JPH09219164A - 電子発生装置、それを用いた画像形成装置とそれらの駆動方法 - Google Patents

電子発生装置、それを用いた画像形成装置とそれらの駆動方法

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JPH09219164A
JPH09219164A JP2515096A JP2515096A JPH09219164A JP H09219164 A JPH09219164 A JP H09219164A JP 2515096 A JP2515096 A JP 2515096A JP 2515096 A JP2515096 A JP 2515096A JP H09219164 A JPH09219164 A JP H09219164A
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JP
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electron
surface conduction
emitting device
transistor
conduction electron
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JP2515096A
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Seiji Isono
青児 磯野
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の表面伝導型放出素子を複数の行方向配
線と列方向配線でマトリックス配線した電子発生装置に
おいて、前記配線の配線抵抗の影響が出ない電子発生装
置、それを用いた画像形成装置とそれらの駆動方法を提
供する。 【解決手段】 表面伝導型放出素子14の個々にトラン
ジスタ2を接続する。このとき、トランジスタのソース
電極を列方向配線に、ゲート電極を行方向配線に、ドレ
イン電極を表面伝導型放出素子の一端に接続し、表面伝
導型放出素子の他端を固定電位に接続する。または、ト
ランジスタのソース電極を行方向配線に、ゲート電極を
列方向配線に、ドレイン電極を表面伝導型放出素子の一
端に接続し、表面伝導型放出素子の他端を固定電位に接
続する。または、トランジスタのソース電極を行方向配
線に、ゲート電極をゲート信号回路に、ドレイン電極を
表面伝導型放出素子に一端に接続し、表面伝導型放出素
子の他端を前記行方向配線に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面伝導型放出素
子を備えた電子源及びその応用である表示装置等の画像
形成装置に関わり、特にその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば電界放出型素子(以下FE型と記
す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下MIM型
と記す)や、表面伝導型放出素子などが知られている。
【0003】FE型の例としては、たとえば、W.P.
Dyke&W.W.Dolan,“Field emi
ssion”,Advance in Electro
nPhysics,8,89(1956)や、あるい
は、C.A.Spindt,“Physical pr
operties of thin−film fie
ld emission cathodes with
molybdenium cones”,J.App
l.Phys.,47,5248(1976)などが知
られている。
【0004】また、MIM型の例としては、たとえば、
C.A.Mead,“Operation of tu
nnel−emission Devices,J.A
ppl.Phys.,32,646(1961)などが
知られている。
【0005】また、表面伝導型放出素子としては、たと
えば、M.I.Elinson,Radio Eng.
Electron Phys.,10,1290,(1
965)や、後述する他の例が知られている。
【0006】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
〔G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)〕や、In23
/SnO2 薄膜によるもの〔M.Hartwell a
nd C.G.Fonstad:“IEEE Tran
s.ED Conf.”,519(1975)〕や、カ
ーボン薄膜によるもの〔荒木久 他:真空、第26巻、
第1号、22(1983)〕等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図60に前述のM.Hartwel
l らによる素子の平面図を示す。同図において、30
01は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸
化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は
図示のようにH字形の平面形状に形成されている。該導
電性薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成
される。図中の間隔Lは、0.5〜1〔mm〕,Wは、
0.1〔mm〕で設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0008】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放
出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと
呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005
を形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォー
ミングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直
流電圧、もしくは、例えばlV/分程度の非常にゆっく
りとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、
導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部30
05を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは
変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、
亀裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜
3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付
近において電子放出が行われる。
【0009】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素
子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人
による特開昭64−31332号公報において開示され
るように、多数の素子を配列して駆動するための方法が
研究されている。
【0010】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0011】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人によるUSP 5,066,883や特
開平2−257551号公報において開示されているよ
うに、表面伝導型放出素子と電子ビームの照射により発
光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研
究されている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合
わせて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表
示装置よりも優れた特性が期待されている。たとえば、
近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型
であるためにバックライトを必要としない点や、視野角
が広い点が優れていると言える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の表示装置をはじ
めとして、表面伝導型放出素子を応用した各種画像形成
パネルに於いては、高品位・高精細な画像形成が望まれ
る。これを実現するには、例えば、行列状に多数配置さ
れた表面伝導型放出素子を用いる方法が考えられる。こ
の場合、行及び列の数が数百から数千にも達する非常に
多くの素子配列が必要となり、かつ各表面伝導型放出素
子が均一量の電子を放出することが望まれる。
【0013】しかしながら、これらの素子を画像形成装
置に応用し、M本の行方向配線とN本の列方向配線とに
よって、表面伝導型放出素子の対向する一対の素子電極
にそれぞれ結線することで、行列状に、多数この表面伝
導型放出素子を配列した電子源を構成する構成を取った
場合、行方向配線及び列方向配線の配線抵抗により生じ
る電圧降下のために各素子の電極毎に印加される電圧
が、それぞれ異なるという問題が起きる。その結果、各
素子にかかる実行電圧に非一様な分布が生じ、それに対
応して、輝度にも非一様な分布が生じる問題が発生す
る。
【0014】図61、図62は、この問題をより詳しく
説明するための図である。図61は、行列状に配置され
た表面伝導型放出素子のM×Nのマトリクス回路、特に
配線抵抗を示す図であり、図62は、列方向の各放出素
子電極に印加される電圧を示す図である。
【0015】図61のM×Nのマトリクス回路には、行
方向配線、列方向配線ともに一方から電圧を印加してい
る。これらの行方向配線、列方向配線は、素子単位でそ
れぞれrx、ryの抵抗成分を有するものとする。表面
伝導型放出素子は、行方向配線、列方向配線に対して、
等間隔に配置されているため、配線の幅や膜圧が製造上
ばらつかない限り、素子単位で、行方向配線、列方向配
線でほぼ等しい抵抗値を持つ。
【0016】図61の回路構成から明らかなように、電
圧印加端に近い素子ほど大きな電圧が印加され、電圧印
加端から遠い素子ほど印加電圧が小さくなる。そのた
め、図62のような駆動印加電圧に非一様な分布を生じ
る。したがって、表面伝導型放出素子から出力される電
子放出量に対しても、非一様な分布を生じるため、これ
は商品位な画像を得るという目的に対して問題となる。
【0017】そこで、本発明は、このような配線抵抗に
起因する非均一な電子放出分布を生じない電子発生装
置、それを用いた高品位の画像表示を行う画像形成装置
とをそれらの駆動方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】以上に挙げた問題を解決
するために、本発明者が鋭意努力した結果、以下の発明
を得た。すなわち、本発明の電子発生装置は、複数の表
面伝導型放出素子を複数の行方向配線と列方向配線でマ
トリックス配線した電子発生装置において、前記列方向
配線と前記行方向配線が交わる部分にトランジスタと前
記表面伝導型放出素子を配置したことを特徴とする。こ
のとき、前記トランジスタのソース電極を前記列方向配
線にゲート電極を前記行方向配線に、ドレイン電極を前
記表面伝導型放出素子の一端に接続し、前記表面伝導型
放出素子の他端を固定電位に接続することができる。ま
た、前記トランジスタのソース電極を前記行方向配線
に、ゲート電極を前記列方向配線に、ドレイン電極を前
記表面伝導型放出素子の一端に接続し、前記表面伝導型
放出素子の他端を固定電位に接続することができる。さ
らに、前記トランジスタのソース電極を前記行方向配線
に、ゲート電極をゲート信号回路に、ドレイン電極を前
記表面伝導型放出素子に一端に接続し、前記表面伝導型
放出素子の他端を前記行方向配線に接続することができ
る。またさらに、前記ゲート信号回路は、前記表面伝導
型放出素子の特性に応じて信号を出力することができ
る。前記トランジスタはTFT(電解効果型薄膜トラン
ジスタ)であるといい。前記固定電位は接地電位であっ
てもいい。また、本発明の電子発生装置と、前記電子発
生装置が放出した電子により励起発光する蛍光板と合わ
せて、本発明を画像形成装置としてもいい。
【0019】また、本発明は電子発生装置の駆動方法を
も包含する。すなわち、本発明の電子発生装置の駆動方
法は、複数の表面伝導型放出素子を複数の行方向配線と
列方向配線てマトリックス配線した電子発生装置の駆動
方法において、前記表面伝導型放出素子の個々にトラン
ジスタを接続し、前記行方向配線ごとに前記表面伝導型
放出素子を選択することを特徴とする。このとき、前記
トランジスタのソース電極を前記列方向配線に、ゲート
電極を前記行方向配線に、ドレイン電極を前記表面伝導
型放出素子の一端に接続し、前記表面伝導型放出素子の
他端を固定電位に接続することができる。また、前記ト
ランジスタのソース電極を前記行方向に、ゲート電極を
前記列方向配線に、ドレイン電極を前記表面伝導型放出
素子の一端に接続し、前記表面伝導型放出素子の他端を
固定電位に接続することができる。さらに、前記トラン
ジスタのソース電極を前記行方向配線に、ゲート電極を
ゲート信号回路に、ドレイン電極を前記表面伝導型放出
素子に一端に接続し、前記表面伝導型放出素子の他端を
前記行方向配線に接続することができる。またさらに、
前記ゲート信号回路は、前記表面伝導型放出素子の特性
に応じて信号を出力することができる。前記トランジス
タはTFT(電解効果型薄膜トランジスタ)であるとい
い。前記固定電位は接地電位であってもいい。また、本
発明の電子発生装置の駆動方法と、前記電子発生装置が
放出した電子により励起発光する蛍光板と合わせて、本
発明を画像形成装置の駆動方法としてもいい。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は、本実施形態の電子発生装置の駆
動の概略構成の一部を示す図である。図1において、1
4は、表面伝導型放出素子である。表面伝導型放出素子
14は、M×Nの行列状に配置されている。2はトラン
ジスタであり、トランジスタのゲート電極が走査配線で
あるDx1〜DxMのM本の行方向配線12と接続し、
トランジスタのソース電極が変調信号配線であるDy1
〜DyNのN本の列方向配線と接続し、トランジスタの
ドレイン電極が表面伝導型放出素子14と接続されてい
る。これらの表面伝導型放出素子14及びトランジスタ
2により電子源素子が形成される。電子源素子はM×N
のマトリクス上に配置され、表面伝導型放出素子14を
多数個備える電子源を構成する。
【0021】このような表示パネルで、表示動作を行う
為の電気回路構成を以下に例示する。図2は、NTSC
方式のテレビ信号にもとずきテレビジョン表示を行う為
の駆動回路の概略構成をブロック化して示したもので、
図中、101は前記表示パネルであり、また、102は
走査回路、103は制御回路、104はシフトレジス
タ、105はラインメモリ、106は同期信号分離回
路、107は変調信号発生器、VxlおよびVx2およ
びVaは直流電圧源である。
【0022】以下、各部の機能を説明してゆくが、まず
表示パネル101は、端子Dx1ないしDxM、および
端子Dy1ないしDyN、および端子Dc、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。この
うち、端子Dx1ないしDxmには、前記表示パネル内
に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちM行N
列の行列状に配置された表面伝導型放出素子群を一行
(N素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が表面伝
導型放出素子に接続されているトランジスタのゲート電
極に印加される。一方、端子DylないしDyNには、
前記走査信号により選択された一行の表面伝導型放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が
表面伝導型放出素子に接続されているトランジスタのソ
ース電極に印加される。更に、表面伝導型放出素子のト
ランジスタと接続されている電極とは別の、もう一方の
電極と接続している端子Dcには、0〔V〕(グランド
レベル)が接続される。また、高圧端子Hvには、直流
電圧源Vaより、たとえば10K〔V〕の直流電圧が供
給されるが、これは表面伝導型放出素子より出力される
電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを
付与する為の加速電圧である。
【0023】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図中、SlないしSMで模式的に示している)、各
スイッチング素子は、直流電圧源Vxlの出力電圧もし
くは直流電圧源Vx2の出力電圧のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxMと電気
的に接続するものである。SlないしSMの各スイッチ
ング素子は、制御回路103が出力する制御信号Tsc
anにもとずいて動作するものだが、実際にはたとえば
FETのようなスイッチング素子を組み合わせる事によ
り容易に構成する事が可能である。
【0024】尚、前記直流電圧源Vxlには、本実施形
態の場合には、36〔V〕の一定電圧を出力するよう
に、直流電圧源Vx2には、22〔V〕の一定電圧を出
力するように設定している。
【0025】また、制御回路103は、外部より入力す
る画像信号にもとずいて適切な表示が行われるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明
する同期信号分離回路106より送られる同期信号Ts
yncにもとずいて、各部に対してTscanおよびT
sftおよびTmryの各制御信号を発生する。尚、各
制御信号のタイミングに関しては、後に図9を用いて詳
しく説明する。
【0026】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られてい
るように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路106に
より分離された同期信号は、良く知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104に入力
される。
【0027】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftにもとずい
て動作する。(すなわち、制御信号Tsftは、シフト
レジスタ104のシフトクロックであると言い換えても
良い。)シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、IdlないしIdNのN個の並列信号として前
記シフトレジスタ104より出力される。
【0028】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜IdlないしIdNの内容を記憶する。記
憶された内容は、I′d1ないしI′dNとして出力さ
れ、変調信号発生器107に入力される。
【0029】変調信号発生器107は、前記画像データ
I′d1ないしI′dNの各々に応じて、表面伝導型放
出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、その
出力信号は、端子DylないしDyNを通じて表示パネ
ル101内の表面伝導型放出素子に印加される。
【0030】本実施例に用いた表面伝導型放出素子は、
図7に示すように、Vth=8〔V〕を閾値電圧とする
電子放出特性を有する。そして表示装置を最大輝度で発
光させる際の放出電流をIemax、その時の素子電流
をIfmaxを設定した。たとえば、Iemax=0.
