JP4373023B2 - 光記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光記録媒体に関するものであって、特に光ビームを照射することにより、記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行ない、かつ追記が可能な光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板上に反射層を有する光記録媒体としてコンパクトディスク(CD)規格に対応した記録可能なCD(CD−R)が商品化されている。この光記録媒体は、記録層に波長770〜830nmのレーザ光を照射し、記録層に物理あるいは化学的な変化を起こし、また反射光を検出することにより、情報を記録再生する。加えて現在では、次世代大容量光ディスクとしてDVD−Rの開発が進められている。記録容量の向上の要素技術は、記録ピット微小化のための記録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット読みとりのための半導体レーザの短波長化等の技術開発が必要である。
【0003】
ところで最近、より短波長の半導体レーザの開発が進み、波長630〜660nmの赤色半導体レーザが実用化されている。しかし、これまで赤色波長域の半導体レーザは、バーコードリーダ、計測器用に670nm帯のAlGaInPレーザダイオードが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。この赤色レーザによれば、短波長化によりビーム径をより小さくすることができるので、高密度の光記録媒体の作用が可能となる。DVDドライブの場合、光源として約635nm帯と約655nm帯のレーザダイオードの2つの波長で規格化されている。高密度記録のためには、波長はより短波長であるのが望ましく、追記メディア用ドライブとしては波長635nmが好ましい。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長約655nmで商品化されている。
【0004】
このような状況下で最も好ましいDVD−Rメディアは、波長約635nm及び約650nmで記録、再生が可能なメディア(DVD−R)で、それに適用できる耐光性、保存安定性に優れた記録材料が望まれている。そして昨今、記録材料として、ポリメチン色素及びアゾ金属キレート色素の開発が盛んに進められている(特開平10−83577号、特開平10−119434号、特開平10−149583号、特開平10−188339号、特開平10−278426号、特開平8−295811号、特開平8−295812号、特開平9−332772号、特開平9−39394号、特開平10−6650号、特開平10−58828号、特開平10−157293号、特開平10−157300号、特開平10−188340号、特開平10−188341号公報)。
【0005】
ポリメチン色素中、特にシアニン色素は、光学特性的には優れており信号特性も満足すべき特性が得られるものの、耐光性が極めて悪くそれ単独では実用に耐えない。その改良として、光安定化材の開発が進められているが(特開平10−109475号、特開平10−109476号、特開平10−134413号、特開平10−151861号、特開平10−166739号公報)、光安定化能と信号特性を両立するものは未だ見いだされていない。また、アゾ金属キレート色素も信号特性は満足すべき特性が得られるが(特開平8−295079号、特開平9−193546号、特開平10−152623号、特開平10−154350)、充分な耐光性は得られていない。
【0006】
一方、ホルマザン金属キレート色素は光安定性が極めて高いことが知られ、光記録材料としての応用が試みられてきたが(特開平8−295079号、特開平9−193546号、特開平10−152623号、特開平10−154350号)、何れも吸収波長が長く、DVD−R用記録材料としては適していなかった。また、シアニン色素の光安定化材としての応用も試みられているが、光安定化機能が効率よく発揮できるためには、主色素の吸収波長に近接した吸収特性を有するホルマザン色素が必要となる。その意味で従来のホルマザン金属キレート色素は吸収波長が長波長すぎ、充分な光安定化能力を発揮できていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記従来システムに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザーを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能な、有機溶剤に対して溶解性が高く、耐光性、保存安定性および、記録信号特性、特にジッター・感度・変調度・プッシュプル特性に優れたDVD−R用のホルマザン金属キレート記録材料を提供することである。本発明の他の目的は、DVD−R用記録色素として優れた信号特性、特に優れたジッター・感度・変調度・プッシュプル特性を示すポリメチン色素及びアゾ金属色素の光安定性を向上させるホルマザン金属キレート光安定化材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は検討した結果、特定の構造を有するホルマザン金属キレート色素を主成分とする記録層が上記特性を有することを見出し、発振波長630〜700nm以下の半導体レーザーを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能で記録信号特性に優れた光記録媒体の開発に至った。
即ち、本発明の上記課題は下記(1)〜(9)によって達成される。
【0009】
(1)基板上に直接又は下引き層を介し記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層が下記一般式(I)で示される化合物を少なくとも1種含有してなることを特徴とする光記録媒体。
【化2】
(式中、Rはフッ素置換されたアルキル基を表し、Yは窒素原子を含む置換又は無置換の5員環または6員環を形成する残基を表し、Zは置換又は無置換のアリール基を表す。Mは金属原子を表し、nはMに配位するホルマザン配位子の数を表し、前記窒素原子を含む置換又は無置換の5員環または6員環が、置換又は無置換のトリアジン環である。
【0010】
(2)前記一般式(I)中、Mが鉄、コバルト、ニッケル、銅または亜鉛であることを特徴とする上記(1)に記載の光記録媒体。
【0011】
