検出電極間の電位差で回転角速度を
検出する構成であり、図11(b)、(c)は基準電極
に対する2つの電極の電位差(差動増幅)で回転角速度
を検出する構成である。
【0065】図11(a)に示す電極構成は次の通りで
ある。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方
のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極と他方の
アームの幅方向外側面から引き出した電極とを接続した
第1の検出電極(○)と、一方のアームの幅方向外側面
から引き出した電極と他方のアームの厚み方向表裏面か
ら引き出した電極とを接続した第2の検出電極(●)と
の電位差を検出する。
【0066】図11(b)に示す電極構成は次の通りで
ある。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方
のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極と他方の
アームの厚み方向表裏面から引き出した電極とを基準電
位に接続し、一方のアームの幅方向外側面から引き出し
た電極(○)と、他方のアームの幅方向外側面から引き
出した電極(●)との電位差を検出する。
【0067】図11(c)に示す電極構成は次の通りで
ある。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方
のアームの幅方向外側面から引き出した電極と他方のア
ームの幅方向外側電極から引き出した電極とを基準電位
に接続し、一方のアームの厚み方向表裏面から引き出し
た電極(●)と、他方のアームの厚み方向表裏面から引
き出した電極(○)との電位差を検出する。
【0068】図12は図10に示す音叉型圧電振動ジャ
イロの変形例であり、(a)は正面図、(b)は右側面
図、(c)は平面図である。駆動電極58aと58bは
それぞれジャイロの厚み方向表面と裏面に設けられてお
り、かつ各アーム内側に設けられた部分を有する。ま
た、駆動電極58aと58bのベース24の表裏面上に
設けられた部分58a’と58b’は、図5に示す駆動
電極に類似している。すなわち、駆動電極58aと58
bはベース24及びアーム20、22の内側で作用する
圧電横効果による音叉振動を駆動する。駆動電極58a
は引き出し電極線61を介して外部接続用端子60に接
続されている。また、駆動電極58bは引き出し電極線
68及びベース24に設けられたスルーホール66を介
して、ベース24の表面に設けられた外部接続用端子6
7に接続されている。
【0069】各アーム20、22に対しそれぞれ3つの
検出電極が設けられている。アーム20の厚み方向表裏
面及び幅方向外側面にはそれぞれ、検出電極56a、5
6b及び56cが設けられている。同様に、アーム22
の厚み方向表裏面及び幅方向外側面にはそれぞれ、検出
電極57a、57b及び57cが設けられている。これ
らの検出電極は、前述の図11(a)に示すように接続
されている。検出電極56aは引き出し電極線63を介
して外部接続用端子62に接続され、検出電極56bは
引き出し電極線70及びスルーホール69を介して引き
出し電極線63に接続されている。また、検出電極56
cは引き出し電極線74を介して外部接続用端子73に
接続されている。同様に、検出電極57aは引き出し電
極線65を介して外部接続用端子64に接続され、検出
電極57bは引き出し電極線72及びスルーホール71
を介して引き出し電極線65に接続されている。また、
検出電極57cは引き出し電極線76を介して外部接続
用端子75に接続されている。
【0070】駆動電極は各アーム20、22の表裏面の
内側部分ではなく、外側部分に設ける構成であっても、
圧電横効果による音叉振動を駆動することができる。図
13は、この電極構成を有する音叉型圧電振動ジャイロ
を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図であ
る。アーム20、22の表裏面の外側及びベース24の
表裏面にそれぞれ、一体的に駆動電極78a及び78b
が設けられている。この駆動電極78aと78bに図1
3(b)に示すように駆動電源OSCを接続すると、圧
電横効果により図13(b)の直線の矢印で示す内部電
界が発生し、これによりアーム20と22が図13
(a)で示すようにたわみ、音叉振動が発生する。この
状態(駆動モード)で回転角速度がジャイロに加わる
と、図13(b)に示す曲線の矢印のように内部電界が
発生する。この内部電界による電圧を検出することで、
回転角速度を検出できる。
【0071】アーム20の厚み方向表裏面にはそれぞ
れ、検出電極76a及び76bが設けられ、幅方向内側
面には検出電極76cが設けられている。同様に、アー
ム22の厚み方向表裏面にはそれぞれ、検出電極77a
及び77bが設けられ、幅方向内側面には検出電極77
cが設けられている。
【0072】図14は、上記検出電極の接続を示す図で
ある。図14(a)は2つの検出電極間の電位差で回転
角速度を検出する構成であり、図14(b)、(c)は