6〔μA〕、Ifmax=0.8〔mA〕であり、この
とき素子に印加される電圧は、12〔V〕である。この
ことから、最大輝度で発光させる際の表面伝導型放出素
子は、12〔V〕/0.8〔mA〕=15〔kΩ〕程度
の電気抵抗を持つ。
【0031】また、表面伝導型放出素子に接続されてい
るトランジスタの特性は、図8に示すようであり、ドレ
イン−ソース間電圧Vds=10〔V〕、ゲート−ソー
ス間電圧Vgd=14〔V〕のときのドレイン電流Id
=0.8〔mA〕であり、10〔V〕/0.8〔mA〕
=12.5〔kΩ〕程度の電気抵抗を持つ。
【0032】以上から、表面伝導型放出素子に12
〔V〕が印加され、素子電流が0.8〔mA〕流れるた
めには、(15〔kΩ〕+12.5〔kΩ〕/0.8
〔mA〕×12〔V〕=22〔V〕が表面伝導型放出素
子とトランジスタ部に印加されなくてはならない。すな
わち、トランジスタが動作しているときに、22〔V〕
が印加されたときに、素子電流として、0.8〔mA〕
の一定電流が流れることになる。
【0033】変調信号発生器107としては、ある電圧
以上のパルスを発生するが入力されるデータに応じて適
宜パルスの長さを変調するようなパルス幅変調方式のも
のを用いる事が可能である。これは、ある電圧以上のパ
ルスが印加されても、表面伝導型放出素子に接続された
トランジスタにより、一定電流が流れるために定電流駆
動になっている。
【0034】以上、図2に示された各部の機能について
述べたが、全体動作の説明に移る前に図3ないし図6を
用いて前記表示パネル101の動作についてより詳しく
説明しておく。
【0035】図示の便宜上、表示パネルの画素数を6×
6(すなわち M=N=6)として説明するが、実際に
用いる表示パネル101はこれよりもはるかに多数の画
素を備えたものである事は言うまでもない。
【0036】図3に示すのは、6行6列の行列状に表面
伝導型放出素子を行列上に配置したマルチ電子ビーム源
であり、説明上、各素子を区別する為にD(1,1),
D(1,2)ないしはD(6,6)のように(X,Y)
座標で位置を示している。
【0037】このようなマルチ電子ビーム源を駆動して
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
っている。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆
動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対
応する行の端子に36〔V〕を、それ以外の端子には2
2〔V〕を印加する。それと同期して、当該ラインの画
像パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に
変調信号を印加する。
【0038】たとえば、図4に示すような画像パターン
を表示する場合を例にとって説明する。図4の画像のう
ち、たとえば第3ライン目を発光させる期間中を例にと
って説明する。図5は、前記画像の第3ライン目を発光
させる間に、端子Dx1ないしDx6、および端子Dy
1ないしDy6を通じてマルチ電子ビーム源に印加する
電圧値を示したもので、同図から明らかなように、D
(3,2),D(3,3),D(3,4)の各表面伝導
型放出素子とトランジスタのドレイン−ソース間には、
22〔V〕が印加されて電子ビームが出力される一方、
上記3素子以外はゲート−ソース間での電圧が0もしく
は負になり、ドレイン電流が流れなくなるため、トラン
ジスタのスイッチがオフとなり、これらの素子からは電
子ビームは出力されない。
【0039】同様の方法で、他のラインについても図4
の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動して
ゆくが、この様子を時系列的に示したのが図6のタイム
チャートである。同図に示すように、第1ラインから順
次1ラインずつ駆動してゆく事により1画面の表示が行
われるが、これを毎秒60画面の速さで繰り返す事によ
り、ちらつきのない画像表示が可能であった。
【0040】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1な
いしDy6に印加される変調信号のパルスの長さを10
マイクロ〔秒〕よりも長く(短く)する事により変調が
可能である。
【0041】以上、6X6のマルチ電子ビーム源を例に
とって、表示パネル101の駆動方法を説明したが、次
に図2の装置の全体動作について、図9のタイムチャー
トを参照しながら説明する。
【0042】図9中(1)に示すのは、外部から入力す
るNTSC信号から同期信号分離回路106により分離
された輝度進行DATAのタイミングであり、図に示す
ように1ライン目データから順次2ライン目、3ライン
目と送られてくるが、これと同期して制御回路103か
らシフトレジスタ104に対して図9の(2)に示すよ
うなシフトクロックTsftが出力される。
【0043】シフトレジスタ104に1ライン分のデー
タが蓄積されると、同図(3)に示すタイミングで、制
御回路103からラインメモリ105に対してメモリー
ライト信号Tmryが出力され、1ライン(N素子分)
の駆動データが書き込まれる。その結果、ラインメモリ
105の出力信号であるI′d1ないしI′dNの内容
は同図(4)に示すタイミングで変化する。
【0044】一方、走査回路102の動作を制御する制
御信号Tscanの内容は同図(5)に示すようなもの
となる。すなわち、1ライン目を駆動する場合には、走
査回路102内のスイッチング素子S1のみが36
〔V〕で他のスイッチング素子は22〔V〕、または2
ライン目を駆動する場合には、スイッチング素子S2の
みが36〔V〕で他のスイッチング素子は22〔V〕、
以下同様、というように動作が制御される。
【0045】また、これと同期して変調信号発生器10
7から表示パネル101に対しては、図9の(6)に示
すタイミングで変調信号が出力される。
【0046】以上に説明した動作により、表示パネル1
01を用いてテレビジョンの表示を行う事が可能であっ
た。
【0047】尚、上記説明中、特に記載しなかったが、
シフトレジスタ104やラインメモリ105は、テジタ
ル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差し支え
なく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度で行われればよい。尚、デジタル信号式を用
いる場合には、同期信号分離回路106の出力信号DA
TAをデジタル信号化する必要があるが、これは106
の出力部にA/D変換器を備えれば容易に可能であるこ
とは言うまでもない。
【0048】また、本実施形態においてはNTSC方式
のテレビ信号にもとずきテレビジョン表示を行う例を示
したが、本発明適用の表示パネルの応用はこれに限るも
のではない。他の方式のテレビジョン信号、あるいは、
計算機や画像メモリ、通信ネットワークなど種々の画像
信号源と直接あるいは間接に接続する表示装置に広く用
いることが可能であり、とりわけ大容量の画像を表示す
る大画面の表示に好適である。
【0049】次に、本実施形態の電子発生装置について
更に説明する。電子源の一部の平面図を図10に示す。
また、図中のA−A′断面図を図11に示す。更に、本
実施形態の電子源を製造するためのプロセスを図23に
示す。図10において、12は、走査配線である行方向
配線であり、トランジスタのゲート電極と接続し、Dx
1〜DxMのM本の配線で構成される。13は変調信号
配線である列方向配線であり、トランジスタのソース電
極と接続し、Dy1〜DyNのN本の配線で構成され
る。15は、表面伝導型放出素子に電圧が印加される駆
動電圧を補助する配線で、行方向配線と平行にM本の配
線で構成され、端は共通電位に接続される。
【0050】図11は、ガラス基板上に、トランジスタ
(TFT:電解効果型薄膜トランジスタ)と電子放出素
子である表面伝導型放出素子を形成した電子源基板の一
例を示す模式的断面図である。
【0051】図11において、1はガラス基板、12は
行方向配線、13は列方向配線、15は、表面伝導型放
出素子に電圧が印加される駆動電圧を補助する配線であ
る。表面伝導型放出素子14は、電子放出部形成用薄膜
に通電フォーミング処理を施すことにより電子放出部を
含む薄膜が形成される。
【0052】ガラス基板1上に、トランジスタ(TF
T:電解効果型薄膜トランジスタ)2が形成され、その
ソース電極5はアルミ配線9により列方向配線13に接
続されている。また、ドレイン配線6はアルミ配線10
により表面伝導型放出素子14の電極に接続されてい
る。さらに、ゲート電極4は行方向配線12と接続して
いる。
【0053】そして、表面伝導型放出素子14のもう一
方の電極8は、アルミ配線11により、表面伝導型放出
素子に印加される電圧の補助を行う配線15に接続され
ている。
【0054】次に、図12と13を参照して、図11に
示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明する。図
12は、この製造工程の一例を説明するための模式的断
面図である。
【0055】第1の工程(図12の(a)参照)では、
ガラス基板1を用意する。
【0056】第2の工程(図12の(b)参照)では、
ガラス基板1上に、TFTとなる多結晶Siを堆積し、
フォトレジストを利用してパターン形成する。
【0057】第3の工程(図12の(c)参照)では、
p型イオンを注入することにより、n型のTFTの閾値
を調整する。
【0058】第4の工程(図12の(d)参照)では、
パターニングによりTFTの上面以外の多結晶Siを取
り除く。
【0059】第5の工程(図12の(e)参照)では、
TFTとなる上面にゲート用の酸化膜を形成する。
【0060】第6の工程(図12の(f)参照)では、
TFTのゲート電極用の多結晶Siを堆積させる。
【0061】第7の工程(図13の(a)参照)では、
ゲート電極をパターニングし、さらに、TFTにイオン
を注入し、ソース領域とドレイン領域を形成して、TF
Tを作成する。
【0062】第8の工程(図13の(b)参照)では、
列方向配線13を配置する。
【0063】第9の工程(図13の(c)参照)では、
列方向配線13とTFTのソース電極を電気に接続する
アルミ配線9と、TFTのドレイン電極と表面伝導型放
出素子の電極7を電気的に接続するアルミ配線10と、
表面伝導型放出素子の電極8と表面伝導型放出素子に電
圧印加するための補助配線15を電気的に接続するアル
ミ配線11を配置する。そして、TFTのゲート配線と
電気的に接続するように行方向配線12を形成する。
【0064】第10の工程(図13の(d)参照)で
は、表面伝導型放出素子に電圧印加するための補助配線
15を形成する。
【0065】第11の工程(図13の(e)参照)で
は、表面伝導他放出素子14を形成する。この表面伝導
型放出素子14の形成方法を、次に詳細に説明する。
【0066】本発明に用いる表面伝導型放出素子は、材
料や構造に特に制限があるわけではなく、例えば従来技
術に記載したものであってもよい。しかしながら、電子
放出特性や製造容易性の観点から、特に好ましい表面伝
導型放出素子として、以下に述べる形態のものを用い
た。
【0067】(好ましい表面伝導型放出素子の形態)好
ましい表面伝導型放出素子の基本的な構成には、平面型
及び垂直型の2つの構成があげられる。まず、平面型表
面伝導型放出素子について説明する。
【0068】(表示パネルの構成と製造法)次に、本発
明を適用した画像形成装置の表示パネルの構成と製造法
について、具体的な例を示して説明する。
【0069】図14は、実施形態に用いた表示パネルの
斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を切
り欠いて示している。
【0070】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえば低温フリ
ットガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲
気中で、封着した。気密容器内部を真空に排気する方法
については後述する。
【0071】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には表面伝導型放出素子
1002がN×M個形成され、直列にトランジスタ19
01が形成されている。(N,Mは2以上の正の整数で
あり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。
たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表示
装置においては、N=3000,M=1000以上の数
を設定することが望ましい。本実施例においては、N=
3072,M=1024とした。)前記N×M個の直列
にトランジスタが接続された表面伝導型放出素子は、M
本のグランドもしくはある電位に接続された配線190
1に接続され、トランジスタのゲート電極がM本の走査
配線である行方向配線1902に接続され、トランジス
タのソース電極がN本の列方向配線1004に接続され
ている。前記、1001〜1004、1901〜190
2によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼
ぶ。なお、マルチ電子ビーム源の製造方法や構造につい
ては、後で詳しく述べる。
【0072】本実施例においては、気密容器のリアプレ
ート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001を固
定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板100
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板100
1自体を用いてもよい。
【0073】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施例はカラ
ー表示装置であるため、蛍光膜1008の部分にはCR
Tの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体が
塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図15
の(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビ
ームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが
生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜の
チャージアップを防止する事などである。黒色の導電体
1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0074】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図15(A)に示したストライプ状の配列に限られるも
のではなく、たとえば図15(B)に示すようなデルタ
状配列や、それ以外の配列であってもよい。
【0075】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0076】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜100
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1008を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1009は、蛍光膜1008をフェースプレート