(3)前記一般式(I)中、置換基Rが直鎖または枝分れした炭素数1から5のフッ化アルキル基であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の光記録媒体。
【0012】
(4)前記一般式(I)中、置換基Rがトリフルオロメチル基であることを特徴とする上記(3)に記載の光記録媒体。
【0014】
)前記記録層が、前記一般式(I)で表される化合物と550〜630nmに吸収極大波長を有する光吸収性色素との混合層からなることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の光記録媒体。
【0015】
)前記光吸収性色素がポリメチン色素又はアゾ金属キレート色素であり、該ポリメチン色素又はアゾ金属キレート色素の最大吸収波長の−50nmより長波長に吸収極大波長を有する一般式(I)で表されるとの混合層からなる上記(1)〜()のいずれかに記載の光記録媒体。
【0016】
)前記ポリメチン色素がシアニン色素である上記()に記載の光記録媒体。
【0017】
)上記(1)〜()のいずれかに記載の光記録媒体において、630〜700nmの波長の光を用いて情報の記録および再生を行うことを特徴とする光記録媒体。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の光記録媒体は、追記型光ディスクの構造(基板上に記録層を設けたものを2枚貼り合わせたいわゆるエアーサンドイッチ構造)としてもよく、CD−R構造(基板上に記録層、反射層、保護層を積層した構造)としてもよく、またCD−R構造を貼り合わせた構造としてもよい。
【0019】
(基板)
用いる基板としては基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザーに対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行なう場合基板は透明である必要はない。基板材料としては例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック又は、ガラス、セラミックあるいは、金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、さらにアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
【0020】
(記録層)
記録層はレーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録するものであって、この記録層中には本発明の前記一般式(I)で示される化合物を少なくとも1種含有してなることが必要である。
【0021】
一般式(I)中のRは直鎖または分岐のフッ素置換されたアルキル基を表し、Yは窒素原子を含む置換または無置換の5員環または6員環であり、チアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環等を形成する残基を表す。これらの含窒素複素環は、置換基を有していても良いし、他の芳香環が縮合していても良い。Zはアリール基を表し、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、カルボキシル基又はそのエステル、ニトリル基、ニトロ基等の置換基を有していても良い。Mは2価の金属原子を表し、nはMに配位するホルマザン配位子の数を表す。
【0022】
金属原子の具体例は、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジリコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム等が挙げられるが、光学特性、保存安定性及び光安定性の面から、特に鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、パラジウムが好ましく、コバルト、ニッケル、銅がより好ましい。
【0023】
上記アルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の一級アルキル基、イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基等の二級アルキル基、ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の三級アルキル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンチル基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0024】
更に、これら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0025】
上記アリール基の具体例には、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、アセナフタレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、アントラニル基、フルオラセニル基、アセフェナントラレニル基、アセアントリレン基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等が挙げられる。更に、これらアリール基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。
【0026】
上記アルコキシ基の具体例は、酸素原子に直接置換又は無置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができ、上記アリールオキシ基の具体例は、酸素原子に直接置換又は無置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリールの具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
【0027】
記録層の形成に当たっては、本発明の一般式(I)で表される色素化合物(ホルマザン金属キレート色素)が1種、又は2種以上の組み合わせで用いても良い。さらに、本発明のホルマザン金属キレート色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。
【0028】