基準電極に対する2つの電極の電位差(差動増幅)で回
転角速度を検出する構成である。
【0073】図14(a)に示す電極構成は次の通りで
ある。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方
のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極と他方の
アームの幅方向内側面から引き出した電極とを接続した
第1の検出電極(○)と、一方のアームの幅方向内側面
から引き出した電極と他方のアームの厚み方向表裏面か
ら引き出した電極とを接続した第2の検出電極(●)と
の電位差を検出する。
【0074】図14(b)に示す電極構成は次の通りで
ある。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方
のアームの厚み方向表裏面から引き出した電極と他方の
アームの厚み方向表裏面から引き出した電極とを基準電
位に接続し、一方のアームの幅方向内側面から引き出し
た電極(○)と、他方のアームの幅方向内側面から引き
出した電極(●)との電位差を検出する。
【0075】図14(c)に示す電極構成は次の通りで
ある。アーム20と22に設けた検出電極のうち、一方
のアームの幅方向内側面から引き出した電極と他方のア
ームの幅方向内側電極から引き出した電極とを基準電位
に接続し、一方のアームの厚み方向表裏面から引き出し
た電極(●)と、他方のアームの厚み方向表裏面から引
き出した電極(○)との電位差を検出する。
【0076】図15は、図14(b)に示す電極構成を
有する音叉型圧電振動ジャイロを示す図であり、(a)
は正面図、(b)は平面図である。駆動電極88a及び
88bはそれぞれ、ジャイロの表面及び裏面に図示する
ように設けられている。駆動電極88bは、ベース24
に設けられたスルーホール94を通る引き出し電極線9
5を介して、外部接続用の端子96に接続されている。
また、アーム20及び22の表面に設けられる検出電極
は、ベース24の表面に設けられた接続部分を介して一
体的に構成された検出電極86aである。同様に、アー
ム20及び22の裏面に設けられる検出電極は、ベース
24の裏面に設けられた接続部分を介して一体的に構成
された検出電極86bである。検出電極86bはスルー
ホール90を通る引き出し電極線91を介して外部接続
用端子92に接続されている。また、検出電極86aは
引き出し電極線93を介して外部接続用端子92に接続
されている。
【0077】図16は、本発明の音叉型圧電振動ジャイ
ロの出力電圧を検出する検出回路の構成及び動作を説明
するための図である。図16中、参照番号100は、前
述した本発明の音叉型圧電振動ジャイロである。検出回
路は、演算増幅器OP1、OP2、OP3と、抵抗R1
〜R10と、キャパシタC1〜C3とを有する。ジャイ
ロ100の出力out1及びout2はそれぞれ、抵抗
R2及びR3を介して演算増幅器OP1及びOP2の非
反転入力端子に与えられる。演算増幅器OP3の出力端
子は、検出回路の出力端子を構成する。
【0078】発振器OSCで矩形波をジャイロ100に
与えると、その出力電圧波形は静電結合等によるもれ出
力成分を含む。演算増幅器OP1及びOP2はそれぞ
れ、ジャイロ100の出力out1及びout2を増幅
し、演算増幅器OP3は演算増幅器OP1及びOP2の
出力を差動増幅する。演算増幅器OP3の出力波形から
分かるように、静電結合等のもれを差動増幅により取り
去る(キャンセルする)ことができる。
【0079】以上、本発明を説明した。上記実施の形態
からわかるように、従来技術に比べ簡単な構成で不要振
動を検出することなく高精度かつ回転角速度を検出でき
る。また、配線は簡単であり、量産化に適している。と
ころで、上記実施の形態では検出電極を各アームの4面
又は3面に設ける必要があるが、本発明者は各アームの
2面にのみ駆動電極及び検出電極を設け、必要な感度を
維持でき、簡単な電極構成で量産化に適した音叉型圧電
振動ジャイロの構成を検討した。この検討は、図17に
示す事項をベースに図18に示す駆動モードと検出モー
ドとの電界分布の違いに着目したものである。以下の説
明は、既に説明した事項と一部重複する部分を含むが、
これは説明を判りやすくするためである。
【0080】まず、図17(a)、(c)はそれぞれ同
一の音叉型圧電振動ジャイロを示す斜視図である。な
お、圧電単結晶等の圧電体で構成される素子部分のみを
示し、電極の図示は省略してある。音叉型圧電振動ジャ
イロ100は2つのアーム112、114とこれらと一
体的に形成されたベース116とを有する。
【0081】図17(a)に示すアーム112、114
の表面及び裏面の外側部分に、図17(b)に示すよう
に電極131、132、137、138を設け、電極1
31と132との間及び電極137と138との間に駆
動電圧を印加すると、図17(b)のアーム112、1
14内に示す矢印の通り電界が発生し、図17(a)及
び(b)の矢印で示すように、圧電横効果によりアーム
112、114の外側部分が伸縮運動をする。この伸縮
