JPH11288245A - 画像表示方法及び装置 - Google Patents

画像表示方法及び装置

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JPH11288245A
JPH11288245A JP8896398A JP8896398A JPH11288245A JP H11288245 A JPH11288245 A JP H11288245A JP 8896398 A JP8896398 A JP 8896398A JP 8896398 A JP8896398 A JP 8896398A JP H11288245 A JPH11288245 A JP H11288245A
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Kohei Inamura
浩平 稲村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 順次走査により表示する画像信号と飛び越し
走査により表示する画像信号とを入力し、それら画像信
号を合成して表示するとともに、飛び越し走査により表
示する画像信号の輝度が低下しないようにする。 【解決手段】 複数の電子放出素子を有する電子源とそ
れら電子源から放出された電子により発光する発光体と
を有する表示パネル1000を有し、それぞれ表示方式
の異なるNTSC信号とVGA信号とを入力し、これら
画像信号を合成器75により合成して表示パネル100
0に表示する際、VGA信号はH/2期間で表示し、H
/2期間でNTSC信号を2回連続して表示する。この
NTSC信号の表示に際して、VGA信号とNTSC信
号の表示行が異なる時は、スイッチ回路84により、N
TSC信号に応じた画像信号が印加される素子にかかる
電圧を高くして、隣接行の蛍光膜に電子を照射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子放出素
子と、例えば蛍光体等の発光体を備えた表示パネルを有
する画像表示装置とその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型
素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放
出素子(以下MIM型と記す)などが知られている。
【0003】表面伝導型放出素子としては、例えば、M.
I. Elinson, Radio E-ng. Electron Phys., 10, 1290,
(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン(Elinson)等
によるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によ
るもの[G. Dittmer:“Thin Solid Films”, 9,317 (1
972)]や、In2O3/SnO2薄膜によるもの[M. Hart
well and C. G. Fonstad:”IEEE Trans. ED Conf.”,
519 (1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が
報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図29に前述のM. Hartwellらによ
る素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜
3004に、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理を施すことにより、電子放出部3005が形成され
る。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],幅Wは、
0.1[mm]に設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0006】M. Hartwellらによる素子をはじめとして
上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う
前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成す
るのが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、
前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もし
くは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレー
トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3
004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成
することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質した導電性薄膜3004の一部には亀裂が発生す
る。この通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適
宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電
子放出が行われる。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素
子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人に
よる特開昭64−31332号公報において開示される
ように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研
究されている。
【0008】FE型の例としては、例えば、W. P. Dyke
& W. W. Dolan,“Field emission”, Advance in Ele
ctron Physics, 8, 89 (1956)や、或は、C. A. Spind
t,“Physical properties of thin-film field emissi
on cathodes with molybdeniumcones”, J. Appl. Phy
s., 47, 5248 (1976)などが知られている。
【0009】このFE型の素子構成の典型的な例とし
て、図30に前述のC. A. Spindtらによる素子の断面図
を示す。同図において、3010は基板で、3011は
導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコ
ーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極であ
る。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3
014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッ
タコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるも
のである。また、FE型の他の素子構成として、図30
のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平
行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、MIM型の例としては、例えば、C.
A. Mead,“Operation of tunnel-emission Devices,
J. Appl. Phys., 32,646 (1961)などが知られている。
このMIM型の素子構成の典型的な例を図31に示す。
同図は断面図であり、図において、3020は基板で、
3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100
オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ8
0〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極
である。MIM型においては、上電極3023と下電極
3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電
極3023の表面より電子放出を起こさせるものであ
る。
【0011】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
タを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単
純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上
に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融な
どの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒータの
加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、
冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もあ
る。このため、冷陰極素子を応用するための研究が盛ん
に行われてきている。
【0012】例えば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素
子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることか
ら、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、例えば本出願人による特開昭64−313
32号公報において開示されるように、多数の素子を配
列して駆動するための方法が研究されている。
【0013】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0014】特に、画像表示装置への応用としては、例
えば本出願人によるUSP5,066,883や特開平
2−257551号公報や特開平4−28137号公報
において開示されているように、表面伝導型放出素子と
電子の照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用い
た画像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子
と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来
の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待され
ている。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較
しても、自発光型であるためバックライトを必要としな
い点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0015】また、FE型素子を多数個並べて駆動する
方法は、例えば本出願人によるUSP4,904,89
5に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応
用した例として、例えば、R. Meyerらにより報告された
平板型表示装置が知られている。[R. Meyer:“Recent D
evelopment on Microtips Display at LETI”,Tech.Di
gest of 4th Int. Vacuum Microelectronics Conf., Na
gahama, pp. 6-9 (1991)]。
【0016】また、MIM型を多数個並べて画像表示装
置に応用した例は、例えば本出願人による特開平3−5
5738号公報に開示されている。
【0017】本願発明者らは、上記従来技術に記載した
ものをはじめとして、さまざまな材料、製法、構造の表
面伝導型放出素子を試みてきた。さらに、多数の表面伝
導型放出素子を配列したマルチ電子源、並びにこのマル
チ電子源を応用した画像表示装置について研究を行って
きた。
【0018】本願発明者らは、例えば図32に示す電気
的な配線方法によるマルチ電子源を試みてきた。即ち、
表面伝導型放出素子を2次元的に多数個配列し、これら
の素子を図示のようにマトリクス状に配線したマルチ電
