JP2011184528A - 回路接続材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 速硬化性と接着性とを両立でき、短時間で回路を良好に接続することができる回路接続材料を提供すること。
【解決手段】 下記(1)〜(4)の成分が含まれる接着剤組成物中に導電性粒子を分散してなる、回路接続材料。
(1)フェノキシ樹脂
(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子
(4)潜在性硬化剤
【選択図】なし
【解決手段】 下記(1)〜(4)の成分が含まれる接着剤組成物中に導電性粒子を分散してなる、回路接続材料。
(1)フェノキシ樹脂
(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子
(4)潜在性硬化剤
【選択図】なし
Description
本発明は、回路接続材料に関する。
エポキシ樹脂系接着剤は、高い接着強さが得られ、耐水性や耐熱性に優れること等から、電気・電子・建築・自動車・航空機等の各種分野で多用されている。中でも一液型エポキシ樹脂系接着剤は、主剤と硬化剤との混合が不必要であり使用が簡便なことから、フィルム状・ペースト状・粉体状の形態で使用されている(例えば、特許文献1)。また、使用される用途に応じて、多様な構造を有するエポキシ樹脂を配合する試みがなされており、例えば、下記特許文献2には、ナフタレン系エポキシ樹脂を配合した回路接続材料が提案されている。
上記特許文献1に記載のものをはじめとする従来のエポキシ樹脂系のフィルム状接着剤は、作業性には優れるものの、短時間硬化性(速硬化性)と貯蔵安定性(保存性)を両立するために常温で不活性な触媒型硬化剤が配合されており、硬化に際して十分な反応性が得られにくく、耐熱性や耐湿性が不十分となる傾向にあった。そのため、硬化時間のさらなる短縮化が困難であった。なお、耐熱性用途に多用される硬化剤として、酸無水物や芳香族アミン、及びポリフェノール等の重付加型の硬化剤が知られているが、このような硬化剤を配合した場合は硬化に数時間以上の長時間が必要となってしまう。
特許文献2に記載のナフタレン系エポキシ樹脂は、ナフタレン骨格が平面構造であるため、立体障害が小さく反応を受けやすい。それゆえ、ナフタレン系エポキシ樹脂は、ビスフェノールAやビスフェノールF型等の一般的なエポキシ樹脂と比較して、速硬化に有利な特性を有しているが、ナフタレン骨格の剛直性が硬化物を剛直としてしまい、接着性の点で不利に働く面があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、速硬化性と接着性とを両立でき、短時間で回路を良好に接続することができる回路接続材料を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、下記(1)〜(4)の成分が含まれる接着剤組成物中に導電性粒子を分散してなる回路接続材料を提供する。
(1)フェノキシ樹脂
(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子
(4)潜在性硬化剤
(1)フェノキシ樹脂
(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子
(4)潜在性硬化剤
本発明の回路接続材料によれば、上記構成を有することにより、速硬化性と接着性とを両立でき、短時間で回路を良好に接続することができる。
本発明の回路接続材料が短時間で回路を良好に接続することができる理由を本発明者らは、本発明の回路接続材料が有する下記の優れた特性、すなわち、速硬化性、保存性及び接着性、並びに、接続抵抗が上昇しにくい特性によるものと考えている。なお、本発明はこれらの特性をすべて有するものに限られるものではない。速硬化性については、アルキレンオキサイド変性ビスフェノール型エポキシ樹脂のカチオン重合速度そのものが早いことに加えて、フェノキシ樹脂中の水酸基の存在がアルキレンオキサイド変性ビスフェノール型エポキシ樹脂の硬化反応を促進することが、高い速硬化性を発現できる理由と考えられる。その一方で、本発明の回路接続材料は良好な保存性を有しており、これは、フェノキシ樹脂が高分子量であり粘度が比較的高いことから、常温域では潜在性硬化剤と接触しにくいことによるものと考えられる。また、本発明の回路接続材料はコア・シェル構造を有するアクリル粒子が含まれていることによって、回路部材同士を接続した際の接続抵抗を十分に低減することができる。接着性については、フェノキシ樹脂は分子鎖が長く本発明に係るエポキシ樹脂と構造が類似しており、高架橋密度の組成物中で可とう性材料として作用し、高靭性を付与するので、高強度でありながらタフネスな組成物が得られることによるものと考えられる。
本発明の回路接続材料において、フィルム形成性の観点から、上記(1)フェノキシ樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10000以上であることが好ましい。
本発明の回路接続材料に含まれる上記(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、回路接続材料の取扱い性や接続時における流動性の観点から、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが好ましい。
本発明の回路接続材料に含まれる上記導電性粒子は、接着剤組成物中への良好な分散性、及び回路接続材料としての良好な導電性を得る観点から、平均粒径が2〜18μmであることが好ましい。
本発明の回路接続材料に含まれる上記導電性粒子の含有量は、接着剤組成物100体積部に対して、0.1〜30体積部であるであることが好ましい。この場合、回路の加圧方向の導電性を確保しながら、同一基板上の回路電極間の短絡をより確実に防止することができる。
本発明の回路接続材料は、形状がフィルム状であることが好ましい。本発明の回路接続材料はフィルム状で用いた場合も、速硬化性と接着性とを両立でき、短時間で回路を良好に接続することができる。よって、かかるフィルム状の回路接続材料は、作業性に優れ、短時間硬化特性の要求される電気・電子用の回路接続材料として特に好適なものとなる。
