JPH09226249A - 光情報記録用材料、光情報記録媒体及び光情報の記録、消去方法 - Google Patents

光情報記録用材料、光情報記録媒体及び光情報の記録、消去方法

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JPH09226249A
JPH09226249A JP8061800A JP6180096A JPH09226249A JP H09226249 A JPH09226249 A JP H09226249A JP 8061800 A JP8061800 A JP 8061800A JP 6180096 A JP6180096 A JP 6180096A JP H09226249 A JPH09226249 A JP H09226249A
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登 笹
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辰也 戸村
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泰伸 植野
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勉 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 通常の光ディスクと同一の極性で記録が行
え、CDファミリー系のメディアと互換性を有し、また
記録コントラストが大きく、且つ消去比が高い有機可逆
光情報記録媒体、更には、CD、CD−R等のCDファ
ミリー系メディアのドライブで情報を読みだすことがで
きるような互換性を持たせた有機可逆光情報記録媒体を
提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)等で示され、しかも中
心金属Mが置換基含有金属原子である化合物、あるいは
該化合物と光又は熱などにより電子的又は構造的変化を
生ずる高分子化合物との混合物を記録用材料として使用
する。 〔式中、M:置換若しくは未置換のアルキル基、アリー
ル基等、を有する3価若しくは4価の金属原子、X
:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若
しくは未置換のアルキル基等、k、l、m、n:それぞ
れ独立に0〜4の整数。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は書き換え型の光情報
記録用材料を利用した光情報記録媒体及び該記録媒体を
使用した光情報の記録あるいは記録及び消去方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え型の光情報記録媒体の記
録層には、一般に無機材料が用いられ、例えば、カー効
果を利用したTeFeCo等の合金からなる光磁気記録
材料や、カルコゲナイド薄膜により相変化を利用した相
変化型光記録材料などがある。これら無機系材料は有害
物質を多く含んでおり、また、その成膜方法が蒸着やス
パッタリングなどに限定されるためコスト高になるとい
うデメリットを有していることから有機系材料が注目さ
れている。
【0003】有機系の書き換え型材料としては、スピロ
ピラン等のフォトクロミック化合物(特開昭59−22
7972号公報)や液晶高分子と色素との混合物(特開
平2−136289号公報)などが提案されている。し
かしながら、スピロピラン等のフォトクロミック化合物
は、記録状態の安定性や記録・消去の繰返し性、読み出
し破壊等の問題があり、実用的には未だ未解決の問題が
多い。一方、液晶高分子と色素の混合物系材料の可逆変
化メカニズムは、液晶高分子の側鎖の配列状態が変化す
ることで液晶高分子と色素間の相互作用が変化し、結果
として記録層の光学特性を可逆的に変化させるものであ
る。その他書き換え型の記録材料として、特開平4−3
39865号公報など種々のものが提案されているが、
有機系の材料として実用的に十分なものは未だなく、新
規な材料が待たれている。
【0004】更に、特開平6−223374号公報で
は、光透過性の基板と光照射によって会合状態を生じる
色素材料を含有する記録膜が提案されているが、該明細
書中に書き換えの記載がなく、また記録モードが光照射
を受けた部分の反射率が大きくなる、いわゆるLow
to high記録である。特開平6−251417号
公報では、フタロシアニンポリマーを用いることで、良
好な記録を実現しているが、上記同様該明細書中にも書
き換えの記載がなく、また記録モードがLowto h
igh記録で通常の光ディスクとは記録極性が逆となっ
ている。
【0005】また、特開平6−251418号公報で
は、特定のフタロシアニンと融点が140〜250℃の
範囲にある有機化合物との混合膜により、記録・消去を
達成している。しかし、この場合もLow to hi
gh記録で通常の光ディスクとは極性が逆であり、また
変化レベルが42%から56%で、あまり大きくない。
更に、特開平6−279597号公報では、ポリアルキ
ルアクリレート系樹脂とフタロシアニン化合物を含有し
てなる近赤外線吸収フィルムが提案されているが、該明
細書中に書き換えの記載がなく、耐光性改善のための方
法として示されている。これらの記録材料は、ほとんど
全てLow to high記録で、未記録状態で60
〜70%以上の反射率が必要なCDファミリー系のメデ
ィアとしては適用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、いわゆるhigh to lo
wの通常の光ディスクと同一の極性で記録が行え、CD
ファミリー系のメディアと互換性を有し、また記録コン
トラストが大きく、但つ消去比が高い有機可逆光情報記
録媒体を提供することを目的とする。更には、CD、C
D−R、DVD等のCDファミリー系メディアのドライ
ブで情報を読みだすことができるような互換性を持たせ
る有機可逆光情報記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、下記一般式(I)又は(II)で示される化合物にお
いて、中心金属Mの置換基同士の凝集力を、光又は熱な
どの外部エネルギーによって変化させることで、色素分
子間の相互作用力を変化させ、その結果生じるエネルギ
ー状態の変化を利用して情報の記録、あるいは情報の記
録及び消去が行えることを特徴とする光情報記録用材料
が提供される。
【化1】
【化2】 〔式中、M、X1〜X4、k、l、m及びnは、それぞれ
以下のものを表わす。 M:置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、(−OPR12)t
基、(−OPOR34)t基、(−OSiR567)t
基、(−OCOR8)t基、(−OR9)t基、(−OCO
COOR10)t基、(−OCOCOR11)t基、又は(−
OCONR1213)t基を有する3価若しくは4価の金
属原子、 R1〜R13:それぞれ独立に水素原子、置換若しくは未
置換の1価の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは未置換
の1価の芳香族炭化水素基、 t:1〜2の整数、 X1〜X4:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置
換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換の
アリール基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換
若しくは未置換のアリールオキシ基、置換若しくは未置
換のアルキルチオ基、置換若しくは未置換のアリールチ
オ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、スルホン酸
アミド基又はスルホン酸エステル基、 k、l、m、n:それぞれ独立に0〜4の整数。〕 第二に、基板上に設けられた記録層にレーザ光を照射し
て情報の記録あるいは記録及び消去を行う光情報記録媒
体において、該記録層中に前記第一に記載した光情報記
録用材料を含有してなることを特徴とする光情報記録媒
体が提供される。第三に、前記第二に記載した光情報記
録媒体にレーザ光を照射し、前記一般式(I)又は(I
I)で示される中心金属Mの置換基同士の凝集力を変化
させることで、色素分子間の相互作用力を変化させ、そ
の結果生じるエネルギー状態の変化を利用して情報の記
録、あるいは情報の記録及び消去を行うことを特徴とす
る光情報の記録、消去方法が提供される。第四に、 下
記一般式(III)又は(IV)で示される化合物におい
て、中心金属Mの置換基同士の凝集力を、光又は熱など
の外部エネルギーによって変化させることで、色素分子
間の相互作用力を変化させ、その結果生じるエネルギー
状態の変化を利用して情報の記録、あるいは情報の記録
及び消去が行えることを特徴とする光情報記録用材料が
提供される。
【化3】
【化4】 (式中、R14〜R16はアルキル基を表わし、R14とR15
とは同一でも異なっていてもよく、R16はR14とR15
うち炭素数の大きいアルキル基よりも炭素数で5つ以上
の差を有するアルキル基である。また、X1〜X4、k、
l、m及びnは前記と同じである。) 第五に、下記一般式(V)又は(VI)で示される化合物
において、中心金属Mの置換基同士の凝集力を、光又は
熱などの外部エネルギーによって変化させることで、色
素分子間の相互作用力を変化させ、その結果生じるエネ
ルギー状態の変化を利用して情報の記録、あるいは情報
の記録及び消去が行えることを特徴とする光情報記録用
材料が提供される。
【化5】
【化6】 (式中、R17〜R19はアルキル基を表わし、R17とR18
とは同一でも異なっていてもよい炭素数3以下のアルキ
ル基であり、R19はR17とR18のうち炭素数の大きいア
ルキル基よりも炭素数で5つ以上の差を有するアルキル
基である。また、X1〜X4、k、l、m及びnは前記と
同じである。) 第六に、前記第四に記載した光情報記録用材料と、光又
は熱などの外部エネルギーにより電子的又は構造的変化
を可逆的に生ずる高分子化合物とからなることを特徴と
する光情報記録用材料が提供される。第七に、前記第五
に記載した光情報記録用材料と、光又は熱などの外部エ
ネルギーにより電子的又は構造的変化を可逆的に生ずる
高分子化合物とからなることを特徴とする光情報記録用
材料が提供される。第八に、前記光又は熱などの外部エ
ネルギーにより電子的又は構造的変化を可逆的に生ずる
高分子化合物が、サーモクロミズムを示す高分子材料若
しくは可逆性を有する熱可塑性高分子材料であることを
特徴とする前記第六又は第七に記載した光情報記録用材
料が提供される。第九に、基板上に前記第一及び第四〜
第八のいずれかに記載した光情報記録用材料からなる記
録層及び反射層を積層してなることを特徴とする光情報
記録媒体が提供される。
【0008】本発明の光情報記録用材料は、前記一般式
(I)又は(II)で示される化合物からなるものとした
ことから、その中心金属Mの置換基同士の凝集力を光又
は熱などによって変化させ、色素分子間の相互作用力を
変化させることによって、大きなスペクトルシフト及び
良好な可逆変化を発生するものとなる。従って、該記録
用材料を記録層に含有させた本発明の光情報記録媒体
は、記録コントラストが大きく且つ良好な可逆変化を示
す(消去能力の高い)ものとなる。また、本発明の記録
又は記録・消去方法は、上記光情報記録媒体を使用する
ことから、大きなスペクトルシフトを生じさせる記録方
法及び良好な可逆変化を生じさせる記録・消去方法とな
る。なお、本発明の光情報記録媒体は、CDメディアと
互換性のある書き換え型光情報記録媒体を提供するもの
であるが、これだけに限定されるものではなく、現行の
CD−Rのような一回だけ書き込み可能な追記型光情報
記録媒体にも適用可能なものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細について説明す
る。フタロシアニン、ナフタロシアニン化合物は、現状
でも光情報記録媒体の材料として最も適した材料の1つ
である。ただ、CD−R、すなわちユーザが1回だけ情
報を書き込めるタイプのメディアにおいては、フタロシ
アニン、ナフタロシアニン化合物は単に情報記録時のレ
ーザ光吸収用として使用され、記録はレーザ光吸収によ
るフタロシアニン、ナフタロシアニン化合物の分解、あ
るいはフタロシアニン、ナフタロシアニン化合物はのレ
ーザ光吸収による基板の変形により行われている。しか
し、本発明では、フタロシアニン、ナフタロシアニン化
合物を従来のように単なる吸収剤として使用するのでは
なく、フタロシアニン、ナフタロシアニン化合物自体の
物性変化を直接的に利用することで、基板変形等の表面
形状の変化を伴わない可逆性を有する光情報記録用材
料、及び光情報記録媒体を提供する。
【0010】ところで、フタロシアニン、ナフタロシア
ニン化合物による可逆性は、例えば分散状態、結晶状
態、凝集状態、構造、電子的状態等の変化により生ず
る。これらの可逆変化のうち、レーザ光による記録・消
去で良好な可逆性が期待できるものは、分散状態の変化
や凝集状態の変化を利用するものである。但し、ここで
いう分散状態の変化とは、色素の凝集状態の変化という
意味でなく、均一であった膜が不均一膜となるような、
いわゆる相分離のような状態を指す意味として用いてい
る。分散状態の変化による可逆性は、基本的には色素の
凝集状態に変化が生じないため、一般的に図1に示すよ
うなスペクトルの増減による可逆変化を示すのみであ
る。他方、凝集状態の変化を利用する可逆性は、色素分
子と色素分子間の相互作用が変化するもので、スペクト
ルの増減は生じず、図2に示すように、スペクトルの短
波長、あるいは長波長へのシフトを起こす。例えば、色
素のいわゆるJ−会合、H−会合等の会合現象が、この
凝集状態の変化にあたるものである。
【0011】一般的に言って、分散状態の変化は膜の表
面状態変化が激しく、光メモリーには適していないた
め、色素の凝集状態を可逆的に変化させることのできる
色素を探索する必要がある。本発明は、この色素分子の
相互作用力変化(従って異なるエネルギー状態をとるこ
とになり、スペクトルシフトが生じる)を、色素分子の
中心金属に置換された置換基の凝集力変化により生じさ
せることに特徴がある。つまり、色素分子に置換基がな
い場合(中心金属以外の部分に置換された置換基も含め
て)、置換基が小さい場合などは、色素分子同士の相互
作用力が大きく、色素分子間距離も狭い。このため記
録、更には消去処理を施しても、この相互作用力を変え
ることができず、可逆性は生じない。他方、置換基が非
常に大きい場合などは、色素分子間の距離が大きくな
り、色素分子間の相互作用がほとんどなくなる。そのた
め、記録処理による色素分子間相互作用の変化を起こす
ことができないし、当然可逆性もない。従って、記録に
より色素分子間の相互作用力を変えることができ、しか
もその相互作用力変化に可逆性を持たせるためには、色
素分子同士を十分なスペクトルシフトを起こすような距
離圏内に引込み、しかも可逆性を持たせるために色素分
子同士を近づけすぎないようにすることが重要である。
本発明では、色素分子同士を近づけすぎないようにする
ために、色素分子の中心金属に置換基を設け、且つ色素
分子同士を十分なスペクトルシフトを起こすような距離
圏内に引込むようにする作用を置換基の凝集力に持たせ
るものである。
【0012】フタロシアニン、ナフタロシアニン化合物
を置換基の付く場所で大きく分類すると、 α位に置換基を有するタイプ β位に置換基を有するタイプ 中心金属に置換基を有するタイプ に分けられる。これらのうち、α位に置換基を有するタ
イプ、及びβ位に置換基を有するタイプのフタロシアニ
ン、ナフタロシアニン化合物は、異性体の存在や、置換
基の回転・振動によるエネルギー準位の存在により、ス
ペクトルが広がりやすい。従って、会合などの凝集状態
変化によるスペクトル変化が生じても、その変化が非常
に大きくなれば記録コントラストは低い(図3)。
【0013】他方、中心金属に置換基を有するタイプ、
いわゆる軸配位子型のフタロシアニン、ナフタロシアニ
ン化合物は、一般的に軸配位子の影響がフタロシアニ
ン、ナフタロシアニン化合物の基本骨格に与える影響が
少ないため、軸配位子の回転・振動によるエネルギー状
態間にほとんど差がない。また、α位やβ位置換基を導
入しなければ、異性体も存在しないため、スペクトルの
広がりがなく、溶液状態のような鋭いピークを持つスペ
クトルを示す。従って、このような軸配位子型の色素
は、凝集状態の変化による色素分子と色素分子間の相互
作用変化によって、わずかにスペクトルが変化しても、
もとの(ある安定状態)スペクトルが非常にシャープで
あるため記録コントラストが高くなる(図2)。
【0014】更に、CD系メディアと互換性を持たせる
構造とした場合、すなわち記録層の上に金属反射層設け
た時、α位に置換基を有するタイプ、及びβ位に置換基
を有するタイプのフタロシアニン、ナフタロシアニン化
合物は、スペクトルがブロードで、もともと可逆変化の
2つの安定状態を含んだスペクトル形状を示すこと、本
来メイン構造の色素には存在しないはずの波長領域に
も、異性体の存在や、置換基の回転・振動によるエネル
ギー準位の存在により吸収が存在することなどのため
に、初期から記録・再生波長に比較的大きな吸収がある
場合が多くなり、初期(未記録、消去時)の反射率が低
下する恐れがある。つまり、未記録・消去時の反射率を
高くするような記録・再生波長を選択すると(その波長
ではほとんど吸収がない)、その波長に大きな吸収をも
たせるようになるほど、スペクトルを動かすことができ
ない可能性がある。
【0015】他方、中心金属に置換基を有するタイプ、
いわゆる軸配位子型のフタロシアニン、ナフタロシアニ
ン化合物は、逆に未記録・消去時の反射率を高くするよ
うな記録・再生波長を選択しても、その波長に大きな吸
収をもたせるようになるぐらい、スペクトルを動かすこ
とが可能である(少しのスペクトル変化で良い)。この
軸配位子は無置換状態の場合のように、色素分子間の相
互作用が非常に大きい状態から、色素分子間の距離を広
げる働きを担い、可逆性を持たせることが可能になると
同時に、軸配位子を適当に選ぶことによって軸配位子の
凝集力で色素分子間の距離をコントロールできるため、
記録コントラストが高く、良好な可逆性を有する記録材
料の提供が可能となる。
【0016】このような理由により、中心金属に置換基
を有するタイプ、いわゆる軸配位子型のフタロシアニ
ン、ナフタロシアニン化合物を有機可逆性材料として選
択したことが本発明の重要な点である。すなわち、本発
明においては、前記一般式(I)で示されるフタロシア
ニン化合物又は前記一般式(II)で示されるナフタロシ
アニン化合物が使用される。前記一般式(I)及び(I
I)における中心金属としては、置換若しくは未置換の
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、(−OPR12)t基、(−OPOR34)t基、
(−OSiR567)t基、(−OCOR8)t基、(−
OR9)t基、(−OCOCOOR10)t基、(−OCO
COR11)t基、又は(−OCONR1213)t基を有す
る3価若しくは4価の金属原子が好ましい。ここに、R
1〜R13は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは未
置換の1価の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは未置換
の1価の芳香族炭化水素基を表し、tは1〜2の整数で
ある。
【0017】なお、前記一般式(I)及び(II)におけ
る中心金属M中の金属としては、Al、Ga、In、T
l、Mn、Fe、Ru、Cr、Zr、Ti、Si、G
e、Sn、V等が挙げられる。また、前記一般式(I)
及び(II)において、X1〜X4は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル
基、置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未
置換のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリールオ
キシ基、置換若しくは未置換のアルキルチオ基、置換若
しくは未置換のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、
スルホン酸基、スルホン酸アミド基又はスルホン酸エス
テル基を表し、k、l、m、nは、置換基X1〜X4の置
換数で、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。
【0018】さて、大きなスペクトル変化を起こすため
には、まず色素分子同士を、色素−色素間相互作用でス
ペクトルの変化が十分大きくなるような距離圏に引きこ
むことが必要である。この場合、色素分子同士が接近し
すぎても可逆性を失う可能性があるため好ましくない
が、中心金属に置換基を有するタイプ、いわゆる軸配位
子型のフタロシアニン、ナフタロシアニン等の化合物
は、その軸配位子によって、色素分子同士が接近できる
距離をコントロールすることができるので都合がよい。
本発明者らは比較的大きな軸配位子を有するフタロシア
ニン、ナフタロシアニン等の化合物でないと、可逆性が
悪いことを見出すとともに、大きな軸配位子を有してい
ても色素分子同士が凝集するようにさせるため、軸配位
子としてアルキル基をつけ、これにより大きな可逆性を
もたせることができることを見出した。
【0019】ところで、色素−色素間の相互作用による
スペクトルは、単分子状態のハミルトニアンに双極子−
双極子相互作用の項を取り込むことで近似できる。双極
子−双極子相互作用は次式で表される。
【数1】E(μμ)=−(μA・μB/r3){2cosθAcosθB
−sinθAsinθBcos(φA−φB)} (但し、式中μA、μ
Bは色素分子の双極子モーメントの大きさ、rは色素分
子間、すなわち双極子間の距離、θは双極子中心間を結
ぶ直線と双極子がなす角度、φは双極子の前記双極子中
心間を結ぶ直線を軸とする回転角度を示す。)
【0020】いま、双極子−双極子相互作用の項のみを
考え、この相互作用によるエネルギー変化を調べると図
4のようになり、フタロシアニン、ナフタロシアニン等
の化合物における主骨格環がθ方向に、φ方向に、ある
いはθ方向、φ方向の混合で、どのような配置をとるか
によってスペクトルの変化量も変わることがわかる。双
極子−双極子相互作用の式を見てわかるように、この相
互作用によるエネルギー変化を大きくするためには、双
極子モーメントの大きさμA、μBを大きくする、距離r
を小さくする、あるいはφ、θを最適化することが必要
である。双極子モーメントの大きさμA、μBを大きくす
ることは、フタロシアニン、ナフタロシアニン等の化合
物における主骨格環を変えることに対応するため、容易
に分子設計できない。また前述のように、距離rを極端
に小さくすることは可逆性を失うため好ましいものでな
い。
【0021】本発明は、双極子−双極子相互作用力の変
化、すなわち色素−色素分子間の相互作用力変化による
スペクトルシフトを大きくすることを、主骨格環のθ方
向、φ方向の配置、及びスペクトルシフト性を失わせな
い範囲でのrをコントロールすることにより行う。この
コントロールは中心金属の置換基、すなわち軸配位子を
選択することで達成できることが見出された。つまり図
5のように、軸配位子を変えることで、軸配位子の傾
き、及び軸配位子の立体障害性をコントロールでき、従
って色素分子同士の相互作用配置を変えることができる
(例えばH会合状態にする、J会合状態にするかをコン
トロールできる)。このような軸配位子としてはアルキ
ル基が好ましい。これはアルキル基の凝集力が大きく、
色素−色素間の相互作用を持たせやすいためである。
【0022】更に前記一般式(I)又は(II)で示され
る化合物の中心金属Mの置換基であるアルキル基
(R14、R15及びR16で表されるものとする)は、前述
の双極子−双極子相互作用によるエネルギー変化を見て
わかるように、スペクトル変化量を大きくするために、
軸配位子が比較的立った状態になるアルキル基を選択す
る、あるいは軸配位子が極端に寝た状態になるアルキル
基を選択することが好ましく、このような状態をとるた
めの最適組合わせが存在する。
【0023】例えば、中心金属Mが特定の構造を有する
置換基含有金属原子である化合物の場合、すなわち下記
一般式(III)で示されるフタロシアニン化合物及び下
記一般式(IV)で示されるナフタロシアニン化合物であ
る場合について説明すると、以下のようになる。
【化3】
【化4】 〔式中、X1〜X4、k、l、m及びnは、それぞれ以下
のものを表わす。 X1〜X4:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置
換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換の
アリール基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換
若しくは未置換のアリールオキシ基、置換若しくは未置
換のアルキルチオ基、置換若しくは未置換のアリールチ
オ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、スルホン酸
アミド基又はスルホン酸エステル基、 k、l、m、n:それぞれ独立に0〜4の整数。〕
【0024】上記一般式(III)及び(IV)で示される
化合物において、R14〜R16はアルキル基であり、R14
とR15とは同一でも異なっていてもよく、R16はR14
15のうち炭素数の大きいアルキル基よりも炭素数で5
つ以上の差を有するアルキル基である場合が、スペクト
ル変化を大きくできる最適組合わせの1つである。ま
た、前記した一般式(V)及び(VI)で示される化合物
においては、R17〜R19はアルキル基であり、R17とR
18とは同一でも異なっていてもよい炭素数3以下のアル
キル基であり、R19はR17とR18のうちの炭素数の大き
いアルキル基よりも炭素数で5つ以上の差を有するアル
キル基である場合も、スペクトル変化を大きくできる最
適組合わせの1つである。
【0025】具体的に説明すると、前記一般式(III)
及び(IV)で示される化合物において、R14、R15及び
16が同一で大きなアルキル基である場合は、空間的に
密で立体障害性が大きく、色素分子同士があまり近づけ
ない(rが大きくなる)ために、スペクトルシフト量が
小さい。そこで、前記一般式(III)及び(IV)で示さ
れる化合物において、R14〜R16のうち1つのアルキル
基を長くして、他の2つを短くすることで、上記の問題
が改善できる。更には、前記一般式(III)及び(IV)
で示される化合物において、R14〜R16のうち1つのア
ルキル基を長くして、他の2つを短くし、且つ長いアル
キル基として金属に近い部分に分岐構造を有するアルキ
ル基を選択することで、軸配位子を立たせることができ
る可能性があり、逆に分岐構造を持たない極端に長いア
ルキル基を1つ持たせることで、軸配位子を寝かせるこ
とができる可能性がある。これによって、大きなスペク
トル変化を生じる可逆性記録用材料が提供される。前記
一般式(V)及び(VI)の場合のR17〜R19の関係も同
様である。
【0026】本発明の記録用材料の軸配位子に適したア
ルキル基としては、次のようなものが挙げられる。メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミ
ル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチ
ルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペン
チル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メ
チルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘ
キシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル
基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチ
ルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプ
チル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル
基、3−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル
基、n−ドデシル基等の一級アルキル基;イソプロピル
基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メ
チルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチ
ルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチル
ブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2
−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチ
ルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピ
ル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブ
チル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピ
ル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1
−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イ
ソプロピルぺンチル基、1−イソプロピル−2−メチル
ブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1
−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロ
ピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基
等の二級アルキル基;tert−ブチル基、tert−
ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル
基等の三級アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチル
シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−
tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチル
ヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニ
ル基、アダマンタン基等のシクロアルキル基等。
【0027】また、前記一般式(III)、(IV)、
(V)及び(VI)中の置換基X1〜X4、及び置換数k、
l、m、nの定義は、前記一般式(I)及び(II)にお
ける場合と同一である。ただ、好ましくは、置換基があ
まり立体的に大きくなく、置換基の数としても少ないも
のが良い。これは置換基として立体的に大きいもの、ま
た置換基を数多く導入することは、軸配位子型色素のス
ペクトルの特徴をなくすものだからである。
【0028】次いで、本発明は、前記一般式(III)又
は(IV)で示される化合物と、光又は熱などの外部エネ
ルギーにより電子的又は構造的変化を可逆的に生ずる高
分子化合物とからなる光情報記録用材料、及び前記一般
式(V)又は(VI)で示される化合物と、光又は熱など
の外部エネルギーにより電子的又は構造的変化を可逆的
に生ずる高分子化合物とからなる光情報記録用材料を提
供する。これは本発明の前記一般式(III)、(IV)、
(V)又は(VI)で示される特定化合物の可逆性の改
善、可逆性の安定化、繰り返し特性の改善を達成させる
ものである。
【0029】前述のように、フタロシアニン、ナフタロ
シアニン化合物による可逆性は、例えば分散状態、結晶
状態、凝集状態、構造、電子的状態等の変化により生ず
るものであるが、この色素化合物単独では分散状態の変
化が大きすぎて、色素単独膜でも相分離のような状態が
生じてしまうため、スペクトルのシフトが生じなかった
り、色素化合物単独では分散状態、結晶状態、凝集状
態、構造、電子的状態等の変化が生じにくかったり、記
録時の分散状態、結晶状態、凝集状態、構造、電子的状
態等の変化が不安定であったりするため、本発明では光
又は熱などの外部エネルギーにより電子的又は構造的変
化を可逆的に生ずる高分子化合物を添加するものであ
る。なお、光又熱などの外部エネルギーにより電子的又
は構造的変化を可逆的に生ずる高分子化合物としては、
サーモミズムを示す高分子材料、若しくは可逆性を有す
る熱可塑性高分子材料が好ましく用いられる。
【0030】光又は熱などの外部エネルギーにより電子
的又は構造的変化を可逆的に生ずる高分子化合物は、高
分子化合物の可逆的な電子的又は構造的変化を利用して
色素分子の凝集状態を可逆的に変化させるものであり、
光又は熱などの外部エネルギーにより可逆性を有する熱
可塑性高分子材料は、色素分子の凝集状態変化のコント
ロール、すなわち色素分子の凝集状態変化を起こす温度
を制御したり、色素分子の凝集状態変化を固定化する働
きがある。また、これら高分子化合物においては、アル
キル側鎖を有するもの、あるいは場合によっては極性部
位を持つ高分子化合物も好ましい。これは、色素分子の
アルキル基と高分子化合物のアルキル基間の相互作用、
また双極子−双極子相互作用で説明したように、色素−
色素間相互作用のほかに、色素−高分子間相互作用によ
るスペクトルシフトが期待できるからである。
【0031】光又は熱などの外部エネルギーにより電子
的又は構造的変化を可逆的に生じる高分子化合物として
は、例えば主鎖あるいは側鎖に、O、N、S、P、A
s、Se等の配位原子を含んだ配位基をもつ高分子化合
物、あるいは外部エネルギーに対して分子鎖の形態が変
化するような高分子化合物などが用いられる。このよう
な高分子化合物の例としては、下記一般式(VII)で示
される化合物が挙げられる。
【化7】 上記一般式(VII)中、R21及びR22は、水素原子又は
置換基を有してよいアルキル基を示す。但し、これらは
同一であってもよいが、両者同時に水素原子となること
はなく、少なくとも一方は置換基を有してよいアルキル
基である。また、XはS原子、O原子、Se原子又は>
NR23基を示し、R23は水素原子、アルキル基又はアリ
ール基を示す。なお、nは重合度を示す。
【0032】前記一般式(VII)で示される化合物の中
でも好ましいのは、Xが硫黄原子であるポリチオフェン
誘導体で、更に好ましいのがR21及びR22のうち1つが
水素原子で他方がアルキル基であるポリ(3−アルキル
チオフェン)である。また、このポリ(3−アルキルチ
オフェン)の中でも、有機系溶媒への溶解性、色素化合
物との相溶性、有機系溶媒への溶解度、融点等の関係か
ら、n=6以上のアルキル基が特に好ましい。
【0033】外部エネルギーが例えば光である場合、前
述の分子鎖形態の変化する高分子は光誘起分子鎖形態変
化する光応答性高分子ということができ、例えば以下の
ようなタイプのものが本発明に適する高分子化合物の1
例として挙げることができる。 高分子の主鎖又は側鎖に含まれている光感応基間の
相互作用を光異性化により変化させる。 高分子主鎖に含まれている光感応基の構造を変化さ
せる。 光照射により高分子鎖に沿って電荷を可逆的に発生
させ、それらの静電反発を利用する。
【0034】一方、可逆性を有する熱可塑性高分子化合
物としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル系樹脂、
ポリビニルエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂(例えばポリ4−メチルペンテン
等)、ポリエーテルスルホン樹脂等が挙げられる。
【0035】次に、本発明の光情報記録用材料を記録層
に含有させた光情報記録媒体について説明する。本発明
の記録用材料を含有する記録層においては、光エネルギ
ーの効率、波長整合性、色素の分子集合状態、分散状
態、結晶状態の変化促進のために、他の色素を添加して
もよい。そのような色素としては、例えばポリメチン色
素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリ
リウム系、コロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノ
ン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテ
ン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒド
ロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系
染料、及び金属錯体化合物などが挙げられ、上記の染料
を単独で用いてもよいし、2種以上の組合わせにしても
よい。また、上記染料中に金属、金属化合物、例えばI
n、Te、Bi、Al、Be、TeO2、SnO、A
s、Cdなどを分散混合あるいは積層の形態で用いるこ
ともできる。更に、上記染料中に高分子材料、例えばア
イオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天
然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料、若
しくはシランカップリング剤などを分散混合して用いて
もよいし、あるいは特性改良の目的で、安定剤(例えば
遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、
界面活性剤、可塑剤などと一緒に用いることもできる。
【0036】記録層の形成は蒸着、スパッタリング、C
VD又は溶剤塗布などの通常の手段によって行なうこと
ができる。塗布法を用いる場合には、上記染料などを有
機溶剤に溶解して、スプレー、ローラー塗布、ディッピ
ング又はスピナー塗布などの慣用の塗布方法で行なう。
有機溶剤としては、一般にメタノール、エタノール、イ
ソプロパノールなどアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなど
のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル
類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四
塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭
素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジク
ロロベンゼンなどの芳香族類、あるいはメトキシエタノ
ール、エトキシエタノールなどのセルソルブ類、ヘキサ
ン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
などの炭化水素類などを用いることができる。記録層の
膜厚は、100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2
000Åが適当である。
【0037】本発明の記録用材料を適用する光情報記録
媒体の層構成としては、例えば基板、記録層、下引き
層、反射層、ハードコート層、保護層(順不同)等によ
り構成され、前述の記録層以外の特性及び材料は次のよ
うなものであることが好ましい。
【0038】〈基板〉基板の必要特性としては、基板側
より記録再生を行なう場合には使用レーザ光に対して透
明でなければならないが、記録層側から記録・再生を行
なう場合は透明である必要はない。基板材料としては、
例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリ
カーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、ガ
ラス、セラミックあるいは金属などを用いることができ
る。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や案内
ピット、更にアドレス信号などのプレフォーマットが形
成されていてもよい。
【0039】〈下引き層〉下引き層は、(a)接着性の
向上、(b)水又はガスなどに対するバリヤー、(c)
記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、
(e)溶剤からの基板の保護、(f)案内溝、案内ピッ
ト、プレフォーマットの形成などを目的として使用され
る。(a)の目的に対しては高分子、例えばアイオノマ
ー樹脂、ポリアミド、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高
分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子物質及
びシランカップリング剤などを用いることができ、
(b)及び(c)の目的に対しては、上記高分子材料以
外に無機化合物、例えばSiO2、MgF2、SiO、T
iO2、ZnO、TiN、SiN、及びZn、Cu、N
i、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどの金属又
は半金属などを用いることができる。また、(b)の目
的に対しては、金属、例えばAl、Agなどや、金属光
沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系
染料などを用いることができ、(e)及び(f)の目的
に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹
脂などを用いることができる。下引き層の膜厚は0.0
1〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当で
ある。
【0040】〈金属反射層〉金属反射層は単体で高反射
率の得られる腐食されにくい金属、半金属などが使用で
きる。具体的材料としては、Au、Ag、Cu、Al、
Cr、Niなどが挙げられ、好ましくはAu、Alがよ
い。これらの金属、半金属は単独で使用してもよく、2
種以上の合金としてもよい。膜形成法としては蒸着、ス
パッタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜30
00Å、好ましくは100〜1000Åである。
【0041】〈保護層、基板表面ハードコート層〉保護
層又は基板表面ハードコート層は、(a)記録層を傷、
埃、汚れなどから保護する、(b)記録層の保存安定性
の向上、(c)反射率の向上などを目的として使用され
る。これらの目的に対しては、前記の下引き層に示した
材料を用いることができる。また、無機材料としてSi
O、SiO2なども用いることもでき、有機材料として
アクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリ
スチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロー
ス、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワ
ックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジンなどの熱軟化
性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のう
ち保護層又は基板表面ハードコート層に最も好ましいも
のは、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又
は基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μ
m、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発
明において、前記の下引き層、保護層及び基板表面ハー
ドコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散
剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤な
どを含有させることができる。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0043】下記一般式(VIII)で示される化合物にお
けるR14、R15及びR16として、表1に示す置換基を有
するフタロシアニンを合成した。
【化8】
【0044】
【表1】
【0045】次いで、これらのフタロシアニン化合物と
ポリスチレンを重量比2対1の割合でクロロホルムに溶
解させ、スピンコート法でガラス基板上に薄膜を形成さ
せた。この薄膜を昇温スピード5℃/分の速さで加熱し
ていった時の、スピンコート後のスペクトルからの変化
を、最大吸収波長の最大シフト量で評価した。表2はそ
の結果を表にしたもので、nはR1、R2、R3のうち最
大の炭素数を有するアルキル基の炭素数と、他の2つの
アルキル基のうち炭素数の多い方のアルキル基の炭素数
との差を示す。また、Δλはスピンコート後の最大吸収
波長と、昇温スピード5℃/分の速さで加熱していった
時の、最大吸収波長の最大の移動量である。+は初期の
最大吸収波長に対し、加熱により長波長側へスペクトル
が移動することを示し、−は初期の最大吸収波長に対
し、加熱により短波長側へスペクトルが移動することを
示す。
【0046】
【表2】
【0047】表1、2におけるR1、R2がメチル基(C
3)である化合物に対し、R3のアルキル基の長さが変
化していった時のスペクトルシフト量をプロットする
と、図6のようになる。この図からも明らかなように、
色素環同士の重なり、つまりθ、φ、rを、及び高分子
化合物との相互作用の大きさを、軸配位子の種類で制御
できることが明らかになった。
【0048】このような大きなスペクトルシフトを生じ
させる状態を達成させるための軸配位子に要求される1
つの条件が、前記一般式(V)で示される化合物におい
て、R1、R2、R3はアルキル基であり、R1、R2とは
同一でも異なっていてもよく、R3はR1とR2のうち炭
素数の大きいアルキル基よりも炭素数で5つ以上の差を
有するアルキル基を持つ前記一般式(V)で示される化
合物、あるいは、前記一般式(V)で示される化合物に
おいて、R1、R2、R3はアルキル基であって、R1、R
2とは同一でも異なっていてもよい炭素数3以下のアル
キル基であり、R3はR1とR2のうち炭素数の大きいア
ルキル基よりも炭素数で5つ以上の差を有するアルキル
基を持つ前記一般式(V)で示される化合物である。
【0049】本発明は基本的に1番炭素数の多いアルキ
ル基により、色素分子の重なりを制御させるもので、他
の2つのアルキル基は1番炭素数の多いアルキル基の傾
き等を間接的に制御する。この軸配位子の空間的広がり
を制御する他の方法としては、1番炭素数の多いアルキ
ル基の、他の短い2つの軸配位子を変えることで、ある
いは短い2つの軸配位子は同一であっても、1番炭素数
の多いアルキル基の中心金属に近い部分に分岐構造を有
するアルキル基を置換することが有効である。これは本
実施例から裏付けられている。すなわち、2つの短いア
ルキル基がメチル基で、1番炭素数の多いアルキル基の
長鎖の実質的長さはヘキシル基であっても、直鎖アルキ
ルか分岐構造を有するアルキルかで、スペクトルシフト
量が異なっているし、また1番炭素数の多いアルキル基
はオクチル基で同一であっても、2つの短いアルキル基
がメチル基か、エチル基か、イソプロピル基か、n−プ
ロピル基であるかによって、スペクトルシフト量が大き
くなる。
【0050】また、軸配位子の角度を制御するために
は、1番炭素数の多いアルキル基の中心金属に近い部分
に分岐構造を有するアルキル基を置換することが有効で
あると記したが、これも本実施例で、2つの短いアルキ
ル基がメチル基で、1番炭素数の多いアルキル基の、長
鎖の実質的長さがブチル基である場合、直鎖と中心金属
から1番離れたところに分岐構造を有する化合物で、ス
ペクトルシフト量が変わらないことから、1番炭素数の
多いアルキル基の中心金属に近い部分に分岐構造を有す
るアルキル基を置換することが有効であると言える。い
ずれの場合においても、可逆性を確保するためには、色
素分子同士が接近しすぎないようにすることが重要であ
り、そのための条件として、本発明では1番炭素数の多
いアルキル基の炭素数が6以上で、(これまで1番炭素
数の多いアルキル基の炭素数が6以上とは明記していな
いが、短いアルキル基の炭素数との差が5以上であるこ
とから、実質的に6以上と言える)、また逆に軸配位子
の空間広がりが大きくなりすぎて、色素分子同士の相互
作用が弱まらないようにするために、短いアルキル基と
1番長いアルキル基との差が5以上必要である。
【0051】次に、スペクトルシフト量の大きかったR
14=R15=CH3、R16=C1225とR14=R15=C
3、R16=2−(C25)C612の化合物に対し、スペ
クトル変化、繰り返し特性の評価を行った。図7はR14
=R15=CH3、R16=C1225の未記録時と記録時の
スペクトルであり、図8はR14=R15=CH3、R16
2−(C25)C612の未記録時と記録時のスペクトル
である。このように、本発明の化合物はスペクトルがき
れいにシフトしており、記録膜表面の形状変化を起こす
ことなく、コントラストの高い記録が行える。また、図
9はR14=R15=CH3、R16=C1225の吸光度の繰
り返し特性を測定したもので、本発明の化合物により、
良好な記録コントラスト、良好な消去、良好な繰り返し
が達成されている。
【0052】次いで、CD系メディアとしての互換性確
認、反射率での可逆性を確認するために、前述のサンプ
ルに金を蒸着したサンプルを新たに作成した。このサン
プルで未記録状態と記録状態処理をした時のスペクトル
を測定したところ、図10のようになり、吸光度の場合
と同様、良好なスペクトルシフトを生じている。更に、
このサンプルで反射率における可逆性を評価したとこ
ろ、図11に示すように反射率においても、良好な記録
コントラスト、良好な消去、良好な繰り返し特性が確認
できた。このように、本発明の化合物はスペクトルの広
がりが少ないため、2つの安定状態(未記録状態と記録
状態)が明確に分離している(異なる)。そのため、記
録コントラストが高まるとともに、最大ピーク波長に対
し、長波長側と短波長側の両方を記録・再生波長として
選ぶことができる。また、軸配位子の状態を制御するこ
とで、スペクトルシフトの方向も制御できることから、
現行のCD系メディアと同一の記録極性で記録が行え
る。
【0053】本発明の記録用材料は、記録・消去可能な
可逆材料として提供されるものであるが、現行のCD−
Rのように1回だけ追記できるようなメディア用材料と
しても適している。これは本発明の記録用材料の置換基
を変えることで、また光、熱などの外部エネルギーによ
り電子的又は構造的変化を可逆的に生ずる高分子化合物
を変えることで、可逆性を低下させる、若しくは無くす
ことも可能であるからである。
【0054】
【発明の効果】請求項1の光情報記録用材料は前記一般
式(I)又は(II)で示される化合物からなるものとし
たことから、その中心金属Mの置換基同士の凝集力を、
光又は熱などによって変化させ、色素分子間の相互作用
力を変化させることによって、大きなスペクトルシフト
及び良好な可逆変化を示すことができる。
【0055】請求項2の光情報記録媒体は、請求項1の
光情報記録用材料を記録層に含有させたことから、記録
コントラストが大きく且つ良好な可逆変化を示す(消去
能力が高い)ものとなる。
【0056】請求項3の光情報の記録、消去方法は、請
求項2の光情報記録媒体を使用したことから、大きなス
ペクトルシフトを生じさせる記録方法及び良好な可逆変
化を生じさせる記録・消去方法を提供することができ
る。
【0057】請求項4又は5の光情報記録用材料は、前
記一般式(III)、(IV)、(V)又は(VI)で示され
る化合物からなるものとしたことから、より大きな可逆
特性(スペクトルシフト)を示すものとなる。
【0058】請求項6又は7の光情報記録用材料は、請
求項4又は5の光情報記録用材料と、光又は熱などの外
部エネルギーにより電子的又は構造的変化を可逆的に生
ずる高分子化合物とからなるものとしたことから、より
大きな可逆特性(スペクトルシフト)を示すものとな
り、可逆特性の改善及び安定性の向上が図れる。
【0059】請求項8の光情報記録用材料は、前記光又
は熱などの外部エネルギーにより電子的又は構造的変化
を可逆的に生ずる高分子化合物が、サーモクロミズムを
示す高分子材料若しくは可逆性を有する熱可塑性高分子
材料であるものとしたことから、より大きな可逆特性
(スペクトルシフト)を示すものとなり、可逆特性の改
善及び安定性の向上が図れる。
【0060】請求項9の光情報記録媒体は、請求項1及
び4〜8のいずれかの光情報記録用材料からなる記録層
及び反射層を積層してなるものとしたことから、CD系
メディアと互換性のある可逆メディアとして適用できる
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フタロシアニン化合物の分散状態の変化による
吸光スペクトルの1例を示す。
【図2】軸配位子型のフタロシアニン化合物の凝集状態
の変化による吸光スペクトルの1例を示す。
【図3】α位の置換基を有するタイプのフタロシアニン
化合物の凝集状態の変化による吸光スペクトルの1例を
示す。
【図4】双極子−双極子相互作用のみを考えた場合の、
フタロシアニンの主骨格環のθ方向の配置位置とエネル
ギー量との関係を示すグラフである。
【図5】(a)〜(d)は、軸配位子型のフタロシアニ
ン化合物の軸配位子の種類による色素分子間の相互作用
配置の違いを示す模式図である。
【図6】実施例で得られたフタロシアニン化合物のR16
アルキル基の長さとスペクトルシフト量との関係を示す
グラフである。
【図7】実施例で得られたR14=R15=CH3、R16
1225のフタロシアニン化合物サンプルの未記録時と
記録時の吸光スペクトルを示す。
【図8】実施例で得られたR14=R15=CH3、R16
2−(C25)C612のフタロシアニン化合物のサンプ
ルの未記録時と記録時の吸光スペクトルを示す。
【図9】実施例で得られたR14=R15=CH3、R16
1225のフタロシアニン化合物サンプルの吸光度の繰
り返し特性測定結果を示すグラフである。
【図10】実施例で得られた金蒸着サンプルの未記録時
と記録時の反射スペクトルを示す。
【図11】実施例で得られた金蒸着サンプルの反射率の
繰り返し特性測定結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)又は(II)で示される
    化合物において、中心金属Mの置換基同士の凝集力を、
    光又は熱などの外部エネルギーによって変化させること
    で、色素分子間の相互作用力を変化させ、その結果生じ
    るエネルギー状態の変化を利用して情報の記録、あるい
    は情報の記録及び消去が行えることを特徴とする光情報
    記録用材料。 【化1】 【化2】 〔式中、M、X1〜X4、k、l、m及びnは、それぞれ
    以下のものを表わす。 M:置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、(−OPR12)t
    基、(−OPOR34)t基、(−OSiR567)t
    基、(−OCOR8)t基、(−OR9)t基、(−OCO
    COOR10)t基、(−OCOCOR11)t基、又は(−
    OCONR1213)t基を有する3価若しくは4価の金
    属原子、 R1〜R13:それぞれ独立に水素原子、置換若しくは未
    置換の1価の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは未置換
    の1価の芳香族炭化水素基、 t:1〜2の整数、 X1〜X4:それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置
    換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換の
    アリール基、置換若しくは未置換のアルコキシ基、置換
    若しくは未置換のアリールオキシ基、置換若しくは未置
    換のアルキルチオ基、置換若しくは未置換のアリールチ
    オ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、スルホン酸
    アミド基又はスルホン酸エステル基、 k、l、m、n:それぞれ独立に0〜4の整数。〕
  2. 【請求項2】 基板上に設けられた記録層にレーザ光を
    照射して情報の記録あるいは記録及び消去を行う光情報
    記録媒体において、該記録層中に請求項1記載の光情報
    記録用材料を含有してなることを特徴とする光情報記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光情報記録媒体にレーザ
    光を照射し、前記一般式(I)又は(II)で示される中
    心金属Mの置換基同士の凝集力を変化させることで、色
    素分子間の相互作用力を変化させ、その結果生じるエネ
    ルギー状態の変化を利用して情報の記録、あるいは情報
    の記録及び消去を行うことを特徴とする光情報の記録、
    消去方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(III)又は(IV)で示され
    る化合物において、中心金属Mの置換基同士の凝集力
    を、光又は熱などの外部エネルギーによって変化させる
    ことで、色素分子間の相互作用力を変化させ、その結果
    生じるエネルギー状態の変化を利用して情報の記録、あ
    るいは情報の記録及び消去が行えることを特徴とする光
    情報記録用材料。 【化3】 【化4】 (式中、R14〜R16はアルキル基を表わし、R14とR15
    とは同一でも異なっていてもよく、R16はR14とR15
    うち炭素数の大きいアルキル基よりも炭素数で5つ以上
    の差を有するアルキル基である。また、X1〜X4、k、
    l、m及びnは前記と同じである。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(V)又は(VI)で示される
    化合物において、中心金属Mの置換基同士の凝集力を、
    光又は熱などの外部エネルギーによって変化させること
    で、色素分子間の相互作用力を変化させ、その結果生じ
    るエネルギー状態の変化を利用して情報の記録、あるい
    は情報の記録及び消去が行えることを特徴とする光情報
    記録用材料。 【化5】 【化6】 (式中、R17〜R19はアルキル基を表わし、R17とR18
    とは同一でも異なっていてもよい炭素数3以下のアルキ
    ル基であり、R19はR17とR18のうち炭素数の大きいア
    ルキル基よりも炭素数で5つ以上の差を有するアルキル
    基である。また、X1〜X4、k、l、m及びnは前記と
    同じである。)
  6. 【請求項6】 請求項4記載の光情報記録用材料と、光
    又は熱などの外部エネルギーにより電子的又は構造的変
    化を可逆的に生ずる高分子化合物とからなることを特徴
    とする光情報記録用材料。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の光情報記録用材料と、光
    又は熱などの外部エネルギーにより電子的又は構造的変
    化を可逆的に生ずる高分子化合物とからなることを特徴
    とする光情報記録用材料。
  8. 【請求項8】 前記光又は熱などの外部エネルギーによ
    り電子的又は構造的変化を可逆的に生ずる高分子化合物
    が、サーモクロミズムを示す高分子材料若しくは可逆性
    を有する熱可塑性高分子材料であることを特徴とする請
    求項6又は7記載の光情報記録用材料。
  9. 【請求項9】 基板上に請求項1及び4〜8のいずれか
    に記載の光情報記録用材料からなる記録層及び反射層を
    積層してなることを特徴とする光情報記録媒体。
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