基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1009は用いない。
【0077】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート基板1007と蛍光膜1008との間に、
たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0078】また、Dxl〜DxMおよびDyl〜Dy
NおよびDcおよびHvは、当該表示パネルと不図示の
電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の
電気接続用端子である。Dxl〜DxMはマルチ電子ビ
ーム源の走査配線である行方向配線1003と、Dyl
〜DyNはマルチ電子ビーム源の変調信号配線である列
方向配線1004と、Dcは、マルチ電子ビーム源の駆
動電圧を補助する配線1901と、Hvはフェースプレ
ートのメタルバック1009と電気的に接続している。
【0079】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗〔T
orr〕程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、たと
えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしく
は高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、
該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マ
イナス5乗ないしは1×10マイナス7乗〔Torr〕
の真空度に維持される。以上、本発明の実施形態の表示
パネルの基本構成と製法を説明した。
【0080】次に、前記実施形態の表示パネルに用いた
マルチ電子ビーム源の製造方法について説明する。本発
明の画像表示装置に用いるマルチ電子ビーム源は、表面
伝導型放出素子を行列状に配置した電子源であれば、表
示伝導型放出素子の材料や形状あるいは製法に制限はな
い。しかしながら、発明者らは、表面伝導型放出素子の
中では、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から
形成したものが電子放出特性に優れ、しかも製造が容易
に行えることを見いだしている。したがって、高輝度で
大画面の画像形成装置のマルチ電子ビーム源に用いるに
は、最も好適であると言える。そこで、上記実施例の表
示パネルにおいては、電子放出部もしくはその周辺部を
微粒子膜から形成した表面伝導型放出素子を用いた。そ
こで、まず好適な表面伝導型放出素子について基本的な
構成と製法および特性を説明し、その後で多数の素子を
行列状に配置したマルチ電子ビーム源の構造について述
べる。
【0081】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0082】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図16に示すのは、平面型の表面伝導型
放出素子の構成を説明するための平面図(a)および断
面図(b)である。図中、1101は基板、1102と
1103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
113は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0083】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0084】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23−SnO2をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜材
料を選択して用いればよい。電極を形成するには、たと
えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、
エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて用い
れば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば印
刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0085】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0086】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0087】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0088】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In23,PbO,Sb23,などをはじめと
する酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6
YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、Ti
C,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,などを
はじめとする窒化物や、Si,Ge,などをはじめとす
る半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中か
ら適宜選択される。
【0089】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗〔オーム/sq〕の範囲に含
まれるよう設定した。
【0090】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図16においては、下か
ら、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層したが、
場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電極、の
順序で積層してもさしつかえない。
【0091】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図16においては模式的に示した。
【0092】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0093】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500〔オングストロ
ーム〕以下とするが、300〔オングストローム〕以下
とするのがさらに好ましい。
【0094】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図16においては模式
的に示した。また、平面図(a)においては、薄膜11
13の一部を除去した素子を図示した。
【0095】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0096】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000〔オングストロー
ム〕、電極間隔Lは2〔マイクロメーター〕とした。
【0097】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100〔オングストロ
ーム〕、幅Wは100〔マイクロメーター〕とした。
【0098】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図17の(a)〜(d)
は、表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断
面図で、各部材の表記は前記図16と同一である。
【0099】1)まず、図17(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。
【0100】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる。(堆積する方法として
は、たとえば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術
を用いればよい。)その後、堆積した電極材料を、フォ
トリソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニン
グし、(a)に示した一対の素子電極(1102と11
03)を形成する。
【0101】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。
【0102】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッ
チングにより所定の形状にパターニングする。ここで、
有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を
主要元素とする有機金属化合物の溶液である。(具体的
には、本実施例では主要元素としてPdを用いた。ま
た、実施形態では塗布方法として、ディッピング法を用
いたが、それ以外のたとえばスピンナー法やスプレー法
を用いてもよい)。
【0103】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施形態で用いた有機金属溶液の塗
布による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ
法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もあ
る。
【0104】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0105】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0106】通電方法をより詳しく説明するために、図
18に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施例の場合には同図に示したようにパルス幅
T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加し
た。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順次
昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモニ
ターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三角
波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計1
111で計測した。
【0107】実施形態においては、たとえば10のマイ
ナス5乗〔torr〕程度の真空雰囲気下において、た
とえばパルス幅T1を1〔ミリ秒〕、パルス間隔T2を
10〔ミリ秒〕とし、波高値Vpfを1パルスごとに
0.1〔V〕ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス
印加するたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿
入した。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがない
ように、モニターパルスの電圧Vpmは0.1〔V〕に
設定した。そして、素子電極1102と1103の間の
電気抵抗が1×10の6乗〔オーム〕になった段階、す
なわちモニターパルス印加時に電流計1111で計測さ
れる電流が1×10のマイナス7乗〔A〕以下になった
段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0108】なお、上記の方法は、本実施例の表面伝導
型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微粒
子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0109】4)次に、図17の(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0110】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。(図においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。)なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0111】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗〔torr〕の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
〔オングストローム〕以下、より好ましくは300〔オ
ングストローム〕以下である。
【0112】通電方法をより詳しく説明するために、図
19の(a)に、活性化用電源1112から印加する適
宜の電圧波形の一例を示す。本実施例においては、一定
電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行っ
たが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14〔V〕、
パルス幅T3は1〔ミリ秒〕、パルス間隔はT4は10
〔ミリ秒〕とした。なお、上述の通電条件は、本実施例
の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表
面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応
じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0113】図16の(d)に示す1114は該表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノード電極で、直流高電圧電源1115および電
流計1116が接続されている。(なお、基板1101
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる。)活性化用電源1112から電圧を印加
する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電
活性化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源11
12の動作を制御する。電流計1116で計測された放
出電流Ieの一例を図105(b)に示すが、活性化電
源1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の
経過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和し
てほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ie
がほぼ飽和した時点で活性化電源1112からの電圧印
