JPH1044610A - 光情報記録媒体および情報の記録・再生・消去方法 - Google Patents

光情報記録媒体および情報の記録・再生・消去方法

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JPH1044610A
JPH1044610A JP8219340A JP21934096A JPH1044610A JP H1044610 A JPH1044610 A JP H1044610A JP 8219340 A JP8219340 A JP 8219340A JP 21934096 A JP21934096 A JP 21934096A JP H1044610 A JPH1044610 A JP H1044610A
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JP8219340A
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English (en)
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Noboru Sasa
登 笹
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
Yasunobu Ueno
泰伸 植野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機系材料を記録層に用い、記録コントラス
トが大きく、且つ消去比が高く、高感度であり、更に所
謂High to Low型の記録である通常の光ディ
スクと同一極性でも記録を行うことができ、CDファミ
リー系の光情報記録媒体と互換性を有する書き換え型の
光情報記録媒体、および情報の記録・再生・消去方法を
提供する。 【解決手段】 基板上に色素分子の凝集状態によって異
なる吸光スペクトルを示す記録層を有する光情報記録媒
体において、記録層に下記一般式(1)で表される色素
分子を含有させる。光や熱などの外部エネルギーの付与
による吸光スペクトルの変化によって情報を記録し、或
いは消去し、スペクトル変化による吸光度の差に基づく
透過光量あるいは反射光量の差により再生信号を得る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光や熱などの外部
エネルギーの付与条件により色素分子の凝集状態が変化
し、それに伴い吸光スペクトルが変化する記録層を有す
る光情報記録媒体、および光情報記録媒体への情報の記
録方法、情報の再生方法、および情報の消去方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え型の光情報記録媒体は、
一般に無機系材料が記録層に用いられ、例えば、TeF
eCo等の合金を用いカー効果を利用する光磁気記録媒
体、カルコゲナイド薄膜により相変化を利用する相変化
型光記録媒体などが知られている。これら無機系材料は
有害物質を多く含んでおり、また、その成膜方法が蒸着
やスパッタリングなどに限定されるためコスト高になる
という難点を有している。これらのことから、有機系材
料を記録層に用いた光情報記録媒体が注目されるように
なってきている。
【0003】有機系材料を用いた書き換え型の光情報記
録媒体としては、スピロピラン等のフォトクロミック化
合物を用いたもの(特開昭59−227972号公報
等)、液晶高分子と色素との混合物を用いたもの(特開
平2−136289号公報等)、配位原子を含む基を有
する第一の高分子化合物、第一の高分子化合物と相互作
用できる色素および低融点をもつ第二の高分子化合物を
用いたもの(特開平4−339865号公報等)などが
提案されている。しかしながら、スピロピラン等のフォ
トクロミック化合物は、記録状態の安定性や記録・消去
の繰り返し性が良くなく、また、読みだし破壊等の問題
があり、未だ実用段階に至っていない。液晶高分子と色
素との混合物からなる記録層は、加熱−冷却条件の相違
により異なった光学的性質を示すものであり、その可逆
変化のメカニズムは、液晶高分子の側鎖の配列状態が変
化することで液晶高分子と色素間の相互作用が変化し、
結果として記録層の光学的特性を可逆的に変化させるも
のであり、また、配位原子を含む基を有する第一の高分
子化合物、第一の高分子化合物と相互作用できる色素お
よび低融点をもつ第二の高分子化合物を含有してなる記
録層は、相対的に高温に加熱された場合と相対的に低温
に加熱された場合で吸光スペクトルが変化することを利
用するものであるが、これらは記録コントラスト、消去
比、或いは感度などで実用的には未だ十分でなく、新規
な材料の開発が必要とされている。
【0004】また、特開昭63−199684号公報に
は、マグネシウムフタロンアニンをポリマーマトリック
ス中に分散させた記録層を用い、色素単量体状態と会合
体状態との変化を利用した追記型、および書き換え型光
情報記録媒体が開示されているが、具体的なマグネシウ
ムフタロシアニン、及びポリマーの構造、効果が開示さ
れておらず、可逆性を生じさせるためには、クロロホル
ム等のハロゲン系溶媒で処理する必要があり、書き換え
型光情報記録媒体としては実用的でない。特開昭63−
201926号公報には、マグネシウムフタロンアニン
結晶相を用いた追記型、および書き換え型光情報記録媒
体が提案されているが、色素膜の製造方法が真空蒸着法
を用い、更にその後溶媒中で浸漬し、乾燥させるといっ
た作業が必要となり、生産性に問題を有しており、また
可逆性を生じさせるためには、クロロホルム等のハロゲ
ン系溶媒で処理する必要があり、書き換え型光情報記録
媒体としては実用的でない。また記録膜のスペクトルが
非常にブロードであり、高密度化のため利用される短波
長用の光源、例えば現状で有望な630〜690nmの
半導体レーザには適していない。
【0005】特開平3−124488号公報、及び特開
平3−124490号公報には、色素と樹脂からなる膨
張層と保持層を有する書き換え型光情報記録媒体が開示
されているが、色素は単なる光吸収材として利用されて
おり、記録はバンプを形成することにより行われるた
め、ジッタが悪くなる恐れがあり、記録層の上に反射層
を設けた反射型の光情報記録媒体、すなわちCD互換タ
イプの光情報記録媒体としては不向きである。更には、
記録と消去とで異なる波長のレーザが必要であること、
製造法等の問題によりコスト高になることが懸念され
る。特開平3−124491号公報には、ナフタロシア
ニンに重合性基を導入することにより、色素自体、ある
いは樹脂中に化学的に固定した書き換え可能な光情報記
録媒体が開示されているが、色素は光吸収材として用い
られ、記録はバンプ形成等により行われるため上記と同
様な難点がある。
【0006】さらに、特開平6−223374号公報に
は、光照射によって会合状態が生じる色素材料を含有す
る記録膜を用いることにより、また特開平6−2514
17号公報には、フタロシアニンポリマーを用いること
により、光学特性の変化、すなわち再生レーザー光波長
