JPH0926425A - 試薬管理の方法および装置 - Google Patents

試薬管理の方法および装置

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JPH0926425A
JPH0926425A JP7174616A JP17461695A JPH0926425A JP H0926425 A JPH0926425 A JP H0926425A JP 7174616 A JP7174616 A JP 7174616A JP 17461695 A JP17461695 A JP 17461695A JP H0926425 A JPH0926425 A JP H0926425A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】試薬ボトルごとに分析可能回数を管理し、試薬
の継ぎ足しなどにより発生する試薬の劣化に伴いデータ
異常を防止することにより、より精度の高い分析の管理
が可能な自動分析装置を提供することにある。 【構成】分析装置による分析操作を実行する前に、セッ
トされた試薬ボトル(12)の有効期限をチェックし、
有効期限切れであればその試薬の使用を停止する。ま
た、使用済の試薬ボトル(12)の識別コードをメモリ
にストアしておき、同じボトルが再度試薬ディスク(2
6A,26B)にセットされたときにその使用を禁止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動化学分析装置ある
いは自動免疫分析装置等において分析項目を分析する際
に用いる試薬液の管理方法および管理装置に係り、特に
複数の試薬液を扱う場合の試薬管理の方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】生体試料を分析する場合には、その試料
中の被検分析項目に対応する試薬と試料を混合して反応
液を得てその反応液の光学的特性を測定して分析項目の
濃度を算出することが一般的である。分析項目に応じて
反応ライン上の反応容器に試薬液を供給する方法には、
試薬吸排ノズルを用いるピペッタによる方法と試薬流通
管を用いるディスペンサによる方法がある。いずれの場
合も、試薬液槽内の試薬液の残量を監視する必要があ
る。
【0003】このような例として、特開昭60−17362 号
公報が知られている。この先行技術には、液面検知機能
を備えた試薬分注プローブを用いて試薬液を反応容器に
分注する際の試薬管理方法が記載されている。すなわ
ち、液面検知器からの出力によって試薬液の残量を求
め、試薬液槽の表面に試薬液種別と製造年月日を示すデ
ータをバーコード又は2進コードで表示しておき、この
データをデータ読取装置で読み取って試薬液の種別をチ
ェックし、試薬種の入力操作なしで各試薬の残量管理を
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の先行技術によれ
ば、複数分析項目のための各試薬液槽の試薬残量を知る
ことができる。この場合、最初の試薬液槽の試薬液の残
りの分取可能回数がゼロになっても、その試薬液槽に同
種の試薬液を継ぎ足すことにより、対応分析項目の分析
操作が続行可能である。
【0005】ところが、劣化した試薬液を継ぎ足して使
用した場合には、各分析項目の測定結果を高い分析精度
に維持できない。臨床分析用の試薬には、酵素や抗血清
等が含まれており、試薬液槽を開封した後は試薬の劣化
が徐々に進行する。特に、開封後の期間が長い試薬液の
場合は、蒸発による試薬の濃縮が進んでおり、空気中か
ら細菌やカビが混入して繁殖している。このような開封
後に長期間経過した試薬液を、使用中の試薬液槽に継ぎ
足すと、試薬液組成が変化する。劣化の進んだ試薬液自
体を用いたり、劣化の進んだ試薬液が混合された試薬液
を用いて分析操作を続行すれば、測定データ異常が多発
するため、各分析項目に関する正確な分析結果が得られ
ない。
【0006】本発明の目的は、劣化した試薬が分析項目
の測定のために使用されることを阻止し、信頼性の高い
分析結果を得ることができる試薬管理方法および装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、分析装置の
反応容器へ分析項目に応じた試薬を分注するのに際し、
