JPH09277415A - 自動車内装材およびその製造方法 - Google Patents

自動車内装材およびその製造方法

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JPH09277415A
JPH09277415A JP8113294A JP11329496A JPH09277415A JP H09277415 A JPH09277415 A JP H09277415A JP 8113294 A JP8113294 A JP 8113294A JP 11329496 A JP11329496 A JP 11329496A JP H09277415 A JPH09277415 A JP H09277415A
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JP
Japan
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glass fiber
melt adhesive
hot melt
interior material
laminated
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JP8113294A
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English (en)
Inventor
Masanobu Higuchi
政信 樋口
Toshinobu Nishiguchi
敏信 西口
Tsutomu Yano
勉 矢野
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱変形性に優れ、しかも成形温度が従来
と殆ど変わらず、容易に成形できる自動車内装材を提供
する。 【解決手段】 発泡体からなる基材11の両面にガラス
繊維層13,14および表面材15,16を積層接着し
てなる自動車内装材において、前記基材の少なくとも片
面とガラス繊維層との間に、少なくともフリーのNCO
基を有するポリウレタン系ホットメルト接着剤層21を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車内装材お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の天井材やドアトリム等の
自動車内装材として、その一部を示す図12のような積
層構造からなるものが知られている。前記構造の自動車
内装材50は、ポリウレタン発泡体からなる基材51の
両面にガラス繊維層52, 53および表面材54,55
を積層接着して所定形状に付形された構造からなる。前
記一方の表面材54は製品の表側の面、他方の表面材5
5は製品の裏側の面を構成する。また、前記各層の接着
一体化および形状固定は、前記ガラス繊維層52,53
にポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂粉末を分
散させておき、前記各層を170℃程度に加熱しながら
型に挟み押圧することによって前記樹脂粉末を溶融し、
その溶融樹脂の冷却固化により生じる接着および形状固
定作用によって行なっている。
【0003】ところで、自動車内装材は、夏季に車内が
高温となるため、その際にも変形を生じないような耐熱
変形性が求められる。しかし、前記構造の自動車内装材
にあっては、耐熱変形性が充分とは言えず、耐熱変形性
の向上が求められていた。
【0004】本発明者は、前記自動車内装材における耐
熱変形性の問題について種々検討した結果、次のような
推論に到った。すなわち、前記自動車内装材各層の接着
および形状固定を行なうポリエチレン樹脂あるいはポリ
プロピレン樹脂は、全ての分子が一定の分子量を有する
ものではなく、分子量の異なるものが分布している。そ
して低分子のものは高分子のものに比べて軟化点が低い
性質がある。この軟化点は、熱可塑性樹脂が加熱により
変形し始める温度で、軟化点が高いと樹脂の耐熱変形性
が高くなり、逆に軟化点が低いと樹脂の耐熱変形性が低
くなる。
【0005】したがって、前記自動車内装材にあって
は、その各層の接着および形状固定を行なうポリエチレ
ン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂に軟化点の低い部分
(分子)、すなわち耐熱変形性の低い部分(分子)が存
在し、その部分で各層の形状固定が弱くなって熱により
