JP2000242211A - 画像形成装置及びその駆動方法 - Google Patents

画像形成装置及びその駆動方法

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JP2000242211A
JP2000242211A JP4539099A JP4539099A JP2000242211A JP 2000242211 A JP2000242211 A JP 2000242211A JP 4539099 A JP4539099 A JP 4539099A JP 4539099 A JP4539099 A JP 4539099A JP 2000242211 A JP2000242211 A JP 2000242211A
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forming apparatus
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column
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Seiji Isono
青児 磯野
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣接する配線間の静電容量に起因する階調表
現の誤差を軽減し、入力映像信号に忠実な画像を形成す
る画像形成装置及びその駆動方法の提供。 【解決手段】 m×2nの行方向配線及び列方向配線の
交差位置の近傍に電子源がそれぞれ接続された表示パネ
ル8を、入力映像信号に応じてパルス幅変調した電流信
号を列方向配線から印加することによって駆動するに際
して、1水平同期期間が経過する度に行方向配線を1本
ずつ順次選択しながら走査すると共に、列方向配線の隣
接する奇数ラインと偶数ライン上の電子源を、当該1水
平同期期間前半期間と後半期間とで時間的にずらして交
互に駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置及び
その駆動方法に関し、例えば、複数の電子放出素子が設
けられた電子ビーム源を駆動することによって蛍光パネ
ルに画像を形成する画像形成装置及びその駆動方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては、大別
して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類が知
られている。冷陰極電子放出素子には、電界放出型(以
下、「FE型」という)、金属/絶縁層/金属型(以
下、「MIM型」という)、並びに、表面伝導型電子放
出素子等がある。
【0003】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson、Radio Eng.Ele
ctron Pys.、10、1290,(1965)
や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に小面
積の薄膜を形成し、その薄膜の膜面に平行に電流を流す
ことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリン
ソン等によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によ
るもの[G.Dittmer:”Thin Solid
Films”、9、3717(1972)]、In2
O3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell
and C.G.Fonstad:”IEEETran
s.ED Conf.”、519(1975)]、カー
ボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第
1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の素子構
成の典型的な例として、図46に前述のM.Hartw
ellらによる素子の平面図を示す。
【0006】同図において、3001は、基板である。
3004は、スパッタで形成された金属酸化物よりなる
導電性薄膜である。導電性薄膜3004は、同図に示す
ようにH字形の平面形状に形成されている。この導電性
薄膜3004に、後述の通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成さ
れる。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],Wは、
0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0007】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして、上述の表面伝導型電子放出素子においては、
電子放出を行う前に導電性薄膜に通電フォーミングと呼
ばれる通電処理を施すことによって電子放出部を形成す
るのが一般的である。即ち、通電フォーミングとは、所
定の通電処理を導電性薄膜に対して施すことにより、そ
の薄膜の一部に電子放出部を形成するものである。例え
ば、図46においては、導電性薄膜3004の両端に所
定の直流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常に
ゆっくりとしたレートで昇圧する直流電圧を印加し、導
電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは
変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部300
5を形成する。尚、局所的に破壊、変形、或いは変質し
た導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。こ
の通電フォーミング処理後に、導電性薄膜3004に適
宜の電圧を印加すると、前記亀裂付近において電子放出
が行われる。
【0008】また、FE型の例は、例えば、W.P.D
yke&W.W.Dolan,”Fie−ld emi
ssion”,Advance in Electro
nPhysics,8,89(1956)や、あるい
は、 C.A.Spindt,”Physicalpr
operties of thin−film fie
ld emissioncathodes with
molybdenium cones”,J.App
l.Phys.,47,5248(1976)等が知ら
れている。
【0009】FE型の素子構成の典型的な例として、図
47に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面
図を示す。
【0010】同図において、3010は、基板である。
3011は、導電材料よりなるエミッタ配線である。3
012は、エミッタコーンである。3013は、絶縁層
である。3014は、ゲート電極である。本素子は、エ
ミッタコーン3012とゲート電極3014との間に適
宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン301
2の先端部より電界放出を起こさせるものである。
【0011】また、FE型の他の素子構成としては、図
47のような積層構造ではなく、基板上に、その基板平
面とほぼ平行にエミッタとゲート電極とを配置した例も
ある。
【0012】また、MIM型の例としては、例えば、
C.A.Mead,”Operationof tun
nel−emission Devices,J.Ap
pl.Phys.,32,646(1961)等が知ら
れている。MIM型の素子構成の典型的な例を図48の
断面図に示す。
【0013】同図において、3020は基板である。3
021は、金属よりなる下電極である。3022は、厚
さ100オングストローム程度の薄い絶縁層である。3
023は、厚さ80〜300オングストローム程度の金
属よりなる上電極である。MIM型においては、上電極
3023と下電極3021との間に適宜の電圧を印加す
ることにより、上電極3023の表面より電子放出を起
こさせるものである。
【0014】上述した各冷陰極素子は、熱陰極素子と比
較して低温で電子の放出を得ることができるため、加熱
用ヒーターを必要としない。従って、熱陰極素子よりも
構造が単純であり、微細な素子を作成することが可能で
ある。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置して
も、基板の熱溶融等の問題が発生しにくい。また、熱陰
極素子がヒーターの加熱により動作するため応答速度が
遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速
いという利点もある。このため、冷陰極素子を各種工業
製品に応用する研究が盛んに行われている。
【0015】例えば、表面伝導型の電子放出素子におい
ては、上述した冷陰極素子の中でも特に構造が単純であ
り、製造も容易であることから、大面積にわたり多数の
素子を形成できる利点がある。そこで、例えば本出願人
による特開昭64−31332号において開示されるよ
うに、基板上に多数配列した表面伝導型の電子放出素子
を適宜駆動する方法が研究されている。
【0016】また、表面伝導型電子放出素子の応用につ
いては、例えば、画像表示装置、画像記録装置等の画像
形成装置、或いは、荷電ビーム源等が研究されている。
【0017】特に、画像形成装置への応用としては、例
えば本出願人によるUSP5,066,883、特開平
2−257551号、或いは、特開平4−28137号
等において開示されているように、複数の表面伝導型電
子放出素子と、それら素子から照射される電子ビームに
よって発光する蛍光体とを組み合わせてなる画像形成装
置が研究されている。このような表面伝導型電子放出素
子と蛍光体とを組み合わせてなる画像形成装置は、従来
の他の方式の画像形成装置よりも優れた特性が期待され
ている。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較
しても、自発光型であるため液晶表示デバイスを背照す
る、所謂バックライトを必要としない点や、視野角が広
い点が優れていると言える。
【0018】また、FE型の冷陰極素子を多数個ならべ
て駆動する方法は、例えば本出願人によるUSP4,9
04,895に開示されている。また、FE型を画像形
成装置に応用した例として、例えば、R.Meyerら
により報告された平板型表示装置が知られている。
[R.Meyer:”Recent Developm
ent on Microtips Display
at LETI”,Tech.Digest of 4
th Int. Vacuum Microele−c
tronics Conf.,Nagahama,p
p.6〜9(1991)]また、MIM型を多数個並べ
て画像形成装置に応用した例は、例えば本出願人による
特開平3−55738号に開示されている。
【0019】本願出願人及び発明者らは、上記の従来技
術に記載した発明をはじめとして、さまざまな材料、製
法、構造の冷陰極素子を試みている。更に、多数の冷陰
極素子を配列したマルチ電子ビーム源、並びに、このマ
ルチ電子ビーム源を応用した画像形成装置について研究
を行っている。
【0020】本願発明者らは、例えば、図49に示す電
気的な配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてき
た。即ち、冷陰極素子を2次元的に多数個配列し、これ
らの素子を図示のようにマトリクス状に配線したマルチ
電子ビーム源である。
【0021】同図において、4001は、冷陰極素子を
模式的に示しており、4002は行方向配線、4003
は列方向配線である。行方向配線4002及び列方向配
線4003は、実際には有限の電気抵抗を有するもので
あるが、同図においては配線抵抗4004及び4005
として示されている。上述のような配線方法を、単純マ
トリクス配線と呼ぶ。
【0022】尚、図示の便宜上、6×6のマトリクスで
示しているが、マトリクスの規模はこれに限られるわけ
ではなく、例えば画像形成装置用のマルチ電子ビーム源
の場合には、所望の画像表示を行うのに足りるだけの素
子を配列し配線するものである。
【0023】冷陰極素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源においては、所望の電子ビームを出力さ
せるため、行方向配線4002及び列方向配線4003
に適宜の電気信号を印加する。例えば、マトリクスの中
