JP4146130B2 - 光記録媒体およびその記録・再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的に情報の記録・再生が行われる大容量光情報記録媒体に関し、特に超解像技術を利用した光記録媒体(例えば、大容量追記型コンパクトディスク、DVD−R等のデータ用大容量追記光ディスク)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、基板上に反射層を有する光記録媒体として、CD規格、DVD規格に対応した記録が可能な光記録媒体(CD−R、DVD−R)が商品化されている。このような大容量光記録媒体においては、今後さらに記録容量向上と小型化、記録密度の向上が求められており、情報記録・再生への要求機能は一段と高度化している。
現行システムでの記録容量向上の要素技術は、記録ピットの微小化技術とMPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術には、記録・再生光の短波長化や光学系の開口数NAの増大化が検討されているが、これらの技術だけでは光の回折限界を超える記録・再生は不可能である。
このため最近、回折限界を超える記録・再生が可能な超解像を利用した記録媒体が有力な手段として注目されている。超解像とは、物点に照射光の回折限界よりも小さな開口を設けることにより、照射光のスポット径を回折限界よりも小さくして解像力を向上させる技術である。
【0003】
上記超解像技術を利用した光記録媒体として、(1)フォトクロミック材料(特開平5−266478号公報、特開平9−320114号公報)、(2)サーモクロミック材料(特開平6−162564号公報、特開平7−182693号公報、特開平8−306074号公報、特開平10−320114号公報、特開平11−180043号公報)、(3)過飽和吸収色素(特開平7−44891号公報、特開平7−296419号公報、特開平7−296420号公報、特開平7−304258号公報、特開平7−320300号公報、特開平8−87776号公報、特開平8−263875号公報)、(4)光反応材料(特開平7−169057号公報)等の材料を超解像マスク材料に応用した例が先に開示されている。
【0004】
上記(1)フォトクロミック材料、(2)サーモクロミック材料の各材料は、それぞれ光および熱によって、その光吸収特性が変化することを超解像に利用するものであるが、記録および再生時の繰り返し安定性に問題がある。また、(2)サーモクロミック材料や(4)光反応材料の各材料では、その応答速度は数十Mbpsが限界とされ、今後必要とされる100Mbps以上の転送速度に対応できない可能性がある。
【0005】
また、(3)の過飽和吸収色素は、光の透過率が照射光強度に対して非線形に変化する材料であり、その非線形に透過率が変化する現象を記録・再生光のスポット(レーザースポット)の光強度分布に対して利用することにより超解像マスク用の材料として応用することができる。この材料の特徴としては、応答速度が速いこと(フェムト秒で応答する)と高耐久性にある。しかしながら、従来超解像マスク用の過飽和吸収色素として考案されてきた材料は、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、シアニン色素、キノン色素等であり、これらはいずれも光吸収特性が550nm以上の長波長レーザに対応するものであるため、次世代光記録媒体の主流となると考えられる短波長の青色レーザには対応できない材料であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点に鑑みなされたもので、その目的は従来の光ディスクでは実現不可能なピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度で記録・再生を可能とし、かつ高転送速度を有する光記録媒体を提供することにある。さらに詳しくは、青色レーザ波長域に高速応答な過飽和吸収特性を示す超解像マスク層を設けた光記録媒体と、それを用いた記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らが検討を重ねた結果、基板上に設けた記録層の記録・再生光が入射する側に、特定の構造を有するコロール誘導体を含有する超解像マスクを設け、発信波長400nm〜550nmの短波長光(半導体レーザ/青色レーザ)を用い、その回折限界を超えるスポット径を実現させることによって、回折限界を超えた高記録密度で記録・再生を可能とし、さらに高転送速度を実現することが可能であることを見い出し、本発明に至った。
以下、本発明について具体的に説明する。
【0008】
請求項1の発明は、基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、前記記録層の記録・再生光が入射する側に、下記一般式( I )〜(V)で示されるコロール誘導体のいずれかを含有する超解像マスク層を設けたことを特徴とする光記録媒体である。
【0009】
請求項1のコロール誘導体の最大吸収波長は400〜550nmにあり、青色レーザの発信波長に対応するため、この波長領域でコロール誘導体が過飽和吸収によって照射光のスポット径よりも小さな光学開口径を形成する。このため、超解像マスク層用材料として用いることにより、回折限界を超えた記録密度で記録・再生を可能とし、かつ高転送速度を実現させた光記録媒体が提供される。
【0010】
前記コロール誘導体が下記一般式(I)で示される構造を有する化合物である。
【0011】
【化6】
【0012】
