JPH11352923A - 画像表示方法及び装置 - Google Patents

画像表示方法及び装置

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JPH11352923A
JPH11352923A JP15797198A JP15797198A JPH11352923A JP H11352923 A JPH11352923 A JP H11352923A JP 15797198 A JP15797198 A JP 15797198A JP 15797198 A JP15797198 A JP 15797198A JP H11352923 A JPH11352923 A JP H11352923A
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JP
Japan
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signal
pulse
image
electron
pulse width
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JP15797198A
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Seiji Isono
青児 磯野
Naoto Abe
直人 阿部
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に表示パネルの隣接する配線に信号が印加
されるようにすることにより、隣接する配線間での浮遊
容量等による駆動信号の立上がりの遅れを防止する画像
表示方法及び装置を提供する。 【解決手段】 m×n個の電子放出素子と、これら電子
放出素子から放出された電子により発光する発光体とを
備える表示パネル11と、画像信号のレベルに応じたパ
ルス幅の信号を発生するパルス幅変調器14と、パルス
幅変調器14により変調されたパルス信号を表示パネル
11の列配線に印加して駆動する列配線駆動部10と、
画像信号の水平同期信号に同期して表示パネル11の行
配線を順次選択して駆動する行配線駆動部9と、入力し
た画像信号に含まれる画素データを所定値に変換してパ
ルス幅変調器14に入力する補助パルス発生データ変換
部12を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子放出素
子を配列した表示パネルを用いて画像を表示する画像表
示方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型大画面の表示装置の研究開発
が盛んに行われている。本願発明者は、薄型大画面の表
示装置として冷陰極を電子源に用いた研究を行ってい
る。
【0003】従来から、電子放出素子として熱陰極素子
と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極
素子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型素
子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放出
素子(以下MIM型と記す)、などが知られている。
【0004】表面伝導型放出素子としては、例えば、M.
I. Elinson, Radio E-ng. Electron Phys., 10, 1290,
(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0005】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン(Elinson)等
によるSnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によ
るもの[G. Dittmer:“Thin Solid Films”, 9,317 (1
972)]や、In2O3/SnO2薄膜によるもの[M. Hart
well and C. G. Fonstad:”IEEE Trans. ED Conf.”,
519 (1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が
報告されている。
【0006】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図26に前述のM. Hartwellらによ
る素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜
3004に、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理を施すことにより、電子放出部3005が形成され
る。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],幅Wは、
0.1[mm]に設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0007】M. Hartwellらによる素子をはじめとして
上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う
前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成す
るのが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、
前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もし
くは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレー
トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3
004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成
することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質した導電性薄膜3004の一部には亀裂が発生す
る。この通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適
宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電
子放出が行われる。
【0008】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素
子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人に
よる特開昭64−31332号公報において開示される
ように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研
究されている。
【0009】FE型の例としては、例えば、W. P. Dyke
& W. W. Dolan,“Field emission”, Advance in Ele
ctron Physics, 8, 89 (1956)や、或は、C. A. Spind
t,“Physical properties of thin-film field emissi
on cathodes with molybdeniumcones”, J. Appl. Phy
s., 47, 5248 (1976)などが知られている。
【0010】このFE型の素子構成の典型的な例とし
て、図27に前述のC. A. Spindtらによる素子の断面図
を示す。同図において、3010は基板で、3011は
導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコ
ーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極であ
る。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3
014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッ
タコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるも
のである。また、FE型の他の素子構成として、図27
のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平
行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0011】また、MIM型の例としては、例えば、C.
A. Mead,“Operation of tunnel-emission Devices,
J. Appl. Phys., 32,646 (1961)などが知られている。
このMIM型の素子構成の典型的な例を図28に示す。
同図は断面図であり、図において、3020は基板で、
3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100
オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ8
0〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極
である。MIM型においては、上電極3023と下電極
3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電
極3023の表面より電子放出を起こさせるものであ
る。
【0012】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
タを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単
純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上
に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融な
どの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒータの
加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、
冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もあ
る。このため、冷陰極素子を応用するための研究が盛ん
に行われてきている。
【0013】例えば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素
子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることか
ら、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、例えば本出願人による特開昭64−313
32号公報において開示されるように、多数の素子を配
列して駆動するための方法が研究されている。
【0014】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0015】特に、画像表示装置への応用としては、例
えば本出願人によるUSP5,066,883や特開平
2−257551号公報や特開平4−28137号公報
において開示されているように、表面伝導型放出素子と
電子の照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用い
た画像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子
と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来
の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待され
ている。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較