子源である。
【0019】図中、4001は表面伝導型放出素子を模
式的に示したもの、4002は行方向配線、4003は
列方向配線である。行方向配線4002および列方向配
線4003は、実際には有限の電気抵抗を有するもので
あるが、図においては配線抵抗4004および4005
として示されている。上述のような配線方法を、単純マ
トリクス配線と呼ぶ。なお、この図では図示の便宜上、
6×6のマトリクスで示しているが、マトリクスの大き
さはむろんこれに限ったわけではなく、例えば画像表示
装置用のマルチ電子源の場合には、所望の画像表示を行
うのに足りるだけの素子を配列して配線するものであ
る。
【0020】このように表面伝導型放出素子を単純マト
リクス配線したマルチ電子源においては、所望の電子ビ
ームを出力させるため、行方向配線4002および列方
向配線4003に適宜の電気信号を印加する。例えば、
マトリクスの中の任意の1行の表面伝導型放出素子を駆
動するには、選択する行の行方向配線4002に選択電
圧Vsを印加し、同時に非選択の行の行方向配線400
2には非選択電圧Vnsを印加する。これと同期して列方
向配線4003に電子ビームを出力するための駆動電圧
Veを印加する。この方法によれば、配線抵抗4004
及び4005による電圧降下を無視すれば、選択する行
の表面伝導型放出素子には、(Ve−Vs)の電圧が印加
され、また非選択行の表面伝導型放出素子には(Ve−
Vns)の電圧が印加される。これら電圧Ve,Vs,Vns
を適宜の大きさの電圧値にすれば選択する行の表面伝導
型放出素子だけから所望の強度の電子ビームが出力され
るはずであり、また列方向配線の各々に異なる駆動電圧
Veを印加すれば、選択する行の素子の各々から異なる
強度の電子ビームが出力されるはずである。また、表面
伝導型放出素子の応答速度は高速であるため、駆動電圧
Veを印加する時間の長さを変えれば、電子が出力され
る時間の長さも変えることができるはずである。
【0021】従って、表面伝導型放出素子を単純マトリ
クス配線したマルチ電子源はいろいろな応用可能性があ
り、例えば画像情報に応じた電気信号を適宜印加すれ
ば、画像表示装置用の電子源として好適に用いることが
できる。
【0022】しかしながら、表面伝導型放出素子を単純
マトリクス配線したマルチ電子源には、実際には以下に
述べるような問題が発生していた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このようなマトリクス
状に配列された複数の表示画素を有する画像表示装置に
おいて、飛び越し走査の画像を表示する際は、最初のフ
ィールド期間では上から順に奇数行が1水平走査期間ず
つ選択されて表示され、次のフィールド期間では上から
順に偶数行が選択されて表示され、2フィールド(=1
フレーム)で1画面が描画される。これに対し順次走査
により画像を表示する際には、1フィールド期間の間に
各行が上から順に表示される。この時、飛び越し表示走
査において各行が表示される時間、即ち、飛び越し走査
の水平走査期間をHとすると、順次表示走査において各
行が表示される時間(=順次走査の1水平走査期間)は
H/2となる。
【0024】このように画像が表示される時、順次走査
と飛び越し走査の方式の異なる画像を1画面に表示しよ
うとした場合、簡便な方法としては、1フィールド期間
で順次走査のタイミングで各行を選択する。即ち、図2
7(a)に示すように最初の1フィールドでは、順次走
査の画像を表示する部分を1行目から全て順に表示す
る。また飛び越し走査の画像を表示する部分は奇数行の
み表示する。そして次のフィールド期間では、図27
(b)に示すように順次走査の画像を表示する部分を1
行目から順次表示し、飛び越し走査の画像を表示する部
分は偶数行のみを表示する。こうすることにより、1フ
レームでは図27(c)に示すように表示される。しか
しこの場合、上述のような表示制御では、走査が順次走
査の時と同じタイミングで行われるので、飛び越し走査
の画像を表示している部分は、通常の全画面飛び越し走
査表示であれば各行がHずつ点灯するのに対し、順次走
査のタイミングで行われるためH/2ずつしか点灯しな
くなる。このため、全画面飛び越し走査で表示する場合
に比べて表示輝度が低下することになる。この輝度を低
下させない方法としては、例えば図28(a)(b)に
示すように、飛び越し走査の画像を表示する部分におい
て同じデータで2行を点灯する方法もある。しかしなが
らこの場合は、本来1行であるべき表示線が2行で表示
されてしまうので、1フレームの画像は図28(c)に
示すようになり垂直方向の解像度の低下を招いてしま
う。
【0025】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、表示方式の異なる画像信号を入力し、それら画像信
号を合成して表示するとともに、各画像信号の輝度の差
異が目立たないようにした画像表示方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0026】又本発明の目的は、一画面中に順次走査に
より表示する画像と飛び越し走査により表示する画像と
を同時に表示し、飛び越し走査により表示する画像の表
示輝度の低下を防止した画像表示方法及び装置を提供す
ることにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像表示装置は以下のような構成を備える。
即ち、複数の電子放出素子を有する電子源と前記電子源
から放出された電子により発光する発光体とを有する表
示パネルと、表示方式の異なる画像信号を入力する画像
入力手段と、前記画像入力手段により入力された画像信
号を合成して前記表示パネルに表示する1ライン分の画
像データを生成する画像生成手段と、前記画像生成手段
により生成された1ライン分の画像データに応じたパル
ス幅の電圧信号を発生する電圧発生手段と、前記画像入
力手段により入力される画像信号の表示方式に応じて前
記電圧発生手段において発生する電圧信号の電圧レベル
を設定する設定手段と、前記画像信号の表示走査に同期
して前記設定手段により設定された電圧レベルの電圧信
号を前記表示パネルに供給して前記電子放出素子を駆動
する駆動制御手段とを有することを特徴とする。
【0028】上記目的を達成するために本発明の画像表
示方法は以下のような工程を備える。即ち、行及び列配
線によりマトリクス状に配設した複数の電子放出素子を
有する電子源と前記電子源から放出された電子により発
光する発光体とを有する表示パネルに画像を表示する画
像表示方法であって、表示方式の異なる画像信号を入力
する画像入力工程と、前記画像入力工程で入力された画
像信号を合成して前記表示パネルの1ライン分の画像デ
ータを生成する画像生成工程と、前記画像生成工程で生
成された1ライン分の画像データに応じたパルス幅の電
圧信号を発生する電圧発生工程と、前記画像入力工程で
入力される画像信号の表示方式に応じて前記電圧発生工
程で発生する電圧信号の電圧レベルを設定する設定工程
と、前記画像信号の表示走査に同期して前記設定工程で
設定された電圧レベルの電圧信号を前記表示パネルに供
給して前記電子放出素子を駆動する駆動制御工程とを有
することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、添付図面
を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明す
る。尚,以下の実施の形態では、説明の便宜上、表示パ
ネルの基本的構成と製法、好ましい電子放出素子の構造
と製法、電気回路の構成の順で述べる。
【0030】(表示パネルの構成と製造法)本実施の形
態の画像表示装置の表示パネルの構成と製造法につい
て、具体的な例を示して説明する。
【0031】図1は、本実施の形態に用いた表示パネル
1000の外観斜視図であり、その内部構造を示すため
に表示パネル1000の一部を切り欠いて示している。
【0032】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。この気密容器を組み立て
るにあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性
を保持させるため封着する必要があるが、例えばフリッ
トガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気
中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成すること
により封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する
方法については後述する。
【0033】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1002
がN×M個形成されている。(N,Mは2以上の正の整
数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表
示装置においては、N=3000,M=1000以上の
数を設定することが望ましい。本実施の形態において
は、N=3072,M=1024とした)。これらN×
M個の冷陰極素子は、M本の行方向配線1003とN本
の列方向配線1004により単純マトリクス配線されて
いる。これら1001〜1004によって構成される部
分をマルチ電子源と呼ぶ。なお、マルチ電子源の製造方
法や構造については、後で詳しく述べる。
【0034】本実施の形態においては、気密容器のリア
プレート1005にマルチ電子源の基板1001を固定
する構成としたが、マルチ電子源の基板1001が十分
な強度を有するものである場合には、気密容器のリアプ
レートとしてマルチ電子源の基板1001自体を用いて
もよい。
【0035】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施の形態は
カラー表示装置であるため、蛍光膜1008の部分には
CRTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光
体が塗り分けられている。各色の蛍光体は、例えば図2
(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍光
体のストライプの間には黒色の導電体1010が設けて
ある。これら黒色の導電体1010を設ける目的は、電
子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にず
れが生じないようにするためや、外光の反射を防止して
表示コントラストの低下を防ぐため、電子ビームによる
蛍光膜のチャージアップを防止するためなどである。黒
色の導電体1010には、黒鉛を主成分として用いた
が、上記の目的に適するものであればこれ以外の材料を
用いても良い。
【0036】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図2
(A)に示したストライプ状の配列に限られるものでは
なく、例えば図2(B)に示すようなデルタ状配列や、
それ以外の配列であってもよい。なお、モノクロームの
表示パネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料を蛍
光膜1008に用いればよく、また黒色導電材料は必ず
しも用いなくともよい。
【0037】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜100
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1008を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1009は、蛍光膜1008をフェースプレート
基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1009は用いない。
【0038】また、本実施の形態では用いなかったが、
加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、
フェースプレート基板1007と蛍光膜1008との間
に、例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0039】また、Dx1〜DxMおよびDy1〜DyNおよび
Hvは、表示パネル1000と後述する電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1〜DxMはマルチ電子源の行方向配線100
3と、Dy1〜DyNはマルチ電子源の列方向配線1004