使用済の試薬液槽の識別情報を記憶部に登録しておき、
試薬設備部への試薬液槽の設置に伴って該試薬液槽が上
記記憶部に登録されているか否かを判定手段によって判
定し、該試薬液槽が既に使用済であることが登録されて
いると判定されたときに警告を出力するように構成し
た。
【0008】
【作用】本発明が適用される分析装置は、多数の反応容
器を有する反応ライン,反応容器に試料(検体またはサ
ンプルとも称される)を供給する試料分配装置,反応容
器に分析項目に応じた試薬液を供給する試薬供給装置,
反応容器内で形成された反応液を測定する測定部、およ
び各構成部分の動作制御をし、測定データを演算して測
定結果を出力装置に出力する制御演算部などを備えてい
る。試薬供給装置は、反応ライン上の各反応容器に割り
当てられた分析項目に応じて、多数の試薬液槽の中から
選択された試薬液槽内の試薬液を該当する反応容器に分
注する分注器を有する。分注器としては、試薬吸排ノズ
ルによって各試薬液槽内の試薬液を吸入しそれを反応容
器に吐出するピペッタ、又は各試薬液槽に配設された試
薬送液管を通して反応ライン上の対応する分析項目用の
反応容器に導くデイスペンサを用いることができる。
【0009】各種分析項目のために準備される複数の試
薬液槽のそれぞれの外壁には、バーコード,2進化コー
ド又は文字によって種々の情報が表示される。これらの
情報は、例えば、どのような分析項目用のものかを示す
試薬種別,第1試薬か第2試薬か第3試薬かを示す試薬
分注順番,各試薬液槽にとって使用可能な試薬液量、そ
の試薬の1回の使用量を示す分注量,各試薬液槽当りの
最大分析可能回数,試薬液槽のサイズ,その試薬の有効
期限(年月日),試薬液槽ごとに異なる特有のシーケン
ス番号,その試薬の製造年月日,試薬製造ロット番号な
どである。これらの情報のうち、試薬種別および試薬分
注順番以外の情報は、各試薬液槽の納入時にその試薬液
槽と共に提供されるフロッピーディスク内の情報とし
て、又は目視確認用紙の表示情報として供給することが
できる。
【0010】試薬液槽の外壁に表示された情報は、例え
ばバーコード読取装置などの読取装置によって読み取ら
れ、各情報が試薬液槽識別情報としてのシーケンス番号
と対応づけて分析装置の記憶部に記憶される。フロッピ
ーディスクによる情報は、対応する試薬液槽が分析装置
に設置されたときに、フロッピーディスク情報読取装置
から分析装置の記憶部に試薬液槽のシーケンス番号と対
応づけて記憶される。また、目視確認用紙による情報
は、操作者によって入力装置から入力され、分析装置の
記憶部に試薬液槽のシーケンス番号と対応づけて記憶さ
れる。
【0011】本発明における使用済の試薬液槽とは、一
旦使用済である認識された液槽だけに限られるものでは
なく、その試薬液を継続使用するのに適正でないと判断
された場合、例えば繰り返される分注操作の途中で液量
が増して他の液が継ぎ足されたと認識された液槽をも意
味する。警告を出力する方法としては、試薬液槽が不適
正な場合にその試薬液の分注動作を停止させ音声又は画
面表示などにより警告する方法、あるいは、試薬液槽が
不適正であってもその試薬液を使用して分析操作を続行
し、結果の印字の時又は画面表示時に、得られた分析結
果のデータに記号,符号,文字などの注意表示を付す方
法などを採用することができる。
【0012】本発明の好ましい実施例では、使用に供さ
れる各試薬液槽(試薬ボトル)に関し、試薬分注順番,
試薬液槽のサイズ,最大分析可能回数などが、各試薬液
槽の外壁に表示された情報の読み取り,フロッピーディ
スクの読み取り、又はキーボードからの入力に基づいて
分析装置の記憶部に記憶される。また、試薬液槽の外壁
に表示された情報から、各試薬液槽固有の番号であるシ
ーケンス番号,各試薬の有効期限,製造ロット番号など
が読取装置により読み取られ、試薬テーブルなどからな
る試薬ボトル収納部からの出力情報により認識される試
薬セット位置および入力装置からの入力によって指定さ
れた分析項目と対応づけられるように記憶される。この
とき、各試薬液槽ごとに記憶される最大分析可能回数が
その試薬液槽の試薬テスト可能回数の初期値としてセッ
トされる。
【0013】読み取られた試薬の有効期限情報は分析装
置の分析操作開始前に期限内であるか否かが判定され、
その試薬が有効期限日を過ぎていれば、該当する試薬液