一般式(I)において、R1〜R8、X1〜X3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表す。なお、置換もしくは未置換のアリール基は、酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。また、R1〜R8の少なくとも1つは水素原子以外の前記いずれかの基であるものとする。M1はそれぞれ独立に3個の水素原子、または酸素原子、ハロゲン原子あるいは水酸基を有していてもよい2価、3価もしくは4価の金属原子、または(OY1)p、(OSiY2Y3Y4)q、(OPOY5Y6)r、(OCOY7)sを有していてもよい金属原子を表す(ただし、式中Y1〜Y7はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族あるいは芳香族の炭化水素基を表し、p,q,r,sはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)。
【0013】
前記コロール誘導体が下記一般式(II)で示される構造を有する化合物である。
【0014】
【化7】
【0015】
一般式(II)において、R9〜R16、X4〜X6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表す。なお、置換もしくは未置換のアリール基は、酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。また、R9〜R16の少なくとも1つは水素原子以外の前記いずれかの基であるものとする。M2はそれぞれ独立に3個の水素原子、または酸素原子、ハロゲン原子あるいは水酸基を有していてもよい2価、3価もしくは4価の金属原子、または(OY1)p、(OSiY2Y3Y4)q、(OPOY5Y6)r、(OCOY7)sを有していてもよい金属原子を表す(ただし、式中Y1〜Y7はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族あるいは芳香族の炭化水素基を表し、p,q,r,sはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)。
【0016】
前記コロール誘導体が下記一般式(III)で示される構造を有する化合物である。
【0017】
【化8】
【0018】
一般式(III)において、R17〜R24、X7〜X9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表す。なお、置換もしくは未置換のアリール基は、酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。また、R17〜R24の少なくとも1つは水素原子以外の前記いずれかの基であるものとする。M3はそれぞれ独立に3個の水素原子、または酸素原子、ハロゲン原子あるいは水酸基を有していてもよい2価、3価もしくは4価の金属原子、または(OY1)p、(OSiY2Y3Y4)q、(OPOY5Y6)r、(OCOY7)sを有していてもよい金属原子を表す(ただし、式中Y1〜Y7はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族あるいは芳香族の炭化水素基を表し、p,q,r,sはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)。
【0019】
前記コロール誘導体が下記一般式(IV)で示される構造を有する化合物である。
【0020】
【化9】
【0021】
一般式(IV)において、R25〜R32、X10〜X12はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表す。なお、置換もしくは未置換のアリール基は、酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。また、R25〜R32の少なくとも1つは水素原子以外の前記いずれかの基であるものとする。M4はそれぞれ独立に3個の水素原子、または酸素原子、ハロゲン原子あるいは水酸基を有していてもよい2価、3価もしくは4価の金属原子、または(OY1)p、(OSiY2Y3Y4)q、(OPOY5Y6)r、(OCOY7)sを有していてもよい金属原子を表す(ただし、式中Y1〜Y7はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族あるいは芳香族の炭化水素基を表し、p,q,r,sはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)。
【0022】
前記コロール誘導体が下記一般式(V)で示される構造を有する化合物である。
【0023】
【化10】
【0024】
一般式(V)において、R33〜R40、X13〜X15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表す。なお、置換もしくは未置換のアリール基は、酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。また、R33〜R40の少なくとも1つは水素原子以外の前記いずれかの基であるものとする。M5はそれぞれ独立に3個の水素原子、または酸素原子、ハロゲン原子あるいは水酸基を有していてもよい2価、3価もしくは4価の金属原子、または(OY1)p、(OSiY2Y3Y4)q、(OPOY5Y6)r、(OCOY7)sを有していてもよい金属原子を表す(ただし、式中Y1〜Y7はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族あるいは芳香族の炭化水素基を表し、p,q,r,sはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)。
【0025】
前記(I)〜(V)の構造を有するコロール誘導体はいずれも短波長(400〜550nm)領域に最大吸収波長を有し、超解像マスク用材料として用いることにより、過飽和吸収によって照射光のスポット径よりも小さな光学開口径を形成する。これによって、回折限界を超えた記録・再生が達成されるとともに、高転送速度の光記録媒体が提供される。
【0026】