域の光透過率の変化を利用して高感度で高密度の記録を
行うことが開示されているが、書き換え型の光情報記録
媒体としての記載はなく、また記録モ−ドは光照射を受
けた部分の反射率が大きくなる、所謂Lowto Hi
gh型の記録であり通常の光ディスクとは記録極性が逆
となっている。また、特開平6−251418号公報に
は、特定のフタロシアニンと融点が140℃〜250℃
の範囲にある有機化合物とからなる記録膜により、光透
過率の変化を利用して記録および消去を行うことが開示
されており、再生レーザー光に対する反射レベルが未記
録状態の42%から記録状態の56%に変化することが
示されているが、記録コントラストや反射率としては実
用的には未だ充分ではない。また、この場合もLow
to High型の記録であり通常の光ディスクとは記
録極性が逆となっている。このように、光透過率の変化
を利用した光情報記録媒体はほとんど全てがLow t
o High型の記録であり、未記録状態で60〜70
%以上の反射率が必要なCDファミリー系の光情報記録
媒体として用いることは困難である。
【0007】また、大容量、高速化の要求から、情報の
書き換えと共に、情報の保存やバックアップを目的とし
た追記型の光情報記録媒体も必要である。このような追
記型の光情報記録媒体としては、現在CD−Rが存在す
るが、現状の記録方法が色素分子の分解や基板の変形に
よるものであるため、さらなる高密度化、高速転送レー
ト化を達成することは非常に困難な状況にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、有機系材料を記録層に用
い、記録コントラストが大きく、且つ消去比が高く、高
感度であり、更に所謂High to Low型の記録で
ある通常の光ディスクと同一極性でも記録を行うことが
でき、CDファミリー系の光情報記録媒体と互換性を有
する書き換え型の光情報記録媒体を提供することにあ
る。
【0009】また、本発明の課題は、追記型の光情報記
録媒体、特に動画再生などの高速転送レートが必要なア
プリケ−ションや高密度化によるジッタ低減などの信号
特性改善にも対応可能な形状変化を伴わない記録部を形
成できる高感度な追記型の光情報記録媒体を提供するこ
とにある。
【0010】更に、本発明の課題は、上記書き換え型の
光情報記録媒体を用いた情報の記録、再生および消去方
法、あるいは上記追記型の光情報記録媒体を用いた情報
の記録および再生方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、基
板上に色素分子の凝集状態によって異なる吸光スペクト
ルを示す記録層を有する光情報記録媒体において、記録
層が下記一般式(1)で表される色素分子を含むことを
特徴とする光情報記録媒体によって達成される。
【0012】
【化8】
【0013】(式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有して
もよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオ
キシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基
を有してもよいアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、
スルホン酸基、スルホン酸アミド基またはスルホン酸エ
ステル基を表し、a、b、c、dは置換基X1〜X4の置
換数で0〜4の整数を表す。nは16以下の整数を表
す。)
【0014】本発明の光情報記録媒体によれば、熱、光
などの外部エネルギーを付与し、記録層における一般式
(1)で表される色素分子の凝集状態を変化させること
により、吸光スペクトルを変化させ、大きなスペクトル
シフトを生じさせることができ、これにより記録部を形
成することができる。また、一般式(1)で表される色
素分子の凝集状態の変化による吸光スペクトルを変化
は、一般式(1)で表される色素分子においてnが特に
6または7のときは良好な可逆性を有しており、書き換
え型光情報記録媒体として優れた特性を示し、また一般
式(1)で表される色素分子においてnが5以下のとき
は不可逆性を示すようになり追記型光情報記録媒体とし
て優れた特性を示す。
【0015】すなわち、本発明の光情報記録媒体によれ
ば、吸光スペクトルの変化を未記録・消去状態および記
録状態として利用することにより、記録コントラストが
大きく、かつ消去比が高く、更に所謂High to L
ow型の記録である通常の光ディスクと同一極性でも記
録を行うことができ、CD、CD−R等のCDファミリ
ー系の光情報記録媒体と互換性を有する書き換え型の光
情報記録媒体を得ることができる。上記の吸光スペクト
ルの変化は色素分子の凝集状態の変化によるものであ
り、記録層の形状変化を伴わないため、高感度化を図る
ことができる。
【0016】また、一般式(1)におけるnが5以下の
色素分子を用いることにより、上記の吸光スペクトルの
変化を不可逆変化とすることができ、高感度で形状変化
を伴わない記録部の形成が可能な追記型の光情報記録媒
体を得ることができる。
【0017】本発明の光情報記録媒体においては、記録
層の成膜性や膜均一性の向上、情報の記録・再生・消去
特性の改善などのため、必要に応じて記録層に一般式
(1)で表される色素分子と共に高分子化合物を含有さ
せることができる。このような高分子化合物としては、
熱可塑性高分子化合物、特にアルキル基を含む置換基を
側鎖に導入した熱可塑性高分子化合物が好ましい。
【0018】熱可塑性高分子化合物としては、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルエステル系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リエーテルスルホン樹脂などを挙げることができる。ア
ルキル基を含む置換基を側鎖に導入した熱可塑性高分子
化合物としては、例えばポリメタクリル酸エステル、ポ
リスチレン誘導体などが好ましく、特に下記一般式
(2)または(3)で示されるポリメタクリル酸エステ
ルまたはポリスチレン誘導体が好ましい。
【0019】
【化9】
【0020】(式中、Rは炭素数3以上の分岐を有して
もよいアルキル基を表す。)
【0021】
【化10】
【0022】(式中、Z1〜Z5は水素原子または炭素数
3以上の分岐を有してもよいアルキル基を表し、Z1
5のうち少なくとも一つは炭素数3以上の分岐を有し
てもよいアルキル基である。Z6は水素原子または炭素
数1以上の分岐を有してもよいアルキル基を表す。)
【0023】色素分子の凝集状態を変化させるために
は、高分子化合物同士の相互作用が強くないこと、及び
高分子化合物と色素分子との相互作用を高めることが必
要である。このような点から、上記の様な高分子化合物
が好ましく、この高分子化合物の側鎖のかさ高さ、立体
障害を利用することにより、高分子化合物同士の相互作
用を低下させることができ、また高分子化合物の側鎖と