運動により、アーム112、114に音叉振動(面内振
動又はfxモード振動ともいう)が励振できる。
【0082】この音叉振動の振動軸に回転運動が加わる
と、次式の運動方程式のような振動方向と垂直方向にコ
リオリ力が発生する。 Zx ηx ≒Fx +2my Ω0 ηyy ηy ≒Fy −2mx Ω0 ηx ここで、Zx 、Zy はそれぞれ図19に示すX軸及びY
軸方向の機械的インピーダンス、ηx 、ηy はそれぞれ
x軸及びy軸方向の速度、Fx 、Fy はそれぞれX軸及
びY軸方向のコリオリ力、mx 、my はそれぞれx軸及
びy軸方向の質量、Ω0 は角速度である。なお、図18
に示す音叉は圧電単結晶からなり、回転軸をX軸とし
て、例えば、LiTaO3 40°±20°回転Z板やL
iNbO350°±20°回転Z板等の三方晶を用いる
ことができる。なお、圧電単結晶の結晶方位はその厚み
方向におけるものである。
【0083】そこで、図17(d)に示すように、2つ
のアーム112、114に上記音叉振動に垂直な方向の
振動(面垂直振動又はfyモード振動ともいう)を検出
する電極133、134、135、136を構成してお
けば、コリオリ力を受けて互いに逆方向にたわんだアー
ムから電気的出力(角速度に比例した電圧)を得ること
ができる。この場合において、本発明者は図18に示す
駆動モードと検出モードとの電荷分布の違いに着目し
て、電荷分布の大きい箇所に電極を配置することで、4
面又は3面といった電極は必要なく、各アームの2面の
みで検出モードを受けることができることを見い出し
た。
【0084】図18(A)は、fxモードの電界分布を
示し、図18(B)はfyモードの電界分布を示す。図
18(A)、(B)において、記号A〜Hはそれぞれ、
アーム112、114内に発生した電荷分布(及びその
ポテンシャル)を示し、”+”と”−”はそれぞれ電荷
の極性を示す。また、矢印は電界を示す。
【0085】図18(A)は、図17(b)に示す電極
構成で音叉振動を駆動した場合を示す。また、図18
(B)は、図18(A)に示す状態で角速度によるコリ
オリ力が発生した場合の電荷分布を示す。異方性に起因
して発生する電荷の発生場所、極性及び電荷量が図示す
るようになることが判った。本発明では、図18(B)
に示す電荷分布において、電荷の最大又は比較的大きい
場所と最低又は比較的小さい場所に電極を設け、ここに
発生する電位差を出力することにより角速度を検出す
る。例えば、図18(B)の電荷分布AとEの電位差を
検出するように電極を配列する。より特定すれば、アー
ム112と114の上面(図18(B)において電界分
布A、E側を上面、電界分布C、G側を下面とする)の
内側部分に電極を設ける。この電極構成は、図17
(d)に示す電極133と135に相当する。原理的に
は、この電極133と135のみでコリオリ力による発
生した電位差を検出できるが、図17(d)に示す電極
134と136を設けて電界分布CとGの電位差を検出
するようにすることで、感度は向上する。
【0086】なお、図18(A)において、A〜Hをポ
テンシャル(電位)とすると、これらの大小関係は次の
通りである。 A=−D=−E=H>−B=C=F=−G また、図18(B)において、電位A〜Hの大小関係は
次の通りである。
【0087】A=−E>−B=−D=F=H>C=G なお、図18に示す電荷分布からは、必ずしも図17
(d)に示すように内側部分の電極からコリオリ力によ
る電位差を検出することに限られるものではなく、図1
7(b)に示すような外側部分の電極を用いて電位差を
検出しても良いことが判る。例えば、上記外側部分の電
極を検出電極として用いて電荷分布AとEのポテンシャ
ル差を検出する場合には、外側部分には電荷分布AとE
の広がりが内側部分に比べて小さいので検出感度は落ち
るが、電荷分布AとEのポテンシャル差を検出できる。
【0088】以上のように、4面又は3面に検出電極を
設けることなく、検出電極と駆動電極を各アームの2面
のみに設けることで、コリオリ力による電位差(角速度
に比例した電圧)を検出することができる。図20は、
上記電極131〜138を有する本発明の音叉型圧電振
動ジャイロの斜視図である。図20では、電極131〜
138が設けられたアーム112、114の表面に対向
する裏面に設けられた同様の電極は見えないが、電極1
31〜138と同様に設けられている。なお、参照番号
141〜144はそれぞれ電極132、134、13
6、138の引き出し電極であり、また参照番号145
〜148はそれぞれ引き出し電極141〜144に接続
された外部接続用の端子である。
【0089】以下、図18に基づく第1ないし第9電極
構成例について説明する。図21は、第1の電極構成例
を示す図である。同図において、アーム112、114
の中心より内側に位置する電極134、136は検出電
極として機能し、外側に位置する電極131、137は
駆動電極として機能する。検出電極134、136と駆
動電極131、137とはアーム112、114の異な
る面側に設けられている。その他の電極は接地電位を基
準電位とする接地電極として機能する。破線の矢印は電