変形し易くなると考えられる。
【0006】そこで、前記自動車内装材の耐熱変形性を
向上するため、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂
よりも軟化点の高いポリアミド樹脂やポリエステル樹脂
の粉末を前記ガラス繊維層に分散させて用いることが考
える。しかし、この場合には自動車内装材の成形時の温
度を、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂が融ける温度
まで上昇させねばならないため、熱によって表面材が変
色あるいは変質したり、成形設備が高価になるなどの問
題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の点
に鑑みなされたもので、耐熱変形性に優れ、しかも成形
温度が従来と殆ど変わらず、容易に成形できる自動車内
装材およびその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発泡
体からなる基材の両面にガラス繊維層および表面材を積
層接着してなる自動車内装材において、前記基材の少な
くとも片面とガラス繊維層との間に、少なくともフリー
のNCO基を有するポリウレタン系ホットメルト接着剤
層を設けたことを特徴とする。
【0009】一方、請求項2の発明は、発泡体からなる
基材の両面にガラス繊維層および表面材を積層接着して
なる自動車内装材の製造方法において、発泡体の少なく
とも片面にフリーのNCO基を有するポリウレタン系ホ
ットメルト接着剤層を設けた基材を、熱可塑性樹脂粉末
が分散した二つのガラス繊維層間に挟み、該一方のガラ
ス繊維層の表面に一方の表面材を積層する積層工程と、
前記積層物を加熱し押圧して、前記熱可塑性樹脂粉末お
よびポリウレタン系ホットメルト接着剤層を溶融させる
ことにより、該積層物の各層を互いに接着して積層板を
形成する熱接着工程と、前記積層板を加熱軟化状態にし
て表面材未積層側のガラス繊維層の表面に他方の表面材
を積層した後、該表面材と積層板を型で押圧することに
より、当該表面材と積層板とを接着して型面形状に賦形
する表面材接着および賦形工程、および前記ポリウレタ
ン系ホットメルト接着剤層中のNCO基を水分と反応さ
せて前記形状に固定する形状固定工程とを含むことを特
徴とする。
【0010】前記請求項1および2に記載された発明に
あっては、基材とガラス繊維層が、その間に位置するポ
リウレタン系ホットメルト接着剤層によって接着され
る。このポリウレタン系ホットメルト接着剤は、フリー
のNCO基を有するものもので、エチレン酢酸ビニル共
重合体等からなる通常のホットメルト接着剤と同様、加
熱により軟化溶融して接着性を発揮するのみならず、前
記NCO基の反応によって三次元架橋し、その形状を固
定する作用がある。しかも、反応終了後の三次元架橋に
よる形状固定は、熱による影響がなく高温においても確
実に形状を固定する。したがって、請求項1の自動車内
装材および請求項2の製造方法によって得られる自動車
内装材は、基材とガラス繊維層間に存在して両層を接着
させるポリウレタン系ホットメルト接着剤層により、各
層の形状が確実に固定されることになり、高い耐熱変形
性を有する。
【0011】しかも、ポリウレタン系ホットメルト接着
剤は、一般的に60〜120℃程度で軟化溶融するた
め、自動車内装材成形時の温度も従来と殆ど変わらず、
従来と同種の表面材を使用しても、変色や変質を生じる
ことがない。なお、前記ポリウレタン系ホットメルト接
着材層を基材の両面に設ければ、前記形状固定作用はよ
り大となって、高い耐熱変形性が得られる。また、前記
ポリウレタン系ホットメルト接着剤は、空気中の水分
(湿気)と反応して三次元架橋構造をとる水分(湿気)
硬化型のものが、作業性の点で好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下添付の図面にしたがってこの
発明を詳細に説明する。図1は請求項1の発明に係る自
動車内装材の実施例を示す部分断面図、図2は他の実施
例の部分断面図である。一方、図3ないし図10は請求
項2の発明に係る自動車内装材の製造方法の実施例に関
するもので、図3は積層工程における第一の熱可塑性樹
脂粉末散布時を示す図、図4は同積層工程における基材
積層時を示す図、図5は同積層工程における第二のガラ
ス繊維層積層時を示す図、図6は同積層工程における第
二の熱可塑性樹脂粉末散布時を示す図、図7は同積層工