しても、自発光型であるためバックライトを必要としな
い点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0016】また、FE型素子を多数個並べて駆動する
方法は、例えば本出願人によるUSP4,904,89
5に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応
用した例として、例えば、R. Meyerらにより報告された
平板型表示装置が知られている。[R. Meyer:“Recent D
evelopment on Microtips Display at LETI”,Tech.Di
gest of 4th Int. Vacuum Microelectronics Conf., Na
gahama, pp. 6-9 (1991)]。
【0017】また、MIM型を多数個並べて画像表示装
置に応用した例は、例えば本出願人による特開平3−5
5738号公報に開示されている。
【0018】本願発明者らは、上記従来技術に記載した
ものをはじめとして、さまざまな材料、製法、構造の表
面伝導型放出素子を試みてきた。さらに、多数の表面伝
導型放出素子を配列したマルチ電子源、並びにこのマル
チ電子源を応用した画像表示装置に付いて研究を行って
きた。例えば図29に示す電気的な配線方法によるマル
チ電子源を試みてきた。即ち、表面伝導型放出素子を2
次元的に多数個配列し、これらの素子を図示のようにマ
トリクス状に配線したマルチ電子源である。
【0019】図中、4001は表面伝導型放出素子を模
式的に示したもの、4002は行方向配線、4003は
列方向配線である。行方向配線4002及び列方向配線
4003は、実際には有限の電気抵抗を有するものであ
るが、図においては配線抵抗4004及び4005とし
て示されている。上述のような配線方法を、単純マトリ
クス配線と呼ぶ。なお、図示の便宜上、6×6のマトリ
クスで示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに
限ったわけではなく、例えば画像表示装置用のマルチ電
子源の場合には、所望の画像表示を行うのに足りるだけ
の素子を配列し配線するものである。
【0020】このように表面伝導型放出素子を単純マト
リクス配線したマルチ電子源においては、所望の電子ビ
ームを出力させるため、行方向配線4002および列方
向配線4003に適宜の電気信号を印加する。例えば、
マトリクスの中の任意の1行の表面伝導型放出素子を駆
動するには、選択する行の行方向配線4002には選択
電圧Vsを印加し、同時に非選択の行の行方向配線40
02には非選択電圧Vnsを印加する。これと同期して列
方向配線4003に電子ビームを出力するための駆動電
圧Veを印加する。この方法によれば、配線抵抗400
4及び4005による電圧効果を無視すれば、選択する
行の表面伝導型放出素子には(Ve−Vs)の電圧が印加
され、また非選択行の表面伝導型放出素子には(Ve−
Vns)の電圧が印加される。ここでVe,Vs,Vnsを適
宜の大きさの電圧にすれば、選択する行の表面伝導型放
出素子だけから所望の強度の電子ビームが出力されるは
ずであり、また列方向配線の各々に異なる駆動電圧Ve
を印加すれば、選択する行の素子の各々から異なる強度
の電子ビームが出力されるはずである。また、表面伝導
型放出素子の応答速度は高速であるため、駆動電圧Ve
を印加する時間の長さを変えれば、電子ビームが出力さ
れる時間の長さも変えることができるはずである。
【0021】以下、選択時の素子印加電圧(Ve−Vs)
をVfと呼ぶ。
【0022】さらに、上述のように単純マトリクス配線
したマルチ電子源から電子ビームを得る別の方法とし
て、列方向配線に駆動電圧Veを印加するための電圧源
を接続するのではなく駆動電流を供給するための電流源
を接続して、選択する行の行方向配線には選択電圧Vs
を印加し、同時に非選択の行の行方向配線には非選択電
圧Vnsを印加して駆動する方法もある。これにより、表
面伝導型放出素子の強い閾値特性により、その選択され
た行の素子だけから電子ビームが得ることができる。こ
こで電子源に流れる電流を、以下素子電流Ifと呼び、
放出される電子による電流を放出電流Ieと呼ぶ。
【0023】従って、表面伝導型放出素子を単純マトリ
クス配線したマルチ電子源はいろいろな応用の可能性が
あり、例えば画像情報に応じた電気信号を適宜印加すれ
ば、画像表示装置用の電子源として好適に用いることが
できる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな表面伝導型放出素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子源では、以下に述べるような問題が発生してい
た。
【0025】入力した画像信号をパルス幅変調した信号
に基づいて、所定の駆動電圧、もしくは駆動電流を各放
出素子に印加すると、その放出素子からその映像信号に
応じた電子が放出される。しかし、これら駆動信号を出
力する駆動回路からマルチ電子源の各素子までの有限の
長さをもつ配線のインダクタンス成分や、隣接する配線
間の静電容量、浮遊容量成分などが原因となって、共振
などによるパルス印加(立ち上がり)時のリンギングが
生じる。このようなリンギングを抑制するために、駆動
電流もしくは駆動電圧を印加する場合に、その配線を流
れる電流を制限するような方式が一般的に用いられてい
る。
【0026】一方、パルス印加終了時(立ち下がり)に
おいては、浮遊容量により蓄積された電荷を速やかに放
電させて立ち下がり時間を短くするためのスイッチ回路
を設け、低インピーダンスで電圧を印加することが多か
った。これにより、マルチ電子源の印加電圧の定格を超
えるようなリンギングの発生を防いで電子源の駆動を行
っていた。しかし上記構成においても別の問題が発生し
ていた。
【0027】即ち、図30に示すように、全ての配線に
パルスが印加されたときに比べ、パルスが印加される配
線の数が減少するのに応じて、隣接する配線容量の影響
が大きくなり、実効印加量が低下してしまう現象が発生
する。即ち、図中、パルス77,78の例で示すよう
に、隣接する配線の両方にパルス信号が印加されるパル
ス79の場合と比較して、隣接する配線の少なくとも何
れかに対してパルス信号が印加されない場合、それら隣
接する配線容量の影響によりパルス信号の立上がりが鈍
ってしまい、階調再現性に誤差が発生することになる。
このような現象は、上記の駆動電流を印加する方式もし
くは電流制限を施した状態で駆動電圧を印加する方式の
両方式のいずれにおいても生じることである。特に大画
面のパネルを構成する場合は、配線の長さが長くなって
配線間の容量が増大し、階調再現における誤差が大きく
なってしまうという問題があった。
【0028】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、常に表示パネルの隣接する配線に信号が印加される
ようにすることにより、隣接する配線間での浮遊容量等
による駆動信号の立上がりの遅れを防止した画像表示方
法及び装置を提供することを目的とする。
【0029】また本発明の目的は、パルス幅変調された
信号の立上がり時に、所定のパルス幅、所定電圧レベル
のパルスを付加して列配線を駆動することにより、隣接
する配線間での浮遊容量などによる表示駆動信号への影
響を除去した画像表示方法及び装置を提供することにあ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像表示装置は以下のような構成を備える。
即ち、m×n個の電子放出素子と前記電子放出素子から
放出された電子により発光する発光体とを備える表示パ
ネルと、画像信号のレベルに応じたパルス幅の信号を発
生するパルス幅変調手段と、前記パルス幅変調手段によ
り変調されたパルス信号を前記表示パネルの列配線に印
加して駆動する駆動手段と、前記画像信号の水平同期信
号に同期して前記表示パネルの行配線を順次選択して駆
動する走査線駆動手段と、入力した画像信号に含まれる
画素データを所定値に変換して前記パルス幅変調手段に
入力するデータ変換手段とを有することを特徴とする。
【0031】上記目的を達成するために本発明の画像表
示方法は以下のような工程を備える。即ち、m×n個の
電子放出素子と前記電子放出素子から放出された電子に
より発光する発光体とを備える表示パネルを用いて画像
を表示する画像表示方法であって、入力した画像信号に
含まれる画素データを所定値に変換するデータ変換工程
と、前記データ変換工程で変換された画像信号の画素デ
ータのレベルに応じたパルス幅の信号を発生するパルス
幅変調工程と、前記パルス幅変調工程で変調されたパル
ス信号を前記表示パネルの列配線に印加して駆動する駆
動工程と、前記画像信号の水平同期信号に同期して前記
表示パネルの行配線を順次選択して駆動する走査線駆動
工程と、入力した画像信号に含まれる画素データを所定
値に変換して前記パルス幅変調手段に入力するデータ変
換手段とを有することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0033】[実施の形態1]図1は、本発明の実施の
形態1の画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【0034】11は、m×n個の表面伝導型放出素子を
マトリックス状に配列し、それらを行及び列配線により
接続した電子源と、その電子源から放出される電子によ
り発光する蛍光体を備える表示プレートを備えた表示パ
ネルで、表面伝導型放出素子のそれぞれは、図22に示
す素子電圧−放出電流特性を有している。1は映像信号
を入力するための映像信号入力端子、2はアナログ信号
処理部で、A/D変換部3において映像輝度信号を必要
な階調数でデジタル信号に変換するためのアナログ映像
信号の黒レベルクランプや振幅レベル調整、帯域制限な
どを行っている。4は同期分離部で、入力した映像信号
から同期信号(水平、垂直同期信号)を分離している。
5はタイミング発生部で、同期分離部4からの同期信号
を入力し、A/D変換部3、水平、垂直シフトレジスタ
6,8等への各種タイミング信号を供給している。
【0035】映像アナログ輝度信号は、A/D部3で、
1水平期間当たりn個のシリアルデジタル信号に変換さ
れて水平シフトレジスタ6に送られ、パラレル信号に変
換された後、1ラインメモリに送られて、表示パネル1
1に表示される1ライン分の画像データが保持される。
列配線駆動部10において、14はパルス幅変調器で、
1ラインメモリ7からパラレルに出力される各画素デー
タの値に応じたパルス幅の信号を出力する。15はスイ
ッチ回路で、パルス幅変調器14の出力がオンの間、定
電流源16から供給される定電流(I1)を表示パネル
11の対応する列配線に印加し、パルス幅変調信号がオ
フの時、もう一方の端子側に接続されて対応する列配線
を接地している。また17は、パルス幅変調信号がオン
時に、表示パネル11の各素子で発生する電圧が定格を
超えないための保護として、電圧Vmにクリップするた
めのダイオードである。
【0036】行配線駆動部9は、表示パネル11の各行
配線毎に直流電圧Vs(負極性)を印加するか、接地す
るかを選択するスイッチ回路18を備えている。これら
スイッチ回路18は、垂直シフトレジスタ8からの出力
により、対応する行配線が選択された場合は上側の端子
に接続されて電源からの直流電圧Vs(負極性)を表示
パネル11の対応する行配線に印加し、それ以外の場合
には下側の端子に接続されて、表示パネル11の各行配
線を接地している。12は補助パルス発生データ変換部
で、A/D部3でデジタル信号に変換された画像データ
の画素データが“0”のときにおいても、列配線駆動部
10から所定幅のパルス信号が出力されるように、水平
シフトレジスタ6に入力するデジタルデータを変換して
いる。
【0037】図2は、この補助パルス発生データ変換部
12の構成を示すブロック図である。
【0038】図2において、120は加算器で、A/D
部3のデジタル出力“D1”(00h〜FFh(256
階調発生時))に“1”を加算し、その加算結果をデー
タ「Din1」として出力している。更に、データ「Din
1」(01h〜100h)の値が“01h”〜“FF
h”の場合はそのまま出力し、“100h”のデータの