と、Hvはフェースプレートのメタルバック1009と
電気的に接続している。
【0040】また、この気密容器内部を真空に排気する
には、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空
ポンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗
[torr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、例え
ばBaを主成分とするゲッター材料をヒータもしくは高
周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲ
ッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マイナ
ス5乗乃至1×10マイナス7乗[torr]の真空度に維
持される。
【0041】以上、本発明の実施の形態の表示パネル1
000の基本構成と製法を説明した。
【0042】次に、この実施の形態の表示パネル100
0に用いたマルチ電子源の製造方法について説明する。
本実施の形態の画像表示装置に用いるマルチ電子源は、
冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、
冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制限はない。従
って、例えば表面伝導型放出素子やFE型、あるいはM
IM型などの冷陰極素子を用いることができる。但し、
表示画面が大きくてしかも安価な表示装置が求められる
状況のもとでは、これらの冷陰極素子の中でも表面伝導
型放出素子が特に好ましい。即ち、FE型ではエミッタ
コーンとゲート電極の相対位置や形状が電子放出特性を
大きく左右するため、極めて高精度の製造技術を必要と
するが、これは大面積化や製造コストの低減を達成する
には不利な要因となる。また、MIM型では、絶縁層と
上電極の膜厚を薄くてしかも均一にする必要があるが、
これも大面積化や製造コストの低減を達成するには不利
な要因となる。その点、表面伝導型放出素子は、比較的
製造方法が単純なため、大面積化や製造コストの低減が
容易である。また、発明者らは、表面伝導型放出素子の
中でも、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から
形成したものがとりわけ電子放出特性に優れ、しかも製
造が容易に行えることを見いだしている。従って、高輝
度で大画面の画像表示装置のマルチ電子源に用いるに
は、最も好適であると言える。そこで、上記実施の形態
の表示パネルにおいては、電子放出部もしくはその周辺
部を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素子を用い
た。そこで、まず好適な表面伝導型放出素子について基
本的な構成と製法および特性を説明し、その後で多数の
素子を単純マトリクス配線したマルチ電子源の構造につ
いて述べる。
【0043】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0044】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図3に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面図(a)および断面
図(b)である。図中、1101は基板、1102と1
103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は
通電フォーミング処理により形成した電子放出部、11
13は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0045】基板1101としては、例えば、石英ガラ
スや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アル
ミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上述
の各種基板上に例えばSiO2を材料とする絶縁層を積
層した基板などを用いることができる。
【0046】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、或はこれらの金属の合金、
あるいはIn2O3−SnO2をはじめとする金属酸化
物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜材料
を選択して用いればよい。これら電極を形成するには、
例えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィ
ー、エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて
用いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(例えば
印刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0047】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメータの範囲から適当な数値を選んで
設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好ま
しいのは数マイクロメータより数十マイクロメータの範
囲である。また、素子電極の厚さdについては、通常は
数百オングストロームから数マイクロメータの範囲から
適当な数値が選ばれる。
【0048】また、導電性薄膜1104の部分には微粒
子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素と
して多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)の
ことを指す。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、個
々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微粒
子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに重
なり合った構造が観測される。
【0049】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、中でも好ましいのは10オングストロ
ームから200オングストロームの範囲のものである。
また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条件を
考慮して適宜設定される。即ち、素子電極1102ある
いは1103と電気的に良好に接続するのに必要な条
件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに必要な
条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にす
るために必要な条件、などである。具体的には、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲のなかで
設定するが、なかでも好ましいのは10オングストロー
ムから500オングストロームの間である。
【0050】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2,In2O3,PbO,Sb2O3,などをはじめと
する酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,
YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、Ti
C,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などをは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,などを
はじめとする窒化物や、Si,Ge,などをはじめとす
る半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中か
ら適宜選択される。
【0051】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/□]の範囲に含ま
れるよう設定した。
【0052】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図3の例においては、下
から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0053】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図3においては模式的に示した。
【0054】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0055】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。なお、実際の薄膜1113
の位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図3に
おいては模式的に示した。また、平面図(a)において
は、薄膜1113の一部を除去した素子を図示した。
【0056】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施の形態においては以下のような素子を用いた。
【0057】即ち、基板1101には青板ガラスを用
い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメータ]とした。微粒
子膜の主要材料としてPdもしくはPdOを用い、微粒
子膜の厚さは約100[オングストローム]、幅Wは1
00[マイクロメータ]とした。
【0058】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図4(a)〜(d)は、
表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断面図
で、各部材の表記は前記図3と同一である。
【0059】(1)まず、図4(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。これら素子電極1102,1103を形成するに
あたっては、予め基板1101を洗剤、純水、有機溶剤
を用いて十分に洗浄後、素子電極の材料を堆積させる。
(堆積する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタ法
などの真空成膜技術を用ればよい。)その後、堆積した
電極材料を、フォトリソグラフィー・エッチング技術を
用いてパターニングし、(a)に示した一対の素子電極
(1102と1103)を形成する。
【0060】(2)次に、同図(b)に示すように、導
電性薄膜1104を形成する。この導電性薄膜1104
を形成するにあたっては、まず前記(a)の基板に有機
金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理して微粒子膜
を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッチングによ
り所定の形状にパターニングする。ここで、有機金属溶
液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を主要元素と
する有機金属化合物の溶液である。(具体的には、本実
施の形態では主要元素としてPdを用いた。また、実施
の形態では塗布方法として、ディッピング法を用いた
が、それ以外の例えばスピンナー法やスプレー法を用い
てもよい)。
【0061】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施の形態で用いた有機金属溶液の
塗布による方法以外の、例えば真空蒸着法やスパッタ
法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もあ
る。
【0062】(3)次に、同図(c)に示すように、フ
ォーミング用電源1110から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理
を行って、電子放出部1105を形成する。この通電フ
ォーミング処理とは、微粒子膜で作られた導電性薄膜1
104に通電を行って、その一部を適宜に破壊、変形、
