JP3162968B2 - 電子源とその駆動方法、それを用いた画像形成装置、並びにその製造方法 - Google Patents

電子源とその駆動方法、それを用いた画像形成装置、並びにその製造方法

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JP3162968B2 JP24584195A JP24584195A JP3162968B2 JP 3162968 B2 JP3162968 B2 JP 3162968B2 JP 24584195 A JP24584195 A JP 24584195A JP 24584195 A JP24584195 A JP 24584195A JP 3162968 B2 JP3162968 B2 JP 3162968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源とその駆動
方法、それを用いた画像形成法装置、並びにその製造方
法に関し、特に、電子放出素子を備えた電子源及びその
応用である表示装置等の画像形成装置に関する。また、
その駆動方法と製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば電界放出型素子(以下、FE型と
記す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下、MI
M型と記す)や、表面伝導型放出素子などが知られてい
る。
【0003】FE型の例としては、たとえば、W.P.Dyke
&W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron Ph
ysics, 8, 89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt,"Physic
al properties of thin-film field emission cathodes
withmolybdenium cones", J.Appl.Phys., 47,5248(197
6) などが知られている。また、MIM型の例として
は、たとえば、C.A.Mead,"Operation oftunnel-emissio
n Devices, J.Appl.Phys., 32,646(1961) などが知られ
ている。
【0004】また、表面伝導型放出素子としては、たと
えば、M.I.Elinson, RadioEng.Electron Phys., 10,129
0,(1965)や、後述する他の例が知られている。表面伝導
型放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜
面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象
を利用するものである。この表面伝導型放出素子として
は、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたもの
の他に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:"Thin Solid F
ilms",9,317(1972)]や、In2O 3 /SnO2 薄膜による
もの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:"IEEE Trans.EDCon
f.",519(1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が報告され
ている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図1に前述のM.Hartwell
らによる素子の平面図を示す。同図において、3001
は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物
よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示
のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電性
薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電
処理を施すことにより、電子放出部3005が形成され
る。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],Wは、0.
1[mm]で設定されている。
【0006】尚、図示の便宜から、電子放出部3005
は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、
これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や
形状を忠実に表現しているわけではない。M.Hart
wellらによる素子をはじめとして上述の表面伝導型
放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3
004に通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すこ
とにより電子放出部3005を形成するのが一般的であ
った。すなわち、通電フォーミングとは、前記導電性薄
膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば
1V/分程度の非常にゆっくりとしたレートで昇圧する
直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所
的に破壊もしくは変形もしくは変質せしめ、電気的に高
抵抗な状態の電子放出部3005を形成することであ
る。尚、局所的に破壊もしくは変形もしくは変質した導
電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。前記通
電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を
印加した場合には、前記亀裂付近において電子放出が行
われる。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素
子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人
による特開昭64−31332において開示されるよう
に、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究さ
れている。また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビーム源等が研究されている。
【0008】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人によるUSP5066883や特開平2
−257551において開示されているように、表面伝
導型放出素子と電子ビームの照射により発光する蛍光体
とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されてい
る。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用い
た画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置より
も優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及し
てきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるため
バックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優
れていると言える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記従来
例をはじめとして、さまざまな材料、製法、構造の表面
伝導型放出素子を試みてきた。さらに、多数の表面伝導
型放出素子を配列したマルチ電子ビーム源、ならびに、
このマルチ電子ビーム源を応用した画像表示装置につい
て研究を行ってきた。
【0010】発明者らは、たとえば、図2に示す電気的
な配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてきた。す
なわち、表面伝導型放出素子を2次元的に多数個配列
し、これらの素子を図示のようにマトリクス状に配線し
たマルチ電子ビーム源である。図中、4001は表面伝
導型放出素子を模式的に示したもの、4002は行方向
配線、4003は列方向配線である。行方向配線400
2および列方向配線4003は、実際には有限の電気抵
抗を有するものであるが、図においては配線抵抗400
4および4005として示されている。上述のような配
線方法を、単純マトリクス配線と呼ぶ。
【0011】なお、図示の便宜上、6x6のマトリクス
で示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに限っ
たわけではなく、たとえば画像表示装置用のマルチ電子
ビーム源の場合には、所望の画像表示を行うのに足りる
だけの素子を配列し配線するものである。表面伝導型放
出素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源に
おいては、所望の電子ビームを出力させるため、行方向
配線4002および列方向配線4003に適宜の電気信
号を印加する。たとえば、マトリクスの中の任意の1行
の表面伝導型放出素子を駆動するには、選択する行の行
方向配線4002には選択電圧Vsを印加し、同時に非
選択の行の行方向配線4002には非選択電圧Vnsを
印加する。これと同期して列方向配線4003に電子ビ
ームを出力するための駆動電圧Veを印加する。この方
法によれば、配線抵抗4004および4005による電
圧降下を無視すれば、選択する行の表面伝導型放出素子
には、Ve−Vsの電圧が印加され、また非選択行の表
面伝導型放出素子にはVe−Vnsの電圧が印加され
る。Ve,Vs,Vnsを適宜の大きさの電圧にすれば
選択する行の表面伝導型放出素子だけから所望の強度の
電子ビームが出力されるはずであり、また列方向配線の
各々に異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択する行の
素子の各々から異なる強度の電子ビームが出力されるは
ずである。また、表面伝導型放出素子の応答速度は高速
であるため、駆動電圧Veを印加する時間の長さを変え
れば、電子ビームが出力される時間の長さも変えること
ができるはずである。
【0012】したがって、表面伝導型放出素子を単純マ
トリクス配線したマルチ電子ビーム源はいろいろな応用
可能性があり、たとえば画像情報に応じた電気信号を適
宜印加すれば、画像表示装置用の電子源として好適に用
いることができる。次に、表面伝導型放出素子の特性に
ついて述べる。図3に、表面伝導型放出素子の印加電圧
Vfに対する放出電流Ieの特性の典型的な例を示す。
表面伝導型放出素子は、放出電流Ieに関して次の2つ
の特性を有している。第一に、ある電圧(これを閾値電
圧Vthと呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加する
と急激に放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧V
th未満の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されな
い。第二に、放出電流Ieは素子に印加する電圧Vfに
依存して変化するため、電圧Vfで放出電流Ieの大き
さを制御できる。これらの特性を利用し、印加電圧Vf
を制御することにより、発光輝度を制御することができ
るため、階調表示を行なうことが可能である。
【0013】次に、図4を参照して、表面伝導型放出素
子の印加電圧Vfに対する放出電流Ieの特性の典型的
な例の場合における、電圧制御による階調制御方法の説
明をする。図4において、n階調表示のために、放出電
流Ieにおいてn階調出す場合(Ie1〜Ien)の、
その時に必要な印加電圧(Vf1〜Vfn)を示してい
る。ここで、大きな放出電流(Ien付近)制御するた
めには、印加電圧のVfn付近での微少電圧制御が必要
となる。
【0014】このことは、高階調になればなるほど高印
加電圧部の微少電圧制御が難しくなることを示してい
る。そのため、必要な階調表示をすることができないこ
とがあり、かかるマルチ電子ビーム源を表示装置などに
応用する上で大きな問題となっていた。一方、表面伝導
型放出素子に対して通電フォーミングを行い電子放出部
を形成する際に、過大な電流が表面伝導型放出素子に流
れ込み、電子放出特性が著しく悪い表面伝導型放出素子
が形成される問題があった。
【0015】即ち、本発明の目的とするところは、上述
のような問題を克服した電子源とその駆動方法、それを
用いた画像形成法装置、並びにその製造方法を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電子源とその駆動方法、それを用いた画像
形成法装置、並びにその製造方法は以下の構成を備え
る。即ち、複数の表面伝導型放出素子が、行方向配線と
列方向配線とに接続されて、基板上に行列状に配列され
た電子源の駆動方法において、電圧変調駆動する際の印
加電圧に対する放出電流の関係がリニアリティを増加さ
せるために所定電圧値まで定抵抗状態を保つと共に、表
面伝導型放出素子の過電流を抑制させるために、前記所
定電圧値以上の電圧が印加されると定電流状態を保つ電
圧電流特性を有する非線形素子、及び、当該非線形素子
に直列に接続された前記表面伝導型放出素子に、前記行
方向配線及び前記列方向配線を介して、電圧変調信号を
印加する
【0017】また、別の発明は、複数の表面伝導型放出
素子が、行方向配線と列方向配線とに接続されて、基板
上に行列状に配列された電子源において、 電圧変調駆動
する際の印加電圧に対する放出電流の関係がリニアリテ
ィを増加させるために所定電圧値まで定抵抗状態を保つ
と共に、表面伝導型放出素子の過電流を抑制させるため
に、前記所定電圧値以上の電圧が印加されると定電流状
態を保つ電圧電流特性を有する非線形素子を、前記表面
伝導型放出素子に直列に接続する構造を有する
【0018】
【0019】
【0020】また、別の発明は、上述の電子源と、前記
電子源から放出される電子の照射により画像を形成する
画像形成部材とを有する。また、別の発明は、複数の表
面伝導型放出素子が、行方向配線と列方向配線とに接続
されて、基板上に行列状に配列された電子源の製造方法
において、 所定印加電圧値まで定抵抗状態を保つと共
に、過電流を抑制するために、前記所定電圧値以上の電
圧が印加されると定電流状態となる非線形素子を、前記
表面伝導型放出素子となる電子放出部形成用薄膜に直列
に接続し、 直列に接続された前記電子放出部形成用薄膜
と前記非線形素子に対して、パルス状の電圧信号を印加
することで、前記電子放出素子形成用薄膜に電子放出部
を形成させる通電フォーミング工程とを備える。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本実施
の形態について詳細に説明していく。まず最初に、本実
施の形態を実施する際に用いた表面伝導型放出素子につ
いて説明する。本実施の形態に用いる表面伝導型放出素
子は、材料や構造に特に制限があるわけではなく、例え
ば、従来技術に記載したものであってもよい。しかしな
がら、発明者らは、表面伝導型放出素子の中では、電子
放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成したもの
が電子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えること
を見いだしている。したがって、高輝度で大画面の画像
表示装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適
であると言える。 (好ましい表面伝導型放出素子の形態)好ましい表面伝
導型放出素子の基本的な構成には、平面型及び垂直型の
2つの構成があげられる。
【0022】次に、前記実施の形態の表示パネルに用い