場合(元々“FFh”であった)に“FFh”に変更し
て出力するように256リミッタ121による処理を行
い、データ「D2」(01h〜FFh)として出力して
いる。これによりデータ「D1」が“00h〜FEh”
の場合に、“1”だけ加算されて出力されるため、デー
タ「D1」が“0”の場合にも“0”ではなく“1”と
して出力されることになる。
【0039】また図3は、この補助パルス発生データ変
換部12の他の構成例を(12aで示す)示す図であ
る。
【0040】図3において、A/D部3のデジタル出力
「D1」(00h〜FFh(256階調発生時))を比
較器(COMP)122で“00h”(GND)と比較
する。そして、データ「D1」が“00h”(GND)
と等しい場合には、信号「Din4」によりスイッチ12
3を切り替えてデータ「Din3」“01h”を「D2」と
して出力する。一方、等しくない場合には、データ「D
1」である「Din2」をそのまま「D2」(01h〜FF
h)として出力する。これによりデータ「D1」が
“0”の場合には“0”ではなく“1”として出力され
ることになる。
【0041】更に本実施の形態の画像表示装置における
駆動方法を、6×6のマトリックス配線回路を例に、図
4、図5、図6を用いて説明する。
【0042】図4は、表示パネル11に表示するための
テストパターン(6×6)例を示し、図5は表示パネル
11における表面伝導型放出素子の配列を示す配線図
で、ここでは6×6個の素子が配列して接続されてい
る。図6(A)(B)は図4のテストパターンを表示す
るときの動作タイミングを示す図で、(A)は表示パネ
ル11の列配線に印加されるパルス幅変調信号を示し、
(B)は表示パネル11の行配線に印加される走査信号
を示している。
【0043】図6(A)において、図4の明るい画素
(図4では黒で示す)に対応する点灯部は最もパルス幅
が長く、暗くなる(図4では白っぽくなる)に連れてパ
ルス幅が短くなっている。更に本実施の形態において
は、非点灯部(図4では白で示す)においても補助パル
ス発生データ変換部12から補助パルスが印加されるた
め、図6(A)に示すように、短い幅のパルスが印加さ
れている。これらの図では、6×6のマトリックス回路
を例に取ったが、もちろん、一般的なm×nのマトリッ
クス回路でも構わない。
【0044】表示パネル11の列配線に印加する電圧波
形の一例を図7に示す。図7では、画素データが“0”
である部分に、表示に影響しないパルス幅の補助パルス
709が印加されている。これにより図30におけるパ
ルス77,78のように、隣接する配線にパルスが印加
されない状態が発生しないので、配線間の容量を充電す
ることに起因するパルス信号の立上がりの遅れが生じな
くなっている。
【0045】尚、このような補助パルスは、1階調以下
に相当するパルス幅であることが望ましいが、本発明は
それに限定されるものではなく、画像のコントラストが
気にならなければ、数諧調程度に相当するパルス幅でも
構わない。
【0046】この実施の形態においては、電流制限駆動
であるため、パルスの立ち上がり時間が遅くなっている
が、例えばある電圧までは保護抵抗のある電圧源で駆動
し、その後、電流源が働くような構成で立ち上がり時間
を早めた場合においても同様の効果が実現できる。
【0047】[実施の形態2]図8は、本発明の実施の
形態2の画像表示装置の構成例を示すブロック図で、前
述の図1の構成と共通する部分は同じ番号で示し、その
説明を省略する。
【0048】列配線駆動部10aにおいて、スイッチ回
路15は、表示パネル11の各列配線毎に、抵抗(保護
抵抗)19を介して電圧源20(Ve)からの電圧を印
加するか、或は接地するか(オン・オフ)を切り替えて
いる。これらスイッチ回路15は、前述の実施の形態1
と同様に、パルス幅変調器14から出力される信号がオ
ンの時に電圧源20から電圧を、表示パネル11の対応
する列配線に印加し、パルス幅変調信号がオフの時に、
列配線を接地するように切換られる。
【0049】補助パルス発生データ変換部12は、前述
の実施の形態1の場合と同様に、デジタル信号に変換さ
れた画素データが“0”のときにおいても、所定幅のパ
ルス信号が生成されるようにデータを変換する。この構
成は前述の図2、図3に示す構成と同様である。
【0050】この実施の形態2によれば、表示パネル1
1の列配線に印加される電圧波形は、保護抵抗19と配
線の有する容量分(特に隣接間容量)で決まる時定数で
立ち上がる。これに起因する、図30に示すようなパル
ス信号立上がりの遅れが、前述の実施の形態1の図7に
示すように改善される。
【0051】[実施の形態3]図9は、本発明の実施の
形態3の画像表示装置の構成を示すブロック図で、前述
の図1及び図8の構成と共通する部分は同じ番号で示
し、その説明を省略する。
【0052】列配線駆動部10bにおいて、スイッチ回
路15は、パルスコントローラ21の出力がオンの時
に、対応する列配線に電流源I1からの電流を印加し、
パルスコントローラ21の出力がオフの時に対応する列
配線を接地するように切り替えている。スイッチ回路2
2は、発光に寄与しない電圧制限(Vh制御)された補
助電圧パルスの印加を切り替えている。またパルスコン
トローラ21は、画素データに比例したパルス幅と一定
幅のパルス(補助パルス)を出力する。
【0053】図10は、パルスコントローラ21の1つ
の画素データに対する回路構成例を示すブロック図であ
る。
【0054】このパルスコントローラ21は、デジタル
画像データ「Dp1」に比例したパルス幅の信号を出力す
るPWM発生器133と、その画像データの画素データ
値が“0”の場合に、所定幅の補助パルスを出力するよ
うに制御する補助パルスコントロール部134を備えて
いる。補助パルスコントロール部134では、デジタル
画素データ「Dp1」を比較器(COMP)132で“0
0h”と比較して、画素データ「Dp1」が“00h”と
等しい場合には、出力信号「Dpin1」としてハイレベル
の信号をANDゲート135に出力する。これにより補
助パルス発生器131からの補助パルス信号「Dpin2」
がANDゲート135を介してスイッチ回路22に出力
される。こうして表示パネル11の列配線に補助パルス
が印加される。一方、入力した画素データの値が“00
h”と等しくない場合にはANDゲート135がオフさ
れ、信号「Dpin1」としてロウレベルの信号が出力され
る。これによりスイッチ回路22はオフ状態となる。O
Rゲート136は、ANDゲート135とPWM発生器
133との論理和を取ってスイッチ回路15に出力して
いる。
【0055】以上の構成により、画素データが“0”の
場合以外は通常のパルス幅変調信号が表示パネル11の
列配線に印加され、画素データが“0”の場合には、ス
イッチ回路22が電圧源Vh側に接続され、各接続され
ているトランジスタがオンされ、そのトランジスタのベ
ース、エミッタ、更には接続されているダイオード、ス
イッチ回路15を通って、対応する列配線に電流が印加
される。
【0056】これにより、列配線に印加される電圧波形
が、例えば図7に示すよう改善される。ここで、画素デ
ータが“0”の時に対応する列配線に印加される電圧V
h'は、Vh'=Vh−2×VBEとなる(ここでVBEは、ダ
イオードの順方向電位である)。
【0057】この場合に、表示パネル11の選択された
表面伝導型放出素子に印加される電圧は(Vh'−Vs)
となる。ここで、電圧Vh'を、図22の素子電圧−放出
電流特性を持つ表面伝導型放出素子が発光しない電圧値
Vh'≦Ve(駆動電圧)とすることにより、前述の実施
の形態1において、わずかながら黒が白っぽくなる現象
を防ぐことができる。
【0058】[実施の形態4]図11は、本発明の実施
の形態4の画像表示装置の構成を示すブロック図で、前
述の実施の形態の構成と共通する部分は同じ番号で示し
ている。
【0059】列配線駆動部10cにおいて、スイッチ回
路15は、パルスコントローラ21の出力がオンの時
に、それぞれ対応する列配線に、電圧源Vhからの抵抗
(保護抵抗)19を介した電圧Veを印加し、パルスコ
ントローラ21の出力がオフの時に、対応する列配線を
接地するように切り替える。またスイッチ回路22は、
パルスコントローラ21のもう一方の出力がオンの時に
電圧源Vhからの電圧を対応するトランジスタのベース
に印加してトランジスタをオンにし、対応する列配線に
発光に寄与しない程度の補助電圧パルスを印加し、パル
スコントローラ21の出力がオフの時に、それぞれ対応
するトランジスタのベースを接地するように切り替えて
いる。パルスコントローラ21は、1ラインメモリから
入力される各画素データの値に比例したパルス幅の信号
を出力するとともに、画素データが“0”の場合に、対
応するスイッチ回路22をオンするための補助パルス信
号を出力している。
【0060】このパルスコントローラ21の構成は、前
述の図10に示すような構成であり、デジタル画素デー
タ「Dp1」の値に比例したパルス幅の信号を出力するP
WM発生器133と、画素データが“0”の場合に補助
パルスを出力する補助パルスコントロール部134aを
備えている。この補助パルスコントロール部134aに
おいて、デジタル画素データ「Dp1」を比較器(COM
P)132で“00h”と比較して、データ「Dp1」”
が“00h”と等しい場合に、信号Dpin1としてハイレ
ベルの信号を出力する。これによりANDゲート135
を通して補助パルス信号がスイッチ回路22に出力され
る。このとき、図11の回路において、スイッチ回路2
2が補助パルスが出力されている間だけオンされ、電圧
源Vhからの電圧がトランジスタ、抵抗19及びスイッ
チ回路15を介して、表示パネル11の対応する列配線
に印加される。尚、画素データが“0”以外の時は、入
力した画素データの値に対応したパルス幅の間、電圧源
Veからの電圧が抵抗19、スイッチ回路15を介し
て、それぞれ対応する列配線に印加される。
【0061】列配線に印加される電圧波形は、保護抵抗
19と配線による容量分(特に隣接間容量)で決まる時
定数で立ち上がる。これに起因する図30に示すオン時
の立上がりの遅れが、図7に示すように改善される。こ
こで、画素データが“0”の時に対応する列配線に印加
される電圧Vh'は、Vh'=Vh−2×VBEとなる(ここ
でVBEは、ダイオードの順方向電位である)。
【0062】この場合に、表示パネル11の選択された
表面伝導型放出素子に印加される電圧は(Vh'−Vs)
となる。ここで、電圧Vh'を、図22の素子電圧−放出
電流特性を持つ表面伝導型放出素子が発光しない電圧値
Vh'≦Ve(駆動電圧)とすることにより、前述の実施
の形態2において、わずかながら黒が白っぽくなる現象
を防ぐことができる。
【0063】[実施の形態5]次に本発明の実施の形態
5について説明する。この実施の形態5の画像表示装置
の構成は前述の実施の形態3の構成(図9)と同様で、
その駆動方法のみが異なるものである。
【0064】パルスコントローラ21aは図12に示す
構成をしている。即ち、図12では、前述の図10の構
成と比較すると明らかなように、画素データの値が
“0”かどうかを調べるための比較器132が省略され
ていることが分かる。これにより、全ての入力した画素
データに対して補助パルスが発生されることになる。こ
こで、この補助パルス発生器131から出力されるパル
ス信号のタイミングは、PWM発生器133が出力する
パルス幅変調信号の出力タイミングよりも若干早くなっ
ている(図13参照)。
【0065】この実施の形態5における列配線の電圧波
形を図13に示す。
【0066】図13において、全ての列配線に対し、発
光に影響を及ぽさない程度のパルス幅の補助パルスを駆
動パルスの直前に印加し、その補助パルスに続けて実際
の駆動パルス(パルス幅変調信号)を印加している。
【0067】図13において、ある同時間の異なる列の
駆動信号をsig1, sig2, sig3とし、その時の画素データ
「Dp1」の値がそれぞれ“00h”、“40h”、“8
0h”の駆動パルスをイメージしている。ここで補助パ
ルスは、駆動パルスの直前に発生するように補助パルス
発生器131及びPWM発生器133により制御されて
いる。いま補助パルス印加時の電圧値Vh'は、Vh'=V
h−2×VBEで表され、この補助パルスが印加される選
択された素子への印加電圧は(Vh'−Vs)となる。従