槽の使用を停止するようCRT画面などの表示装置に表
示させ、同時に試薬液槽の交換を促すための警告を出力
させ、その試薬液槽に対して試薬分注器による分注動作
を実行しないようプログラムをロックする。有効期限内
であれば、分注動作の実行を阻止しない。
【0014】分析操作が開始され反応容器に試薬液を分
注することに、試薬テスト可能回数、すなわち残テスト
数は1回ずつ減算される。そして残テスト数がゼロにな
った時点でその試薬液槽からの試薬分注を停止させ、試
薬液槽の交換を促す警告を出力する。これに伴って、使
用済試薬液槽の登録部に該当試薬液槽の識別情報として
のシーケンス番号が登録される。分析操作の実施中にお
いては、各試薬液槽に対する試薬液面検出結果等に基づ
いて計算された残テスト数が、その試薬液槽に関して前
回の分注時に記憶されている残テスト数と比較され、前
回よりも残テスト数が増加している場合には、該当試薬
液槽に他の液槽からの試薬液が継ぎ足されたものと判断
し、その試薬液槽が使用に不適切である旨の警告を出力
する。この場合、該当する試薬液槽からの分注を停止さ
せるか、又は分注を続行させて分析結果に注意情報を付
すかする。試薬液槽の残テスト数が途中で増加した場合
にも使用済試薬液槽登録部にその液槽のシーケンス番号
が登録される。
【0015】その後、各分析項目のための試薬液の液槽
が試薬ボトル収納部に設置されたのに伴ってその試薬液
槽のシーケンス番号を読み取り、その番号が分析装置の
使用済試薬液槽登録部に登録されているか否かが判定手
段によって判定される。この液槽固有の識別番号が既に
登録されているならば、不適正である旨の警告をすると
共に、その試薬の分注を停止させるか、又は分注を続行
させた後にその試薬を使用した分析項目の分析結果の表
示データに注意情報を付して表示出力する。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図5を参照して説
明する。図1は生体試料の複数分析項目を測光方式によ
って分析する多項目化学分析装置の全体構成を示す概略
図、図2は試薬ボトルとその外壁に表示された試薬情報
の例を示す外観図、図3は試薬ボトルと試薬吸排ノズル
の最大下降位置の高さの関係を説明するための図、図4
は試薬分注に伴う情報処理を説明するためのフローチャ
ート、図5は情報処理をするための判定手段を含むコン
ピュータの機能を説明するための図である。図1におい
て、検体を収容した多数の検体容器1が検体搬送ディス
ク2に配列されている。検体分注機構5の吸排ノズルは
検体用シリンジポンプ7に接続されている。ポンプ7お
よび分注機構5の動作は、インターフェイス4を介して
各機構部の動作制御および測定データの演算をするマイ
クロコンピュータ3によって制御される。反応浴槽9に
対して回転可能に設けられた反応テーブル17上には多
数の反応容器6が配列され、反応ラインを形成してい
る。反応溶槽9へは恒温液供給部10から摂氏37度に
維持された恒温液が供給される。多波長光度計は光源1
4と多波長分光器15を備えており、光源14からの光
ビームを反応容器6の列が横切るように反応テーブル1
7が回転移送される。使用済の反応容器6は洗浄機構1
9によって洗浄され再使用に供される。撹拌機構13は
反応容器6に加えられた検体とその分析項目に対応する
試薬液とを混合する。多波長分光器15によって得られ
る反応液に基づく測定信号は、A/Dコンバータ16に
よってアナログ信号からディジタル信号に変換され、マ
イクロコンピュータ3に入力される。
【0017】第1試薬用の試薬ディスク26Aおよび第
2試薬用の試薬ディスク26Bには、各分析項目に対応
した多種の試薬ボトル12が円周に沿ってそれぞれ設置
される。つまり、ディスク26A,26Bは選択的に回
転可能な試薬ボトル収納部である。ディスク26Aの近
傍にはバーコード読取装置23Aが、ディスク26Bの
近傍にはバーコード読取装置23Bが配設される。試薬
分注器は試薬分注ピペッタ8A,8Bおよび試薬用シリ
ンジポンプ11を含む。これらのピペッタ8A,8B
は、吸入位置に停止された試薬ボトル12内の試薬液を
吸排ノズル内に所定量吸入保持し、それらの吸排ノズル
を反応容器列上に回動し試薬受入位置に停止している反
応容器6に保持していた試薬液を吐出する。この際に分
注される試薬液は、各反応容器に割り当てられている分