色素分子の置換基とに相互作用をもたせ色素分子の凝集
状態を変化させることができる。
【0024】上記の高分子化合物は、光や熱などの外部
エネルギーにより、いわば受動的に相互作用変化をもた
らす高分子化合物であるが、他にも外部エネルギーによ
り高分子が自ら変化を起こす能動型の高分子化合物も用
いることができる。この能動型の高分子化合物は、光や
熱などの外部エネルギーにより電子的または構造的変化
を可逆的に生ずる高分子化合物であり、この可逆的な電
子的または構造的変化を利用して色素分子の凝集状態を
可逆的に変化させることができる。このような高分子化
合物としては、例えばフォトクロミズムやサーモクロミ
ズムを示す高分子化合物を挙げることができる。
【0025】具体的には、例えば、主鎖または側鎖に、
O、N、S、P、As、Se等の配位原子を含んだ配位
基をもつ高分子化合物、あるいは外部エネルギーに対し
て分子鎖の形態が変化するような高分子化合物などを挙
げることができる。更に、このような高分子化合物の具
体例としては、下記一般式(4)で示される高分子化合
物を挙げることができる。
【0026】
【化11】
【0027】(式中、R11、R12は水素原子、または置
換基を有してもよいアルキル基を表す。ただし、R11
12が同時に水素となることはない。XはS、O、Se
またはNR13を表し、R13は水素原子、アルキル基、ま
たはアリール基を表す。) これらのうち、Xが硫黄原子であるポリチオフェン誘導
体が好ましく、特にR11、R12のうちの1つが水素原子
であり、他方がアルキル基であるポリ(3−アルキルチ
オフェン)が好ましい。更に、このポリ(3−アルキル
チオフェン)のうちでも、有機溶媒への溶解性、高分子
化合物間の相互作用力、色素分子との相互作用力等の関
係から炭素数が6以上のアルキル基を有するものが好ま
しい。
【0028】また、外部エネルギーが光である場合、上
述した分子鎖の形態が変化する高分子化合物は、光誘起
により分子鎖の形態が変化する光応答性高分子化合物と
いうことができ、例えば、1)高分子化合物の主鎖また
は側鎖に含まれている光感応基間の相互作用を光異性化
により変化させるもの。2)高分子主鎖に含まれている
光感応基の構造を変化させるもの。3)光照射により高
分子鎖に沿って電荷を可逆的に発生させ、それらの静電
反発を利用するもの、などのタイプのものを挙げること
ができる。
【0029】次に本発明の光情報記録媒体の作製方法、
および光情報記録媒体に関する上記以外の付加的構成に
ついて説明する。本発明の光情報記録媒体は、基板上
に、必要により下引き層を介して、記録層を形成し、さ
らに必要に応じて反射層及び/又は保護層・基板表面ハ
ードコート層を形成することにより作製することができ
る。記録層には、光や熱などの外部エネルギーの付与効
率の向上、光エネルギー付与の際の波長整合性、レーザ
光吸収による発熱性向上、色素分子の凝集状態の変化促
進などのために、他の色素を添加してもよい。そのよう
な色素としては、例えばポリメチン色素、ナフタロシア
ニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、コロコ
ニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキ
ノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニ
ルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェ
ナンスレン系、トリフェノチアジン系などの染料、およ
び金属錯体化合物などが挙げられ、これらを単独で用い
てもよいし、2種以上の組合わせて用いてもよい。
【0030】また記録層中に金属や金属化合物、例えば
In、Te、Bi、Al、Be、TeO2、SnO、A
s、Cdなどを分散混合して、あるいはこれらを記録層
の上下に積層する形態で用いることもできる。さらに、
記録層中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコー
ン、液状ゴムなどの種々の材料、もしくはシランカップ
リング剤などを分散混合して用いてもよいし、あるいは
特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、分
散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤
などと一緒に用いることができる。
【0031】記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、
CVD、または溶剤塗布法などの通常の手段によって行
うことができる。塗布法を用いる場合には、色素分子お
よび必要により添加される高分子化合物あるいは上記補
助剤を有機溶媒に溶解させて、スプレー、ローラーコー
ティング、ディッピングあるいはスピンコーティングな
どの慣用のコーティング法によって、その溶液を基板上
あるいは下引き層上に塗布し乾燥させて記録層を形成す
ればよい。有機溶媒としては、一般にメタノール、エタ
ノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなとのケト
ン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド
などのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルな
どのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族
ハロゲン化炭素類、あるいは、ベンゼン、キシレン、モ
ノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、
メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセルソ
ルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサンなどの炭化水素類などを用いることがで
きる。記録層の膜厚としては、100Å〜10μmが好
ましく、特に200Å〜2000Åが好ましい。
【0032】光情報記録媒体に用いる基板材料として
は、例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、
ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチッ
ク、あるいはガラス、セラミック、金属などを挙げるこ
とができる。基板に必要な特性としては、基板側より記
録・再生を行う場合には使用レーザ光に対して透明でな
ければならず、記録層側から記録・再生を行う場合は透
明である必要はない。また、基板の表面にはトラッキン
グ用の案内溝や案内ピット、さらにアドレス信号などの
プレフォーマットが形成されていてもよい。
【0033】下引き層は、a)接着性の向上、b)水ま
たはガスなどのバリアー、c)記録層の保存安定性の向
上、d)反射率の向上、e)溶剤からの基板の保護、
