JPH09279121A - 接着剤組成物および該組成物からなる接続部材 - Google Patents

接着剤組成物および該組成物からなる接続部材

Info

Publication number
JPH09279121A
JPH09279121A JP9207596A JP9207596A JPH09279121A JP H09279121 A JPH09279121 A JP H09279121A JP 9207596 A JP9207596 A JP 9207596A JP 9207596 A JP9207596 A JP 9207596A JP H09279121 A JPH09279121 A JP H09279121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curing agent
adhesive composition
resin
epoxy resin
cyanate ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9207596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3885896B2 (ja
Inventor
Isao Tsukagoshi
功 塚越
Kazuya Matsuda
和也 松田
Koji Kobayashi
宏治 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP09207596A priority Critical patent/JP3885896B2/ja
Publication of JPH09279121A publication Critical patent/JPH09279121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3885896B2 publication Critical patent/JP3885896B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続部の信頼性が高くかつ汎用溶剤により容
易に補修可能な接着剤組成物および接着部材を提供す
る。 【解決手段】 本発明の接着剤組成物は、シアネートエ
ステル樹脂/エポキシ樹脂/潜在性硬化剤を必須とし、
熱可塑性樹脂を含むのが好ましい。ここで、シアネート
エステル樹脂は、25重量%以下である一方、潜在性硬
化剤を含むエポキシ樹脂が30重量%以上であり、さら
には、潜在性硬化剤がイオン重合性の触媒型硬化剤であ
り、かつ、マイクロカプセル状であることが好ましい。
また、本発明の接着部材は、このような接着剤組成物
と、その接着剤組成物に対し0.1〜20体積%の導電
粒子とを含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶パネル
やICチップ等の電子部品において2つの相対峙する電
極間に形成し、両電極を接続するのに好適な接着剤組成
物、および該接着剤組成物を含む接続部材に関する。
【0002】
【従来の技術】2つの回路基板同士を接着すると共に、
これらの電極間で電気的導通を得る接着剤としては、ス
チレン系やポリエステル系などの熱可塑性物質や、エポ
キシ系やシリコーン系などの熱硬化性物質が知られてい
る。
【0003】このような接着剤としては、接着剤中に導
電性粒子を配合して、加圧により接着剤の厚み方向に電
気的接続を得るもの(例えば特開昭55−104007
号公報参照)と、導電性粒子を用いずに接続時の加圧に
より電極面の微細凹凸の接触により電気的接続を得るも
の(例えば特開昭60−262430号公報参照)とが
ある。
【0004】ところで、これらの接着剤による接続にお
いては、電気的に接続不良であったり、接続後に電子部
品や回路が不良になると、電極や回路間を剥がす等した
後、接着剤を溶剤等で除去し、その後、再度良品を接着
剤により接続する、いわゆるリワーク処理が行われてい
る。
【0005】この場合、例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、トルエン、リグロイン、テトラハイドロフラ
ン、アルコール等の汎用溶剤を用いて、周辺の良好部に
悪影響を与えずに、微細回路や電極上の接着剤を迅速か
つ容易に除去することが、接続作業性の向上や、製造コ
スト低減の点から重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、回路接続部
の信頼性、即ち耐熱性や耐湿性等を考慮した場合には、
エポキシ系等の熱硬化性接着剤が有効である。
【0007】しかしながら、この場合の補修方法は、汎
用溶剤では困難なため、エポキシ剥離剤などの強烈な溶
剤を用いる必要があり、このため、再接続部への剥離剤
成分である酸やハロゲン化物の影響により、回路の腐食
や電食が発生し接続部の信頼性が低下する、という問題
がある。
【0008】その一方、熱可塑性接着剤の場合には、熱
硬化性接着剤と比較すると、リワークが比較的容易であ
るが、耐熱性が不足し、接続部の信頼性が低下する、と
いう問題がある。
【0009】そのため、接着剤にリワーク性を付与する
試みの一つとして、特開平5−28828号公報には、
シアネートエステル樹脂/熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂
/金属化合物触媒の系が示されており、金属化合物触媒
としては有機金属化合物、金属キレート化合物、有機金
属塩が例示されている。ここで、シアネートエステル樹
脂の金属化合物触媒としては、オクチル酸亜鉛、アセチ
ルアセトン鉄、ジブチル錫マレート、ナフテン酸コバル
トなどが既に知られている。
【0010】なおシアネートエステルとエポキシ樹脂の
反応生成物については、特公昭46−41112号公報
により公知であるが、硬化に数時間が必要であり、反応
性が劣ると共に、耐熱性が不十分である、という問題も
あった。
【0011】さらに、特開平5−28828号公報によ
れば、従来に比べリワーク性は向上するものの、この系
を電子部品の電極接続用とした場合、金属化合物触媒の
残存により通電耐湿試験における電食が発生しやすく、
また硬化時の低温化が不十分である、等の問題がある。
【0012】なお、電食とは、電極間における局部電池
の形成により、電極材料が隣接電極間に例えばデンドラ
イトと呼ばれる形状で移行する現象であり、従来から銀
のマイグレーション等として既知の現象であるが、最近
の電極間距離の減少による高密度化により益々問題視さ
れており、接続材料からCo,Cu,Fe等の金属類
や、塩素などの不純物イオンを低減する努力が続けられ
ている。
【0013】また硬化時の低温化は、電極接続時の基板
の伸びの抑制により、高密度電極の正確な位置合せを得
る点からも重要であり、本用途においては短時間接続に
よる接続作業の高速化と合せて低温接続が必要であり、
同公報によれば主剤であるシアネートエステルとエポキ
シ樹脂を金属化合物触媒により反応を促進させ、その実
施例では180℃、20秒といった硬化性が可能とされ
ている。
【0014】そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みて
なされたもので、高密度電極の低温短時間接続が可能で
あり、接続部の信頼性が高くかつ汎用溶剤により容易に
補修可能な接着剤組成物、および該接着剤組成物からな
る接続部材を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係る接着剤組成物は、シアネ