界を示す。駆動電極131及び137に駆動電圧を印加
すると矢印の電界が発生してアーム112、114が振
動する。この状態でコリオリ力を検出すると、電極13
4と136の間にコリオリ力による角速度に比例した電
位差が生じる。なお、電極133と135を接地してい
るので、アーム112と114との間の電気的結合を小
さく抑さえることができる。
【0090】図22は、第2の電極構成例を示す図であ
る。同図において、アーム112、114の中心より外
側に位置する電極132、138は検出電極として機能
し、内側に位置する電極133、135は駆動電極とし
て機能する。検出電極132、138と駆動電極13
3、135とはアーム112、114の異なる面側に設
けられている。その他の電極は接地電極として機能す
る。図22に示すように、検出電極132、138をア
ーム112、114の外側に設けても、これらの電極間
にコリオリ力による角速度に比例した電位差が発生す
る。
【0091】図23は、第3の電極構成例を示す図であ
る。図23に示すように、電極133と134は相互に
接続され、電極135と136は相互に接続され、検出
電極を構成する。電極131、137は駆動電極として
機能する。また、電極132、138は接地電極として
機能する。検出電極133と134を接続することで図
18(B)の電極分布AとCの電荷が加算され、検出電
極135と136を接続することで図18(B)の電極
分布EとGの電荷が加算される。よって、図23の電極
構成は、図21や図22の電極構成に比べ検出感度が高
い。
【0092】図24は、第4の電極構成例を示す図であ
る。図24に示す構成は図21及び図22に示す構成と
は異なり、検出電極及び駆動電極ともアーム112、1
14の同一面側に設けられており、更にアーム112、
114のそれぞれの反対側のほぼ面に電極132A、電
極138Aを設けたことを特徴とする。電極131と1
37は駆動電極として用いられ、電極133と135は
検出電極として用いられる。更に、電極132Aと13
8A(以下、全面電極ともいう)は接地電極として用い
られる。アーム112からアーム114方向に電界が発
生し、角速度に比例した電極133と135との間の電
位差を検出できる。
【0093】図25は、第5の電極構成例を示す図であ
る。第5の電極構成は、電極133と135が駆動電極
と検出電極を兼ねることを特徴とする。以下、このよう
な電極を共通電極ともいう。矩形波を発生する駆動源1
51の一端は接地され、他端は演算増幅器(以下、オペ
アンプという)152、153の非反転入力端子に接続
されている。オペアンプ152、153の反転入力端子
はそれぞれ電極133、135に接続されている。電極
131、132A、137及び138は接地されてい
る。
【0094】図26は、図25に示すオペアンプ153
及びその周辺回路素子(図25では省略してある)から
なる差動増幅回路を示す図である。オペアンプ153の
出力電圧は抵抗R1とR2で抵抗分割され、分圧電圧が
反転入力端子に与えられる。オペアンプ152の周辺回
路も、図26に示すように構成されている。オペアンプ
152、153の非反転入力端子及び反転入力端子はイ
マジナリーショートの状態にあるので、駆動源151が
出力する矩形波の駆動電圧はオペアンプ152、153
を通して電極133、135に与えられる。この状態で
コリオリ力が作用すると、アーム112と114の電極
に符号の異なる電荷が蓄積される。図25の2本の横方
向矢印は、この蓄積された電荷による電界を示す。これ
をオペアンプ152、153で矩形波と比較すること
で、電極133と135との間の電位差に相当する電
圧、すなわち角速度に比例する電圧A−Bが得られる。
【0095】図27は、第6の電極構成例を示す図であ
る。図27に示す構成は、アーム112と114に蓄積
される電荷の電荷量に起因した電位差を、各アーム11
2、114の両面から検出するものである。このため
に、先に説明したオペアンプ152、153に加え新た
にオペアンプ154、155を設けている。オペアンプ
154、155の非反転入力端子はオペアンプ152、
153の非反転入力端子とともに接地され、反転入力端
子はそれぞれ電極132A、138Aに接続されてい
る。駆動電圧は電極131と137に与えられる。コリ
オリ力に起因してアーム112に発生した電荷量はオペ
アンプ152、154の出力の和(A+C)に相当し、
アーム114に発生した電荷量はオペアンプ153、1
55の出力の和(B+D)に相当する。よって、角速度
に比例した検出出力は(A+C)−(B+D)となる。
図27に示す構成は図25に示す構成に比べて回路が多
少複雑になるが、検出感度は向上する。
【0096】図28は、第7の電極構成例を示す図であ
る。この電極構成は、図27に示す電極構成を簡素化し
たものに相当する。すなわち、オペアンプ152、15
3を取り除き、アーム112、114の一方の側からの
み検出電圧A−Bを得る構成である。図27に示す構成
に比べ、図28に示す構成は簡略化されている半面、検
出感度は多少劣化する。なお、端子133と135を接
地しているので、アーム112と114との間の電気的