程における第二の表面材積層時を示す図、図8は熱接着
工程を示す図、図9は表面材接着および賦形工程を示す
図、図10は得られた自動車内装材の断面図である。ま
た、図11は基材積層時の他の例を示す図である。
【0013】図1に示す自動車内装材10は、基材11
の両面にガラス繊維層13,14および表面材15,1
6が積層され、前記基材11とガラス繊維層13,14
間に介在するポリウレタン系ホットメルト接着剤層2
1,22およびガラス繊維層13,14に分散した熱可
塑性樹脂粉末(図示せず)の溶融接着により、一体にさ
れて天井材等所望の製品形状に付形されている。
【0014】なお、この自動車内装材10の成形は、後
述するように、基材11とガラス繊維層13,14間に
ポリウレタン系ホットメルト接着剤層21,22を設
け、また前記ガラス繊維層13,14表面には熱可塑性
樹脂粉末(図示せず)を分散させた状態として、各層を
加熱し、型で挟むことにより前記ポリウレタン系ホット
メルト接着剤層21,22および熱可塑性樹脂粉末を溶
融し接着させることによりなされる。
【0015】基材11は、この自動車内装材の芯材を構
成するもので、シート状の発泡体からなる。この発泡体
としては半硬質あるいは硬質ポリウレタン発泡体等、種
々の材質が用いられる。また、この発泡体の厚みも、目
的とする自動車内装材10の種類等によって適宜決定さ
れる。
【0016】ガラス繊維層13,14は、前記基材11
の両面に積層接着されて、この自動車内装材10の剛性
を高めるものである。このガラス繊維層13,14は、
あらかじめマット状としたもの、あるいは後記するよう
に自動車内装材10の製造時に所定長のガラス繊維を堆
積させて層状(マット状)としたもの等が適宜選択使用
される。また、このガラス繊維層13,14の厚み、ガ
ラス繊維の長さおよびガラス繊維の目付量は、自動車内
装材10の用途や形状等によって適宜決定される。
【0017】表面材15,16は、この自動車内装材1
0の内部保護や装飾性等のために前記ガラス繊維層1
3,14の表面に設けられるもので、一方の表面材15
が自動車内装材10の裏側表面を構成し、他方の表面材
16が表側表面を構成する。この表面材15,16とし
ては不織布、プラスチックフィルム(プラスチックシー
ト)等の単独からなるもの、あるいは発泡体にプラスチ
ックフィルムが積層されたもの等、自動車内装材10に
応じて適宜選択使用される。もちろん、両表面材15,
16は、同一の材質にする必要はない。
【0018】ポリウレタン系ホットメルト接着剤層2
1,22は、基材11とガラス繊維層13,14を強固
に接着して、高温時にもこの自動車内装材10が変形し
ないように形状固定するものである。このポリウレタン
系ホットメルト接着剤層21,22を構成するポリウレ
タン系ホットメルト接着剤は、フリー(未反応)のNC
O基を有するもので、加熱により軟化溶融して接着性を
発揮するとともに、NCO基の存在により空気中の水分
と反応して三次元架橋する。この三次元架橋は熱によっ
ても破壊されないものであるため、ポリウレタン系ホッ
トメルト接着剤層21,22により接着された前記基材
11とガラス繊維層13,14とは、高温時においても
強固に接着されており、その接着力低下による自動車内
装材10の熱変形を防ぐ。
【0019】一方、前記ガラス繊維層13,14に分散
されて自動車内装材製造時に溶融する熱可塑性樹脂粉末
(図示せず)は、その溶融接着性により前記ガラス繊維
層13,14と表面材15,16を接着させるととも
に、ガラス繊維層13,14を構成するガラス繊維を互
いに結合して、前記ポリウレタン系ホットメルト接着剤
層21,22とともに自動車内装材10の形状固定を行
うものである。この熱可塑性樹脂粉末は、自動車内装材
10の製造時にそれ程高い温度に加熱しなくても溶融接
着するポリエチレン樹脂粉末やポリプロピレン樹脂粉末
が好適である。
【0020】なお、前記ポリウレタン系ホットメルト接
着剤層は、自動車内装材の形状や、用途によっては前記
基材11の片面側のみでも前記形状保持性および耐熱変
形性が十分のこともある。図2はその場合の自動車内装
材30の部分断面図である。この実施例の自動車内装材
30にあっては、基材31の片面とそれに積層されたガ
ラス繊維層32との間にのみポリウレタン系ホットメル
ト接着剤層33が存在し、基材31の他面とそれに積層
されたガラス繊維層34との間にはポリウレタン系ホッ
トメルト接着剤層が存在しない。また、前記ガラス繊維