ートエステル樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤の成分
を必須とすることを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明に係る接着剤組成物
は、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬
化剤、熱可塑性樹脂の成分を必須とすることを特徴とす
る。
【0017】請求項3記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の接着剤組成物において、シアネートエス
テル樹脂が25重量%以下である一方、潜在性硬化剤を
含むエポキシ樹脂が30重量%以上である、ことを特徴
とする。
【0018】請求項4記載の発明では、請求項1、請求
項2または請求項3記載の接着剤組成物において、潜在
性硬化剤がイオン重合性の触媒型硬化剤であり、かつ、
マイクロカプセル状である、ことを特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明に係る接続部材は、請
求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の接着
剤組成物と、上記接着剤組成物に対し0.1〜20体積
%の導電粒子と、を含有してなることを特徴とする。
【0020】このため、本発明によれば、接続時に、主
成分であるエポキシ樹脂の自己重合反応が潜在性硬化剤
により優先して発生し、シアネートエステル樹脂の自己
重合やエポキシ樹脂との反応は比較的低位であるので、
エポキシ樹脂の自己重合反応熱などにより接続信頼性を
維持する程度までの凝集力が発生する。
【0021】そのため、シアネートエステル樹脂は溶剤
に一部可溶もしくは膨潤可能な状態であるため、リワー
ク性を有するものと考えられる。これは接続時の温度条
件が200℃以下で、好ましくは175℃で数十秒程度
の限られた条件下で、かつ非金属系である潜在性硬化剤
との特殊な組み合わせのなかで見いだされた現象とみら
れる。
【0022】そして、この接着剤系は接続後の硬化によ
り、エポキシ樹脂硬化物を例えば海とした場合、シアネ
ートエステル樹脂は島状に存在するか、あるいはシアネ
ート基やエステル基の作用によって、シアネートエステ
ル樹脂が金属や酸化金属で構成される回路類の表面に吸
着形成されて、シアネートエステル樹脂が回路類の表面
に高濃度に傾斜的に存在するものと考えられる。
【0023】そのため、硬化系内のシアネートエステル
樹脂の島状もしくは傾斜部等の高濃度部は、汎用溶剤に
より比較的容易に膨潤または溶解し、またはこの部分が
きっかけとなって、硬化物を膨潤または溶解して補修可
能となり、リワーク性を付与するものと考えられる。
【0024】また、本発明の組成物を回路の接続部材と
した場合、フィルム状物がその海・島状構造によって、
やや不透明性となるので、回路の位置合わせ時に透過光
の乱反射によりガラス回路上の透明電極の認識が容易で
ある特徴も合わせて有する。
【0025】さらに、シアネートエステル樹脂は、接続
時に低粘度であるため、接続時の温度条件が175℃以
下数十秒程度の条件下で粘度が低くなり、接着剤の流動
による抵抗が少なくなるので、接続回路の変形を生じな
い。したがって、回路の位置ずれを生じ難く、微細回路
の接続に好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る接着剤組成
物、および該接着剤組成物からなる接続部材の実施形態
を詳細に説明する。
【0027】本発明に係る接着剤組成物は、シアネート
エステル樹脂/エポキシ樹脂/潜在性硬化剤を必須とす
ることを特徴とし、これらの成分にはさらに熱可塑性樹
脂を含有することも可能である。
【0028】特に、シアネートエステル樹脂が25重量
%以下である一方、潜在性硬化剤を含むエポキシ樹脂が
30重量%以上であることが望ましく、さらには、潜在
性硬化剤がイオン重合性の触媒型硬化剤であり、かつ、
マイクロカプセル状であることがより望ましい。
【0029】また、本発明に係る接続部材は、上記接着
剤組成物の100重量部に対し、さらに0.1〜20体
積%の導電粒子を含有してなることを特徴としている。
【0030】ここで、本発明で用いる「シアネートエス
テル樹脂」としては、分子鎖中に少なくとも1つのシア
ネート基を有するモノマー、オリゴマー、およびこれら
の誘導体を含み、これらの分子量は150〜2000程
度が好ましい。150未満では、結晶化し易く、溶解性
が低下し、また接着剤系の凝集力が低下して、高接着力
が得にくいからである。その一方、2000を越える
と、他の成分との相溶性が低下してしまい、その取り扱
いが難くなるからである。なお、本発明でいう分子量
は、重量平均分子量(GPC法によるスチレン換算値)
である。
【0031】ここで、これらシアネートエステルの商品
名をメーカ名と共に例示すると、2,2´−ジ(4−シ
アナトフェニル)プロパン…商品名スカイレックスCA
200(三菱瓦斯化学)、AROCY・B−10、3
0、50(旭チバ)、ジ(4−シアナト3,5ジメチル
フェニル)メタン…AROCY M−10、20、ジ
(4−シアナトフェニル)チオエーテル…AROCY・
T−10、20、2.2´−ジ(4−シアナトフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン…AROCY・F−10、
ジ(4−シアナトフェニル)エタン…AROCY・L−
10、フェノール/ジシクロペンダジエン共重合物のシ
アネート…XU71787(ダウケミカル)、フェノー
ルノボラックシアネート…PrimasterPT(A
llid Signal)等がある。
【0032】また、本発明で用いる「エポキシ樹脂」と
しては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノール
Aや、F、D等から誘導されるビスフェノール型エポキ
シ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックや
クレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラッ
ク樹脂が代表的であり、その他、グリシジルアミン、ク
リシジルエステル、脂環式、複素環式、フロム化エポキ
シ等の1分子内に2子以上のオキシラン基を有する各種
のエポキシ化合物が適用可能である。
【0033】これらは、単独又は2種以上混合して用い
ることが可能である。これらエポキシ樹脂は、不純物イ
オン(Na+ 、Cl- 等)や、加水分解性塩素等を30
0ppm以下に低減した高純度品を用いることが、電食
や、エレクトロマイグレーション防止のために好まし
い。
【0034】特に、上記したエポキシ樹脂の中では、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂が分子量の異なるグレード
で広く入手可能であり、接着性や反応性等を任意に設定
できることから好ましい。
【0035】なかでもビスフェノールF型エポキシ樹脂
は、粘度が特に低いことから流動性を広範囲に設定でき
ることや、液状であり粘着性も得やすいことから特に好
ましい。
【0036】また、1分子内に3個以上のオキシラン基
を有するいわゆる多官能エポキシ樹脂も、組成物の架橋
密度を向上し耐熱性が向上するので好ましく、溶剤によ
る補修性を保つために組成物中に占める多官能エポキシ
樹脂の割合を20%以下として使用できる。