加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0114】なお、上述の通電条件は、本実施例の表面
伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条
件を適宜変更するのが望ましい。
【0115】以上のようにして、図17(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0116】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち
垂直型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0117】図20は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜、である。
【0118】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、前記図102の平面型における素子電極間隔
Lは、垂直型においては段差形成部材1206の段差高
Lsとして設定される。なお、基板1201、素子電極
1202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜
1204、については、前記平面型の説明中に列挙した
材料を同様に用いることが可能である。また、段差形成
部材1206には、たとえばSiO2のような電気的に
絶縁性の材料を用いる。
【0119】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図21の(a)〜(f)は、製造工
程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図2
0と同一である。
【0120】1)まず、図21(a)に示すように、基
板1201上に素子電極1203を形成する。
【0121】2)次に、同図(b)に示すように、段差
形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、たとえばSiO2をスパッタ法で積層すればよい
が、たとえば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を
用いてもよい。
【0122】3)次に、同図(c)に示すように、絶縁
層の上に素子電極1202を形成する。
【0123】4)次に、同図(d)に示すように、絶縁
層の一部を、たとえばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0124】5)次に、同図(e)に示すように、微粒
子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成する
には、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗布法など
の成膜技術を用いればよい。
【0125】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図17(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミ
ング処理と同様の処理を行えばよい)。
【0126】7)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積させる。(図17(d)を用いて説明し
た平面型の通電活性化処理と同様の処理を行えばよ
い)。
【0127】以上のようにして、図21(f)に示す垂
直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0128】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0129】表示装置に用いる以上に説明した製法で作
製した素子の、(放出電流Ie)対(素子印加電圧V
f)特性、および(素子電流If)対(素子印加電圧V
f)特性が図7である。放出電流Ieは素子電流Ifに
比べて著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であ
るうえ、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パ
ラメータを変更することにより変化するものであるた
め、2本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0130】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0131】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0132】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0133】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0134】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0135】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。
【0136】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0137】図22は、本工程に係わる表面伝導型電子
放出素子14を形成する電子放出部形成用薄膜のマスク
の平面図の一部を示す。このマスクは、素子間ギャップ
G、及びこの近傍に開口を有し、膜厚10オングストロ
ームのCr膜(不図示)を真空蒸着により堆積・パター
ニングする。そして、この上に有機Pdをスピンナーに
より回転塗布後、300℃で10分間の加熱焼成処理を
行い、Pdからなる電子放出部形成用薄膜形成する。こ
のようにして形成された電子放出部形成用薄膜は、Pd
を主元素とする微粒子から構成され、その膜厚は100
オングストローム、シート抵抗値は5×104 Ω/□で
あった。尚、15bと15cは、それぞれ素子電極であ
る。
【0138】尚、ここで述べる微粒子膜とは、上述した
ように複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造
としては微粒子がここに分散配置した状態のみならず、
微粒子が互いに隣接、或は、重なりあった状態(島上も
含む)の膜をも指す。また、その粒径とは、前記状態で
粒子形状が認識可能な微粒子についての径をいう。
【0139】Cr膜(不図示)及び焼成後の電子放出部
形成用薄膜を、酸エッチャントによりウェットエッチン
グして、所望のパターンを形成する。このようにして形
成された電子放出部形成用薄膜に、前述のフォーミング
処理を施すことにより表面伝導型電子放出素子14を形
成する。以上説明した工程により、電子源基板が形成さ
れる。
【0140】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用
しても良い。また、本発明はシステムあるいは装置にプ
ログラムを供給することによって達成される場合にも適
用できることは言うまでもない。
【0141】〔実施形態2〕図24は、本実施形態の電
子発生装置の駆動の概略構成の一部を示す図である。図
24において、14は、表面伝導型放出素子である。表
面伝導型放出素子14は、M×Nの行列状に配置されて
いる。2はトランジスタであり、トランジスタのゲート
電極が走査配線であるDxl〜DxMのM本の行方向配
線12と接続し、トランジスタのソース電極が変調信号
配線であるDyl〜DyNのN本の列方向配線と接続
し、トランジスタのドレイン電極が表面伝導型放出素子
14と接続されている。これらの表面伝導型放出素子1
4及びトランジスタ2により電子源素子が形成される。
電子源素子はM×Nのマトリクス上に配置され、表面伝
導型放出素子14を多数個備える電子源を構成する。
【0142】このような表示パネルで、表示動作を行う
為の電気回路構成を以下に例示する。図25は、NTS
C方式のテレビ信号にもとずきテレビジョン表示を行う
為の駆動回路の概略構成をブロック化して示したもの
で、図26中、101は前記表示パネルであり、また、
102は走査回路、103は制御回路、104はシフト
レジスタ、105はラインメモリ、106は同期信号分
離回路、107は変調信号発生器、VxおよびVc及び
Vaは直流電圧源である。
【0143】以下、各部の機能を説明してゆくが、まず
表示パネル101は、端子DxlないしDxM、および
端子DylないしDyN、および端子Dc、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。この
うち、端子DxlないしDxMには、前記表示パネル内
に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちM行N
列の行列状に配置された表面伝導型放出素子群を一行
(N素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が表面伝
導型放出素子に接続されているトランジスタのゲート電
極に印加される。一方、端子DylないしDyNには、
前記走査信号により選択された一行の表面伝導型放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が
表面伝導型放出素子に接続されているトランジスタのソ
ース電極に印加される。更に、表面伝導型放出素子のト
ランジスタと接続されている電極とは別の、もう一方の
電極と接続している端子Dcには、直流電圧源Vcが接
続される。ここでは、−22〔V〕である。また、高圧
端子Hvには、直流電圧源Vaより、たとえば10K
〔V〕の直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型放
出素子より出力される電子ビームに蛍光体を励起するの
に十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0144】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図26中、SlないしSMで模式的に示してい
る)、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電
圧もしくは0〔V〕(グランドレベル)のいずれか一方
を選択し、表示パネル101の端子DxlないしDxM
と電気的に接続するものである。SlないしSMの各ス
イッチング素子は、制御回路103が出力する制御信号
Tscanにもとづいて動作するものだが、実際にはた
とえばFETのようなスイッチング素子を組み合わせる
事により容易に構成する事が可能である。
【0145】尚、前記直流電圧源Vxには、本実施例の
場合には、14〔V〕の一定電圧を出力するように設定
している。ほかの回路においては、実施形態1と同様で
ある。
【0146】本実施形態に用いた表面伝導型放出素子
は、図7に示すように、Vth=8〔V〕を閾値電圧と
する電子放出特性を有する。そして表示装置を最大輝度
で発光させる際の放出電流をIemax、その時の素子
電流をIfmaxを設定した。たとえば、Iemax=
0.6〔μA〕、Ifmax=0.8〔mA〕であり、
このとき素子に印加される電圧は、12〔V〕である。
このことから、最大輝度で発光させる際の表面伝導型放
出素子は、12〔V〕/0.8〔mA〕=15〔kΩ〕
程度の電気抵抗を持つ。
【0147】また、表面伝導型放出素子に接続されてい
るトランジスタの特性は、図8に示すようであり、ドレ
イン−ソース間電圧Vds=10〔V〕、ゲート−ソー
ス間電圧Vgd=14〔V〕のときのドレイン電流Id
=0.8〔mA〕であり、10〔V〕/0.8〔mA〕
=12.5〔kΩ〕程度の電気抵抗を持つ。
【0148】以上から、表面伝導型放出素子に12
〔V〕が印加され、素子電流が0.8〔mA〕流れるた
めには、(15〔kΩ〕+12.5〔kΩ〕)/0.8
〔mA〕×12〔V〕=22〔V〕が表面伝導型放出素
子とトランジスタ部に印加されなくてはならない。すな
わち、トランジスタが動作しているときに、22〔V〕
が印加されたときに、素子電流として、0.8〔mA〕
の一定電流が流れることになる。
【0149】変調信号発生器107としては、ある電圧
以上のパルスを発生するが入力されるデータに応じて適
宜パルスの長さを変調するようなパルス幅変調方式のも
のを用いる事が可能である。これは、ある電圧以上のパ
ルスが印加されても、表面伝導型放出素子に接続された
トランジスタにより、一定電流が流れるために定電流駆
動になっている。
【0150】以上、図25に示された各部の機能につい
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図26ないし図
28を用いて前記表示パネル101の動作についてより
詳しく説明しておく。図26の図示の便宜上、表示パネ
ルの画素数を6×6(すなわちM=N=6)として説明
するが、実際に用いる表示パネル101はこれよりもは
るかに多数の画素を備えたものである事は言うまでもな
い。
【0151】図26に示すのは、6行6列の行列状に表
面伝導型放出素子を行列上に配置したマルチ電子ビーム
源であり、説明上、各素子を区別する為にD(1、
1)、D(1、2)ないしはD(6、6)のように
(X、Y)座標で位置を示している。
【0152】このようなマルチ電子ビーム源を駆動して
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
っている。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆
動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対
応する行の端子に14〔V〕を、それ以外の端子には0
〔V〕を印加する。それと同期して、当該ラインの画像
パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に変
調信号を印加する。
【0153】たとえば、図27に示すような画像パター
ンを表示する場合を例にとって説明する。図27の画像
のうち、たとえば第3ライン目を発光させる期間中を例
にとって説明する。図28は、前記画像の第3ライン目
を発光させる間に、端子Dx1ないしDx6、および端
子Dy1ないしDy6を通じてマルチ電子ビーム源に印
加する電圧値を示したもので、同図28から明らかなよ
うに、D(3、2)、D(3、3)、D(3、4)の各
表面伝導型放出素子とトランジスタのドレイン−ソース
間には、22〔V〕が印加されて電子ビームが出力され
る一方、上記3素子以外はゲート−ソース間での電圧が
0もしくは負になり、ドレイン電流が流れなくなるた
め、トランジスタのスイッチがオフとなり、これらの素
子からは電子ビームは出力されない。
【0154】同様の方法で、他のラインについても図2
7の表紙パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動し
てゆくが、この様子を時系列的に示したのが図29のタ
イムチャートである。同図29に示すように、第1ライ
ンから順次1ラインずつ駆動してゆく事により1画面の
表示が行なわれるが、これを毎秒60画面の速さで繰り
返す事により、ちらつきのない画像表示が可能であっ
た。
【0155】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1に
ないしDy6に印加される変調信号のパルスの長さを1