結合を小さく抑さえることができる。
【0097】図29は、第8の電極構成例を示す図であ
る。この構成では、アーム112、114の両面の電極
を共通電極として用い、共通電極を介して駆動電圧を印
加し検出電圧を検出する。オペアンプ152の反転入力
端子は電極133と132に接続され、オペアンプ15
3の反転入力端子は電極135と138に接続されてい
る。また、オペアンプ154の反転入力端子は電極13
4と131に接続され、オペアンプ155の反転入力端
子は電極136と137に接続されている。駆動電圧は
アーム112、114の各々の両面から与えられるの
で、各アーム内には両方向に電界が発生する。コリオリ
力によりアーム112、114の各々に発生した電荷量
の差は、オペアンプ152〜155を介して検出出力
(A+C)−(B+D)として得られる。図29に示す
構成は、検出感度が良い半面、回路が多少複雑である。
【0098】図30は、第9の電極構成例を示す図であ
る。この構成は、図29に示す第8の電極構成例を簡略
化したものに相当する。具体的には、駆動電圧をアーム
112、114の一方からのみ与える構成である。駆動
電圧はオペアンプ152、153を介して電極133、
135に与えられる。また、電極133と135に対向
するアーム112、114の面には、全面電極132
A、138Aが設けられている。全面電極132Aはオ
ペアンプ154の反転入力端子と電極131に接続され
ている。また、全面電極138Aはオペアンプ155の
反転入力端子と電極137に接続されている。角速度に
比例した検出出力は(A+C)−(B+D)となる。図
30に示す構成は図29に示す構成よりも簡単である。
【0099】なお、上記実施の形態では、各電極131
〜138は同一サイズの電極パターンであり、また電極
132A、138Aも同一サイズの電極パターンである
が、電荷分布等を考慮して、異なるサイズの電極パター
ンとしてもよい。図31は、電極サイズと3つのパラメ
ータとの関係を示す図である。より詳細には、図31
(a)は電極サイズと共振抵抗(kΩ)との関係、図3
1(b)は電極サイズと容量比(γ)との関係、図31
(c)は電極サイズとQ値との関係を示すグラフであ
る。電極サイズは、2つのアームの対向する2面の全面
に電極を設け、レーザ光で2つのアームの電極を同じ量
だけトリミングして次第に面積を縮小していった場合の
各アームの各面毎の総面積である。Q値が最大で容量比
(γ)が最小となるような面積が好ましい。今、電極サ
イズが2mm2 とした場合、各アーム幅を1.0mmと
し、アーム長さを7.5mmとすると、各アームの2つ
の対向する面の各々に設けられる電極は、アーム幅1.
0mmの半分以下の大きさ(例えば0.3mm)で良い
ことがわかる。よって、各面の駆動電極の幅のトータル
をアーム幅よりも小さくしても、良好にfxモードの振
動を発生させることがわかる。
【0100】図32は、検出電極サイズと上記3つのパ
ラメータとの関係を示す図である。より詳細には、図3
2(a)は検出電極サイズと共振抵抗(kΩ)との関
係、図31(b)は検出電極サイズと容量比(γ)との
関係、図31(c)は検出電極サイズとQ値との関係を
示すグラフである。検出電極サイズは、2つのアームの
対向する2面の全面に電極を設け、レーザ光で2つのア
ームの電極を同じ量だけトリミングして次第に面積を縮
小していった場合の各アームの各面毎の総面積である。
Q値が最大で容量比(γ)が最小となるような面積が好
ましい。図32から、検出電極はできるだけ大きいほう
が上記条件を満足する。
【0101】以上、図31及び図32から、駆動電極は
相対的に小さく、検出電極は相対的に大きくすれば、検
出電極の容量比を小さくする、すなわち感度を上げるこ
とができる。以上、本発明の実施の形態を説明した。上
記の説明から分かるように、本発明では各アームの2面
にのみ電極を設ける構成のため、必要な感度を維持で
き、より簡単な電極構成でより量産化に適している。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が得られる。請求項1に記載の発明によれば
圧電横効果を利用しているので、駆動電極及び検出電極
の構成、配置や接続を従来とは異なるものとすることが
でき、高感度、高精度で量産化に適した音叉型圧電振動
ジャイロを提供することができる。
【0103】請求項2に記載の発明によれは、ベースに
駆動電極を設けることで、駆動電極及び検出電極の構成
及び配線を簡単にすることができる。請求項3に記載の
発明によれば、各アームの内側部分に駆動電極を設ける
ことで、音叉振動を起こすことができる。
【0104】請求項4に記載の発明によれば、各アーム
の外側部分に駆動電極を設けることで、音叉振動を起こ
すことができる。請求項5に記載の発明によれば、各ア
ームの夫々の少なくとも3面上に検出電極を設ければ良
く、検出電極の構成及び配線は簡単化可能である。
【0105】請求項6及び7に記載の発明によれば、簡
単な検出電極の構成が可能となる。請求項8に記載の発
明によれば、駆動電極をベースに設けることで、第1及