たマルチ電子ビーム源の製造方法について説明する。本
実施の形態の画像表示装置に用いるマルチ電子ビーム源
は、表面伝導型放出素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、表面伝導型放出素子の材料や形状あるいは
製法に制限はない。そこで、まず好適な表面伝導型放出
素子について基本的な構成と製法および特性を説明し、
その後で多数の素子を単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。 (表面伝導型放出素子の好適な素子構成と製法)電子放
出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成する表面伝
導型放出素子の代表的な構成には、平面型と垂直型の2
種類があげられる。 (平面型の表面伝導型放出素子)まず最初に、平面型の
表面伝導型放出素子の素子構成と製法について説明す
る。図5,図6に示すのは、平面型の表面伝導型放出素
子の構成を説明するための平面図(図5)および断面図
(図6)である。図中、1101は基板、1102と1
103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は
通電フォーミング処理により形成した電子放出部、11
13は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0023】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2 を材料とする絶縁層
を積層した基板、シリコン基板をはじめとする半導体基
板などを用いることができる。また、基板1101上に
基板面と平行に対向して設けられた素子電極1102と
1103は、導電性を有する材料によって形成されてい
る。たとえば、Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,T
i,Cu,Pd,Ag等をはじめとする金属、あるいは
これらの金属の合金、あるいはIn23 −SnO2
はじめとする金属酸化物、ポリシリコンなどの半導体、
などの中から適宜材料を選択して用いればよい。電極を
形成するには、たとえば真空蒸着などの製膜技術とフォ
トリソグラフィー、エッチングなどのパターニング技術
を組み合わせて用いれば容易に形成できるが、それ以外
の方法(たとえば印刷技術)を用いて形成してもさしつ
かえない。
【0024】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0025】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0026】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。
【0027】具体的には、数オングストロームから数千
オングストロームの範囲のなかで設定するが、なかでも
好ましいのは10オングストロームから500オングス
トロームの間である。また、微粒子膜を形成するのに用
いられうる材料としては、たとえば、Pd,Pt,R
u,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Z
n,Sn,Ta,W,Pb,などをはじめとする金属
や、PdO,SnO2 ,In23 ,PbO,Sb2
3 ,などをはじめとする酸化物や、HfB2 ,ZrB
2 ,LaB6 ,CeB6 ,YB4 ,GdB4 などをはじ
めとする硼化物や、TiC,ZrC,HfC,TaC,
SiC,WC,などをはじめとする炭化物や、TiN,
ZrN,HfN,などをはじめとする窒化物や、Si,
Ge,などをはじめとする半導体や、カーボン、などが
あげられ、これらの中から適宜選択される。
【0028】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。なお、導電性薄膜1104と素子
電極1102および1103とは、電気的に良好に接続
されるのが望ましいため、互いの一部が重なりあうよう
な構造をとっている。その重なり方は、図5,6Bの例
においては、下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順
序で積層したが、場合によっては下から基板、導電性薄
膜、素子電極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0029】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図5,6Bにおいては模式的に示した。
【0030】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。
【0031】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図5,6Bにおいては
模式的に示した。また、平面図(図5)においては、薄
膜1113の一部を除去した素子を図示した。以上、好
ましい素子の基本構成を述べたが、実施の形態において
は以下のような素子を用いた。
【0032】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。微
粒子膜の主要材料としてPdもしくはPdOを用い、微
粒子膜の厚さは約100[オングストローム]、幅Wは
100[マイクロメータ]とした。
【0033】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図7A−7Eは、表面伝
導型放出素子の製造工程を説明するための断面図で、各
部材の表記は前記図5と同一である。 1)まず、図7Aに示すように、基板1101上に素子
電極1102および1103を形成する。
【0034】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる。(堆積する方法として
は、たとえば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術
を用ればよい。)その後、堆積した電極材料を、フォト
リソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニング
し、図7Aに示した一対の素子電極(1102と110
3)を形成する。
【0035】2)次に、図7Bに示すように、導電性薄
膜1104を形成する。形成するにあたっては、まず図
7Aの基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成
処理して微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー
・エッチングにより所定の形状にパターニングする。こ
こで、有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の
材料を主要元素とする有機金属化合物の溶液である。
(具体的には、本実施の形態では主要元素としてPdを
用いた。また、実施の形態では塗布方法として、ディッ
ピング法を用いたが、それ以外のたとえばスピンナー法
やスプレー法を用いてもよい。) また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成膜方法として
は、本実施の形態で用いた有機金属溶液の塗布による方
法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ法、あるいは
化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0036】3)次に、図7Cに示すように、フォーミ
ング用電源1110から素子電極1102と1103の
間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を行っ
て、電子放出部1105を形成する。通電フォーミング
処理とは、微粒子膜で作られた導電性薄膜1104に通
電を行って、その一部を適宜に破壊、変形、もしくは変
質せしめ、電子放出を行うのに好適な構造に変化させる
処理のことである。微粒子膜で作られた導電性薄膜のう
ち電子放出を行うのに好適な構造に変化した部分(すな
わち電子放出部1105)においては、薄膜に適当な亀
裂が形成されている。なお、電子放出部1105が形成
される前と比較すると、形成された後は素子電極110
2と1103の間で計測される電気抵抗は大幅に増加す
る。
【0037】通電方法をより詳しく説明するために、図
8に、フォーミング用電源1110から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄膜
をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好まし
く、本実施の形態の場合には同図に示したようにパルス
幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加
した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順
次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモ
ニターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三
角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計
1111で計測した。
【0038】実施の形態においては、たとえば10のマ
イナス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、
たとえばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2
を10[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに
0.1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス
印加するたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿
入した。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがない
ように、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に
設定した。そして、素子電極1102と1103の間の
電気抵抗が1x10の6乗[オーム]になった段階、す
なわちモニターパルス印加時に電流計1111で計測さ
れる電流が1x10のマイナス7乗[A]以下になった
段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0039】なお、上記の方法は、本実施の形態の表面
伝導型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば
微粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表
面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応
じて通電の条件を適宜変更するのが望ましい。 4)次に、図7Dに示すように、活性化用電源1112
から素子電極1102と1103の間に適宜の電圧を印
加し、通電活性化処理を行って、電子放出特性の改善を
行う。
【0040】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。(図においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。)なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0041】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0042】通電方法をより詳しく説明するために、図
9Aに、活性化用電源1112から印加する適宜の電圧
波形の一例を示す。本実施の形態においては、一定電圧
の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行った
が、具体的には,矩形波の電圧Vacは14[V],パ
ルス幅T3は,1[ミリ秒],パルス間隔T4は10
[ミリ秒]とした。
【0043】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。図7Dに示す11
14は,該表面伝導型放出素子から放出される放出電流
Ieを捕捉するためのアノード電極で、直流高電圧電源
1115および電流計1116が接続されている。(な
お、基板1101を、表示パネルの中に組み込んでから
活性化処理を行う場合には、表示パネルの蛍光面をアノ
ード電極1114として用いる。)活性化用電源111
2から電圧を印加する間、電流計1116で放出電流I
eを計測して通電活性化処理の進行状況をモニターし、
活性化用電源1112の動作を制御する。電流計111
6で計測された放出電流Ieの一例を図9Bに示すが、
活性化電源1112からパルス電圧を印加しはじめる
と、時間の経過とともに放出電流Ieは増加するが、や
がて飽和してほとんど増加しなくなる。このように、放
出電流Ieがほぼ飽和した時点で活性化用電源1112
からの電圧印加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0044】なお、上述の通電条件は、本実施の形態の
表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て条件を適宜変更するのが望ましい。以上のようにし
て、図7Eに示す平面型の表面伝導型放出素子を製造し
た。 (垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電子放出部もし
くはその周辺を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素
子のもうひとつの代表的な構成、すなわち垂直型の表面
伝導型放出素子の構成について説明する。
【0045】図10は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜、である。
垂直型が先に説明した平面型と異なる点は、素子電極の
うちの片方(1202)が段差形成部材1206上に設
けられており、導電性薄膜1204が段差形成部材12
06の側面を被覆している点にある。したがって、図5
−図6の平面型における素子電極間隔Lは、垂直型にお
いては段差形成部材1206の段差高Lsとして設定さ
れる。なお、基板1201、素子電極1202および1
203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1204、につい
ては、前記平面型の説明中に列挙した材料を同様に用い
ることが可能である。また、段差形成部材1206に
は、たとえばSiO2 のような電気的に絶縁性の材料を
用いる。
【0046】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図11A〜Fは、製造工程を説明す
るための断面図で、各部材の表記は図10と同一であ
る。 1)まず、図11Aに示すように、基板1201上に素
子電極1203を形成する。 2)次に、図11Bに示すように、段差形成部材を形成
するための絶縁層を積層する。絶縁層は、たとえばSi
2 をスパッタ法で積層すればよいが、たとえば真空蒸
着法や印刷法などの他の成膜方法を用いてもよい。
【0047】3)次に、図11Cに示すように、絶縁層
の上に素子電極1202を形成する。 4)次に、図11Dに示すように、絶縁層の一部を、た
とえばエッチング法を用いて除去し、素子電極1203
を露出させる。 5)次に、図11Eに示すように、微粒子膜を用いた導
電性薄膜1204を形成する。形成するには、前記平面
型の場合と同じく、たとえば塗布法などの成膜技術を用
いればよい。
【0048】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図7Cを用いて説明した平面型の通電フォーミング処