って、この印加電圧が図22の素子電圧−放出電流特性
を持つ表面伝導型放出素子が発光しない電圧値Vh'≦V
e(駆動電圧)に選ぶことにより、前述の実施の形態1
で、わずかながら黒が白っぽくなる現象を防ぐことがで
きる。また、前述の実施の形態1及び3においては、2
56階調表示する場合において、画素データが“00
h”の場合を補助パルス制御に用いていたため、実際に
は255階調表現しか行えなかったが、本実施の形態5
においては“00h”を補助パルス制御に用いるないた
め256階調で表現することが出来る。
【0068】[実施の形態6]次に本発明の実施の形態
6の構成について説明する。この実施の形態6の構成
は、前述の実施の形態4の構成(図11)と同様で、そ
の駆動方法が異なるものである。
【0069】パルスコントローラ21は、図12に示す
構成をしており、デジタル画素データ「Dp1」に比例し
たパルス幅の信号を出力するPWM発生器133と、駆
動パルスの立ち上がりを改善するための補助パルスを発
生する補助パルス発生器131とを備えている。補助パ
ルスコントロール部134aにおいては、デジタル画素
データ「Dp1」が入力されると、補助パルスを発生する
ための信号がスイッチ回路22に出力される。PWM発
生器133では、デジタル画素データ「Dp1」の入力に
より、この画素データ「Dp1」に比例したパルス幅の信
号を発生している。これにより、補助パルスの直後に駆
動パルスが印加されてスイッチ回路22が切換られる。
【0070】この実施の形態6における列配線に印加さ
れる電圧波形を図13に示す。
【0071】図13において、全ての列配線に対し、発
光に影響を及ぽさない程度のパルス幅の補助パルスを同
時に印加し、そのパルスに続けて駆動パルスを印加して
いる。
【0072】図13において、ある同時間の異なる列の
駆動信号をsig1, sig2, sig3とし、その時の画素データ
「Dp1」の値がそれぞれ、“00h”、“40h”、
“80h”の駆動パルスをイメージしている。ここで補
助パルスは、駆動パルスの直前に発生するようにしてい
る。いま補助パルス印加時の電圧値Vh'は、Vh'=Vh
−2×VBEで表され、この補助パルスが印加される選択
された素子への印加電圧は(Vh'−Vs)となる。従っ
て、この印加電圧が図22の素子電圧−放出電流特性を
持つ表面伝導型放出素子が発光しない電圧値Vh'≦Ve
(駆動電圧)に選ぶことにより、前述の実施の形態1
で、わずかながら黒が白っぽくなる現象を防ぐことがで
きる。また、前述の実施の形態1及び3においては、2
56階調表示する場合において、画素データが“00
h”の場合を補助パルス制御に用いていたため、実際に
は255階調表現しか行えなかったが、本実施の形態5
においては“00h”を補助パルス制御に用いるないた
め256階調で表現することが出来る。
【0073】(表示パネルの構成と製造法)次に、本発
明の実施の形態に適用可能な画像表示装置の表示パネル
11の構成と、その製造法について具体的な例を示して
説明する。
【0074】図14は、実施の形態に用いた表示パネル
11の斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1
部を切り欠いて示している。
【0075】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネル11の内部を真空に維持す
るための気密容器を形成している。気密容器を組み立て
るにあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性
を保持させるため封着する必要があるが、例えばフリッ
トガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気
中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成すること
により封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する
方法については後述する。
【0076】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1002
がn×m個形成されている(n,mは2以上の正の整数
であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的とした表
示装置においては、n=3000,m=1000以上の
数を設定することが望ましい。本実施の形態において
は、n=3072,m=1024とした。これらn×m
個の冷陰極素子は、m本の行方向配線1003とn本の
列方向配線1004により単純マトリクス配線されてい
る。前記、1001〜1004によって構成される部分
をマルチ電子源と呼ぶ。なお、マルチ電子源の製造方法
や構造については、後で詳しく述べる。
【0077】本実施の形態においては、気密容器のリア
プレート1005にマルチ電子源の基板1001を固定
する構成としたが、マルチ電子源の基板1001が十分
な強度を有するものである場合には、気密容器のリアプ
レートとしてマルチ電子源の基板1001自体を用いて
もよい。
【0078】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施の形態は
カラー表示装置であるため、蛍光膜1008の部分には
CRTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光
体が塗り分けられている。各色の蛍光体は、例えば図1
5(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビ
ームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが
生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜の
チャージアップを防止する事などである。黒色の導電体
1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0079】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図1
5(A)に示したストライプ状の配列に限られるもので
はなく、例えば図15(B)に示すようなデルタ状配列
や、それ以外の配列であってもよい。なお、モノクロー
ムの表示パネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料
を蛍光膜1008に用いればよく、また黒色導電材料は
必ずしも用いなくともよい。
【0080】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜100
8を保護するためや、電子ビーム加速電圧を印加するた
めの電極として作用させるためや、蛍光膜1008を励
起した電子の導電路として作用させるためなどである。
メタルバック1009は、蛍光膜1008をフェースプ
レート基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑
化処理し、その上にAl(アルミニウム)を真空蒸着す
る方法により形成した。なお、蛍光膜1008に低電圧
用の蛍光体材料を用いた場合には、メタルバック100
9は用いない。
【0081】また、本実施の形態では用いなかったが、
加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、
フェースプレート基板1007と蛍光膜1008との間
に、例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0082】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよび
Hvは、この表示パネル11と不図示の電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1〜Dxmはマルチ電子源の行方向配線100
3と、Dy1〜Dynはマルチ電子源の列方向配線1004
と、Hvはフェースプレートのメタルバック1009と
電気的に接続している。
【0083】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[to
rr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止
するが、気密容器内の真空度を維持するために、封止の
直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッタ
ー膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、例えばB
aを主成分とするゲッター材料をヒータもしくは高周波
加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッタ
ー膜の吸着作用により気密容器内は1×10マイナス5
乗ないしは1×10マイナス7乗[torr]の真空度に維
持される。
【0084】以上、本発明実施の形態の表示パネル11
の基本構成と製法を説明した。
【0085】次に、前記実施の形態の表示パネル11に
用いたマルチ電子源の製造方法について説明する。本実
施の形態の画像表示装置に用いるマルチ電子源は、冷陰
極素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰
極素子の材料や形状あるいは製法に制限はない。従っ
て、例えば表面伝導型放出素子やFE型、あるいはMI
M型などの冷陰極素子を用いることができる。
【0086】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。即
ち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対位置
や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極めて高
精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や製造
コストの低減を達成するには不利な要因となる。また、
MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしかも均
一にする必要があるが、これも大面積化や製造コストの
低減を達成するには不利な要因となる。その点、表面伝
導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大面積
化や製造コストの低減が容易である。また、発明者ら
は、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしくは
その周辺部を微粒子膜から形成したものがとりわけ電子
放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見い
だしている。従って、高輝度で大画面の画像表示装置の
マルチ電子源に用いるには、最も好適であると言える。
そこで、上記実施の形態の表示パネル11においては、
電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成した
表面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず好適な表面
伝導型放出素子について基本的な構成と製法および特性
を説明し、その後で多数の素子を単純マトリクス配線し
たマルチ電子源の構造について述べる。
【0087】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0088】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図16に示すのは、平面型の表面伝導型
放出素子の構成を説明するための平面図(a)および断
面図(b)である。図中、1101は基板、1102と
1103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
