JP3475959B2 - 接着剤組成物、該接着剤組成物を用いたフィルム状接着剤の製造方法、並びに該接着剤を用いた電極の接続体、及び接着剤付金属箔 - Google Patents

接着剤組成物、該接着剤組成物を用いたフィルム状接着剤の製造方法、並びに該接着剤を用いた電極の接続体、及び接着剤付金属箔

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着剤組成物、それを用
いたフィルム状接着剤の製造方法、並びに電極の接続
体、及び接着剤付金属箔に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂系接着剤は、高い接着強さ
が得られ、耐水性や耐熱性に優れることなどから、電気
・電子・建築・自動車・航空機等の各種用途に多用され
ている。なかでも一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤
と硬化剤との混合が不必要であり使用が簡便なことか
ら、フィルム状・ペースト状・粉体状等の形態で使用さ
れている。この場合、エポキシ樹脂と硬化剤および変性
剤との多様な組み合わせにより、特定の性能を得ること
が一般的であり、例えば特開昭62−141083号公
報の試みが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭62−141083号公報に示されるフィルム状接
着剤は、作業性に優れるものの耐熱性と耐湿性が不十分
であるという欠点を有していた。
【0004】この理由は、短時間硬化性(速硬化性)と
貯蔵安定性(保存性)の両立により良好な作業性を得る
ために、常温で不活性な触媒型硬化剤を用いているため
に、硬化に際して十分な反応が得られない為である。す
なわち、耐熱性の尺度であるガラス転移点(Tg)は最
高100℃近辺であり、半導体封止レベルで多用される
例えばプレッシャークッカー試験(PCT、121℃2
atm)といったより高温高湿の評価に耐性が不十分で
あった。なお、耐熱性用途に多用される硬化剤である酸
無水物や芳香族アミン及びポリフェノールなどの重付加
型の場合では、硬化に数時間以上と長時間が必要であり
作業性が不十分である。
【0005】本発明の目的は、耐熱性と耐湿性及び作業
性に優れ、特に厳しい信頼性の要求される電気・電子用
接着剤として好適な組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(3)成分を必須とする硬化のTgが120℃以上
なるように使用する接着剤組成物に関するもので、この
中には必要に応じてビスフェノール型エポキシ樹脂を含
有できる。 (1)フェノキシ樹脂 (2)トリフェニルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
またはテトラフェニルグリシジルエーテルエタン型エポ
キシ樹脂から選ばれた多官能グリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂 (3)温度活性を有する触媒型潜在性硬化剤 また本発明には上記接着剤組成物を、沸点が150℃以
下の芳香族炭化水素系と含酸素系の混合溶剤により液状
として剥離性基材上に形成し、温度活性を有する触媒型
潜在性硬化剤の活性温度以下で乾燥してなるフィルム状
接着剤の製造方法を含む。
【0007】更に上記接着剤組成物の硬化物Tgが12
0℃以上である接着剤組成物を、基板上の相対峙する電
極間に形成し、加熱加圧により両電極の接触と基板間の
接着を得る電極の接続体や、上記接着剤組成物と金属箔
との複合体を含む。
【0008】本発明に用いるフェノキシ樹脂について説
明する。
【0009】フェノキシ樹脂は、分子量が10,000
以上の高分子量エポキシ樹脂に相当し、エポキシ樹脂と
構造が似ていることから相溶性がよく、また接着性も良
好な特徴を有する。分子量の大きいほどフィルム形成性
が容易に得られ、また接続時の流動性に影響する溶融粘
度を広範囲に設定できる。分子量15,000以上がよ
り好ましい。これらの樹脂は水酸基やカルボキシル基な
どの極性基を含有すると、エポキシ樹脂との相溶性が向
上し、均一な外観や特性を有するフィルムの得られるこ
とや、硬化時の反応促進による短時間硬化を得る点から
も好ましい。
【0010】官能エポキシ樹脂は、1分子内に3個以
上のオキシラン基を有し、例えば、多官能グリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂や多官能グリシジルアミン型エポ
キシ樹脂が例示できる
【0011】本発明で用いる多官能グリシジルエーテル