層32,34には、前記図1で説明したのと同様、熱可
塑性樹脂粉末(図示せず)が分散して溶融し冷却固化し
ている。そして、前記熱可塑性樹脂粉末の溶融固化、お
よび前記ポリウレタン系ホットメルト接着剤層33の溶
融接着と三次元架橋により、基材31とガラス繊維層3
2,34と表面材35,36が接着一体化して所定形状
に固定されている。
【0021】次に、請求項2に記載された自動車内装材
の製造方法の一例について、図1に示した自動車内装材
10を製造する場合を例にして説明する。なお、以下の
説明において図1と同じ部材については同一の符号を用
いて示す。また、前記ガラス繊維層、表面材等のように
二つあるものについては、理解を容易とするため、一方
を第一、他方を第二と記して区別する。この自動車内装
材の製造方法は、積層工程、熱接着工程、表面材接着お
よび賦形工程、および形状固定工程を含む。
【0022】積層工程では、図3に示すように、まず、
台41表面に敷いた離型紙42上に所定長のガラス繊維
G1を層状に堆積し、第一のガラス繊維層13を形成す
る。前記離型紙42は、その後の熱接着工程時に第一の
ガラス繊維層13が台41から離れなくなるのを防ぐた
めのもので、台41の材質によっては不要のこともあ
る。また、ガラス繊維G1は種々の寸法のものとされる
が、この実施例では10〜30mm程度のものを用い
た。また、ガラス繊維G1の量は、自動車内装材10の
形状や用途等によって異なるが、自動車天井材を製造す
るこの実施例においては、30〜150g/m2 程度と
した。なお、ガラス繊維G1に代えてガラス繊維マット
を用いてもよい。
【0023】次いで、前記第一のガラス繊維層13表面
にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等からなる第
一の熱可塑性樹脂粉末P1を散布する。その散布量は、
第一の熱可塑性樹脂粉末P1の種類やガラス繊維G1の
量等によっても異なるが、この実施例においては、第一
のガラス繊維層13表面にポリエチレン樹脂粉末を30
〜100g/m2 均一に散布した。第一のガラス繊維層
13表面に散布された熱可塑性樹脂粉末P1は、ガラス
繊維間に入ってガラス繊維層13の表面および内部に分
散する。
【0024】続いて、図4に示すように、基材11を、
前記第一のガラス繊維層13の表面に積層する。この基
材11は、所定厚みとされた発泡体11aの少なくとも
片面(この実施例では両面)にポリウレタン系ホットメ
ルト接着剤を塗布して、ポリウレタン系ホットメルト接
着剤層21,22を形成したものである。この実施例の
発泡体11aは、密度0.02〜0.04g/cm3
厚み3〜15mmの硬質ポリウレタン発泡体からなる。
【0025】また、この実施例では、前記ポリウレタン
系ホットメルト接着剤として、空気中の水分により反応
硬化して三次元架橋する、水分(湿気)硬化型のものを
用いた。このポリウレタン系ホットメルト接着剤は、使
用前においては固体となっており、使用時にカートリッ
ジと称される容器に収納され、該カートリッジが密栓さ
れた状態で約25分間、120℃に加熱される。それに
より、ポリウレタン系ホットメルト接着剤は溶解して粘
性の高い流動性物質となり、その後発泡体11a表面に
スプレーで塗布される。この実施例における塗布量は、
30〜100g/m2 である。なお、前記カートリッジ
を用いて固体のポリウレタン系ホットメルト接着剤を溶
解する方法は、カートリッジ式と称されている。勿論、
カートリッジ式に限られず、その他公知の溶融タンク式
や、バルクメルター式を用いて固体のポリウレタン系ホ
ットメルト接着剤の溶解を行ってもよい。
【0026】その後、、図5に示すように、前記基材1
1の表面にガラス繊維G2を層状に堆積させ、第二のガ
ラス繊維層14を設ける。この実施例のガラス繊維G2
は、前記ガラス繊維G1と同じものを用い、その量も等
しくした。
【0027】次いで、図6に示すように、前記第二のガ
ラス繊維層14表面に、第二の熱可塑性樹脂粉末P2を
所定量散布する。この第二の熱可塑樹脂粉末P2は、前
記第一の熱可塑性樹脂粉末P1と同様のものが用いられ
る。この実施例では、第一の熱可塑性樹脂粉末P1と同
じポリエチレン樹脂粉末30〜100g/m2 を第二の
ガラス繊維層14表面に均一となるように散布した。第
二のガラス繊維層14表面に散布された熱可塑性樹脂粉
末P2は、ガラス繊維間に入って第二のガラス繊維層1
4の表面および内部に分散する。
【0028】その後、図7に示すように、前記第二のガ