び第2には検出電極のみを設けることができるようにな
り、特に配線や電極形成が容易になり、量産化に適して
いる。
【0106】請求項9に記載の発明によれば、駆動電極
を内側部分に設けることで、検出電極を外側部分に設け
ることができるようになり、特に配線や電極形成が容易
になり、量産化に適している。請求項10に記載の発明
によれば、駆動電極を外側部分に設けることで、検出電
極を内側部分に設けることができるようになり、特に配
線や電極形成が容易になり、量産化に適している。
【0107】請求項12に記載の発明によれば、第1の
アーム、第2のアーム及びこれらを支持するベースを有
する音叉型圧電振動ジャイロにおいて、前記第1及び第
2のアームのそれぞれの所定の2面にのみ音叉振動を駆
動させる駆動電極と、回転角速度を検出する検出電極
と、基準電位に設定された接地電極とを設けたことによ
り、必要な感度を維持でき、簡単な電極構成で量産化に
適した音叉型圧電振動ジャイロを提供することができ
る。
【0108】請求項13に記載の発明によれば、前記駆
動電極は第1及び第2のアームの各々の第1の面に設け
られ、前記検出電極は前記第1の面に対向する第1及び
第2のアームの各々の第2の面に設けられ、角速度に応
じた電圧は、第1及び第2のアームの第2の面にそれぞ
れ設けられた検出電極間の電位差として得られることと
したため、必要な感度を維持でき、簡単な電極構成で量
産化に適した音叉型圧電振動ジャイロを提供することが
できる。
【0109】請求項14に記載の発明によれば、請求項
1において、前記駆動電極は第1及び第2のアームの各
々の第1の面に設けられ、前記検出電極は第1及び第2
のアームの各々の第1の面に設けられ、角速度に応じた
電圧は、第1及び第2のアームの第1の面にそれぞれ設
けられた検出電極間の電位差として得られることとした
ため、必要な感度を維持でき、簡単な電極構成で量産化
に適した音叉型圧電振動ジャイロを提供することができ
る。
【0110】請求項15に記載の発明によれば、前記駆
動電極は第1及び第2のアームの各々の第1の面に設け
られ、前記検出電極は第1及び第2のアームの各々の第
1の面、並びに前記第1の面に対向する第1及び第2の
アームの各々の第2の面に設けられ、角速度に応じた電
圧は、第1のアームの第1及び第2の面に設けられた検
出電極と、第2のアームの第1及び第2の面に設けられ
た検出電極との間の電位差としたため、より感度が良
く、簡単な電極構成で量産化に適した音叉型圧電振動ジ
ャイロを提供することができる。
【0111】請求項16に記載の発明によれば、前記駆
動電極は前記検出電極を兼ねており、角速度に応じた電
圧は第1及び第2のアームに設けた駆動電極から所定の
差動増幅回路を介して電位差として得られることとした
ため、必要な感度を維持しつつ、より簡単な電極構成で
量産化に適した音叉型圧電振動ジャイロを提供すること
ができる。
【0112】請求項17に記載の発明によれば、前記駆
動電極は前記検出電極を兼ねており、第1及び第2のア
ームの各々のいずれか一方の面に設けられ、角速度に応
じた電圧は第1及び第2のアームに設けた駆動電極から
所定の差動増幅回路を介して電位差として得られること
としたため、必要な感度を維持しつつ、簡単な電極構成
で量産化に適した音叉型圧電振動ジャイロを提供するこ
とができる。
【0113】請求項18に記載の発明によれば、前記駆
動電極は前記検出電極を兼ねており、第1及び第2のア
ームの各々の対向する面の両方に設けられ、角速度に応
じた電圧は第1のアームに設けた駆動電極と第2のアー
ムに設けた駆動電極とを入力とする所定の差動増幅回路
を介して電位差として得られることとしたため、より感
度が良く、簡単な電極構成で量産化に適した音叉型圧電
振動ジャイロを提供することができる。
【0114】請求項19ないし21に記載の発明によれ
ば、容易に入手できる一般的な圧電物質を用いて、必要
な感度を維持しつつ、簡単な電極構成で量産化に適した
音叉型圧電振動ジャイロを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】本発明により不要振動が検出されない原理を説
明する図である。
【図3】本発明により回転角速度を検出する電極構成を
示す図である。
【図4】本発明により回転角速度を検出する別の電極構
成を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図6】図5に示す検出電極の構成と配線例を示す図で
ある。
【図7】図5に示す検出電極の別の構成と配線例を示す
図である。
【図8】図7(g)に示す電極構成を有する音叉型圧電
振動ジャイロの構成を示す図である。
【図9】音叉振動を駆動する駆動電極の別の構成例の原
理を示す図である。
【図10】図9に示す構成に基づく音叉型圧電振動ジャ
イロの構成を示す図である。
【図11】図10に示す検出電極の構成と配線例を示す
図である。
【図12】図10に示す構成の変形例を示す図である。
【図13】音叉振動を駆動する駆動電極の更に別の構成
例の原理を示す図である。
【図14】図13に示す検出電極の構成と配線例を示す
図である。