型エポキシ樹脂としては、トリフェニルグリシジルエー
テルやテトラフェニルグリシジルエーテルエタンがあ
り、分子内にt−ブチル基などの疎水基を導入すること
もできる。
【0012】多官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂
は、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジル
イソシアヌレート、テトラグリシジルメタキシレンジア
ミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン等があ
る。
【0013】これらの中では、多官能グリシジルアミン
型エポキシ樹脂は速硬化性に有利であるが保存性に難点
があり、多官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の方
がバランスした特性を得やすく好ましい。
【0014】これらは、3官能、4官能などであり、組
成物中のエポキシ基量を多くして架橋密度を高めること
ができる。これらエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na
、CIなど)や、加水分解性塩素などを300pp
m以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロ
ンマイグレーション防止のために好ましい。
【0015】温度活性を有する触媒型潜在性硬化剤とし
ては、公知の材料が適用できる。例えば、イミダゾール
系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミ
ンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミドなど、及
びこれらの変性物があり、これらは単独または2種以上
の混合体として使用出来る。これらはアニオン又はカチ
オン重合型などのいわゆるイオン重合性の触媒型硬化剤
であり、速硬化性を得やすく、また化学当量的な考慮が
少なくて良いことから好ましい
【0016】長期保存性と速硬化性という矛盾した特性
の両立が要求される本発明の好ましい形態としては、こ
れらの硬化剤を核とし、ポリウレタン系、ポリエステル
系等の高分子物質や、Ni,Cu等の金属薄膜及びケイ
酸カルシウム等の無機物で被覆したマイクロカプセル型
であることが好ましい。カプセル型硬化剤の使用に当た
って注意すべき点は、カプセルの粒径を例えばフィルム
状接着剤の厚みよりも小さくして保存時のカプセル破壊
を防止すことや、カプセルの被覆層の材質を組成物や溶
剤などに対して耐性のあるものとすることである。
【0017】本発明の硬化剤の活性温度は、50〜20
0℃が好ましく70〜150℃がより好ましい。活性温
度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて、エポキシ樹
脂と硬化剤の配合物を試料として、室温から10℃/分
で昇温させた時の発熱ピーク温度を示す。
【0018】本発明の必要に応じて用いるエポキシ樹脂
は、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールAや
F、D、S等から誘導されるビスフェノール型エポキシ
樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやク
レゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック
樹脂が代表的であり、その他グリシジルアミン、グリシ
ジルエステル、グリシジルエーテル、ビフェニル、ナフ
タレン、脂環式、塩素環式などの1分子内に2個以上の
オキシラシ基を有する各種のエポキシ化合物が適用でき
る。これらは単独又は2種以上混合して用いることが可
能である。これらエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na
、Clなど)や、加水分解性塩素などを300pp
m以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロ
ンマイグレーション防止のために好ましい。
【0019】上記したエポキシ樹脂の中では、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂が分子量の異なるグレードが広く
入手可能で、接着性や反応性などを任意に設定できるこ
とから好ましい。なかでもビスフェノールF型エポキシ
樹脂は、粘度が特に低いことから高分子量のフェノキシ