ラス繊維層14の表面に、第二の表面材15を積層す
る。この実施例における第二の表面材15は、自動車内
装材の裏面を構成するもので、ポリエステル製の不織布
(目付量25g/m2 )からなる。
【0029】また、次の熱接着工程では、図8の
(A)、(B)のように、前記各工程で離型紙42上に
積層形成された積層物43を加熱しながらプレス装置4
4で押圧し、各層を熱接着する。前記加熱は、プレス装
置44を加熱して行ってもよいし、熱風等を積層物43
に吹きつける等により行ってもよい。また、加熱温度
は、前記第一、第二の熱可塑性樹脂粉末P1,P2およ
びポリウレタン系ホットメルト接着剤層21,22が溶
融する温度とされる。この実施例においては、プレス装
置44をヒーター等の加熱手段(図示せず)により17
0℃に加熱し、そのプレス装置44により前記積層物4
3を2分間、圧力0.2kg/cm2 で押圧した。
【0030】前記積層物43は、加熱および押圧によ
り、第一、第二のガラス繊維層13,14に分散してい
る前記熱可塑性樹脂粉末および前記基材11両面のポリ
ウレタン系ホットメルト接着剤層21,22が溶融し、
各層が互いに接着して(B)に示すような積層板45と
なる。なお、この熱接着工程において、ポリウレタン系
ホットメルト接着剤層21,22は、空気中の水分を吸
収して反応を始めるが、反応終了までに24時間程度必
要なため、熱接着工程終了時には反応途中の状態にあ
る。
【0031】その後、前記積層物板45は離型紙42か
ら剥がされ、前記ポリウレタン系ホットメルト接着剤層
21,22の三次元架橋反応が終了するまでに、次の表
面材接着および賦形工程、さらには形状固定工程がなさ
れる。なお、前記積層板45を取り扱い易くするため、
前記熱接着後の積層板45を100℃程度まで冷却し、
その後表面材接着および賦形工程を行ってもよい。
【0032】この表面材接着および賦形工程では、ま
ず、図9の(A)に示すように、ヒーター等の加熱手段
Hにより、前記積層板45を加熱し軟化させる。この実
施例では、前記積層板45を180℃のオーブン中に約
1分間放置することにより加熱軟化させた。
【0033】次いで、前記軟化状態の積層板45に対し
て、表面材未積層側の第一のガラス繊維層13表面に、
図9の(B)のように、第一の表面材16を積層し、そ
れらを型45,46で挟み押圧する。この実施例では、
前記表面材16は、自動車内装材の表側を構成するもの
で、目付量180g/m2 からなる不織布で構成され
る。
【0034】前記型45,46による押圧時、第一のガ
ラス繊維層13に分散している熱可塑性樹脂粉末は溶融
状態となっており、積層板45と第一の表面材16とを
一体に接着する。また、前記型45,46には、自動車
内装材の形状に応じた型面45a,46aが形成されて
おり、該型面45a,46aで挟まれた第一の表面材1
6と軟化状態の積層板45を接着させると同時にその一
体品を型面形状に賦形する。その状態で、前記積層板4
5と第一の表面材16との一体品を冷却し、前記溶融状
態の熱可塑性樹脂とポリウレタン系ホットメルト接着剤
層21,22を固化させる。そして、形状固定工程を行
う。この形状固定工程は、時間の経過とともに、前記ポ
リウレタン系ホットメルト接着剤層21,22中のNC
O基が、空気中の水分により三次元架橋反応をさらに進
行させることによりなされる。それにより、前記一体品
の形状固定が確実になされ、図10に示す形状の自動車
内装材10が得られる。この図10においては、前記ポ
リウレタン系ホットメルト接着剤層21,22を省略し
て示す。
【0035】なお、この実施例では前記型45,46の
温度を30℃に設定して、前記押圧時に溶融熱可塑性樹
脂およびポリウレタン系ホットメルト接着剤層21,2
2が冷却固化するようにし、前記一体品を型45,46
から速やかに外せるようにした。
【0036】また、前記積層工程において、基材11と
して、あらかじめ発泡体の片面のみにポリウレタン系ホ
ットメルト接着剤層を設けたものを、そのポリウレタン
系ホットメルト接着剤層が第一のガラス繊維層13の表
面を向くようにして該ガラス繊維層13表面に積層し、
その後基材の他方の表面、すなわちポリウレタン系ホッ
トメルト接着剤層の無い表面にポリウレタン系ホットメ
ルト接着剤を塗布してもよい。
【0037】さらに、図2に示した自動車内装材30の
ように、基材31の片面側のみにポリウレタン系ホット
メルト接着剤層33を設ける場合には、前記積層工程時
に、図11の(A)に示すように、ポリウレタン系ホッ