【図15】図13に示す構成に基づく音叉型圧電振動ジ
ャイロの構成を示す図である。
【図16】本発明の音叉型圧電振動ジャイロの出力電圧
を検出する検出回路の構成及び動作を説明するための図
である。
【図17】音叉型圧電振動ジャイロの2面電極構成の動
作原理を説明するための図である。
【図18】音叉型圧電振動ジャイロの振動モードの電荷
分布を示す図である。
【図19】圧電単結晶の結晶方位を示す図である。
【図20】本発明の2面電極構成の一実施の形態を示す
斜視図である。
【図21】本発明による第1の電極構成例を示す図であ
る。
【図22】本発明による第2の電極構成例を示す図であ
る。
【図23】本発明による第3の電極構成例を示す図であ
る。
【図24】本発明による第4の電極構成例を示す図であ
る。
【図25】本発明による第5の電極構成例を示す図であ
る。
【図26】図9に示す構成で用いられる差動増幅回路を
示す図である。
【図27】本発明による第6の電極構成例を示す図であ
る。
【図28】本発明による第7の電極構成例を示す図であ
る。
【図29】本発明による第8の電極構成例を示す図であ
る。
【図30】本発明による第9の電極構成例を示す図であ
る。
【図31】電極サイズと各パラメータとの関係を示す図
である。
【図32】検出電極サイズと各パラメータとの関係を示
す図である。
【図33】従来の音叉型圧電振動ジャイロの一構成例を
示す図である。
【図34】従来の音叉型圧電振動ジャイロの別の構成例
を示す図である。
【図35】従来の音叉型圧電振動ジャイロの更に別の構
成例を示す図である。
【図36】従来技術の問題点を示す図である。
【符号の説明】
20 アーム 22 アーム 24 ベース 26a〜26d 検出電極 27a〜27b 検出電極 28a、28b 駆動電極 46a〜46c 検出電極 47a〜47c 検出電極 48a、48b 駆動電極 56a〜56c 検出電極 57a〜57c 検出電極 58a、58b 駆動電極 86a〜86c 検出電極 87a〜87c 検出電極 88a、88b 駆動電極 100 本発明の音叉型圧電振動ジャイロ 110 音叉型圧電振動ジャイロ 112 アーム 114 アーム 116 ベース 131〜138 電極 132A、138A 全面電極 141〜144 引き出し電極 145〜148 端子 151 駆動源 152〜155 演算増幅器(オペアンプ) R1、R2 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 正明 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 藤原 嘉朗 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 山田 澄夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 石川 寛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のアーム、第2のアーム及びこれら
    を支持するベースを有する音叉型圧電振動ジャイロにお
    いて、 圧電横効果により音叉振動を駆動させる駆動電極と、 前記第1及び第2のアームに回転角速度を検出する検出
    電極を設けたことを特徴とする音叉型圧電振動ジャイ
    ロ。
  2. 【請求項2】 前記駆動電極は前記ベースの表面及び裏
    面上にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  3. 【請求項3】 前記駆動電極は、前記第1及び第2のア
    ームの夫々の表面及び裏面の内側部分と前記ベースの表
    面及び裏面上にそれぞれ一体的に設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  4. 【請求項4】 前記駆動電極は、前記第1及び第2のア
    ームの夫々の表面及び裏面の外側部分と前記ベースの表
    面及び裏面上にそれぞれ一体的に設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  5. 【請求項5】 前記検出電極は、第1及び第2のアーム
    の夫々の少なくとも3面上に設けられていることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の音叉型圧
    電振動ジャイロ。
  6. 【請求項6】 前記検出電極は第1及び第2のグループ
    を構成するように接続され、回転角速度に応じた電圧を
    第1及び第2のグループで得られる電位差として出力す
    ることを特徴とする請求項5記載の音叉型圧電振動ジャ
    イロ。
  7. 【請求項7】 前記検出電極は第1、第2及び第3のグ
    ループを構成するように接続され、回転角速度に応じた
    電圧を第1のグループを基準とした第2及び第3のグル
    ープで得られる電位差として出力することを特徴とする
    請求項5記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  8. 【請求項8】 前記検出電極は前記第1及び第2のアー