理と同様の処理を行えばよい。) 7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処理
を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を堆
積させる。(図7を用いて説明した平面型の通電活性化
処理と同様の処理を行えばよい。) 以上のようにして、図11Fに示す垂直型の表面伝導型
放出素子を製造した。 (表示装置に用いた表面伝導型放出素子の特性)以上、
平面型と垂直型の表面伝導型放出素子について素子構成
と製法を説明したが、次に表示装置に用いた素子の特性
について述べる。
【0049】図12に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、
これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータ
を変更することにより変化するものであるため、2本の
グラフは各々任意単位で図示した。
【0050】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。第一に、
ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)以上の大きさ
の電圧を素子に印加すると急激に放出電流Ieが増加す
るが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧では放出電流I
eはほとんど検出されない。
【0051】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。第二に、放
出電流Ieは素子に印加する電圧Vfに依存して変化す
るため、電圧Vfで放出電流Ieの大きさを制御でき
る。第三に、素子に印加する電圧Vfに対して素子から
放出される電流Ieの応答速度が速いため、電圧Vfを
印加する時間の長さによって素子から放出される電子の
電荷量を制御できる。
【0052】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば,多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた
表示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面
を順次走査して表示を行うことが可能である。すなわ
ち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧
Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には
閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を
順次切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査し
て表示を行うことが可能である。
【0053】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。 (多数素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム
源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基板上に
配列して単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源の
構造について述べる。
【0054】図13に示すのは、表示パネルに用いるマ
ルチ電子ビーム源の平面図である。基板上には、図5−
図6で示したものと同様な表面伝導型放出素子が配列さ
れ、これらの素子は行方向配線電極1003と列方向配
線電極1004により単純マトリクス状に配線されてい
る。行方向配線電極1003と列方向配線電極1004
の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成
されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0055】図13のA−A’に沿った断面を、図14
に示す。なお、このような構造のマルチ電子源は、あら
かじめ基板上に行方向配線電極1003、列方向配線電
極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導
型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方
向配線電極1003および列方向配線電極1004を介
して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性
化処理を行うことにより製造した。 (表示パネルの構成と製造法)次に、本実施の形態を適
用した画像表示装置の表示パネルの構成と製造法につい
て、具体的な例を示して説明する。
【0056】図15は、実施の形態に用いた表示パネル
の斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を
切り欠いて示している。図中、1005はリアプレー
ト、1006は側壁、1007はフェースプレートであ
り、1005〜1007により表示パネルの内部を真空
に維持するための気密容器を形成している。気密容器を
組み立てるにあたっては、各部材の接合部に十分な強度
と気密性を保持させるため封着する必要があるが、たと
えばフリットガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは
窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上焼
成することにより封着を達成した。気密容器内部を真空
に排気する方法については後述する。リアプレート10
05には、基板1001が固定されているが、該基板上
には表面伝導型放出素子1002がNxM個形成されて
いる。(N,Mは2以上の正の整数であり、目的とする
表示画素数に応じて適宜設定される。たとえば、高品位
テレビジョンの表示を目的とした表示装置においては、
N=3000,M=1000以上の数を設定することが
望ましい。本実施の形態においては、N=3072,M
=1024とした。)前記NxM個の表面伝導型放出素
子は、M本の行方向配線1003とN本の列方向配線1
004により単純マトリクス配線されている。前記、1
001〜1004によって構成される部分をマルチ電子
ビーム源と呼ぶ。なお、マルチ電子ビーム源の製造方法
や構造については、後で詳しく述べる。
【0057】本実施の形態においては、気密容器のリア
プレート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001
を固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板1
001が十分な強度を有するものである場合には、気密
容器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板1
001自体を用いてもよい。また、フェースプレート1
007の下面には、蛍光膜1008が形成されている。
本実施の形態はカラー表示装置であるため、蛍光膜10
08の部分にはCRTの分野で用いられる赤、緑、青、
の3原色の蛍光体が塗り分けられている。各色の蛍光体
は、たとえば図16Aに示すようにストライプ状に塗り
分けられ、蛍光体のストライプの間には黒色の導電体1
010が設けてある。黒色の導電体1010を設ける目
的は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表
示色にずれが生じないようにする事や、外光の反射を防
止して表示コントラストの低下を防ぐ事、電子ビームに
よる蛍光膜のチャージアップを防止する事などである。
黒色の導電体1010には、黒鉛を主成分として用いた
が、上記の目的に適するものであればこれ以外の材料を
用いても良い。
【0058】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図1
6Aに示したストライプ状の配列に限られるものではな
く、たとえば図16Bに示すようなデルタ状配列や、そ
れ以外の配列であってもよい。なお、モノクロームの表
示パネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料を蛍光
膜1008に用いればよく、また黒色導電材料は必ずし
も用いなくともよい。
【0059】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜100
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1008を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1009は、蛍光膜1008をフェースプレート
基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した。
なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1009は用いない。
【0060】また、本実施の形態では用いなかったが、
加速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、
フェースプレート基板1007と蛍光膜1008との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。また、Dx1〜DxmおよびDy1〜DynおよびHvは、
当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続す
るために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1
〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線1003と、
Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線1004
と、Hvはフェースプレートのメタルバック1009と
電気的に接続している。
【0061】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10-7[Torr]程度
の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、
気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前ある
いは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不
図示)を形成する。ゲッター膜とは、例えば、Baを主
成分とするゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱
により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜
の吸着作用により気密容器内は1x10-5乗ないしは1
x10-7[Torr]の真空度に維持される。
【0062】以上、本発明に係る一実施の形態の表示パ
ネルの基本構成と製法を説明した。 (表示・駆動)前述のようにして作成された表示パネル
で、表示動作を行なう為の電気回路構成を以下に例示す
る。図17は、NTSC方式のテレビ信号に基づきテレ
ビジョン表示を行なうための駆動回路の概略構成をブロ
ック化して示したもので、図中、101は前記表示パネ
ルであり、また、102は走査回路、103は制御回
路、104はシフトレジスタ、105はラインメモリ、
106は同期信号分離回路、107は変調信号発生器、
Vx及びVaは直流電圧源である。
【0063】以下、各部の機能を説明してゆく。まず、
表示パネル101は、端子Dx1ないしDxm、及び端
子Dy1ないしDyn、および高圧端子Hvを介して外
部の電気回路と接続している。このうち、端子Dx1な
いしDxmには、前記表示パネル内に設けられているマ
ルチ電子ビーム源、すなわちM行N列の行列状にマトリ
クス配線された表面伝導型放出素子群を一行(N素子)
ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が印加される。一
方、端子Dy1ないしDynには、前記走査信号により
選択された一行の表面伝導型放出素子の各素子の出力電
子ビームを制御するための変調信号が印加される。ま
た、高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば1
0K[V]の直流電圧が供給されるが、これは表面伝導
型放出素子より出力される電子ビームに蛍光体を励起す
るのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧であ
る。
【0064】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、各
スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしく
は0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxmと電気
的に接続するものである。S1ないしSmの各スイッチ
ング素子は、制御回路103が出力する制御信号Tsc
anに基づいて動作するものだが、実際には例えばFE
Tのようなスイッチング素子を組み合わせることにより
容易に構成することが可能である。
【0065】尚、前記直流電圧源Vxは、本実施の形態
の場合には、前記表面伝導型放出素子の特性に基づき7
[V]の一定電圧を出力するよう設定している。また、
制御回路103は、外部より入力する画像信号に基づい
て適切な表示が行われるように各部の動作を整合させる
働きをもつものである。次に説明する同期信号分離回路
106より送られる同期信号Tscanに基づいて、各
部に対してTscanおよびTsftおよびTmryの
各制御信号を発生する。尚、各制御信号のタイミングに
関しては、後に図22を用いて詳しく説明する。
【0066】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
して輝度信号成分とを分離するための回路で、良く知ら
れているように周波数分離(フィルター)回路を用いれ
ば、容易に構成できるものである。同期信号分離回路1
06により分離された同期信号は、良く知られるように
垂直同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明
の便宜上、Tsync信号として図示した。一方、前記
テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上
DATA信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104
に入力される。
【0067】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
ごとにシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路103より送られる制御信号Tsftに基づい
て動作する。(すなわち、制御信号Tsftは、シフト
レジスタ104のシフトクロックであると言い換えても
良い。)シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、Id1ないしIdnのN個の並列信号として前
記シフトレジスタ104より出力される。
【0068】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1ないしIdnのないようを記憶す
る。記憶されたないようは、I’d1ないしI’dnと
して出力され、変調信号発生器107に入力される。変
調信号発生器107は、前記画像データI’d1ないし
I’dnの各々に応じて、表面伝導型放出素子の各々を
適切に駆動変調するための信号源で、その出力信号は、
端子Dy1ないしDynを通じて表示パネル101内の