析項目に対応した種類のものである。
【0018】それぞれの試薬ボトル12には、図2に示
すようにその外壁にバーコードが印刷された試薬バーコ
ードラベル22が貼付されている。このバーコードとし
て表示される情報は、例えば、シーケンス番号からなる
各ボトル固有の試薬ボトルコード,そのボトルのサイ
ズ,その試薬液の有効期限,第1試薬か第2試薬か第3
試薬かを示す試薬分注順番,その試薬液の最大分析可能
回数,1回の分注使用量を示す試薬分注量,製造ロット
番号などである。各試薬ボトル12からバーコード読取
装置23A,23Bによって読み取られた試薬情報は、
記憶部25又はマイクロコンピュータ3の各々対応する
メモリエリアに記憶される。試薬ボトル12が試薬ディ
スク26A,26Bに収納されたのに伴って試薬情報が
バーコード読取装置23A,23Bによって読み取られ
るが、その際に、各試薬ディスクに設けられている回転
角検知部によって各試薬ボトルのセット位置を示す信号
が出力され、インターフェイス4を介してマイクロコン
ピュータ3に入力される。試薬情報とボトルセット位置
と分析項目は対応づけて記憶される。
【0019】操作者は、CRT18の画面とキーボード
21を使って各種情報を入力することができる。分析項
目の測定結果は、プリンタ27およびCRT18に表示
できる。フロッピーディスク24の情報はその読取装置
によって読み取られ、記憶部25又はマイクロコンピュ
ータ3の該当するメモリエリアに記憶される。フロッピ
ーディスク24に記憶されている情報は、例えば次のも
のである。すなわち、5桁で表示される分析項目コー
ド,その分析項目で共通に使用されるパラメータ,試薬
ボトルごとに別々に記憶されるパラメータなどである。
そのうち、分析項目で共通に使用されるパラメータとし
ては、光度計で使用する波長,サンプル量,キャリブレ
ーション方法,標準液濃度,標準液本数,分析異常のチ
ェック限界値、などである。また、試薬ボトルごとのパ
ラメータとしては、試薬種別,試薬分注順番,試薬ボト
ルコード,試薬液容量,試薬分注量,最大分析可能回
数,試薬製造年月日などである。
【0020】記憶部25には、フロッピーディスク24
から読み取られた情報の他に、分析装置の各機構部の動
作条件,各分析項目の分析パラメータ,各試薬のボトル
管理を行う判定論理,試薬ボトルから読み取られた最大
分析可能回数,分析結果などが記憶される。試薬情報は
試薬ボトルの納入時にメーカによって供されるフロッピ
ーディスクによって提供される。フロッピーディスクに
よって試薬情報が準備されない場合は、試薬ボトルに付
属されている目視確認用紙に記載された情報を、操作者
が画面とキーボード21を使用して分析装置に入力する
こともできる。図3に示すように、試薬分注ピペッタ8
A,8Bのそれぞれは試薬吸排ノズル81を備えてい
る。このノズル81は上下動および水平旋回動される
が、このノズル81の最大下降位置Lは試薬ボトル12
の底面に接触しない程度に設定されている。このため、
試薬ボトル12内には有効試薬容量に加えて必然的に残
る量の試薬液が入れられている。試薬吸排ノズル81
は、液面検知用の電極を備えており、試薬液の分注の都
度その液面を検出して液面高さと試薬ボトルの断面積か
ら試薬残量又は試薬残テスト数がコンピュータ3によっ
て算出され、所定のメモリエリアに記憶される。
【0021】図5に示すように、コンピュータ3は、使
用済ボトルコードのメモリエリア32,試薬有効期限メ
モリエリア34,試薬テスト数メモリエリア35,分析
可能回数メモリエリア36,残テスト数メモリエリア3
7などを有し、二重コードチェック部31,判定機能部
33,動作制御機構38などを有している。液面検知機
構20の液面検知器からの信号はコンピュータ3に入力
され、残テスト数メモリエリア37における残テスト数
を分注の都度変更する。判定機能部33によって判定さ
れた結果は、CRT18,ワーニング表示部28,プリ
ンタ27などに表示できる。
【0022】コンピュータ3は試薬ボトルコードをキー
として、既に分析パラメータとして登録されている項目
の中から、該当する項目および試薬ボトルコードの情報
を検索し、その試薬ボトルの最大分析可能回数を読み取
り、その試薬ボトルの試薬テスト数としてメモリエリア
35に記憶させる。この試薬テスト数は、分析項目ごと
に記憶している最大分析可能回数とは別に記憶する。分