本発明によれば、速硬化性と接着性とを両立でき、短時間で回路を良好に接続することができる回路接続材料を提供することができる。特に、本発明によれば、短時間硬化特性の要求される電気・電子用の回路接続材料を提供することができる。
以下、本発明の回路接続材料の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の回路接続材料は、(1)フェノキシ樹脂、(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子、及び(4)潜在性硬化剤が含まれる接着剤組成物中に、導電性粒子を分散してなるものである。
本実施形態において用いられる(1)フェノキシ樹脂としては、特に制限はなく公知のものを使用することができる。フェノキシ樹脂は、高分子量エポキシ樹脂に相当し、エポキシ樹脂と同様に、ビスフェノールA型、F型、AD型等の種類がある。これらはエポキシ樹脂と構造が類似していることからエポキシ樹脂との相溶性がよく、また接着性も良好な特徴を有する。
フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、分子量が大きいほどフィルム形成性が容易に得られることから、10000以上が好ましい。更に、溶融粘度や他の樹脂との相溶性等の点から、フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、10000〜150000が好ましく、10000〜80000程度がより好ましい。なお、重量平均分子量が10000未満であると、接着剤フィルムとしてのフィルム形成性が低下する傾向にあり、150000を超えると、接続時における回路接続材料の流動性が低下する傾向にある。
なお、本明細書で規定する重量平均分子量とは、以下の条件に従ってゲルパーミエイションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した値をいう。
<GPC条件>
使用機器:日立L−6000型〔(株)日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(計3本)〔日立化成工業(株)製商品名〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/min
検出器:L−3300RI〔(株)日立製作所製〕
<GPC条件>
使用機器:日立L−6000型〔(株)日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(計3本)〔日立化成工業(株)製商品名〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75ml/min
検出器:L−3300RI〔(株)日立製作所製〕
フェノキシ樹脂は、水酸基やカルボキシル基等の極性基を含有することが好ましい。これらの極性基を有するフェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性が向上して均一な外観や特性を有するフィルムが得られる点や、硬化時の反応促進による短時間硬化が得られる点で好ましい。
本実施形態において用いられる(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、単に「本発明に係るエポキシ樹脂」という場合もある。)としては、例えば、ビスフェノールAをエピクロロヒドリンと反応させる際にエチレンやプロピレンといったアルキレンを付加させることにより得られたエポキシ樹脂が挙げられる。本発明に係るエポキシ樹脂は、他のエポキシ樹脂と比較して柔軟な骨格であるアルキレン鎖を有しているため、硬化収縮時に発生する硬化応力を緩和することができる。また、基本骨格がビスフェノールA型であるために、硬化物は良好な耐熱性、接着性を与えることができる。
本発明に係るエポキシ樹脂は、1分子内に少なくとも2個以上のアルキレンオキサイドユニットを有することが好ましい。
また、本発明に係るエポキシ樹脂は、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが好ましい。特に、直鎖状のプロピレンを有するものは、エチレンに比べてアルキレン鎖が長いことから低粘度なものとなり、回路接続材料の取扱い性や接続時における流動性が向上するのでより好ましい。
本実施形態の回路接続材料は、上記本発明に係るエポキシ樹脂以外に、必要に応じて、他のエポキシ樹脂を含有することができる。他のエポキシ樹脂としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、AD、S等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂や、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ビフェニル、脂環式、塩素環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記したエポキシ樹脂の中でもビスフェノール型エポキシ樹脂が、分子量の異なるグレードが広く入手可能であり、接着性や反応性等を任意に設定できることから好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂及び他のエポキシ樹脂は、不純物イオン(Na+、Cl−等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロンマイグレーション防止のために好ましい。
本実施形態で用いられる(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子としては、例えば、アクリルゴム粒子表面にアクリル酸又はメタクリル酸をグラフト重合させたものが挙げられる。本実施形態の回路接続材料は、コア・シェル構造を有するアクリル粒子を含むことにより、回路部材同士を接続した際の接続抵抗を十分に低減することができる。
コア・シェル構造を有するアクリル粒子は、一次粒径が0.1μm〜1μmであるものが好ましい。アクリル粒子がかかる粒径の微粒子であると、回路接続材料の流動性の低下を十分抑制しつつ、十分な応力緩和効果を得ることができる。