【0037】ところで、組成物中に占める割合は、シア
ネートエステルが25重量%以下である一方、潜在性硬
化剤を含むエポキシ樹脂が30重量%以上である。
【0038】つまり、シアネートエステルの好ましい割
合は、1〜25重量%であり、2〜11重量%がより好
ましい。この量が少ない場合には、溶剤によるリワーク
性が不足する一方、多い場合には、接続部の信頼性が不
足するからである。
【0039】エポキシ樹脂は、リワーク性の許す限り多
量に添加して良く、その好ましい割合は30〜90重量
%であり、40〜80重量%がより好ましい。この量が
少ない場合には、エポキシ樹脂の硬化に基づく耐熱性が
不足する一方、多い場合には、リワーク性が不足するか
らである。
【0040】次に、本発明で用いる「潜在性硬化剤」と
しては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ
素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシ
アンジアミド等、及びこれらの変性物があり、これらは
単独または2種以上の混合体として使用できる。
【0041】これらは、アニオン又はカチオン重合型等
のいわゆるイオン重合体の触媒型硬化剤であり、速硬化
性を得易く、また化学当量的な考慮が少なくても良いこ
とから好ましい。
【0042】特に、これらの中では、イミダゾール系の
ものが非金属系であり電食しにくく、また反応性や接続
信頼性の点から特に好ましい。ここで、硬化剤としては
その他に、ポリアミン類、ポリメルカプタン、ポリフェ
ノール、酸無水物等の適用や前記触媒型硬化剤との併用
も可能である。
【0043】長期保存性と速硬化性という矛盾した特性
の両立が要求される本発明の好ましい形態としては、こ
れらの硬化剤を核として、ポリウレタン系、ポリエステ
ル系等の高分子物質や、Ni,Cu等の金属簿膜及びケ
イ酸カルシウム等の無機物で被覆したマイクロカプセル
型であることが好ましい。
【0044】また、カプセル型硬化剤の使用に当たって
注意すべき点は、カプセルの粒径を例えばフィルム状接
着剤の厚みよりも小さくして、保存時のカプセル破壊を
防止することや、カプセルの被覆層の材質を組成物や溶
剤等に対して耐性のあるものを使用することである。
【0045】さらに、硬化剤の活性温度は、40〜20
0℃が好ましい。40℃未満であると、室温との温度差
が少なく、保存に低温が必要である一方、200℃を越
すと、接続の他の部材に熱影響を与えからである。この
ような理由から、さらに50〜150℃であるほうがよ
り好ましい。
【0046】ここで、硬化剤の活性温度は、DSC(示
差走査熱量計)を用いて計測し、エポキシ樹脂と硬化剤
の配合物を試料として室温から10℃/分で昇温させた
時の発熱ピーク温度のことをいう。なお、活性温度は、
低温側であると反応性が勝るが、保存性が低下する傾向
にあるので、これらを考慮して決定するようにする。
【0047】次に、本発明で用いる「熱可塑性樹脂」と
しては、熱可塑性樹脂はフィルム形成やリワーク性の向
上を目的に必要に応じて用いるものであるので、フェノ
キシ樹脂を含む高分子量エポキシ樹脂、ポリビニルアセ
タール、ポリスルホン、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエー
テル、ポリシロキサン、ポリエーテルイミド、ポリビニ
ル、エポキシアクリレート、例えばスチレン等の各種の
熱可塑性エラストマー等があり、これらの混合物や共重
合物でも良い。
【0048】これらは、シアネートエステルやエポキシ
樹脂との相溶性や接続部材の特性を考慮して決定され
る。
【0049】これらの樹脂は、水酸基やカルボキシル基
等の極性基を含有すると、エポキシ樹脂との相溶性が向
上し、均一な外観や特性を有するフィルムが得られるの
で、硬化時の反応促進による短時間硬化を得る点からも
好ましい。
【0050】これら熱可塑性樹脂の分子量は、2000
以上がフィルム形成性の点から好ましく、また組成物中
に占める割合は、フィルム形成が可能であればできるだ
け少量とすべきであり、好ましくは40重量%以下であ
る。
【0051】ここで、これらの中で、好ましい実施態様
であるフェノキシ樹脂について説明する。
【0052】フェノキシ樹脂は、分子量が10,000
以上の高分子量エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂と構
造が似ていることから、エポキシ樹脂と相溶性がよく、
また接着性も良好な特徴を有する。分子量の大きいほど
フィルム形成性が容易に得られ、また接続時の流動性に
影響する溶融粘度を添加量により広範囲に設定できるか
らである。
【0053】ビスフェノールAから導入された一般的な
フェノキシ樹脂に比べ、ビスフェノールFから導入品
は、相溶性や流動性の制御が行い易く、さらに好まし
い。
【0054】なお、本発明で必要に応じて用いる粘着付
与剤としては、ロジンやテルペン等の天然物系樹脂、脂
肪族、脂環族、芳香族、クマロン・インデン、スチレン
系等の重合系樹脂、及びフェノールやキシレン系等の縮
合系樹脂等があり、これらの変性体や誘導体でも良い。
これらは、単独もしくは2種類以上混合して用いること
ができ、接着剤系の凝集力を高める点から軟化点40℃
以上の固形物が好ましい。
【0055】また、上記のような成分の接着剤組成物中
には、通常の添加剤等として、例えば、充填剤、軟化
剤、促進剤、老化防止剤、接着剤、難燃化剤、チキソト
ロピック剤、カップリング剤および、フェノール樹脂や
メラミン樹脂、イソシアネート類等の硬化剤や触媒等を
含有することもできる。
【0056】これらの中では、導電粒子やシリカ等の充
填剤及びシラン、チタン、クロム、ジルコニウム、アル
ミニウム、等の各系のカップリング剤が特に有用であ
る。
【0057】カップリング剤としては、アミノ基やエポ
キシ基、及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上
の点から特に好ましい。
【0058】また、導電粒子としては、Au,Ag,N
i,Cu,ハンダ等の金属粒子やカーボン等があり、こ
れらと非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等
に前記導電層を被覆等して形成したものでも良い。
【0059】プラスチックを核とした場合や、熱溶融金
属粒子の場合は、加熱加圧により変形性を有するので、
接続時に電極との接触面積が増加して、信頼性が向上す
るので、より好ましい。導電粒子は、0〜30体積%、
好ましくは接着剤組成物に対し20体積%以上とするこ
とにより均一導電性とすることや、0.1〜20体積%
とすることにより厚み方向に導電性の異方導電性とする
ことも可能である。また、これらの粒子の表面に接続時
に溶融する絶縁層を形成することもできる。
【0060】本発明の接着剤組成物は、一液型接着剤と
して、なかでもフィルム状接着剤として、特に有用であ
る。
【0061】この場合、例えば、上記で得た接着剤組成
物を溶剤あるいはエマルションの場合の分散液等として
液状化して、離形紙等の剥離性基材上に形成し、あるい
は不織布等の基材に前記配合液を含浸させて剥離性基材
上に形成し、硬化剤の活性温度以下で乾燥して、溶剤あ
るいは分散液等を除去すればよい。
【0062】この時、用いる溶剤は、芳香族炭化水素系
と含酸素系の混合溶剤が、材料の溶解性を向上させる点
から好ましい。ここで、含酸素系溶剤のSP値は、8.
1〜10.7の範囲とすることが潜在性硬化剤の保護上
好ましく、酢酸エステル類がより好ましい。
【0063】また、溶剤の沸点は、150℃以下が適用
