JP4252874B2 - 光記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、大容量追記型光記録媒体に関する。
現在、次世代大容量光ディスクとして追記型DVD媒体の開発が進められている。記録容量向上のためには、記録ピット微少化のための記録材料、MPEG2に代表される画像圧縮技術、記録ピット読み取りのための半導体レーザの短波長化等の要素技術の開発が必要である。
これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダ、計測器用に670nm帯のAlGaInP半導体レーザが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブの場合、光源として630〜690nm帯の半導体レーザの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長約650nmで商品化されている。
このような状況下で最も好ましい追記型DVD媒体は、波長630〜690nmで記録、再生が可能な媒体である。今日までにシアニン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スチリル色素、ホルマザン色素、スクアリリウム色素等の様々な色素系材料が記録層として提案されてきた。特許文献としては枚挙に暇が無いが、比較的最近のものとして特許文献1〜8が挙げられる。
しかしながら、これらの材料は、色素系媒体の特徴である高反射率を得るために、図1のように色素膜の吸収スペクトルの吸収帯の長波長端が、記録、再生波長になるように設計されているために、波長依存性が大きいという問題点があった。一方、記録型DVDドライブ等に用いられる半導体レーザは使用環境により発振波長が変動する事が知られている。特に高温度の環境に置かれた場合、発振波長が長波長にシフトしてしまうため、記録層に用いられている色素材料の消衰係数kが小さくなり記録感度が不足してしまう、と言う問題点があった。
特開平10−235999号公報 特開平10−273484号公報 特開2001−80211号公報 特開平11−165466号公報 特開平10−337958号公報 特開2001−322356号公報 特開平10−309872号公報 特開2001−67732号公報
本発明は、従来の光記録媒体に比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる追記型DVDディスクシステムに適用可能な光記録媒体、特に記録波長依存性を低減した光記録媒体の提供を目的とする。
本発明者等は、種々検討した結果、従来の追記型DVD媒体の記録材料であって、各々の膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が500〜650nmの範囲にあるホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の混合色素材料に、その膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が650〜800nmの範囲にあるジアリールアミン化合物を添加することにより、半導体レーザの波長シフトに対する依存性の少ない光記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題は、次の1)〜)の発明(以下、本発明1〜という)によって解決される。
1) 基板上に少なくとも記録層を有し、該記録層中に、(i)ホルマザン化合物と金属からなるホルマザン金属キレート化合物、(ii)トリメチンシアニン化合物、(iii)ジアリールアミン化合物の3種の化合物を含有し、化合物(i)と(ii)の膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が500〜650nmの範囲にあり、化合物(iii)の膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が650〜800nmの範囲にあり、ジアリールアミン化合物の配合量が、ホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の総量に対して0.5〜20重量%であり、かつジアリールアミン化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする光記録媒体。
Figure 0004252874
(式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルキルアミノ基を示し、Qはアニオンを示す)
2) ホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の配合割合が、重量比で10:90〜50:50であることを特徴とする1)記載の光記録媒体。
3) ホルマザン金属キレート化合物を形成するホルマザン化合物が、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される化合物からなることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
Figure 0004252874
(式中、環αは窒素原子を含む置換若しくは無置換の5員環又は6員環を示し、Zは環αを形成する原子群を示し、環αには他の環が縮合していても良く、Aは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基又は置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基を示し、Bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
Figure 0004252874
(式中、環β及び環γは、同一又は異なっていてもよく、それぞれ窒素原子を含む置換若しくは無置換の5員環又は6員環を示し、Z、Zはそれぞれ環β及び環γを形成する原子群を示し、環β及び環γには他の環が縮合していても良く、A、Aは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基又は置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基を示し、B、Bは置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示し、Wは、−CH−、又は−SO−を示し、nは0又は1の整数である。)
4) ホルマザン金属キレート化合物を形成する金属が、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びパラジウムの中から選ばれる金属であるか又はこれらの金属の酸化物若しくはハロゲン化物であることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の光記録媒体。
5) トリメチンシアニン化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