もしくは変質せしめ、電子放出を行うのに好適な構造に
変化させる処理のことである。微粒子膜で作られた導電
性薄膜のうち電子放出を行うのに好適な構造に変化した
部分(即ち電子放出部1105)においては、薄膜に適
当な亀裂が形成されている。なお、電子放出部1105
が形成される前と比較すると、形成された後は素子電極
1102と1103の間で計測される電気抵抗は大幅に
増加する。
【0063】この通電方法をより詳しく説明するため
に、図5に、フォーミング用電源1110から印加する
適宜の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電
性薄膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が
好ましく、本実施の形態の場合には同図に示したように
パルス幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的
に印加した。その際には、三角波パルスの波高値Vpf
を、順次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状
況をモニタするためのモニタパルスPmを適宜の間隔で
三角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流
計1111で計測した。
【0064】本実施の形態においては、例えば10のマ
イナス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、例え
ばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10
[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1
[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加す
るたびに1回の割りで、モニタパルスPmを挿入した。
フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、
モニタパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。
そして、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が
1×10の6乗[オーム]になった段階、即ちモニタパ
ルス印加時に電流計1111で計測される電流が1×1
0のマイナス7乗[A]以下になった段階で、フォーミ
ング処理に係わる通電を終了した。
【0065】なお上記の方法は、本実施の形態の表面伝
導型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微粒
子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0066】(4)次に、図4(d)に示すように、活
性化用電源1112から素子電極1102と1103の
間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電
子放出特性の改善を行う。この通電活性化処理とは、前
記通電フォーミング処理により形成された電子放出部1
105に適宜の条件で通電を行って、その近傍に炭素も
しくは炭素化合物を堆積せしめる処理のことである。
(図においては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆積
物を部材1113として模式的に示した)。なお、通電
活性化処理を行うことにより、行う前と比較して、同じ
印加電圧における放出電流を典型的には100倍以上に
増加させることができる。
【0067】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中で、
電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰囲気
中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは炭素
化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グラフ
ァイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいず
れかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500[オ
ングストローム]以下、より好ましくは300[オング
ストローム]以下である。
【0068】通電方法をより詳しく説明するために、図
6(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。本実施の形態においては、一定
電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行っ
たが、具体的には,矩形波の電圧Vacは14[V],
パルス幅T3は1[ミリ秒],パルス間隔T4は10
[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施の
形態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であ
り、表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、そ
れに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0069】図3(d)に示す1114は、該表面伝導
型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するため
のアノード電極で、直流高電圧電源1115および電流
計1116が接続されている。(なお、基板1101
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる)。活性化用電源1112から電圧を印加
する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電
活性化処理の進行状況をモニタし、活性化用電源111
2の動作を制御する。電流計1116で計測された放出
電流Ieの一例を図6(b)に示すが、活性化電源11
12からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過と
ともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほと
んど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ
飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加を
停止し、通電活性化処理を終了する。
【0070】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。
【0071】以上のようにして、図4(e)に示す平面
型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0072】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、即ち垂直
型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0073】図7は、垂直型の基本構成を説明するため
の模式的な断面図であり、図中の1201は基板、12
02と1203は素子電極、1206は段差形成部材、
1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205は通
電フォーミング処理により形成した電子放出部、121
3は通電活性化処理により形成した薄膜、である。
【0074】この垂直型が先に説明した平面型と異なる
点は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部
材1206上に設けられており、導電性薄膜1204が
段差形成部材1206の側面を被覆している点にある。
従って、前述の図3の平面型における素子電極間隔L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1
204、については、前記平面型の説明中に列挙した材
料を同様に用いることが可能である。また、段差形成部
材1206には、例えばSiO2 のような電気的に絶縁
性の材料を用いる。
【0075】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図8(a)〜(f)は、製造工程を
説明するための断面図で、各部材の表記は前記図7と同
一である。
【0076】(1)まず、図8(a)に示すように、基
板1201上に素子電極1203を形成する。
【0077】(2)次に、同図(b)に示すように、段
差形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、例えばSiO2 をスパッタ法で積層すればよいが、
例えば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いて
もよい。
【0078】(3)次に、同図(c)に示すように、絶
縁層の上に素子電極1202を形成する。
【0079】(4)次に、同図(d)に示すように、絶
縁層の一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0080】(5)次に、同図(e)に示すように、微
粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成す
るには、前記平面型の場合と同じく、例えば塗布法など
の成膜技術を用いればよい。
【0081】(6)次に、前記平面型の場合と同じく、
通電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図4(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミン
グ処理と同様の処理を行えばよい。) (7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処
理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を
堆積させる。(図4(d)を用いて説明した平面型の通
電活性化処理と同様の処理を行えばよい。)以上のよう
にして、図8(f)に示す垂直型の表面伝導型放出素子
を製造した。
【0082】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0083】図9に、表示装置に用いた素子の、(放出
電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子電
流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を示
す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小
さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、これら
の特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを変更
することにより変化するものであるため、2本のグラフ
は各々任意単位で図示した。
【0084】この表示装置に用いた素子は、放出電流I
eに関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0085】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vthと
呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に放
出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電
圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即ち、放
出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持った非線
形素子である。
【0086】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流Ie
の大きさを制御できる。