表面伝導型放出素子に印加される。変調信号発生器10
7としては、一定の長さの電圧パルスを発生するが入力
されるデータに応じて適宜電圧パルスの波高値を変調す
るような電圧変調方式のものを用いることが可能であ
る。
【0069】以上、図17に示された各部の機能につい
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図18ないし図
21を用いて前記表示パネル101の動作についてより
詳しく説明しておく。図示の便宜上、表示パネルの画素
数を6×6(すなわち M=N=6)として説明する
が、実際に用いる表示パネル101はこれよりもはるか
に多数の画素を備えたものであることは言うまでもな
い。
【0070】図18に示すのは、6行6列の行列状に所
望の非形成素子を直列に接続した表面伝導型放出素子を
マトリクス配線したマルチ電子ビーム源であり、説明
上、各素子を区別するためにD(1,1),D(1,
2)ないしはD(6,6)のように(X,Y)座標で位
置を示している。このようなマルチ電子ビーム源を駆動
して画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1
ラインを単位として、ライン順次に画像を形成する方法
をとっている。画像の1ラインに対応した電子放出素子
を駆動するには、Dx1ないしDx6のうち表示ライン
に対応する行の端子に0[V]を、それ以外の端子には
7[V]を印加する。それと同期して、当該ラインの画
像パターンにしたがってDy1ないしDy6の各端子に
変調信号を印加する。
【0071】例えば、図19に示すような画像パターン
を表示する場合を例にとって説明する。説明の便宜上、
画像パターンの発光部の輝度は等しく、例えば100
[フートランバート]相当であるとする。前記表示パネ
ル101においては、蛍光体に従来公知のP−22を用
い、加速電圧を10K[V]とし、画面表示の繰り返し
周波数を60[Hz]とし、電子放出素子として前記特
性の表面伝導型放出素子を用いたが、この場合には10
0[フートランバート]の輝度を得るのに、発光画素に
対応する素子には10マイクロ[秒]の間14[V]の
電圧を印加するのが適当であった。(尚、この数値は各
パラメータを変更すれば当然変わるべきものである。) そこで、図19の画像のうち、例えば第3ライン目を発
光させる期間中を例にとって説明する。図20は、前記
画像の第3ライン目を発光させる間に、端子Dx1ない
しDx6、および端子Dy1ないしDy6を通じてマル
チ電子ビーム源に印加する電圧値を示したもので、同図
から明らかなように、D(2,3),D(3,3),D
(4,3)の各表面伝導型放出素子には、14[V]が
印加されて電子ビームが出力される一方、上記3素子以
外は7[V](図中斜線で示す素子)もしくは0[V]
(図中白ぬきで示す様子)が印加されるが、これは電子
放出のしきい値電圧以下であるため、これらの素子から
は電子ビームは出力されない。
【0072】同様の方法で、他のラインについても図1
9の表示パターンにしたがってマルチ電子ビーム源を駆
動してゆくが、この様子を時系列的に示したのが図21
のタイムチャートである。同図に示すように、第1ライ
ンから順次1ラインずつ駆動して行くことにより1画面
の表示が行われるが、これを毎秒60画面の速さで繰り
返すことにより、ちらつきのない画像表示が可能とな
る。
【0073】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1な
いしDy6に印加される変調信号のパルスの電圧波高値
を14[V]よりも大きく(小さく)することにより変
調が可能である。以上、6×6のマルチ電子ビーム源を
例にとって、表示パネル101の駆動方法を説明した
が、次に図17の装置の全体動作について、図22のタ
イムチャートを参照しながら説明する。
【0074】図22中(1)に示すのは、外部から入力
するNTSC信号から同期信号分離回路106により聞
知された輝度信号DATAのタイミングであり、図に示
すように1ライン目データから順次2ライン目、3ライ
ン目と送られてくるが、これと同期して制御回路103
からシフトレジスタ104に対して図22の(2)に示
すようなシフトクロックTsftが出力される。
【0075】シフトレジスタ104に1ライン分のデー
タが蓄積されると、同図(3)に示す癩民具で、制御回
路103からラインメモリ105に対してメモリライト
信号Tmryが出力され、1ライン(N素子分)の駆動
データが書き込まれる。その結果、ラインメモリ105
の出力信号であるI’d1ないしI’dnのないようは
同図(4)に示すタイミングで変化する。
【0076】一方、走査回路102の動作を制御する制
御信号Tscanのないようは同図(5)に示すような
ものとなる。すなわち、1ライン目を駆動する場合に
は、走査回路102内のスイッチング素子S1のみが0
[V]で、他のスイッチング素子は7[V]、また2ラ
イン目を駆動する場合には、スイッチング素子S2のみ
が0[V]で他のスイッチング素子は7[V]、以下同
様というように動作が制御される。
【0077】また、これと同期して変調信号発生器10
7から表示パネル101に対しては、図22の(6)に
示すタイミングで変調信号が出力される。以上に説明し
た動作により、表示パネル101を用いてテレビジョン
の表示を行なうことが可能であった。尚、上記説明中、
特に記載しなかったが、シフトレジスタ104やライン
メモリ105は、デジタル信号式のものでもアナログ信
号式のものでも差し支えなく、要は画像信号のシリアル
/パラレル変換や記憶が所定の速度で行われればよい。
尚、デジタル信号式を用いる場合には、同期信号分離回
路106の出力信号DATAをデジタル信号化する必要
があるが、これは106の出力部にA/D変換器を備え
れば容易に可能であることは言うまでもない。
【0078】また、本実施の形態においてはNTSC方
式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行なう例を
示したが、本発明適用の表示パネルの応用はこれに限る
ものではない。他の方式のテレビジョン信号、あるい
は、計算機や画像メモリ、通信ネットワークなど種々の
画像信号源と直接あるいは間接に接続する表示装置に広
く用いることが可能であり、とりわけ大容量の画像を表
示する大画面の表示に好適である。
【0079】次に、前述した問題を解決した本発明の好
ましい実施の形態について、以下に実施の形態1〜実施
の形態6をあげて説明する。これらの実施の形態は、複
数の表面伝導型放出素子が、行列状に配置された電子源
の駆動方法、とりわけ、電圧制御型駆動方法に関するも
のであって、ある電圧値まで定抵抗状態を保ち、その電
圧値以上の電圧が印加されると定電流状態となる、電圧
電流特性を持つ素子を介して駆動する事によって簡易な
ガンマ補正をすることができる。更に、図23〜図26
を用いて詳しく説明する。
【0080】図23は、表面伝導型放出素子の印加電圧
Vfに対する素子電流If、放出電流Ieの一例を示し
た図である。この特性の表面伝導型放出素子に300Ω
の抵抗を直列に接続したところ、図24に示すように、
放出電流量は少なく減少するが、印加電圧Vfに対する
放出電流Ieのリニアリティが大きくなり、印加電圧の
大きいところでの放出電流の制御がし易くなった。更
に、図25のような電圧電流特性の非線形素子(定電流
素子)を上記の表面伝導型放出素子に直列に接続したと
ころ、図26に示すように、放出電流量は減少するが、
印加電圧Vfに対する放出電流Ieのリニアリティが大
きくなり、高印加電圧での放出電流の制御がし易くなっ
た。さらには、非線形素子の定電流特性により流れる電
流が制限されており、ノイズなどにより高電圧がかかっ
たとしても、表面伝導型放出素子には過度の電流が流れ
ることはなく、素子部が破壊されることを防いでいる。
本実施の形態は、以上の特性を利用している。 <実施の形態1>図28は、本実施の形態の電子源の駆
動の概略構成の一部を示す図である。
【0081】図28において、14は、表面伝導型放出
素子である。表面伝導型放出素子14は、M×Nのマト
リクス配置されている。18は定電流ダイオード素子で
あり、表面伝導型放出素子14と直列に接続されてい
る。これらの表面伝導型放出素子14および定電流ダイ
オード素子18により電子源素子1が形成される。電子
源素子1はM×Nのマトリクス上に配置され、表面伝導
型放出素子14を多数個備える電子源を構成する。
【0082】次に、本実施の形態の電子源について更に
説明する。電子源の一部の平面図を図29に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図30に示す。更に、本実
施の形態の電子源を製造するためのプロセスを図31A
−図31Kに示す。図29において、12は、行方向配
線であり、Dx1〜Dxnのn本の配線で構成される。
13は列方向配線であり、Dy1〜Dymのm本の配線
で構成される。
【0083】図30は、定電流ダイオードが形成されて
いるP型シリコン基板上に、電子放出素子である表面伝
導型放出素子を形成した電子源基板の一例を示す模式的
断面図である。電子源基板構造の上部は、SiO2より
なる絶縁層106で被覆され、正電極110、負電極1
11には、それぞれアルミ配線113、114が接続さ
れている。
【0084】図30において、101はP型シリコン基
板、12は行方向配線、13は列方向配線である。表面
伝導型放出素子14は、電子放出部形成用薄膜に通電フ
ォーミング処理を施すことにより電子放出部を含む薄膜
が形成される。P型シリコン基板101上に、二つのP
型領域に挟まれたN型の電流経路領域が形成されてお
り、負電極111は二つのP領域と電流経路の一端に接
続されている。また正電極110は電流経路の他の一端
に接続されて、定電流ダイオード18が形成される。
【0085】定電流素子18は、正電極110と負電極
111との間に形成され、正電極110は、アルミ配線
113により、表面伝導型放出素子14の電極116と
電気的に接続される。表面伝導型放出素子14のもう一
方の電極117は、アルミ配線120により、列方向配
線13と電気的に接続される。また、定電流素子の負電
極111は、アルミ配線114により、行方向配線12
と電気的に接続される。
【0086】次に、図31A−図31Kを参照して、図
30に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明す
る。図31A−図31Kは、この製造工程の一例を説明
するための模式的断面図である。第1の工程(図31A
参照)では、P型シリコン基板101を用意する。第2
の工程(図31B参照)では、P型シリコン基板101
上に、SiO2の絶縁層118を被覆し、フォトレジス
トを利用してパターン形成する。
【0087】第3の工程(図31C参照)では、シリコ
ン基板101の所望の領域(102)にN型の不純物
(導電性支配物質)を拡散し、第4の工程(図31D参
照)では、P型の不純物(導電性支配物質)を拡散する
ことにより電流経路(103)を形成する。定電流ダイ
オード素子の電流値はこの電流経路の不純物濃度とその
幅により決定されるので、所望の駆動特性を得るため
に、不純物濃度制御と拡散深さの制御には特別の配慮が
払われている。
【0088】第5の工程(図31E参照)では、SiO
2の絶縁層104を被覆し、フォトレジストを利用して
パターン形成し、正電極と負電極を接続する部分を形成
する。 第6の工程(図31F参照)では、電流経路の
N領域のみが露出している部分に正電極110が形成さ
れ、二つのP領域と電流経路が露出している部分に負電
極111を形成する。
【0089】第7の工程(図31G参照)では、列方向
配線13を配置する。第8の工程(図31H参照)で
は、その上に更に、SiO2の絶縁層107を被覆し、
また、そのパターニングを行なう。このSiO2の絶縁
層107は定電流素子各部の絶縁層としての機能に加
え、表面伝導型放出素子および配線電極を形成するため
の下地層にもなっている。
【0090】第9の工程(図31I参照)では、定電流
素子の正電極110と表面伝導型放出素子の電極116
を電気的に接続するためのアルミ配線113と、負電極
111と行方向配線12を電気的に接続するためのアル
ミ配線114と、列方向配線13と表面伝導型放出素子
の電極117を電気的に接続するためのアルミ配線12
0を配置する。
【0091】第10の工程(図31J参照)では、行方
向配線12をアルミ配線114と電気的に接続するよう
に形成する。以上説明した工程では、定電流素子を形成
するために、シリコン基板を用いたが、これに限られる
ものではなく、例えば、Ga−As基板でも良い。第1
1の工程(図31K参照)では、表面伝導型放出素子1
4を形成する。この表面伝導型放出素子14の形成方法
を、次に、図32を参照して詳細に説明する。
【0092】図32は、本工程に係わる表面伝導型放出
素子14を形成する電子放出部形成用薄膜32マスクの
平面図の一部を示す。このマスクは、素子間ギャップ
G、およびこの近傍に開口を有し、膜厚オングストロー
ムのCr膜(不図示)を真空蒸着により堆積・パターニ
ングする。そして、この上に有機Pdをスピンナーによ
り回転塗布後、300℃で10分間の加熱焼成処理を行
い、Pdからなる電子放出部形成用薄膜形成する。この
ようにして形成された電子放出部形成用薄膜は、Pdを
主元素とする微粒子から構成され、その膜厚は100オ
ングストローム、シート抵抗値は5×104Ω/□であ
る。尚、15bと15cは、それぞれ素子電極である。
【0093】尚、ここで述べる微粒子膜とは、上述した
ように複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造
としては微粒子がここに分散配置した状態のみならず、
微粒子が互いに隣接、或いは、重なりあった状態(島上
も含む)の膜をも指す。また、その粒径とは、前記状態
で粒子形状が忍式可能な微粒子についての径をいう。C
r膜(不図示)および焼成後の電子放出部形成用薄膜
を、酸エッチャントによりウェットエッチングして、所
望のパターンを形成する。このようにして形成された電
子放出部形成用薄膜に、前述のフォーミング処理を施す
ことにより表面伝導型電子放出素子14を形成する。
【0094】以上説明した工程により、同一基板上に行
方向配線12、層間絶縁層106、列方向配線13、素
子電極116、117、電子放出部形成用薄膜14、ダ
イオード素子18等を形成し、表面伝導型放出素子の単
純マトリクス配線基板が形成される(図29参照)。
尚、上記工程は薄膜、フォトリングラフィ、エッチング
等の技術を用いた例であるが、これに限られるものでは
なく、配線形成技術である印刷等を用いてもよいし、そ
の他種々の技術によっても良い。
【0095】また、各部材の材料にも自由度があり、例
えば、配線材料は通常電極材として使用されるものであ
ればよく、Au,Ag,Cu,Al,Ni,W,Ti,
Crなどがあげられる。層間絶縁層106もシリコン酸
化膜の他にMgO,TiO2,Ta25,Al23およ
びこれらの積層物、混合物などがあげられる。また素子
電極は先にあげた配線材料以外にも導電性を有する他の
材料を用いてもよい。
【0096】次に、上述の製造方法を、画像形成装置の
製造に応用した例について図33を参照しながら説明す
る。図33は、上述した図15の表示パネルの構成と基
本的に同じであるが、本実施の形態では、電子源素子の
構成として上述した表面伝導型放出素子とダイオード素
子の連接構成のものを用いる点が異なる。図33を参照
して、多数の平面型表面伝導型放出素子を形成した電子
源(図33の271に対応する)をリアプレート281
上に固定した後、基板271の、例えば5mm上方に、
フェースプレート286(ガラス基板283の内面に蛍
光膜284とメタルバック285が形成されて構成され
る)を支持枠282を介して配置する。フェースプレー
ト286、支持枠282及びリアプレート281の接合
部には、フリットガラスを塗布し、大気中或いは窒素雰
囲気中で、加熱することで逢着する。また、リアプレー
ト281への基板11の固定もフリットガラスで行な
う。274は、表面伝導型放出素子及びダイオード素子
より構成される電子源素子である。また、272、27
3は、それぞれ行方向及び列方向配線である。
【0097】蛍光膜284は、モノクロームの場合は蛍
光体のみからなるが、本実施の形態では、蛍光体はスト