の任意の1行の冷陰極素子を駆動するには、選択する行
の行方向配線4002には選択電圧Vsを印加し、同時
に非選択の行の行方向配線4002には非選択電圧Vn
sを印加する。これと同期して列方向配線4003に
は、電子ビームを出力するための駆動電圧Veを印加す
る。この方法によれば、配線抵抗4004及び4005
による電圧降下を無視すれば、選択する行の冷陰極素子
には、Ve−Vsの電圧が印加され、また非選択行の冷
陰極素子にはVe−Vnsの電圧が印加される。このと
き、Ve,Vs,Vnsを適宜の大きさの電圧にすれ
ば、選択する行の冷陰極素子だけから所望の強度の電子
ビームが出力される。また、このとき列方向配線の各々
に異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択する行の素子
の各々から異なる強度の電子ビームが出力される。ま
た、駆動電圧Veを印加する時間の長さを変えれば、電
子ビームが出力される時間の長さも変えることができ
る。
【0024】このように、冷陰極素子を単純マトリクス
配線したマルチ電子ビーム源は、いろいろな工業製品に
応用可能であり、例えば、画像情報に応じた電気信号を
適宜印加すれば、画像形成装置用の電子源として好適に
用いることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記のマルチ
電子ビーム源を駆動する駆動回路は、所謂パルス幅変調
処理を、入力される画像信号に応じて行うことにより、
個々の電子ビーム源を駆動する所望のビーム出力を生成
しているが、この方式の駆動方法には以下に説明する問
題がある。
【0026】図50は、マルチ電子ビーム源の従来の駆
動方法における問題点を説明する図であり、上述した電
子源が3×3の配列でパネル上に形成され、単純マトリ
クス配線を構成するY1〜Y3の走査ラインのうち、Y
2が選択されている状態を示している。また、図51
は、図50に例示するマルチ電子ビーム源を駆動したと
きの入力信号波形と、その入力信号に応じて電子源に実
際に流れる電流波形とを示すタイミングチャートであ
る。
【0027】図50に示すように、I1〜I3は、電子
源に電流を印加する電流変調ドライバであり、これらの
ドライバに図51に示す如くパルス幅の異なる変調信号
S1〜S3が入力されると、選択されている走査ライン
Y2上の電子源には、電流i1〜i3が流れる。マルチ
電子ビーム源を構成する隣接する列配線の間には、図5
0に等価的に表わすように、静電容量が存在しているた
め、その配線間容量の影響により、図51に示すよう
に、電流i1〜i3の波形(実行電流)が低下してしま
う。このため、このような本来の電流値と異なる実行電
流で駆動されたマルチ電子ビーム源は、表示画像の階調
性に誤差を生じてしまう。この階調性の誤差は、マルチ
電子ビーム源によってより大画面の表示パネルを構成す
る場合、その配線間の静電容量が増大するため特に問題
となる。
【0028】そこで本発明は、隣接する配線間の静電容
量に起因する階調表現の誤差を軽減し、入力映像信号に
忠実な画像を形成する画像形成装置及びその駆動方法の
提供を目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る画像形成装置は、以下の構成を特徴と
する。
【0030】即ち、複数の行方向配線と列方向配線とに
よって接続された複数の電子源を備える表示パネルに画
像を形成する画像形成装置であって、前記複数の行方向
配線を順次選択しながら走査すると共に、選択した列方
向配線には入力映像信号に応じてパルス幅変調した変調
信号を印加することによって前記複数の電子源を駆動す
るときに、その列方向配線の隣接するライン上の電子源
を所定の1同期期間中に時間的にずらして駆動すること
により、その隣接するラインに変調信号を同時に入力し
ない駆動回路を備えることを特徴とする。
【0031】または、1本の行方向配線とn本の列方向
配線とによって接続されたn個の電子源を備える表示パ
ネルに画像を形成する画像形成装置であって、前記n本
の列方向配線に入力映像信号に応じてパルス幅変調した
変調信号を印加することによって前記n個の電子源を駆
動するときに、それらn本の列方向配線上で隣接する電
子源を所定の1同期期間中に時間的にずらして駆動する
ことにより、その隣接する列方向配線に変調信号を同時
に入力しない駆動回路を備えることを特徴とする。
【0032】また、上記の目的を達成するため、本発明
に係る画像形成装置の駆動方法は、以下の構成を特徴と
する。
【0033】即ち、複数の行方向配線と列方向配線とに
よって接続された複数の電子源を備える表示パネルに画
像を形成する画像形成装置の駆動方法であって、前記複
数の行方向配線を順次選択しながら走査すると共に、選
択した列方向配線には入力映像信号に応じてパルス幅変
調した変調信号を印加することによって前記複数の電子
源を駆動するときに、その列方向配線の隣接するライン
上の電子源を所定の1同期期間中に時間的にずらして駆
動することにより、その隣接するラインに変調信号を同
時に入力しないことを特徴とする。
【0034】または、1本の行方向配線とn本の列方向
配線とによって接続されたn個の電子源を備える表示パ
ネルに画像を形成する画像形成装置の駆動方法であっ
て、前記n本の列方向配線に入力映像信号に応じてパル
ス幅変調した変調信号を印加することによって前記n個
の電子源を駆動するときに、それらn本の列方向配線上
で隣接する電子源を所定の1同期期間中に時間的にずら
して駆動することにより、その隣接する列方向配線に変
調信号を同時に入力しないことを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置
について説明する。以下の説明においては、まず、画像
形成装置の全体構成及びその制御処理について説明し、
次に、当該画像形成装置に適用可能な表示パネルの構造
及び製造方法について説明する。
【0036】[第1の実施形態]図1は、本発明の第1
の実施形態としての画像形成装置の全体構成を示すブロ
ック図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態
としての画像形成装置の各部における信号波形を示すタ
イミングチャートである。
【0037】図1及び図2において、1は、外部装置よ
り映像信号を入力する映像信号入力端子である。2は、
一般的な手法により、入力映像信号の黒レベルクランプ
や振幅レベル調整、そして帯域制限等を行うアナログ信
号処理部である。3は、アナログ信号処理部2から出力
される映像アナログ輝度信号を、所定の階調数で、即ち
所定の1水平同期期間当たり2n個のシリアルデジタル
信号にデジタイズするアナログ/デジタル(A/D)変
換部である。4は、入力映像信号に含まれる同期信号
を、一般的な手法によって分離する同期分離部である。
5は、同期分離部4から出力される同期信号に基づい
て、A/D変換部3等のブロックの動作に必要な所定の
タイミング信号を供給するタイミング発生部である。
【0038】6は、A/D部3から出力されるシリアル
デジタル信号(デジタル多値画像データ)を、パラレル
データに変換する一般的な水平シフトレジスタ部であ
る。本実施形態において、水平シフトレジスタ部6から
出力される奇数列の映像データは、奇数ラインメモリ1
1に一時的に保持され、また、偶数列の映像データは偶
数ラインメモリ12に一時的に保持される。また、奇数
ラインメモリ11と偶数ラインメモリ12に格納された
映像データは、タイミング発生部5から入力される制御
信号に従って、1ライン毎に交互に出力される(詳細は
後述する)。
【0039】8は、表示パネル部10の2n列の列方向
配線を駆動する列配線駆動部であり、列方向配線に電流
を流す電流源、その電流源のオン/オフを切り替えるス
イッチ素子、そのスイッチ素子のオン/オフを切り替え
る輝度データに応じたパルス幅のパルス信号を生成する
パルス幅変調(PWM)ジェネレータ、そして、駆動す
る電子源に発生する電圧を定格以下にするダイオード
を、各列毎に備える。
【0040】9は、表示パネル部10のm行の行方向配
線を駆動する行配線駆動部であり、対応する行方向配線
への直流電圧バイアスVsの印加、或いは接地を選択す
るスイッチを、各行方向配線毎に備える。表示パネル部
10の行方向配線は、垂直シフトレジスタ7からの出力
信号に従って当該行方向配線に直流電圧バイアスVsを
順次印加する行配線駆動部9により、1行ずつ走査され
る。
【0041】そして10は、m×2n(m、nは自然
数)の行方向配線と列方向配線とがマトリックス状に配
線され、後述する図42の素子電圧−放出電流特性を有
する表面伝導型放出素子を複数配設された表示パネル部
である。
【0042】ここで、表示パネル部10が6×6のマト
リクス構成を有する場合を例に、本実施形態に係る画像
形成装置の特徴を詳しく説明する。
【0043】図3は、本発明の第1の実施形態における
画像形成装置の表示パネルの駆動方法を説明する図であ
り、行方向配線Y1からY6と列方向配線X1からX6
とによって構成される6×6の単純マトリクス配線のう
ち、本実施形態に係る駆動回路によって行方向配線Y3
が選択されている場合を示す。また、図4は、図3に示
す表示パネルを駆動したときの信号波形を示すタイミン
グチャートである。
【0044】図3及び図4において、信号OEodd、
OEevenは、奇数ラインメモリ11及び偶数ライン
メモリ12の出力をそれぞれ制御する信号であり、図1
に示したタイミング発生回路5から入力される。信号O
Eodd及びOEevenは、各水平同期期間の前半期
間及び後半期間において奇数ラインメモリ11及び偶数
ラインメモリ12に交互に入力され、この制御信号に応
じて、当該メモリ内に一時格納された1ライン分の映像
データが列方向配線駆動部8内のPWMジェネレータに
入力される。そして、当該PWMジェネレータは、入力
される映像データに応じたパルス幅を有する電流パルス
信号を、例えば図4に示すように出力する(尚、信号O
Eodd及びOEevenがオフのとき、該当する列方
向配線の信号レベルはGNDレベルである)。即ち、図
4に示すように、行方向配線Y3が選択されている1水
平同期期間中の前半期間に信号OEoddがオンにな
り、後半期間に信号OEevenがオンすることによ
り、表示パネル部10の列方向配線の隣接する奇数ライ
ン(X1,X3,X5)と偶数ライン(X2,X4,X
6)とは交互に駆動されることになる。
【0045】このように、本実施形態では、m×2nの
複数の電子源がm本の行方向配線と2n本の列方向配線
によって接続された表示パネル8を、行方向配線を順次
選択しながら走査すると共に、選択した列方向配線には
入力映像信号に応じてパルス幅変調した電流信号を印加
することによって駆動するに際して、その列方向配線の
隣接する奇数ラインと偶数ライン上の電子源を1水平同
期期間中の前半期間と後半期間とに時間的にずらして駆
動する。これにより、列方向配線の隣接するライン間に
入力される駆動信号に互いに時間的なずれを与えること
ができるため、その隣接するライン間に存在する配線容
量が原因となるクロストークを低減することができ、当
該駆動信号に応じた正確な実行信号によって電子源を駆
動することができる。このため、階調表現の誤差を防止
し、入力画像信号に忠実で良好な画像を形成することが
できる。
【0046】[第2の実施形態]本実施形態では、上述
した第1の実施形態における画像形成装置の装置構成
(図1)を基本として、異なる駆動方法を採用する場合
について説明する。このため、以下の説明においては、
重複する説明は省略し、本実施形態における特徴的な部
分を中心に説明する図5は、本発明の第2の実施形態と
しての画像形成装置の各部における信号波形を示すタイ
ミングチャートである。本実施形態において、表示パネ
ル部10には、(m+1)×2nの行方向配線と列方向
配線とがマトリックス状に配線されており、隣接する列
配線が同時に駆動されないことは第1の実施形態と同様
である。
【0047】ここで、表示パネル部10が6×6のマト
リクス構成を有する場合を例に、本実施形態に係る画像
形成装置の特徴を詳しく説明する。
【0048】図6は、本発明の第2の実施形態における
画像形成装置の表示パネルの駆動方法を説明する図であ
り、行方向配線Y1からY6と列方向配線X1からX6
とによって構成される6×6の単純マトリクス配線のう
ち、本実施形態に係る駆動回路によって、行方向配線Y
3上であって奇数列方向配線上に接続された電子源と、
行方向配線Y4上であって偶数列方向配線上に接続され
た電子源とが1水平同期期間中に順次選択される場合を