可能である。沸点が150℃を超すと、乾燥に高温を要
し、潜在性硬化剤の活性温度に近いことから潜在性の低
下を招く一方、低温では、乾燥時の作業性が低下するか
らである。このため、沸点が60〜150℃が好まし
く、さらに70〜130℃のほうがより好ましい。
【0064】特に、本発明の接着剤組成物がフィルム状
接着剤である場合、導電粒子含有量と、非含有量による
複合層や、硬化性やリワーク性に差を有する複合層とす
る等の機能性の分離形成も可能である。フィルム状の場
合には、一定厚みで、かつ、連続状で形成可能なため、
接続作業の自動化が計れるので、接続作業性が向上する
等の利点を有するからである。
【0065】次に、以上のような各成分からなる本発明
の接着剤組成物を用いた回路や電極の接続について説明
する。
【0066】この方法は、接着剤組成物を、基板上の相
対立する電極間に形成し、加熱加圧により両電極の接触
と基板間の接着を得る電極の接続方法である。
【0067】電極を形成する基板としては、半導体、ガ
ラス、セラミック等の無機物、ポリイミド、ポリカーボ
ネート等の有機物、ガラス/エポキシ等のこれら複合体
の各組合わせが適用可能である。
【0068】次に、本発明の実施例1〜15、およびそ
の評価方法や評価結果を、詳細に説明する。
【0069】なお、実施例1〜15における組成物の内
容を次に示す表1に、これらの評価結果を後述の表2に
示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【実施例】
<実施例1>この実施例1は、AROCY・B−30
(シアネートエステル樹脂、旭チバ株式会社商品名。表
1中にて“B−30”と略す。)を、エピコートYL−
980(ビスフェノールA型高純度液状エポキシ樹脂、
加水分解性塩素イオン150ppm、油化シェルエポキ
シ株式会社製商品名。表1中にて“980”と略す。)
と、潜在性硬化剤ノバキュア3742(イミダゾール変
性体を核としその表面をポリウレタン系被膜で被覆して
なる平均粒径2μmのマイクロカプセル型硬化剤を液状
エポキシ樹脂に分散したマスターバッチ型硬化剤、硬化
剤/エポキシ樹脂の比1/2、活性温度124℃、旭化
成工業株式会社製商品名。表1中にて“3742”と略
す。)、およびエポキシ系シランカップリング剤を、そ
の記述順に固形分比で25/45/30/0.5となる
ように混合した組成物である。
【0072】<実施例2>この実施例2は、実施例1の
組成物100重量部に対し、2体積部の導電粒子(平均
粒径5μmのスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂球
の表面に金属簿層を有する。表1中にて“プラ”と略
す。)を2体積部添加し、攪拌した組成物である。
【0073】なお、実施例1,2の評価方法は、これら
実施例1,2の組成物を用いて、ライン幅30μm、ピ
ッチ60μm、厚み20μmの銅回路上に錫の薄層を有
するフレキシブル回路板(FPC)と、全面に酸化イン
ジウム(ITO)の薄層を有する厚み0.7mmのガラ
ス板とを、170℃−30kg/cm2 −20秒によ
り、幅2mmで接続した。
【0074】この際、あらかじめガラス板の接続部IT
O上に、シルクスクリーンで厚み20μmとなるように
組成物を塗布形成した。なお、組成物は無溶剤なので形
成後の乾燥は不要であった。
【0075】<実施例3>この実施例3は、AROCY
・B−30と、エピコートYL−983U(ビスフェノ
ールF型高純度液状エポキシ樹脂、加水分解性塩素イオ
ン110ppm、油化シェルエポキシ株式会社製商品
名。表1にて“983”と略す。)と、潜在性硬化剤ノ
バキュア3921HP(イミダゾール変性体を核としそ
の表面をポリウレタン系被膜で被覆してなる平均粒径2
μmのマイクロカプセル型硬化剤を、ビスフェノールF
型高純度液状エポキシ樹脂に分散したマスターバッチ型
硬化剤、硬化剤/エポキシ樹脂の比1/2、活性温度1
11℃、旭化成工業株式会社製商品名。表1にて“39
21”と略す。)を、トルエン/酢酸ブチル=50/5
0(重量比)の混合溶剤に溶解した。
【0076】さらに、熱可塑性樹脂としてZX−135
6(ビスフェノールFより誘導されるフェノキシ樹脂、
分子量50,000、水酸基含有、東都化成株式会社製
商品名。表1にて“ZX”と略す。)を上記のものに混
合するが、その際、上記記述順に固形分比で25/35
/30/10となるように混合し、固形分40%の溶液
とした。
【0077】そして、上記混合液の固形分100重量部
に対し、1.0重量部のエポキシ系シランカップリング
剤と、実施例2の導電粒子と同等の導電粒子を2体積部
だけ添加攪拌し、ポリテトラフルオロエチレンフィルム
(セパレータ)上にロールコータを用いて塗布し、その
後、100℃10分の乾燥により、接着剤層の厚みが2
0μmのフィルム状物を得た。
【0078】<実施例4>この実施例4は、表1に示す
ように、実施例3と成分が同様であるが、各成分の配合
比を、固形分比で10/50/30/10と変更したも
のである。
【0079】<実施例5>この実施例5は、表1に示す
ように、実施例3,4の成分の他に、液状エポキシ樹脂
として、クオートレックス2010(ノボラック型高純
度液状エポキシ樹脂、加水分解性塩素イオン100pp
m、ダウケミカル株式会社製商品名。表1にて“20
1”と略す。)も使用した。そして、各成分の配合比
を、固形分比で10/50(983が35で、201が
15)/30/10としたものである。
【0080】<実施例6>この実施例6は、表1に示す
ように、シアネートエステル樹脂として、AROCY・
M−10(シアネートエステル樹脂、旭チバ株式会社商
品名。表1にて“M−10”と略す。)を用いた。そし
て、各成分の配合比を、固形分比で10/20/30/
30としたものである。
【0081】<実施例7>この実施例7は、表1に示す
ように、実施例3等と成分が同様であるが、各成分の配
合比を、固形分比で20/20/30/30と変更した
ものである。なお、実施例3〜7の評価方法は、このフ
ィルム状物を用いて、ライン幅30μm、ピッチ60μ
m、厚み20μmの銅回路上に錫の薄層を有するフレキ
シブル回路板(FPC)と、全面に酸化インジウム(I
TO)の薄層を有する厚み1.1mmのガラス板とを、
170℃−30kg/cm2 −20秒により、幅1.5
mmで接続した。この際、あらかじめFPC上にフィル
ム状物を貼り付けた後、70℃−5kg/cm2 −5秒
の仮接続を行い、次いでセパレータを剥離してITOと
の接続を行った。
【0082】次に、上記実施例と比較するため、比較例
1〜3を説明する。
【0083】<比較例1>この比較例1は、表1に示す
ように、シアネートエステル樹脂を含まないようにした
ものである。
【0084】<比較例2>この比較例2は、表1に示す
ように、実施例3等とほぼ同様であるが、潜在性硬化剤
を用いずに、金属化合物触媒としてナフテン酸コバルト
(表1にて“Co”と略す。)1重量部を用いたもので
ある。
【0085】<比較例3>この比較例3は、表1に示す
ように、潜在性硬化剤(3921)と金属化合物触媒
“Co”とを併用した。
【0086】<実施例8>この実施例8は、表1に示す
ように、シアネートエステル樹脂(B−30)、エポキ
シ樹脂(980)、および潜在性硬化剤(3921)に
ついては上記実施例3等と同様であるが、熱可塑性樹脂
および導電粒子の種類を変えた。つまり、この実施例8
で熱可塑性樹脂として新しく用いたものは、PKHA
(ビスフェノールAより誘導されるフェノキシ樹脂、分
子量25,000、水酸基6%、ユニオンカーバイト株