【0087】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0088】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例
えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示
装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を順
次走査して表示を行うことが可能である。即ち、駆動中
の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth以上の
電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電圧Vth
未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切り替えて
ゆくことにより、表示画面を順次走査して表示を行うこ
とが可能である。
【0089】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。
【0090】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基
板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子源の
構造について述べる。
【0091】図10に示すのは、前記図1の表示パネル
1000に用いたマルチ電子源の平面図である。基板上
には、前記図3で示したものと同様な表面伝導型放出素
子が配列され、これらの素子は行方向配線電極1003
と列方向配線電極1004により単純マトリクス状に配
線されている。行方向配線電極1003と列方向配線電
極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図
示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0092】図10のA−A’に沿った断面を、図11
に示す。
【0093】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線電極1003、列方向配
線電極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面
伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、
行方向配線電極1003および列方向配線電極1004
を介して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電
活性化処理を行うことにより製造した。
【0094】(電気回路の構成)次に、本実施の形態1
の画像表示装置において、前述した表示パネル1000
を駆動するための電気回路の構成について図12を参照
して説明する。
【0095】図12は、本実施の形態の電気回路の基本
構成を示すブロック図である。
【0096】図中、72は走査行選択回路で、表示パネ
ル1000の表示行を順次選択している。73は変調信
号電圧変換器、74はパルス幅変調器、75は合成器、
76はタイミング制御回路、77,78はシリアル/パ
ラレル変換器、79,80はデータ配列変換器、81は
切り替えスイッチ、82,83はデコーダ、84はスイ
ッチング回路、85,86,87は定電圧源、88,8
9は切り替えスイッチ、90は乗算器である。
【0097】以下、各部の機能について説明する。表示
パネル1000については、既に図1を参照して基本的
構造を説明しているので、その説明を省略する。表示パ
ネル1000の行端子Dx1〜DxMは走査信号発生器72
と、列端子Dy1〜DyNは変調信号電圧変換器73と、端
子Hvは定電圧源85と、それぞれ電気的に接続してい
る。
【0098】図12において,走査行選択回路72は、
画像を表示するタイミングに合わせて、表示パネル10
00に内蔵されているマルチ電子源を順次走査してゆく
ための走査信号を発生する回路である。具体的には、表
示パネル1000の行端子Dx1〜DxMのうちの1本に選
択電圧Vs[V]を、残りの(M−1)本に非選択電圧
Vns[V]を印加する。ここではタイミング制御回路7
6が発生する走査タイミング制御信号S5に基づいて選
択電圧Vsを印加する端子を順次選択し、その選択した
行配線を走査する。選択電圧Vsとしては0[V]を設
定し、グランドレベルからこれを供給した。また非選択
電圧Vnsとしては、図9で説明した電子放出素子の電子
放出閾値電圧Vthに「0.8」を乗じた電圧を設定し、
定電圧源86からこれを供給した。定電圧源85は、端
子Hvを介して表示パネル1000の蛍光膜にVa
[V]の加速電圧を印加する。
【0099】デコーダ82およびデコーダ83は、外部
から入力される画像信号から同期信号と画像データを分
離するための回路で、本実施の形態1においては、デコ
ーダ82はVGAモードのパーソナル・コンピュータの
ディスプレイ信号のデコーダを有し、デコーダ83はN
TSC方式のテレビ信号用のデコーダを用いている。デ
コーダ82からは同期信号S1と画像信号S2が出力さ
れ、デコーダ83からは同期信号S3と画像信号S4が
出力される。データ配列変換器79及び80は、これら
デコーダ82,83から供給される画像信号を表示パネ
ル1000の画素配列に合わせてサンプリングし、シリ
アル信号S7或はS8として出力している。
【0100】タイミング制御回路76は、動作モード指
示入力C1に従って、デコーダ82或は83より供給さ
れる同期信号S1,S3に基づいて、各部の動作タイミ
ングを調整するためのタイミング制御信号(S5,S6
および他の不図示の信号)を出力している。
【0101】シリアル/パラレル変換器77は、データ
配列変換器79から出力されたシリアル画像データS7
を画像データの1ライン分だけ蓄積し、シリアル/パラ
レル変換するための回路である。シリアル/パラレル変
換器77からはDa1〜DaNのN個の並列信号が出力され
る。シリアル/パラレル変換器78も同様に、データ配
列変換器80から出力された画像データS8をシリアル
/パラレル変換し、並列信号Db1〜DbNを出力する。こ
のデータ配列変換器80とシリアル/パラレル変換器7
8との間には動作指示入力C1で切り替わる切り替えス
イッチ81が設けられており、切り替えスイッチ81が
a側に接続されている時はデータS8はそのままシリア
ル/パラレル変換器78に入力され、スイッチ81がb
側に接続されている時は、乗算器90を通ってシリアル
/パラレル変換器78に入力される。
【0102】合成器75は、動作モード指示入力C1に
従ってシリアル/パラレル変換器77,78からの入力
を合成し、N個の並列信号D1〜DNとして出力する。パ
ルス幅変調器74は、合成器75から入力されるデータ
値に基づいてパルス幅変調信号D'1〜D'Nを出力する回
路である。変調信号電圧変換器73は、パルス幅変調器
74より出力された変調信号の電圧を、表示パネル10
00のマルチ電子源を駆動するのに適した電圧に変換す
るための電圧変換回路である。
【0103】スイッチング回路84は、タイミング制御
回路76からの信号S6に従って、切り替えスイッチ8
8と89を切り換える。切り替えスイッチ88からの出
力はパルス幅変調信号D'1〜D'N/2に対応する電圧供
給線E1〜EN/2に入力され、切り替えスイッチ89から
の出力はパルス幅変調信号D'(N/2+1)〜D'Nに対応すR
電圧供給線E(N/2+1)〜ENに入力される。
【0104】ここでこれら供給電圧の切り換えについて
説明する前に、本実施の形態の表示パネル1000に電
子放出素子の電子放出特性について説明する。
【0105】図13は、本実施の形態の表示パネル10
00における電子放出素子と、そこから放出された電子
のランディング位置との関係を説明するための図で、図
1の表示パネルを図10のA−A''に相当する断面で切
断した場合の断面形状を示している。
【0106】フェースプレート1007の内側には蛍光
膜1008が塗布されている。素子電極1102,11
03はそれぞれ列方向配線1004、行方向配線100
3と接続されており、これら素子電極間にある値以上の
電圧(例えばVf[V])が印加されると電子放出部1
105から電子が放出される。この放出された電子はフ
ェースプレート1007と電子放出部1105との間に
印加された加速電圧Va[V]により、フェースプレー
ト1007の方向に加速されてフェースプレート100
7に照射される。この時、放出された電子は中心軸10
0に沿って電子放出部1105から真上に進むのではな
く、電子軌道101で示すように進む。図13における
電子軌道101は、素子電極1102が正極性、素子電
極1103が負極性となるように電圧Vfを印加した場
合を示している。この時、中心軸100と電子のランデ
ィング位置との間の距離Lefは、次式(1)により算出
できる。 [数1]Lef=2×K×Lh×SQRT(Vf/Va) 但し、ここでLh[m]は、電子放出素子と蛍光膜との
間の距離、Kは放出素子の種類や形状により決まる定
数、SQRT(Vf/Va)は、(Vf/Va)の平方根を
示す。
【0107】図14は、電子放出素子と蛍光膜との位置
関係をさらに詳しく説明するための図で、図11のY方
向の軸に垂直な平面で切った断面図で示しており、電子
放出素子と蛍光膜以外は省略して描いてある。
【0108】図14において、e1〜e6のそれぞれは
電子放出素子を示し、F1〜F6のそれぞれは各蛍光膜
を示している。図14において、点線と実線で示すよう
に、1つの素子から放出される電子の軌道を制御するこ
とにより、1つの素子から放出される電子により隣接す
る2つの蛍光体のいずれかを照射することができる。こ
の時、電子放出素子と電子の照射位置との間の距離はP
x1またはPx2である。また逆に蛍光膜から見れば、1つ
の蛍光体は2つの電子放出素子からの電子の照射を受け
ることができる。
【0109】再び図12に戻り、前述の切り替えスイッ
チ88,89は、タイミング制御回路76からの信号S
6により切り換えられ、スイッチ88,89がa側に接
続されている場合には、変調信号電圧変換器73におけ
る変調パルスのハイレベルとしてVf1[V]が印加さ
れ、スイッチ88,89がb側に接続されている場合に
はVfh[V]が印加されるようになっている(Vf1<V
fh)。ここで、これら電圧値Vf1、Vfhの値は前記
(1)式をVfについて解いた式、 [数2]Vf={(Lef/2KLh)の2乗}×Va のLefにそれぞれPx1、Px2の値を代入して得られるも
のである。このため、スイッチ88,89がa側に接続
されている場合には素子e1からの電子により蛍光膜F
1が照射され、素子e2からの電子により蛍光膜F2が
照射される。また、スイッチ88,89がb側に接続さ
れている場合には、素子e2からの電子により蛍光膜F
1が、素子e3からの電子により蛍光膜F2が照射され
て,その蛍光膜が発光する。
【0110】次に、各動作モードごとの本実施の形態の
動作を説明する。 (A)NTSC信号の全画面表示モードの場合 デコーダ83に入力されたNTSC信号は、同期信号S
3と映像信号S4とに分離され、映像信号S4はデータ
配列変換器80に入力される。データ配列変換器80
は、表示パネル1000の1ラインの画素数Nに等しく
なるように映像信号S4をサンプリングし、シリアルデ
ータS8としてシリアル/パラレル変換器78に出力す
る。この時、切り替えスイッチ81はa側に接続されて
いるため、シリアルデータS8はそのままシリアル/パ
ラレル変換器78に入力される。
【0111】シリアル/パラレル変換器78は、この入
力したシリアルデータS8をDb1〜DbNで示すN個の並
列信号に変換して合成器75に入力する。この「NTS
C信号の全画面表示モード」では、合成器75はシリア
ル/パラレル変換器78の出力をそのままD1〜DNとし
て出力する。
【0112】パルス幅変調器74は、これら入力した信
号D1〜DNに対応するパルス幅のパルス幅変調した信号
を変調信号電圧変換器73に出力する。変調信号電圧変
換器73は、これら入力したパルス信号を基に表示パネ
ル1000のマルチ電子源を駆動するための最適な電圧
信号に変換して出力する。この際、スイッチ88および
スイッチ89は、動作モード指示入力C1により「NT
SC信号の全画面表示モード」が指示されており、これ
に応じてスイッチ88及びスイッチ89は共にa側に接
続されており、変調パルスのレベルはVfl[V]となっ
ている。
【0113】またタイミング制御回路76は、この動作
モード指示入力C1に基づいて、同期信号S3に応じて