f)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成な
どを目的として使用されるものであり、a)の目的に対
しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコ
ーン、液状ゴムなどの種々の高分子物質、およびシラン
カップリング剤などを用いることができ、b)および
c)の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合
物、例えばSiO2、MgF2、SiO、TiO2、Zn
O、TiN、SiNなど、或いは金属または半金属、例
えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、A
g、Alなどを用いることができる。またd)の目的に
対しては金属、例えばAl、Ag等や、金属光沢を有す
る有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等を
用いることができ、e)およびf)の目的に対しては紫
外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いる
ことができる。下引き層の膜厚としては、0.01〜3
0μmが好ましく、特に0.05〜10μmが好まし
い。
【0034】保護層または基板表面ハ−ドコート層は、
a)傷、ホコリ、汚れ等からの記録層の保護、b)記録
層の保存安定性の向上、c)反射率の向上などを目的と
して使用されるものであり、前記下引き層の材料として
示した材料を用いることができる。また無機材料とし
て、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材
料として、ポリメチルアクリレート、ポリカーボネー
ト、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、
ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族
炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエン樹脂、
クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性
油、ロジン等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性
樹脂なども用いることができる。上記材料のうち保護層
または基板表面ハードコート層に最も好ましい物質は、
生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層または基
板表面ハードコート層の膜厚としては、0.01〜30
μmが好ましく、特に0.05〜10μmが好ましい。
なお、下引き層、保護層または基板表面ハードコート層
には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有さ
せることができる。
【0035】反射層には単体で高反射率の得られる、腐
食されにくい金属、半金属等を用いることができ、材料
例としてはAu、Ag、Cu、Cr、Ni、Alなどが
挙げられ、特にAu、Alが好ましい。これらの金属、
半金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金として
使用してもよい。膜形成方法としては、蒸着、スパッタ
リングなどが挙げられ、膜厚としては50〜3000Å
が好ましく、特に100〜1000Åが好ましい。
【0036】次に、本発明の光情報記録媒体に情報を記
録する方法、記録した情報を再生する方法、記録した情
報を消去する方法について説明する。本発明の光情報記
録媒体への情報の記録は、基板上に下記一般式(1)で
表される色素分子を含む記録層を有する光情報記録媒体
に熱、光などの外部エネルギーを付与し、外部エネルギ
ー付与部の記録層における色素分子の凝集状態を変化さ
せて記録部を形成することにより、記録層における記録
部の吸光スペクトルを非記録部の吸光スペクトルに対し
て変化させることによって行うことができる。
【0037】
【化12】
【0038】(式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有して
もよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオ
キシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基
を有してもよいアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、
スルホン酸基、スルホン酸アミド基またはスルホン酸エ
ステル基を表し、a、b、c、dは置換基X1〜X4の置
換数で0〜4の整数を表す。nは16以下の整数を表
す。)
【0039】上記一般式(1)で表される色素分子にお
いて特にnが6または7の色素分子を用いたときは吸光
スペクトルの変化は良好な可逆性を示し、nが5以下の
色素分子を用いたときは不可逆性を示すが、光情報記録
媒体への情報の記録方法としては、同じ方法を用いるこ
とができる。この記録方法によれば、吸光スペクトルを
変化させ、大きなスペクトルシフトを生じさせることが
でき、記録コントラストの大きな記録を行うことができ
る。また、吸光スペクトルの変化は記録層の形状変化を
伴わないため、高感度化や高転送レート化を図ることが
できる。
【0040】本発明の光情報記録媒体に記録された情報
の再生は、上記の方法により情報が記録された光情報記
録媒体に再生レーザー光を照射し、記録層の記録部と非
記録部とにおける反射光量あるいは透過光量の差を読み
取ることにより行うことができる。この再生方法によれ
ば、記録部と非記録部とで再生レーザー光の反射光量あ
るいは透過光量が大きく変化するので、大きなコントラ
ストを有する再生信号を得ることができる。上記一般式
(1)で表される色素分子において、特にnが6または
7の色素分子を用いたときは吸光スペクトルの変化は良
好な可逆性を示し、nが5以下の色素分子を用いたとき
は不可逆性を示すが、光情報記録媒体の情報再生方法と
しては、同じ方法を用いることができる。
【0041】また、本発明の光情報記録媒体に記録され
た情報の消去は、上記の方法により情報が記録された書
き換え型の光情報記録媒体、すなわち上記一般式(1)
で表される色素分子においてnが6または7の色素分子
を含む記録層を有する光情報記録媒体に光や熱などの外
部エネルギーを付与し、記録層の記録部における色素分
子の凝集状態を非記録部における色素分子の凝集状態に
変化させ、記録層全体の吸光スペクトルを非記録部の吸
光スペクトルとすることにより記録された情報を消去す
ることによって、行うことができる。この情報の消去方
法によれば、記録状態と未記録・消去状態との変化が記
録層の形状変化などの物理的変化を伴わないため、変化
の可逆性を容易に発現させることができ、また、消去比