本実施形態においては、(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子として、メタブレンW5500(三菱レイヨン株式会社製、商品名)などの市販品を用いることができる。
本実施形態で用いられる(4)潜在性硬化剤としては、例えば、スルホニウム塩、フォスフォニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩からなるカチオン重合型のいわゆるイオン重合性の触媒型硬化剤が挙げられる。これらの硬化剤は、速硬化性を得やすく、また化学当量的な考慮が少なくてよいことから好ましい。上記の硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の回路接続材料における各成分の配合割合は、フェノキシ樹脂及びエポキシ樹脂の合計質量を100質量部としたとき、(1)フェノキシ樹脂が30〜50質量部、(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子が30〜50質量部、(4)潜在性硬化剤が0.05〜10質量部であることが好ましい。アクリル粒子の含有量が、30質量部未満であると、応力緩和能が発現しにくく接着力の向上が得られにくくなり、50質量部を超えると、回路接続材料の流動を阻害して接続抵抗の上昇が起こりやすくなる。
また、本実施形態の回路接続材料におけるエポキシ樹脂の合計含有量は、フェノキシ樹脂及びエポキシ樹脂の合計100質量部に対し、50〜70質量部であることが好ましい。エポキシ樹脂が50質量部未満であると、硬化後の樹脂強度が不十分となる傾向にある。
本実施形態で用いられる導電性粒子としては、例えば、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等が挙げられる。このほか、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に上記金属を被覆したものでもよい。導電性粒子が、プラスチックを核とし、この核に上記金属、金属粒子、カーボン等を被覆したもの、又は、熱溶融金属粒子である場合、加熱加圧により変形性を有するので、回路部材同士を接続する際に、導電性粒子と電極との接触面積が増加して信頼性が向上するので好ましい。
上記導電性粒子は、平均粒径が2〜18μmであることが好ましい。
本実施形態の回路接続材料に含まれる上記導電性粒子の含有量は、接着剤組成物100体積部に対して、0.1〜30体積部とすることが好ましく、0.1〜10体積部とすることがより好ましい。導電性粒子の含有量が、0.1体積部未満であると、十分な導電性が得られない傾向があり、30体積部を超えると、回路電極間の短絡が生じやすくなる傾向がある。なお、導電性粒子の配合割合は、23℃における接着剤組成物を硬化させる前の各成分の体積に基づいて決定される。各成分の体積は、比重を利用して重量から体積に換算する方法や、その成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れたメスシリンダー等の容器にその成分を投入し、増加した体積から算出する方法によって求めることができる。
本実施形態の回路接続材料は、用途に応じて、例えば、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂等の硬化剤等の公知の添加物を含有することもできる。これらの中では、シリカ等の充填剤及びシラン、チタン、クロム、ジルコニウム、アルミニウム等の各系のカップリング剤が特に有効である。カップリング剤としては、エポキシ基、及びアクリル基、ビニル基含有物が、接着性の向上の点から特に好ましい。
本実施形態の回路接続材料は、フィルム状にして用いることが好ましい。この場合、一液型接着剤として、とりわけICチップと基板との接着や電気回路相互の接着用のフィルム状接着剤として特に有用である。また、本実施形態の回路接続材料は、異方導電性接着剤としても好適に使用することができる。
上記フィルム状接着剤は、例えば、上述した各成分が含まれる回路接続材料に溶剤を加えた液状物又は回路接続材料のエマルジョンを、離型紙等の剥離性基材上に塗布し、又は不織布等の基材に上記液状物又はエマルジョンを含浸させたものを剥離性基材上に載置し、硬化剤の活性温度以下で乾燥して溶剤等を除去することにより得ることができる。
この時使用する溶剤は、芳香族炭化水素系と含酸素系の混合溶剤が、材料の溶解性を向上させるため好ましい。ここに含酸素系溶剤のSP値は、8.1〜10.7の範囲とすることが潜在性硬化剤の保護上好ましく、酢酸エステル類がより好ましい。また溶剤の沸点は、60〜150℃が好ましく、70〜130℃がより好ましい。沸点が150℃を超えると乾燥に高温を要し、潜在性硬化剤の活性温度に近いことから、潜在性の低下を招く。沸点が60℃未満であると、乾燥時の作業性が低下する。
また、上記の方法によれば、溶剤の種類と沸点を特定して潜在性硬化剤の活性温度以下で乾燥させるため、潜在性硬化剤の劣化がなく、安定した保存性を有するフィルム状接着剤を得ることができる。
次に、本実施形態の回路接続材料を用いた回路の接続方法について説明する。かかる接続方法としては、例えば、回路接続材料を、対向する回路基板上の相対峙する回路電極間に介在させ、加熱加圧により両電極の接触と基板間の接着を得る方法が挙げられる。回路基板の基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機質、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等の無機物や有機物を複合化した材料などが挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YP−70、重量平均分子量55000)50gを、重量比でトルエン(沸点110.6℃、SP値8.90)/酢酸エチル(沸点77.1℃、SP値9.10)=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40%の溶液とした。アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ADEKA株式会社製、商品名EP−4000S、エポキシ当量260、全塩素0.05%))50gは原液のまま使用した。コア・シェル構造を有するアクリル粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名メタブレンW5500、一次粒径約0.8μm)20gを酢酸エチルに超音波分散させて15%分散液とした。潜在性硬化剤は、SI−60LA(三新化学工業株式会社商品名)を用いた。ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径3μm、比重2.0の導電性粒子を作製した。