ライプ形状を採用し、先にブラックストライプを形成
し、その間隙部に赤、緑、青の蛍光体を塗布し、蛍光膜
284を作製する。ブラックストライプの材料として通
常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料を用い
る。
【0098】ガラス基板283に蛍光体を塗布する方法
として、本実施の形態では、スラリー法を用いた。ま
た、蛍光膜284の内面側には、通常、メタルバック2
85が設けられる。メタルバック285は、蛍光膜製作
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フォルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空上着するこ
とで作製する。
【0099】フェースプレート286には、更に蛍光膜
284の導電性を高めるため、蛍光膜284の外面側
に、透明電極(不図示)を設ける場合もあるが、本実施
の形態では、メタルバックのみで十分な導電性が得られ
るので省略した。更に、前述の封着を行なう際、カラー
の場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくて
はいけないため、十分な位置合わせを行なう。
【0100】以上のようにして、構成されたガラス容器
内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排
気し、十分な真空度に達した後、容器外端子DOX1な
いしDOXmとDOY1ないしDOYnを通じ、電子放
出素子1の素子電極間に電圧を印加し、電子放出形成用
薄膜14に対して前述のフォーミング処理を行って、電
子放出部を有する電子放出素子を形成する。
【0101】次に、全ての表面伝導型放出素子のフォー
ミングが終了後、1×10-6トール程度の真空度で、不
図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し、外
囲器の封止を行った。最後に封止後の真空度を維持する
ために、ゲッター処理を行った。これは、封止を行う直
前に、高周波加熱等の加熱法により、画像形成装置内の
所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、
蒸着膜を形成する処理した。ゲッターはBa等を主成分
とした。
【0102】以上のように、構成された本実施の形態の
画像形成装置において、各電子放出素子には、容器外端
子DX1〜DXm、DY1〜DYnを通じ、走査信号及
び変調信号を不図示の信号発生部により、それぞれ印加
することにより、電子放出され、高圧端子Hvを通じ、
メタルバック285、或いは透明電極(不図示)に数k
V以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜2
84に衝突させ、励起・発光させることで画像を形成さ
せる。
【0103】以上述べた概略工程は、画像形成装置を作
製する上で必要であるが、例えば、各部材の材料等、詳
細な部分は上述ないように限られるものではなく、画像
形成装置の用途に適するように適宜選択されるのは言う
までもない。以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、複数の表面伝導型放出素子が、行列上に配置された
電子源を電圧変調駆動をする際に、非線形素子の作用に
より、簡易なガンマ補正をすることが可能であると同時
に、過度の電流が流れることにより素子の破壊を防止す
る。 <実施の形態2>実施の形態1では、表面伝導型放出素
子に直列に形成する定電流素子を定電流ダイオードを用
いたが、実施の形態2では、定電流素子としてトランジ
スタを用いる一例を示す。
【0104】図34は、本実施の形態の電子源の駆動の
概略構成の一部を示す図である。図34において、14
は、表面伝導型放出素子である。表面伝導型放出素子1
4は、M×Nのマトリクス配置となっている。318は
トランジスタを用いた定電流素子であり、表面伝導型放
出素子14と直列に接続されている。これらの表面伝導
型放出素子14およびトランジスタを用いた定電流素子
318により電子源素子1が形成される。電子源素子1
はM×Nのマトリクス上に配置され、表面伝導型放出素
子14を多数個備える電子源を構成する。
【0105】次に、本実施の形態の電子源について更に
説明する。電子源の一部の平面図を図35に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図36に示す。更に、本実
施の形態の電子源を製造するためのプロセスを図37A
−図37Jに示す。図36において、12は、行方向配
線であり、Dx1〜Dxnのn本の配線で構成される。
13は列方向配線であり、Dy1〜Dymのm本の配線
で構成される。
【0106】図36は、トランジスタが形成されている
P型シリコン基板上に、電子放出素子である表面伝導型
放出素子を形成した電子源基板の一例を示す模式的断面
図である。電子源基板構造の上部は、SiO2よりなる
絶縁層406で被覆され、正電極410、負電極411
には、それぞれアルミ配線413、414が接続されて
いる。
【0107】図36において、401はP型シリコン基
板、12は行方向配線、13は列方向配線である。表面
伝導型放出素子14は、電子放出部形成用薄膜に通電フ
ォーミング処理を施すことにより電子放出部を含む薄膜
が形成される。P型シリコン基板401上に、トランジ
スタ(MOSFET)318が形成され、そのドレイン
電極405とゲート電極404は共に正電極410に接
続されている。
【0108】また、ソース電極403は負電極411に
接続されている。これらの定電流素子は、正電極410
と負電極411との間に形成され、正電極410は、ア
ルミ配線413により、表面伝導型放出素子14の電極
416と電気的に接続される。表面伝導型放出素子14
のもう一方の電極417は、アルミ配線420により、
列方向配線13と電気的に接続される。また、定電流素
子の負電極411は、アルミ配線414により、行方向
配線12と電気的に接続される。
【0109】次に、図37A−図37Jを参照して、図
37に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明す
る。図37A−図37Jは、この製造工程の一例を説明
するための模式的断面図である。第1の工程(図37A
参照)では、P型シリコン基板401を用意する。第2
の工程(図37B参照)では、P型シリコン基板401
上に、SiO2の絶縁層418を被覆し、フォトレジス
トを利用してパターン形成する。
【0110】第3の工程(図37C参照)では、シリコ
ン基板401の所望の領域(402)にN型の不純物
(導電性支配物質)を拡散する。トランジスタのドレイ
ン電流はチャネル内の不純物濃度、ゲート部絶縁層膜の
誘電率・厚さ、チャネル幅、及びチャネル長により決定
されるので、所望の駆動特性を得るために、これらの制
御には特別の配慮が払われている。
【0111】第4の工程(図37D参照)では、ゲート
電極404を形成する。第5の工程(図37E参照)で
は、SiO2の絶縁層407を被覆し、フォトレジスト
を利用してパターン形成する。第6の工程(図37F参
照)では、ソース電極403、ドレイン電極405を形
成する。更に、ゲート電極404とドレイン電極405
を接続させた正電極410を形成する。負電極411は
ソース電極403である。更に、絶縁層418上に列方
向配線13を配置する。
【0112】第7の工程(図37G参照)ではその上に
更に、SiO2の絶縁層408を被覆し、またそのパタ
ーニングを行なう。第8の工程(図37H参照)では、
定電流素子の正電極410と表面伝導型放出素子の電極
416を電気的に接続するためのアルミ配線413と、
負電極411と行方向配線12を電気的に接続するため
のアルミ配線414と、列方向配線13と表面伝導型放
出素子の電極417を電気的に接続するためのアルミ配
線420を配置する。
【0113】第9の工程(図37I参照)では、行方向
配線12をアルミ配線414と電気的に接続するように
形成する。以上説明した工程では、定電流素子を形成す
るために、シリコン基板を用いたが、これに限られるも
のではなく、例えば、Ga−As基板でも良い第10の
工程(図37J参照)では、表面伝導型放出素子14を
形成する。形成法は、実施の形態1と同一である。
【0114】以上説明した工程では、トランジスタを形
成するために、半導体基板上にFET(電解効果トラン
ジスタ)を形成したが、ガラス基板等の絶縁性基板上に
TFT(電解効果型薄膜トランジスタ)を形成したもの
を用いても良い。 <実施の形態3>実施の形態1、実施の形態2では、表
面伝導型放出素子に直列に形成する定電流素子を形成し
たが、実施の形態3では、定電流素子を列方向配線端に
形成した場合の一例を示す。
【0115】図38は、本実施の形態の電子源の駆動の
概略構成の一部を示す図である。図38において、14
は、表面伝導型放出素子である。本実施の形態において
は、表面伝導型放出素子14のみで電子源素子1が形成
され、M×Nのマトリクス配置となっている。12は行
方向配線、13は列方向配線である。518は定電流ダ
イオード素子であり、行方向配線12の端に形成されて
いる。このようにM×Nのマトリクス上に配置された表
面伝導型放出素子14を多数個備える電子源を構成す
る。
【0116】次に、本実施の形態の電子源について更に
説明する。電子源の一部の平面図を図39に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図40に示す。更に、本実
施の形態の電子源を製造するためのプロセスを図41A
−図41Kに示す。図39において、12は、行方向配
線であり、Dx1〜Dxnのn本の配線で構成される。
13は列方向配線であり、Dy1〜Dymのm本の配線
で構成される。そして、列方向配線13の端には定電流
ダイオード素子が形成されている。
【0117】図40は、定電流ダイオードが形成されて
いるP型シリコン基板上に、電子放出素子である表面伝
導型放出素子を形成した電子源基板の一例を示す模式的
断面図である。図40において、501はP型シリコン
基板、12は行方向配線、13は列方向配線である。表
面伝導型放出素子14は、電子放出部形成用薄膜に定電
流素子518を介して通電フォーミング処理を施すこと
により電子放出部を含む薄膜が形成される。
【0118】P型シリコン基板501上に、二つのP型
領域に挟まれたN型の電流経路領域が形成されており、
負電極511は二つのP領域と電流経路の一端に接続さ
れている。また、正電極510は電流経路の他の一端に
接続されて、定電流ダイオード素子518が形成され
る。これらの定電流素子は、正電極510と負電極51
1との間に形成され、正電極510は、負電極511と
もに、列方向配線13と電気的に接続される。
【0119】次に、図41A−図41Kを参照して、図
40に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明す
る。図41A−図41Kは、この製造工程の一例を説明
するための模式的断面図である。第1の工程(図41A
参照)では、P型シリコン基板501を用意する。第2
の工程(図41B参照)では、P型シリコン基板501
上に、SiO2の絶縁層505を被覆し、フォトレジス
トを利用してパターン形成する。
【0120】第3の工程(図41C参照)では、シリコ
ン基板501の所望の領域(502)にN型の不純物
(導電性支配物質)を拡散し、第4の工程(図41D参
照)では、P型の不純物(導電性支配物質)を拡散する
ことにより電流経路(503)を形成する。定電流ダイ
オード素子の電流値はこの電流経路の不純物濃度とその
幅により決定されるので、所望の駆動特性を得るため
に、不純物濃度制御と拡散深さの制御には特別の配慮が
払われている。
【0121】第5の工程(図41E参照)では、SiO
2の絶縁層504を被覆し、フォトレジストを利用して
パターン形成し、正電極と負電極を接続する部分を形成
する。 第6の工程(図41F参照)では、電流経路の
N領域のみが露出している部分に正電極510が形成さ
れ、二つのP領域と電流経路が露出している部分に負電
極511を形成する。
【0122】第7の工程(図41G参照)では、列方向
配線13を配置する。第8の工程(図41H参照)で
は、その上に更に、SiO2の絶縁層506を被覆し、
また、そのパターニングを行なう。第9の工程(図41
I参照)では、行方向配線12と表面伝導型放出素子の
電極516を電気的に接続するためのアルミ配線512
と、列方向配線13と表面伝導型放出素子の電極517
を電気的に接続するためのアルミ配線513を配置す
る。
【0123】第10の工程(図41J参照)では、行方
向配線12をアルミ配線512と電気的に接続するよう
に形成する。以上説明した工程では、定電流素子を形成
するために、シリコン基板を用いたが、これに限られる
ものではなく、例えば、Ga−As基板でも良い。第1
1の工程(図41K参照)では、表面伝導型放出素子1
4を形成する。形成法は、実施の形態1と同一である。 <実施の形態4>実施の形態1では、表面伝導型放出素
子に直列に形成する定電流素子を定電流ダイオードを用
いたが、実施の形態4では、定電流素子としてトランジ
スタを用いる一例を示す。
【0124】図42は、本実施の形態の電子源の駆動の
概略構成の一部を示す図である。図42において、14
は、表面伝導型放出素子である。本実施の形態において
は、表面伝導型放出素子14のみで電子源素子が形成さ
れ、M×Nのマトリクス配置となっている。12は行方
向配線、13は列方向配線である。618はトランジス
タを用いた定電流素子であり、行方向配線12の端に形
成されている。このようにM×Nのマトリクス上に配置
された表面伝導型放出素子14を多数個備える電子源を
構成する。
【0125】次に、本実施の形態の電子源について更に
説明する。電子源の一部の平面図を図43に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図44に示す。更に、本実
施の形態の電子源を製造するためのプロセスを図45A
−図45Kに示す。図43において、12は、行方向配
線であり、Dx1〜Dxnのn本の配線で構成される。
13は列方向配線であり、Dy1〜Dymのm本の配線
で構成される。そして、列方向配線13の端にはトラン
ジスタを用いた定電流素子が形成されている。
【0126】図44は、トランジスタを用いた定電流素
子618が形成されているP型シリコン基板上に、電子
放出素子である表面伝導型放出素子を形成した電子源基
板の一例を示す模式的断面図である。図44において、
601はP型シリコン基板、12は行方向配線、13は
列方向配線である。表面伝導型放出素子14は、電子放
出部形成用薄膜に定電流素子618を介して通電フォー
ミング処理を施すことにより電子放出部を含む薄膜が形
成される。
【0127】P型シリコン基板601上に、トランジス
タ(MOSFET)618が形成され、そのドレイン電
極605とゲート電極604はともに正電極610に接
続されている。また、ソース電極603は負電極611
に接続されている。定電流素子618は、正電極610
と負電極611との間に形成され、正電極610は、負
電極611ともに、列方向配線13と電気的に接続され
る。
【0128】次に、図45A−図45Kを参照して、図
44に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明す
る。図45A−図45Kは、この製造工程の一例を説明
するための模式的断面図である。第1の工程(図45A
参照)では、P型シリコン基板601を用意する。第2
の工程(図45B参照)では、P型シリコン基板601
上に、SiO2の絶縁層605を被覆し、フォトレジス
トを利用してパターン形成する。
【0129】第3の工程(図45C参照)では、シリコ
ン基板601の所望の領域(602)にN型の不純物
(導電性支配物質)を拡散する。トランジスタのドレイ
ン電流はチャネル内の不純物濃度、ゲート部絶縁層膜の
誘電率・厚さ、チャネル幅、及びチャネル長により決定
されるので、所望の駆動特性を得るために、これらの制
御には特別の配慮が払われている。
【0130】第4の工程(図45D参照)では、ゲート
電極604を形成する。第5の工程(図45E参照)で