式会社製商品名。表1にて“PK”と略す。)であり、
また導電粒子として新しく用いたものは、実施例2の粒
子の表面に厚み約0.3μmのスチレン系被膜を有する
表面絶縁処理粒子(表1にて“被覆”と略す。)を15
体積部添加した。そして、各成分の配合比を、10/3
0/40/20とした。
【0087】<実施例9>この実施例9は、表1に示す
ように、熱可塑性樹脂以外の成分は、実施例8と同様で
ある。つまり、この実施例9では、熱可塑性樹脂とし
て、PVB−3000K(ポリビニルブチラール、分子
量30,000、水酸基含有、電気化学工業株式会社製
商品名。表1にて“PV”と略す。)を用いたものであ
る。そして、各成分の配合比を、実施例8と同様に、1
0/30/40/20とした。
【0088】<実施例10>この実施例10は、表1に
示すように、熱可塑性樹脂以外の成分は、実施例8、9
と同様である。つまり、この実施例10では、熱可塑性
樹脂として、タフテックM−1913(カルボキシル化
SEBS、旭化成株式会社製商品名。表1にて“M1”
と略す。)を用いたものである。そして、各成分の配合
比を、実施例8、9と同様に、10/30/40/20
とした。
【0089】<実施例11>この実施例11は、表1に
示すように、熱可塑性樹脂以外の成分は、実施例8〜1
0と同様である。つまり、この実施例11では、熱可塑
性樹脂として、WS−023(アクリルゴム、水酸基及
びカルボキシル基含有、帝国化学産業株式会社製商品
名。表1にて“WS”と略す。)を用いたものである。
そして、各成分の配合比を、実施例8〜10と同様に、
10/30/40/20とした。
【0090】<実施例12>この実施例12は、表1に
示すように、導電粒子以外は実施例8のものと同様で、
導電粒子として平均粒径3μmのニッケル(表1にて
“Ni”と略す。)を15体積部添加したものである。
【0091】<実施例13>この実施例13は、表1に
示すように、導電粒子以外は実施例9のものと同様で、
導電粒子として、実施例12と同様に、平均粒径3μm
のニッケル(表1にて“Ni”と略す。)を15体積部
添加したものである。
【0092】<実施例14>この実施例14は、表1に
示すように、導電粒子以外は実施例10のものと同様
で、導電粒子として、実施例12,13と同様に、平均
粒径3μmのニッケル(表1にて“Ni”と略す。)を
15体積部添加したものである。
【0093】<実施例15>この実施例15は、表1に
示すように、導電粒子以外は実施例11のものと同様で
あり、導電粒子として、実施例12〜14と同様に、平
均粒径3μmのニッケル(表1にて“Ni”と略す。)
を15体積部添加したものである。
【0094】次に、各実施例1〜15および比較例1,
2の評価結果を、表2を参照して説明する。
【0095】表2に、各実施例1〜15および比較例
1,2の評価結果を示す。
【0096】
【表2】
【0097】まず、表2において、“リワーク性”は、
上記接続部のFPCをITOから剥離し、ITO上に残
存する一定面積(20×2mm)の接着剤をアセトンを
浸積した綿棒で拭きとるのに要した時間を、30秒以内
を“○”、2分以上を“×”で示した。
【0098】また、“信頼性”は、初期抵抗に対する8
5℃85%RH−1000h後の接続抵抗値の上昇倍率
であり、FPCの隣接回路の抵抗200点のx+3σの
処理前後の比率が2倍以内である場合を“○(良
好)”、4倍以上である場合を“×”(不良)で示し
た。
【0099】“電食性”は、前記FPCを櫛形回路と
し、隣接電極に50Vの電位差を設け85℃85%RH
−500h後の外観を200倍の金属顕微鏡で観察し、
異常の有無を検出し、有の場合を“×”、無の場合を
“○”とした。
【0100】“不純物イオン”は、硬化後の組成物を純
水中で100℃20h抽出し、抽出水をイオンクロマト
グラフで測定するもので、ここでは塩素イオン(CI)
濃度が10ppm以下の場合を“○”、20ppm以上
の場合を“×”で示した。
【0101】その結果、実施例1〜15は、表2に示す
ように、いずれもリワーク性および信頼性の点で、いず
れも良好な結果が得られ、さらに実施例8を除いては電
食性および不純物イオンの点でも良好な結果が得られ
た。
【0102】特に、実施例1の場合、組成物が無溶剤な
ので室温でも液状であり、接続時に対抗する電極同士が
十分に接続可能なため、回路面の微細凹凸の直接接触に
より導電粒子のない場合も接続可能であった。
【0103】実施例2の導電粒子は、回路の凹凸吸収剤
となった。
【0104】実施例3〜7は、接続部材が一定厚みのフ
ィルム状物なので、接続作業が極めて容易であった。
【0105】実施例8〜11は、表面絶縁処理粒子を用
いたので、15体積部と多量の添加が可能であり、微小
な電極上に多数の粒子を確保することが可能であった。
【0106】実施例12〜15は、実施例8〜11と各
々導電粒子を変更しているが、表2に示すように、いず
れも良好な結果を示した。
【0107】これに対し、比較例1は、シアネートエス
テル樹脂を有しないのでリワークが困難で、リワーク性
が悪かった。
【0108】比較例2は、170℃−20秒で反応が不
十分であったため、接続抵抗が高く、信頼性が悪かっ
た。
【0109】比較例3は、この表2に調査結果を示して
いないが,金属イオンの影響とみられ、電食性が悪かっ
た。
【0110】次に、上記実施例4、8、15および比較
例1の接続部材を用いて、半導体チップを基板と接続し
てみた。
【0111】具体的には、ガラス板上に、半導体チップ
(3×10mm、高さ0.5mm、主面の4辺周囲にバ
ンプと呼ばれる50μm角、高さ20μmの突起した金
電極が形成されている。)のバンプ配置と対応した接続
端子を有するITO回路を形成した配線板を用意した。
【0112】そして、半導体チップのバンプ面と、配線
板の回路との間に前記接続部材からなるフィルムを裁置
した。この時、各フィルムは、室温で粘着性を有してお
りバンプ面に簡単に仮接続できた。この後、セパレータ
を剥離し、ガラス回路とバンプの位置合わせを行い、次
いで160℃−30g/バンプ−25秒の加熱加圧で接
続した。
【0113】その結果、上記接続品は、接続部への気泡
混入がなかった。
【0114】また、接続品の導通チェックを行ったとこ
ろ、いずれも良好な接続であり、バンプ間のショートも
無かった。
【0115】さらに、PCT(プレッシャークッカーテ
スト)−121℃−100h後も、各例とも良好だっ
た。接続部断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
実施例4及び実施例8の接続部材を用いたものには、プ
ラスチック粒子が加圧方向に潰されるように、また実施
例15の接続部材を用いたものには、一部のバンプにニ
ッケルが突き刺さるように、それぞれ導電粒子を介して
接続端子と良く接続していた。
【0116】またさらに、各実施例の接続品を、接着剤
硬化物のTg130℃より高い150℃に加熱し硬化物
の凝集力を低下させて、半導体チップを配線板から剥離
後、アセトン中に浸績して5分後に洗浄したところ、接
着剤の除去が可能であった。
【0117】これに対し、比較例1の接続部材を用いた
ものの場合、接着剤の除去が不可能であった。
【0118】以上は、代表的な配合の評価結果である
が、本発明の他実施例の接続部材の場合でも同様に半導
体チップの接続およびリワークが可能であった。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、シア
ネートエステル樹脂、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤を接