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YP−70、重量平均分子量55000)50gを、重量比でトルエン(沸点110.6℃、SP値8.90)/酢酸エチル(沸点77.1℃、SP値9.10)=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40%の溶液とした。アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ADEKA株式会社製、商品名EP−4000S、エポキシ当量260、全塩素0.05%))50gは原液のまま使用した。コア・シェル構造を有するアクリル粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名メタブレンW5500、一次粒径約0.8μm)20gを酢酸エチルに超音波分散させて15%分散液とした。潜在性硬化剤は、SI−60LA(三新化学工業株式会社商品名)を用いた。ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径3μm、比重2.0の導電性粒子を作製した。
固形重量で樹脂成分100質量部に対して、コア・シェル構造を有するアクリル粒子を40質量部、潜在性硬化剤を5質量部となるように配合し、更に、これらの合計100体積部に対して導電性粒子を3体積部配合分散させた分散液を、厚み50μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、60℃、3分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが20μmの、実施例1の回路接続材料を得た。
<実施例2>
フェノキシ樹脂/プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の固形重量比50質量部/50質量部を、40質量部/60質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の回路接続材料を得た。
フェノキシ樹脂/プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の固形重量比50質量部/50質量部を、40質量部/60質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の回路接続材料を得た。
<実施例3>
フェノキシ樹脂/プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の固形重量比50質量部/50質量部を、30質量部/70質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の回路接続材料を得た。
フェノキシ樹脂/プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の固形重量比50質量部/50質量部を、30質量部/70質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の回路接続材料を得た。
<実施例4>
コア・シェル構造を有するアクリル粒子の配合量40質量部を50質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の回路接続材料を得た。
コア・シェル構造を有するアクリル粒子の配合量40質量部を50質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の回路接続材料を得た。
<実施例5>
プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量50質量部を40質量部とし、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名エピコート828、エポキシ当量184))10質量部を更に加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の回路接続材料を得た。
プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合量50質量部を40質量部とし、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名エピコート828、エポキシ当量184))10質量部を更に加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の回路接続材料を得た。
<実施例6>
導電性粒子の配合量を7体積部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の回路接続材料を得た。
導電性粒子の配合量を7体積部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の回路接続材料を得た。
<実施例7>
導電性粒子の粒径を5μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の回路接続材料を得た。
導電性粒子の粒径を5μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の回路接続材料を得た。
<実施例8>