113は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0089】基板1101としては、例えば、石英ガラ
スや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アル
ミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上述
の各種基板上に例えばSiO2を材料とする絶縁層を積
層した基板、などを用いることができる。
【0090】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、或はこれらの金属の合金、
あるいはIn2O3−SnO2をはじめとする金属酸化
物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜材料
を選択して用いればよい。電極を形成するには、例えば
真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィ、エッチ
ングなどのパターニング技術を組み合わせて用いれば容
易に形成できるが、それ以外の方法(例えば印刷技術)
を用いて形成してもさしつかえない。
【0091】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメータの範囲から適当な数値を選んで
設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好ま
しいのは数マイクロメータより数十マイクロメータの範
囲である。また、素子電極の厚さdについては、通常は
数百オングストロームから数マイクロメータの範囲から
適当な数値が選ばれる。
【0092】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0093】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。即ち、素子電極1102
あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必要な
条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに必要
な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値に
するために必要な条件、などである。
【0094】具体的には、数オングストロームから数千
オングストロームの範囲のなかで設定するが、なかでも
好ましいのは10オングストロームから500オングス
トロームの間である。
【0095】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,S
nO2 ,In2 O3 ,PbO,Sb2O3,などをはじめ
とする酸化物や、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB
6,YB4,GdB4,などをはじめとする硼化物や、T
iC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,などを
はじめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,など
をはじめとする窒化物や、Si,Ge,などをはじめと
する半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中
から適宜選択される。
【0096】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0097】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図16の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0098】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。この亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述す
る通電フォーミングの処理を行うことにより形成する。
亀裂内には、数オングストロームから数百オングストロ
ームの粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際
の電子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するの
は困難なため、図16においては模式的に示した。
【0099】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0100】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。
【0101】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図16においては模式
的に示した。また、平面図(a)においては、薄膜11
13の一部を除去した素子を図示した。
【0102】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施の形態においては以下のような素子を用いた。
【0103】即ち、基板1101には青板ガラスを用
い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメータ]とした。微粒
子膜の主要材料としてPdもしくはPdOを用い、微粒
子膜の厚さは約100[オングストローム]、幅Wは1
00[マイクロメータ]とした。
【0104】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図17(a)〜(d)
は、表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断
面図で、各部材の表記は図16と同一である。
【0105】(1)まず、図17(a)に示すように、
基板1101上に素子電極1102および1103を形
成する。これら素子電極を形成するにあたっては、予め
基板1101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗
浄後、素子電極の材料を堆積させる。(堆積する方法と
しては、例えば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技
術を用ればよい。)その後、堆積した電極材料を、フォ
トリソグラフィ・エッチング技術を用いてパターニング
し、(a)に示した一対の素子電極(1102と110
3)を形成する。
【0106】(2)次に、同図(b)に示すように、導
電性薄膜1104を形成する。
【0107】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィ・エッチ
ングにより所定の形状にパターニングする。ここで、有
機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を主
要元素とする有機金属化合物の溶液である(具体的に
は、本実施の形態では主要元素としてPdを用いた。ま
た、実施の形態では塗布方法として、ディッピング法を
用いたが、それ以外の例えばスピンナー法やスプレー法
を用いてもよい)。
【0108】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施の形態で用いた有機金属溶液の
塗布による方法以外の、例えば真空蒸着法やスパッタ
法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もあ
る。
【0109】(3)次に、同図(c)に示すように、フ
ォーミング用電源1110から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理
を行って、電子放出部1105を形成する。この通電フ
ォーミング処理とは、微粒子膜で作られた導電性薄膜1
104に通電を行って、その一部を適宜に破壊、変形、
もしくは変質せしめ、電子放出を行うのに好適な構造に
変化させる処理のことである。微粒子膜で作られた導電
性薄膜のうち電子放出を行うのに好適な構造に変化した
部分(即ち電子放出部1105)においては、薄膜に適
当な亀裂が形成されている。なお、電子放出部1105
が形成される前と比較すると、形成された後は素子電極
1102と1103の間で計測される電気抵抗は大幅に
増加する。
【0110】この通電方法をより詳しく説明するため
に、図18に、フォーミング用電源1110から印加す
る適宜の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導
電性薄膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧
が好ましく、本実施の形態の場合には同図に示したよう
にパルス幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続
的に印加した。その際には、三角波パルスの波高値Vp
fを、順次昇圧した。また、電子放出部1105の形成
状況をモニターするためのモニタパルスPmを適宜の間
隔で三角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を
電流計1111で計測した。
【0111】実施の形態においては、例えば10のマイ
ナス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、例えば
パルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10
[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1
[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加す
るたびに1回の割りで、モニタパルスPmを挿入した。
フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、
モニタパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。
そして、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が
1x10の6乗[オーム]になった段階、即ちモニタパ
ルス印加時に電流計1111で計測される電流が1x1
0のマイナス7乗[A]以下になった段階で、フォーミ
ング処理にかかわる通電を終了した。
【0112】なお、上記の方法は、本実施の形態の表面
伝導型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0113】(4)次に、図17(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0114】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。(図においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。)なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0115】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中で、
電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰囲気
中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは炭素
化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グラフ
ァイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいず
れかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500[オ
ングストローム]以下、より好ましくは300[オング