樹脂との組み合わせで流動性を広範囲に設定できること
や、液状であり粘着性も得やすいことから特に好まし
い。
【0020】上記で得た接着剤組成物中には、通常の添
加物などとして例えば、充填剤、軟化剤、促進剤、老化
防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カッ
プリング剤およびメラミン樹脂、イソシアネート類など
の硬化剤などを含有することも出来る。これらの中で
は、導電粒子やシリカなどの充填剤及びシラン、チタ
ン、クロム、ジルコニウム、アルミニウム、などの各系
のカップリング剤が特に有用である。
【0021】導電粒子としては、Au,Ag、Ni,C
u、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、これら及
び非導電のガラス、セラミック、プラスチック等に前記
した導電層を被覆などにより形成したものでも良い。こ
れらは0.01〜30体積%の広範囲で用途により使い
分けられる。例えば全方向に導電性を必要とする導電塗
料などでは15体積%以上、回路接続用に有用な異方導
電性接着剤などでは15体積%以下がそれぞれ用いられ
る。
【0022】カップリング剤としては、アミノ基やエポ
キシ基含有物が、接着性の向上や充填剤などの分散性向
上の点からとくに好ましい。
【0023】本発明の接着剤組成物は一液型接着剤とし
て、塗料、積層材料、含浸材料、成形材料などに適用で
きるが、ICチップと基板との接着や電気回路相互の接
着用のフィルム状接着剤として特に有用である。
【0024】この場合例えば、上記で得た接着剤組成物
を溶剤あるいはエマルジョンの場合の分散液などとして
液状化して、離形紙などの剥離性基材上に形成し、ある
いは不織布等の基材に前記配合液を含浸させて剥離性基
材上に形成し、硬化剤の活性温度以下で乾燥し、溶剤あ
るいは分散液等を除去すればよい。
【0025】この時、用いる溶剤は芳香族炭化水素系と
含酸素系の混合溶剤が、材料の溶解性を向上させるため
好ましい。ここに含酸素系溶剤のSP値は8.1〜1
0.7の範囲とすることが潜在性硬化剤の保護上好まし
く、酢酸エステル類がより好ましい。また溶剤の沸点は
150℃以下が適用できる。沸点が150℃を超すと乾
燥に高温を要し潜在性硬化剤の活性温度に近いことから
潜在性の低下を招き、低温では乾燥時の作業性が低下す
る。このため沸点が、60〜150℃が好ましく、70
〜130℃がより好ましい。
【0026】本発明で得た接着剤組成物を用いた電極の
接続について説明する。
【0027】この方法は、接着剤組成物の硬化物Tgが
120℃以上である接着剤組成物を、基板上の相対峙す
る電極間に形成し、加熱加圧により両電極の接触と基板
間の接着をえる電極の接続方法である。ここに硬化物T
gは、動的粘弾性(引っ張りモード、10Hz)による
Tanδのピーク温度とする。Tgが120℃以上であ
る理由は、信頼性評価の高次の目標温度と略一致させる
ためである。Tg以下の温度下では弾性率等の物性変化
は比較的少ない。
【0028】電極間を形成する基板としては、半導体、
ガラス、セラミックなどの無機物、ポリイミド、ポリカ
ーボネートなどの有機物、ガラス/エポキシなどのこれ
ら複合体の各組合わせが適用できる。
【0029】本発明で得た接着剤組成物を用いた接着剤
付金属箔について説明する。接着剤付金属箔は、銅やア
ルミニウムなどの金属箔と前記した基板との接着に用い
られ、例えば印刷回路板等として多用されている。
【0030】本発明で得た接着剤組成物を用いた接着剤
付金属箔によれば、速硬化性と保存性の両立が可能なこ
とから基板との接着に連続積層法が適用できるなど、作
業性が向上する。また、Tgの向上と耐高温高湿性を得
ることが可能であり特性が向上する。金属箔に接着剤組
成物を形成する方法としては、塗布やフィルム状接着剤
とすれば良く、形成面は片面もしくは両面でもよい。
【0031】
【作用】本発明においては、フェノキシ樹脂と多官能
リシジルエーテル型エポキシ樹脂及び温度活性を有する
触媒型潜在性硬化剤とを含有することにより、速硬化性
と保存性の両立を得ながら、Tgの向上と耐高温高湿性
を得ることが可能である。この理由は、フェノキシ樹脂
中の水酸基の存在が多官能エポキシ樹脂の硬化反応を促
進して速硬化性を可能とし、フェノキシ樹脂が高分子量
で粘度が高い事からエポキシ樹脂は常温域では潜在性硬
化剤と接触しにくいことにより、良好な保存性が得られ
るものと各々推定できる。
【0032】フェノキシ樹脂は分子鎖が長くエポキシ樹
脂と構造が似ており、高架橋密度の組成物中で可とう性
材料として作用し、高靭性を付与するので高強度であり