請求項2の発明は、前記コロール誘導体が金属コロール誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体である。
【0027】
コロール誘導体に金属が配位した金属コロール誘導体とすることで過飽和吸収現象が顕著になり、超解像マスク層としての超解像作用が向上した光記録媒体が提供される。
【0028】
請求項3の発明は、前記コロール誘導体が原子量30以上の重原子で置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体である。
【0029】
請求項4の発明は、前記コロール誘導体がハロゲン原子で置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体である。
【0030】
請求項5の発明は、前記ハロゲン原子がBrもしくはIであることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体である。
【0031】
前記請求項3〜5のコロール誘導体構造とすることでスピン−軌道相互作用が大きくなって緩和時間が長くなり、過飽和吸収現象が顕著に発現する。これによって、超解像マスク層としての超解像作用が一段と向上した光記録媒体が提供される。
【0034】
請求項6の発明は、前記超解像マスク層が、コロール誘導体と紫外線硬化性樹脂とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体である。
【0035】
請求項7の発明は、前記超解像マスク層が、コロール誘導体と熱硬化性樹脂とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体である。
【0036】
前記請求項6、7の構成によれば、三次元的に架橋結着した強固な超解像マスク層が形成されるため、記録・再生時においても超解像マスク層が変化(変形)せず、これによって安定した信号特性が得られる光記録媒体が提供される。
【0037】
請求項8の発明は、前記記録層の記録・再生光の入射側に設けられた前記超解像マスク層が超解像再生層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体である。
【0038】
請求項8の超解像マスク層を超解像再生層として用いる構成とすることにより、高密度記録の再生を実現した光記録媒体が提供される。
【0039】
請求項9の発明は、前記記録層の記録・再生光の入射が該記録層の両側である場合に、該記録層を挟んで両側にそれぞれ設けられた超解像マスク層の一方が超解像記録層であり、他方が超解像再生層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体である。
【0040】
請求項9の記録層を挟んで両側に超解像マスク層を設け、超解像記録層と超解像再生層として分けて用いることにより、高密度の記録と再生をそれぞれ実現した光記録媒体が提供される。
【0041】
請求項10の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体を、波長400nm〜550nmのレーザ光を用いて超解像マスク層側から照射し、記録・再生することを特徴とする光記録媒体の記録・再生方法である。
【0042】
本発明の光記録媒体の超解像マスク層に用いるコロール誘導体の最大吸収波長は、前記のように400〜550nmで青色レーザに対応する。このため、青色レーザを用いることにより、超解像現象を利用した高密度記録・再生の可能な光記録媒体の記録方法が提供される。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の光記録媒体は、基板上に設けた記録層の記録・再生光が入射する側に、コロール誘導体を含有する超解像マスク層を設けた構成からなる。超解像マスク層は、前記のように過飽和吸収により、照射光の回折限界を超えた開口径を形成する、いわゆる超解像マスクとして作用し、これによって超解像記録層および/または超解像再生層として機能する。
本発明のコロール誘導体は、置換基を有していてもよい4つのピロール環が、置換基を有していてもよい炭素原子を介した結合と、炭素原子を介しない直接結合の両方を含んで結合されており、かつピロール環を結ぶ前記置換基を有していてもよい炭素原子の合計数が3つである構造を有する化合物であり、前記一般式(I)〜(V)で示される。このような構造を有するコロール誘導体を用いることにより、超解像マスク層が形成され、回折限界を超えた記録・再生が可能な光記録媒体が得られる。
【0044】
以下に、前記一般式(I)〜(V)で示される構造を有する化合物の構成を示す。
前述のように、一般式(I)〜(V)において、R1〜R40、X1〜15Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアシル基を表す。なお、前記置換もしくは未置換のアリール基は、酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。また、一般式(I)中のR1〜R8、一般式(II)中のR9〜R16、一般式(III)中のR17〜R24、一般式(IV)中のR25〜R32、一般式(V)中のR33〜R40においては、それぞれ少なくとも1つは水素原子以外の前記いずれかの基であるものとする。
【0045】
まず、R1〜R40、X1〜15Xがアルキル基の場合の具体例を以下に示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の一級アルキル基、イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基を有する基、ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基を有する基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。さらに、これら一級および二級アルキル基を有する基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。