導電性粒子を、平均粒径2μm、凝集粒径10μmのニッケル粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の回路接続材料を得た。
導電性粒子を、平均粒径2μm、凝集粒径10μmのニッケル粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の回路接続材料を得た。
<比較例1>
プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代えて、ビスフェノール型エポキシ樹脂(エピコート828)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の回路接続材料を得た。
プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代えて、ビスフェノール型エポキシ樹脂(エピコート828)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の回路接続材料を得た。
(回路の接続)
上述の回路接続材料を用いて、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み8μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)同士を180℃、3MPaで5秒間加熱加圧して、幅2mmにわたり接続した。このとき、予め一方のFPC上に、回路接続材料の接着面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで2秒間加熱加圧して仮接続し、その後、PET樹脂フィルムを剥離してもう一方のFPCと接続した。
上述の回路接続材料を用いて、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み8μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)同士を180℃、3MPaで5秒間加熱加圧して、幅2mmにわたり接続した。このとき、予め一方のFPC上に、回路接続材料の接着面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで2秒間加熱加圧して仮接続し、その後、PET樹脂フィルムを剥離してもう一方のFPCと接続した。
また、前述のFPCと、酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラス(表面抵抗20Ω/□)とを180℃、3MPaで5秒間加熱加圧して、幅1.5mmにわたり接続した。この時、上記と同様にITOガラスに回路接続材料を仮接続した後に、FPCと接続した。
(接続抵抗の測定)
回路の接続後、上記接続部を含むFPCの隣接回路間の抵抗値をマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路聞の抵抗150点の平均で示した。これらの結果を表1に示す。実施例1で得られた回路接続材料は、十分に低い接続抵抗を示した。実施例2〜8の回路接続材料も同様に良好な接続抵抗を示した。
回路の接続後、上記接続部を含むFPCの隣接回路間の抵抗値をマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路聞の抵抗150点の平均で示した。これらの結果を表1に示す。実施例1で得られた回路接続材料は、十分に低い接続抵抗を示した。実施例2〜8の回路接続材料も同様に良好な接続抵抗を示した。
(接着力の測定)
回路の接続後、上記接続部を含むFPCを1cm幅に切り出し、テンシルメーターを用いて接着力の測定を90度ピール法にて行った。これらの結果を表1に示す。実施例1で得られた回路接続材料は、十分な接着力を示した。実施例2〜8の回路接続材料も同様に良好な接着力を示した。一方、実施例1のプロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代えてビスフェノール型エポキシ樹脂を用いた比較例1は、硬化物の応力緩和が不十分であるため接着力向上効果が得られなかった。
回路の接続後、上記接続部を含むFPCを1cm幅に切り出し、テンシルメーターを用いて接着力の測定を90度ピール法にて行った。これらの結果を表1に示す。実施例1で得られた回路接続材料は、十分な接着力を示した。実施例2〜8の回路接続材料も同様に良好な接着力を示した。一方、実施例1のプロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代えてビスフェノール型エポキシ樹脂を用いた比較例1は、硬化物の応力緩和が不十分であるため接着力向上効果が得られなかった。
Claims (6)
- 下記(1)〜(4)の成分が含まれる接着剤組成物中に導電性粒子を分散してなる、回路接続材料。
(1)フェノキシ樹脂
(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(3)コア・シェル構造を有するアクリル粒子
(4)潜在性硬化剤 - 前記(1)フェノキシ樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10000以上である、請求項1に記載の回路接続材料。
- 前記(2)アルキレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1又は2に記載の回路接続材料
- 前記導電性粒子は、平均粒径が2〜18μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路接続材料。
- 前記導電性粒子の含有量が、前記接着剤組成物100体積部に対して、0.1〜30体積部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路用接続材料。
- 形状がフィルム状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回路接続材料。
Priority Applications (1)
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