Figure 0004252874
(式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい脂肪族基を示し、Xはアニオンを示し、Yは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアルコキシ基を示す。)
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の光記録媒体は、その記録層中に、前記特定の最大吸収波長を持つ3種の化合物、即ちホルマザン化合物と金属からなるホルマザン金属キレート化合物、トリメチンシアニン化合物及びジアリールアミン化合物を含有する。500〜650nmの範囲に最大吸収波長を持つホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の混合物に、650〜800nm(記録再生波長付近)の範囲に最大吸収波長を持つジアリールアミン化合物を特定量添加することにより、追記型DVD媒体の基本特性は維持しながら、半導体レーザの波長シフト(記録レーザの波長変動)に対する記録感度の低下、いわゆる波長依存性を低減させることができる。
ジアリールアミン化合物は、ホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の総量に対して0.5〜20重量%含有させる必要があり、1〜5重量%含有させることが好ましい。ジアリールアミン化合物の配合量が上記範囲であれば、反射率を維持したまま波長依存性を低減させることができる。
また、記録層中のホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の配合割合は、重量比で10:90〜50:50とするのが好ましい。トリメチンシアニン化合物の配合量が上記範囲であれば、高い反射率が得られるし、ホルマザン金属キレート化合物が効果的に働き高い耐光性が得られる。
ホルマザン化合物としては、従来公知の各種のものを用いることができるが、好ましくは前記一般式(1)及び(2)で表されるものの中から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
前記一般式(1)及び(2)中、環α、環β、環γはそれぞれ置換若しくは無置換の含窒素5員環又は6員環を示し、Z、Z、Zはそれぞれ、環α、環β、環γを形成する原子群を示す。このような原子群には、炭素原子の他、ヘテロ原子が包含されていても良い。また、ヘテロ原子には、窒素原子(−N−)、イオウ原子(−S−)、酸素原子(−O−)、セレン原子(−Se−)等が包含される。
環α、環β、環γには、それぞれ他の環δが結合していてもよい。この場合の環δには炭素環の他、複素環が包含される。炭素環の場合、その環構成炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10である。その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。一方、複素環の場合、その環構成原子数は好ましくは5〜20、より好ましくは5〜14である。その具体例としては、ピロリジン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、インドリン環、カルバゾール環等が挙げられる。
環α、環β、環γの具体例を示すと、チアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環等が挙げられる。
環α、環β、環γに結合する置換基の具体例としては、それぞれ独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボキサミド基、置換基を有していてもよいアリールカルボキサミド基、置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルファモイル基等が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)において、A、A、Aは、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基又は置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基を示す。この場合のアルキル基及びアルケニル基には、鎖状及び環状のものが包含される。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15、より好ましくは1〜8である。アルケニル基の炭素数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。
前記一般式(1)において、Bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。この場合のアルキル基及びアルケニル基には、鎖状及び環状のものが包含される。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15、より好ましくは1〜8であり、アルケニル基の炭素数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。アリール基において、その炭素数は好ましくは6〜18、より好ましくは6〜14である。
前記一般式(2)において、B、Bは、それぞれ置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。この場合のアルキレン基及びアルケニレン基には、鎖状及び環状のものが包含される。アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜15、より好ましくは1〜8である。アルケニレン基の炭素数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。アリーレン基の炭素数は好ましくは6〜18、より好ましくは6〜14である。
前記各アルキル基としては炭素数1〜15のものが好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の分岐状アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基等が挙げられるが、中でも、炭素数1〜8のものが好ましい。
前記各アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基等で置換されていてもよく、また、特定の置換基(例えばハロゲン原子やニトロ基)を有していてもよいアリール基や複素環基等で置換されていても良い。更に、酸素、硫黄、窒素等のヘテロ原子を介して前記アルキル基等の他の炭化水素基で置換されていてもよい。
酸素を介して他の炭化水素基で置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基等のアルコキシ基やアリールオキシ基等で置換されたアルキル基が挙げられる。これらのアルコキシ基やアリールオキシ基は置換基を有していてもよい。