【0046】
上記酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0047】
次に、置換もしくは未置換のアリール基の具体例を以下に示す。
アリール基としては、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフタレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、アントラニル基、フルオラセニル基、アセフェナントラレニル基、アセアントリレン基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。さらに、これらアリール基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換の複素環残基等によって置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。さらに、アリール基はフェノキシ基、チオフェニル基のように、酸素原子、硫黄原子を介して結合していてもよい。
【0048】
また、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基としては以下のようなものが挙げられる。
すなわち、アルコキシ基は、酸素原子に直接置換もしくは未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述のアルキル基が挙げられる。
アルキルアミノ基は、窒素原子に直接置換もしくは未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述のアルキル基を挙げることができる。また、アルキル基同士が結合しピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基等の様に環を形成していてもよい。アリールアミノ基は、窒素原子に直接置換または未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0049】
前記一般式(I)〜(V)において、M1〜M5(M)の具体例を以下に示す。Mとしては、それぞれ独立に3個の水素原子、または酸素原子、ハロゲン原子あるいは水酸基を有していてもよい2価、3価もしくは4価の金属原子がある。すなわち、MとしてはIb族、IIa族、IIb族、IIIb族、IVa族、IVb族、Va族、VIa族、VIIa族、VIII族の金属、これらの金属の酸化物、これらの金属のハロゲン化物、またはこれらの金属の水酸化物などがある。
上記金属の例としては、Cu、Zn、Mg、Al、Ge、Ti、Sn、Pb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、In、Pt、Pd等が挙げられる。また、金属酸化物としては、TiO、VO等が、ハロゲン化物としては、AlCl、GeCl2、SiCl2、FeCl、SnCl2、InCl等が、水酸化物としてはAl(OH)、Si(OH)2、Ge(OH)2、Sn(OH)2等がある。
また、金属が置換基を有するものがある。このような例としては、 (OY1)p、(OSiY2Y3Y4)q、(OPOY5Y6)r、(OCOY7)sで表される置換基を有する金属原子がある(ただし、式中Y1〜Y7はそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族あるいは芳香族の炭化水素基を表し、p,q,r,sはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)。
このような金属が置換基を有する場合の金属の例としては、Al、Ti、Si、Ge、Sn等があり、置換基としては、アリールオキシル基、アルコキシル基、トリアルキルシロキシル基、トリアリールシロキシル基、トリアルコキシシロキシル基、トリアリールオキシシロキシル基、トリチルオキシル基またはアシロキシル基等がある。
【0050】
本発明における前記一般式(I)〜(V)で示される構造を有する化合物としては、下記式(1)〜(16)で示されるコロール誘導体が例示される。なお、本発明のコロール誘導体はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】
【化23】
【0064】
【化24】
【0065】
【化25】
【0066】
【化26】
【0067】
超解像マスク材料として好ましい光学特性は、大きな吸収係数を持ち、励起状態の緩和時間が長い程、過飽和吸収現象は大きくなる。但し緩和時間が長すぎると元に戻る時間が長くなるため繰り返し再生時に支障をきたす。そのため、コロール誘導体の吸収係数は10万以上が、緩和時間(τ)は、1ns≦τ≦100nsとなることが好ましい。
緩和時間を長くする方法として、コロール誘導体に重原子を導入し、スピン−軌道相互作用を大きくすることが有効である。そのため、コロール誘導体の構造としては、金属が中心に配位した金属コロール誘導体や、コロール誘導体が重原子(特に原子量が30以上の原子が好ましい)で置換された誘導体が有用である。置換基として充分なスピン−軌道相互作用を大きくするには、ハロゲン原子が好ましく、さらにはBr(臭素原子)、I(ヨウ素原子)が特に好ましい。
【0068】
前記を考慮して得たコロール誘導体を用いた超解像マスク層は、コロール誘導体の過飽和吸収により、照射光のスポット径よりも小さな光学開口を形成する。基底状態にある分子が励起状態に遷移し、その緩和時間が長いため基底状態にある分子が減少し、これによって光の吸収量が減少して透過率が上がる。この変化は照射光が強いほど大きいため、レーザビームを照射した際、その強度分布(ガウス分布)に応じた透過率変化となる。