は、SiO2の絶縁層607を被覆し、フォトレジスト
を利用してパターン形成する。第6の工程(図45F参
照)では、ソース電極603、ドレイン電極605を形
成する。更に、ゲート電極604とドレイン電極605
を接続させた正電極610を形成する。負電極611は
ソース電極603である。
【0131】第7の工程(図45G参照)では、正電極
610、負電極611のそれぞれに接続するように、列
方向配線13を配置する。第8の工程(図45H参照)
では、その上に更に、SiO2の絶縁層606を被覆
し、また、そのパターニングを行なう。第9の工程(図
45I参照)では、表面伝導型放出素子の電極616と
行方向配線12を電気的に接続するためのアルミ配線6
12と、列方向配線13と表面伝導型放出素子の電極6
17を電気的に接続するためのアルミ配線613を配置
する。
【0132】第10の工程(図45J参照)では、行方
向配線12をアルミ配線612と電気的に接続するよう
に形成する。以上説明した工程では、定電流素子を形成
するために、シリコン基板を用いたが、これに限られる
ものではなく、例えば、Ga−As基板でも良い。第1
1の工程(図45K参照)では、表面伝導型放出素子1
4を形成する。形成法は、実施の形態1と同一である。
【0133】以上説明した工程では、トランジスタを形
成するために、半導体基板上にFET(電解効果トラン
ジスタ)を形成したが、ガラス基板等の絶縁性基板上に
TFT(電解効果型薄膜トランジスタ)を形成したもの
を用いても良い。 <実施の形態5>実施の形態1、実施の形態2では、表
面伝導型放出素子に直列に形成する定電流素子を形成し
たが、実施の形態5では、定電流素子を行方向配線端に
形成した場合の一例を示す。
【0134】図46は、本実施の形態の電子源の駆動の
概略構成の一部を示す図である。図46において、14
は、表面伝導型放出素子である。本実施の形態において
は、表面伝導型放出素子14のみで電子源素子1が形成
され、M×Nのマトリクス配置となっている。12は行
方向配線、13は列方向配線である。718は定電流ダ
イオード素子であり、行方向配線12の端に形成されて
いる。このようにM×Nのマトリクス上に配置された表
面伝導型放出素子14を多数個備える電子源を構成す
る。
【0135】次に、本実施の形態の電子源について更に
説明する。電子源の一部の平面図を図47に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図48に示す。更に、本実
施の形態の電子源を製造するためのプロセスを図49A
−図49Lに示す。図47において、12は、行方向配
線であり、Dx1〜Dxnのn本の配線で構成される。
13は列方向配線であり、Dy1〜Dymのm本の配線
で構成される。そして、行方向配線12の端には定電流
ダイオード素子が形成されている。
【0136】図48は、定電流ダイオードが形成されて
いるP型シリコン基板上に、電子放出素子である表面伝
導型放出素子を形成した電子源基板の一例を示す模式的
断面図である。図48において、701はP型シリコン
基板、12は行方向配線、13は列方向配線である。表
面伝導型放出素子14は、電子放出部形成薄膜に定電流
素子718を介して通電フォーミング処理を施すことに
より電子放出部を含む薄膜が形成される。
【0137】P型シリコン基板701上に、二つのP型
領域に挟まれたN型の電流経路領域が形成されており、
負電極711は二つのP領域と電流経路の一端に接続さ
れている。また、正電極710は電流経路の他の一端に
接続されて、定電流ダイオード素子718が形成され
る。定電流素子718は、正電極710と負電極711
との間に形成され、正電極710は、負電極711とも
に、列方向配線13と電気的に接続される。
【0138】次に、図49A−図49Lを参照して、図
48に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明す
る。図49A−図49Lは、この製造工程の一例を説明
するための模式的断面図である。第1の工程(図49A
参照)では、P型シリコン基板701を用意する。第2
の工程(図49B参照)では、P型シリコン基板701
上に、SiO2の絶縁層705を被覆し、フォトレジス
トを利用してパターン形成する。
【0139】第3の工程(図49C参照)では、シリコ
ン基板701の所望の領域(702)にN型の不純物
(導電性支配物質)を拡散し、第4の工程(図49D参
照)では、P型の不純物(導電性支配物質)を拡散する
ことにより電流経路(703)を形成する。定電流ダイ
オード素子の電流値はこの電流経路の不純物濃度とその
幅により決定されるので、所望の駆動特性を得るため
に、不純物濃度制御と拡散深さの制御には特別の配慮が
払われている。
【0140】第5の工程(図49E参照)では、SiO
2の絶縁層704を被覆し、フォトレジストを利用して
パターン形成し、正電極と負電極を接続する部分を形成
する。第6の工程(図49F参照)では、電流経路のN
領域のみが露出している部分に正電極710が形成さ
れ、二つのP領域と電流経路が露出している部分に負電
極711を形成する。
【0141】第7の工程(図49G参照)では、SiO
2の絶縁層707を被覆し、またそのパターニングを行
なう。第8の工程(図49H参照)では、列方向配線1
3を配置する。第9の工程(図49I参照)では、その
上に更に、SiO2の絶縁層706を被覆し、またその
パターニングを行なう。
【0142】第10の工程(図49J参照)では、行方
向配線12と表面伝導型放出素子の電極716を電気的
に接続するためのアルミ配線712と、列方向配線13
と表面伝導型放出素子の電極717を電気的に接続する
ためのアルミ配線713を配置する。第11の工程(図
49K参照)では、行方向配線12をアルミ配線712
と電気的に接続するように形成する。
【0143】以上説明した工程では、定電流素子を形成
するために、シリコン基板を用いたが、これに限られる
ものではなく、例えば、Ga−As基板でも良い。第1
2の工程(図49L参照)では、表面伝導型放出素子1
4を形成する。形成法は、実施の形態1と同一である。 <実施の形態6>実施の形態5では、表面伝導型放出素
子に直列に形成する定電流素子を定電流ダイオードを用
いたが、実施の形態6では、定電流素子としてトランジ
スタを用いる一例を示す。
【0144】図50は、本実施の形態の電子源の駆動の
概略構成の一部を示す図である。図50において、14
は、表面伝導型放出素子であり、電子放出部形成用薄膜
(14の内部)に通電フォーミング処理を実行すること
により、電子放出部を含む薄膜が形成されるものであ
る。本実施の形態においては、表面伝導型放出素子14
のみで電子源素子が形成され、M×Nのマトリクス配置
となっている。12は行方向配線、13は列方向配線で
ある。818はトランジスタを用いた定電流素子であ
り、行方向配線12の端に形成されている。このよう
に、M×Nのマトリクス上に配置された表面伝導型放出
素子14を多数個備える電子源を構成する。
【0145】次に、本実施の形態の電子源について更に
説明する。電子源の一部の平面図を図51に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図52に示す。更に、本実
施の形態の電子源を製造するためのプロセスを図53Q
Aー図53に示す。図51において、12は、行方向配
線であり、Dx1〜Dxnのn本の配線で構成される。
13は列方向配線であり、Dy1〜Dymのm本の配線
で構成される。そして、列方向配線12の端にはトラン
ジスタを用いた定電流素子が形成されている。
【0146】図52は、トランジスタを用いた定電流素
子が形成されているP型シリコン基板上に、電子放出素
子である表面伝導型放出素子を形成した電子源基板の一
例を示す模式的断面図である。図52において、801
はP型シリコン基板、12は行方向配線、13は列方向
配線である。表面伝導型放出素子14は、電子放出部形
成用薄膜に定電流素子818を介して通電フォーミング
処理を施すことにより電子放出部を含む薄膜が形成され
る。
【0147】P型シリコン基板801上に、トランジス
タ(MOSFET)818が形成され、そのドレイン電
極805は正電極810に接続されている。またゲート
電極804とソース電極803はともに負電極811に
接続されている。これらの定電流素子は、正電極810
と負電極811との間に形成され、正電極810は、負
電極811ともに、列方向配線13と電気的に接続され
る。
【0148】次に、図53Aー図53Lを参照して、図
52に示した構造の機能素子の製造工程の一例を説明す
る。図53Aー図53Lは、この製造工程の一例を説明
するための模式的断面図である。第1の工程(図53A
参照)では、P型シリコン基板801を用意する。第2
の工程(図53B参照)では、P型シリコン基板801
上に、SiO2の絶縁層805を被覆し、フォトレジス
トを利用してパターン形成する。
【0149】第3の工程(図53C参照)では、シリコ
ン基板801の所望の領域(802)にN型の不純物
(導電性支配物質)を拡散する。トランジスタのドレイ
ン電流はチャネル内の不純物濃度、ゲート部絶縁層膜の
誘電率・厚さ、チャネル幅、及びチャネル長により決定
されるので、所望の駆動特性を得るために、これらの制
御には特別の配慮が払われている。
【0150】第4の工程(図53D参照)では、ゲート
電極804を形成する。第5の工程(図53E参照)で
は、SiO2の絶縁層807を被覆し、フォトレジスト
を利用してパターン形成する。第6の工程(図53F参
照)では、ソース電極803、ドレイン電極805を形
成する。更に、ゲート電極804とドレイン電極805
を接続させた正電極810を形成する。負電極811は
ソース電極803である。
【0151】第7の工程(図53G参照)では、その上
に更に、SiO2の絶縁層809を被覆し、またそのパ
ターニングを行なう第8の工程(図53H参照)では正
電極810、負電極811のそれぞれに接続するよう
に、列方向配線13を配置する。第9の工程(図53I
参照)では、その上に更に、SiO2の絶縁層808を
被覆し、またそのパターニングを行なう。
【0152】第10の工程(図53J参照)では、表面
伝導型放出素子の電極816と行方向配線12を電気的
に接続するためのアルミ配線812と、列方向配線13
と表面伝導型放出素子の電極817を電気的に接続する
ためのアルミ配線813を配置する。第11の工程(図
53K参照)では、行方向配線12をアルミ配線812
と電気的に接続するように形成する。
【0153】以上説明した工程では、定電流素子を形成
するために、シリコン基板を用いたが、これに限られる
ものではなく、例えば、Ga−As基板でも良い第12
の工程(図53L参照)では、表面伝導型放出素子14
を形成する。形成法は、実施の形態1と同一である。以
上説明した工程では、トランジスタを形成するために、
半導体基板上にFET(電解効果トランジスタ)を形成
したが、ガラス基板等の絶縁性基板上にTFT(電解効
果型薄膜トランジスタ)を形成したものを用いても良
い。
【0154】以上説明した実施の形態によれば、複数の
表面伝導型放出素子が、行列状に配置された電子源を電
圧変調駆動をする際に、非線形素子の作用により、印加
電圧に対する放出電流のリニアリティを増すことがで
き、簡易なガンマ補正をすることが可能である。次に、
本発明に係る一実施の形態の表面伝導型放出素子のフォ
ーミングを行う際での前述した問題を解決する好ましい
実施の形態について、以下に説明する。 <実施の形態7>実施の形態7は、複数の表面伝導型放
出素子が、行列状に配置された電子源の製造方法、とり
わけ、通電フォーミング処理方法に関するものであっ
て、表面伝導型放出素子の電子放出部が形成される前の
導電性膜に、非線形な電圧電流特性を有する非線形素子
を介して通電フォーミング処理を行うことで、均一な素
子を形成するものである。
【0155】この接続された非線形素子が通電フォーミ
ング時に流れる過大な電流を遮断するように作用するの
で、導電性膜に過大な電流が流れることによる電子放出
特性の著しく悪い表面伝導型放出素子を形成することを
防ぐことが出来る。図54は、本実施の形態における通
電フォーミングを行う電気回路の概略構成を示したブロ
ック図である。
【0156】図54において、14は、表面伝導型放出
素子であり、電子放出部形成用薄膜(14の内部)に通
電フォーミング処理を実行することにより、電子放出部
を含む薄膜が形成されるものである。表面伝導型放出素
子14は、M×Nのマトリクス配置となっている。18
は定電流ダイオード素子であり、表面伝導型放出素子1
4と直列に接続されている。これらの表面伝導型放出素
子14及び定電流ダイオード素子18により電子源素子
1が形成される。電子源素子1はM×Nのマトリクス上
に配置され、表面伝導型放出素子14を多数個備える電
子源3(以降電子源3と称する)を構成する。4はパル
ス発生電源であり、フォーミングパルスを発生する。
【0157】5,6はスイッチング回路であり、7は制
御回路である。スイッチング回路5は、行方向配線の端
子DX1〜DXmにパルス発生電源4からのフォーミングパ
ルスを印加するかグランドに接地するかを切り換えるス
イッチング素子と、フォーミングを行う素子を選択する
ために、列方向配線の端子DY1〜DYnを選択するスイッ
チ素子とからなる。スイッチング回路6は、列方向配線
の端子DY1〜DYnをグランドに接続するか、電位Vyの
状態にするかを切り換えるスイッチ素子からなる。ま
た、スイッチング回路5,6は複数の端子を同時に選択
することも可能である。また、制御回路7は、スイッチ
ング回路5,6の切替動作、及びパルス発生電源4のパ
ルス発生タイミング及びパルスの昇圧を制御する。
【0158】定電流ダイオード素子18は、図55に示
すような電圧電流特性を持ち、電子放出部形成用薄膜
(14の内部)に通電フォーミング処理を行う際にフォ
ーミングを行うには十分な電流を流すことが出来るが、
電子放出部が破壊もしくは表面伝導型放出素子14の電
子放出特性が著しく悪くなるような電流が電子放出部形
成用薄膜(14の内部)に流れるのを防ぐ電圧電流特性
を持っている素子である。
【0159】通電処理を詳しく説明するために、図56
に、パルス発生源4から印加する適宜の電圧波形を示
し、図57に、そのとき電子放出部形成用薄膜(14の
内部)に流れる電流波形の一例を示す。本実施の形態で
は、図56に示すようにパルス幅T1の三角波パルスを
パルス間隔T2で連続的に印加した。その際には、三角
波パルスを波高値Vpfを、順次昇圧した。その際に、
電子放出部形成用薄膜(14の内部)に定電流ダイオー
ド素子18を介して通電フォーミング処理がなされるた
めに、電子放出部形成用薄膜(14の内部)には図57
に示すような、フォーミング処理には十分だが、素子部
を劣化させない電流のみが流れることによって、通電処
理がなされ、表面伝導型放出素子14が形成される。
【0160】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、表面伝導型放出素子の電子放出部が形成される前の
導電性膜に、非線形な電圧電流特性を有する非線形素子
を介して通電フォーミング処理を行うので、接続された
非線形素子が通電フォーミング時に流れる過大な電流を
遮断するように作用するので、導電性膜に過大な電流が
流れることによる電子放出特性の著しく悪い表面伝導型
放出素子を形成することを防ぐことが出来、均一な素子
を形成することが出来る。 <実施の形態8>実施の形態8では、表面伝導型放出素
子に直列に形成する定電流素子を定電流ダイオードを用
いたが、本実施の形態では、定電流素子としてトランジ
スタを用いる一例を示す。
【0161】図58は、本実施の形態における通電フォ
ーミングを行う電気回路の概略構成を示したブロック図
である。図58において、14は表面伝導型放出素子で
あり、電子放出部形成用薄膜(14の内部)に通電フォ
ーミング処理を実行することにより、電子放出部を含む
薄膜が形成されるものである。表面伝導型放出素子14
は、M×Nのマトリクス配置となっている。318はト
ランジスタを用いた定電流素子であり、表面伝導型放出
素子14と直列に接続されている。これらの表面伝導型
放出素子14及びトランジスタを用いた定電流素子31
8により電子源素子1が形成される。電子源素子1はM
×Nのマトリクス上に配置され、表面伝導型放出素子1