の大きな、繰返し特性の良好な消去を行うことができ
る。
【0042】
【作用】フタロシアニン化合物などの色素化合物を記録
層に用いた光情報記録媒体における未記録(消去)状態
と記録状態との可逆性は、例えば結晶状態、凝集状態、
構造、電子的状態等の変化により生ずるものであるが、
色素化合物単独では色素分子同士の相互作用による会合
あるいは凝集状態を形成することはできるが、色素分子
同士の相互作用をなくした色素分子の分散状態をつくる
ことは困難であり、色素化合物単独で分散状態を形成す
る色素化合物は外部エネルギーの付与によって色素分子
を凝集させることが困難な場合が多い。
【0043】本発明によれば、光情報記録媒体における
記録層に下記一般式(1)で表される色素分子を含有さ
せることにより、記録層に外部エネルギーを付与するこ
とによって、色素分子を会合あるいは凝集状態から分散
状態に、または色素分子を分散状態から会合あるいは凝
集状態に変化させることができ、且つそれぞれの状態の
経時的安定性に優れており、これら状態変化に伴って生
じる吸光スペクトルの変化を利用して情報の記録・再生
・消去、あるいは情報の記録・再生を行うことができ
る。
【0044】
【化13】
【0045】(式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有して
もよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオ
キシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基
を有してもよいアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、
スルホン酸基、スルホン酸アミド基またはスルホン酸エ
ステル基を表し、a、b、c、dは置換基X1〜X4の置
換数で0〜4の整数を表す。nは16以下の整数を表
す。)
【0046】以下に本発明で用いる色素分子の構造とそ
の作用につて説明する。色素分子の分散状態と凝集状態
との間の変化の可逆性は、色素分子と色素分子との間の
相互作用が変化するものであり、色素分子が他の色素分
子と相互作用しない単独に存在する状態、すなわち色素
分子が分散された状態に対して、色素分子が凝集する
と、図1に示すように吸光スペクトルが短波長側、ある
いは長波長側にシフトする。色素分子のいわゆるH−会
合、J−会合等の会合現象がこの凝集状態にあたるもの
である。
【0047】本発明においては、色素分子の基本骨格ど
うしの分子間力や静電力または双極子相互作用の力など
による不可逆的な会合あるいは凝集を防ぎ、色素分子の
会合あるいは凝集状態と分散状態との間の状態変化を光
や熱などの外部エネルギーの付与によってコントロール
できる程度な会合あるいは凝集状態が得られる色素分子
として、中心金属に置換基を有する一般式(1)で表さ
れる色素分子を用いることにより、その置換基の凝集力
によって色素分子を会合あるいは凝集させて色素分子基
本骨格のπ共役系の相互作用を生じさせ、吸光スペクト
ルを色素分子の分散状態における吸光スペクトルに対し
て変化させるものである。また、一般式(1)で表され
る色素分子を用いることによって、色素分子を会合ある
いは凝集状態と分散状態との間で可逆的に変化させるこ
とができ、またその変化による吸光スペクトルのスペク
トルシフトを大きくすることができる。
【0048】これは、次のような理由によるものと考え
られる。すなわち、色素分子に置換基がない場合(例え
ば、フタロシアニンの中心金属や基本骨格に置換基がな
い場合)、あるいは置換基が小さい場合などには、色素
分子どうしの相互作用力が大きく色素分子間の距離も狭
いため、光や熱などの外部エネルギーを付与しても、こ
の相互作用力に影響を与えることができず、色素分子の
状態を変化させることが困難である。一方、置換基が非
常に大きい場合などには、置換基の分子間力相互作用に
より色素分子が会合あるいは凝集する可能性はあるが、
色素分子の基本骨格間の距離が大きくなり、色素分子基
本骨格のπ共役系間の相互作用がほとんどなくなり、吸
光スペクトルを色素分子の分散状態における吸光スペク
トルに対して変化させることができなくなる。
【0049】これに対し、一般式(1)で表される色素
分子における置換基は、色素分子の会合あるいは凝集状
態と分散状態との間の状態変化を光や熱などの外部エネ
ルギーの付与によってコントロールでき、吸光スペクト
ルを色素分子の分散状態における吸光スペクトルに対し
て変化させることができる程度な会合あるいは凝集状態
とする分子間力相互作用を有しているものと考えられ
る。
【0050】また、一般式(1)で表される色素分子の
ようなフタロシアニン化合物は、置換基の付く場所によ
り、1)α位に置換基を有するタイプ、2)β位に置換
基を有するタイプ、3)中心金属に置換基を有するタイ
プ、に大別される。これらのうち、α位に置換基を有す
るタイプ、およびβ位に置換基を有するタイプのフタロ
シアニン化合物は異性体の存在や置換基の回転・振動に
よるエネルギー準位の存在により、吸光スペクトルが図
2のaのように広がり易く、会合あるいは凝集状態によ
る吸光スペクトルのシフトが生じても、その変化が非常
に大きくなければ高い記録コントラストは得られない
が、一般式(1)で表されるような中心金属に置換基を
有する色素分子では、一般的に軸配位子がフタロシアニ
ン化合物の基本骨格に与える影響が少ないため、軸配位
子の回転・振動によるエネルギー状態間にほとんど差が
ない。またα位やβ位に置換基を導入しなければ、異性
体も存在しないため、図2のbのように広がりがなく、
溶液状態のような鋭いピークを持つ吸光スペクトルを示
し、このような色素分子は、会合あるいは凝集状態によ
る色素分子と色素分子間の相互作用によって吸光スペク
トルが僅かにシフトしても、大きな記録コントラストが
得られる。
【0051】さらに、CD系メディアと互換性を持たせ
る構造とした場合、すなわち記録層の上に金属反射層を
設けた場合、α位に置換基を有するタイプおよびβ位に
置換基を有するタイプのフ夕ロシアニン化合物は、スペ
クトルがブロードで、もともと可逆変化の2つの安定状
態を含んだスペクトル形状を示すこと、本来メイン構造
の色素には存在しないはずの波長領域にも異性体の存在
や置換基の回転・振動によるエネルギー準位の存在によ
り吸収があることなどにより、未記録状態や記録の消去
状態において再生レーザー光の波長に対し比較的大きな
吸収がある場合が多くなり、未記録部分や記録の消去部
分における再生レーザー光の反射率が低下する恐れがあ
る。そして、未記録・消去部分の再生レーザー光の反射
率を高くするような再生波長(その波長ではほとんど吸
収がない)を選択すると、その波長に大きな吸収をもた
せるようになるほどにスペクトルを動かすことは容易で
なく、CD系メディアと互換性を持たせることが困難で
ある。
【0052】他方、前記一般式(1)で表される中心金
属に置換基を有する色素分子では、スペクトルが僅かに
シフトしても、大きい記録コントラストが得られるた