示す。また、図7は、図6に示す表示パネルを駆動した
ときの信号波形を示すタイミングチャートである。
【0049】図6及び図7に示す駆動方法において、第
1の実施形態の場合と異なるのは、1水平同期期間中の
前半期間において行方向配線Y3が選択されると共に、
信号OEoddがオンにされることによって奇数ライン
メモリ11からデータが出力され、後半期間において次
の行方向配線Y4が選択されると共に信号OEeven
がオンにされることによって偶数ラインメモリ12から
データが出力される点が異なる。このような駆動方法を
全ての行方向配線に順次行うことにより、1フレーム分
の画像を表示パネル部10に形成する。
【0050】このような本実施形態によっても、列方向
配線の隣接するライン間に入力される駆動信号に互いに
時間的なずれを与えることができるため、第1の実施形
態と略同様な効果を得ることができる。
【0051】[第3の実施形態]本実施形態では、上述
した第1の実施形態における画像形成装置の装置構成を
基本として、異なる駆動方法を採用する場合について説
明する。このため、以下の説明においては、重複する説
明は省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に
説明する図8は、本発明の第3の実施形態としての画像
形成装置の全体構成を示すブロック図である。また、図
9は、本発明の第3の実施形態としての画像形成装置の
各部における信号波形を示すタイミングチャートであ
る。本実施形態において、表示パネル部10には、蛍光
体がR、G、Bの順に配置され、m×3nの行方向配線
と列方向配線とがマトリックス状に配線されており、隣
接する列配線が同時に駆動されないことは第1の実施形
態と同様である。
【0052】図8及び図9において、第1の実施形態の
場合と異なるのは、A/D変換部3が入力されるアナロ
グ輝度信号を1水平同期期間当たり3n個のシリアルデ
ジタル信号にすること、水平シフトレジスタ部6がR,
G,Bの各色毎の映像データを出力すること、その色毎
の映像データを一時的に記憶する3つのラインメモリ1
3から15を備えること、列配線駆動部8がそれら3つ
のラインメモリに対応したPWMジェネレータを備える
こと、そしてタイミング発生回路5がRラインメモリ1
3とGラインメモリ14とBラインメモリ15のデータ
出力をそれぞれ制御する信号OEr、OEg、OEbを
1水平同期期間中に順番に出力する点が異なる。
【0053】ここで、表示パネル部10が6×6のマト
リクス構成を有する場合を例に、本実施形態に係る画像
形成装置の特徴を詳しく説明する。
【0054】図10は、本発明の第3の実施形態におけ
る画像形成装置の表示パネルの駆動方法を説明する図で
あり、行方向配線Y1からY6と列方向配線X1からX
6とによって6×6の単純マトリクス配線のうち、本実
施形態に係る駆動回路によって行方向配線Y3が順次選
択される場合を示す。また、図11は、図10に示す表
示パネルを駆動したときの信号波形を示すタイミングチ
ャートである。
【0055】図10及び図11に示す駆動方法におい
て、第1の実施形態の場合と異なるのは、行方向配線Y
3が選択されている1水平同期期間中において、その期
間を3等分した第1期間において信号OErがオンの時
にRラインメモリ13からデータが出力され、次に第2
期間において信号OEgがオンの時にGラインメモリ1
4からデータが出力され、更に第3期間において信号O
Ebがオンの時にBラインメモリ15からデータが出力
される点が異なる。このような駆動方法を全ての行方向
配線に順次行うことにより、1フレーム分の画像を表示
パネル部10に形成する。
【0056】本実施形態の駆動方法によれば、R列ライ
ンの駆動信号とG列ラインの駆動信号とB列ラインの駆
動信号とが互いに時間的にずれているため、第1の実施
形態と略同様な効果を得ることができる。
【0057】[第4の実施形態]本実施形態では、上述
した第3の実施形態における画像形成装置の装置構成
(図8)を基本として、異なる駆動方法を採用する場合
について説明する。このため、以下の説明においては、
重複する説明は省略し、本実施形態における特徴的な部
分を中心に説明する図12は、本発明の第4の実施形態
としての画像形成装置の各部における信号波形を示すタ
イミングチャートである。本実施形態において、表示パ
ネル部10には、(m+2)×3nの行方向配線と列方
向配線とがマトリックス状に配線されており、隣接する
列配線が同時に駆動されないことは第3の実施形態と同
様である。
【0058】ここで、表示パネル部10が6×6のマト
リクス構成を有する場合を例に、本実施形態に係る画像
形成装置の特徴を詳しく説明する。
【0059】図13は、本発明の第4の実施形態におけ
る画像形成装置の表示パネルの駆動方法を説明する図で
あり、行方向配線Y1からY6と列方向配線X1からX
6とによって構成される6×6の単純マトリクス配線の
うち、本実施形態に係る駆動回路によって、行方向配線
Y3上であってRラインメモリ13に対応するPWMジ
ェネレータに駆動される電子源と、行方向配線Y4上で
あってGラインメモリ14に対応するPWMジェネレー
タに駆動される電子源と、行方向配線Y5上であってラ
インメモリ15に対応するPWMジェネレータに駆動さ
れる電子源が1水平同期期間中に順次選択される場合を
示す。また、図14は、図13に示す表示パネルを駆動
したときの信号波形を示すタイミングチャートである。
【0060】図13及び図14に示す駆動方法におい
て、第1の実施形態の場合と異なるのは、1水平同期期
間中において、その期間を3等分した第1期間において
行方向配線Y3が選択されると共に信号OErがオンに
されることによってRラインメモリ13からデータが出
力され、次の第2期間において行方向配線Y4が選択さ
れると共に信号OEgがオンにされることによってGラ
インメモリ14からデータが出力され、更に第3期間に
おいて行方向配線Y5が選択されると共に信号OEbが
オンにされることによってBラインメモリ15からデー
タが出力される点が異なる。このような駆動方法を全て
の行方向配線に順次行うことにより、1フレーム分の画
像を表示パネル部10に形成する。
【0061】本実施形態の駆動方法によっても、R列ラ
インの駆動信号とG列ラインの駆動信号とB列ラインの
駆動信号とが互いに時間的にずれているため、第3の実
施形態と略同様な効果を得ることができる。
【0062】[第5の実施形態]本実施形態では、上述
した第1の実施形態における画像形成装置の装置構成を
基本として、異なる駆動方法を採用する場合について説
明する。このため、以下の説明においては、重複する説
明は省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に
説明する図15は、本発明の第5の実施形態としての画
像形成装置の全体構成を示すブロック図である。また、
図16は、本発明の第5の実施形態としての画像形成装
置による画像形成方法を説明する図である。
【0063】本実施形態において、表示パネル部10に
は、蛍光体がR、G、Bの順に配置され、m×2nの行
方向配線と列方向配線とがマトリックス状に配線されて
おり、隣接する列配線が同時に駆動されないことは第1
の実施形態と同様である。
【0064】図15において、第1の実施形態の場合と
異なるのは、水平シフトレジスタ部6が1フレーム分の
映像データを奇数列フレームと奇数列フレームとに分け
て出力すること、その奇数列フレーム及び奇数列フレー
ムの映像データを一時的に記憶する奇数列フレームメモ
リ16及び偶数列フレームメモリ17を備えること、そ
してタイミング発生回路5が奇数列フレームメモリ16
と偶数列フレームメモリ17のデータ出力をそれぞれ制
御する信号を1水平同期期間中に交互に出力する点が異
なる。
【0065】より具体的な駆動方法としては、図16に
示すように、先ずタイミング発生部5からの制御信号に
よって奇数列フレームメモリ16の出力がオンされるこ
とにより、当該メモリに格納されていた奇数列の映像デ
ータに対応する映像が表示され(図16の(a))、次
にタイミング発生部5からの制御信号によって偶数列フ
レームメモリ17の出力がオンされることにより、当該
メモリに格納されていた偶数列の映像データに対応する
映像が表示される(図16の(b))。このような駆動
方法を入力映像信号の1フレーム毎に行うことにより、
表示パネル部10に画像を形成する。
【0066】本実施形態の駆動方法によれば、1フレー
ム分の駆動信号うち、先ず奇数列のフレーム信号が順次
表示され、その後に、偶数列のフレーム信号が順次表示
されるため、隣接する列の駆動タイミングが互いに時間
的にずれているため、第1の実施形態と略同様な効果を
得ることができる。
【0067】[第6の実施形態]本実施形態では、上述
した第5の実施形態における画像形成装置の装置構成を
基本として、異なる駆動方法を採用する場合について説
明する。このため、以下の説明においては、重複する説
明は省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に
説明する図17は、本発明の第6の実施形態としての画
像形成装置の全体構成を示すブロック図である。
【0068】本実施形態において、表示パネル部20に
は、1×2nの1ラインの配線上に1×2n個の電子源
が配線されており、隣接する列配線が同時に駆動されな
いことは第1の実施形態と同様である。
【0069】図17において、第5の実施形態の場合と
異なるのは、表示パネル部20が1ライン表示器であ
り、奇数列フレームメモリ16及び偶数列フレームメモ
リ17、垂直シフトレジスタ7、そして行配線駆動部9
の代わりに、奇数列ラインメモリ21及び偶数列ライン
メモリ22、表示パネル部20の行配線を駆動する行配
線駆動部19、その行配線駆動部19をタイミング発生
部5が出力する所定のタイミング信号に従って駆動する
水平ラインコントローラ18を備える点が異なる。
【0070】具体的な駆動方法としては、タイミング発
生部5からの制御信号によって奇数列ラインメモリ21
の出力がオンされることにより、当該メモリに格納され
ていた奇数列ラインの映像データが出力され、次にタイ
ミング発生部5からの制御信号によって偶数列ラインメ
モリ22の出力がオンされることにより、当該メモリに
格納されていた偶数ラインの映像データが出力される。
この1ライン表示パネル20は、例えば、ラインプリン
タ等の画像記録装置の光源として採用することができ
る。また、その場合、1ラインでなく、複数ラインの表
示パネルを用いてもよい。
【0071】本実施形態の駆動方法によれば、奇数ライ
ンの駆動信号及び偶数ラインの駆動信号が互いに時間的
にずれて出力されるため、第5の実施形態と略同様な効
果を得ることができる。
【0072】[第7の実施形態]本実施形態では、上述
した第6の実施形態における画像形成装置の装置構成を
基本として、異なる駆動方法を採用する場合について説
明する。このため、以下の説明においては、重複する説
明は省略し、本実施形態における特徴的な部分を中心に
説明する図18は、本発明の第7の実施形態としての画
像形成装置の全体構成を示すブロック図である。また、
図19は、図18に示す表示パネルを駆動したときの信
号波形を示すタイミングチャートである。
【0073】図18及び図19に示す駆動方法におい
て、第6の実施形態の場合と異なるのは、第1の実施形
態の場合と同様に表示パネル部10がm×2nのマトリ
ックス構成であり、そのため上述した垂直シフトレジス
タ7及び行配線駆動部9を備えていること、奇数ライン
メモリ24及び偶数ラインメモリ25の出力を切り替え
る切り替えスイッチ26を備えること、そして列配線駆
動部23がn個の電流源を備え、その電流源が奇数列配
線または偶数列配線を駆動するように切り替えるスイッ
チを各電流源毎に備える点が異なる。本実施形態では、
タイミング発生部5から出力される信号OEodd及び
信号OEevenのオン・オフに応じて、奇数ラインメ
モリ24及び偶数ラインメモリ25に記憶された映像デ
ータ出力、切り替えスイッチ26(SW1)の動作、そ
して列配線駆動部23内部のスイッチ(SW2)の動作
が制御される。
【0074】ここで、表示パネル部10が6×6のマト
リクス構成を有する場合を例に、本実施形態に係る画像
形成装置の特徴を詳しく説明する。
【0075】図20は、本発明の第7の実施形態におけ
る画像形成装置の表示パネルの駆動方法を説明する図で
あり、行方向配線Y1からY6と列方向配線X1からX
6とによって構成される6×6の単純マトリクス配線の
うち、本実施形態に係る駆動回路によって行方向配線Y
3が選択されている場合を示す。また、図21は、図2