信号S5を出力し、第1フィールドを表示する際には、
1、3、5…の奇数行目をNTSC信号の水平走査期間
H[秒]ずつ選択し、第2フィールドを表示する際には
2、4、6…の偶数行目をH[秒]ずつ選択する。この
第1フィールド表示時のタイミングチャートを図15
に、第2フィールド表示時のタイミングチャートを図1
6に示す。これらの図を参照すると明らかなように、図
15の第1フィールドでは奇数行(Dx1,Dx3,…)に
走査信号が印加され、図16の第2フィールドでは偶数
行(Dx2,Dx4,…)に走査信号が印加されている。
【0114】この様にして、「NTSC信号の全画面表
示モード」の場合、第1フィールドでは奇数行目のライ
ンが表示駆動され、第2フィールドでは偶数行目のライ
ンが表示駆動されて画像が表示される。 (B)VGA信号の全画面表示モードの場合 デコーダ82に入力されたVGA信号は、このデコーダ
82により同期信号S1と映像信号S2とに分離され、
映像信号S2はデータ配列変換器79に入力される。デ
ータ配列変換器79は、表示パネル1000の1ライン
の画素数Nになるように映像信号をサンプリングし、シ
リアルデータS7としてシリアル/パラレル変換器77
に出力する。シリアル/パラレル変換器77は、この入
力したシリアルデータS7をDa1〜DaNで示すN個の並
列信号に変換して合成器75に入力する。この「VGA
信号の全画面表示モード」では、合成器75はシリアル
/パラレル変換器77の出力をそのままD1〜DNとして
出力する。
【0115】パルス幅変調器74は、これら入力した信
号D1〜DNに応じてパルス幅変調した変調信号を変調信
号電圧変換器73に出力する。この変調信号電圧変換器
73は、パルス幅変調された信号を表示パネル1000
のマルチ電子源を駆動するために最適な電圧信号に変換
する。即ち、動作モード指示入力C1に応じてスイッチ
88およびスイッチ89は共にa側に接続されており、
変調パルスの信号レベルはVfl[V]となっている。
【0116】またタイミング制御回路76は動作モード
指示入力C1に応じて、同期信号S1に基づいて信号S
5を出力し、1行目から順にVGA信号の水平走査期間
H/2[秒]期間ずつ選択する。このときのタイミング
チャートを図17に示す。
【0117】図17では、各水平走査期間の半分(H/
2)毎に、表示パネル1000の行端子Dx1,Dx2,…
が順次選択されている。
【0118】このようにして「VGA信号の全画面表示
モード」の時には、順次走査によって1行目から順次行
配線が駆動されて画面が表示される。 (C)NTSC信号、VGA信号の同時表示モードの場
合 VGA,NTSC信号のそれぞれは、前述の全画面表示
の場合と同様にデコーダ82,83により同期信号と映
像信号に分離される。この「NTSC信号、VGA信号
の同時表示モード」の場合、データ配列変換器79及び
データ配列変換器80では、1ラインの画素数をN画素
ではなくN/2画素となるようにサンプリングする。そ
して合成器75は、これらデータ配列変換器79および
データ配列変換器80から出力され、シリアル/パラレ
ル変換器77,78によりパラレルに変換された信号を
入力して合成している。本実施の形態1の場合は、信号
D1〜DN/2にはVGA信号のデータが出力され、D(N/2
+1)〜DNにはNTSC信号のデータが出力される。そし
て、この合成器75から出力される信号D1〜DNは、パ
ルス幅変調器74を通ってD'1〜D'Nとなり、変調信号
電圧変換器73に入力される。
【0119】ここで変調信号電圧変換器73には、スイ
ッチング回路84から電圧が印加されているが、動作モ
ード指示入力C1により「VGA,NTSC同時表示モ
ード」が指示されている場合、スイッチ88はa側に接
続されるが、スイッチ89は1行を表示する(H/2)
ごとに、a側とb側とに切り替わる。走査周期HのNT
SC信号の第1フィールドを表示する際には、まず表示
パネル1000の第1行目が選択されH/2の期間、D
y1〜Dy(N/2)を表示する。次に表示パネル1000の第
2行目が選択され、同じくH/2の期間表示駆動され
る。この時、切り替えスイッチ89はb側に接続され、
電圧供給線E(N/2+1)〜ENには電圧Vfhが印加される。
このため、Dy(N/2+1)〜DyNの領域においては、図14
に示すように、素子から放出される電子の軌道は点線で
示すようになる。これにより、表示パネル1000の2
行目の素子列からの電子が1行目の蛍光膜に照射されて
点灯することになる。
【0120】そして、表示パネル1000の素子列の第
3行目以降も同様に、表示パネル1000の偶数行が選
択される時には、NTSC信号の表示領域では素子の駆
動電圧がVfhとなり、その素子列の1行上に位置してい
る蛍光膜が点灯する。
【0121】このときの動作タイミングを図18に示
す。
【0122】図18において、180〜183では、そ
れぞれVGA信号の1行乃至4行が表示されている。こ
れに対しNTSC信号では、181で2行目の行配線に
おいて高電圧Vfhにより素子が駆動されているため、2
行目の素子から放出された電子はその上の1行目に対応
する蛍光膜に到達する。これにより180,181で
は、NTSC信号の1行目の映像が2回連続して表示さ
れる。同様にして、182,183では、、NTSC信
号の3行目の映像が2回連続して表示される。尚、この
図18において、VGA(1)は1行目のVGAデータ
の表示を示し、NTSC(1)は1行目のNTSC信号
の表示を示している。これは以下のタイミング図(図1
9,図25,図26)においても同様である。
【0123】次に第2フィールドを表示する時のタイミ
ングを図19に示す。
【0124】図19では、まず190で、表示パネル1
000の第1行目が選択される。このときVGA信号の
1行目(H/2)は表示されるが、このH/2において
NTSC信号の表示領域は表示駆動されない。次に19
1で、第2行目が選択された時には、VGA信号を表示
する領域(H/2)は2行目のデータで表示される。ま
たNTSC信号の表示領域には2行目の映像が表示され
る。次に第3行目を選択した時(図19の192)には
VGAの3行目が表示され、また切り替えスイッチ89
がb側(Vfh)に切り替わり、電圧供給線E(N/2+1)〜E
Nには電圧Vfhが印加される。このため、Dy(N/2+1)〜
DyNの領域においては、3行目の素子列によって2行目
の蛍光膜に電子が照射されて、2行目のNTSC信号の
表示が行われる。
【0125】そして第4行目以降も同様にして、表示パ
ネル1000の奇数行目の素子が選択された時には、N
TSC信号の表示領域では素子駆動電圧がVfhとなり、
その駆動される素子の1行上(偶数行)の蛍光膜に電子
が照射されて表示が行われる。但し、表示パネル100
0の最下行の表示の際には、H/2で表示駆動するため
の素子列がその下の行位置に存在しないため、この最下
行だけはH/2だけの表示となる。もちろん、この最下
行を2回表示するために、最下行の素子列の下に更にも
う1つの素子行を設けてもよい。
【0126】この様に駆動することにより、NTSC信
号表示領域において、第1フィールド表示時には、奇数
行目の蛍光体がH/2ずつ、合計2回分、即ち、水平走
査期間Hだけ表示され、第2フィールドの表示時には偶
数行目の蛍光膜がH/2ずつ合計2回、即ち、水平走査
期間Hだけ表示されることになる。これにより、「NT
SC信号の全画面表示モード」の時と同じ表示時間とな
り、表示期間が短くなることによる表示輝度の低下を防
止できる。但し、同じ行を2回表示する際、2回目の表
示では駆動電圧がVf1[V]ではなく、より高い電圧V
fh[V]となるので、そのまま表示したのでは輝度が高
くなってしまう。即ち、駆動電圧Vf1の時の放出電流I
e1、駆動電圧Vfhの時の放出電流をIehとすると、部分
表示をした時の蛍光膜の輝度は全画面表示をした時の
(Ie1+Ieh)/(2Ie1)倍になる。そのため部分表
示をする際には乗算器90によって画像データを(2I
e1)/(Ie1+Ieh)倍することにより、駆動電圧の違
いに基づく輝度の差異が生じないように補正している。
【0127】以上説明したように本実施の形態1によれ
ば、表示パネル1000の1行の素子の駆動電圧を変更
することにより、その選択された素子行に対応する蛍光
膜でなく、隣接する素子行に対応する蛍光膜に電子を照
射して表示することにより、順次走査と、飛び越し走査
といった走査方式の異なる画像を同時に表示できるよう
にしている。そして、この表示に際して、画面における
飛び越し走査の部分の輝度の低下、解像度の低下等が生
じない画像表示装置を提供できる。
【0128】また本実施の形態1では、変調信号電圧変
換器73から出力する変調信号の振幅(電圧レベル)を
可変するのに、その回路73に電圧を供給する複数の定
電圧源と切替えスイッチを用いているが本発明はこれに
限定されるものでなく、タイミング制御回路76からの
信号によって、その出力電圧を変更する制御型の電圧源
であってもよい。また、本実施の形態1においては、輝
度の違いを補正する手段として乗算器90を用い、これ
により画像データを補正しているが、例えばパルス幅変
調器74によって生成されるパルスの幅を変えることに
よって補正しても良い。このような変形例は後述する実
施の形態2にも適用可能である。
【0129】[実施の形態2]次に、本発明の実施の形
態2の画像表示装置について説明する。本実施の形態2
においても、表示パネル1000aの構成と製法、好ま
しい電子放出素子の構造と製法については、前述の実施
の形態1と同様である。ただし、本実施の形態2におい
ては、表示パネル1000aの電子源を構成する素子の
数が実施の形態1の半分となっている点が異なってい
る。即ち、本実施の形態2では、蛍光膜の2行に対し1
行の割合で素子行が配置される。
【0130】次に本実施の形態2における電気回路の構
成について述べる。 (電気回路の構成)図20は、本実施の形態2の画像表
示装置の電気回路の構成を示すブロック図で、前述の図
12の構成と共通する部分は同じ番号で示し、その説明
を省略する。
【0131】図21は、前述の図21と同様に、表示パ
ネル1000aにおける電子放出素子e10〜e1m/
2と蛍光膜F11〜F1mとの位置係を示す図で、実線
は駆動電圧が低い時(Vfl)の場合の電子軌道を示し、
点線は駆動電圧が高いとき(Vfh)の電子軌道を示して
いる。
【0132】この表示パネル1000aの素子行は、蛍
光膜の2行に対して1行の割合で配置されており(合計
M/2行)、1つの素子行から放出される電子の軌道を
制御することにより、図21の点線及び実線で示すよう
に、1つの素子により列方向に隣接する2つの蛍光膜の
いずれかを照射して表示することができる。この時、電
子放出素子と電子の照射位置との距離はPx1またはPx2
である。
【0133】前述の実施の形態1と比較して異なる点
は、データ配列変換器79とシリアル/パラレル変換器
77との間にも切り替えスイッチ94および乗算器93
が設けられている点、切替えスイッチ81及び94が動
作モード切り替え入力ではなくタイミング制御回路76
からの信号S9、S10によって切り替えられる点にあ
る。即ち、切り替えスイッチ81は、信号S9により1
フィールドごとに切り替えられ、切り替えスイッチ94
は信号S10により1水平期間ごとに切り替えられる。
【0134】本実施の形態2の場合の動作を、各動作モ
ードごとに説明する。 (A)NTSC信号全画面表示モードの場合 第1フィールドを表示する場合は、前述のように飛び越
し走査による表示が行われて奇数行のみの画像データが
表示される。この際、切り替えスイッチ81は動作モー
ド指示入力C1に応じてb側に接続され、データ配列変
換器80からの出力は乗算器90により乗算された後、
シリアル/パラレル変換器78に入力され、シリアル/
パラレル変換器78から並列信号Db1〜DbNが出力され
る。このとき合成器75は、前述のC1入力により信号
Db1〜DbNをそのままD1〜DNとして出力する。また、
このモードでは、信号C1に応じて切り替えスイッチ8
8と切り替えスイッチ89はともにb側に接続されてお
り、変調信号電圧変換器73には変調パルスのパルス電
圧レベルとして電圧Vfhが印加される。これにより電子
は、図21の点線で示す軌道に沿って蛍光膜に衝突し、
1、3、5、…行の奇数行の蛍光膜が表示駆動される。
【0135】このときの動作タイミングを図22に示
す。
【0136】次に、飛び越し走査により第2フィールド
を表示する場合には偶数行のみが表示される。この際、
切り替えスイッチ81は動作モード指示入力C1に応じ
てa側に接続され、データ配列変換器80からの出力は
そのままシリアル/パラレル変換器78に入力され、シ
リアル/パラレル変換器78は並列信号Db1〜DbNとし