め、未記録部分の反射率を高くするような波長(未記録
・消去部分ではほとんど吸収がない波長)の再生レーザ
ー光を選択しても、その波長に対して大きな記録コント
ラストを与えるスペクトルのシフトを生じさせるような
会合あるいは凝集状態を形成することができ、CD系メ
ディアと互換性を持たせることが容易である。このよう
に前記一般式(1)で表される色素分子を記録層に用い
ることにより、記録コントラストが大きく、且つ消去比
が高く、高感度であり、またCD系メディアとの互換性
を有する光情報記録媒体を得ることができる。
【0053】さらに、本発明によれば、一般式(1)で
表される色素分子の中心金属おける置換基のnを選択す
ることにより、色素分子の分散状態と凝集状態との間の
変化が良好な可逆性を有する記録層を形成して書き換え
型の光情報記録媒体を得ること、および色素分子の分散
状態と凝集状態との間の変化が可逆性を有しない追記型
の光情報記録媒体を得ることができる。
【0054】次に、記録層に一般式(1)で表される色
素分子と共に用いられる高分子化合物およびその作用に
ついて説明する。高分子化合物は、記録層の成膜性や膜
均一性の向上、情報の記録・再生・消去特性の改善など
のため、必要に応じて記録層に含有させることができ
る。ところで、一般に2元混合物における同種の分子間
には、常に一種の実効引力が存在し、同種分子の会合あ
るいは凝集状態は分散状態に比べてエネルギー的に有利
であると考えられる。そこで、色素分子の充分な分散状
態を形成させるためには、色素分子の分散状態を安定的
につくるような高分子化合物を色素分子と共に用いるこ
とが好ましく、それには、色素分子の会合あるいは凝集
エネルギーと高分子化合物の会合あるいは凝集エネルギ
ーとの差が小さく、且つ色素分子との間で相互作用が生
じるような高分子化合物を用いればよい。
【0055】このような高分子化合物としては、側鎖に
大きな置換基を持つ高分子化合物が好ましい。これは、
高分子化合物が色素分子に対して非常に大きい分子であ
り、その形状も基本的にはランダムであるため、主鎖の
みからなる高分子化合物の場合には色素と相互作用でき
るような距離にお互いが接近できる可能性が小さいが、
主鎖に大きな、かさ高い置換基を導入することにより、
高分子化合物側鎖の置換基と色素分子の軸配位子間、す
なわち高分子化合物と色素分子間に相互作用が生じるた
めである。また、本発明における一般式(1)で表され
る色素分子の軸配位子が末端にアルキル基を有している
ことから、このアルキル基との相互作用を大きくするた
めに、アルキル基を含む置換基を側鎖に有する高分子化
合物が特に好ましい。このような高分子化合物の具体例
は、前記の通りである。
【0056】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0057】実施例1 下記一般式(A)で表されるフタロシアニン化合物にお
いて、nが2、4、6、8、10、16であるフタロシ
アニン化合物を合成した。
【0058】
【化14】
【0059】これら6種類のフタロシアニン化合物を各
別にクロロホルムに溶解させ、スピンコーティング法に
よりガラス基板上に塗布し室温で乾燥させて記録層を形
成し、6種類の光情報記録媒体を得た。それらの各光情
報記録媒体について、リンカム社製加熱装置と顕微分光
システムを用いて、室温から200℃まで10℃/分の
昇温スピ−ドで加熱しながら記録層の吸光スペクトルの
変化を測定した。その結果を図3および図4に示す。横
軸に温度、縦軸に最大吸収波長を示してある。
【0060】この結果から、一般式(A)においてnが
2または4のフタロシアニン化合物を用いた場合には、
温度の上昇にしたがって最大吸収波長か長波長側へシフ
トし、いわゆる追記型の記録特性を示す可能性があり、
一般式(A)においてnが6のフタロシアニン化合物を
用いた場合には、温度の上昇によりある温度付近で吸光
スペクトルが長波長側へシフトし、更なる加熱で温度が
上昇すると長波長側へシフトした吸光スペクトルが元に
戻る、いわゆる可逆型(書き換え型)の記録特性を示す
ことが認められた。
【0061】次に、追記型の記録特性の詳細を調べるた
めに、200℃から室温までの自然放置による冷却過程
に対して吸光スペクトルの変化を測定した。一般式
(A)においてnが2のフタロシアニン化合物を用いた
場合について、その結果を図5に示す。右向きの矢印が
昇温過程を、左向きの矢印が冷却過程を示している。ま
た、縦軸は最大吸収波長である。この結果から、200
℃に加熱されて変化した色素分子の凝集状態は、そのま
ま保存され吸光スペクトルの変化が見られず、追記型光
情報記録媒体としての記録特性を示すことが認められ
た。
【0062】また、図6は一般式(A)においてnが2
のフタロシアニン化合物を用いた場合について、スペク
トル変化を吸光度変化で評価したものであり、cは最大
吸光度の温度依存性を、dは750nmにおける吸光度
の温度依存性を示している。この場合も図5と同様に、
右向きの矢印が昇温過程を、左向きの矢印が冷却過程を
示している。この結果からも、例えば750nmの波長
において、追記型光情報記録媒体としての良好な記録特
性を示すことが認められる。
【0063】この記録モ−ドは吸光度が低い状態から高
い状態へと、すなわち反射率が高い状態から低い状態へ
と変化する、いわゆるHigh to Low型の記録と
なっており、現状のCDフアミリー系の光情報記録媒体
と同一極性での記録を行うことができる。
【0064】次に、一般式(A)においてnが2のフタ
ロシアニン化合物とポリ(t−ブチルスチレン)をモル
比で約1:1の割合でクロロホルムに溶解した溶液を調
製した。但し、ポリ(t−ブチルスチレン)のモル数は
基本繰返し単位を1モルとして計算した。この溶液をス
ピンコ−ティング法によりガラス基板上に塗布し室温で
乾燥させて記録層を形成し光情報記録媒体を得た。この
光情報記録媒体について、リンカム社製加熱装置と顕微
分光システムを用いて、室温から200℃まで10℃/
分の昇温スピードで加熱しながら記録層の吸光スペクト
ルの変化を測定した。その結果を図7および図8に示
す。
【0065】図7は温度と最大吸収波長の関係を示し、
図8は温度と最大吸光度の関係、及び温度と750nm
における吸光度の関係を示している。図8において、c
は最大吸光度を、dは750nmにおける吸光度を示
し、図7および図8において、右向きの矢印が昇温過程
を、また左向きの矢印が冷却過程を示している。図7か
らは、色素単独の記録層では見られなかった記録による
吸光スペクトルの変化に閾値(温度)が生じることが認
められ、これは、記録層に色素分子と共に高分子化合物
を含有させることによって、未記録状態の安定化を図る
ことができることを示している。
【0066】図8からも同様に、色素分子の凝集状態の
変化による750nmにおける吸光度変化に明らかな閾
値(温度)を持っており、未記録状態と記録状態のコン
トラストが色素単独の記録層よりも向上することを示し
ている。更に、図8は、昇温、冷却処理によっても最大