ながらタフネスな組成物が得られる。
【0033】多官能型エポキシ樹脂は、硬化により組成
物中の架橋密度を高めてTgの向上を得る高温高湿性の
向上機構については、架橋密度の向上による高温時の高
弾性率保持に加えて、多官能グリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂の場合は、エーテル構造の導入による吸水性の
低下や界面接着性の向上が考えられる。これらの作用
は、フェノキシ樹脂との併用による相乗効果として、一
層有効に得られる。
【0034】また、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、
流動性、粘着性、接着性、反応性などを任意に調節する
のに有効である。
【0035】本発明におけるフィルム状接着剤は、用い
る接着剤がフェノキシ樹脂と多官能型エポキシ樹脂及び
潜在性硬化剤を含有し、溶剤の種類と沸点を特定し潜在
性硬化剤の活性温度以下で乾燥するため、硬化剤の劣化
がなく安定した保存性が得られる。
【0036】本発明における電極の接続体は、用いる接
着剤がフェノキシ樹脂と多官能型エポキシ樹脂及び潜在
性硬化剤を含有することにより、硬化物のTgが120
℃以上であるため接続部の耐熱性及び耐高温高湿性に優
れ、極めて良好な接続信頼性を得ることができる。
【0037】本発明で得た接着剤組成物を用いた接着剤
付金属箔によれば、速硬化性と保存性の両立が得られ、
製造時の作業性が向上する。また、Tgの向上と耐高温
高湿性を得ることが可能であり特性が向上する。
【0038】
【実施例】(実施例1) PKHA(フェノキシ樹脂、分子量25,000,水酸
基6%、ユニオンカーバイト社製商品名)と、EPPN
501H(トリフェニルグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂、エポキシ当量176、日本火薬株式会社製商品
名、EPPNと略)とを、50g対50gで秤量しいず
れも試薬特級のトルエン(沸点110.6℃、SP値
8.90)/酢酸エチル(沸点77.1、SP値9.
10)=50/50(重量%)の混合溶剤に溶解して4
0%溶液を得た。この溶液250gに、潜在性硬化剤A
(平均粒径10μmの1−シアノエチル−2−ウンデシ
ル・トリメリテートイミダゾリウム、略号C11Z−CN
S、の粉体表面に厚み約0.2μmの銅めっき層を有す
るマイクロカプセル型、活性温度128℃)20gを混
合した。上記で得た混合液を、銅箔105μm粗化面に
塗布後、100℃10分の熱風乾燥により、接着剤層の
厚みが15μmの接着剤付銅箔を得た。
【0039】この接着剤付き銅箔および、この接着剤付
銅箔を50℃240時間の保存処理したものとを用い
て、銅箔105μm粗化面とITO表面処理ガラス1.
1mmとの接続を160℃−20kg/mm−30秒
で行い、高温高湿処理(PCT−121℃2atm)前
後の引張りせん断接着強さ(JIS、K−6850、但
し接着面積3×1mm、5個の平均)を求めた。評価
結果を表1に示すが、良好な短時間接続性と保存性及び
高温高湿性を示した。
【0040】(実施例2〜7) 実施例1と同様であるが、PKHAを除く他の成分の材
料及び量を変更し、接着剤組成物100部に対し0.5
部のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加
えた。フェノキシ樹脂と多官能グリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂及び潜在性硬化剤(便宜上エポキシ樹脂も含
めて表示)の比は、固形分比で40/30/30とし、
トルエン/酢酸エチル(いずれも試薬特級)=70/3
0の混合溶剤に溶解して40%溶液を得た。
【0041】ここに新しく用いた材料は、多官能型エポ
キシ樹脂が、エピコート1032(トリフェニルグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂、エポキシ当量176、加
水分解性塩素270ppm、油化シェルエポキシ株式会
社製商品名、1032と略)、ESX−220(3官能
構造にt−ブチル基を導入したグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、エポキシ当量220、住友化学工業株式会
社製商品名、ESXと略)、及びエピコート1031
(テトラフェニルグリシジルエーテルエタン型エポキシ
樹脂、エポキシ当量176、油化シェルエポキシ株式会
社製商品名、1031と略)である。
【0042】潜在性硬化剤は、ノバキュア3748(イ
ミダゾール変性体を核とし、その表面をポリウレタンで