図1に超解像マスクによる光学開口形成の概念図を示す。すなわち、照射されたレーザビームの波長が超解像マスク層の過飽和吸収色素の吸収波長と一致する場合は、レーザ照射当初はほとんど光は透過しない。しかし、超解像マスク層の過飽和吸収色素が図2に示すような非線形性の光透過率を示し、レーザ照射によって過飽和吸収状態に至ると図1に示すように、光強度の強いビーム中心に光学開口が開くことになる。本発明のコロール誘導体(過飽和吸収色素)は、非線形性の光透過率を示し、過飽和吸収により超解像現象を示す。
【0069】
本発明のコロール誘導体は、前記のように400〜550nmの波長域に強い吸収帯があり、青色レーザの発振波長に合致する。そのため本発明のコロール誘導体を含有する超解像マスク層は、青色レーザに適した超解像マスクとして使用することができるため、より高密度の記録・再生が可能となる。
【0070】
超解像マスク層として良好な特性を得るには、2つの観点がある。一つは、光記録媒体構成層としての特性であり、他の一つは、超解像特性を得る材料特性である。光記録媒体構成層としては、記録・再生時に変化、特に変形しないことが必須である。超解像マスク層が超解像記録層として機能する場合には、変形することによりジッタ特性等の記録信号特性が劣化する。一方、超解像再生層として機能する場合には、変形することにより再生信号が除々に変化し安定した再生信号が得られない。そのため本発明では、超解像マスク層をバインダーで固定し変形を低減させることが好ましい。特に、バインダーとして紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂は好ましい。
【0071】
<光記録媒体の構成>
本発明に適用される光記録媒体は、例えば図3〜図7に示したような構成を有するものである。すなわち、基板1と超解像マスク層2と記録層3を基本構成層として備え、記録層3の記録・再生光が入射する側に超解像マスク層2が設けられた構造をしている。光記録媒体の層構成は、目的に応じて反射層等の構成層を設けた構造とすることもできる。図5は、反射層4を設けた例を示す。図6、図7は、記録と再生が光記録媒体の両側から別々に行われる場合の例であり、超解像マスク層2を超解像記録(超解像記録層)2Aと超解像再生(超解像再生層)2Bのそれぞれに対応できるように分けて、記録層3の両側に設けた例を示す。本発明の光記録媒体は、通常の追記型光ディスクの構造として採用されている2枚貼合わせの、いわゆるエアーサンドイッチまたは密着貼合わせ構造としてもよく、あるいはCD−R用メディアの構造としてもよい。また、CD−R構造を貼り合わせた構造でもよい。
上記光記録媒体に記録・再生光(特に青色レーザ光)を照射することによって、超解像現象が発現し、記録・再生が行われる。
以下に本発明の光記録媒体の各構成層について説明する。
【0072】
<基板>
基板の必要特性としては、基板側から記録・再生を行う場合には使用レーザー光に対して透明でなければならず、記録層側から記録・再生を行う場合には基板は透明である必要はない。
基板材料としては、例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等のプラスチック、ガラス、セラミックあるいは金属等を用いることができる。尚、基板表面にトラッキング用の案内溝や案内ピット、さらにアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていてもよい。
【0073】
<超解像マスク層>
超解像マスク材料には、前記一般式(I)〜(V)で示されるコロール誘導体である過飽和吸収色素の超解像マスク層を使用し、その化学構造としてスピン−軌道相互作用を大きくする重原子を導入した構造が好ましい。そのため構造としては、前述のように、金属が中心に配位した金属コロール構造や、重原子で置換されたコロール誘導体が有用である。
【0074】
超解像マスク層の膜形成法としては、湿式塗布法によりコロール誘導体とバインダーを溶解させた溶液を用いて塗布形成してもよく、乾式成膜法によりコロール誘導体とバインダーを共蒸着により形成してもよい。いずれの場合にも、記録・再生時に超解像マスク層が変化、特に変形しないことが好ましく、このためバインダーとしては三次元的に架橋し、強固な膜が形成される紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が好ましい。コロール誘導体とバインダーの組成は、1/90〜90/10(重量比)の範囲であり、この範囲よりもバインダーが多すぎると超解像効果は小さく、少なすぎると超解像マスク層の機械的な強度が損なわれ、好ましくは、30/70〜70/30(重量比)である。
【0075】
紫外線硬化性樹脂は、紫外線照射によって例えばラジカル重合が開始して硬化するバインダーである。その組成は、一般的に(1)アクリル系オリゴマ−、(2)アクリル系モノマ−、(3)光重合開始剤、(4)重合禁止剤からなるもので、オリゴマ−はポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系アクリル酸エステル等で、光重合開始剤はベンゾフェノン、ベンゾインエ−テル等が使用できる。
一方、熱硬化性樹脂は加熱により架橋反応して硬化するバインダーである。その具体的な材料例としては、エポキシ樹脂、オリゴエステルアクリレート、フェノー樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が使用できる。
【0076】
<記録層>
記録層はレーザー光等の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録できるものであればよい。例えば、この記録層として色素が含有されているものが挙げられる。記録層の形成には色素を1種または複数の組合せで用いてもよい。さらに、記録層の光学特性、記録感度、信号特性等の向上の目的で他の有機色素、および金属、金属化合物と混合または積層化してもよい。有機色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、およびコロール誘導体や金属キレート化合物等が挙げられ、前記の色素を単独で用いてもよいし、2種以上の組合せにしてもよい。