吸光度に大きな変化がないことを示しており、記録層に
色素分子と共に高分子化合物を含有させることによって
信頼性の高い光情報記録媒体を得ることができる。
【0067】図9、図10は、一般式(A)においてn
が2のフタロシアニン化合物とポリ(t−ブチルスチレ
ン)とがモル比で約1:1の割合からなる記録層におけ
る未記録状態の安定性を調べるために、リンカム社製加
熱装置と顕微分光システムを用いて、室温から80℃ま
で10℃/分の昇温スピードで加熱し、80℃になった
ら80℃に維持(ホールド)して、経時的な吸光スペク
トルの変化を測定したものである。図9は温度を80℃
に維持(ホールド)した時間と最大吸収波長の変化との
関係を示したものであり、図10は温度を80℃に維持
(ホールド)した時間と最大吸光度の変化との関係、あ
るいは750nmの吸光度の変化との関係を示したもの
である。図中、1mあるいは10mなどと示してあるの
は、80℃に保温してから1分、あるいは10分などが
経過したことを示している。この結果から、本発明によ
れば、80℃に加熱し続けても最大吸収波長や吸光度の
変化がほとんどなく、未記録状態の安定な追記型光情報
記録媒体を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、有機系材料を記録層に
用い、記録コントラストが大きく、且つ消去比が高く、
高感度であり、更に所謂High to Low型の記録
である通常の光ディスクと同一極性でも記録を行うこと
ができ、CDファミリー系の光情報記録媒体と互換性を
有する書き換え型の光情報記録媒体を得ることができ
る。また、本発明によれば、特に動画再生などの高速転
送レートが必要なアプリケ−ションや高密度化によるジ
ッタ低減などの信号特性の改善にも対応可能な形状変化
を伴わない記録部を形成できる高感度な追記型の光情報
記録媒体を得ることができる。更に、本発明によれば、
記録コントラストが大きく、かつ高感度な情報の記録、
大きなコントラストの再生信号が得られる情報の再生、
消去比が高い情報の消去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】色素分子の会合あるいは凝集状態と、色素分子
の分散状態とにより吸光スペクトルがシフトする様子の
一例を示す説明図である。
【図2】フタロシアニン化合物における置換基の位置の
相違(軸配位子型か否かの相違)による吸光スペクトル
の相違を示す説明図である。
【図3】本発明の光情報記録媒体を室温から200℃ま
で10℃/分の昇温スピ−ドで加熱した時の吸光スペク
トルの変化を最大吸収波長の変化で示したグラフであ
る。
【図4】本発明の光情報記録媒体を室温から200℃ま
で10℃/分の昇温スピ−ドで加熱した時の吸光スペク
トルの変化を最大吸収波長の変化で示したグラフであ
る。
【図5】本発明の光情報記録媒体を200℃まで加熱し
た後、室温まで自然放置により冷却した時の吸光スペク
トルの変化を最大吸収波長の変化で示したグラフであ
る。
【図6】本発明の光情報記録媒体を200℃まで加熱し
た後、室温まで自然放置により冷却した時の吸光スペク
トルの変化を吸光度の変化で示したグラフである。
【図7】本発明の光情報記録媒体を200℃まで加熱し
た後、室温まで自然放置により冷却した時の吸光スペク
トルの変化を最大吸収波長の変化で示したグラフであ
る。
【図8】本発明の光情報記録媒体を200℃まで加熱し
た後、室温まで自然放置により冷却した時の吸光スペク
トルの変化を吸光度の変化で示したグラフである。
【図9】本発明の光情報記録媒体を80℃に維持した時
の経時的な吸光スペクトルの変化を最大吸収波長の変化
で示したグラフである。
【図10】本発明の光情報記録媒体を80℃に維持した
時の経時的な吸光スペクトルの変化を吸光度の変化で示
したグラフである。
【符号の説明】
a α位又はβ位に置換基を有するフタロシアニン化合
物の吸光スペクトル b 中心金属に置換基を有するフタロシアニン化合物の
吸光スペクトル c 最大吸光度 d 750nmにおける吸光度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 7/12 C09D 7/12 Z (72)発明者 植野 泰伸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に色素分子の凝集状態によって異
    なる吸光スペクトルを示す記録層を有する光情報記録媒
    体において、記録層が下記一般式(1)で表される色素
    分子を含むことを特徴とする光情報記録媒体。 【化1】 (式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキ
    シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
    を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよい
    アリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、
    スルホン酸アミド基またはスルホン酸エステル基を表
    し、a、b、c、dは置換基X1〜X4の置換数で0〜4
    の整数を表す。nは16以下の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 基板上に色素分子の凝集状態によって異
    なる吸光スペクトルを示す記録層を有する光情報記録媒
    体において、記録層が下記一般式(1)で表される色素
    分子を含むことを特徴とする光情報記録媒体。 【化2】 (式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキ
    シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
    を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよい
    アリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、
    スルホン酸アミド基またはスルホン酸エステル基を表
    し、a、b、c、dは置換基X1〜X4置換数で0〜4の
    整数を表す。nは7以下の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 記録層が一般式(1)で表される色素分
    子と高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1
    または2記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 高分子化合物が熱可塑性高分子化合物で
    あることを特徴とする請求項3記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 高分子化合物がアルキル基を含む置換基