前記他の有機色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン色素、フタロシアニン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素(インダンスレン色素)、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、アズレン色素、テトラヒドロコリン色素、フェナンスレン色素、トリフェノチアジン色素及びその金属錯体化合物などが挙げられる。
また、金属、金属化合物の例としてはIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As、Cd、などが挙げられ、それぞれを分散混合あるいは積層の形態で用いることができる。
【0029】
また、上記の他の有機色素を光安定化材として用いる場合は、550〜630nmに吸収極大波長を有する色素が選択され、これと本発明のホルマザン金属キレートを混合して使用する。この場合、本発明のホルマザン金属キレート色素は、上記他の有機色素(光安定化材)の最大吸収波長−50nmより長波長に吸収を持つことがその効率上好ましい。これら波長域の選択により、吸収体近傍の長波長域である630〜700nmにおいて記録材色素の最も大きな屈折率が得られるため、発振波長630〜700nmの半導体レーザー適合性を得ると同時に、最大の記録再生効率(変調度)が得られる。
【0030】
上記他の有機色素のうち、550nm〜630nmに吸収最大波長のある色素の好ましい例としては、ポリメチン色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素(インダンスレン系)、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、テトラヒドロコリン色素、フェナンスレン色素、トリフェノチアジン色素、アゾ金属キレート色素等があり、光学特性からポリメチン色素、アゾ金属キレート色素が特に好ましい。
【0031】
さらに、上記色素中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料もしくはシランカップリング剤などを分散混合しても良く、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などと散混合してもよい。
【0032】
記録層の形成方法としては蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布などの通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング及び、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行うことが出来る。
【0033】
用いられる有機溶媒としては一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、などのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、などの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。
【0034】
記録層の膜厚は100Å〜10μm好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0035】
(下引き層)
下引き層は(i)接着性の向上、(ii)水又はガスなどのバリアー、(iii)記録層の保存安定性の向上、(iv)反射率の向上、(v)溶剤からの基板の保護、(vi)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。(i)の目的に対しては高分子材料例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物及び、シランカップリング剤などを用いることができ、(ii)及び(iii)の目的に対しては上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiNなどがあり、さらに金属又は半金属例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al、などを用いることができる。また、(iv)の目的に対しては金属、例えば、Al、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料などを挙げることができ、(v)、(vi)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
【0036】
下引き層の膜厚としては0.01〜30μmであり、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0037】
(金属反射層)
金属反射層は単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。膜形成法としては蒸着、スッパタリングなどが挙げられる。
【0038】
金属反射層の膜厚は50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0039】
(保護層又は基板面ハードコート層)
保護層及び基板面ハードコート層は(i)記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(ii)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(iii)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。また、無機材料として、SiO、SiO2、なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
【0040】
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0041】
本発明において、前記下引き層、保護層、及び、基板面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0042】
下記に本発明で用いられるホルマザン金属キレートの代表的を例示する。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0043】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
【0044】
(実施例1)