析中、1回試薬分注が実行されるごとに試薬ボトル12
の試薬テスト数は1ずつ減らしていく。項目の分析可能
回数はパラメータ登録されたときのまま記憶する。
【0023】自動分析装置全体の分析は以下のようにサ
ンプリング,試薬分注,撹拌,測光,反応容器の洗浄,
濃度換算等のデータ処理の順番に実施される。試料を入
れた検体容器1は、検体ディスク2上に複数個設置され
ている。検体ディスク2は、コンピュータ3によりイン
ターフェイス4を介して制御される。また、検体ディス
ク2は、分析される試料の順番に従って検体分注機構5
のプローブの下まで回転移動し、所定の検体容器1の検
体が、検体分注機構5に連結された検体用ポンプ7の動
作により反応容器6の中に所定量分注される。検体を分
注された反応容器6は、反応浴槽9の中を第1試薬添加
位置まで移動する。移動した反応容器6には、試薬分注
ピペッタ8の吸排ノズルに連結された試薬用ポンプ11
の動作により試薬容器12から吸引された試薬が所定量
加えられる。第1試薬添加後の反応容器6は、撹拌機構
13の位置まで移動し、最初の撹拌が行われる。試薬デ
ィスク26A,26Bに第4試薬までセットされている
場合には、このような試薬の添加−撹拌が、第1〜第4
試薬について行われる。
【0024】内容物が撹拌された反応容器6は光源から
発した光束を通過し、この時の吸光度が多波長分光器1
5により検知される。検知された吸光度信号はA/Dコ
ンバータ16を経由して、インターフェイス4を介して
コンピュータ3に入り、検体の濃度に変換される。濃度
変換されたデータは、インターフェイス4を介してプリ
ンタ27から印字出力され、CRT18の画面に表示さ
れる。測光の終了した反応容器6は、洗浄機構19の位
置まで移動し、容器洗浄ポンプにより内部を排出後、洗
浄液で洗浄され、次の分析に供される。
【0025】通常の動作の場合、分析実行中に、試薬分
注ピペッタ8A,8Bは液面検知を行いながら1回ずつ
分注を行い、試薬ボトル12の試薬テスト数を1ずつ減
らしていく。試薬分注ピペッタ8A,8Bが、試薬ボト
ル12の中で装置で決定されている最大下降位置Lの深
さまで降下すると底であるとして、その試薬ボトル12
に関し分注を停止する。試薬ボトル12に規定量以上の
試薬があった場合、試薬ボトル12内の試薬量がゼロに
なる前に、試薬テスト数はゼロになる。この段階で、試
薬は残っていてもそのボトルでの分注を停止する。同時
に、アラームを発生させ画面に表示する。これらの試薬
ボトル12の情報,試薬コード,そのボトルの分析可能
回数を全て記憶し、1度使用して試薬テスト数がゼロに
なったボトルを再度セットしても、分注は開始せず、ア
ラームを発生させる。
【0026】試薬管理の動作について図4,図5を参照
して説明する。ステップ41では、フロッピーディスク
24からの情報を読み取る。これにより、分析装置によ
る分析操作の開始前に各種情報が取り込まれ、試薬テス
ト数メモリエリア35および分析可能回数メモリエリア
36にそれぞれ最大分析可能回数の値が記憶される。す
なわち分析項目ごとに分析可能回数N1が登録される
(ステップ42)。
【0027】ステップ43では、試薬ディスク26A,
26Bにセットされた試薬ボトル12のバーコードをバ
ーコード読取装置23A,23Bによって読み取り、試
薬ボトル12の表示情報を所定のメモリに登録する。こ
れに伴い、試薬ボトルの有効期限が有効期限メモリエリ
ア34に記憶される。ステップ44では、試薬ボトルコ
ードの二重登録があるか否かが検索される。この場合、
二重コードチェック部31はメモリエリア32から記憶
情報を引き出し、バーコード読取装置23A,23Bに
よって読み取られた試薬ボトルコードが使用済ボトルコ
ードメモリエリアに既に登録されているボトルコードと
一致するか否かが判定機能部33によって判定される。
一致するコードが存在すれば、今回の試薬ボトル12内
の試薬液は適正でないものとして扱われ、ステップ50
において登録不可とされ、CRT18又はワーニング表
示部28に警告を出力する。一致するコードがなければ
使用可とされ、ステップ45に進む。
【0028】ステップ45では、分析操作の開始前すな
わち試薬分注の実行前に、試薬ボトル12の有効期限が
適正か否かがチェックされる。この場合、試薬ボトルの
表示情報を記憶している有効期限メモリエリア34から