着剤組成物を必須成分とし、またこのような接着剤組成
物に対し0.1〜20体積%の導電粒子を含有してなる
接着部材としたため、接続時に、主成分であるエポキシ
樹脂の自己重合反応が潜在性硬化剤により優先して発生
し、シアネートエステル樹脂の自己重合やエポキシ樹脂
との反応は比較的低位であるので、エポキシ樹脂の自己
重合反応熱などにより接続信頼性を維持する程度までの
凝集力が発生する。
【0120】このため、シアネートエステル樹脂は溶剤
に一部可溶もしくは膨潤可能な状態で、リワーク性を有
するので、接続部の信頼性が高く、かつ汎用溶剤により
容易に補修可能な接着剤組成物および接着部材を提供す
ることが可能になる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分を必須とすることを特徴とする
    接着剤組成物。 (1)シアネートエステル樹脂 (2)エポキシ樹脂 (3)潜在性硬化剤
  2. 【請求項2】 下記成分を必須とすることを特徴とする
    接着剤組成物。 (1)シアネートエステル樹脂 (2)エポキシ樹脂 (3)潜在性硬化剤 (4)熱可塑性樹脂
  3. 【請求項3】 シアネートエステル樹脂が25重量%以
    下である一方、潜在性硬化剤を含むエポキシ樹脂が30
    重量%以上であることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 潜在性硬化剤がイオン重合性の触媒型硬
    化剤であり、かつ、マイクロカプセル状であることを特
    徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の接着
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4記載の接着剤組成物と、上記接着剤組成物に対し
    0.1〜20体積%の導電粒子とを含有してなることを
    特徴とする接続部材。
JP09207596A 1996-04-15 1996-04-15 補修可能な電極接続用接着剤組成物および該組成物からなる電極接続用接続部材 Expired - Fee Related JP3885896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09207596A JP3885896B2 (ja) 1996-04-15 1996-04-15 補修可能な電極接続用接着剤組成物および該組成物からなる電極接続用接続部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09207596A JP3885896B2 (ja) 1996-04-15 1996-04-15 補修可能な電極接続用接着剤組成物および該組成物からなる電極接続用接続部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09279121A true JPH09279121A (ja) 1997-10-28
JP3885896B2 JP3885896B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=14044343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09207596A Expired - Fee Related JP3885896B2 (ja) 1996-04-15 1996-04-15 補修可能な電極接続用接着剤組成物および該組成物からなる電極接続用接続部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3885896B2 (ja)

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000265144A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd ダイアタッチペースト
JP2001064619A (ja) * 1999-09-01 2001-03-13 Hitachi Chem Co Ltd 回路接続用フィルム状接着剤
WO2001074798A1 (en) * 2000-03-31 2001-10-11 Loctite Corporation Reworkable composition of oxirane(s) or thiirane(s)-containing resin and curing agent
JP2001303016A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物及びそれを用いた接着フィルム、接着方法
JP2002368047A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Sony Chem Corp 潜在性硬化剤、潜在性硬化剤の製造方法及び接着剤
JP2004014409A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Sekisui Chem Co Ltd 導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び異方性導電材料
EP1411102A1 (en) * 2002-10-16 2004-04-21 Cookson Electronics, Inc. Releasable microcapsule and adhesive curing system using the same
JP2004352785A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 異方導電性接着剤
WO2004111148A1 (ja) * 2003-06-10 2004-12-23 Hitachi Chemical Co., Ltd. フィルム状接着剤、及びその製造方法、並びに接着シート及び半導体装置
US7012120B2 (en) 2000-03-31 2006-03-14 Henkel Corporation Reworkable compositions of oxirane(s) or thirane(s)-containing resin and curing agent
JP2008156534A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Matsushita Electric Works Ltd 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた樹脂封止電子部品
JP2009132798A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極接続用接着剤とその製造方法
KR100938263B1 (ko) * 2002-12-05 2010-01-22 소니 케미카루 앤드 인포메이션 디바이스 가부시키가이샤 잠재성 경화제, 잠재성 경화제의 제조방법 및 접착제
WO2011099292A1 (ja) * 2010-02-12 2011-08-18 株式会社Adeka 無溶剤一液型シアン酸エステル-エポキシ複合樹脂組成物
US8053587B2 (en) 2000-03-31 2011-11-08 Henkel Corporation Reworkable thermosetting resin composition