て出力する。合成器75は、C1入力に従って、これら
信号Db1〜DbNをそのままD1〜DNとして出力する。ま
た切り替えスイッチ88と切り替えスイッチ89は、指
示入力C1に応じて共にa側に接続されているので、変
調信号電圧変換器73には変調パルスの電圧レベルとし
てVf1が印加される。これにより、表示パネル1000
a各素子から放出される電子は、図21の実線で示す軌
道を描いて蛍光膜に到達する。こうして表示パネル10
00aの2、4、6行…の偶数行の蛍光膜が表示駆動さ
れる。この時の動作タイミングを図23に示す。
【0137】上述の様に、第1フィールドと第2フィー
ルドでは、表示パネル1000aの素子を駆動する電圧
が異なるため、そのままでは表示される輝度に差が出て
しまう。即ち、第1フィールドでの素子の駆動電圧がV
fh、第2フィールドでの素子の駆動電圧がVf1であるた
め、第1フィールドにおける表示輝度は第2フィールド
での表示輝度のIeh/Ie1倍(Iehは駆動電圧Vfhに対
応する素子電流値、Ie1は駆動電圧Vflに対応する素子
電流値(Ieh>Ie1))になる。そこで、第1フィール
ドを表示する時には、乗算器90により画像データをI
e1/Ieh倍することにより、この表示輝度差を補正す
る。 (B)VGA表示モードの場合 タイミング制御回路76は、デコーダ82から入力され
る同期信号S1をタイミング信号の基とし、1水平期間
(即ちH/2)ごとに切り替えスイッチ94を切り換え
る。即ち、表示パネル1000aの奇数行目を表示する
場合には切り替えスイッチ94がb側に接続され、デー
タ配列変換器79からの出力は乗算器93を通ってシリ
アル/パラレル変換器77に入力される。一方、表示パ
ネル1000aの偶数行を表示する場合には、切り替え
スイッチ94はa側に接続され、データ配列変換器79
からの出力はそのままシリアル/パラレル変換器77に
入力される。合成器75は、シリアル/パラレル変換器
77から出力される信号Da1〜DaNをそのままD1〜DN
として出力する。
【0138】次に、この動作を図24のタイミング図を
参照して説明する。最初のH/2では(図24の24
0)、走査行選択回路72は1行目の素子列を選択す
る。このとき切り替えスイッチ88と切り替えスイッチ
89は共にb側に接続され、変調信号電圧変換器73に
は変調パルスの信号レベルを決定する電圧Vfhが印加さ
れる。これにより、これにより駆動される電子放出素子
から放出された電子は、図21の点線で示す軌道を描い
て1行目の蛍光膜に照射される。
【0139】図24の241で示す次のH/2では、走
査行選択回路72は再度1行目の素子列を選択するが、
切り替えスイッチ88と切り替えスイッチ89は共にa
側に接続され、変調信号電圧変換器73には変調パルス
の電圧レベルとして低電圧Vf1が印加される。これによ
り電子放出素子から放出された電子は、図21の実線の
軌道を描いて、表示パネル1000aの2行目の蛍光膜
に照射される。
【0140】以下同様にして、走査行選択回路72は1
つの行をH/2ずつ2回連続して選択し、1回目と2回
目とで素子の素子の駆動電圧を変更することにより、同
じ素子を用いて異なる行の蛍光膜を表示駆動することが
できる。こうして、表示パネル1000aの1行目から
順次走査して画像を表示する。
【0141】尚、本実施の形態2において、表示パネル
1000aの奇数行を表示する時に乗算器93により画
像データに乗算するのは、前述したように、奇数行を表
示する際に素子に印加される電圧が高くなるため、その
表示輝度が偶数行の表示輝度のIeh/Iel倍になるのを
補正するために、画像データを予め(Ie1/Ieh)倍す
るためである。これにより奇数行を表示する際の輝度が
偶数行を表示する際の輝度と同じになる。 (C)NTSC,VGA信号の同時表示モードの場合 VGA、NTSC信号のそれぞれは、全画面表示モード
の場合と同様に、デコーダ82,83によりそれぞれ同
期信号と映像信号に分離される。この「NTSC,VG
A信号の同時表示モード」の場合、データ配列変換器7
9およびデータ配列変換器80では、1ラインをN画素
ではなく、N/2画素となるようにサンプリングされ
る。また合成器75は、データ配列変換器79およびデ
ータ配列変換器80からの出力を合成し、本実施の形態
2の場合は、信号D1〜DN/2にはVGA信号のデータが
出力され、信号D(n/2+1)〜DNにはNTSC信号のデー
タが出力される。また合成器75からの出力信号D1〜
DNは、パルス幅変調器74を通ってD'1〜D'Nとなり
変調信号電圧変換器73に入力される。
【0142】図25のタイミング図を参照して、この表
示モードでの動作を説明する。NTSC信号の第1フィ
ールド(飛び越し走査では奇数行)を表示する場合、N
TSC信号を表示する最初のH/2では(図25の25
1)、走査行選択回路72により表示パネル1000a
の1行目の素子行が選択される。この際、切り替えスイ
ッチ81と切り替えスイッチ94はともにb側に接続さ
れており、デコーダ80及び79からの各データは乗算
器90或は93を通って、各シリアル/パラレル変換器
78、77に入力される。また切り替えスイッチ88と
切り替えスイッチ89はともにb側に接続されており、
変調パルスの電圧レベルを決定する高電圧Vfhが変調信
号電圧変換器73に入力されている。これにより、表示
パネル1000aにおける電子放出素子から放出される
電子の軌道は、図21の点線で示すようになり、第1行
目の蛍光膜が表示駆動される。VGA信号の1行目とN
TSC信号の1行目が表示される。
【0143】次のH/2(図25の252)では、再度
表示パネル1000aの1行目の素子行が選択される。
このとき切り替えスイッチ81はb側に接続され、切り
替えスイッチ94はa側に接続されている。また切り替
えスイッチ88はa側に接続され、切り替えスイッチ8
9はb側に接続される。これにより電圧供給線E1〜E
(N/2)には変調パルスの電圧レベルとして低電圧Vf1が
供給され、電圧供給線E(N/2+1)〜ENには変調パルスの
電圧レベルとして高電圧Vfhが印加される。これにより
VGA信号の表示の際には、表示パネル1000aの電
子放出素子から放出される電子は図21の実線で示す軌
道を描き、駆動された素子に近い方の2行目の蛍光膜が
表示駆動されて、VGA信号の2行目が表示され、また
NTSC信号の表示タイミングでは1行目が表示され
る。
【0144】以下同様にして、253,254におい
て、3行目と4行目のVGA信号が表示され、3行目の
NTSC信号が2回連続して表示される。こうしてNT
SC信号の表示の際には、奇数行が2回連続して同じ画
像データによって表示駆動される。
【0145】次に、第2フィールドを表示する場合を図
26を参照して説明する。最初のH/2(図26の26
1)では1行目の素子列が選択される。この時、切り替
えスイッチ81はa側に接続され、切り替えスイッチ9
4はb側に接続される(VGA信号が乗算器93により
乗算される)。またこの時、切り替えスイッチ88はb
側(高電圧側)に、切り替えスイッチ89はa側(低電
圧側)に接続されている。このためVGA信号の表示の
際には、電子放出素子から放出される電子の軌道は図2
1に示す点線の軌道となり、表示パネル1000aの1
行目の蛍光膜が表示駆動される。一方、NTSC信号の
表示の際には、電子の軌道は図21の実線で示された軌
道となり、表示パネル1000aの2行目の蛍光膜が表
示駆動される。
【0146】次のH/2(図26の262)においても
やはり一番上の行の素子行が選択されるが、切り替えス
イッチ81と切り替えスイッチ94はともにa側(乗算
しない)に接続されており、切り替えスイッチ88と8
9もともにa側(低電圧側)に接続されている。これに
よりVGA信号、NTSC信号の表示の際のいずれにお
いても、電子放出素子から放出される電子が図21の実
線で示された軌道を描き、2行目の蛍光膜に照射され
る。即ち、NTSC信号の表示に際しては、前のH/2
に引き続き同じデータで再度2行目の蛍光膜が表示駆動
される。
【0147】以下同様にして、VGA信号の表示に際し
ては隣り合う2行が順次表示駆動され、NTSC信号の
表示に際しては偶数行目が同じデータで2回連続して表
示駆動される。
【0148】尚、この実施の形態において、VGA信号
で奇数行目と偶数行目を表示する時、およびNTSC信
号で第1フィールドと第2フィールドを表示する時で
は、放出素子を駆動するための駆動電圧が異なるため、
そのまま画像を表示したのでは輝度に差が生じる。しか
し本実施の形態では、乗算器90および93を用いて、
素子の駆動電圧が高くなる時に画像データの値を小さく
するように補正することにより、駆動データの差に応じ
て表示される輝度の差が生じないようにしている。
【0149】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0150】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0151】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0152】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0153】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0154】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0155】以上説明したように本実施の形態2によれ
ば、1行の素子の中で部分的に駆動電圧を変えることに
より、選択された行の素子に隣接する行の素子に対応す
る蛍光膜を表示駆動して、順次走査と飛び越し走査の走
査方式の異なる画像を同時に表示することができる。こ
の場合、画面中の飛び越し走査の部分の輝度の低下、解
像度の低下を防止した画像表示装置を実現できる。
【0156】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、飛び越し走査の走査方式の異なる画像を同時に表示
し、画面中の飛び越し走査の部分の輝度の低下、解像度
の低下の無い画像表示装置を実現できる。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
示方式の異なる画像信号を入力し、それら画像信号を合
成して表示するとともに、各画像信号の輝度の差異が目
立たないようにできるという効果がある。
【0158】又本発明によれば、一画面中に順次走査に
より表示する画像と飛び越し走査により表示する画像と
を同時に表示し、飛び越し走査により表示する画像の表
示輝度の低下を防止できるという効果がある。
【0159】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の表示
パネルの一部を切り欠いて示した外観斜視図である。
【図2】本実施の形態の表示パネルのフェースプレート
の蛍光体配列を例示した平面図である。
【図3】本実施の形態で用いた平面型の表面伝導型放出
素子の平面図(a)と断面図(b)である。
【図4】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示す
断面図である。
【図5】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形を示
す図である。
【図6】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a)と、
放電電流Ieの変化を示す(b)図である。
【図7】本実施の形態で用いた垂直型の表面伝導型放出
素子の断面図である。
【図8】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示す
断面図である。
【図9】本実施の形態で用いた表面伝導型放出素子の典
型的な特性を示すグラフ図である。
【図10】本実施の形態で用いたマルチ電子源の基板の
平面図である。
【図11】図10のA−A’の一部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1の画像表示装置の駆動
回路の構成を示すブロック図である。
【図13】本実施の形態に係る電子放出素子の電子ビー
ム軌道を示す断面図である。
【図14】本実施の形態1の表示パネルの素子と蛍光体
の位置関係を説明するための図である。
【図15】本実施の形態1のNTSC信号の全画面表示
モードにおける第1フィールドの表示タイミングを示す
タイミング図である。
【図16】本実施の形態1のNTSC信号の全画面表示
モードにおける第2フィールドの表示タイミングを示す
タイミング図である。