0マイクロ〔秒〕よりも長く(短く)する事により変調
が可能である。
【0156】以上、6x6のマルチ電子ビーム源を例に
とって、表示パネル101の駆動方法を説明したが、装
置の全体動作についての説明は、実施形態1と同様であ
る。
【0157】〔実施形態3〕図29は、本実施形態の電
子発生装置の概略構成の一部を示す図である。図29に
おいて、14は、表面伝導型放出素子である。表面伝導
型放出素子14は、M×Nの行列状に配置されている。
2はトランジスタであり、トランジスタのソース電極が
走査配線であるDx1〜DxMのM本の行方向配線と接
続し、トランジスタのゲート電極が変調信号配線である
Dy1〜DyNのN本の列方向配線と接続し、トランジ
スタのドレイン電極が表面伝導型放出素子14と接続さ
れている。これらの表面伝導型放出素子14及びトラン
ジスタ2により電子源素子が形成される。電子源素子は
M×Nのマトリクス上に配置され、表面伝導型放出素子
14を多数個備える電子源を構成する。
【0158】このような表示パネルで、表示動作を行う
為の電気回路構成を以下に例示する。図30は、NTS
C方式のテレビ信号にもとずきテレビジョン表示を行う
為の駆動回路の概略構成をブロック化して示したもの
で、図中、101は前記表示パネルであり、また、10
2は走査回路、103は制御回路、104はシフトレジ
スタ、105はラインメモリ、106は同期信号分離回
路、107は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電
圧源である。
【0159】以下、各部の機能を説明してゆくが、まず
表示パネル101は、端子Dx1ないしDxM、および
端子Dy1ないしDyN、および端子Dc、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。この
うち、端子Dx1ないしDxMには、前記表示パネル内
に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちM行N
列の行列状に配置された表面伝導型放出素子群を一行
(N素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が表面伝
導型放出素子に接続されているトランジスタのソース電
極に印加される。一方、端子Dy1ないしDyNには、
前記走査信号により選択された一行の表面伝導型放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が
表面伝導型放出素子に接続されているトランジスタのゲ
ート電極に印加される。更に、表面伝導型放出素子のト
ランジスタと接続されている電極とは別の、もう一方の
電極と接続している端子Dcには、0〔V〕(グランド
レベル)が接続される。また、高圧端子Hvには、直流
電圧源Vaより、たとえば10k〔V〕の直流電圧が供
給されるが、これは表面伝導型放出素子より出力される
電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを
付与する為の加速電圧である。
【0160】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図中、S1ないしSMで模式的に示している)、各
スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしく
は0〔V〕(グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxMと電気
的に接続するものである。S1ないしSMの各スイッチ
ング素子は、制御回路103が出力する制御信号Tsc
anにもとずいて動作するものだが、実際にはたとえば
FETのようなスイッチング素子を組み合わせる事によ
り容易に構成する事が可能である。
【0161】尚、前記直流電圧源Vxには、本実施形態
の場合には、22〔V〕の一定電圧を出力するよう設定
している。また、制御回路103は、外部より入力する
画像信号にもとずいて適切な表示が行なわれるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明
する同期信号分離回路106より送られる同期信号Ts
yncにもとずいて、各部に対してTscanおよびT
sftおよびTmryの各制御信号を発生する。尚、各
制御信号のタイミングに関しては、後に図35を用いて
詳しく説明する。
【0162】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られてい
るように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路106に
より分離された同期信号は、良く知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104に入力
される。
【0163】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftにもとずい
て動作する。(すなわち、制御信号Tsftは、シフト
レジスタ104のシフトクロックであると言い換えても
良い。)シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、Id1ないしIdNのN個の並列信号として前
記シフトレジスタ104より出力される。
【0164】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1ないしIdNの内容を記憶する。記
憶された内容は、I′d1ないしI′dNとして出力さ
れ、変調信号発生器107に入力される。
【0165】変調信号発生器107は、前記画像データ
I′d1ないしI′dNの各々に応じて、表面伝導型放
出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、その
出力信号は、端子Dy1ないしDyNを通じて表示パネ
ル101内の表面伝導型放出素子に印加される。
【0166】本実施形態に用いた表面伝導型放出素子
は、図7に示すように、Vth=8〔V〕を閾値電圧と
する電子放出特性を有する。そして表示装置を最大輝度
で発光させる際の放出電流をIemax、その時の素子
電流をIfmaxを設定した。たとえば、Iemax=
0.6〔μA〕、Ifmax=0.8〔mA〕であり、
このとき素子に印加される電圧は、12〔V〕である。
このことから、最大輝度で発光させる際の表面伝導型放
出素子は、12〔V〕/0.8〔mA〕=15〔kΩ〕
程度の電気抵抗を持つ。
【0167】また、表面伝導型放出素子に接続されてい
るトランジスタの特性は、図8に示すようであり、ドレ
イン−ソース間電圧Vds=10〔V〕、ゲート−ソー
ス間電圧Vgd=14〔V〕のときのドレイン電流Id
=0.8〔mA〕であり、10〔V〕/0.8〔mA〕
=12.5〔kΩ〕程度の電気抵抗を持つ。
【0168】以上から、表面伝導型放出素子に12
〔V〕が印加され、素子電流が0.8〔mA〕流れるた
めには、(15〔kΩ〕+12.5〔kΩ〕)/0.8
〔mA〕×12〔V〕=22〔V〕が表面伝導型放出素
子とトランジスタ部に印加されなくてはならない。すな
わち、トランジスタが動作しているときに、22〔V〕
が印加されたときに、素子電流として、0.8〔mA〕
の一定電流が流れることになる。
【0169】変調信号発生器107としては、ある電圧
以上のパルスを発生するが入力されるデータに応じて適
宜パルスの長さを変調するようなパルス幅変調方式のも
のを用いる事が可能である。これは、ある電圧以上のパ
ルスが印加されても、表面伝導型放出素子に接続された
トランジスタにより、一定電流が流れるために定電流駆
動になっている。
【0170】以上、図30に示された各部の機能につい
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図31ないし図
34を用いて前記表示パネル101の動作についてより
詳しく説明しておく。
【0171】図示の便宜上、表示パネルの画素数を6×
6(すなわちM=N=6)として説明するが、実際に用
いる表示パネル101はこれよりもはるかに多数の画素
を備えたものである事は言うまでもない。
【0172】図31に示すのは、6行6列の行列状に表
面伝導型放出素子を行列上に配置したマルチ電子ビーム
源であり、説明上、各素子を区別する為にD(1、
1)、D(1、2)ないしはD(6、6)のように
(X、Y)座標で位置を示している。
【0173】このようなマルチ電子ビーム源を駆動して
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
っている。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆
動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対
応する行の端子に22〔V〕を、それ以外の端子には0
〔V〕を印加する。それと同期して、当該ラインの画像
パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に変
調信号を印加する。
【0174】たとえば、図32に示すような画像パター
ンを表示する場合を例にとって説明する。図32の画像
のうち、たとえば第3ライン目を発光させる期間中を例
にとって説明する。図33は、前記画像の第3ライン目
を発光させる間に、端子Dx1ないしDx6、および端
子Dy1ないしDy6を通じてマルチ電子ビーム源に印
加する電圧値を示したもので、同図から明らかなよう
に、D(3、2)、D(3、3)、D(3、4)の各表
面伝導型放出素子とトランジスタのドレイン−ソース間
には、22〔V〕が印加されて電子ビームが出力される
一方、上記3素子以外はゲートの電圧もしくはソースの
電位が0になり、ドレイン電流が流れなくなるため、ト
ランジスタのスイッチがオフとなり、これらの素子から
は電子ビームは出力されない。
【0175】同様の方法で、他のラインについても図3
1の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動し
てゆくが、この様子を時系列的に示したのが図34のタ
イムチャートである。同図に示すように、第1ラインか
ら順次1ラインずつ駆動してゆく事により1画面の表示
が行なわれるが、これを毎秒60画面の速さで繰り返す
事により、ちらつきのない画像表示が可能であった。
【0176】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1に
ないしDy6に印加される変調信号のパルスの長さを1
0マイクロ〔秒〕よりも長く(短く)する事により変調
が可能である。
【0177】以上、6x6のマルチ電子ビーム源を例に
とって、表示パネル101の駆動方法を説明したが、次
に図2の装置の全体動作について、図35のタイムチャ
ートを参照しながら説明する。
【0178】図35中(1)に示すのは、外部から入力
するNTSC信号から同期信号分離回路106により分
離された輝度信号DATAのタイミングであり、図に示
すように1ライン目データから順次2ライン目、3ライ
ン目と送られてくるが、これと同期して制御回路103
からシフトレジスタ104に対して図9の(2)に示す
ようなシフトクロックTsftが出力される。
【0179】シフトレジスタ104に1ライン分のデー
タが蓄積されると、同図(3)に示すタイミングで、制
御回路103からラインメモリ105に対してメモリー
ライト信号Tmryが出力され、1ライン(N素子分)
の駆動データが書き込まれる。その結果、ラインメモリ
105の出力信号であるI′d1ないしI′dnの内容
は同図(4)に示すタイミングで変化する。
【0180】一方、走査回路102の動作を制御する制
御信号Tscanの内容は同図(5)に示すようなもの
となる。すなわち、1ライン目を駆動する場合には、走
査回路102内のスイッチング素子S1のみが22
〔V〕で他のスイッチング素子は0〔V〕、また2ライ
ン目を駆動する場合には、スイッチング素子S2のみが
22〔V〕で他のスイッチング素子は0〔V〕、以下同
様、というように動作が制御される。
【0181】また、これと同期して変調信号発生器10
7から表示パネル101に対しては、図35の(6)に
示すタイミングで変調信号が出力される。以上に説明し
た動作により、表示パネル101を用いてテレビジョン
の表示を行う事が可能であった。
【0182】尚、上記説明中、特に記載しなかったが、
シフトレジスタ104やラインメモリ105は、デジタ
ル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差し支え
なく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度で行なわれればよい。尚、デジタル信号式を
用いる場合には、同期信号分離回路106の出力信号D
ATAをデジタル信号化する必要があるが、これは10
6の出力部にA/D変換器を備えれば容易に可能である
ことは言うまでもない。
【0183】また、本実施形態においてはNTSC方式
のテレビ信号にもとづきテレビジョン表示を行う例を示
したが、本発明適用の表示パネルの応用はこれに限るも
のではない。他の方式のテレビジョン信号、あるいは、
計算機や画像メモリ、通信ネットワークなど種々の画像
信号源と直接あるいは間接に接続する表示装置に広く用
いることが可能であり、とりわけ大容量の画像を表示す
る大画面の表示に好適である。
【0184】次に、本実施形態の電子源について更に説
明する。電子源の一部の平面図を図36に示す。また、
図中のA−A′断面図を図37に示す。更に、本実施例
の電子源を製造するためのプロセスを図22に示す。
【0185】図36において、12は、走査配線である
行方向配線であり、トランジスタのソース電極と接続
し、Dx1〜DxMのM本の配線で構成される。13は
変調信号配線である列方向配線であり、トランジスタの
ゲート電極と接続し、Dy1〜DyNのN本の配線で構
成される。15は、表面伝導型放出素子に電圧が印加さ
れる駆動電圧を補助する配線で、行方向配線と平行にM
本の配線で構成され、端は共通電位に接続される。
【0186】図37は、ガラス基板上に、トランジスタ
(TFT:電解効果型薄膜トランジスタ)と電子放出素
子である表面伝導型放出素子を形成した電子源基板の一
例を示す模式的断面図である。
【0187】図37において、1はガラス基板、12は
行方向配線、13は列方向配線、15は、表面伝導型放
出素子に電圧が印加される駆動電圧を補助する配線であ
る。表面伝導型放出素子14は、電子放出部形成用薄膜
に通電フォーミング処理を施すことにより電子放出部を
含む薄膜が形成される。
【0188】ガラス基板1上に、トランジスタ(TF
T:電解効果型薄膜トランジスタ)2が形成され、その
ソース電極5はアルミ配線9により行方向配線12に接
続されている。また、ドレイン配線6はアルミ配線10
により表面伝導型放出素子14の電極7に接続されてい
る。さらに、ゲート電極4は列方向配線13と接続して
いる。
【0189】そして、表面伝導型放出素子14のもう一
方の電極8は、アルミ配線11により、表面伝導型放出
素子に印加される電圧の補助を行なう配線15に接続さ
れている。
【0190】次に図38−39を参照して、図37に示
した構造の機能素子の製造工程の一例を説明する。図2
2は、この製造工程の一例を説明するための模式的断面
図である。
【0191】第1の工程(図38の(a)参照)では、
ガラス基板1を用意する。
【0192】第2の工程(図38の(b)参照)では、
ガラス基板1上に、TFTとなる多結晶Siを堆積し、
フォトレジストを利用してパターン形成する。