4を多数個備える電子源303(以降電子源303と称
する)を構成する。304はパルス発生電源であり、フ
ォーミングパルスを発生する。
【0162】305,306はスイッチング回路であ
り、307は制御回路である。スイッチング回路305
は、行方向配線の端子DX1〜DXmにパルス発生電源30
4からのフォーミングパルスを印加するかグランドに接
地するかを切り換えるスイッチング素子と、フォーミン
グを行う素子を選択するために、列方向配線の端子DY1
〜DYnを選択するスイッチ素子とからなる。スイッチン
グ回路306は、列方向配線の端子DY1〜DYnをグラン
ドに接続するか、電位Vyの状態にするかを切り換える
スイッチ素子からなる。また、スイッチング回路30
5,306は複数の端子を同時に選択することも可能で
ある。また、制御回路307は、スイッチング回路30
5,306の切替動作、及びパルス発生電源304のパ
ルス発生タイミング及びパルスの昇圧を制御する。
【0163】トランジスタを用いた定電流素子318
は、トランジスタのドレインとゲートを接続し、その時
のソース・ドレイン間の特性が図11に示すような電圧
電流特性を持ち、電子放出部形成用薄膜(14の内部)
に通電フォーミング処理を行う際にフォーミングを行う
には十分な電流は流すことが出来るが、電子放出部が破
壊もしくは表面伝導型放出素子14の電子放出特性が著
しく悪くなるような電流が電子放出部形成用薄膜(14
の内部)に流れるのを防ぐ電圧電流特性を持っている素
子である。
【0164】通電処理については、既に、図56、図5
7を用いて説明した方法と同じであるので説明を省略す
る。 <実施の形態9>実施の形態7、8では、表面伝導型放
出素子に直列に形成する定電流素子を形成したが、本実
施の形態では、定電流素子を列方向配線端に形成した場
合の一例を示す。
【0165】図59は、本実施の形態における通電フォ
ーミングを行う電気回路の概略構成を示す図である。図
59において、14は、表面伝導型放出素子であり、電
子放出部形成用薄膜(14の内部)に通電フォーミング
処理を実行することにより、電子放出部を含む薄膜が形
成されるものである。本実施の形態においては、表面伝
導型放出素子14のみで電子源素子1が形成され、M×
Nのマトリクス配置となっている。12は行方向配線、
13は列方向配線である。518は定電流ダイオード素
子であり、行方向配線12の端に形成されている。この
ようにM×Nのマトリクス上に配置された表面伝導型放
出素子14を多数個備える電子源453(以降電子源4
53と称する)を構成する。
【0166】454はパルス発生電源であり、フォーミ
ングパルスを発生する。455,456は、スイッチン
グ回路であり、457は制御回路である。スイッチング
回路455は、行方向配線の端子DX1〜DXmにパルス発
生電源454からのフォーミングパルスを印加するかグ
ランドに接地するかを切り換えるスイッチング素子と、
フォーミングを行う素子を選択するために、列方向配線
の端子DY1〜DYnを選択するスイッチ素子とからなる。
スイッチング回路456は、列方向配線の端子DY1〜D
Ynをグランドに接続するか、電位Vyの状態にするかを
切り換えるスイッチ素子からなる。また、スイッチング
素子455,456は複数の端子を同時に選択すること
も可能である。また、制御回路457は、スイッチング
回路455,456の切替動作、及びパルス発生電源4
54のパルス発生タイミング及びパルスの昇圧を制御す
る。
【0167】通電処理については、既に、図56、図5
7を用いて説明した方法と同じであるので説明を省略す
る。 <実施の形態10>本実施の形態では、定電流素子とし
てトランジスタを表面伝導型放出素子の列方向配線端に
形成した一例を示す。
【0168】図60は、本実施の形態における通電フォ
ーミングを行う電気回路の概略構成を示す図である。図
60において、14は、表面伝導型放出素子であり、電
子放出部形成用薄膜(14の内部)に通電フォーミング
処理を実行することにより、電子放出部を含む薄膜が形
成されるものである。本実施の形態においては、表面伝
導型放出素子14のみで電子源素子1が形成され、M×
Nのマトリクス配置となっている。12は行方向配線、
13は列方向配線である。618はトランジスタを用い
た定電流素子であり、行方向配線12の端に形成されて
いる。このようにM×Nのマトリクス上に配置された表
面伝導型放出素子14を多数個備える電子源553(以
降電子源553と称する)を構成する。
【0169】554はパルス発生源であり、フォーミン
グパルスを発生する。555,556はスイッチング回
路であり、557は制御回路である。スイッチング回路
555は、行方向配線の端子DX1〜DXmにパルス発生電
源554からのフォーミングパルスを印加するかグラン
ドに接地するかを切り換えるスイッチング素子と、フォ
ーミングを行う素子を選択するために、列方向配線の端
子DY1〜DYnを選択するスイッチ素子とからなる。スイ
ッチング回路556は、列方向配線の端子DY1〜DYnを
グランドに接続するか、電位Vyの状態にするかを切り
換えるスイッチ素子からなる。また、スイッチング回路
555,556は複数の端子を同時に選択することも可
能である。また、制御回路557は、スイッチング回路
555,556の切替動作、及びパルス発生電源554
のパルス発生タイミング及びパルスの昇圧を制御する。
【0170】通電処理については、既に、図56、図5
7を用いて説明した方法と同じであるので説明を省略す
る。 <実施の形態11>実施の形態11では、定電流ダイオ
ードを行方向配線端に形成した場合の一例を示す。
【0171】図61は、本実施の形態における通電フォ
ーミングを行う電気回路の概略構成を示す図である。図
61において、14は、表面伝導型放出素子であり、電
子放出部形成用薄膜(14の内部)に通電フォーミング
処理を実行することにより、電子放出部を含む薄膜が形
成されるものである。本実施の形態においては、表面伝
導型放出素子14のみで電子源素子1が形成され、M×
Nのマトリクス配置となっている。12は行方向配線、
13は列方向配線である。718は定電流ダイオード素
子であり、行方向配線12の端に形成されている。この
ようにM×Nのマトリクス上に配置された表面伝導型放
出素子14を多数個備える電子源653(以降電子源6
53と称する)を構成する。
【0172】654はパルス発生源であり、フォーミン
グパルスを発生する。655,656はスイッチング回
路であり、657は制御回路である。スイッチング回路
655は、行方向配線の端子DX1〜DXmにパルス発生電
源654からのフォーミングパルスを印加するかグラン
ドに接地するかを切り換えるスイッチング素子と、フォ
ーミングを行う素子を選択するために、列方向配線の端
子DY1〜DYnを選択するスイッチ素子とからなる。スイ
ッチング回路656は、列方向配線の端子DY1〜DYnを
グランドに接続するか、電位Vyの状態にするかを切り
換えるスイッチ素子からなる。また、スイッチング回路
655,656は複数の端子を同時に選択することも可
能である。また、制御回路657は、スイッチング回路
655,656の切替動作、及びパルス発生電源654
のパルス発生タイミング及びパルスの昇圧を制御する。
【0173】通電処理については、既に、図56、図5
7を用いて説明した方法と同じであるので説明を省略す
る。 <実施の形態12>本実施の形態では、定電流素子とし
てのトランジスタを行方向配線端に形成した場合の一例
を示す。
【0174】図27は、本実施の形態における通電フォ
ーミングを行う電気回路の概略構成を示したブロック図
である。図27において、14は、表面伝導型放出素子
であり、電子放出部形成用薄膜(14の内部)に通電フ
ォーミング処理を実行することにより、電子放出部を含
む薄膜が形成されるものである。本実施の形態において
は、表面伝導型放出素子14のみで電子源素子1が形成
され、M×Nのマトリクス配置となっている。12は行
方向配線、13は列方向配線である。818はトランジ
スタを用いた定電流素子であり、行方向配線12の端に
形成されている。このようにM×Nのマトリクス上に配
置された表面伝導型放出素子14を多数個備える電子源
753(以降電子源753と称する)を構成する。
【0175】754はパルス発生源であり、フォーミン
グパルスを発生する。755,756はスイッチング回
路であり、757は制御回路である。スイッチング回路
755は、行方向配線の端子DX1〜DXmにパルス発生電
源754からのフォーミングパルスを印加するかグラン
ドに接地するかを切り換えるスイッチング素子と、フォ
ーミングを行う素子を選択するために、列方向配線の端
子DY1〜DYnを選択するスイッチ素子とからなる。スイ
ッチング回路756は、列方向配線の端子DY1〜DYnを
グランドに接続するか、電位Vyの状態にするかを切り
換えるスイッチ素子からなる。また、スイッチング回路
755,756は複数の端子を同時に選択することも可
能である。また、制御回路757は、スイッチング回路
755,756の切替動作、及びパルス発生電源754
のパルス発生タイミング及びパルスの昇圧を制御する。
【0176】通電処理については、既に、図56、図5
7を用いて説明した方法と同じであるので説明を省略す
る。以上、第14−第19の実施の形態によれば、表面
伝導型放出素子の電子放出部が形成される前の導電性膜
に、非線形な電圧電流特性を有する非線形素子を介して
通電フォーミング処理を行うことで、接続された非線形
素子が通電フォーミング時に流れる過大な電流を遮断す
るように作用するので、導電性膜に過大な電流が流れる
ことによる電子放出特性の著しく悪い表面伝導型放出素
子を形成することを防ぐことが出き、均一な素子を形成
することが出来る。
【0177】尚、本発明は、ホストコンピュータ、イン
ターフェイス、表示装置等の複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用
しても良い。また、本発明は、システム或は装置に記憶
媒体に格納されたプログラムを供給することによって達
成される場合にも適用できることは言うまでもない。こ
の場合、本発明に係るプログラムを格納した記録媒体
が、本発明を構成することになる。そして、該記録媒体
からそのプログラムをシステム或いは装置に読み出すこ
とによって、そのシステム或いは装置が、予め定められ
たし方で動作する。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の電子放出素子が、行列上に配置された電子源を電圧
変調駆動をする際に、所定の電圧値まで定抵抗状態を保
ち、その電圧値以上の電圧が印加されると定電流状態と
なる電圧電流特性を持つ非線形素子の作用により、簡易
なガンマ補正をすることが可能であると同時に、過度の
電流が流れることにより素子の劣化や破壊を防止する。
【0179】また、電子放出素子の電子放出部が形成さ
れる前の導電性膜に、非線形な電圧電流特性を有する非
線形素子を介して通電フォーミング処理を行うので、接
続された非線形素子が通電フォーミング時に流れる過大
な電流を遮断するように作用するので、導電性膜に過大
な電流が流れることによる電子放出特性の著しく悪い電
子放出素子を形成することを防ぐことができ、均一な素
子を形成することが出来る。そのため、形成された電子
源を含む画像形成装置は、安定して高品質な画像を形成
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来知られた表面伝導型放出素子の一例であ
る。
【図2】課題の発生した電子放出素子の配線方法を説明
する図である。
【図3】表面伝導型放出素子の印加電圧Vfに対する放
出電流Ieの特性の典型的な例を示す図である。
【図4】放出電流Ieにおいて、n階調出す場合(Ie
1〜Ien)に必要な印加電圧(Vf1〜Vfn)を示
す図である。
【図5】平面型の表面伝導型放出素子の構成を説明する
ための平面図である。
【図6】平面型の表面伝導型放出素子の構成を説明する
ための断面図である。
【図7A】表面伝導型放出素子の製造工程を説明するた
めの断面図である。
【図7B】表面伝導型放出素子の製造工程を説明するた
めの断面図である。
【図7C】表面伝導型放出素子の製造工程を説明するた
めの断面図である。
【図7D】表面伝導型放出素子の製造工程を説明するた
めの断面図である。
【図7E】表面伝導型放出素子の製造工程を説明するた
めの断面図である。
【図8】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形の一
例を示す図である。
【図9A】通電活性化処理の際の印加電圧波形の一例を
示す図である。
【図9B】通電活性化処理の際の放出電流Ieの変化の
一例を示す図である。
【図10】垂直型の表面伝導型放出素子の断面図であ
る。
【図11A】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を
示す断面図である。
【図11B】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を
示す断面図である。
【図11C】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を
示す断面図である。
【図11D】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を
示す断面図である。
【図11E】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を
示す断面図である。
【図11F】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を
示す断面図である。
【図12】表面伝導型放出素子の典型的な特性を示す図
である。
【図13】マルチ電子ビーム源の基板の平面図である。
【図14】マルチ電子ビーム源の基板の一部断面図であ
る。
【図15】画像表示装置の表示パネルの一部を切り欠い
て示した斜視図である。
【図16A】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配
列を例示した平面図である。
【図16B】表示パネルのフェースプレートの別の蛍光
体配列を例示した平面図である。
【図17】NTSC方式のテレビ信号に基づきテレビジ
ョン表示を行なうための駆動回路の概略構成図である。
【図18】6行6列の行列状に非形成素子を直列に接続
した表面伝導型放出素子をマトリクス配線したマルチ電
子ビーム源を示す図である。
【図19】表示する画像パターンの例を示す図である。
【図20】図19の画像の第3ライン目を発光させる間
に、端子Dx1ないしDx6、および端子Dy1ないし
Dy6を通じてマルチ電子ビーム源に印加する電圧値を
示す図である。
【図21】図19の表示パターンにしたがってマルチ電
子ビーム源を駆動する様子を示したタイムミングチャー
トである。
【図22】図17の装置の全体動作のタイムミングチャ
ートである。
【図23】表面伝導型放出素子の印加電圧に対する素子
電流及び放出電流特性の一例を示した図である。
【図24】表面伝導型放出素子に300Ωの抵抗を介し
て駆動した場合の印加電圧に対する放出電流特性を示し
た図である。
【図25】非線形素子の印加電圧に対する放出電流特性
を示した図である。
【図26】表面伝導型放出素子に非線形素子を介して駆
動した場合の印加電圧に対する電子放出電流特性を示し
た図である。
【図27】定電流素子としてのトランジスタを行方向配
線端に形成した電子源の通電フォーミング処理を実行す
るための回路構成を示す図である。
【図28】電子源の駆動の概略構成の一部を示す図であ
る。
【図29】マルチ電子源の平面図である。
【図30】マルチ電子源の断面図である。