のそのボトルの有効期限とコンピュータ3が内蔵してい
る時計機能からの年月日が判定機能部33によって比較
される。その試薬ボトル12が有効期限を過ぎていると
判定された場合は、試薬分注ピペッタ8A,8Bの分注
動作がその試薬ボトルの位置では実行されないようにマ
スキングされ、同時にCRT18又はワーニング表示部
28に警告が出力される。試薬が有効期限内であれば、
試薬分注ピペッタの動作に制限を加えない。
【0029】ステップ46では、分析操作が開始され、
試薬分注器も正常に分注動作を実行する。試薬テスト数
メモリエリア35内の各試薬に対応する値は分注の都度
1回ずつ減数される。最新の値をN′とする。各試薬液
の分注動作に伴って各試薬ボトル12内の試薬液の液面
が測定され、液面検知機構20からの信号に基づいて残
テスト数が算出され、その値Mが残テスト数メモリエリ
ア37にストアされる。
【0030】ステップ17では、試薬テスト数メモリエ
リア35における値N′と、残テスト数メモリエリア3
7における値Mとが同じ試薬同士について比較され、判
定機能33によって大小関係から分注動作を停止するか
否かが判定される。すなわち、正常な場合は液面検知結
果に基づく残テスト数Mが分注回数に基づいて減算され
た残りの最新テスト数N′より大きくならない。それ
故、Mの値がN′より大きければ、他の試薬ボトルから
の試薬液の継ぎ足しがあって試薬が劣化されたものと判
定され、その試薬ボトルの分注動作をマスキングする。
MとN′の差がゼロ又はそれ以下であれば分注動作を阻
止しない。このような方法に代えて、前回の液面検知に
基づく残テスト数と今回の液面検知に基づく残テスト数
を同じ試薬ボトルについて比較して同様に判定すること
もできる。残テスト数メモリエリア37内の値は液面検
知ごとに更新される。
【0031】ステップ48では、試薬テスト数メモリエ
リア35内の回数N′を1回減数させる。これは各試薬
ボトルごとの最大分析可能回数とピペッティング回数と
の差に相当する。計算の結果がゼロになれば有効な量の
試薬液がなくなったものとしてその試薬ボトルに対して
分注動作を停止する(ステップ49)。同時に、その試
薬ボトルは使用済になったとして、その試薬ボトルの固
有のコード(番号)を使用済ボトルコードメモリエリア
に登録する。また試薬ボトルの交換要求の警告をCRT
18の画面又はワーニング表示部28に出力する(ステ
ップ51)。
【0032】以上の試薬管理のチェック過程で問題がな
ければ、ステップ48からステップ45へ進み、それぞ
れの試薬ボトルに関する試薬分注動作が継続される。こ
れらのチェック過程は多数の試薬ボトルのそれぞれにつ
いて実行される。
【0033】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、試薬液槽
ごとに試薬分注状況を管理することができ、分析項目の
測定のために劣化した試薬が使用されることを阻止でき
るので、信頼性の高い分析結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の自動分析装置の全体構成を
示す概略図である。
【図2】図1の分析装置に使用される試薬ボトルの外観
図である。
【図3】試薬吸排ノズルの最大下降位置と試薬ボトルの
高さ位置関係を説明するための図である。
【図4】試薬管理用のチェック状況を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】試薬管理に関するコンピュータの機能説明図で
ある。
【符号の説明】
3…マイクロコンピュータ、6…反応容器、8A,8B
…試薬分注ピペッタ、12…試薬ボトル、17…反応テ
ーブル、18…CRT、20…液面検知機構、21…キ
ーボード、23A,23B…バーコード読取装置、24
…フロッピーディスク、26A,26B…試薬ディス
ク、27…プリンタ、32…使用済ボトルコードメモリ
エリア、33…判定機能部、34…有効期限メモリエリ
ア、37…残テスト数メモリエリア。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の分析項目の分析のために使用される
    複数の試薬液槽の中から分析項目に応じた試薬液を反応
    容器に分注し、各試薬液の使用状況を監視する試薬管理