【0077】
また、前記色素中に金属、金属化合物、例えばIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As、Cd等を分散混合あるは積層の形態で用いることもできる。さらに、前記色素中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の材料もしくはシランカップリング剤等を分散混合して用いてもよい。あるいは、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等と一緒に用いることができる。
【0078】
記録層の形成は蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶液塗布等の通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には前記染料等を有機溶媒等に溶解してスプレー、ローラーコーティング、ディッピング、あるいはスピンコーティング等の慣用のコーティング法によって行われる。
用いられる有機溶剤としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、あるいはベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類等を用いることができる。
記録層の膜厚は100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0079】
本発明の光記録媒体は、前記基板1、超解像マスク層2、記録層3の基本構成や下記反射層4以外に、目的や必要に応じて以下に示す下引き層、保護層、基板表面ハードコート層、保護基板等を設けてもよい。
【0080】
<反射層>
反射層には単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が用いられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn、Cu等が挙げられる。中でも反射率、生産性の点からAu、Ag、Al、Cuが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金として用いてもよい。
反射層の膜形成法としては蒸着、スッパタリング等が挙げられ、膜厚としては50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0081】
<下引き層>
下引き層は(a)接着性の向上、(b)水、またはガス等のバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板や記録層の保護、(f)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。
(a)の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質およびシランカップリング剤等を用いることができる。(b)および(c)の目的に対しては、前記高分子材料以外に、例えばSiO2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiN等の無機化合物あるいは、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等の金属または半金属を用いることができる。また、(d)の目的に対しては、金属、例えばAl、Ag等や金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等を用いることができる。(e)および(f)の目的に対しては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0082】
<保護層、基板表面ハードコート層>
保護層または基板表面ハードコート層は、(a)記録層を傷、ホコリ、汚れ等から保護すること、(b)記録層の保存安定性を向上すること、(c)反射率を向上すること等を目的として設けられる。
これらの目的に対しては、無機材料としてSiO、SiO2等も用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香属炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。
前記材料のうち保護層、または基板表面ハードコート層に最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化性樹脂である。保護層または基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0083】
本発明において、前記下引き層、保護層および基板表面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0084】
<保護基板>
保護基板はこの保護基板側からレーザー光を照射する場合、使用レーザー光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合には、透明性は問わない。使用可能な基板材料としては前記の基板材料と全く同様であり、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、またはガラス、セラミック、あるいは金属などを用いることができる。
【0085】
<接着材>