ストローム]以下である。
【0116】通電方法をより詳しく説明するために、図
19(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。本実施の形態においては、一
定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行
ったが、具体的には,矩形波の電圧Vacは14
[V],パルス幅T3は1[ミリ秒],パルス間隔T4
は10[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本
実施の形態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件
であり、表面伝導型放出素子の設計を変更した場合に
は、それに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0117】図16(d)に示す1114は該表面伝導
型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するため
のアノード電極で、直流高電圧電源1115および電流
計1116が接続されている。なお、基板1101を、
表示パネル11の中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネル11の蛍光面をアノード電極11
14として用いる。活性化用電源1112から電圧を印
加する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通
電活性化処理の進行状況をモニタし、活性化用電源11
12の動作を制御する。電流計1116で計測された放
出電流Ieの一例を図19(b)に示すが、活性化電源
1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経
過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和して
ほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieが
ほぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印
加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0118】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。
【0119】以上のようにして、図17(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0120】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、即ち垂直
型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0121】図20は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0122】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。従
って、図16の平面型における素子電極間隔Lは、垂直
型においては段差形成部材1206の段差高Lsとして
設定される。なお、基板1201、素子電極1202お
よび1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1204、
については、前記平面型の説明中に列挙した材料を同様
に用いることが可能である。また、段差形成部材120
6には、例えばSiO2のような電気的に絶縁性の材料
を用いる。
【0123】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図21(a)〜(f)は、製造工程
を説明するための断面図で、各部材の表記は図20と同
一である。
【0124】(1)まず、図21(a)に示すように、
基板1201上に素子電極1203を形成する。
【0125】2)次に、同図(b)に示すように、段差
形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、例えばSiO2をスパッタ法で積層すればよいが、
例えば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を用いて
もよい。
【0126】3)次に、同図(c)に示すように、絶縁
層の上に素子電極1202を形成する。
【0127】4)次に、同図(d)に示すように、絶縁
層の一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素子
電極1203を露出させる。
【0128】5)次に、同図(e)に示すように、微粒
子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成する
には、前記平面型の場合と同じく、例えば塗布法などの
成膜技術を用いればよい。
【0129】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図17(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミ
ング処理と同様の処理を行えばよい。) 7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処理
を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を堆
積させる。(図17(d)を用いて説明した平面型の通
電活性化処理と同様の処理を行えばよい。) 以上のようにして、図21(f)に示す垂直型の表面伝
導型放出素子を製造した。
【0130】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0131】図22に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子
電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を示
す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小
さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、これら
の特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを変更
することにより変化するものであるため、2本のグラフ
は各々任意単位で図示した。
【0132】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0133】第1に、ある電圧(これを閾値電圧Vthと
呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に放
出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電
圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即ち、放
出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持った非線
形素子である。
【0134】第2に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流Ie
の大きさを制御できる。
【0135】第3に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0136】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例
えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示
装置において、第1の特性を利用すれば、表示画面を順
次走査して表示を行うことが可能である。即ち、駆動中
の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth以上の
電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電圧Vth
未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切り替えて
ゆくことにより、表示画面を順次走査して表示を行うこ
とが可能である。
【0137】また、第2の特性かまたは第3の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。
【0138】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基
板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子源の
構造について述べる。
【0139】図23に示すのは、図14の表示パネル1
1に用いたマルチ電子源の平面図である。基板上には、
図16で示したものと同様な表面伝導型放出素子が配列
され、これらの素子は行方向配線電極1003と列方向
配線電極1004により単純マトリクス状に配線されて
いる。行方向配線電極1003と列方向配線電極100
4の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形
成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0140】図23のA−A’に沿った断面を図24に
示す。
【0141】なお、このような構造のマルチ電子源は、
予め基板上に行方向配線電極1003、列方向配線電極
1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型
放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向
配線電極1003および列方向配線電極1004を介し
て各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性化
処理を行うことにより製造した。
【0142】図25は、上述した表面伝導型放出素子を
電子源として用いたディスプレイパネルに、例えばテレ
ビジョン放送をはじめとする種々の画像情報源より提供
される画像情報を表示できるように構成した多機能表示
装置の一例を示すための図である。
【0143】図中、2100はディスプレイパネルで、
前述の表示パネル11に相当している。2101はディ
スプレイパネルの駆動回路、2102はディスプレイコ
ントローラ、2103はマルチプレクサ、2104はデ
コーダ、2105は入出力インターフェース回路、21
06はCPU、2107は画像生成回路、2108およ
び2109および2110は画像メモリインターフェー
ス回路、2111は画像入力インターフェース回路、2
112および2113はTV信号受信回路、2114は
入力部である。なお、本表示装置は、例えばテレビジョ
ン信号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を
受信する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生
するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声
情報の受信,分離,再生,処理,記憶などに関する回路
やスピーカなどについては説明を省略する。以下、画像
信号の流れに沿って各部の機能を説明する。
【0144】まず、TV信号受信回路2113は、例え
ば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝
送されるTV画像信号を受信するための回路である。受
信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例
えば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式など