    方法において、使用済の試薬液槽の識別情報を記憶部に
    登録しておき、試薬設置部への試薬液槽の設置に伴って
    該試薬液槽が上記記憶部に登録されているか否かを判定
    手段によって判定し、該試薬液槽が既に使用済であるこ
    とが登録されていると判定されたときに警告を出力す
    る、ことを特徴とする試薬管理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、使用済であ
    ることが登録されている試薬液槽に対しては、試薬分注
    器による分注動作を不作動にすることを特徴とする試薬
    管理方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、使用済であ
    ることが登録されている試薬液槽から反応容器へ試薬分
    注器によって試薬分注動作を行わしめ、その後該反応容
    器内の試料と試薬の反応液を測定し、得られた測定結果
    に警告情報を付して出力することを特徴とする試薬管理
    方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法において、試薬分注動
    作を繰り返すことによって特定の試薬液槽内の液量が予
    め設定されている限界値まで減少したときに、その特定
    の試薬液槽の識別情報を上記記憶部に登録することを特
    徴とする試薬管理方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の方法において、各試薬液槽
    内の試薬液に関し試薬分注動作に伴う減少状況を監視
    し、特定の試薬液槽内の液量が先の分注時よりも増大し
    たときに、その特定の試薬液槽の識別情報を上記記憶部
    に登録することを特徴とする試薬管理方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法において、各試薬液槽
    に有効期限情報を付しておき、試薬設置部への試薬液槽
    の設置に伴って該試薬液槽が有効期限内にあるか否かを
    判定し、該試薬液槽が有効期限を過ぎていると判定され
    たときに警告を出力することを特徴とする試薬管理方
    法。
  7. 【請求項7】複数の分析項目の分析のために使用される
    複数の試薬液槽の中から分析項目に応じた試薬液を反応
    容器に分注し、各試薬液の使用状況を監視する試薬管理
    方法において、各試薬液槽に有効期限情報を付してお
    き、試薬設置部への試薬液槽の設置に伴ってその試薬液
    槽が有効期限内にあるか否かを判定手段によって判定
    し、試薬液槽が有効期限を過ぎていると判定されたとき
    に警告を出力することを特徴とする試薬管理方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の方法において、有効期限を
    過ぎていると判定された試薬液槽に対しては、試薬分注
    器による分注動作を不作動にすることを特徴とする試薬
    管理方法。
  9. 【請求項9】複数の分析項目に対応して複数の試薬液槽
    が設置される試薬設置部と、分析項目に応じた試薬液を
    反応容器に分注する分注手段と、各試薬液の使用状況を
    監視する監視手段を備えた試薬管理装置において、使用
    済の試薬液槽の識別情報を記憶する使用済試薬液槽記憶
    エリアを有する記憶手段と、上記試薬設置部への試薬液
    槽の設置に伴って該試薬液槽が上記記憶エリアに記憶さ
    れたものであるか否かを判定する判定手段と、該試薬液
    槽が既に記憶されていると判定されたときに警告を出力
    する警告出力手段と、を備えたことを特徴とする試薬管
    理装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の装置において、各試薬液
    槽に付された有効期限情報を読み取る読取手段を有し、
    この読取手段によって読み取られた試薬液槽が有効期限
    を過ぎているときに上記警告出力装置によって警告を出
    力することを特徴とする試薬管理装置。
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