硫黄を介して他の炭化水素基で置換されたアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等のアルキルチオ基やアリールチオ基等で置換されたアルキル基が挙げられる。これらのアルキルチオ基やアリールチオ基は置換基を有していてもよい。
窒素を介して他の炭化水素基で置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、フェニルアミノメチル基等のアルキルアミノ基やアリールアミノ基等で置換されたアルキル基が挙げられる。これらのアルキルアミノ基やアリールアミノ基は置換基を有していてもよい。
前記アルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好ましく、具体例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、メタクリル基、クロチル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2―ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−オクテニル基等が挙げられる。アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の場合と同様のものが挙げられる。
前記アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
前記アルキレン基及びアルケニレン基としては、前記アルキル基及びアルケニル基から水素原子を一つ除いたものが挙げられる。
前記アリーレン基としては、前記アリール基から水素原子を一つ除いたものが挙げられる。
また、前記アリール基及びアリーレン基は、アルキル基、アルケニル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、特定の置換基(例えばハロゲン原子やニトロ基)を有していてもよいアリール基、特定の置換基(例えばハロゲン原子やニトロ基)を有していてもよい複素環基で置換されていてもよい。ここで、アルキル基、アルケニル基、アリール基としては、前記と同様のものが挙げられ、ハロゲン原子としては、後述するものと同様のものが挙げられる。
前記複素環基の具体例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノキサリニル基等があげられる。
また、前記複素環基は、水酸基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、特定の置換基(例えばハロゲン原子やニトロ基)を有していてもよいアリール基、特定の置換基(例えばハロゲン原子やニトロ基)を有していてもよい複素環基等により置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等のヘテロ原子を介して前記したアルキル基等の炭化水素基で置換されていてもよい。ここで、アルキル基、アルケニル基、アリール基としては、前記と同様のものが挙げられる。
前記ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルコキシ基は、酸素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであれば良い。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアリールオキシ基は、酸素原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであれば良い。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルキルチオ基は、硫黄原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであれば良い。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアリールチオ基は、硫黄原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであれば良い。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルキルアミノ基は、窒素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであれば良い。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。また、アルキル基同士が結合し、酸素原子、窒素原子等を含んでピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基のように環を形成していても良い。
前記置換基を有していてもよいアリールアミノ基は、窒素原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであれば良い。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基は、カルボニル基の炭素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアリールカルボニル基は、カルボニル基の炭素原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであればよい。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基は、酸素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであればよい。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基は、酸素原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであればよい。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルキルカルボキサミド基は、カルボキサミドの炭素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであればよい。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
置換基を有していてもよいアリールカルボキサミド基は、カルボキサミドの炭素原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであればよい。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルキルカルバモイル基は、カルバモイル基の窒素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであれば良い。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。また、アルキル基同士が結合し、酸素原子、窒素原子等を含んでピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基のように環を形成していても良い。