0に示す表示パネルを駆動したときの信号波形を示すタ
イミングチャートである。
【0076】図20及び図21に示す駆動方法におい
て、信号OEodd、OEevenは、奇数ラインメモ
リ21及び偶数ラインメモリ22の出力をそれぞれ制御
する信号であり、図18に示したタイミング発生回路5
から入力される。信号OEodd及びOEevenは、
1水平同期期間の前半期間と後半期間において奇数ライ
ンメモリ21及び偶数ラインメモリ22に順番に入力さ
れると共に、信号OEoddがオンになると、切り替え
スイッチ26(SW1)は接点So1〜3側に切り替わ
り、信号OEevenがオンになると、SW1は接点S
e1〜3側に切り替わる。これにより、奇数ラインメモ
リ21及び偶数ラインメモリ22に記憶されている映像
データが、1水平同期期間において列配線駆動部23内
のPWMジェネレータに順次入力され、そのPWMジェ
ネレータからは、奇数ラインの映像データに応じたPW
M信号、偶数ラインの映像データに応じたPWM信号の
順にパルス信号が出力される。
【0077】更に、上記の動作と並行して、列配線駆動
部23内のスイッチSW2おいては、信号OEoddが
オンになると、当該スイッチの接点が接点Sx1,3,
5側から接点Sg2,4,6側に切り替わり、信号OE
evenがオンになると、当該スイッチの接点が接点S
x2,4,6側から接点Sg1,3,5側に切り替わ
る。これにより、選択されている行方向配線Y3は、1
水平同期期間の前半期間に奇数列方向配線、後半期間に
偶数列方向配線が駆動される。
【0078】本実施形態に係る画像形成装置は、以上の
ような動作を全ての行方向配線に順次行うことにより、
1フレーム分の画像を表示パネル部10に形成する。
【0079】本実施形態の駆動方法によれば、奇数ライ
ンの駆動信号と偶数ラインの駆動信号とが時間的にずれ
ているため、第1の実施形態と略同様な効果を得ること
ができる。
【0080】尚、上述した各実施形態では、PWMの出
力電源として電流源を採用しているが、高インピーダン
スの電圧源を採用してもよい。
【0081】次に、上述した各実施形態に係る画像形成
装置に適用可能な表示パネルについて説明する。
【0082】(表示パネルの構成と製造法)まず、本発
明に係る画像形成装置に適用可能な表示パネルの構成と
製造法について、具体的な例を示して説明する。
【0083】図22は、本発明に適用可能な表示パネル
の斜視図であり、上述した各実施形態における表示パネ
ルに相当する。同図に示す表示パネルは、内部構造を示
すためにパネルの1部を切り欠いて示している。
【0084】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、これらリ
アプレート1005からフェースプレート1007の構
造により、表示パネルの内部を真空に維持するための気
密容器を形成している。
【0085】この気密容器を組み立てるにあたっては、
各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させるべ
く、封着する必要があるが、例えばフリットガラスを接
合部に塗布し、その接合部分を、大気中、或いは窒素雰
囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成する
ことにより封着を達成する。この気密容器の内部を、真
空に排気する方法については後述する。
【0086】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1002
がN個xM個形成されている。但し、N,Mは、2以上
の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜
設定される。例えば、高品位テレビジョンの表示を目的
とした画像形成装置においては、N=3000,M=1
000以上の数を設定することが望ましい。本実施例に
おいては、N=3072,M=1024とした。
【0087】これらN個xM個の冷陰極素子は、M本の
行方向配線1003とN本の列方向配線1004とによ
り単純マトリクス配線されている。以下、上述した基板
1001、冷陰極素子1002、M本の行方向配線10
03、並びにN本の列方向配線1004によって構成さ
れる部分を、マルチ電子ビーム源と呼ぶ。尚、マルチ電
子ビーム源の製造方法や構造については、後述する。
【0088】本実施例においては、気密容器のリアプレ
ート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001を固
定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板100
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板100
1自体を用いてもよい。
【0089】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施例に係る
画像形成装置はカラー表示装置であるため、蛍光膜10
08の部分にはCRTの分野で用いられる赤、緑、青、
の3原色の蛍光体が塗り分けられている。各色の蛍光体
は、例えば図23に示すようにストライプ状に塗り分け
られ、それら蛍光体のストライプの間には黒色の導電体
1010が設けてある。黒色の導電体1010を設ける
目的は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても
表示色にずれが生じないようにすることや、外光の反射
を防止して表示する画像のコントラストの低下を防ぐこ
と、そして、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップ
を防止すること等である。黒色の導電体1010には、
黒鉛を主成分として用いたが、上記の目的に適するもの
であればこれ以外の材料を用いても良い。
【0090】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図2
3に示したストライプ状の配列に限られるものではな
く、例えば図24に示すようなデルタ状配列や、それ以
外の配列であってもよい。
【0091】尚、モノクロームの表示パネルを作成する
場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用いれ
ばよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0092】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光の利
用率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜1
008を保護することや、電子ビーム加速電圧を印加す
るための電極として作用させることや、蛍光膜1008
を励起した電子の導電路として作用させること等であ
る。メタルバック1009は、蛍光膜1008をフェー
スプレート基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を
平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方法により
形成した。尚、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料
を用いた場合には、メタルバック1009は用いない。
【0093】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート基板1007と蛍光膜1008との間に、
例えばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0094】また、Dx1〜Dxm及びDy1〜Dyn及びHv
は、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接
続するために設けた気密構造の電気接続用端子である。
Dx1〜Dxmは、マルチ電子ビーム源の行方向配線100
3、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線10
04と電気的に接続している。またHvは、フェースプ
レートのメタルバック1009と電気的に接続してい
る。
【0095】また、気密容器の内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前、或いは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ここで、ゲッター膜と
は、例えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーター
もしくは高周波加熱により加熱蒸着することによって形
成した膜であり、該ゲッター膜の吸着作用により、気密
容器内は1x10マイナス5乗ないしは1x10マイナ
ス7乗[Torr]の真空度に維持される。
【0096】以上、本実施例における表示パネルの基本
構成と製法を説明した。
【0097】次に、上述した図22の表示パネルに用い
たマルチ電子ビーム源の製造方法について説明する。
【0098】後述する画像形成装置に用いるマルチ電子
ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、冷陰極素子の材料や形状或いは製法に制限
はない。従って、例えば表面伝導型放出素子やFE型、
或いはMIM型等の冷陰極素子を用いることができる。
【0099】但し、表示画面が大きくてしかも安価な画
像形成装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰
極素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。
即ち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極との相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とする。従って大面積化や製
造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚とを薄くてし
かも均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コ
ストの低減を達成するには不利な要因となる。その点、
表面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、
大面積化や製造コストの低減が容易である。また、本願
発明者らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部
もしくはその周辺部を微粒子膜から形成したものがとり
わけ電子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えるこ
とを見いだしている。従って、高輝度で大画面の画像形
成装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適で
あると言える。そこで、本実施例の表示パネルにおいて
は、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成
した表面伝導型放出素子を用いる。そこで、まず好適な
表面伝導型放出素子について基本的な構成と製法及び特
性を説明し、その後で多数の素子を単純マトリクス配線
したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0100】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類が挙げられる。
【0101】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。
【0102】図25は、本発明に適用可能な平面型の表
面伝導型放出素子の構成を説明する平面図である。ま
た、図26は、本発明に適用可能な平面型の表面伝導型
放出素子の構成を説明する断面図である。
【0103】図25及び図26において、1101は基
板、1102と1103は素子電極、1104は導電性
薄膜、1105は通電フォーミング処理により形成した
電子放出部、1113は通電活性化処理により形成した
薄膜である。
【0104】基板1101としては、例えば、石英ガラ
スや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、アル
ミナをはじめとする各種セラミクス基板、或いは上述の