被覆してなる平均粒径5μmのマイクロカプセル型硬化
剤を液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂中に分散して
なるマスタバッチ型硬化剤、活性温度132℃、旭化成
工業株式会社製商品名、3748と略)、及びノバキュ
ア3941(3748と同様だが 液状ビスフェノール
F型エポキシ樹脂中に分散、活性温度125℃、以下旭
化成工業株式会社製商品名、3941と略)である。
【0043】実施例1と同様に評価した結果を表1に示
すが、シランカップリング剤を含有したこともあり良好
な短時間接続性と保存性及び高温高湿性を示した。
【0044】(実施例8) 実施例5の溶液を、2軸延伸ポリプロピレンフィルム
(OPPと略)上にロールコータを用いて塗布後、10
0℃10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが25μ
mのフィルム状接着剤を得た。
【0045】このフィルムは、室温で十分な柔軟性を有
しており、連続的に巻重が可能であった。このフィルム
および、このフィルムを50℃240時間の保存処理し
たものとを用いて、銅箔105μm粗化面とITO表面
処理ガラス1.1mmとの接続を160℃−20kg/
mm−30秒で行い、高温高湿処理(PCT−121
℃2atm)前後の引張りせん断接着強さを求めた。評
価結果を表1に示すが、良好な短時間接続性と保存性及
び高温高湿性を示した。
【0046】この接着剤を200℃10分気中で加熱
し、粘弾性測定装置(レオスペクトラDVE−V4,レ
オロジ株式会社製商品名)により、引っ張りモード、1
0Hz、5℃/分によるTanδのピーク温度を求めた
ところ180℃以上であった。
【0047】また、上記硬化物を純水中に浸積し、10
0℃−10h後の抽出水を、イオンクロマトグラフィー
で分析したところ、Na5.2ppm、C13.5
ppmであった。
【0048】(実施例9〜11及び比較例1〜2) 実施例8と同様であるが、PKHAの可とう化品である
PKHM−30を用い、潜在性硬化剤は前述のノバキュ
ア3941を40%とした。フェノキシ樹脂と多官能型
エポキシ樹脂との量比は、PKHM−30/エピコート
1032=0/60(比較例1)、5/55(実施例
9)、30/30(実施例10)、55/5(実施例1
1)、60/0(比較例2)である。実施例8と同様に
求めたTanδのピーク温度は、実施例9、実施例10
はいずれも180℃以上であった。同様に実施例10は
154℃、実施例11は123℃、比較例2は85℃で
あった。比較例1はフェノキシ樹脂を含有しないので、
フィルムの形成性に劣り試験不能であった。
【0049】引張りせん断接着強さの評価結果を表1に
示す。実施例9〜11は、フェノキシ樹脂と多官能型エ
ポキシ樹脂との量比を変動させたが、いずれも良好な引
張りせん断接着強さであった。一方、比較例1は試験不
能であった。比較例2は、多官能型エポキシ樹脂を含有
しないので、耐熱性がなく高温高湿処理後に剥離した。
【0050】(比較例3) 実施例6と同様であるがエピコート1032の30部に
対し、硬化剤を芳香族アミン系のジアミノジフェニルス
ルホン12部とした。この場合上記実施例の硬化条件の
160℃−30秒では硬化不可能であり、引き剥がし強
さが発現しなかった。
【0051】(実施例12〜14) 実施例8のフィルム状接着剤(実施例12)及び、この
接着剤に対して1体積%の導電粒子として、平均粒径3
μmのニッケル(実施例13)、平均粒径5μmの表面
に金属薄層を有するプラスチック粒子(実施例14)を
含有するフィルム状接着剤を用意した。
【0052】一方、ガラス板上に半導体チップ(3×1
0mm、高さ0.5mm、主面の4辺周囲にバンプと呼
ばれる50μm角、高さ20μmの金属突起電極を形
成)のバンプ配置と対応した接続端子を有するITO回
路を形成した配線板を用意した。半導体チップのバンプ
面と、配線板の回路との間に前記フィルム状接着剤を載
置した。この時実施例の各フィルムは、室温で粘着性を
有しており半導体チップのバンプ面に簡単に仮接着でき
た。この後OPP(セパレータ)を剥離し、ガラス回路
とバンプの位置合わせを行い、170℃−30g/バン
プ−20秒の加熱加圧を行い、ガラス回路と半導体チッ
プを接続した。
【0053】上記接続品は接続部への気泡混入がなかっ
た。接続品の導通チェックを行ったところ、いずれも良
好な接続であった。更にPCT−121℃2atm−2
00h後も、各実施例ともに良好な接続であった。