の諸方式でもよい。また、これらよりさらに多数の走査
線よりなるTV信号(例えばMUSE方式をはじめとす
るいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適
した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適な
信号源である。TV信号受信回路2113で受信された
TV信号は、デコーダ2104に出力される。
【0145】TV信号受信回路2112は、例えば同軸
ケーブルや光ファイバなどのような有線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信するための回路である。
前記TV信号受信回路2113と同様に、受信するTV
信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で
受信されたTV信号もデコーダ2104に出力される。
画像入力インターフェース回路2111は、例えばTV
カメラや画像読み取りスキャナなどの画像入力装置から
供給される画像信号を取り込むための回路で、取り込ま
れた画像信号はデコーダ2104に出力される。
【0146】画像メモリインターフェース回路2110
は、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略す)に記憶
されている画像信号を取り込むための回路で、取り込ま
れた画像信号はデコーダ2104に出力される。画像メ
モリインターフェース回路2109は、ビデオディスク
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ2104に出力される。
画像メモリインターフェース回路2108は、いわゆる
静止画ディスクのように、静止画像データを記憶してい
る装置から画像信号を取り込むための回路で、取り込ま
れた静止画像データはデコーダ2104に出力される。
【0147】入出力インターフェース回路2105は、
本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコンピュー
タネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接
続するための回路である。画像データや文字データ・図
形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によっ
ては本表示装置の備えるCPU2106と外部との間で
制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能で
ある。
【0148】画像生成回路2107は、前記入出力イン
ターフェース回路2105を介して外部から入力される
画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU210
6より出力される画像データや文字・図形情報に基づき
表示用画像データを生成するための回路である。本回路
の内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積
するための書き換え可能メモリや、文字コードに対応す
る画像パターンが記憶されている読みだし専用メモリ
や、画像処理を行うためのプロセッサなどをはじめとし
て画像の生成に必要な回路が組み込まれている。本回路
により生成された表示用画像データは、デコーダ210
4に出力されるが、場合によっては前記入出力インター
フェース回路2105を介して外部のコンピュータネッ
トワークやプリンタ入出力することも可能である。
【0149】CPU2106は、主として本表示装置の
動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わる作業
を行う。例えば、マルチプレクサ2103に制御信号を
出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適宜
選択したり組み合わせたりする。また、その際には表示
する画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ
2102に対して制御信号を発生し、画面表示周波数や
走査方法(例えばインターレースかノンインターレース
か)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制
御する。
【0150】前記画像生成回路2107に対して画像デ
ータや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは前記
入出力インターフェース回路2105を介して外部のコ
ンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・
図形情報を入力する。
【0151】なお、CPU2106は、むろんこれ以外
の目的の作業にも関わるものであっても良い。例えば、
パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのよう
に、情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良
い。あるいは、前述したように入出力インターフェース
回路2105を介して外部のコンピュータネットワーク
と接続し、例えば数値計算などの作業を外部機器と協動
して行っても良い。
【0152】入力部2114は、前記CPU2106に
使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入力
するためのものであり、例えばキーボードやマウスのほ
か、ジョイスティック,バーコードリーダ,音声認識装
置など多様な入力機器を用いる事が可能である。デコー
ダ2104は、前記2107ないし2113より入力さ
れる種々の画像信号を3原色信号、または輝度信号とI
信号,Q信号に逆変換するための回路である。なお、同
図中に点線で示すように、デコーダ2104は内部に画
像メモリを備えるのが望ましい。これは、例えばMUS
E方式をはじめとして、逆変換するに際して画像メモリ
を必要とするようなテレビ信号を扱うためである。ま
た、画像メモリを備えることにより、静止画の表示が容
易になる、あるいは前記画像生成回路2107およびC
PU2106と協同して画像の間引き,補間,拡大,縮
小,合成をはじめとする画像処理や編集が容易に行える
ようになるという利点が生まれるからである。
【0153】マルチプレクサ2103は、前記CPU2
106より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜
選択するものである。即ち、マルチプレクサ2103は
デコーダ2104から入力される逆変換された画像信号
のうちから所望の画像信号を選択して駆動回路2101
に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信
号を切り替えて選択することにより、いわゆる多画面テ
レビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によっ
て異なる画像を表示することも可能である。
【0154】また、ディスプレイパネルコントローラ2
102は、前記CPU2106より入力される制御信号
に基づき駆動回路2101の動作を制御するための回路
である。
【0155】まず、ディスプレイパネルの基本的な動作
にかかわるものとして、例えばディスプレイパネルの駆
動用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御するため
の信号を駆動回路2101に対して出力する。また、デ
ィスプレイパネルの駆動方法に関わるものとして、例え
ば画面表示周波数や走査方法(例えばインターレースか
ノンインターレースか)を制御するための信号を駆動回
路2101に対して出力する。また、場合によっては表
示画像の輝度やコントラストや色調やシャープネスとい
った画質の調整に関わる制御信号を駆動回路2101に
対して出力する場合もある。駆動回路2101は、ディ
スプレイパネル2100に印加する駆動信号を発生する
ための回路であり、前記マルチプレクサ2103から入
力される画像信号と、前記ディスプレイパネルコントロ
ーラ2102より入力される制御信号に基づいて動作す
るものである。
【0156】以上、各部の機能を説明したが、図25に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル2
100に表示する事が可能である。即ち、テレビジョン
放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ2104
において逆変換された後、マルチプレクサ2103にお
いて適宜選択され、駆動回路2101に入力される。一
方、ディスプレイコントローラ2102は、表示する画
像信号に応じて駆動回路2101の動作を制御するため
の制御信号を発生する。駆動回路2101は、上記画像
信号と制御信号に基づいてディスプレイパネル2100
に駆動信号を印加する。これにより、ディスプレイパネ
ル2100において画像が表示される。これらの一連の
動作は、CPU2106により統括的に制御される。
【0157】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ2104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路21
07およびCPU2106が関与することにより、単に
複数の画像情報の中から選択したものを表示するだけで
なく、表示する画像情報に対して、例えば拡大,縮小,
回転,移動,エッジ強調,間引き,補間,色変換,画像
の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合成,消
去,接続,入れ換え,はめ込みなどをはじめとする画像
編集を行う事も可能である。また、本実施の形態の説明
では特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と同
様に、音声情報に関しても処理や編集を行うための専用
回路を設けても良い。
【0158】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器,テレビ会議の端末機器,静止画像および動
画像を扱う画像編集機器,コンピュータの端末機器,ワ
ードプロセッサをはじめとする事務用端末機器,ゲーム
機などの機能を一台で兼ね備える事が可能で、産業用あ
るいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0159】なお、上記図25は、表面伝導型放出素子
を電子源とするディスプレイパネルを用いた表示装置の
構成の一例を示したにすぎず、これのみに限定されるも
のではない事は言うまでもない。例えば、図25の構成
要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回路は省
いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目的によ
ってはさらに構成要素を追加しても良い。例えば、本表
示装置をテレビ電話機として応用する場合には、テレビ
カメラ,音声マイク,照明機,モデムを含む送受信回路
などを構成要素に追加するのが好適である。
【0160】本表示装置においては、とりわけ表面伝導
型放出素子を電子源とするディスプレイパネルが容易に
薄形化できるため、表示装置全体の奥行きを小さくする
ことが可能である。それに加えて、表面伝導型放出素子
を電子源とするディスプレイパネルは大画面化が容易で
輝度が高く視野角特性にも優れるため、本表示装置は臨
場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表示する事が
可能である。
【0161】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0162】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても達成される。