接着剤としては、2枚の光記録媒体を接着することができて安定性のあるものであればどのようなタイプのものでも構わないが生産性を考えた場合には、紫外線硬化型もしくはホットメルト型接着剤が好ましい。
【0086】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はなんら実施例に限定されるものではない。
【0087】
実施例1〜5
下記構造式(1)、(7)、(10)(12)、(15)で表されるコロール誘導体とアクリル系フォトポリマーの混合系(重合体/ポリマー:60/40wt%)からなるクロロホルム溶液をそれぞれ調製し、各溶液を厚さ1.0mmの石英基板上にスピンナー塗布した後、紫外線を照射して硬化させ、各評価用マスク膜を作製した。膜厚は、硬化膜中のコロール誘導体の最大吸収波長での吸光度が約1となるように設定した。
【0088】
【化27】
【0089】
【化28】
【0090】
【化29】
【0091】
【化30】
【0092】
【化31】
【0093】
実施例6
前記実施例1〜5において用いたコロール誘導体に替えて、下記構造式(2)で表されるコロール誘導体を用いたほかは、実施例1〜5と全く同様にして評価用マスク膜を作製した。
【0094】
【化32】
【0095】
比較例1
下記構造式(R−1)で示されるポルフィリン誘導体とポリスチレンを用いて、厚さ1.0mmの石英基板上に共蒸着させて膜を形成し評価用マスク膜を作製した。
【0096】
【化33】
【0097】
<評価>
前記実施例1〜6、および比較例1で作製した評価用マスク膜に、発振波長405nmの半導体レーザを照射して平衡に達したときの透過率を測定し、そのレーザ光強度と透過率の関係を調べた。評価結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
<評価結果>
本発明のコロール誘導体からなる評価用マスク膜は、いずれも405nmのレーザ光強度に対し、その透過率に顕著な非線形性が見られ超解像マスクとして機能することが確認できた。
一方、比較例の場合には、透過率がレーザ光強度に対して直線的に上昇する変化を示して非線形性は認められず、超解像マスクとして機能することは確認できなかった。
【0100】
【発明の効果】
本発明の、基板上に設けた記録層の記録・再生光が入射する側に、特定の構造を有するコロール誘導体を含有する超解像マスクを設けることにより、400〜550nmの短波長光の回折限界を超えた高記録密度で記録・再生を可能とし、さらに高転送速度を実現する光記録媒体が提供される。また、本発明の光記録媒体の記録・再生光として青色レーザを用いることにより、超解像現象を利用した高密度記録・再生の可能な光記録媒体の記録方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】超解像マスクによる光学開口形成を示す概念図である。
【図2】超解像マスク膜における入射光強度と透過率との非線形関係を示す概念図である。
【図3】本発明の光記録媒体において記録・再生光が基板側から入射する場合の構成例を示す層構成断面図である。
【図4】本発明の光記録媒体において記録・再生光が記録層から入射する場合の構成例を示す層構成断面図である。
【図5】本発明の光記録媒体において記録・再生光が基板側から入射する場合の反射層を有する構成例を示す層構成断面図である。
【図6】本発明の光記録媒体において記録光が記録層側、再生光が基板側から入射する場合の構成例を示す層構成断面図である。
【図7】本発明の光記録媒体において記録光が基板側、再生光が記録層側から入射する場合の構成例を示す層構成断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 超解像マスク層
2A 超解像マスク層(超解像記録層)
2B 超解像マスク層(超解像再生層)
3 記録層
4 反射層
Claims (10)
- 基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、前記記録層の記録・再生光が入射する側に、下記一般式( I )〜(V)で示されるコロール誘導体のいずれかを含有する超解像マスク層を設けたことを特徴とする光記録媒体。
- 前記コロール誘導体が金属コロール誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記コロール誘導体が原子量30以上の重原子で置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- 前記コロール誘導体がハロゲン原子で置換されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
- 前記ハロゲン原子がBrもしくはIであることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
- 前記超解像マスク層が、コロール誘導体と紫外線硬化性樹脂とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記超解像マスク層が、コロール誘導体と熱硬化性樹脂とからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記記録層の記録・再生光の入射側に設けられた前記超解像マスク層が超解像再生層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記記録層の記録・再生光の入射が該記録層の両側である場合に、該記録層を挟んで両側にそれぞれ設けられた超解像マスク層の一方が超解像記録層であり、他方が超解像再生層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体を、波長400nm〜550nmのレーザ光を用いて超解像マスク層側から照射し、記録・再生することを特徴とする光記録媒体の記録・再生方法。
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