【0193】第3の工程(図38の(c)参照)では、
p型イオンを注入することにより、n型のTFTの閾値
を調整する。
【0194】第4の工程(図38の(d)参照)では、
パターニングによりTFTの上面以外の多結晶Siを取
り除く。
【0195】第5の工程(図38の(e)参照)では、
TFTとなる上面にゲート用の酸化膜を形成する。
【0196】第6の工程(図38の(f)参照)では、
TFTのゲート電極用の多結晶Siを堆積させる。
【0197】第7の工程(図39の(a)参照)では、
ゲート電極をパターニングし、さらに、TFTにイオン
を注入し、ソース領域とドレイン領域を形成して、TF
Tを作製する。
【0198】第8の工程(図39の(b)参照)では、
行方向配線12を配置する。
【0199】第9の工程(図39の(c)参照)では、
行方向配線12とTFTのソース電極を電気に接続する
アルミ配線9と、TFTのドレイン電極と表面伝導型放
出素子の電極7を電気的に接続するアルミ配線10と、
表面伝導型放出素子の電極8と表面伝導型放出素子に電
圧印加するための補助配線15を電気的に接続するアル
ミ配線11を配置する。そして、TFTのゲート配線と
電気的に接続するように列方向配線13を形成する。
【0200】第10の工程(図39の(d)参照)で
は、表面伝導型放出素子に電圧印加するための補助配線
15を形成する。
【0201】第11の工程(図39の(e)参照)で
は、表面伝導型放出素子14を形成する。この表面伝導
型放出素子14の形成方法は、実施形態1で図17を使
って説明したのと同様である。。
【0202】本工程に係わる表面伝導型放出素子14を
電子放出部形成用薄膜のマスクの平面図は、実施形態1
で使った図22と同じである。このマスクは、素子間ギ
ャップG、及びこの近傍には開口を有し、膜厚10オン
グストロームのCr膜(不図示)を真空蒸着により堆積
・パターニングする。そして、この上に有機Pdをスピ
ンナーにより回転塗布後、300℃で10分間の加熱焼
成処理を行い、Pdからなる電子放出部形成用薄膜とす
る。このようにして形成された電子放出部形成用薄膜
は、Pdを主成分とする微粒子から構成され、その薄膜
は100オングストローム、シート抵抗値は5×104
Ω/□であった。なお、15bと15cは、それぞれ素
子電極である。
【0203】なお、ここで述べる微粒子膜とは、上述し
たように複数の微粒子が集合した膜であり、その微粒子
構造としては微粒子がここに分散配置した状態のみなら
ず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態
(島状も含む)の膜をも指す。また、その粒径とは、前
記状態が認識可能な微粒子についての径をいう。
【0204】Cr膜(不図示)及び焼成後の電子放出部
形成用薄膜を酸エッチャントによりウエットエッチング
して、所望のパターンを形成する。このようにして形成
された電子放出部形成用薄膜に、前述のフォーミング処
理を施すことにより表面伝導型放出素子14を形成す
る。以上説明した工程により、電子源基板が形成され
る。
【0205】図40は、実施形態に用いた表示パネルの
斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を切
り欠いて示している。
【0206】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえば低温フリ
ットガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲
気中で封着した。
【0207】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には表面伝導型放出素子
1002がN×M個形成され、直列にトランジスタ19
01が形成されている。(N、Mは2以上の正の整数で
あり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。
たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表示
装置においては、N=3000、M=1000以上の数
を設定することが望ましい。本実施形態においては、N
=3072、M=1024とした。)前記N×M個の直
列にトランジスタが接続された表面伝導型放出素子は、
M本のグランドもしくはある電位に接続された配線19
02に接続され、トランジスタのゲート電極がM本の走
査配線である行方向配線1003に接続され、トランジ
スタのソース電極がN本の列方向配線1004に接続さ
れている。前記、1001〜1004、1901〜19
02によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼
ぶ。
【0208】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
01が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板10
01自体を用いてもよい。
【0209】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用
しても良い。また、本発明はシステムあるいは装置にプ
ログラムを供給することによって達成される場合にも適
用できることは言うまでもない。
【0210】〔実施形態4〕図41は、本実施形態の電
子発生装置の概略構成の一部を示す図である。
【0211】図41において、14は、表面伝導型放出
素子である。表面伝導型放出素子14は、M×Nの行列
状に配置されている。2はトランジスタであり、トラン
ジスタのソース電極が走査配線であるDx1〜DxMの
M本の行方向配線12と接続し、トランジスタのゲート
電極が変調信号配線であるDy1〜DyNのN本の列方
向配線13と接続し、トランジスタのドレイン電極が表
面伝導型放出素子14と接続されている。これらの表面
伝導型放出素子14及びトランジスタ2により電子源素
子が形成される。電子源素子はM×Nのマトリクス上に
配置され、表面伝導型放出素子14を多数個備える電子
源を構成する。
【0212】このような表示パネルで、表示動作を行う
為の電気回路構成を以下に例示する。図42は、NTS
C方式のテレビ信号にもとずきテレビジョン表示を行う
為の駆動回路の概略構成をブロック化して示したもの
で、図43中、101は前記表示パネルであり、また、
102は走査回路、103は制御回路、104はシフト
レジスタ、105はラインメモリ、106は同期信号分
離回路、107は変調信号発生器、VxおよびVcおよ
びVaは直流電圧源である。
【0213】以下、各部の機能を説明してゆくが、まず
表示パネル101は、端子Dx1ないしDxM、および
端子Dy1ないしDyN、および端子Dc、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。この
うち、端子Dx1ないしDxMには、前記表示パネル内
に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちM行N
列の行列状に配置された表面伝導型放出素子群を一行
(N素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が表面伝
導型放出素子に接続されているトランジスタのゲート電
極に印加される。一方、端子Dy1ないしDyNには、
前記走査信号により選択された一行の表面伝導型放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が
表面伝導型放出素子に接続されているトランジスタのソ
ース電極に印加される。更に、表面伝導型放出素子のト
ランジスタと接続されている電極とは別の、もう一方の
電極と接続している端子Dcには、直流電圧源Vcが接
続される。ここでは、−11〔V〕である。また、高圧
端子Hvには、直流電圧源Vaより、たとえば10k
〔V〕の直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型放
出素子より出力される電子ビームに蛍光体を励起するの
に十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0214】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図43中、S1ないしSMで模式的に示してい
る)、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電
圧もしくは0〔V〕(グランドレベル)のいずれか一方
を選択し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxM
と電気的に接続するものである。S1ないしSMの各ス
イッチング素子は、制御回路103が出力する制御信号
Tscanにもとずいて動作するものだが、実際にはた
とえばFETのようなスイッチング素子を組み合わせる
事により容易に構成する事が可能である。
【0215】尚、前記直流電圧源Vxには、本実施形態
の場合には、22〔V〕の一定電圧を出力するよう設定
している。ほかの回路においては、実施形態1と同様で
ある。
【0216】本実施形態に用いた表面伝導型放出素子
は、図7に示すように、Vth=8〔V〕を閾値電圧と
する電子放出特性を有する。そして表示装置を最大輝度
で発光させる際の放出電流をIemax、その時の素子
電流をIfmaxを設定した。たとえば、Iemax=
0.6〔μA〕、Ifmax=0.8〔mA〕であり、
このとき素子に印加される電圧は、12〔V〕である。
このことから、最大輝度で発光させる際の表面伝導型放
出素子は、12〔V〕/0.8〔mA〕=15〔kΩ〕
程度の電気抵抗を持つ。
【0217】また、表面伝導型放出素子に接続されてい
るトランジスタの特性は、図8に示すようであり、ドレ
イン−ソース間電圧Vds=10〔V〕、ゲート−ソー
ス間電圧Vgd=14〔V〕のときのドレイン電流Id
=0.8〔mA〕であり、10〔V〕/0.8〔mA〕
=12.5〔kΩ〕程度の電気抵抗を持つ。
【0218】以上から、表面伝導型放出素子に12
〔V〕が印加され、素子電流が0.8〔mA〕流れるた
めには、(15〔kΩ〕+12.5〔kΩ〕)/0.8
〔mA〕×12〔V〕=22〔V〕が表面伝導型放出素
子とトランジスタ部に印加されなくてはならない。すな
わち、トランジスタが動作しているときに、22〔V〕
が印加されたときに、素子電流として、0.8〔mA〕
の一定電流が流れることになる。
【0219】変調信号発生器107としては、ある電圧
以上のパルスを発生するが入力されるデータに応じて適
宜パルスの長さを変調するようなパルス幅変調方式のも
のを用いる事が可能である。これは、ある電圧以上のパ
ルスが印加されても、表面伝導型放出素子に接続された
トランジスタにより、一定電流が流れるために定電流駆
動になっている。
【0220】以上、図42に示された各部の機能につい
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図43ないし図
46を用いて前記表示パネル101の動作についてより
詳しく説明しておく。
【0221】図43の図示の便宜上、表示パネルの画素
数を6×6(すなわちM=N=6)として説明するが、
実際に用いる表示パネル101はこれよりもはるかに多
数の画素を備えたものである事は言うまでもない。
【0222】図43に示すのは、6行6列の行列状に表
面伝導型放出素子を行列上に配置したマルチ電子ビーム
源であり、説明上、各素子を区別する為にD(1、
1)、D(1、2)ないしはD(6、6)のように
(X、Y)座標で位置を示している。
【0223】このようなマルチ電子ビーム源を駆動して
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
っている。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆
動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対
応する行の端子に22〔V〕を、それ以外の端子には0
〔V〕を印加する。それと同期して、当該ラインの画像
パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に変
調信号を印加する。
【0224】たとえば、図44に示すような画像パター
ンを表示する場合を例にとって説明する。図44の画像
のうち、たとえば第3ライン目を発光させる期間中を例
にとって説明する。図45は、前記画像の第3ライン目
を発光させる間に、端子Dx1ないしDx6、および端
子Dy1ないしDy6を通じてマルチ電子ビーム源に印
加する電圧値を示したもので、同図45から明らかなよ
うに、D(3、2)、D(3、3)、D(3、4)の各
表面伝導型放出素子とトランジスタのドレイン−ソース
間には、22〔V〕が印加されて電子ビームが出力され
る一方、上記3素子以外はゲートの電位もしくはソース
の電位が0になり、ドレイン電流が流れなくなるため、
トランジスタのスイッチがオフとなり、これらの素子か
らは電子ビームは出力されない。
【0225】同様の方法で、他のラインについても図4
4の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動し
てゆくが、この様子を時系列的に示したのが図46のタ
イムチャートである。同図46に示すように、第1ライ
ンから順次1ラインずつ駆動してゆく事により1画面の
表示が行なわれるが、これを毎秒60画面の速さで繰り
返す事により、ちらつきのない画像表示が可能であっ
た。
【0226】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1に
ないしDy6に印加される変調信号のパルスの長さを1
0マイクロ〔秒〕よりも長く(短く)する事により変調
が可能である。以上、6x6のマルチ電子ビーム源を例
にとって、表示パネル101の駆動方法を説明したが、
装置の全体動作についての説明は、実施形態3と同様で
ある。
【0227】〔実施形態5〕図47は、本実施形態の電
子発生装置の駆動の概略構成の一部を示す図である。図
47において、14は、表面伝導型放出素子である。表
面伝導型放出素子14は、M×Nの行列状に配置されて
いる。2はトランジスタであり、トランジスタのソース
電極が変調信号配線であるDy1〜DyNのN本の列方
向配線と接続し、表面伝導型放出素子14と走査配線で
あるDx1〜DxMのM本の行方向配線12と接続し、
更にトランジスタのドレイン電極が表面伝導型放出素子
14と接続されている。これらの表面導電型放出素子1
4及びトランジスタ2により電子源素子が形成される。
電子源素子はM×Nのマトリクス上に配置され、表面伝
導型放出素子14を多数個備える電子源を構成する。
【0228】このような表示パネルで、表示動作を行う
為の電気回路構成を以下に例示する。図48は、NTS
C方式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行う為
の駆動回路の概略構成をブロック化して示したもので、
図中、101は前記表示パネルであり、また、102は
走査回路、103は制御回路、104はシフトレジス
タ、105はラインメモリ、106は同期信号分離回
路、107は変調信号発生器、108はゲート信号発生
器、VxおよびVaは直流電圧源である。
【0229】以下、各部の機能を説明してゆくが、まず
表示パネル101は、端子Dx1ないしDxM、および
端子Dy1ないしDyN、および端子Dc、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続している。この