各種基板上に例えばSiO2 を材料とする絶縁層を積層
した基板、等を用いることができる。
【0105】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、或いはこれらの金属の合
金、或いはIn2 O3 −SnO2 をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコン等の半導体、等の中から適宜材料を
選択して用いればよい。電極を形成するには、例えば真
空蒸着等の製膜技術とフォトリソグラフィー、エッチン
グ等のパターニング技術を組み合わせて用いれば容易に
形成できるが、それ以外の方法(例えば印刷技術)を用
いて形成してもよい。
【0106】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメータの範囲から適当な数値を選んで
設計されるが、なかでも画像形成装置に応用するために
好ましいのは数マイクロメータより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメータの範
囲から適当な数値が選ばれる。
【0107】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、或いは微粒
子が互いに隣接した構造か、或いは微粒子が互いに重な
り合った構造が観測される。
【0108】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。即ち、素子電極1102
或いは1103と電気的に良好に接続するのに必要な条
件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに必要な
条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の値にす
るために必要な条件、等である。
【0109】具体的には、数オングストロームから数千
オングストロームの範囲内で設定するが、なかでも好ま
しいのは10オングストロームから500オングストロ
ームの間である。
【0110】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb,等をはじめとする金属や、PdO,Sn
O2 ,In2 O3 ,PbO,Sb2 O3 ,等をはじめと
する酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB
6 ,YB4 ,GdB4 ,等をはじめとする硼化物や、T
iC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,等をは
じめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,等をは
じめとする窒化物や、Si,Ge,等をはじめとする半
導体や、カーボン、等が挙げられ、これらの中から適宜
選択される。
【0111】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0112】尚、導電性薄膜1104と素子電極110
2及び1103とは、電気的に良好に接続されるのが望
ましいため、互いの一部が重なりあうような構造をとっ
ている。その重なり方は、図25及び図26の例におい
ては、下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積
層したが、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素
子電極、の順序で積層してもよい。
【0113】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。尚、実際の電子
放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困難
なため、図25及び図26においては模式的に示した。
【0114】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105及びその近
傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミング
処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことにより
形成する。
【0115】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのが更に好ましい。
【0116】尚、実際の薄膜1113の位置や形状を精
密に図示するのは困難なため、図25及び図26におい
ては模式的に示した。また、図25の平面図において
は、薄膜1113の一部を除去した素子を図示した。
【0117】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、本実施例においては以下のような素子を用いた。
【0118】即ち、基板1101には青板ガラスを用
い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメータ]とした。
【0119】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメータ]とした。
【0120】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図27から図31は、本
発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出素子の製造工
程を説明する断面図であり、各図面における部材の参照
番号は、図25及び図26と同一である。
【0121】1)まず、図27に示すように、基板11
01上に素子電極1102及び1103を形成する。形
成するにあたっては、あらかじめ基板1101を洗剤、
純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、素子電極の材料
を堆積させる。ここで、堆積する方法としては、例え
ば、蒸着法やスパッタ法等の真空成膜技術を用ればよ
い。その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラフィ
ー・エッチング技術を用いてパターニングし、図27に
示した一対の素子電極(1102と1103)を形成す
る。
【0122】2)次に、図28に示すように、導電性薄
膜1104を形成する。形成するにあたっては、まず図
27に示した状態の基板に、有機金属溶液を塗布して乾
燥し、その乾燥した基板を加熱焼成処理して微粒子膜を
成膜した後、フォトリソグラフィー・エッチングにより
所定の形状にパターニングする。ここで、有機金属溶液
とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を主要元素とす
る有機金属化合物の溶液である。具体的には、本実施例
では主要元素としてPdを用いた。また、本実施例で
は、塗布方法として、ディッピング法を用いたが、それ
以外の例えばスピンナー法やスプレー法を用いてもよ
い。
【0123】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施例で用いた有機金属溶液の塗布
による方法以外の、例えば真空蒸着法やスパッタ法、或
いは化学的気相堆積法等を用いる場合もある。
【0124】3)次に、図29に示すように、フォーミ
ング用電源1110から素子電極1102と1103の
間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を行っ
て、電子放出部1105を形成する。
【0125】ここで、通電フォーミング処理とは、微粒
子膜で作られた導電性薄膜1104に通電を行って、そ
の一部を適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子
放出を行うのに好適な構造に変化させる処理である。微
粒子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに
好適な構造に変化した部分(即ち、電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
尚、電子放出部1105が形成される前と比較すると、
形成された後は素子電極1102と1103の間で計測
される電気抵抗は大幅に増加する。
【0126】通電方法をより詳しく説明するために、図
32にフォーミング用電源1110から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄膜
をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好まし
く、本実施例の場合には、同図に示したようにパルス幅
T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加し
た。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを順次昇
圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモニタ
するためのモニタパルスPmを適宜の間隔で三角波パル
スの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計1111
で計測した。
【0127】本実施例においては、例えば10のマイナ
ス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、例え
ばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10
[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1
[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加す
る度に1回の割りで、モニタパルスPmを挿入した。フ
ォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、モ
ニタパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。そ
して、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が1
x10の6乗[オーム]になった段階、即ちモニタパル
ス印加時に電流計1111で計測される電流が1x10
のマイナス7乗[A]以下になった段階でフォーミング
処理にかかわる通電を終了した。
【0128】尚、上記の方法は、本実施例の表面伝導型
放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微粒子膜
の材料や膜厚、或いは素子電極間隔L等表面伝導型放出
素子の設計を変更した場合には、それに応じて通電の条
件を適宜変更するのが望ましい。
【0129】4)次に、図30に示すように、活性化用
電源1112から素子電極1102と1103との間に
適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電子放
出特性の改善を行う。
【0130】ここで、通電活性化処理とは、前記通電フ
ォーミング処理により形成された電子放出部1105に
適宜の条件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積せしめる処理のことである。図30にお
いては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材
1113として模式的に示した。尚、通電活性化処理を
行うことにより、行う前と比較して、同じ印加電圧にお
ける放出電流を典型的には100倍以上に増加させるこ
とができる。
【0131】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0132】通電方法をより詳しく説明するために、図
33に、活性化用電源1112から印加する適宜の電圧
波形の一例を示す。本実施例においては、所定の電圧の
矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行ったが、
具体的には,矩形波の電圧Vacは14[V],パルス
幅T3は1[ミリ秒],パルス間隔T4は10[ミリ
秒]とした。尚、上述の通電条件は、本実施例の表面伝