【0163】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0164】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0165】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0166】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、常
に表示パネルの隣接する配線に信号が印加されるように
することにより、隣接する配線間での浮遊容量等による
駆動信号の立上がりの遅れを防止できる。
【0168】また本発明によれば、パルス幅変調された
信号の立上がり時に、所定のパルス幅、所定電圧レベル
のパルスを付加して列配線を駆動することにより、隣接
する配線間での浮遊容量などによる表示駆動信号への影
響を除去できるという効果がある。
【0169】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の画像表示装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1の補助パルス発生データ変換部の構成を示
すブロック図である。
【図3】図1の補助パルス発生データ変換部の他の構成
例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態におけるテスト画像パターンを示
す図である。
【図5】本実施の形態の表示パネルの配線を説明する図
である。
【図6】本実施の形態のテストパターンに基づく駆動信
号を説明するタイミング図である。
【図7】本実施の形態1によるクロストーク改善を説明
する図である。
【図8】本発明の実施の形態2の画像表示装置の構成を
示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3の画像表示装置の構成を
示すブロック図である。
【図10】図9のパルスコントローラ部の構成を示す図
である。
【図11】本発明の実施の形態4の画像表示装置の構成
を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態4のパルスコントローラ
部の構成を示す図である。
【図13】本実施の形態4によるクロストーク改善を説
明する図である。
【図14】本発明の実施の形態である画像表示装置の表
示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図15】本実施の形態の表示パネルのフェースプレー
トの蛍光体配列を例示した平面図である。
【図16】本実施の形態の平面型の表面伝導型放出素子
の平面図(a),断面図(b)である。
【図17】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図18】通電フオーミング処理の際の印加電圧波形を
示す図である。
【図19】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a),
放出電流Ieの変化(b)を示す図である。
【図20】実施の形態で用いた垂直型の表面伝導型放出
素子の断面図である。
【図21】本実施の形態の垂直型の表面伝導型放出素子
の製造工程を示す断面図である。
【図22】本実施の形態の表面伝導型放出素子の典型的
な特性を示すグラフ図である。
【図23】実施の形態で用いたマルチ電子源の基板の平
面図である。
【図24】実施の形態で用いたマルチ電子源の基板の一
部断面図である。
【図25】本発明の実施の形態である画像表示装置を用
いた多機能画像表示装置のブロック図である。
【図26】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す図である。
【図27】従来知られたFE型素子の一例を示す図であ
る。
【図28】従来知られたMIM型素子の一例を示す図で
ある。
【図29】本願発明者らが試みたが課題の発生した電子
放出素子の配線方法を説明する図である。
【図30】隣接間クロストークによる実効印加電圧低下
を説明する図である。
【符号の説明】
1 映像信号入力端子 3 A/D部 4 同期信号分離部 5 タイミング発生部 6 水平シフトレジスタ 7 1ラインメモリ 8 垂直シフトレジスタ 9 行配線駆動部 10 列配線駆動部 11 表示パネル部 12 補助パルス発生データ変換部 13 パルスコントローラ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 m×n個の電子放出素子と前記電子放出
    素子から放出された電子により発光する発光体とを備え
    る表示パネルと、 画像信号のレベルに応じたパルス幅の信号を発生するパ
    ルス幅変調手段と、 前記パルス幅変調手段により変調されたパルス信号を前
    記表示パネルの列配線に印加して駆動する駆動手段と、 前記画像信号の水平同期信号に同期して前記表示パネル
    の行配線を順次選択して駆動する走査線駆動手段と、 入力した画像信号に含まれる画素データを所定値に変換
    して前記パルス幅変調手段に入力するデータ変換手段
    と、を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は、前記パルス信号のパル
    ス幅に応じた時間、定電圧を印加して駆動することを特
    徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、前記パルス信号のパル
    ス幅に応じた時間、定電流を印加して駆動することを特
    徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記データ変換手段は、前記画素データ
    をデジタル値で入力し、非表示の画素データを“1”に
    変換することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装
    置。
  5. 【請求項5】 前記データ変換手段は、前記画素データ
    をデジタル値で入力し、入力した画像信号の画素データ
    に“1”を加算して変換することを特徴とする請求項1
    に記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 m×n個の電子放出素子と前記電子放出
    素子から放出された電子により発光する発光体とを備え
    る表示パネルと、 画像信号のレベルに応じたパルス幅の信号を発生するパ
    ルス幅変調手段と、 入力した画像信号の画素データが所定のレベルのとき、
    前記パルス幅変調手段から出力されるパルス信号に所定
    幅のパルスを付加して前記表示パネルの列配線を駆動す
    る列駆動手段と、 前記画像信号の水平同期信号に同期して前記表示パネル
    の行配線を順次選択して駆動する走査線駆動手段と、 を有することを特徴とする画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記列駆動手段は、前記パルス信号のパ
    ルス幅に応じた時間、定電圧を印加して駆動することを
    特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記列駆動手段は、前記パルス信号のパ
    ルス幅に応じた時間定電流を印加して駆動することを特
    徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記列駆動手段は、前記所定幅のパルス
    の波高値が前記画像信号に応じたパルス幅の信号の波高
    値以下であることを特徴とする請求項6に記載の画像表
    示装置。
  10. 【請求項10】 前記所定幅のパルスは、前記発光体を
    発光させない程度のパルス幅のパルス信号であることを
    特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記電子放出素子は表面伝導型放出素
    子であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか
    1項に記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記電子放出素子はFE型放出素子で
    あることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項
    に記載の画像表示装置。
  13. 【請求項13】 前記電子放出素子はMIM型放出素子
    であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1
    項に記載の画像表示装置。
  14. 【請求項14】 m×n個の電子放出素子と前記電子放
    出素子から放出された電子により発光する発光体とを備
    える表示パネルを用いて画像を表示する画像表示方法で
    あって、 入力した画像信号に含まれる画素データを所定値に変換
    するデータ変換工程と、 前記データ変換工程で変換された画像信号の画素データ
    のレベルに応じたパルス幅の信号を発生するパルス幅変
    調工程と、 前記パルス幅変調工程で変調されたパルス信号を前記表
    示パネルの列配線に印加して駆動する駆動工程と、 前記画像信号の水平同期信号に同期して前記表示パネル
    の行配線を順次選択して駆動する走査線駆動工程と、 入力した画像信号に含まれる画素データを所定値に変換
    して前記パルス幅変調手段に入力するデータ変換手段
    と、を有することを特徴とする画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記駆動工程では、前記パルス信号の
    パルス幅に応じた時間、定電圧を印加して前記列配線を
    駆動することを特徴とする請求項14に記載の画像表示
    方法。
  16. 【請求項16】 前記駆動工程では、前記パルス信号の
    パルス幅に応じた時間、定電流を印加して前記列配線を
    駆動することを特徴とする請求項14に記載の画像表示
    方法。
  17. 【請求項17】 前記データ変換工程では、非表示の画
    素データを“1”に変換することを特徴とする請求項1
    4に記載の画像表示方法。
  18. 【請求項18】 前記データ変換工程では、入力した画
    像信号の画素データに“1”を加算して変換することを
    特徴とする請求項14に記載の画像表示方法。
  19. 【請求項19】 m×n個の電子放出素子と前記電子放
    出素子から放出された電子により発光する発光体とを備
    える表示パネルを用いて画像を表示する画像表示方法で
    あって、 画像信号のレベルに応じたパルス幅の信号を発生するパ
    ルス幅変調工程と、 入力した画像信号の画素データが所定のレベルのとき、
    前記パルス幅変調工程で出力されるパルス信号に所定幅
    のパルスを付加して前記表示パネルの列配線を駆動する
    列駆動工程と、 前記画像信号の水平同期信号に同期して前記表示パネル
    の行配線を順次選択して駆動する走査線駆動工程と、を
    有することを特徴とする画像表示方法。
  20. 【請求項20】 前記列駆動工程では、前記パルス信号
    のパルス幅に応じた時間、定電圧を印加して前記列配線
    を駆動することを特徴とする請求項19に記載の画像表
    示方法。
  21. 【請求項21】 前記列駆動工程では、前記パルス信号
    のパルス幅に応じた時間定電流を印加して前記列配線を
    駆動することを特徴とする請求項19に記載の画像表示
    方法。
  22. 【請求項22】 前記列駆動工程において、前記所定幅
    のパルスの波高値が前記画像信号に応じたパルス幅の信
    号の波高値以下であることを特徴とする請求項19に記
    載の画像表示方法。
  23. 【請求項23】 前記所定幅のパルスは、前記発光体を
    発光させない程度のパルス幅のパルス信号であることを
    特徴とする請求項19に記載の画像表示方法。
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