深さ1600Å、半値幅0.30μm、トラックピッチ0.8μmの案内溝を有する厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、化合物例No.21と下記シアニン色素1との混合色素(重量比5/5)をテトラフルオロプロパノールに溶解した溶液をスピンナー塗布し、厚さ700Åの有機色素層を形成し、次いで、スパッタ法により金2000Åの反射層を設け、さらにその上にアクリル系フォトポリマーにて5μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート平基板と貼り合わせ光記録媒体とした。
【化3】
【0045】
(実施例2、3、4、5、6)
実施例1における化合物No.21の代わりに化合物例No.23、25、27、29、33を用いた以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を得た。
【0046】
(実施例7)
実施例1におけるシアニン色素1の代わりに下記アゾ色素1を用いた以外は、実施例1と全く同様に光記録媒体を得た。
【化4】
【0047】
(比較例1、2、3、4)
実施例1で有機薄膜として、化合物例No.21の代わりに下記比−1、比−2、比−3、比−4の化合物を用いて光記録媒体とした。
【化5】
【0048】
(記録条件)
これら光記録媒体に発振波長658nmの半導体レーザー光を用い、トラッキングしながらEFM信号(線速3.0m/sec、最短マーク長0.4μm)を記録し、発振波長658nmの半導体レーザーの連続光(再生パワー0.7mWで再生し、再生波形を観察した。結果を表6に示す。
【0049】
【表6】
【0050】
評価結果から、本発明のホルマザン金属キレート色素を用いた場合の反射率は比較例(45〜46%)に比べて高反射率(48〜49%)を示し、変調度は比較例(60〜62%)に比べて高変調度(67〜75%)を示し、感度は比較例(8.8〜9.6mW)に比べて高感度(8.0〜8.5mW)を示し、プッシュプル信号は比較例(430〜530mV)に比べて高性能(550〜620mV)を示し、ピットジッターは比較例(14.8〜16.1%)に比べて良好な信号特性(10.0〜10.6%)を示す事が観測された。
【0051】
(実施例9、10)
厚さ1.2mmの射出成形ポリカーボネート平板上に、上記シアニン色素1と化合物例No.21とを重量比(10/2)及び重量比(10/4)の混合物をテトラフルオロプロパノール溶解し、スピンナー塗布して、厚さ1000Åの有機色素層を形成した。この色素薄膜をタングステンランプ、5万ルクス下に置き、色素の吸光度の変化を測定した。結果を表7に示す。
【0052】
(実施例11、12)
実施例9、10で化合物(シアニン色素1)の代わりに、(アゾ色素1)を用いた以外は、実施例9、10と全く同様に色素薄膜をえた。この色素薄膜をタングステンランプ、5万ルクス下に置き、色素の吸光度の変化を測定した。結果を表7に示す。
【0053】
(比較例5)
実施例9で化合物(シアニン色素1)のみの色素薄膜とした。この色素薄膜をタングステンランプ、5万ルクス下に置き、色素の吸光度の変化を測定した。結果を表7に示す。
【0054】
(比較例6)
実施例11で化合物(アゾ色素1)のみの色素薄膜とした。この色素薄膜をタングステンランプ、5万ルクス下に置き、色素の吸光度の変化を測定した。結果を表7に示す。
【0055】
【表7】
【0056】
化合物例No.1、8、19、20、22、24、31でも同様に顕著な光安定化効果を得た。
【0057】
【発明の効果】
上記の通り本発明のホルマザン金属キレート色素は、塗布によるコーティングが可能で、耐光性、保存安定性、記録信号特性、特にジッター・感度・変調度・プッシュプル特性に優れた記録メディアが提供できる。
【0058】
請求項1の発明によれば、700nm以下の波長域のレーザー光で高密度記録、再生が可能で耐光性に優れた光記録媒体が提供できる。
請求項2の発明によれば、その好ましい化学構造で優れた光記録媒体が提供できる。
請求項3〜5の発明によれば、最適な化学構造により信号記録性能に優れた光記録媒体が提供でき、
請求項6の発明によれば、光安定化材として用いる光記録媒体が提供できる。
請求項7の発明によれば、光安定化材としてより効率の良く作用する基本構成を示し、光記録媒体が提供される。
請求項8の発明によれば、その好ましい材料構成を示し、優れた光記録媒体が提供できる。
請求項9の発明によれば、記録変調度に優れた光記録媒体が提供できる。

Claims (8)

  1. 基板上に直接又は下引き層を介し記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層が下記一般式(I)で示される化合物を少なくとも1種含有してなることを特徴とする光記録媒体。
    (式中、Rはフッ素置換されたアルキル基を表し、Yは窒素原子を含む置換又は無置換の5員環または6員環を形成する残基を表し、Zは置換又は無置換のアリール基を表す。Mは金属原子を表し、nはMに配位するホルマザン配位子の数を表し、前記窒素原子を含む置換又は無置換の5員環または6員環が、置換又は無置換のトリアジン環である。
  2. 前記一般式(I)中、Mが鉄、コバルト、ニッケル、銅または亜鉛であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 前記一般式(I)中、置換基Rが直鎖または枝分れした炭素数1から5のフッ化アルキル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 前記一般式(I)中、置換基Rがトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 前記記録層が、前記一般式(I)で表される化合物と550〜630nmに吸収極大波長を有する光吸収性色素との混合層からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 前記光吸収性色素がポリメチン色素又はアゾ金属キレート色素であり、該ポリメチン色素又はアゾ金属キレート色素の最大吸収波長の−50nmより長波長に吸収極大波長を有する一般式(I)で表される化合物との混合層からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体。
  7. 前記ポリメチン色素がシアニン色素であることを特徴とする請求項6記載の光記録媒体。
  8. 請求項1〜7記載の光記録媒体において、630〜700nmの波長の光を用いて情報の記録および再生を行うことを特徴とする光記録媒体。
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