前記置換基を有していてもよいアリールカルバモイル基は、カルバモイル基の窒素原子に直接、置換基を有していてもよいアリール基が結合されているものであればよい。そのアリール基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
前記置換基を有していてもよいアルキルスルファモイル基は、スルファモイル基の窒素原子に直接、置換基を有していてもよいアルキル基が結合されているものであればよい。そのアルキル基及び置換基の具体例としては、前述の具体例を挙げることができる。
ホルマザン金属キレート化合物における金属は、ホルマザン化合物にキレートを形成し得る金属又は金属化合物であればよく、このようなものには、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム及びこれらの酸化物やハロゲン化物等が包含される。本発明では、特に、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、パラジウムが好ましく、これらの金属のホルマザン金属キレート化合物を用いた本発明の光記録媒体は、光学特性が優れている。ハロゲン化物の中では、塩化物が好ましく使用される。
前記一般式(1)及び(2)で表されるホルマザン金属キレート化合物の具体例を表2(1)〜(3)に示す。表中、Phはフェニル基を表す。
次に、トリメチンシアニン化合物について説明する。
トリメチンシアニン化合物としては、従来公知の各種のものを用いることができるが、
本発明の光記録媒体は、波長600〜720nmの記録再生用レーザ光を用いることが好ましく、この波長での光学特性から、特に前記一般式(3)で表されるものが好ましい。
前記置換基を有していてもよい脂肪族基の炭素数は1〜12、好ましくは1〜6である。この脂肪族基にはアルキル基及びアルケニル基が包含される。また、このアルキル基やアルケニル基は鎖状でも環状でもよい。更に、この脂肪族基は、その主鎖中に酸素原子や窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。置換基の具体例としては、前記一般式(1)に関して示した各種のものを示すことができる。
Yが置換基を有していても良いアルキル基、アルコキシ基である場合の具体例としては、前記一般式(1)に関して示した各種のものを示すことができる。
アニオンXの具体例としては、I、ClO 、BF 、PF 、SbF 、TsO等を挙げることができる。
前記一般式(3)で表される化合物の具体例を表3(1)〜(3)に示す。
次に、ジアリールアミン化合物について説明する。
本発明で用いるジアリールアミン化合物は、その膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が650〜800nmの範囲にあるものであればよく、従来公知の各種のものを用いることができるが、特に前記一般式(4)で表されるものが好ましい。
前記アニオンQの具体例としてはI、ClO 、BF 、PF 、SbF 等を挙げることができる。
前記R〜Rのアルキル基の炭素数は1〜15、好ましくは1〜8である。また、その置換基の具体例としては、前記一般式(1)に関して示した各種のものを示すことができる。
前記一般式(4)で表される化合物の具体例を表4に示す。
本発明の光記録媒体の記録層は次のような光学特性及び耐光性を持つことが望ましい。即ち、光学特性としては、記録再生波長である600〜720nmに対して短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ記録再生波長が該吸収帯の長波長端近傍にあることが好ましい。これは、記録再生波長である600〜720nmで大きな屈折率と消衰係数を有することを意味する。具体的には、記録再生波長±5nmの波長領域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.3の範囲にあることが好ましい。nが1.5以上であれば十分な光学的変化が得られ、記録変調度が高くなるので好ましく、nが3.0以下であれば波長依存性が高くならず、記録再生波長領域であっても再生エラーが起き難いので好ましい。また、kが0.02以上であれば記録感度が良くなるので好ましく、kが0.3以下であれば50%以上の反射率を得やすいので好ましい。また、吸光係数が大きいほど屈折率nも大きく取れるため、そのlogε(εはモル吸光係数)は5以上のものが好ましい。
また耐光性としては、繰り返し100万回以上の再生安定性と室内放置下で褪色しない堅牢性があることが好ましい。
基板は通常、深さ1000〜2500Åの案内溝を有している。案内溝のピッチ(トラックピッチ)は、通常0.7〜1.0μmであるが、高容量化の用途には0.7〜0.8μmが好ましい。溝幅は、半値幅で0.18〜0.40μmが好ましい。0.18μm以上であれば十分なトラッキングエラー信号強度を得やすく好ましい。また、0.40μm以下であれば、記録したときに記録部が横に広がり難く好ましい。
次に、本発明の光記録媒体の構成について述べる。
図2は、本発明の光記録媒体に適用し得る層構成例を示す図で、これは追記型光ディスクの例である。基板1の上に、必要に応じて下引き層3を介して記録層2が設けられ、更に、必要に応じて保護層4が設けられている。また、必要に応じて基板1の下にハードコート層5を設けることができる。
図3は、本発明の光記録媒体に適用し得る別のタイプの層構成例を示す図で、これはCD−R媒体の例である。図2の構成の記録層2の上に反射層6が設けられている。
図4は、本発明の光記録媒体に適用し得る別のタイプ(DVD−R用)の層構成例を示す図で、この場合、図3の構成の保護層4の上に接着層8と保護基板7が設けられている。
上記図2、図3は、CD系の層構成であるが、現在DVDに用いられている波長の光にも適用可能である。
また、本発明の光記録媒体は、図2及び図3に示した構成の記録層(有機薄膜層)を内側にして、他の基板と空間を介して密封したエアーサンドイッチ構造にすることもできるし、また保護層を介して接着した貼合せ構造にすることもできる。
本発明の光記録媒体を追記型DVD媒体として適用する場合の光記録媒体の構成としては、第1基板と第2基板を記録層を介して接着剤で貼り合わせた構造を基本構造とする。記録層は有機色素単層でもよく、反射層を高めるため有機色素層と金属反射層との積層でもよい。記録層と基板の間には下引き層や保護層を設けてもよく、機能向上のためにそれらの層を積層化した構成でもよい。最も一般的に用いられるのは、第1基板/有機色素層/金属反射層/保護層/接着層/第2基板からなる構造である。
以下、上記各層について順に説明する。
<基板>