【図17】本実施の形態1のVGA信号の全画面表示モ
ードにおける表示タイミングを示すタイミング図であ
る。
【図18】本実施の形態1に係るNTSC信号とVGA
信号との同時表示モードにおける第1フィールドの表示
タイミングを示すタイミング図である。
【図19】本実施の形態1に係るNTSC信号とVGA
信号との同時表示モードにおける第2フィールドの表示
タイミングを示すタイミング図である。
【図20】本発明の実施の形態2の画像表示装置の駆動
回路の構成を示すブロック図である。
【図21】本実施の形態2の表示パネルの素子と蛍光体
の位置関係を説明するための図である。
【図22】本実施の形態2のNTSC信号の全画面表示
モードにおける第1フィールドの表示タイミングを示す
タイミング図である。
【図23】本実施の形態2のNTSC信号の全画面表示
モードにおける第2フィールドの表示タイミングを示す
タイミング図である。
【図24】本実施の形態2のVGA信号の全画面表示モ
ードにおける表示タイミングを示すタイミング図であ
る。
【図25】本実施の形態2に係るNTSC信号とVGA
信号との同時表示モードにおける第1フィールドの表示
タイミングを示すタイミング図である。
【図26】本実施の形態2に係るNTSC信号とVGA
信号との同時表示モードにおける第2フィールドの表示
タイミングを示すタイミング図である。
【図27】VGA信号とNTSC信号とを同時表示する
際の画面の表示の問題点を説明する図である。
【図28】VGA信号とNTSC信号とを同時表示する
際の画面の表示の問題点を説明する図である。
【図29】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す図である。
【図30】従来知られたFE型素子の一例を示す図であ
る。
【図31】従来知られたMIM型素子の一例を示す図で
ある。
【図32】マルチ電子源の回路図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子を有する電子源と前
    記電子源から放出された電子により発光する発光体とを
    有する表示パネルと、 表示方式の異なる画像信号を入力する画像入力手段と、 前記画像入力手段により入力された画像信号を合成して
    前記表示パネルに表示する1ライン分の画像データを生
    成する画像生成手段と、 前記画像生成手段により生成された1ライン分の画像デ
    ータに応じたパルス幅の電圧信号を発生する電圧発生手
    段と、 前記画像入力手段により入力される画像信号の表示方式
    に応じて前記電圧発生手段において発生する電圧信号の
    電圧レベルを設定する設定手段と、 前記画像信号の表示走査に同期して前記設定手段により
    設定された電圧レベルの電圧信号を前記表示パネルに供
    給して前記電子放出素子を駆動する駆動制御手段と、を
    有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記画像入力手段は、順次走査により表
    示される画像信号と飛び越し走査により表示される画像
    信号を入力することを特徴とする請求項1に記載の画像
    表示装置。
  3. 【請求項3】 前記順次走査により表示される画像信号
    の1ラインは、前記飛び越し走査により表示される画像
    信号の半分の周期で表示されることを特徴とする請求項
    2に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動制御手段は、前記順次走査によ
    り表示される画像信号の2ラインを表示する間に、前記
    飛び越し走査により表示される画像信号の1ラインを表
    示することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装
    置。
  5. 【請求項5】 前記駆動制御手段は、前記飛び越し走査
    により表示される画像信号の1ラインを表示する際、前
    記電圧発生手段により発生される電圧を高く設定して隣
    接するラインに対応する発光体に電子を照射することを
    特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動制御手段は、前記飛び越し走査
    により表示される画像信号の1ラインを表示する際、前
    記電圧発生手段により発生される電圧を変えることで隣
    接するラインに対応する発光体に電子を照射することを
    特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 更に、前記電圧発生手段により発生され
    る電圧が高く設定された場合に、前記画像入力手段より
    入力される前記飛び越し走査に係る画像信号の信号レベ
    ルを補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項
    5に記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 更に、前記電圧発生手段により発生され
    る電圧の設定値を変えた場合に、前記画像入力手段より
    入力される前記飛び越し走査に係る画像信号の信号レベ
    ルを補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項
    6に記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記表示パネルは、前記電子放出をマト
    リクス状に配列し、前記発光体のライン数は前記電子放
    出素子のライン数の半分であることを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動制御手段は、前記飛び越し走
    査により表示される画像信号の奇数ラインを表示する
    際、前記電圧発生手段により発生される電圧を高く設定
    して奇数ラインの発光体に電子を照射することを特徴と
    する請求項9に記載の画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動制御手段は、前記飛び越し走
    査により表示されるライン番号によって、前記電圧発生
    手段により発生される電圧の設定値を変更することを特
    徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動制御手段は、前記飛び越し走
    査により表示される画像信号の偶数ラインを表示する
    際、前記電圧発生手段により発生される電圧を低く設定
    して偶数ラインの発光体に電子を照射することを特徴と
    する請求項9に記載の画像表示装置。
  13. 【請求項13】 前記駆動制御手段は、前記順次走査に
    より表示される画像信号の奇数ラインを表示する際、前
    記電圧発生手段により発生される電圧を高く設定して奇
    数ラインの発光体に電子を照射し、前記順次走査により
    表示される画像信号の偶数ラインを表示する際、前記電
    圧発生手段により発生される電圧を低く設定して偶数ラ
    インの発光体に電子を照射することを特徴とする請求項
    9に記載の画像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動制御手段は、前記順次走査に
    より表示される画像信号のライン番号によって、前記電
    圧発生手段により発生される電圧値の設定を変更するこ
    とを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記電子放出素子が表面伝導型素子で
    あることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項
    に記載の画像表示装置。
  16. 【請求項16】 行及び列配線によりマトリクス状に配
    設した複数の電子放出素子を有する電子源と前記電子源
    から放出された電子により発光する発光体とを有する表
    示パネルに画像を表示する画像表示方法であって、 表示方式の異なる画像信号を入力する画像入力工程と、 前記画像入力工程で入力された画像信号を合成して前記
    表示パネルの1ライン分の画像データを生成する画像生
    成工程と、 前記画像生成工程で生成された1ライン分の画像データ
    に応じたパルス幅の電圧信号を発生する電圧発生工程
    と、 前記画像入力工程で入力される画像信号の表示方式に応
    じて前記電圧発生工程で発生する電圧信号の電圧レベル
    を設定する設定工程と、 前記画像信号の表示走査に同期して前記設定工程で設定
    された電圧レベルの電圧信号を前記表示パネルに供給し
    て前記電子放出素子を駆動する駆動制御工程と、を有す
    ることを特徴とする画像表示方法。
  17. 【請求項17】 前記画像入力工程では、順次走査によ
    り表示される画像信号と飛び越し走査により表示される
    画像信号を入力することを特徴とする請求項16に記載
    の画像表示方法。
  18. 【請求項18】 前記順次走査により表示される画像信
    号と飛び越し走査により表示される画像信号とを同時に
    表示する際、前記順次走査により表示する画像信号を表
    示する期間を前記飛び越し走査により表示される画像信
    号の水平走査期間の半分として前記電子源の行配線を順
    次選択し、対応する画像信号に応じたパルス幅の信号を
    列配線に印加し、 前記飛び越し走査により表示される画像信号を表示する
    際には前記電子源の行配線の順次選択に同期して第1フ
    ィールドでは偶数行の駆動タイミングで、又第2フィー
    ルドでは奇数行の駆動タイミングで前記設定工程で設定
    される電圧値を高くすることを特徴とする請求項17に
    記載の画像表示方法。
  19. 【請求項19】 前記表示パネルは、前記電子放出をマ
    トリクス状に配列し、前記発光体の行数は前記電子放出
    素子の行数の半分であることを特徴とする請求項16乃
    至17のいずれか1項に記載の画像表示方法。
  20. 【請求項20】 前記順次走査により表示される画像信
    号と飛び越し走査により表示される画像信号とを同時に
    表示する際、前記順次走査により表示する画像信号を表
    示する期間を前記飛び越し走査により表示される画像信
    号の水平走査期間の半分として前記電子源の行配線を2
    回ずつ連続して順次選択し、偶数行では対応する画像信
    号に応じたパルス幅で前記設定工程で設定される電圧値
    を低くした信号を、奇数行では前記設定工程で設定され
    る電圧値を高くして列配線に印加し、 前記飛び越し走査により表示される画像信号を表示する
    際には前記電子源の行配線の順次選択に同期して第1フ
    ィールドでは前記設定工程で設定される電圧値を高く
    し、第2フィールドでは前記設定工程で設定される電圧
    値を低くすることを特徴とする請求項19に記載の画像
    表示方法。
  21. 【請求項21】 更に前記電圧発生工程で発生される電
    圧が高く設定された場合に、前記画像入力工程で入力さ
    れる前記飛び越し走査に係る画像信号或は前記順次走査
    により表示される画像信号の信号レベルを補正する補正
    工程を備えることを特徴とする請求項17乃至20のい
    ずれか1項に記載の画像表示方法。
JP8896398A 1998-04-01 1998-04-01 画像表示方法及び装置 Withdrawn JPH11288245A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003098992A (ja) * 2001-09-19 2003-04-04 Nec Corp ディスプレイの駆動方法、その回路及び携帯用電子機器
WO2007080735A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Toshiba Matsushita Display Technology Co., Ltd. 表示装置及びその駆動方法及び端末装置
JP2007188098A (ja) * 2007-02-16 2007-07-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd アクティブマトリクス型表示装置及びその駆動方法と携帯情報端末

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