導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導型
放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条件
を適宜変更するのが望ましい。
【0133】図30に示す1114は、該表面伝導型放
出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するためのア
ノード電極で、直流高電圧電源1115及び電流計11
16が接続されている。尚、基板1101を、表示パネ
ルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合には、表
示パネルの蛍光面をアノード電極1114として用い
る。活性化用電源1112から電圧を印加する間、電流
計1116で放出電流Ieを計測して通電活性化処理の
進行状況をモニタし、活性化用電源1112の動作を制
御する。電流計1116で計測された放出電流Ieの一
例を図34に示す。同図において、活性化電源1112
からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過ととも
に放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほとんど
増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ飽和
した時点で活性化用電源1112からの電圧印加を停止
し、通電活性化処理を終了する。
【0134】尚、上述の通電条件は、本実施例の表面伝
導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導型
放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条件
を適宜変更するのが望ましい。
【0135】以上のようにして、図31に示す平面型の
表面伝導型放出素子を製造した。
【0136】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、即ち垂直
型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0137】図35は、本発明に適用可能な垂直型の表
面伝導型放出素子の基本構成を説明するための模式的な
断面図である。
【0138】図中、1201は基板、1202と120
3は素子電極、1206は段差形成部材、1204は微
粒子膜を用いた導電性薄膜、1205は通電フォーミン
グ処理により形成した電子放出部、1213は通電活性
化処理により形成した薄膜、である。
【0139】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。従
って、図25及び図26の平面型における素子電極間隔
Lは、垂直型においては段差形成部材1206の段差高
Lsとして設定される。尚、基板1201、素子電極1
202及び1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜12
04、については、前記平面型の説明中に列挙した材料
を同様に用いることが可能である。また、段差形成部材
1206には、例えばSiO2 のような電気的に絶縁性
の材料を用いる。
【0140】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。
【0141】図36から図41は、本発明に適用可能な
垂直型の表面伝導型放出素子の製法工程を説明する断面
図であり、各図面における部材の参照番号は、図35と
同一である。
【0142】1)まず、図36に示すように、基板12
01上に素子電極1203を形成する。
【0143】2)次に、図37に示すように、段差形成
部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層は、例
えばSiO2 をスパッタ法で積層すればよいが、例えば
真空蒸着法や印刷法等の他の成膜方法を用いてもよい。
【0144】3)次に、図38に示すように、絶縁層の
上に素子電極1202を形成する。
【0145】4)次に、図39に示すように、絶縁層の
一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素子電極
1203を露出させる。
【0146】5)次に、図40に示すように、微粒子膜
を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成するに
は、前述した平面型の場合と同じく、例えば塗布法等の
成膜技術を用いればよい。
【0147】6)次に、前述した平面型の場合と同じ
く、通電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成す
る。具体的には、図29を用いて説明した平面型の通電
フォーミング処理と同様の処理を行えばよい。
【0148】7)次に、前述した平面型の場合と同じ
く、通電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もし
くは炭素化合物を堆積させる。具体的には、図30を用
いて説明した平面型の通電活性化処理と同様の処理を行
えばよい。
【0149】以上のような工程により、図41に示す垂
直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0150】(画像形成装置に用いた表面伝導型放出素
子の特性)次に、本実施例に係る画像形成装置に用いた
素子の特性について述べる。
【0151】図42は、本発明に適用可能な通電活性化
処理の際の放出電流Ieの変化を示す図であり、本実施
例における画像形成装置に用いた素子の、(放出電流I
e)対(素子印加電圧Vf)特性、及び(素子電流I
f)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例を示す。
尚、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さ
く、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、これらの
特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータを変更す
ることにより変化するものであるため、2本のグラフは
各々任意の単位で図示している。
【0152】本実施例において画像形成装置に用いた素
子は、放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を
有している。
【0153】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即
ち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持
った非線形素子である。
【0154】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0155】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0156】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を画像形成装置に好適に用いることができ
る。例えば、多数の素子を表示画面の画素に対応して設
けた画像形成装置において、第一の特性を利用すれば、
表示画面を順次走査して表示を行うことが可能である。
即ち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電
圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子に
は閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子
を順次切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査
して表示を行うことが可能である。
【0157】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。
【0158】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素
子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。
【0159】図43は、本発明に適用可能なマルチ電子
ビーム源の平面図であり、図22の表示パネルに用いた
マルチ電子ビーム源の平面図である。基板上には、図2
5及び図26に示した素子と同様な表面伝導型放出素子
が複数配列されている。これらの素子は、行方向配線電
極1003と列方向配線電極1004とにより単純マト
リクス状に配線されている。行方向配線電極1003と
列方向配線電極1004とが交差する部分には、電極間
に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が
保たれている。
【0160】図44は、本発明に適用可能な表面伝導型
放出素子の、図43のA−A’断面における断面図であ
る。同図に示すような構造を有するマルチ電子源は、あ
らかじめ基板上に行方向配線電極1003、列方向配線
電極1004、電極間絶縁層(不図示)、及び表面伝導
型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方
向配線電極1003及び列方向配線電極1004を介し
て各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性化
処理とを行うことにより製造した。
【0161】<画像形成装置>図45は、本発明に適用
可能なマルチ電子ビーム源を表示パネルとして用いた画
像形成装置の構成例を示すブロック図であり、上述した
活性化処理を施した電子源を用いたディスプレイパネル
に、例えばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像
情報源より提供される画像情報を表示できるように構成
した画像形成装置の一例を示す図である。
【0162】同図において、70はディスプレイパネ
ル、71はディスプレイパネル70の駆動回路、72は
ディスプレイコントローラ、73はマルチプレクサ、7
4はデコーダ、75は入出力インタフェース回路、76
はCPU、77は画像生成回路、78及び79及び80
は画像メモリインタフェース回路、81は画像入力イン
タフェース回路、82及び83はTV信号受信回路、8
4は入力部である。尚、本画像形成装置は、例えばテレ
ビジョン信号のように映像情報と音声情報の両方を含む
信号を受信する場合には、当然映像の表示と同時に音声
を再生するものであるが、本発明の特徴と直接関係しな
い音声情報の受信,分離,再生,処理,記憶等に関する
回路やスピーカー等については説明を省略する。
【0163】以下、図45に示す画像形成装置における
画像信号の流れに沿って各部の機能を説明する。
【0164】まず、TV信号受信回路83は、例えば、
電波や空間光通信等のような無線伝送系を用いて伝送さ
れるTV画像信号を受信する為の回路である。受信する
TV信号の方式は特に限られるものではなく、例えば、
NTSC方式,PAL方式,SECAM方式等の諸方式
でもよい。また、これらより更に多数の走査線よりなる
TV信号(例えばMUSE方式をはじめとするいわゆる
高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適した前記デ
ィスプレイパネルの利点を生かすのに好適な信号源であ
る。TV信号受信回路83で受信されたTV信号は、デ
コーダ74に出力される。
【0165】また、TV信号受信回路82は、例えば同
軸ケーブルや光ファイバ等のような有線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信する回路であり、TV信
号受信回路83と同様に、受信するTV信号の方式は特
に限られるものではない。また、本回路で受信されたT
V信号もデコーダ74に出力される。
【0166】また、画像入力インタフェース回路81
は、例えばTVカメラや画像読み取りスキャナ等の画像
入力装置から供給される画像信号を取り込む回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ74に出力される。
【0167】また、画像メモリインタフェース回路80
は、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略す)に記憶