基板の必要特性としては基板側より記録再生を行う場合のみ使用レーザ光に対して透明であればよく、記録層側から記録、再生を行う場合には透明である必要はない。従って、本発明では、基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は、例えば一方の基板(第2基板)のみが透明であれば、他方の基板(第1基板)の透明、不透明は問わない。
基板材料としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、或いは金属等を用いることができる。
なお、基板を1層しか用いない場合は、その基板表面に、また基板2枚をサンドイッチ状で用いる場合は第1基板の表面に、トラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマットが形成されていても良い。
<記録層>
記録層はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生じ、その変化により情報を記録できるものであって、前述した本発明の特徴である色素混合物(ホルマザン金属キレート化合物、トリメチンシアニン化合物、ジアリールアミン化合物の混合物)が含有されていることが必要である。
記録層の形成に当っては、前記本発明の特徴とする3種の色素を混合するが、各々の色素は単独でも複数の組合せでもよい。更に、該3種の色素の他に、光学特性、記録感度、信号特性等の向上の目的で他の有機色素を混合したり積層したりしても良い。
このような他の有機色素の例としては、ポリメチン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系色素、及びそれらの金属キレート化合物等が挙げられ、これらの色素は、単独で用いても2種以上の組合せで用いてもよい。
前記色素中に金属又は金属化合物、例えばIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As、Cd等を分散混合するか、或いは積層の形態で用いることもできる。
更に、前記色素中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の材料やシランカップリング剤等を分散混合して用いてもよいし、或いは特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を一緒に用いることもできる。
記録層の形成は蒸着、スパッタリング、CVD又は溶液塗布等の通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には前記染料等を有機溶剤等に溶解してスプレー、ローラーコーティング、ディッピング、スピンコーティング等の慣用のコーティング法によって行われる。
用いられる有機溶剤としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類等が挙げられる。
記録層の膜厚は好ましくは100Å〜10μm、より好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
<下引き層>
下引き層は、(a)接着性の向上、(b)水又はガス等のバリアー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板や記録層の保護、(f)案内溝・案内ピット・プレフォーマット等の形成等を目的として使用される。
(a)の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、及びシランカップリング剤等を用いることができ、(b)及び(c)の目的に対しては、前記高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiN等、更に金属、又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al等を用いることができる。また(d)の目的に対しては金属、例えばAl、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料等を用いることができ、(e)及び(f)の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚は好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmが適当である。
<反射層>
反射層の材料としては、単体で高反射率の得られる腐食され難い金属、半金属等が好ましく、その具体例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn、Cu等が挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Al、Cuが最も好ましい。これらの金属、半金属は単独で使用しても、2種以上の合金として用いても良い。
反射層の膜形成法としては蒸着、スパッタリング等が挙げられる。
膜厚は、好ましくは50〜5000Å、より好ましくは100〜3000Åである。
<保護層、基板表面ハードコート層>
保護層又は基板表面ハードコート層は、(a)記録層の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(b)記録層の保存安定性の向上、(c)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。また、無機材料としてSiO、SiO等も用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂、紫外線硬化樹脂も用いることができる。前記材料のうち保護層又は基板表面ハードコート層に最も好ましいのは生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板表面ハードコート層の膜厚は好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmが適当である。
本発明においては、前記下引き層、保護層及び基板表面ハードコート層には、記録層の場合と同様に安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
<保護基板>
保護基板は、この保護基板側からレーザ光を照射する場合には使用レーザ光に対し透明でなくてはならないが、単なる保護板として用いる場合には透明性は問わない。使用可能な保護基板材料は前記の基板材料と全く同様である。
<接着材、接着層>
2枚の記録媒体を接着できる材料ならば何でもよく、生産性を考えると紫外線硬化型又はホットメルト型接着剤が好ましい。
本発明1〜によれば、600〜720nmの波長域のレーザ光で記録、再生が可能であり、耐光性、保存安定性に優れた光記録媒体を提供できる。特に、ホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物のみの混合物を用いたときに比べて、半導体レーザの波長シフトに対する依存性の少ない光記録媒体の提供が可能となる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