WO2012144361A1 (ja) * 2011-04-18 2012-10-26 三菱電機株式会社 回転機コイルおよびその製造方法
JP2012532942A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 導電性接着剤
JP2013032417A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂材料及び多層基板
JP2013151706A (ja) * 2013-05-16 2013-08-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極接続用接着剤
JP5415947B2 (ja) * 2007-06-22 2014-02-12 株式会社Adeka 一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物
JP2014079040A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Tokyo Parts Ind Co Ltd 軸受ホルダ及びブラシレスモータ
JP2015076542A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 信越化学工業株式会社 ウエハの封止方法及びウエハレベル封止用樹脂組成物
WO2015104988A1 (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 日東電工株式会社 導電性フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付きダイシングテープ
JP2017203109A (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 導電性粒子を含む樹脂組成物およびその樹脂組成物を含む電子装置
CN112694863A (zh) * 2020-12-31 2021-04-23 湖北回天新材料股份有限公司 一种单组分聚氨酯电子元器件固定胶及其制备方法和应用
US11286346B2 (en) 2015-01-13 2022-03-29 Showa Denko Materials Co., Ltd. Resin composition, support with resin layer, prepreg, laminate, multilayered printed wiring board, and printed wiring board for millimeter-wave radar
WO2023068109A1 (ja) 2021-10-18 2023-04-27 株式会社Adeka 硬化性樹脂組成物、硬化物及び接着剤

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102417808A (zh) * 2011-09-29 2012-04-18 西北工业大学 一种耐高温胶粘剂及其制备方法

Cited By (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000265144A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd ダイアタッチペースト
JP2001064619A (ja) * 1999-09-01 2001-03-13 Hitachi Chem Co Ltd 回路接続用フィルム状接着剤
WO2001074798A1 (en) * 2000-03-31 2001-10-11 Loctite Corporation Reworkable composition of oxirane(s) or thiirane(s)-containing resin and curing agent
US7012120B2 (en) 2000-03-31 2006-03-14 Henkel Corporation Reworkable compositions of oxirane(s) or thirane(s)-containing resin and curing agent
US8053587B2 (en) 2000-03-31 2011-11-08 Henkel Corporation Reworkable thermosetting resin composition
JP2001303016A (ja) * 2000-04-25 2001-10-31 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物及びそれを用いた接着フィルム、接着方法
JP2002368047A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Sony Chem Corp 潜在性硬化剤、潜在性硬化剤の製造方法及び接着剤
JP2004014409A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Sekisui Chem Co Ltd 導電性微粒子、導電性微粒子の製造方法及び異方性導電材料
EP1411102A1 (en) * 2002-10-16 2004-04-21 Cookson Electronics, Inc. Releasable microcapsule and adhesive curing system using the same
US6936644B2 (en) 2002-10-16 2005-08-30 Cookson Electronics, Inc. Releasable microcapsule and adhesive curing system using the same
KR100938263B1 (ko) * 2002-12-05 2010-01-22 소니 케미카루 앤드 인포메이션 디바이스 가부시키가이샤 잠재성 경화제, 잠재성 경화제의 제조방법 및 접착제
JP2004352785A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Sumitomo Bakelite Co Ltd 異方導電性接着剤
WO2004111148A1 (ja) * 2003-06-10 2004-12-23 Hitachi Chemical Co., Ltd. フィルム状接着剤、及びその製造方法、並びに接着シート及び半導体装置
CN100393835C (zh) * 2003-06-10 2008-06-11 日立化成工业株式会社 膜状粘接剂及其制造方法以及粘接片和半导体装置
JP2008156534A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Matsushita Electric Works Ltd 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた樹脂封止電子部品
JP5415947B2 (ja) * 2007-06-22 2014-02-12 株式会社Adeka 一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物
JP2009132798A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極接続用接着剤とその製造方法
JP2012532942A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 導電性接着剤