うち、端子Dx1ないしDxMには、前記表示パネル内
に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわちM行N
列の行列状に配置された表面伝導型放出素子群を一行
(N素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が表面導
電型放出素子に印加される。一方、端子Dy1ないしD
yNには、前記走査信号により選択された一行の表面伝
導型放出素子の各素子の出力電子ビームを制御する為の
変調信号が表面伝導型放出素子に接続されているトラン
ジスタのソース電極に印加される。更に、変調信号によ
り駆動される素子に電流を流すかどうかを制御するため
のゲート信号がトランジスタのゲート電極に印加され
る。また、高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例
えば1Ok〔V〕の直流電圧が供給されるが、これは表
面伝導型放出素子より出力される電子ビームに蛍光体を
励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧
である。
【0230】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図中、S1ないしSMで模式的に示している)、各
スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしく
は0〔V〕(グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxMと電気
的に接続するものである。S1ないしSMの各スイッチ
ング素子は、制御回路103が出力する制御信号Tsc
anに基づいて動作するものだが、実際には例えばFE
Tのようなスイッチング素子を組み合わせる事により容
易に構成する事が可能である。尚、前記直流電圧源Vx
には、本実施形態の場合には、14〔V〕の一定電圧を
出力するよう設定している。
【0231】また、制御回路103は、外部より入力す
る画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部
の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明す
る同期信号分離回路106より送られる同期信号Tsy
ncに基づいて、各部に対してTscanおよびTsf
tおよびTmryの各制御信号を発生する。尚、各制御
信号のタイミングに関しては、後に図54を用いて詳し
く説明する。
【0232】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られてい
るように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路106に
より分離された同期信号は、良く知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104に入力
される。
【0233】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(すなわち、制御信号Tsftは、シフトレジ
スタ104のシフトロックであると言い換えても良
い)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子の駆動データに相当する)のデー
タは、Id1ないしIdNのN個の並列信号として前記
シフトレジスタ104より出力される。
【0234】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1ないしIdNの内容を記憶する。記
憶された内容は、I′d1ないしI′dNとして出力さ
れ、変調信号発生器107とゲート信号発生器108に
入力される。
【0235】変調信号発生器107は、前記画像データ
I′d1ないしI′dNの各々に応じて、表面伝導電型
放出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、そ
の出力信号は、端子Dy1ないしDyNを通じて表示パ
ネル101内の表面伝導型放出素子に印加される。
【0236】ゲート信号発生器108は、前記画像デー
タI′d1ないしI′dNの各々に応じて、表面伝導型
放出素子の各々を適切に駆動するかどうかを制御する為
の信号源で、その出力信号は、端子Dg1ないしDgN
を通じて表示パネル101内の表面伝導型放出素子に印
加される。
【0237】本実施形態に用いた表面伝導型放出素子
は、図7に示すように、Vth=8〔V〕を閾値電圧と
する電子放出特性を有する。そして表示装置を最大輝度
で発光させる際の放出電流をIemax、その時の素子
電流をIfmaxを設定した。例えば、Iemax=
0.6〔μA〕、Ifmax=0.8〔mA〕であり、
このとき素子に印加される電圧は、12〔V〕である。
このことから、最大輝度で発光させる際の表面伝導型放
出素子は、12〔V〕/0.8〔mA〕=15〔kΩ〕
程度の電気抵抗を持つ。
【0238】また、表面伝導型放出素子に接続されてい
るトランジスタの特性は、図53に示すようであり、ド
レイン−ソース間電圧Vds=10〔V〕、ゲート−ソ
ース間電圧Vgs=14〔V〕のときのドレイン電流I
d=0.8〔mA〕であり、10〔V〕/0.8〔m
A〕=12.5〔kΩ〕程度の電気抵抗を持つ。
【0239】以上から、表面伝導型放出素子に12
〔V〕が印加され、素子電流が0.8〔mA〕流れる為
には、(15〔kΩ〕+12.5〔kΩ〕)/0.8
〔mA〕×12〔V〕=22〔V〕が表面伝導型放出素
子とトランジスタ部に印加されなくてはならない。すな
わち、トランジスタが動作しているときに、22〔V〕
が印加されたときに、素子電流として0.8〔mA〕の
一定電流が流れることになる。また、トランジスタのゲ
ート−ソース間電圧Vgsを素子ごとに変えて、配線の
電圧降下の補償をすることができる。
【0240】変調信号発生器107としては、ある電圧
以上のパルスを発生するが入力されるデータに応じて適
宜パルスの長さを変調するようなパルス幅変調方式のも
のを用いる事が可能である。これは、ある電圧以上のパ
ルスが印加されても、表面伝導型放出素子に接続された
トランジスタにより、一定電流が流れるために定電流駆
動になっている。
【0241】以上、図48に示された各部の機能につい
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図49ないし図
52を用いて前記表示パネル101の動作についてより
詳しく説明しておく。図示の便宜上、表示パネルの画素
数を6×6(すなわちM=N=6)として説明するが、
実際に用いる表示パネル101はこれよりもはるかに多
数の画素を備えたものである事は言うまでもない。
【0242】図49に示すのは、6行6列の行列状に表
面伝導型放出素子を行列上に配置したマルチ電子ビーム
源であり、説明上、各素子を区別する為にD(1,
1),D(1,2)ないしはD(6,6)のように
(X,Y)座標で位置を示している。
【0243】このようなマルチ電子ビーム源を駆動して
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
っている。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆
動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対
応する行の端子に0〔V〕を、それ以外の端子には14
〔V〕を印加する。それと同期して、当該ラインの画像
パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子にハ
イレベル22〔V〕、ローレベル14〔V〕の変調信号
を印加する。
【0244】ゲート信号発生器108は、基本的には変
調信号発生器107と同じ構成のものであるが、ただ、
出力される電圧値が異なる。つまり、画像の1ラインに
対応した電子放出素子を駆動するには、Dx1ないしD
x6のうち表示ラインに対応する行の端子に0〔V〕
を、それ以外の端子には14〔V〕を印加されるのに同
期して、当該ラインの画像パターンにしたがってDg1
ないしDg6の各端子にハイレベル14〔V〕、ローレ
ベル0〔V〕の変調信号を印加する。
【0245】例えば、図50に示すような画像パターン
を表示する場合を例にとって説明する。図50の画像の
うち、例えば第3ライン目を発光させる期間中を例にと
って説明する。図5は、前記画像の第3ライン目を発光
させる間に、端子Dx1ないしDx6、および端子Dy
1ないしDy6を通じてマルチ電子ビーム源に印加する
電圧値を示したもので、同図から明らかなように、D
(3,2),D(3,3),D(3,4)の各表面伝導
型放出素子とトランジスタのドレイン−ソース間には、
22〔V〕が印加されて電子ビームが出力される一方、
上記3素子以外はゲート−ソース間の電位差が0にな
り、ドレイン電流が流れなくなるため、トランジスタの
スイッチがオフとなり、これらの素子からは電子ビーム
は出力されない。
【0246】同様の方法で、他のラインについても図5
0の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動し
てゆくが、この様子を時系列的に示したのが図52のタ
イムチャートである。同図に示すように、第1ラインか
ら順次1ラインずつ駆動してゆく事により1画面の表示
が行われるが、これを毎秒60画面の速さで繰り返す事
により、ちらつきのない画像表示が可能であった。
【0247】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1な
いしDy6に印加される変調信号のパルスの長さを10
マイクロ〔秒〕より長く(短く)する事により変調が可
能である。
【0248】以上、6x6のマルチ電子ビーム源を例に
とって、表示パネル101の駆動方法を説明したが、次
に図2の装置の全体動作について、図54のタイムチャ
ートを参照しながら説明する。
【0249】図54中(1)に示すのは、外部から入力
するNTSC信号から同期信号分離回路106により分
離された輝度信号DATAのタイミングであり、図に示
すように1ライン目データから順次2ライン目、3ライ
ン目と送られてくるが、これと同期して制御回路103
からシフトレジスタ104に対して図9の(2)に示す
ようなシフトロックTsftが出力される。
【0250】シフトレジスタ104に1ライン分のデー
タが蓄積されると、同図(3)に示すタイミングで、制
御回路103からラインメモリ105に対してメモリー
ライト信号Tmryが出力され、1ライン(N素子分)
の駆動データが書き込まれる。その結果、ラインメモリ
105の出力信号であるI′d1ないしI′dNの内容
は同図(4)に示すタイミングで変化する。
【0251】一方、走査回路102の動作を制御する制
御信号Tscanの内容は同図(5)に示すようなもの
となる。すなわち、1ライン目を駆動する場合には、走
査回路102内のスイッチング素子S1のみが0〔V〕
で他のスイッチング素子は14〔V〕、また2ライン目
を駆動する場合には、スイッチング素子S2のみが0
〔V〕で他のスイッチング素子は14〔V〕、以下同様
というように動作が制御される。
【0252】また、これと同期して変調信号発生器10
7から表示パネル101に対しては、図9の(6)に示
すタイミングで変調信号が出力される。
【0253】以上に説明した動作により、表示パネル1
01を用いてテレビジョンの表示を行う事が可能であっ
た。
【0254】尚、上記説明中、特に記載しなかったが、
シフトレジスタ104やラインメモリ105は、デジタ
ル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差し支え
なく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度で行われればよい。尚、デジタル信号式を用
いる場合には、同期信号分離回路106の出力信号DA
TAをデジタル信号化する必要があるが、これは106
の出力部にA/D変換器を備えれば容易に可能であるこ
とは言うまでもない。
【0255】また、本実施例においてはNTSC方式の
テレビ信号に基づきテレビジョン表示を行う例を示した
が、本発明適用の表示パネルの応用はこれに限るもので
はない。他の方式のテレビジョン信号、あるいは、計算
機や画像メモリ、通信ネットワークなど種々の画像信号
源と直接あるいは間接に接続する表示装置に広く用いる
ことが可能であり、とりわけ大容量の画像を表示する大
画面の表示に好適である。
【0256】次に、本実施形態の電子発生装置について
更に説明する。電子源の一部の平面図を図55に示す。
また、図中のA−A′断面図を図56に示す。更に、本
実施例の電子源を製造するためのプロセスを図57と図
58に示す。
【0257】図55において、12は走査配線である行
方向配線であり、トランジスタのソース電極と接続し、
Dx1〜DxMのM本の配線で構成される。13は変調
信号配線である列方向配線であり、表面伝導型放出素子
の一端に接続される。15は表面伝導型放出素子に電流
を流すかどうかを制御するゲート配線で、トランジスタ
のゲート電極と接続し、列方向配線に平行に、Dg1〜
DgNのN本の配線で構成される。
【0258】図56はガラス基板上に、トランジスタ
(TFT:電解効果型薄膜トランジスタ)と電子放出素
子である表面伝導型放出素子を形成した電子源基板の一
例を示す模式的断面図である。
【0259】図56において、1はガラス基板、12は
行方向配線、13は列方向配線、15は表面伝導型放出
素子に電流を流すかどうかを制御するゲート配線であ
る。表面伝導型放出素子14は、電子放出部形成用薄膜
に通電フォーミング処理を施すことにより電子放出部を
含む薄膜が形成される。
【0260】ガラス基板1上に、トランジスタ(TF
T:電解効果型薄膜トランジスタ)2が形成され、その
ソース電極5はアルミ配線9により行方向配線12に接
続されている。また、ドレイン配線6はアルミ配線10
により表面伝導型放出素子14の電極7に接続されてい
る。更に、ゲート電極4は電流を流すかどうかを制御す
るゲート配線15と接続している。
【0261】そして、表面伝導型放出素子14のもう一
方の電極8は、アルミ配線11により列方向配線13に
接続されている。
【0262】次に、図57と図58を参照して、図56
に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明する。
図22は、この製造工程の一例を説明するための模式的
断面図である。
【0263】第1の工程(図57の(a)参照)では、
ガラス基板1を用意する。
【0264】第2の工程(図57の(b)参照)では、
ガラス基板1上に、TFTとなる多結晶Siを堆積し、
フォトレジストを利用してパターン形成する。
【0265】第3の工程(図57の(c)参照)では、
p型イオンを注入することにより、n型のTFTの閾値
を調整する。
【0266】第4の工程(図57の(d)参照)では、
パターニングによりTFTの上面以外の多結晶Siを取
り除く。
【0267】第5の工程(図57の(e)参照)では、
TFTとなる上面にゲート用の酸化膜を形成する。
【0268】第6の工程(図57の(f)参照)では、
TFTのゲート電極用の多結晶Siを堆積させる。
【0269】第7の工程(図58の(a)参照)では、
ゲート電極をパターニングし、更に、TFTにイオンを
注入し、ソース領域とドレイン領域を形成してTFTを
作成する。