【図31A】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31B】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31C】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31D】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31E】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31F】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31G】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31H】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31I】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31J】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図31K】マルチ電子源の非線形素子部分の製造工程
の説明図である。
【図32】表面伝導型放出素子を形成する電子放出部形
成用薄膜マスクの一部を示す平面図である
【図33】表面伝導型放出素子と低電流ダイオード素子
の連接構成の電子源素子を適用した画像形成装置の表示
パネルの1例を示す図である。
【図34】定電流素子としてトランジスタを用いた電子
源の駆動の構成の一部を示す図である。
【図35】図34のマルチ電子源の平面図である。
【図36】図34のマルチ電子源の断面図である。
【図37A】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37B】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37C】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37D】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37E】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37F】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37G】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37H】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37I】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図37J】図34のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図38】定電流素子を列方向配線端に形成したマルチ
電子源の駆動の概略構成の一部を示す図である。
【図39】図38のマルチ電子源の平面図である。
【図40】図38のマルチ電子源の断面図である。
【図41A】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41B】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41C】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41D】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41E】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41F】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41G】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41H】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41I】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41J】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図41K】図38のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図42】定電流素子としてのトランジスタを列方向配
線端に形成したマルチ電子源の駆動の概略構成の一部を
示す図である。
【図43】図42のマルチ電子源の平面図である。
【図44】図42のマルチ電子源の断面図である。
【図45A】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45B】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45C】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45D】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45E】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45F】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45G】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45H】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45I】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45J】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図45K】図42のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図46】定電流素子を行方向配線端に形成したマルチ
電子源の駆動の概略構成の一部を示す図である。
【図47】図46のマルチ電子源の平面図である。
【図48】図46のマルチ電子源の断面図である。
【図49A】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49B】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49C】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49D】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49E】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49F】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49G】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49H】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49I】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49J】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49K】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図49L】図46のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図50】定電流素子としてのトランジスタを行方向配
線端に形成したマルチ電子源の駆動の概略構成の一部を
示す図である。
【図51】図50のマルチ電子源の平面図である。
【図52】図50のマルチ電子源の断面図である。
【図53A】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53B】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53C】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53D】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53E】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53F】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53G】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53H】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53I】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53J】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53K】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図53L】図50のマルチ電子源の非線形素子部分の
製造工程の説明図である。
【図54】定電流ダイオード素子を連結した表面伝導型
放出素子に通電フォーミング処理を実行するための回路
構成を示す図である。
【図55】定電流ダイオードの電圧電流特性を示す図で
ある。
【図56】低電流素子を連接した表面伝導型放出素子に
通電フォーミングを行う際にパルス発生源から印加する
電圧波形を示す図である。
【図57】低電流素子を連接した表面伝導型放出素子に
通電フォーミングを行う際にパルス発生源から印加する
電圧に基づき、電子放出部形成用薄膜に流れる電流波形
の一例を示す図である。
【図58】定電流素子としてトランジスタを連結した表
面伝導型放出素子に通電フォーミング処理を実行するた
めの回路構成を示す図である。
【図59】定電流ダイオード素子を列方向配線端に形成
した電子源の通電フォーミング処理を実行するための回
路構成を示す図である。
【図60】定電流素子としてのトランジスタを列方向配
線端に形成した電子源の通電フォーミング処理を実行す
るための回路構成を示す図である。
【図61】定電流ダイオード素子を行方向配線端に形成
した電子源の通電フォーミング処理を実行するための回
路構成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−28137(JP,A) 特開 平6−68820(JP,A) 特開 平4−249026(JP,A) 特開 平8−234696(JP,A) 特開 平8−180799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/316 G09G 3/20 G09G 3/22 H01J 9/02 H01J 31/12 H01J 31/15

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表面伝導型放出素子が、行方向配
    線と列方向配線とに接続されて、基板上に行列状に配列
    された電子源の駆動方法において、電圧変調駆動する際の印加電圧に対する放出電流の関係
    がリニアリティを増加させるために所定電圧値まで定抵
    抗状態を保つと共に、表面伝導型放出素子の過電流を抑
    制させるために、前記所定電圧値以上の電圧が印加され
    ると定電流状態を保つ電圧電流特性を有する非線形素
    子、及び、当該非線形素子に直列に接続された前記表面
    伝導型放出素子に、前記行方向配線及び前記列方向配線
    を介して、電圧変調信号を印加する ことを特徴とする電
    子源の駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記非線形素子が、行方向配線端に接続
    されていることを特徴とする請求項1に記載の電子源の
    駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記非線形素子が、列方向配線端に接続
    されていることを特徴とする請求項1に記載の電子源の
    駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記非線形素子は、定電流ダイオードで
    あることを特徴とする請求項1及至請求項のいずれか
    1つに記載の電子源の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記非線形素子は、トランジスタで構成
    されることを特徴とする請求項1及至請求項のいずれ
    か1つに記載の電子源の駆動方法。
  6. 【請求項6】 複数の表面伝導型放出素子が、行方向配
    線と列方向配線とに接続されて、基板上に行列状に配列
    された電子源において、電圧変調駆動する際の印加電圧に対する放出電流の関係
    がリニアリティを増加させるために所定電圧値まで定抵
    抗状態を保つと共に、表面伝導型放出素子の過電流を抑
    制させるために、前記所定電圧値以上の電圧が印加され
    ると定電流状態を保つ電圧電流特性を有する非線形素子
    を、前記表面伝導型放出素子に直列に接続する構造を有
    する ことを特徴とする電子源。
  7. 【請求項7】 前記非線形素子が、行方向配線端に接続
    されていることを特徴とする請求項に記載の電子源。
  8. 【請求項8】 前記非線形素子が、列方向配線端に接続
    されていることを特徴とする請求項に記載の電子源。
  9. 【請求項9】 前記非線形素子は、定電流ダイオードで
    あることを特徴とする請求項及至請求項のいずれか
    1つに記載の電子源。
  10. 【請求項10】 前記非線形素子は、トランジスタで構
    成されることを特徴とする請求項及至請求項のいず
    れか1つに記載の電子源。
  11. 【請求項11】 電子源と、前記電子源から放出される
    電子源の照射により画像を形成する画像形成部材とを有
    する画像形成装置において、 前記電子源が、請求項乃至請求項10のいずれか1つ
    に記載の電子源であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記画像形成部材は、蛍光体を有する
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 複数の表面伝導型放出素子が、行方向
    配線と列方向配線とに接続されて、基板上に行列状に配
    列された電子源の製造方法において、所定印加電圧値まで定抵抗状態を保つと共に、過電流を
    抑制するために、前記所定電圧値以上の電圧が印加され
    ると定電流状態となる非線形素子を、前記電子放出素子
    となる電子放出部形成用薄膜に直列に接続し、 直列に接続された前記電子放出部形成用薄膜と前記非線
    形素子に対して、パルス状の電圧信号を印加すること
    で、前記電子放出素子形成用薄膜に電子放出部を形成さ
    せる通電フォーミング工程と を備えることを特徴とする
    電子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記非線形素子が、行方向配線端に接
    続されていることを特徴とする請求項13に記載の電子
    源の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記非線形素子が、列方向配線端に接
    続されていることを特徴とする請求項13に記載の電子
    源の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記非線形素子は、定電流ダイオード
    であることを特徴とする請求項13及至請求項15のい
    ずれか1つに記載の電子源の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記非線形素子は、トランジスタで構
    成されることを特徴とする請求項13及至請求項15
    いずれか1つに記載の電子源の製造方法。
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