溝深さ1750Å、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を有する厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、化合物例A−9、B−7、C−4の混合物(混合比は表1参照)を2,2,3,3−テトラフルオルプロパノールに溶解させ、その溶液をスピンナー塗布して厚さ1000Åの有機色素層を形成した。
次いで、スパッタ法により厚さ1300Åの金の反射層を設け、その上にアクリル系フォトポリマー(サンノプコ製・ノプコキュア134)からなる厚さ5μmの保護層を設けた。
最後に、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート基板をアクリル系フォトポリマー(日本化薬製・DVD003)により接着して光記録媒体を得た。
実施例2〜11
3種類の色素を、表1の実施例2〜11の欄に示すような組み合わせに変えた点以外は、実施例1と全く同様にして光記録媒体を得た。
比較例1〜3
3種類の色素を、表1の比較例1〜3の欄に示すような組み合わせに変えた点以外は、実施例1と全く同様にして光記録媒体を得た。但し、比較例1はジアリールアミン化合物を含まない例である。
<記録条件>
上記のようにして作成した実施例1〜10及び比較例1〜3の光記録媒体に対し、発振波長658nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながら(線速3.5m/sec.)記録し、発振波長658nmの半導体レーザの連続光(再生パワー0.7mW)で再生し、再生波形を観察した。更に、発振波長670nmの半導体レーザでも同様な記録・再生を行った。その評価結果を表1に示す。
Figure 0004252874
表1から分るように、比較例1、3は658nmでの記録感度は実施例と同等であるが、実施例に比べて670nmでの記録感度が悪い。また、比較例2は実施例に比べて何れの波長においても反射率が低い。これに対し、実施例は、658nm、670nmの何れにおいても反射率、記録感度共に良好であり、波長依存性が小さい。
化合物例
Figure 0004252874
Figure 0004252874
Figure 0004252874
Figure 0004252874
Figure 0004252874
Figure 0004252874
Figure 0004252874
記録層に用いる色素混合物の吸収スペクトルと記録再生波長の関係を表す図である。 (a)〜(d)は、通常の追記型光記録媒体を表す図である。 (a)〜(c)は、CD−R用光記録媒体の構成を表す図である。 (a)〜(c)は、追記型DVD用光記録媒体の構成を表す図である。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 ハードコート層
6 反射層
7 保護基板
8 接着層

Claims (5)

  1. 基板上に少なくとも記録層を有し、該記録層中に、(i)ホルマザン化合物と金属からなるホルマザン金属キレート化合物、(ii)トリメチンシアニン化合物、(iii)ジアリールアミン化合物の3種の化合物を含有し、化合物(i)と(ii)の膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が500〜650nmの範囲にあり、化合物(iii)の膜の吸収スペクトルの最大吸収波長が650〜800nmの範囲にあり、ジアリールアミン化合物の配合量が、ホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の総量に対して0.5〜20重量%であり、かつジアリールアミン化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする光記録媒体。
    Figure 0004252874
    (式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルキルアミノ基を示し、Qはアニオンを示す)
  2. ホルマザン金属キレート化合物とトリメチンシアニン化合物の配合割合が、重量比で10:90〜50:50であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. ホルマザン金属キレート化合物を形成するホルマザン化合物が、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される化合物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
    Figure 0004252874
    (式中、環αは窒素原子を含む置換若しくは無置換の5員環又は6員環を示し、Zは環αを形成する原子群を示し、環αには他の環が縮合していても良く、Aは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基又は置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基を示し、Bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
    Figure 0004252874
    (式中、環β及び環γは、同一又は異なっていてもよく、それぞれ窒素原子を含む置換若しくは無置換の5員環又は6員環を示し、Z、Zはそれぞれ環β及び環γを形成する原子群を示し、環β及び環γには他の環が縮合していても良く、A、Aは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい複素環基又は置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基を示し、B、Bは置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示し、Wは、−CH−、又は−SO−を示し、nは0又は1の整数である。)
  4. ホルマザン金属キレート化合物を形成する金属が、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びパラジウムの中から選ばれる金属であるか又はこれらの金属の酸化物若しくはハロゲン化物であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光記録媒体。
  5. トリメチンシアニン化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体。
    Figure 0004252874
    (式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい脂肪族基を示し、Xはアニオンを示し、Yは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアルコキシ基を示す。)
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