【0054】接続部の断面を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、実施例12では一部のバンプが変形して平坦
性を得て接続端子と良く接触していた。同様に実施例1
3ではニッケルがバンプにつきささるように、実施例1
4ではプラスチック粒子が加圧方向に潰されるように変
形して、それぞれ導電粒子を介して接続端子と良く接触
していた。これらのことから、実施例13では電極面の
酸化層を突き破り、実施例14ではバンプ高さのバラツ
キにそれぞれ対応可能な事がわかった。
【0055】
【表1】
【0056】(実施例15及び比較例4) 実施例11及び比較例2のフィルム状接着剤を用いて、
実施例12と同様な評価を行った。実施例11のフィル
ムを用いた接続品(実施例15)は良好な接続であっ
た。比較例2のフィルムを用いた接続品(比較例4)で
はPCT後に接続オープンが多数発生した。評価温度で
ある121℃に対して、実施例15は123℃、比較例
4は85℃であった硬化物のTgが大きく影響したと考
えられる。評価の最高温度よりも接着剤硬化物のTgを
高くすることで、接続信頼性の向上が可能であった。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、耐
熱性と耐湿性及び作業性に優れ、特に厳しい信頼性の要
求される電気・電子用接着剤として好適な接着剤組成物
及び応用製品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 共久 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社 下館研究所内 (72)発明者 山口 豊 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社 下館研究所内 (72)発明者 伊藤 達夫 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社 下館研究所内 (56)参考文献 特開 平3−188180(JP,A) 特開 昭62−141083(JP,A) 特開 平2−102281(JP,A) 特開 昭61−41535(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(1)〜(3)を必須とする
    着剤組成物であって、硬化のTgが120℃以上とな
    るように使用する接着剤組成物。 (1)フェノキシ樹脂 (2)トリフェニルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    またはテトラフェニルグリシジルエーテルエタン型エポ
    キシ樹脂から選ばれた多官能グリシジルエーテル型エポ
    キシ樹脂 (3)温度活性を有する触媒型潜在性硬化剤
  2. 【請求項2】 下記成分(1)〜(4)を必須とする
    着剤組成物であって、硬化後のTgが120℃以上とな
    るように使用する接着剤組成物。 (1)フェノキシ樹脂 (2)トリフェニルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
    またはテトラフェニルグリシジルエーテルエタン型エポ
    キシ樹脂から選ばれた多官能グリシジルエーテル型エポ
    キシ樹脂 (3)温度活性を有する触媒型潜在性硬化剤 (4)ビスフェノール型エポキシ樹脂
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の接着剤
    組成物を、沸点が150℃以下の芳香族炭化水素系と含
    酸素系の混合溶剤により液状として剥離性基材上に形成
    し、温度活性を有する触媒型潜在性硬化剤の活性温度以
    下で乾燥してなるフィルム状接着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の接着剤
    組成物を剥離性基材上に塗布乾燥して得られるフィルム
    状接着剤。
  5. 【請求項5】 基板上の相対峙する電極間に硬化物のT
    gが120℃以上である請求項1又は請求項2に記載の
    接着剤組成物からなる接着剤層を形成し、温度活性を有
    する触媒型潜在性硬化剤の活性温度以上で加熱加圧によ
    り両電極の接続と基板間の接着をしてなる電極の接続
    体。
  6. 【請求項6】 金属箔の少なくとも片面に請求項1又は
    請求項2に記載の接着剤組成物からなる接着剤層を形成
    してなる電気・電子用接着剤付金属箔。
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