US10524364B2 (en) 2009-07-08 2019-12-31 Henkel Ag & Co. Kgaa Electrically conductive adhesives
WO2011099292A1 (ja) * 2010-02-12 2011-08-18 株式会社Adeka 無溶剤一液型シアン酸エステル-エポキシ複合樹脂組成物
US9382459B2 (en) 2010-02-12 2016-07-05 Adeka Corporation Solventless one liquid type cyanate ester-epdxy composite resin composition
CN103493341A (zh) * 2011-04-18 2014-01-01 三菱电机株式会社 旋转机线圈及其制造方法
JP5606619B2 (ja) * 2011-04-18 2014-10-15 三菱電機株式会社 回転機コイルおよびその製造方法
WO2012144361A1 (ja) * 2011-04-18 2012-10-26 三菱電機株式会社 回転機コイルおよびその製造方法
US9331536B2 (en) 2011-04-18 2016-05-03 Mitsubishi Electric Corporation Rotator coil and method of manufacturing the same
JP2013032417A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂材料及び多層基板
JP2014079040A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Tokyo Parts Ind Co Ltd 軸受ホルダ及びブラシレスモータ
JP2013151706A (ja) * 2013-05-16 2013-08-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極接続用接着剤
JP2015076542A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 信越化学工業株式会社 ウエハの封止方法及びウエハレベル封止用樹脂組成物
WO2015104988A1 (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 日東電工株式会社 導電性フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付きダイシングテープ
US11286346B2 (en) 2015-01-13 2022-03-29 Showa Denko Materials Co., Ltd. Resin composition, support with resin layer, prepreg, laminate, multilayered printed wiring board, and printed wiring board for millimeter-wave radar
CN107365491A (zh) * 2016-05-11 2017-11-21 松下知识产权经营株式会社 包含导电性粒子的树脂组合物和包含该树脂组合物的电子设备
JP2017203109A (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 導電性粒子を含む樹脂組成物およびその樹脂組成物を含む電子装置
CN112694863A (zh) * 2020-12-31 2021-04-23 湖北回天新材料股份有限公司 一种单组分聚氨酯电子元器件固定胶及其制备方法和应用
CN112694863B (zh) * 2020-12-31 2022-09-06 湖北回天新材料股份有限公司 一种单组分聚氨酯电子元器件固定胶及其制备方法和应用
WO2023068109A1 (ja) 2021-10-18 2023-04-27 株式会社Adeka 硬化性樹脂組成物、硬化物及び接着剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3885896B2 (ja) 2007-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09279121A (ja) 接着剤組成物および該組成物からなる接続部材
JP2586154B2 (ja) 回路接続用組成物及びこれを用いた接続方法並びに半導体チップの接続構造
JP3475959B2 (ja) 接着剤組成物、該接着剤組成物を用いたフィルム状接着剤の製造方法、並びに該接着剤を用いた電極の接続体、及び接着剤付金属箔
JP3852488B2 (ja) 補修可能な電極接続用接着剤組成物および該組成物からなる電極接続用接続部材
JP3513835B2 (ja) 接着フィルム
JPH083081B2 (ja) 回路接続用接着剤組成物
JP5029691B2 (ja) 回路接続用フィルム状接着剤
JP2002201450A (ja) 接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造
JPH1150032A (ja) 回路用接続部材及び回路板
JP2842051B2 (ja) 接着剤組成物
JP3651624B2 (ja) 回路用接続部材
JP2002327162A (ja) 異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造
JP3947532B2 (ja) 異方導電性接着剤フィルム
JP2005194413A (ja) 回路接続用接着フィルム及び回路接続構造体
JP2008308682A (ja) 回路接続材料
JPH09162235A (ja) Icチップの実装方法及び接続部材
EP1657725A1 (en) Insulation-coated electroconductive particles
JPH0625632A (ja) 接着剤組成物及び積層フィルム
JP4730215B2 (ja) 異方導電性接着剤フィルム
JP4339414B2 (ja) 回路用接続部材
JP4055583B2 (ja) 回路接続用接着剤組成物、これを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造
JPH10204153A (ja) 接着剤
JP3565343B2 (ja) 回路接続用接着剤組成物
JP2009161684A (ja) 回路接続用接着剤組成物、この接着剤組成物用いた回路部材の接続構造及び回路部材の接続方法
KR20050003841A (ko) 이방성 도전성 필름 접착제 및 이를 이용하여 제조한 평판디스플레이

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060718

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060816

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20061004

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061115

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121201

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees