JP3809257B2 - 樹脂組成物、それを用いた光情報記録媒体並びに情報の記録、再生及び消去方法 - Google Patents
樹脂組成物、それを用いた光情報記録媒体並びに情報の記録、再生及び消去方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体における記録層に用いるのに有用な樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた光情報記録媒体、およびその光情報記録媒体への情報記録方法、光情報記録媒体からの情報再生方法、光情報記録媒体の情報消去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光情報記録媒体としては種々のものが知られている。その一つとして有機色素を記録層に用い、記録層にレーザ光を照射することによって、照射部分を局部的に加熱し、記録層の光学特性の変化、特に再生レーザ光に対する反射率の変化を利用して情報を記録する光情報記録媒体が知られている。
このような光情報記録媒体に情報を記録するには、記録層の光吸収率が大きいこと及び光吸収率の波長依存性が小さいことが必要であり、また、記録の再生にあたっては記録層からの反射率の変化を利用するために、基板を通しての反射率が一定値以上であること及び反射率の波長依存性が小さいことが要求される。
【0003】
従来の有機色素を記録層に用いた光情報記録媒体では、記録/再生波長において大きなn(複素屈折率の実部)と適度なk(複素屈折率の虚部)を有する有機色素を選択し、高反射率が得られるような膜厚の記録層を用いている。
このような光情報記録媒体における記録のメカニズムが、有機色素の吸収熱による色素自体の分解や基板変形等であることから、記録コントラストを高めるためにある程度以上の膜厚を有する記録層が必要であり、このある程度以上の膜厚が必要であるということは、未記録状態での高反射率を得るために非常に大きな屈折率nを有する有機色素を必要とし、色素の選択幅を狭めると同時に、波長依存性が大きくなるという問題をも有している。この波長依存性が大きくなることは、記録/再生レーザ光の発振波長変動に対し、未記録状態および記録状態の反射率変動が許容範囲外となることを意味するため好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題はこのような問題点を解決し、未記録状態の反射率を高くすることができ、また記録コントラストが高く、且つ波長依存性を小さくすることができ光情報記録媒体の記録層に用いるのに有用な樹脂組成物、その樹脂組成物を用いた光情報記録媒体、およびその光情報記録媒体への情報記録方法、光情報記録媒体からの情報再生方法、光情報記録媒体の情報消去方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、下記一般式(1)においてR1〜R6のうち少なくとも1つが分岐を有してもよいアルキル基であり且つ分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基であるフタロシアニン化合物と、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で示される高分子化合物のいずれか一方とを主成分とすることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
【0006】
【化4】
【0007】
(式中、R1〜R6は水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、シリル基、シロキシル基またはヘテロ環基を表す。X1〜X4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、スルホン酸アミド基、スルホン酸エステル基を表す。k、l、m、nは置換基X1〜X4の置換数で0〜4の整数を表す。)
【化5】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5またはZ6は水素原子または分岐を有してもよいアルキル基を表す。但し、Z1〜Z6の少なくとも一つは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基である。)
【化6】
(式中、Rは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基を表す。)
【0008】
第二に、上記第一に記載した樹脂組成物において、一般式(1)におけるR1〜R6の全てが分岐を有してもよいアルキル基であることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
【0009】
第三に、上記第二に記載した樹脂組成物において、少なくともR1〜R3あるいはR4〜R6のどららか一方の3つのアルキル基が同一でない(R1=R2=R3でない、及び/またはR4=R5=R6でない)ことを特徴とする樹脂組成物が提供される。
【0010】
第四に、上記第三に記載した樹脂組成物において、R1がC8H17以上のアルキル基であり、R2及びR3がC3H7以下のアルキル基であることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
【0011】
第五に、上記第三または四に記載した樹脂組成物において、R4がC8H17以上のアルキル基であり、R5及びR6がC3H7以下のアルキル基であることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
【0018】
第六に、上記第一乃至五のいずれかに記載した樹脂組成物からなる記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体が提供される。
【0019】
第七に、上記第六に記載した光情報記録媒体に情報を記録する光情報記録媒体の情報記録方法において、記録層にレーザ光を照射することによりフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ、その相互作用の変化によるフタロシアニン化合物のスペクトル変化を利用して情報の記録を行うことを特徴とする光情報記録媒体の情報記録方法が提供される。
【0020】
第八に、上記第六に記載した光情報記録媒体に記録された情報を再生する光情報記録媒体の情報再生方法において、上記第七に記載した方法により情報が記録された光情報記録媒体に再生レーザ光を照射し、フタロシアニン化合物のスペクトルが記録により変化した波長域内における反射率の差により情報を再生することを特徴とする光情報記録媒体の情報再生方法が提供される。
【0021】
第九に、上記第六に記載した光情報記録媒体に記録された情報を消去する光情報記録媒体の情報消去方法において、上記第七に記載した方法により情報が記録された光情報記録媒体に熱エネルギーを与え記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態を未記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態とすることにより、フタロシアニン化合物のスペクトルを未記録状態のスペクトルに戻すことを特徴とする光情報記録媒体の情報消去方法が提供される。
【0022】
以下に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物についてのX線単結晶構造解析の結果から、フタロシアニン化合物において中心金属に置換された置換基のアルキル鎖部分はフタロシアニン骨格平面に対して略平行に広がり、この中心金属に置換された置換基のアルキル鎖部分がフタロシアニン骨格平面から十分はみだせば、高分子化合物との相互作用が急激に高まり、相溶性が向上することを見出し、上記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物においてR1〜R6のうち少なくとも1つが分岐を有してもよいアルキル基であり、かつ分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基である場合に、フタロシアニン化合物間の相互作用を失わせることなく、フタロシアニン化合物と高分子化合物との間の相互作用を高めた樹脂組成物が得られることを見出した。
【0023】
そして、このフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物を光情報記録媒体の記録層とすることにより、未記録状態ではフタロシアニン化合物と高分子化合物とが相溶した状態(均一に混ざった状態)の均一な薄膜で高反射率の記録層が得られると共に、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を薄膜の均一性を損なうことなく変化させ、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化により記録コントラストの高い情報の記録が可能となることを見出した。
【0024】
本発明の樹脂組成物における前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物としては、R1〜R6の全てが分岐を有してもよいアルキル基であり、R1〜R6のうち少なくとも1つが分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基であるフタロシアニン化合物が好ましい。
R1〜R6の全てを分岐を有してもよいアルキル基とし、そのうちの少なくとも1つを、分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基とすることにより、フタロシアニン化合物間の相互作用を十分に確保するとともに、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用をも高めることができる。
【0025】
R1〜R6はアルキル基以外でも特に問題はないが(置換基の種類によっては1つ以上のアルキル基がフタロシアニン骨格平面から遠ざかるように広がり、高分子化合物との相互作用にとっては好ましい状況となる)、あまり大きな置換基ではフタロシアニン骨格を遮蔽する効果、及びフタロシアニン化合物間の距離が大きくなり、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用変化に基づくスペクトル変化量が小さくなってしまう。そこで、フタロシアニン化合物間の相互作用を弱めすぎることのない置換基を導入することが好ましく、そのためには、前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物のR1〜R6の全てを分岐を有してもよいアルキル基とすることが好ましい。
【0026】
前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物のSi原子に置換された3つの置換基をアルキル基とした場合には、置換基がフタロシアニン骨格平面にほぼ平行に広がることから、中心金属への置換基の導入にもかかわらず、フタロシアニン化合物間の相互作用を十分に確保することができる。
【0027】
さらに、樹脂組成物における前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物としては、R1〜R6の全てが分岐を有してもよいアルキル基であり、少なくともR1〜R3あるいはR4〜R6のどららか一方の3つのアルキル基が同一でなく(R1=R2=R3でない、及び/またはR4=R5=R6でない)、R1〜R6のうち少なくとも1つが分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基であるフタロシアニン化合物が好ましい。
【0028】
前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物のX線単結晶構造解析の結果によれば、フタロシアニン化合物の中心金属に置換された置換基のアルキル基部分の組み合わせにより、フタロシアニン骨格平面に対するアルキル基部分の広がり方が異なり、R1〜R3あるいはR4〜R6の3つのアルキル基が同一の場合(3本対称アルキル基)はSi−0−Siの結合角度が3つのアルキル基が同一でない場合(3本非対称アルキル基)よりも180度に近くなる。
すなわち、この3本非対称アルキル基とすることによって、Si−0−Siの結合角度が3本対称アルキル基とした場合よりも小さくなり、アルキル基部分はフタロシアニン骨格平面に対して上方に(フタロシアニン骨格平面から遠ざかるように)広がりやすくなる。
【0029】
フタロシアニン化合物の中心金属に置換された置換基のアルキル基部分が、フタロシアニン骨格平面に対して略平行に広がる現象は、水素結合等の分子内相互作用によるものであり、このフタロシアニン骨格平面に対して、略平行に広がる現象は高分子化合物との相互作用の低下をもたらし、またフタロシアニン骨格に対してアルキル基部分が上方に(フタロシアニン骨格平面から遠ざかるように)広がりすぎるとフタロシアニン化合物間の相互作用を著しく低下させる可能性があるが、上記フタロシアニン化合物を用いることにより、フタロシアニン化合物間の相互作用を十分に確保するとともに、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用をより高めることができる。
【0030】
従って、このフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物を光情報記録媒体の記録層とすることによって、未記録状態ではフタロシアニン化合物と高分子化合物とが相溶した状態(均一に混ざった状態)の均一な薄膜で高反射率の記録層が得られると共に、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化により記録コントラストの高い情報の記録を行うことができる。
【0031】
前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物のR1〜R6における分岐を有してもよいアルキル基であり且つ分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基の具体例としては、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、1−メチルオクチル基などが挙げられる。
【0032】
また、R1〜R6におけるその他の基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、n−へキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の一級アルキル基、イソプロビル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1、2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1、3−ジメチルブチル基、1、2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、
【0033】
1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基、tert−ブチル基、tert−へキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンタン基等のシクロアルキル基などが挙げられる。
【0034】
また、前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物のX1〜X4としては、あまり立体的に大きくない置換基が好ましく、置換基の数としても少ないほうが好ましい。これは、立体的に大きな置換基を導入し、また置換基を数多く導入することは、軸配位子型化合物のスペクトルの特徴をなくすからである。
【0035】
樹脂組成物における前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物としては、少なくともR1〜R3あるいはR4〜R6のそれぞれ三つの基のうちの一つがC8H17以上(炭素数8以上)のアルキル基であり、他の二つがC3H7以下(炭素数3以下)のアルキル基であるフタロシアニン化合物が特に好ましい。
このようなフタロシアニン化合物を用いることにより、タロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用をより向上させることができる。
【0036】
フタロシアニン化合物のX線単結晶構造解析の結果によれば、フタロシアニン化合物の中心金属に置換された置換基のアルキル基部分の組み合わせにより、フタロシアニン骨格平面に対するアルキル基部分の広がり方が異なり、二つの炭素数3以下のアルキル基は、アルキル置換基の非対称性によってSi−0−Siの結合角度を小さくし、アルキル基はフタロシアニン環の内側空白部分(金属が存在する部分)上に存在することになり、フタロシアニン骨格との相互作用が非常に弱められる。
【0037】
このように、3つのアルキル基のうち2つのアルキル基のフタロシアニン骨格との相互作用を低下させることによって、フタロシアニン化合物の中心金属に置換された置換基のアルキル基部分とフタロシアニン骨格間の分子内相互作用に基づくアルキル基の自由度低下を開放する(アルキル基が自由に動けるようにする)のである。
これによって、炭素数8以上のアルキル基の自由度は高まり、高分子化合物との相互作用をより向上させることができる。
【0038】
前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と共に用いる高分子化合物としては、側鎖に炭素数の大きなアルキル基を有する高分子化合物が好ましく、特に下記一般式(2)で示されるポリスチレン誘導体、または下記一般式(3)で示されるポリメタクリル酸エステル誘導体が好ましい。
【0039】
【化7】
【0040】
(式中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5またはZ6は水素原子または分岐を有してもよいアルキル基を表す。但し、Z1〜Z6の少なくとも一つは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基である。)
【0041】
【化8】
【0042】
(式中、Rは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基を表す。)
【0043】
上記一般式(2)で示されるポリスチレン誘導体においては、Z1〜Z6のうち少なくとも一つは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基であることが好ましい。但し、Z6は炭素数1以上の分岐を有してもよいアルキル基であることが好ましく、アルキル基は複数導入されていてもかまわない。
また、上記一般式(3)で示されるポリメタクリル酸エステル誘導体においては、Rは炭素数3以上の分岐を有していてもよいアルキル基であることが好ましい。
【0044】
このように、高分子化合物側鎖へのアルキル基の導入、また側鎖への立体障害をもたらすかさ高い置換基の導入により高分子化合物間の相互作用を低下させ、更には側鎖のアルキル基とフタロシアニン化合物分子の置換基、具体的には中心金属に置換されたアルキル基部分との相互作用を高め、高分子化合物とフタロシアニン化合物との相互作用を高めることができる。
【0045】
次に、前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物からなる記録層を有する光情報記録媒体について説明する。
本発明の光情報記録媒体は、基板上に上記樹脂組成物からなる記録層を有するものであり、必要に応じて下引き層、保護層または基板表面ハードコート層、反射層などを設けることができる。
基板材料としては、例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、あるいはガラス、セラミック、金属などを用いることができる。基板に必要な特性としては、基板側より記録・再生を行う場合のみ使用レーザ光に対して透明でなければならず、記録層側から記録・再生を行う場合は透明である必要はない。また、基板の表面にはトラッキング用の案内溝や案内ピット、さらにアドレス信号などのプレフォーマットが形成されていてもよい。
【0046】
基板上に前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物からなる記録層を形成するには、例えば、樹脂組成物を有機溶媒に溶解させ、スプレー、ローラーコーティング、ティッピングおよびスピンコーティングなどの慣用のコーティング法により、基板上に塗布し乾燥させればよい。
有機溶媒としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭水素類、あるいは、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセルソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などを用いることができる。
【0047】
なお、記録層の形成にあたっては、光エネルギーの効率、波長整合性、フタロシアニン化合物の分子集合状態、分散状態、結晶状態の変化を促進のために、他の色素を添加してもよい。
そのような色素としては、例えばポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、コロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、および金属錯体化合物などが挙げられ、上記の染料を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0048】
また、記録層中に金属、金属化合物、例えばIn、Te、Bi、Al、Be、TeO2、SnO、As、Cdなどを分散混合して、あるいはこれらを記録層の上下に積層する形態で用いることもできる。
さらに、上記録層中に、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子物質、もしくはシランカップリング剤などを分散混合して用いてもよいし、あるいは特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを用いることができる。
記録層の膜厚は、100Å〜10μmが適当であり、特に200Å〜2000Åが好ましい。
【0049】
下引き層は(a)接着性の向上、(b)水、またはガスなどのバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板の保護、(f)案内溝・案内ピット・プレフォーマツト等の形成などを目的とするものであり、(a)の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子物質、およびシランカップリング剤などを用いることができ、(b)及び(c)の目的に対しては、上記高分子物質以外に無機化合物、例えばSiO2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど、あるいは金属または半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどを用いることができる。また(d)の目的に対しては金属、例えばAl、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等を用いることができ、(e)および(f)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚は0.01〜30μmが適当であり、特に0.05〜10μmが好ましい。
【0050】
保護層または基板表面ハードコート層は(a)記録層の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(b)記録層の保存安定性の向上、(c)反射率の向上等を目的とするものであり、これらの目的に対しては、前記下引き層に用いる材料として示した材料を用いることができる。また、無機材料としてSiO、SiO2なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち保護層、または基板表面ハードコート層に最も好ましい物質は、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
【0051】
保護層または基板表面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μmが適当であり、特に0.05〜10μmが好ましい。
なお、下引き層、保護層または基板表面ハードコート層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0052】
反射層は単体で高反射率の得られる、腐食されにくい金属、半金属等を用いることができ、材料例としてはAu、Ag、Cu、Cr、Ni、Alなどが挙げられ、特にAu、Alが好ましい。これらの金属、半金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金として使用してもよい。膜形成方法としては、蒸着、スパッタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜3000Åが好ましく、特に100〜1000Åが好ましい。
【0053】
本発明の光情報記録媒体に対する情報の記録は次のようにして行うことができる。すなわち、前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物からなる記録層に、情報に従ってレーザ光を照射して加熱することによって、記録層の加熱部分におけるフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化を利用することにより、光情報記録媒体に対する情報の記録を行うことができる。
【0054】
この情報の記録方法によれば、従来の光情報記録媒体のように色素やその他物質からなる記録層の分解や、基板あるいは各層間界面の変形等として記録を行うのでなく、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相変化或いはフタロシアニン化合物の凝集状態の変化などフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用変化、主として記録層中のフタロシアニン化合物分子のスペクトル変化、すなわち記録/再生波長におけるフタロシアニン化合物の複素屈折率の虚部kの変化として記録を行うため、記録コントラストの高い情報の記録を行うことができ、また記録層に高屈折率が要求されないため、波長依存性を少なくすることができる。
また、本発明の光情報記録媒体に対する上記記録方法によれば、記録層の薄膜化が可能であるため、記録層を薄膜にすることによって末記録状態における反射率を高くすることができる。
【0055】
更に、本発明の光情報記録媒体への記録は、フタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用の変化により行われ、従来のように色素の分解、基板や各層界面の変形による記録ではないため、低エネルギーでの記録が可能であり、高感度で且つ高密度な情報の記録を行うことができ、また、高速記録再生時のジッタが抑制され高転送レート化を図ることができる。
【0056】
上記のようにして本発明の光情報記録媒体に記録された情報の再生は、次のようにして行うことができる。すなわち、上記のようにして情報が記録された光情報記録媒体に再生レーザ光を照射し、フタロシアニン化合物のスペクトルが記録により変化した波長域内における反射率の差による再生信号を得ることによって、記録された情報を再生することができる。この再生方法により高コントラストの再生信号を得ることができる。
【0057】
また、本発明の光情報記録媒体に記録された情報の消去は、情報が記録された光情報記録媒体に熱エネルギーを与え記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態を未記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態とすることによって、フタロシアニン化合物のスペクトルを未記録状態のスペクトルに戻すことにより、行うことができる。
【0058】
本発明の光情報記録媒体への情報の記録は高分子化合物とフタロシアニン化合物との相互作用を変化させることにより行うため、高分子化合物−フタロシアニン化合物間相互作用(勿論フタロシアニン化合物−フタロシアニン化合物間相互作用も高分子化合物−高分子化合物間相互作用も変化する)を適当に制御することにより、本発明の光情報記録媒体を追記型の光情報記録媒体としても、また書き換え型の光情報記録媒体としても適用可能である。
【0059】
【作用】
有機色素を記録層に用いた光情報記録媒体などにおける記録層の反射率に関しては、記録層の複素屈折率を知ることである程度の理論解析が可能である。
記録層材料の分解(nの変化と仮定)と記録層材料の凝集状態の変化(kの変化)をそれぞれ記録メカニズムとしたときの、記録コントラスト(変調度)を計算すると図1〜図9のようになる。
【0060】
図1は、記録/再生波長を780nm、記録層膜厚を130nmとし、複素屈折率の虚部kを0.05で記録前後で不変と仮定したときの、記録層の未記録状態の複素屈折率の実部noと記録による複素屈折率の実部noの変化(記録により未記録状態の複素屈折率の実部noがnoからn=no×xと変化する。縦軸はこの記録後の、未記録状態の複素屈折率の実部noにかかる係数xである)により記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果である。
但し、記録コントラストは
{[(未記録時の反射率)−(記録後の反射率)]/[未記録時の反射率]}×100で定義した。
また、反射率の計算に用いた層構成は、基板/記録層/金反射層で、基板の屈折率を1.55、厚さを0.6mm、金反射層の厚さを200nmとした。
【0061】
図2は記録層膜厚を65nmとした以外は図1の場合と同一条件で、また図3は記録層膜厚を30nmとした以外は図1の場合と同一条件で、記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果である。
【0062】
図4は、記録/再生波長を780nm、記録層膜厚を130nmとし、複素屈折率の実部nを2.5で記録前後で不変と仮定したときの、記録層の未記録時の複素屈折率の虚部koと記録による複素屈折率の虚部koの変化(記録により未記録の複素屈折率の虚部koがkoからk=ko×xと変化する。縦軸はこの記録後の、未記録時複素屈折率の虚部koにかかる係数xである)により記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果である。
但し、記録コントラストは
{[(未記録時の反射率)−(記録後の反射率)]/[未記録時の反射率]}×100で定義した。
また、反射率の計算に用いた層構成は、基板/記録層/反射層で、基板の屈折率を1.55、厚さを0.6mm、反射層の厚さを200nmとした。
【0063】
図5は記録層膜厚を65nmとした以外は図4の場合と同一条件で、また図6は記録層膜厚を30nmとした以外は図4の場合と同一条件で、記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果である。
図7、図8、図9は、それぞれ図4、図5、図6の横軸のスケールを変更したものである。
図1〜図9から、nの変化では記録コントラストが上がりにくく、記録の極性が単一でないが、kの変化では記録コントラストが大きく、しかも記録の極性が単一となることがわかる。
また、記録層材料の相変化、すなわち色素と高分子とが相溶した状態と色素と高分子とが相分離した状態との間の変化により記録する場合は、記録部の不均一性により散乱が起こるため記録コントラストは非常に高くなる。
【0064】
以上のように記録メカニズムを、記録層材料の凝集状態の変化(記録層中色素のkの変化)、すなわち色素と高分子とが明らかな相分離を起こすことなく色素と高分子との相互作用が変わり、それによって色素−色素間の相互作用が変わることによって生じるkの変化、あるいは記録層材料の相変化とすることにより、高コントラストの記録を行うことができる(従来のCD系と同極性のHigh to Lowの記録を行うことができる)ことがわかる。
【0065】
また、記録メカニズムを記録層材料の相変化、あるいは記録層中色素のkの変化とすることで、記録層膜厚の制限が緩和される。なぜなら、記録層膜厚の制限(ある程度以上の膜厚が必要という制限)は記録するための熱吸収エネルギーが色素を分解、あるいは基板を変形させることができるだけのエネルギーを発生させる必要性からくるものであるが、記録メカニズムを記録層材料の相変化、あるいは記録層中色素のkの変化を起こさせるのに必要なエネルギーは前者に比べて十分小さいためである。
【0066】
図10は複素屈折率の実部nと複素屈折率の虚部kの組み合わせによる未記録状態における反射率を計算したものである。但し、記録/再生波長は780nm、記録層膜厚は130nmである。また、反射率の計算に用いた層構成は、基板/記録層/反射層で、基板の屈折率を1.55、厚さを0.6mm、反射層の厚さを200nmとした。また、図11は記録層膜厚を65nmとした以外は図10の場合と同一条件で、また図12は記録層膜厚を30nmとした以外は図10の場合と同一条件で、未記録状態における反射率を計算した結果である。
図10〜図12によれば、記録層の複素屈折率の実部nが小さくても記録層を薄膜化することによって未記録状態における反射率を高くすることができることを示している。
【0067】
前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする本発明の樹脂組成物は、それを光情報記録媒体の記録層材料として用いた場合に、記録層材料の相変化、あるいは記録層中の色素のkの変化をおこさせることにより情報の記録を行うことができる。
【0068】
すなわち、前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物からなる記録層に、情報に従ってレーザ光を照射して加熱することによって、記録層の加熱部分におけるフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ、主として記録層中のフタロシアニン化合物分子のスペクトル変化、すなわち記録/再生波長におけるフタロシアニン化合物の複素屈折率の虚部kの変化として情報の記録を行うことができるため、記録コントラストの高い情報の記録を行うことができる。
【0069】
また、前記一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする樹脂組成物からなる記録層を薄膜化することによって未記録状態における高反射率を有する光情報記録媒体を得ることができる。
また、上記記録方法によれば、フタロシアニン化合物と高分子化合物とを主成分とする混合材料を用いており、記録層自身に高屈折率が要求されないため、波長依存性を少なくすることができる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1
フタロシアニン化合物SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2とSiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2をポリ(t−ブチルスチレン)と混合し、ポリ(t−ブチルスチレン)とフタロシアニン化合物の組成比(モル比)を変えたときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化、およびそれぞれの混合物を100℃と150℃に加熱したときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化を調べた。その結果を図13及び図14に示す。
【0071】
図13の(a)は、SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2とポリ(t−ブチルスチレン)とを混合し、ポリ(t−ブチルスチレン)とフタロシアニン化合物の組成比を変えたときの初期状態(未加熱状態)のフタロシアニン化合物の最大吸収波長(■で表示)、およびそれぞれの混合物を100℃に加熱したときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長(▲で表示)を示している。
図13の(b)は、(a)における加熱を150℃にしたときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長(▽で表示)を示している。
【0072】
図14の(c)は、SiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2とポリ(t−ブチルスチレン)とを混合し、ポリ(t−ブチルスチレン)とフタロシアニン化合物の組成比を変えたときの初期状態(未加熱状態)のフタロシアニン化合物の最大吸収波長(■で表示)、およびそれぞれの混合物を100℃に加熱したときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長(▲で表示)を示している。
図14の(d)は、(c)における加熱を150℃にしたときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長(▽で表示)を示している。
【0073】
図13及び図14によれば、初期状態(未加熱状態)におけるポリ(t−ブチルスチレン)とフタロシアニン化合物との組成比に対する最大吸収波長の変化や加熱による最大吸収波長の変化の大きさから、明らかにSiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2の方が、SiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2よりもポリ(t−ブチルスチレン)と相互作用しやすいことを示している。
【0074】
SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2を用いた場合には加熱によってフタロシアニン化合物−高分子化合物間の相互作用変化(フタロシアニン化合物間の相互作用も変化する)に基づく、フタロシアニン化合物の凝集状態の変化が明確に生じているのに対し、SiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2を用いた場合にはその変化が明確でない。
すなわち、図13によれば、ポリ(t−ブチルスチレン)とフタロシアニン化合物の組成比が1と10との中間付近では未加熱状態における最大吸収波長が約685nmであったものが、100℃加熱時には約697nmにシフトし、更に150℃加熱したときには約685nmに変化するが、図14ではこの様な関係はみられない。
【0075】
さらに、SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2のように大きなアルキル置換基を有していてもフタロシアニン化合物間の相互作用は十分存在し、外部エネルギーによりフタロシアニン化合物間の相互作用を制御できることがわかった。
【0076】
上記の結果から、SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2を用いた場合にはフタロシアニン化合物間の相互作用を失わせることなく、フタロシアニン化合物と高分子化合物との間の相互作用を高めることができ、フタロシアニン化合物と高分子化合物とが相溶した状態(均一に混ざった状態)の均一な薄膜を形成することができると共に、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトルを、薄膜の均一性を損なうことなく変化させることができることがわかった。
【0077】
実施例2
フタロシアニン化合物SiPc[-OSi(C6H13)3]2とSiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2をポリビニルシンナメートにそれぞれ混合し、ポリビニルシンナメートとフタロシアニン化合物の組成比(モル比)を変化させた時のフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化を調べた。その結果を図15の(a)に示す(SiPc[-OSi(C6H13)3]2の最大吸収波長を■で、SiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2の最大吸収波長を◇で表示)。
【0078】
また、フタロシアニン化合物SiPc[-OSi(C6H13)3]2とSiPc[-OSi(CH3)2C6H133]2をポリビニルシンナメートにそれぞれ混合し、ポリビニルシンナメートとフタロシアニン化合物の組成比(モル比)を変化させた時の加熱による最大吸収波長の吸光度(初期の最大吸収波長における吸光度に対する150℃で10分加熱した時の最大吸収波長における吸光度の比)の変化を調べた。その結果を図15の(b)に示す(SiPc[-OSi(C6H13)3]2の吸光度を■で、SiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2の吸光度を◇で表示)。
【0079】
この結果から、SiPc[-OSi(C6H13)3]2はSiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2に比べて、ポリビニルシンナメートとの相互作用が非常に弱いことがわかる。
SiPc[-OSi(C6H13)3]2を用いた場合には、ポリビニルシンナメートの割合が増加しても、フタロシアニン化合物の分散化がほとんど生じず、逆にフタロシアニン化合物間の相互作用が強まる傾向にさえある。
また、加熱による吸光度の低下もフタロシアニン化合物と高分子化合物との間の相互作用の弱さを示すもので、SiPc[-OSi(C6H13)3]2を用いた場合には、SiPc[-OSi(CH3)2C6H13]2を用いた場合よりも吸光度の低下が大きい。
【0080】
すなわち、一般式(1)で示されるフタロシアニン化合物におけるR1〜R3あるいはR4〜R6の3つのアルキル基が非対称アルキル基の場合には、対称アルキル基の場合に比べフタロシアニン化合物間の相互作用を十分に確保するとともに、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用をより高めることができ、
フタロシアニン化合物と高分子化合物とが相溶した状態(均一に混ざった状態)の均一な薄膜を形成することができると共に、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトルを、薄膜の均一性を損なうことなく変化させることができる。
【0081】
実施例3
SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2と下記(a)〜(g)の高分子化合物とをほぼ1:5(モル比、但し高分子化合物は基本繰り返し単位を1モルとした)でトルエンに混合溶解させ、スピンコート法によりガラス基板上に塗布し乾燥させて薄膜を得た。
(a)ポリメチルメタクリレート(前記一般式(3)においてR=CH3)
(b)ポリエチルメタクリレート(同、R=C2H5)
(c)ポリイソプロピルメタクリレート(同、R=i−C3H7)
(d)ポリイソブチルメタクリレート(同、R=i−C4H9)
(e)ポリ−t−ブチルメタクリレート(同、R=t−C4H9)
(f)ポリブチルメタクリレート(同、R=C4H9)
(g)ポリシクロヘキシルメタクリレート(同、R=c−C6H11)
【0082】
これら薄膜の成膜直後と、80℃で10分加熱した後と、150℃で10分加熱した後の吸光スペクトルを測定した。その結果を図16、図17及び図18に示す。図16の(a)、(b)、(c)、図17の(d)、(e)、(f)及び図18の(g)はそれぞれ上記高分子化合物(a)〜(g)のそれぞれを用いた場合の吸光スペクトルであり、図18の(h)はSiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2単独の場合の吸光スペクトルである。
【0083】
SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2単独のスペクトルの吸収ピークは約700nmにあり、これはフタロシアニン化合物間の相互作用によるフタロシアニン化合物の凝集状態(フタロシアニン化合物−高分子化合物相互作用のない状態)のスペクトルであり、図16の(a)、(b)、(c)、図17の(d)、(e)、(f)及び図18の(g)は、このフタロシアニン化合物単独状態のスペクトルが高分子化合物の添加、および加熱によって変化する様子を示している。
図16の(a)、(b)、(c)、図17の(d)、(e)、(f)及び図18の(g)の結果から、前記一般式(3)においてRが炭素数3以上の分岐を有していてもよいアルキル基でないと、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用が弱いことがわかる。
【0084】
すなわち、ポリメチルメタクリレートの場合は、高温加熱によってもフタロシアニン化合物の分散状態(フタロシアニン化合物間相互作用よりもフタロシアニン化合物−高分子化合物間相互作用の方が大きい状態)が形成されにくくなっている(吸光度の低下を伴っている)。また、ポリエチルメタクリレートの場合も同様で、高温加熱による吸光度の低下が生じ、色素の分散状態が形成されずらいことを示している。
【0085】
一方、前記一般式(3)においてRが炭素数3以上の分岐を有していてもよいアルキル基である場合は、フタロシアニン化合物の溶液状態の吸収ピーク波長の680nm付近に吸光スペクトルの大幅な減少を伴うことなく、安定してフタロシアニン化合物の分散状態が形成されていることを示している。
【0086】
この結果から、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ(フタロシアニン化合物間の相互作用も変化する)、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化により記録コントラストの高い情報の記録を行うには、前記一般式(3)においてRが炭素数3以上の分岐を有していてもよいアルキル基である高分子化合物を用いることが好ましい。
【0087】
実施例4
SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2と下記(a)〜(f)の高分子化合物とをほぼ1:5.7(モル比、但し高分子化合物は基本繰り返し単位を1モルとした)でトルエンに混合溶解させ、スピンコート法によりガラス基板上に塗布し乾燥させて薄膜を得た。
(a)ポリ(4−ブロモスチレン)(前記一般式(2)においてZ3=Br、残りは全てH)
(b)ポリ(4−メチルスチレン)(同、Z3=CH3、残りは全てH)
(c)ポリ(α−メチルスチレン)(同、Z6=CH3、残りは全てH)
(d)ポリスチレン(高分子量のもの)(同、Z1〜Z6の全てがH)
(e)ポリスチレン(低分子量のもの)(同、Z1〜Z6の全てがH)
(f)ポリ(t−ブチルスチレン)(同、Z3=t−C4H9、残りは全てH)
【0088】
これら薄膜の成膜直後と、100℃で10分加熱した後と、150℃で10分加熱した後の吸光スペクトルを測定した。その結果を図19及び図20に示す。図19の(a)、(b)、(c)及び図20の(d)、(e)、(f)はそれぞれ上記高分子化合物(a)〜(f)のそれぞれを用いた場合の吸光スペクトルである。
この結果によれば、前記一般式(2)においてZ1〜Z6のうち少なくとも一つが炭素数1以上の分岐を有してもよいアルキル基である高分子化合物が好ましく、特にZ1〜Z6のうち少なくとも一つが炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基である高分子化合物が好ましいことを示している。
【0089】
すなわち、ポリスチレンの場合は、高温加熱によってフタロシアニン化合物の分散状態(フタロシアニン化合物間相互作用よりもフタロシアニン化合物−高分子化合物間相互作用の方が大きい状態)が形成されにくくなっている(吸光度の低下を伴っている、あるいは分散状態が形成されても安定性が悪い)。
また、ポリ(4−ブロモスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)の場合も同様で、高温加熱によってフタロシアニン化合物の分散状態が形成されても、その安定性に問題がある。
【0090】
一方、ポリ(t−ブチルスチレン)を用いた場合は、成膜直後から680nm付近にフタロシアニン化合物の分散状態を示すスペクトルが認められ、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用が十分大きいことがわかる。
この結果から、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ(フタロシアニン化合物間の相互作用も変化する)、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化により記録コントラストの高い情報の記録を行うには、前記一般式(2)においてZ1〜Z6のうち少なくとも一つが炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキル基である高分子化合物を用いることが好ましい。
【0091】
実施例5
SiPc[-OSi(CH3)2C12H25]2をポリ(t−ブチルスチレン)と混合した場合と、ポリメチルメタクリレートと混合した場合とについて、ポリ(t−ブチルスチレン)とフタロシアニン化合物の組成比(モル比)を変えたときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化と、ポリメチルメタクリレートとフタロシアニン化合物の組成比(モル比)を変えたときのフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化とを比較した。その結果を図21(ポリ(t−ブチルスチレン)と混合した場合を◇で、ポリメチルメタクリレートと混合した場合を■で表示)に示す。
【0092】
フタロシアニン化合物のスペクトルの最大吸収波長はフタロシアニン化合物の凝集状態を反映するものであり、図21より、ポリ(t−ブチルスチレン)との混合では、フタロシアニン化合物に対する高分子化合物の割合が高くなると、フタロシアニン化合物と高分子化合物の相互作用が高まりフタロシアニン化合物が分散化されている(ある組成比で急激に色素の最大吸収波長が短波長に移動する)が、ポリメチルメタクリレートでは組成比によるフタロシアニン化合物の最大吸収波長にほとんど変化がなく、高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用がほとんどないことがわかる。
【0093】
この結果から、フタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ(フタロシアニン化合物間の相互作用も変化する)、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化により記録コントラストの高い情報の記録を行うには、高分子化合物としてポリ(t−ブチルスチレン)を用いることが好ましいことがわかる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、フタロシアニン化合物間の相互作用を失わせることなく、フタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を高めた樹脂組成物を得ることができる。これにより、均一な薄膜を形成し、加熱によってフタロシアニン化合物−高分子化合物間の相互作用変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトルを、膜の均一性を損なうことなく変化させることができる。
【0095】
また、本発明によれば、上記樹脂組成物を記録層とすることにより、未記録状態ではフタロシアニン化合物と高分子化合物とが相溶した状態(均一に混ざった状態)の均一な薄膜で高反射率の記録層が得られると共に、加熱によってフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を薄膜の均一性を損なうことなく変化させ、その相互作用の変化に基づくフタロシアニン化合物のスペクトル変化により記録コントラストの高い記録を行うことができる光情報記録媒体を得ることができる。
【0096】
また、本発明によれば、主として記録層中のフタロシアニン化合物分子のスペクトル変化、すなわち記録/再生波長におけるフタロシアニン化合物の複素屈折率の虚部kの変化として記録を行うため、記録コントラストの高い情報の記録/再生を行うことができ、また記録層に高屈折率が要求されないため、波長依存性の少ない記録/再生を行うことができ、さらに情報が記録された光情報記録媒体に熱エネルギーを与え記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態を未記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態とすることによって、フタロシアニン化合物のスペクトルを未記録状態のスペクトルに戻すことにより、記録された情報を消去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録/再生波長を780nm、記録層膜厚を130nmとし、複素屈折率の虚部kを0.05で記録前後で不変と仮定したときの、記録層の未記録状態の複素屈折率の実部noと記録による複素屈折率の実部noの変化により記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果を示す図である。
【図2】記録層膜厚を65nmとした以外は図1の場合と同一条件で、記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果を示す図である。
【図3】記録層膜厚を30nmとした以外は図1の場合と同一条件で、記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果を示す図である。
【図4】記録/再生波長を780nm、記録層膜厚を130nmとし、複素屈折率の実部nを2.5で記録前後で不変と仮定したときの、記録層の未記録時の複素屈折率の虚部koと記録による複素屈折率の虚部koの変化により記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果を示す図である。
【図5】記録層膜厚を65nmとした以外は図4の場合と同一条件で、記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果を示す図である。
【図6】記録層膜厚を30nmとした以外は図4の場合と同一条件で、記録コントラストがどの程度とれるかを計算した結果を示す図である。
【図7】図4の横軸のスケールを変更した図である。
【図8】図5の横軸のスケールを変更した図である。
【図9】図6の横軸のスケールを変更した図である。
【図10】複素屈折率の実部nと複素屈折率の虚部kの組み合わせによる未記録状態における反射率を計算した結果を示す図である。但し、記録/再生波長は780nm、記録層膜厚は130nmである。
【図11】記録層膜厚を65nmとした以外は図10の場合と同一条件で、未記録状態における反射率を計算した結果を示す図である。
【図12】記録層膜厚を30nmとした以外は図10の場合と同一条件で、未記録状態における反射率を計算した結果を示す図である。
【図13】実施例1におけるフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化を示す図である。
【図14】実施例1におけるフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化を示す図である。
【図15】実施例2におけるフタロシアニン化合物の吸光度の変化を示す図である。
【図16】実施例3におけるフタロシアニン化合物の吸光スペクトルを示す図である。
【図17】実施例3におけるフタロシアニン化合物の吸光スペクトルを示す図である。
【図18】実施例3におけるフタロシアニン化合物の吸光スペクトルを示す図である。
【図19】実施例4におけるフタロシアニン化合物の吸光スペクトルを示す図である。
【図20】実施例4におけるフタロシアニン化合物の吸光スペクトルを示す図である。
【図21】実施例5におけるフタロシアニン化合物の最大吸収波長の変化を示す図である。
Claims (9)
- 下記一般式(1)においてR1〜R6のうち少なくとも1つが分岐を有してもよいアルキル基であり且つ分岐部を除く主要アルキル鎖の炭素数が8以上の直鎖アルキル基であるフタロシアニン化合物と、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で示される高分子化合物のいずれか一方とを主成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
- 一般式(1)におけるR1〜R6の全てが分岐を有してもよいアルキル基であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 一般式(1)における少なくともR1〜R3あるいはR4〜R6のどちらか一方の3つのアルキル基が同一でない(R1=R2=R3でない、及び/またはR4=R5=R6でない)ことを特徴とする請求項2記載の樹脂組成物。
- 一般式(1)におけるR1がC8H17以上のアルキル基であり、R2及びR3がC3H7以下のアルキル基であることを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物。
- 一般式(1)におけるR4がC8H17以上のアルキル基であり、R5及びR6がC3H7以下のアルキル基であることを特徴とする請求項3または4記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物からなる記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
- 請求項6記載の光情報記録媒体に情報を記録する光情報記録媒体の情報記録方法において、記録層にレーザ光を照射することによりフタロシアニン化合物と高分子化合物との相互作用を変化させ、その相互作用の変化によるフタロシアニン化合物のスペクトル変化を利用して情報の記録を行うことを特徴とする光情報記録媒体の情報記録方法。
- 請求項6記載の光情報記録媒体に記録された情報を再生する光情報記録媒体の情報再生方法において、請求項7記載の方法により情報が記録された光情報記録媒体に再生レーザ光を照射し、フタロシアニン化合物のスペクトルが記録により変化した波長域内における反射率の差により情報を再生することを特徴とする光情報記録媒体の情報再生方法。
- 請求項6記載の光情報記録媒体に記録された情報を消去する光情報記録媒体の情報消去方法において、請求項7記載の方法により情報が記録された光情報記録媒体に熱エネルギーを与え記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態を未記録状態の高分子化合物とフタロシアニン化合物の相互作用状態とすることにより、フタロシアニン化合物のスペクトルを未記録状態のスペクトルに戻すことを特徴とする光情報記録媒体の情報消去方法。
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