    ムの夫々の表面及び裏面上に設けられていることを特徴
    とする請求項2記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  9. 【請求項9】 前記検出電極は、前記第1及び第2のア
    ームの夫々の表面及び裏面の外側部分に設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の音叉型圧電振動ジャイ
    ロ。
  10. 【請求項10】 前記検出電極は、前記第1及び第2の
    アームの夫々の表面及び裏面の内側部分に設けられてい
    ることを特徴とする請求項4記載の音叉型圧電振動ジャ
    イロ。
  11. 【請求項11】 前記第1のアーム、第2のアーム及び
    これらを支持するベースは圧電単結晶で一体的に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれ
    か一項記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  12. 【請求項12】 第1のアーム、第2のアーム及びこれ
    らを支持するベースを有する音叉型圧電振動ジャイロに
    おいて、 前記第1及び第2のアームのそれぞれの所定の2面にの
    み音叉振動を駆動させる駆動電極と、回転角速度を検出
    する検出電極と、基準電位に設定された接地電極とを設
    けたことを特徴とする音叉型圧電振動ジャイロ。
  13. 【請求項13】 前記駆動電極は第1及び第2のアーム
    の各々の第1の面に設けられ、 前記検出電極は前記第1の面に対向する第1及び第2の
    アームの各々の第2の面に設けられ、 角速度に応じた電圧は、第1及び第2のアームの第2の
    面にそれぞれ設けられた検出電極間の電位差として得ら
    れることを特徴とする請求項12記載の音叉型圧電振動
    ジャイロ。
  14. 【請求項14】 前記駆動電極は第1及び第2のアーム
    の各々の第1の面に設けられ、 前記検出電極は第1及び第2のアームの各々の第1の面
    に設けられ、 角速度に応じた電圧は、第1及び第2のアームの第1の
    面にそれぞれ設けられた検出電極間の電位差として得ら
    れることを特徴とする請求項12記載の音叉型圧電振動
    ジャイロ。
  15. 【請求項15】 前記駆動電極は第1及び第2のアーム
    の各々の第1の面に設けられ、 前記検出電極は第1及び第2のアームの各々の第1の
    面、並びに前記第1の面に対向する第1及び第2のアー
    ムの各々の第2の面に設けられ、 角速度に応じた電圧は、第1のアームの第1及び第2の
    面に設けられた検出電極と、第2のアームの第1及び第
    2の面に設けられた検出電極との間の電位差として得ら
    れることを特徴とする請求項12記載の音叉型圧電振動
    ジャイロ。
  16. 【請求項16】 前記駆動電極は前記検出電極を兼ねて
    おり、角速度に応じた電圧は第1及び第2のアームに設
    けた駆動電極から所定の差動増幅回路を介して電位差と
    して得られることを特徴とする請求項12記載の音叉型
    圧電振動ジャイロ。
  17. 【請求項17】 前記駆動電極は前記検出電極を兼ねて
    おり、第1及び第2のアームの各々のいずれか一方の面
    に設けられ、角速度に応じた電圧は第1及び第2のアー
    ムに設けた駆動電極から所定の差動増幅回路を介して電
    位差として得られることを特徴とする請求項12記載の
    音叉型圧電振動ジャイロ。
  18. 【請求項18】 前記駆動電極は前記検出電極を兼ねて
    おり、第1及び第2のアームの各々の対向する面の両方
    に設けられ、角速度に応じた電圧は第1のアームに設け
    た駆動電極と第2のアームに設けた駆動電極とを入力と
    する所定の差動増幅回路を介して電位差として得られる
    ことを特徴とする請求項12記載の音叉型圧電振動ジャ
    イロ。
  19. 【請求項19】 第1のアーム、第2のアーム及びこれ
    らを支持するベースは、圧電単結晶で一体的に形成され
    ていることを特徴とする請求項12ないし18のいずれ
    か一項記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  20. 【請求項20】 前記圧電単結晶はLiTaO3 40°
    ±20°回転Z板であることを特徴とする請求項11又
    は19記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
  21. 【請求項21】 前記圧電単結晶はLiNbO3 50°
    ±20°回転Z板であることを特徴とする請求項11又
    は19記載の音叉型圧電振動ジャイロ。
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