【0270】第8の工程(図58の(b)参照)では、
行方向配線12を配置する。
【0271】第9の工程(図58の(c)参照)では、
行方向配線12とTFTのソース電極を電気に接続する
アルミ配線9と、TFTのドレイン電極と表面伝導型放
出素子の電極7を電気的に接続するアルミ配線10と、
表面伝導型放出素子の電極8と列方向配線13を電気的
に接続するアルミ配線11を配置する。そして、TFT
のゲート配線と電気的に接続するように電流を流すかど
うかを制御するゲート配線15を形成する。
【0272】第10の工程(図58の(d)参照)で
は、列方向配線13を形成する。
【0273】第11の工程(図58の(e)参照)で
は、表面伝導型放出素子14を形成する。この表面伝導
型放出素子14の形成方法は、実施形態1で、図17を
使って説明したのと同様である。
【0274】本工程に係わる表面伝導型放出素子14を
電子放出部形成用薄膜のマスクの平面図は、実施形態1
で使った図22と同じである。このマスクは、素子間ギ
ャップG、及びこの近傍には開口を有し、膜厚10オン
グストロームのCr膜(不図示)を真空蒸着により堆積
・パターニングする。そして、この上に有機Pdをスピ
ンナーにより回転塗布後、300℃で10分間の加熱焼
成処理を行い、Pbからなる電子放出部形成用薄膜とす
る。このようにして形成された電子放出部形成用薄膜
は、Pdを主成分とする微粒子から構成され、その膜厚
は100オングストローム、シート抵抗値は5×104
Ω/□であった。尚、15bと15cは、それぞれ素子
電極である。
【0275】尚、ここで述べる微粒子膜とは、上述した
ように複数の微粒子が集合した膜であり、その微粒子構
造としては微粒子がここに分散配置した状態のみなら
ず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態
(島状も含む)の膜をも指す。また、その粒径とは、前
記状態が認識可能な微粒子についての径をいう。
【0276】Cr膜(不図示)及び焼成後の電子放出部
形成用薄膜を、酸エッチャントによりウエットエッチン
グして、所望のパターンを形成する。このようにして形
成された電子放出部形成用薄膜に、前述のフォーミング
処理を施すことにより表面伝導型放出素子14を形成す
る。以上説明した工程により、電子源基板が形成され
る。
【0277】図59は、実施形態に用いた表示パネルの
斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を切
り欠いて示している。
【0278】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、例えば低温フリッ
トガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気
中で、封着した。
【0279】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には表面伝導型放出素子
1002がN×M個形成され、直列にトランジスタ19
01が形成されている(N,Mは2以上の正の整数であ
り、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。例
えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表示装置
においては、N=3000,M=1000以上の数を設
定することが望ましい。本実施形態においては、N=3
072,M=1024とした)。前記N×M個の直列に
トランジスタが接続された表面伝導型放出素子は、N本
の列方向配線1004に接続され、トランジスタのゲー
ト電極がM本のゲート信号回路からの出力配線1902
に接続され、トランジスタのソース電極がM本の行方向
配線1003に接続されている。前記、1001〜10
04、1901〜1902によって構成される部分をマ
ルチ電子ビーム源と呼ぶ。
【0280】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
01が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板10
01自体を用いてもよい。
【0281】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用
しても良い。また、本発明はシステムあるいは装置にプ
ログラムを供給することによって達成される場合にも適
用できることは言うまでもない。
【0282】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の表面伝導型放出素子が、より均一は電子放出を行
うことができる電子源が得られ、その電子源を用いて、
高品位の画像表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子源の概略構成の一部を示す図
である。
【図2】実施形態1における駆動回路の概略構成をブロ
ック化した図である。
【図3】6行6列に行列状に表面伝導型放出素子を配置
したマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図4】マルチ電子ビーム源の任意の表示パターンの1
例を説明するための図である。
【図5】マルチ電子ビーム源の駆動方法を説明する図で
ある。
【図6】図4の表示パターンを駆動するときのタイムチ
ャートを示す図である。
【図7】表面伝導型放出素子の動作特性を示す図であ
る。
【図8】本実施形態のトランジスタの特性を示す図であ
る。
【図9】駆動回路の各制御信号のタイミングを示す図で
ある。
【図10】本発明に係わる一実施形態のマルチ電子ビー
ム源の平面図である。
【図11】本発明に係わる一実施形態のマルチ電子ビー
ム源の断面図である。
【図12】本発明に係わる一実施形態のトランジスタの
製造工程の説明図である。
【図13】トランジスタの製造工程の説明図である。
【図14】本発明の実施形態である画像表示装置の表示
パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図15】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列
を例示した平面図である。
【図16】実施形態の平面型の表面伝導型放出素子の平
面図(a),断面図(b)である。
【図17】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図18】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形で
ある。
【図19】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a),
放出電流Ieの変化(b)である。
【図20】実施形態の垂直型の表面伝導型放出素子の断
面図である。
【図21】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図22】表面伝導型放出素子の電子放出部の作製用マ
スクの平面図である。
【図23】本発明による電子源の概略構成の一部を示す
図である。
【図24】実施形態における駆動回路の概略構成をブロ
ック化した図である。
【図25】6行6列に行列状に表面伝導型放出素子を配
置したマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図26】マルチ電子ビーム源の任意の表示パターンの
1例を説明するための図である。
【図27】マルチ電子ビーム源の駆動方法を説明する図
である。
【図28】図26の表示パターンを駆動するときのタイ
ムチャートを示す図である。
【図29】本発明による電子源の概略構成の一部を示す
図である。
【図30】実施形態3における駆動回路の概略構成をブ
ロック化した図である。
【図31】6行6列に行列状に表面伝導型放出素子を配
置したマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図32】マルチ電子ビーム源の任意の表示パターンの
1例を説明するための図である。
【図33】マルチ電子ビーム源の駆動方法を説明する図
である。
【図34】図32の表示パターンを駆動するときのタイ
ムチャートを示す図である。
【図35】駆動回路の各制御信号のタイミングを示す図
である。
【図36】本発明に係わる一実施形態のマルチ電子源の
平面図である。
【図37】本発明に係わる一実施形態のマルチ電子源の
断面図である。
【図38】本発明に係わる一実施形態のマルチ電子源の
製造工程の説明図である。
【図39】本発明に係わる一実施形態のマルチ電子源の
製造工程の説明図である。
【図40】表示パネルの斜視図である。
【図41】本発明による電子源の概略構成の一部を示す
図である。
【図42】実施形態4における駆動回路の概略構成をブ
ロック化した図である。
【図43】6行6列に行列状に表面伝導型放出素子を配
置したマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図44】マルチ電子ビーム源の任意の表示パターンの
1例を説明するための図である。
【図45】マルチ電子ビーム源を説明する図である。
【図46】図44の表示パターンを駆動するときのタイ
ムチャートを示す図である。
【図47】本発明による電子源の概略構成の一部を示す
図である。
【図48】実施形態5における駆動回路の概略構成をブ
ロック化した図である。
【図49】6行6列に行列状に表面伝導型放出素子を配
置したマルチ電子ビーム源を示す図である。
【図50】マルチ電子ビーム源の任意の表示パターンの
1例を説明するための図である。
【図51】マルチ電子ビーム源の駆動方法を説明する図
である。
【図52】図50の表示パターンを駆動するときのタイ
ムチャートを示す図である。
【図53】実施形態5のトランジスタの特性を示す図で
ある。
【図54】駆動回路の各制御信号のタイミングを示す図
である。
【図55】本発明に係わる一実施例のマルチ電子源の平
面図である。
【図56】本発明に係わる一実施例のマルチ電子源の断
面図である。
【図57】トランジスタの製造工程を表す図である。
【図58】トランジスタの製造工程を表す図である。
【図59】表示パネルの斜視図である。
【図60】従来の表面伝導型放出素子の平面図である。
【図61】表面伝導型放出素子をマトリクス配線配置し
たときの、配線抵抗に起因する問題点を説明する図であ
る。
【図62】表面伝導型放出素子をマトリクス配線配置し
たときの、配線抵抗に起因する問題点を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2,1901 トランジスタ 4 ゲート電極 5 ソース電極 6 ドレイン電極 12 行方向配線 13 列方向配線 14 表面伝導型放出素子 15 固定電位

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表面伝導型放出素子を複数の行方
    向配線と列方向配線でマトリックス配線した電子発生装
    置において、 前記列方向配線と前記行方向配線が交わる部分にトラン
    ジスタと前記表面伝導型放出素子を配置したことを特徴
    とする電子発生装置。
  2. 【請求項2】 前記トランジスタのソース電極を前記列
    方向配線にゲート電極を前記行方向配線に、ドレイン電
    極を前記表面伝導型放出素子の一端に接続し、前記表面
    伝導型放出素子の他端を固定電位に接続した請求項1に
    記載の電子発生装置。
  3. 【請求項3】 前記トランジスタのソース電極を前記行
    方向配線に、ゲート電極を前記列方向配線に、ドレイン
    電極を前記表面伝導型放出素子の一端に接続し、前記表
    面伝導型放出素子の他端を固定電位に接続した請求項1
    に記載の電子発生装置。
  4. 【請求項4】 前記トランジスタのソース電極を前記行
    方向配線に、ゲート電極をゲート信号回路に、ドレイン
    電極を前記表面伝導型放出素子に一端に接続し、前記表
    面伝導型放出素子の他端を前記行方向配線に接続した請
    求項1に記載の電子発生装置。
  5. 【請求項5】 前記ゲート信号回路は、前記表面伝導型
    放出素子の特性に応じて信号を出力する請求項4に記載
    の電子発生装置。
  6. 【請求項6】 前記トランジスタはTFT(電解効果型
    薄膜トランジスタ)である請求項1〜5のいずれかに記
    載の電子発生装置。
  7. 【請求項7】 前記固定電位は接地電位である請求項2
    または3に記載の電子発生装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の電子発
    生装置と、前記電子発生装置が放出した電子により励起
    発光する蛍光板を有することを特徴とする画像形成装
    置。
  9. 【請求項9】 複数の表面伝導型放出素子を複数の行方
    向配線と列方向配線でマトリックス配線した電子発生装
    置の駆動方法において、 前記表面伝導型放出素子の個々にトランジスタを接続
    し、前記行方向配線ごとに前記表面伝導型放出素子を選
    択することを特徴とする電子発生装置の駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記トランジスタのソース電極を前記
    列方向配線に、ゲート電極を前記行方向配線に、ドレイ
    ン電極を前記表面伝導型放出素子の一端に接続し、前記
    表面伝導型放出素子の他端を固定電位に接続する請求項
    9に記載の電子発生装置の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記トランジスタのソース電極を前記
    行方向配線に、ゲート電極を前記列方向配線に、ドレイ
    ン電極を前記表面伝導型放出素子の一端に接続し、前記
    表面伝導型放出素子の他端を固定電位に接続する請求項
    9に記載の電子発生装置の駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記トランジスタのソース電極を前記
    行方向配線に、ゲート電極をゲート信号回路に、ドレイ
    ン電極を前記表面伝導型放出素子に一端に接続し、前記
    表面伝導型放出素子の他端を前記行方向配線に接続する
    請求項9に記載の電子発生装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記ゲート信号回路は、前記表面伝導
    型放出素子の特性に応じて信号を出力する請求項12に
    記載の電子発生装置の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記トランジスタはTFT(電解効果
    型薄膜トランジスタ)である請求項9〜13のいずれか
    に記載の電子発生装置の駆動方法。
  15. 【請求項15】 前記固定電位は接地電位である請求項
    10または11に記載の電子発生装置の駆動方法。
  16. 【請求項16】 電子発生装置と該電子発生装置が放出
    した電子により励起発光する蛍光板とを有する画像形成
    装置の駆動方法において、前記電子発生装置が9〜15
    のいずれかに記載の方法にて駆動されることを特徴とす
    る電子発生装置の駆動方法。
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Cited By (5)

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