トメルト接着剤層を設ける前の発泡体からなる基材31
を、第一のガラス繊維層32表面に積層し、その後
(B)のように基材31の表面(片面)にポリウレタン
系ホットメルト接着剤37を塗布してポリウレタン系ホ
ットメルト接着剤層を設けてもよい。
【0038】次表は、この発明の自動車内装材におい
て、前記ポリウレタン系ホットメルト接着剤層を基材の
片面あるいは両面に設けた場合、およびそのポリウレタ
ン系ホットメルト接着剤の量を変化させた場合につき、
耐熱垂れ下がり試験(耐熱変形性)を行った結果であ
る。表中「PUHM」は、ポリウレタン系ホットメルト
接着剤層の略である。この場合の耐熱垂れ下がり試験
は、縦300mm、横100mmの大きさに切断した試
験片を、互いに200mm離れた二つの上向き片を有す
る凹形の受け具に載置し、その試験片の中央に200g
の金属丸棒を載せた状態で100℃の恒温槽に5時間放
置し、その後に前記試験片中央部の垂れ下がり量を測定
することにより行った。
【0039】
【0040】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
自動車内装材は、基材とその表面のガラス繊維層間に、
少なくともフリーのNCO基を有するポリウレタン系ホ
ットメルト接着剤層を設けたため、そのポリウレタン系
ホットメルト系接着剤の三次元架橋構造により基材とガ
ラス繊維層が強固に接着され、熱によっても接着性が低
下せず、優れた耐熱熱変形性を示す。また、この発明の
自動車内装材の製造方法によれば、前記耐熱変形性に優
れる自動車内装材を簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係る自動車内装材の実施例を
示す部分断面図である。
【図2】他の実施例の部分断面図である。
【図3】請求項2の発明に係る自動車内装材の製造方法
の実施例について、積層工程における第一の熱可塑性樹
脂粉末散布時を示す図である。
【図4】同積層工程における基材積層時を示す図であ
る。
【図5】同積層工程における第二のガラス繊維層積層時
を示す図である。
【図6】同積層工程における第二の熱可塑性樹脂粉末散
布時を示す図である。
【図7】同積層工程における一方の表面材積層時を示す
図である。
【図8】同実施例の熱接着工程を示す図である。
【図9】同実施例の表面材接着および賦形工程を示す図
である。
【図10】同実施例により得られた自動車内装材の断面
図である。
【図11】基材積層時の他の例を示す図である。
【図12】従来の自動車内内装材の部分断面図である。
【符号の説明】
11:基材 13,14:ガラス繊維層 15,16:表面材 21, 22:ポリウレタン系ホットメルト接着剤層 P1,P2:熱可塑性樹脂粉末

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡体からなる基材の両面にガラス繊維
    層および表面材を積層接着してなる自動車内装材におい
    て、前記基材の少なくとも片面とガラス繊維層との間
    に、少なくともフリーのNCO基を有するポリウレタン
    系ホットメルト接着剤層を設けたことを特徴とする自動
    車内装材。
  2. 【請求項2】 発泡体からなる基材の両面にガラス繊維
    層および表面材を積層接着してなる自動車内装材の製造
    方法において、 発泡体の少なくとも片面にフリーのNCO基を有するポ
    リウレタン系ホットメルト接着剤層を設けた基材を、熱
    可塑性樹脂粉末が分散した二つのガラス繊維層間に挟
    み、該一方のガラス繊維層の表面に一方の表面材を積層
    する積層工程と、 前記積層物を加熱し押圧して、前記熱可塑性樹脂粉末お
    よびポリウレタン系ホットメルト接着剤層を溶融させる
    ことにより、該積層物の各層を互いに接着して積層板を
    形成する熱接着工程と、 前記積層板を加熱軟化状態にして表面材未積層側のガラ
    ス繊維層の表面に他方の表面材を積層した後、該表面材
    と積層板を型で押圧することにより、当該表面材と積層
    板とを接着して型面形状に賦形する表面材接着および賦
    形工程、 および前記ポリウレタン系ホットメルト接着剤層中のN
    CO基を水分と反応させて前記形状に固定する形状固定
    工程とを含むことを特徴とする自動車内装材の製造方
    法。
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