されている画像信号を取り込む回路で、取り込まれた画
像信号はデコーダ74に出力される。
【0168】また、画像メモリインタフェース回路79
は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込
む回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ74に出力
される。
【0169】また、画像メモリインタフェース回路78
は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像データ
を記憶している装置から画像信号を取り込む回路で、取
り込まれた静止画像データはデコーダ74に入力され
る。
【0170】また、入出力インタフェース回路75は、
本画像形成装置と、外部のコンピュータもしくはコンピ
ュータネットワークもしくはプリンタ等の出力装置とを
接続する回路である。画像データや文字・図形情報の入
出力を行うのは言うに及ばず、場合によっては本画像形
成装置の備えるCPU76と外部との間で制御信号や数
値データの入出力等を行うことも可能である。
【0171】また、画像生成回路77は、入出力インタ
フェース回路75を介して外部から入力される画像デー
タや文字・図形情報や、或いはCPU76より出力され
る画像データや文字・図形情報に基づき表示用画像デー
タを生成する回路である。本回路の内部には、例えば画
像データや文字・図形情報を蓄積するための書き換え可
能メモリや、文字コードに対応する画像パターンが記憶
されている読み出し専用メモリや、画像処理を行うため
のプロセッサー等をはじめとして画像の生成に必要な回
路が組み込まれている。
【0172】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ74に出力されるが、場合によっては入出
力インタフェース回路75を介して外部のコンピュータ
ネットワークやプリンタに出力することも可能である。
【0173】また、CPU76は、主として本画像形成
装置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わ
る作業を行う。CPU76は、例えば、マルチプレクサ
73に制御信号を出力し、ディスプレイパネルに表示す
る画像信号を適宜選択したり組み合わせたりする。ま
た、その際には表示する画像信号に応じてディスプレイ
パネルコントローラ72に対して制御信号を発生し、画
面表示周波数や走査方法(例えば、インターレース、ま
たはノンインターレース)や、一画面の走査線の数等画
像形成装置の動作を適宜制御する。
【0174】また、画像生成回路77に対して画像デー
タや文字・図形情報を直接出力したり、或いは入出力イ
ンタフェース回路75を介して外部のコンピュータやメ
モリをアクセスして画像データや文字・図形情報を入力
する。
【0175】尚、CPU76は、むろんこれ以外の目的
の作業にも関わるものであって良い。例えば、パーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を
生成したり処理する機能に直接関わっても良い。或い
は、前述したように入出力インタフェース回路75を介
して外部のコンピュータネットワークと接続し、例えば
数値計算等の作業を外部機器と協同して行っても良い。
【0176】また、入力部84は、CPU76に使用者
が命令やプログラム、或いはデータ等を入力するための
ものであり、例えばキーボードやマウスのほか、ジョイ
スティック,バーコードリーダ,音声認識装置等多様な
入力機器を用いることが可能である。
【0177】また、デコーダ74は、画像生成回路77
乃至TV信号受信回路83より入力される種々の画像信
号を3原色信号、または輝度信号とI信号,Q信号に逆
変換する回路である。尚、同図中に点線で示すように、
デコーダ74は内部に画像メモリを備えるのが望まし
い。これは、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変
換するに際して画像メモリを必要とするようなテレビ信
号を扱うためである。また、画像メモリを備えることに
より、静止画の表示が容易になる、或いは画像生成回路
77及びCPU76と協同して画像の間引き,補間,拡
大,縮小,合成をはじめとする画像処理や編集が容易に
行えるようになるという利点が生まれるからである。
【0178】また、マルチプレクサ73は、CPU76
より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜選択す
るものである。即ち、マルチプレクサ73はデコーダ7
4から入力される逆変換された画像信号のうちから所望
の画像信号を選択して駆動回路71に出力する。その場
合には、一画面表示時間内で画像信号を切り替えて選択
することにより、いわゆる多画面テレビのように、一画
面を複数の領域に分けて領域によって異なる画像を表示
することも可能である。
【0179】また、ディスプレイパネルコントローラ7
2は、CPU76より入力される制御信号に基づき駆動
回路71の動作を制御する回路である。
【0180】まず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、例えばディスプレイパネルの駆動
用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御する信号を
駆動回路71に対して出力する。
【0181】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法(例
えば、インターレース、またはノンインターレース)を
制御する信号を駆動回路71に対して出力する。
【0182】また、場合によっては表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路71に対して出力する場合も
ある。
【0183】また、駆動回路71は、ディスプレイパネ
ル70に印加する駆動信号を発生する回路であり、マル
チプレクサ73から入力される画像信号と、ディスプレ
イパネルコントローラ72より入力される制御信号に基
づいて動作するものである。
【0184】以上、各部の機能を説明したが、図45に
例示した構成により、本画像形成装置においては多様な
画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネ
ル70に表示することが可能である。即ち、テレビジョ
ン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ74に
おいて逆変換された後、マルチプレクサ73において適
宜選択され、その選択した画像信号が駆動回路71に入
力される。一方、ディスプレイコントローラ72は、表
示する画像信号に応じて駆動回路71の動作を制御する
制御信号を発生する。駆動回路71は、上記画像信号と
制御信号に基づいてディスプレイパネル70に駆動信号
を印加する。これにより、ディスプレイパネル70にお
いて画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU
76により統括的に制御される。
【0185】また、本画像形成装置においては、デコー
ダ74に内蔵する画像メモリや、画像生成回路77及び
情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表示
する画像情報に対して、例えば拡大,縮小,回転,移
動,エッジ強調,間引き,補間,色変換,画像の縦横比
変換等をはじめとする画像処理や、合成,消去,接続,
入れ換え,はめ込み等をはじめとする画像編集を行うこ
とも可能である。
【0186】また、本実施例の説明では特に触れなかっ
たが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声情報に関
しても処理や編集を行なうための専用回路を設けても良
い。
【0187】従って、本画像形成装置は、テレビジョン
放送の表示機器,テレビ会議の端末機器,静止画像及び
動画像を扱う画像編集機器,コンピュータの端末機器,
ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器,ゲー
ム機等の機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業
用、或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0188】尚、上記の図45は、表面伝導形放出素子
を電子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた画像
形成装置の構成の一例を示したにすぎず、これのみに限
定されるものでないことは言うまでもない。例えば、図
45の構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わ
る回路は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使
用目的によっては更に構成要素を追加しても良い。例え
ば、本画像形成装置をテレビ電話機として応用する場合
には、テレビカメラ,音声マイク,照明機,モデムを含
む送受信回路等を構成要素に追加するのが好適である。
【0189】本画像形成装置においては、とりわけ表面
伝導型電子放出素子を電子源とするディスプレイパネル
の薄形化が容易なため、画像形成装置の奥行きを小さく
することができる。それに加えて、表面伝導型電子放出
素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルは大画面
化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本画
像形成装置は臨場感にあふれ迫力に富んだ画像を視認性
良く表示することが可能である。
【0190】尚、電子源を構成する電子放出素子には、
表面伝導型の電子放出素子だけでなく、図42に示すよ
うな非線形な電圧V・電流I特性を有する素子なら、一
般の低インピーダンスの素子にも適用することができ
る。
【0191】また、上述した実施形態では、列方向配線
に電流駆動回路を配置し、その列方向配線に決定された
電流を流す構成としたが、行方向配線に電流駆動回路を
配置してもよい。
【0192】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
隣接する配線間の静電容量に起因する階調表現の誤差を
軽減し、入力映像信号に忠実な画像を形成する画像形成
装置及びその駆動方法の提供が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態としての画像形成装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態としての画像形成装置
の各部における信号波形を示すタイミングチャートであ
る。
【図3】本発明の第1の実施形態における画像形成装置
の表示パネルの駆動方法を説明する図である。
【図4】図3に示す表示パネルを駆動したときの信号波
形を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態としての画像形成装置
の各部における信号波形を示すタイミングチャートであ
る。
【図6】本発明の第2の実施形態における画像形成装置
の表示パネルの駆動方法を説明する図である。
【図7】図6に示す表示パネルを駆動したときの信号波
形を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態としての画像形成装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態としての画像形成装置
の各部における信号波形を示すタイミングチャートであ
る。
【図10】本発明の第3の実施形態における画像形成装
置の表示パネルの駆動方法を説明する図である。
【図11】図10に示す表示パネルを駆動したときの信
号波形を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態としての画像形成装
置の各部における信号波形を示すタイミングチャートで
ある。
【図13】本発明の第4の実施形態における画像形成装
置の表示パネルの駆動方法を説明する図である。
【図14】図13に示す表示パネルを駆動したときの信
号波形を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の第5の実施形態としての画像形成装