    を側鎖に有する熱可塑性高分子化合物であることを特徴
    とする請求項3記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 高分子化合物が下記一般式(2)で示さ
    れるポリメタクリル酸エステルであることを特徴とする
    請求項3記載の光情報記録媒体。 【化3】 (式中、Rは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキ
    ル基を表す。)
  7. 【請求項7】 高分子化合物が下記一般式(3)で示さ
    れるポリスチレン誘導体であることを特徴とする請求項
    3記載の光情報記録媒体。 【化4】 (式中、Z1〜Z5は水素原子または炭素数3以上の分岐
    を有してもよいアルキル基を表し、Z1〜Z5のうち少な
    くとも一つは炭素数3以上の分岐を有してもよいアルキ
    ル基である。Z6は水素原子または炭素数1以上の分岐
    を有してもよいアルキル基を表す。)
  8. 【請求項8】 高分子化合物が光や熱などの外部エネル
    ギーにより電子的または構造的変化を可逆的に生ずる高
    分子化合物であることを特徴とする請求項3記載の光情
    報記録媒体。
  9. 【請求項9】 高分子化合物が下記一般式(4)で示さ
    れる化合物であることを特徴とする請求項8記載の光情
    報記録媒体。 【化5】 (式中、R11、R12は水素原子、または置換基を有して
    もよいアルキル基を表す。ただし、R11、R12が同時に
    水素となることはない。XはS、O、SeまたはNR13
    を表し、R13は水素原子、アルキル基、またはアリール
    基を表す。)
  10. 【請求項10】 光情報記録媒体への情報記録方法にお
    いて、基板上に下記一般式(5)で表される色素分子を
    含む記録層を有する光情報記録媒体に外部エネルギーを
    付与し、外部エネルギー付与部の記録層における色素分
    子の凝集状態を変化させて記録部を形成することによ
    り、記録層における記録部の吸光スペクトルを非記録部
    の吸光スペクトルに対して変化させて情報を記録するこ
    とを特徴とする情報記録方法。 【化6】 (式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキ
    シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
    を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよい
    アリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、
    スルホン酸アミド基またはスルホン酸エステル基を表
    し、a、b、c、dは置換基X1〜X4の置換数で0〜4
    の整数を表す。nは6または7の整数を表す。)
  11. 【請求項11】 記録層が高分子化合物を含むことを特
    徴とする請求項10記載の情報記録方法。
  12. 【請求項12】 光情報記録媒体の情報再生方法におい
    て、請求項10の方法により情報が記録された光情報記
    録媒体に再生レーザー光を照射し、記録層の記録部と非
    記録部における反射光量あるいは透過光量の差を読み取
    ることにより情報の再生を行うことを特徴とする情報再
    生方法。
  13. 【請求項13】 光情報記録媒体の情報再生方法におい
    て、請求項11の方法により情報が記録された光情報記
    録媒体に再生レーザー光を照射し、記録層の記録部と非
    記録部における反射光量あるいは透過光量の差を読み取
    ることにより情報の再生を行うことを特徴とする情報再
    生方法。
  14. 【請求項14】 光情報記録媒体の情報消去方法におい
    て、請求項10の方法により情報が記録された光情報記
    録媒体に外部エネルギーを付与し、記録層の記録部にお
    ける色素分子の凝集状態を非記録部における色素分子の
    凝集状態に変化させ、記録層全体の吸光スペクトルを非
    記録部の吸光スペクトルとすることにより記録された情
    報を消去することを特徴とする情報消去方法。
  15. 【請求項15】 光情報記録媒体の情報消去方法におい
    て、請求項11の方法により情報が記録された光情報記
    録媒体に外部エネルギーを付与し、記録層の記録部にお
    ける色素分子の凝集状態を非記録部における色素分子の
    凝集状態に変化させ、記録層全体の吸光スペクトルを非
    記録部の吸光スペクトルとすることにより記録された情
    報を消去することを特徴とする情報消去方法。
  16. 【請求項16】 光情報記録媒体への情報記録方法にお
    いて、基板上に下記一般式(6)で表される色素分子を
    含む記録層を有する光情報記録媒体に外部エネルギーを
    付与し、外部エネルギー付与部の記録層における色素分
    子の凝集状態を変化させて記録部を形成することによ
    り、記録層における記録部の吸光スペクトルを非記録部
    の吸光スペクトルに対して変化させて情報を記録するこ
    とを特徴とする情報記録方法。 【化7】 (式中、X1〜X4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキ
    シ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基
    を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよい
    アリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、
    スルホン酸アミド基またはスルホン酸エステル基を表
    し、a、b、c、dは置換基X1〜X4の置換数で0〜4
    の整数を表す。nは5以下の整数を表す。)
  17. 【請求項17】 記録層が高分子化合物を含むことを特
    徴とする請求項16記載の情報記録方法。
  18. 【請求項18】 光情報記録媒体の情報再生方法におい
    て、請求項16の方法により情報が記録された光情報記
    録媒体に再生レーザー光を照射し、記録層の記録部と非
    記録部における反射光量あるいは透過光量の差を読み取
    ることにより情報の再生を行うことを特徴とする情報再
    生方法。
  19. 【請求項19】 光情報記録媒体の情報再生方法におい
    て、請求項17の方法により情報が記録された光情報記
    録媒体に再生レーザー光を照射し、記録層の記録部と非
    記録部における反射光量あるいは透過光量の差を読み取
    ることにより情報の再生を行うことを特徴とする情報再
    生方法。
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