置の全体構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第5の実施形態としての画像形成装
置による画像形成方法を説明する図である。
【図17】本発明の第6の実施形態としての画像形成装
置の全体構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第7の実施形態としての画像形成装
置の全体構成を示すブロック図である。
【図19】図18に示す表示パネルを駆動したときの信
号波形を示すタイミングチャートである。
【図20】本発明の第7の実施形態における画像形成装
置の表示パネルの駆動方法を説明する図である。
【図21】図20に示す表示パネルを駆動したときの信
号波形を示すタイミングチャートである。
【図22】本発明に適用可能な表示パネルの斜視図であ
る。
【図23】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列
を例示した平面図である。
【図24】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列
を例示した平面図である。
【図25】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の構成を説明する平面図である。
【図26】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の構成を説明する断面図である。
【図27】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の製造工程を説明する断面図である。
【図28】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の製造工程を説明する断面図である。
【図29】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の製造工程を説明する断面図である。
【図30】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の製造工程を説明する断面図である。
【図31】本発明に適用可能な平面型の表面伝導型放出
素子の製造工程を説明する断面図である。
【図32】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形を
示す図である。
【図33】通電活性化処理の際の印加電圧波形を示す図
である。
【図34】通電活性化処理の際の放出電流Ieの変化を
示す図である。
【図35】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の基本構成を説明するための模式的な断面図であ
る。
【図36】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の製法工程を説明する断面図である。
【図37】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の製法工程を説明する断面図である。
【図38】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の製法工程を説明する断面図である。
【図39】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の製法工程を説明する断面図である。
【図40】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の製法工程を説明する断面図である。
【図41】本発明に適用可能な垂直型の表面伝導型放出
素子の製法工程を説明する断面図である。
【図42】本発明に適用可能な通電活性化処理の際の放
出電流Ieの変化を示す図である。
【図43】本発明に適用可能なマルチ電子ビーム源の平
面図である。
【図44】本発明に適用可能な表面伝導型放出素子の、
図43のA−A’断面における断面図である。
【図45】本発明に適用可能なマルチ電子ビーム源を表
示パネルとして用いた画像形成装置の構成例を示すブロ
ック図である。
【図46】一般的な表面伝導型電子放出素子の構造例を
示す平面図である。
【図47】一般的なFE型の冷陰極素子の構造例を示す
断面図である。
【図48】一般的なMIMの冷陰極型素子の構造例を示
す断面図である。
【図49】行列状に配列された複数の電子放出素子の配
線例を示す図である。
【図50】マルチ電子ビーム源の従来の駆動方法におけ
る問題点を説明する図である。
【図51】図50に例示するマルチ電子ビーム源を駆動
したときの入力信号波形と、その入力信号に応じて電子
源に実際に流れる電流波形とを示すタイミングチャート
である。
【符号の説明】
1:映像信号入力端子, 2:アナログ信号処理部, 3:A/D部, 4:同期信号分離部, 5:タイミング発生部, 6:水平シフトレジスタ, 7:垂直シフトレジスタ, 8:列配線駆動部, 9:行配線駆動部, 10:表示パネル部, 11:奇数ラインメモリ, 12:偶数ラインメモリ, 13:Rラインメモリ, 14:Gラインメモリ, 15:Bラインメモリ, 16:奇数列フレームメモリ, 17:偶数列フレームメモリ, 18:水平ラインコントローラ, 19:行配線駆動部, 21:奇数ラインメモリ, 22:偶数ラインメモリ, 23:列配線駆動部, 24:奇数ラインメモリ, 25:偶数ラインメモリ, 26:切替スイッチ, 201:ライン表示パネル,

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の行方向配線と列方向配線とによっ
    て接続された複数の電子源を備える表示パネルに画像を
    形成する画像形成装置であって、 前記複数の行方向配線を順次選択しながら走査すると共
    に、選択した列方向配線には入力映像信号に応じてパル
    ス幅変調した変調信号を印加することによって前記複数
    の電子源を駆動するときに、その列方向配線の隣接する
    ライン上の電子源を所定の1同期期間中に時間的にずら
    して駆動することにより、その隣接するラインに変調信
    号を同時に入力しない駆動回路を備えることを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、入力映像信号をk列跳
    び(k≧1)毎の映像信号に分割し、それら分割した映
    像信号に応じた変調信号を順次印加することにより、前
    記複数の電子源を、前記1同期期間内において時間的に
    ずらして駆動することを特徴とする請求項1記載の画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動回路は、入力映像信号をRGB
    の色毎の映像信号に分割し、それら分割した映像信号に
    応じた変調信号を順次印加することにより、前記複数の
    電子源を、前記1同期期間内において時間的にずらして
    駆動することを特徴とする請求項1記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記駆動回路は、前記分割した映像信号
    に応じた変調信号を前記複数の電子源に順次印加すると
    きに、更に、その変調信号を順次印加するタイミングに
    併せて、前記行方向配線を順次選択することを特徴とす
    る請求項2または請求項3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路は、1フレームの入力映像
    信号を奇数列及び偶数列の映像信号に分割し、それら分
    割した映像信号に応じた変調信号を順次印加することに
    より、前記複数の電子源を、前記1同期期間内において
    時間的にずらして駆動することを特徴とする請求項1記
    載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記表示パネルの列方向配線はn本であ
    って、前記駆動回路が前記変調信号の駆動源をn/(k
    +1)個備えると共に、その駆動源の出力をグランド側
    に切り替えるスイッチを備えており、 前記駆動回路は、前記分割した映像信号に応じた変調信
    号を前記複数の電子源に順次印加するときに、更に、そ
    の変調信号を順次印加するタイミングに併せて、前記ス
    イッチの切り替えを行うことを特徴とする請求項2記載
    の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 1本の行方向配線とn本の列方向配線と
    によって接続されたn個の電子源を備える表示パネルに
    画像を形成する画像形成装置であって、 前記n本の列方向配線に入力映像信号に応じてパルス幅
    変調した変調信号を印加することによって前記n個の電
    子源を駆動するときに、それらn本の列方向配線上で隣
    接する電子源を所定の1同期期間中に時間的にずらして
    駆動することにより、その隣接する列方向配線に変調信
    号を同時に入力しない駆動回路を備えることを特徴とす
    る画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動回路は、入力映像信号をk列跳
    び(k≧1)毎の映像信号に分割し、それら分割した映
    像信号に応じた変調信号を順次印加することにより、前
    記複数の電子源を、前記1同期期間内において時間的に
    ずらして駆動することを特徴とする請求項5記載の画像
    形成装置。
  9. 【請求項9】 前記変調信号は、電流信号または電圧信
    号であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れ
    かに記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記表示パネルは、前記電子源に対応
    して配設された蛍光体を含み、 前記駆動回路は、前記蛍光体を前記電子源から放出させ
    た電子によって発行させることにより、画像を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載
    の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記電子源は、表面伝導型放出素子で
    あることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記表面伝導型放出素子は、FE型放
    出素子であることを特徴とする請求項11記載の画像形
    成装置。
  13. 【請求項13】 前記表面伝導型放出素子は、MIM型
    放出素子であることを特徴とする請求項11記載の画像
    形成装置。
  14. 【請求項14】 複数の行方向配線と列方向配線とによ
    って接続された複数の電子源を備える表示パネルに画像
    を形成する画像形成装置の駆動方法であって、 前記複数の行方向配線を順次選択しながら走査すると共
    に、選択した列方向配線には入力映像信号に応じてパル
    ス幅変調した変調信号を印加することによって前記複数
    の電子源を駆動するときに、その列方向配線の隣接する
    ライン上の電子源を所定の1同期期間中に時間的にずら
    して駆動することにより、その隣接するラインに変調信
    号を同時に入力しないことを特徴とする画像形成装置の
    駆動方法。
  15. 【請求項15】 1本の行方向配線とn本の列方向配線
    とによって接続されたn個の電子源を備える表示パネル
    に画像を形成する画像形成装置の駆動方法であって、 前記n本の列方向配線に入力映像信号に応じてパルス幅
    変調した変調信号を印加することによって前記n個の電
    子源を駆動するときに、それらn本の列方向配線上で隣
    接する電子源を所定の1同期期間中に時間的にずらして
    駆動することにより、その隣接する列方向配線に変調信
    号を同時に入力しないことを特徴とする画像形成装置の
    駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003084709A (ja) * 2001-06-29 2003-03-19 Canon Inc 電子源の駆動装置及び駆動方法、並びに画像形成装置の駆動方法

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