JP3205201B2 - マルチ電子ビーム源及びその駆動方法、ならびに該マルチ電子ビーム源を用いた画像表示装置 - Google Patents

マルチ電子ビーム源及びその駆動方法、ならびに該マルチ電子ビーム源を用いた画像表示装置

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JP3205201B2
JP3205201B2 JP968695A JP968695A JP3205201B2 JP 3205201 B2 JP3205201 B2 JP 3205201B2 JP 968695 A JP968695 A JP 968695A JP 968695 A JP968695 A JP 968695A JP 3205201 B2 JP3205201 B2 JP 3205201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の電子放出素子を
有するマルチ電子ビーム源及びその駆動方法ならびに、
該マルチ電子ビーム源を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち例陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下、FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属
型放出素子(以下、MIM型と記す)、などが知られて
いる。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio Eng.Ele
ctron Phys.,10,1290,(196
5)や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
02 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]や、In2 O3 /
SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell an
d C.G.Fonstad:“IEEE Tran
s.ED Conf.”,519(1975)]や、カ
ーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、
第1号、22(1983)]などが報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図25に前述のM.Hartwel
lらによる素子の平面図を示す。同図において3001
は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物
よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示
のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電性
薄膜3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電
処理を施すことにより、電子放出部3005が形成され
る。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm],Wは0.1
[mm]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子
放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形
状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子
放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではな
い。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじ
めとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放
出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと
呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005
を形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォー
ミングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直
流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっく
りとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、
導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしく
は変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部30
05を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは
変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、
亀裂が発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜
3004に便宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付
近において電子放出が行われる。
【0007】また、FE型の例は、たとえば、W.P.
Dyke&W.W.Dolan,“Field emi
ssion”,Advance in Electro
nPhysics,8,89(1956)や、あるい
は、C.A.Spindt,“Pysical pro
perties of thin−film fiel
d emission cathodes with
molybdenumcones”,J,Appl.P
hys.,47,5248(1976)などが知られて
いる。
【0008】FE型の素子構成の典型的な例として、
(従来例2)に前述のC.A.Spindtらによる素
子の断面図を示す。同図において、3010は基板で、
3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3012は
エミッタコーン、3013は絶縁層、3014はゲート
電極である。本素子は、エミッタコーン3012とゲー
ト電極3014の間に適宜の電圧を印加することによ
り、エミッタコーン3012の先端部より電界放出を起
こさせるものである。
【0009】また、FE型の他の素子構成として、図2
6のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ
平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、MIM型の例としては、例えば、
C.A.Mead,“Operation of tu
nnel emission Devices,J.A
ppl.Phys.,32,646(1961)などが
知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図2
7に示す。同図は断面図であり、図において、3020
は基板で、3021は金属よりなる下電極、3022は
厚さ100オングストローム程度の薄い絶縁層、302
3は厚さ80〜300オングストローム程度の金属より
なる上電極である。MIM型においては、上電極302
3と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することに
より、上電極3023の表面より電子放出を起させるも
のである。
【0011】上述の冷陰極素子は、熱冷陰極素子と比較
して低温で電子放出素子を得ることができるため、加熱
用ヒータを必要としない。したがって、熱冷陰極素子よ
りも構造が単純であり、微細な素子を作成可能である。
また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基
板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また、熱冷陰極
素子がヒータの加熱により動作するため応答速度が遅い
のとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いと
いう利点もある。
【0012】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0013】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31
332において開示されるように、多数の素子を配列し
て駆動するための方法が研究されている。
【0014】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0015】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人によるUSP5,066,883や特開
平2−257551や特開平4−28137において開
示されているように、表面伝導型放出素子と電子ビーム
の照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画
像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子と蛍
光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他
の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されてい
る。たとえば、近年普及してきた液晶表示装置と比較し
ても、自発光型であるためバックライトを必要としない
点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0016】また、FE型を多数個並べて駆動する方法
は、たとえば本出願人によるUSP4,904,895
に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用
した例として、たとえば、R.Meyerらにより報告
された平板型表示装置が知られている[R.Meye
r:”Recent Development onM
icrotips Display at LET
I”,Tech.Digest of 4th In
t.Vacuum Microelectronics
Conf.,Nagahama,pp.6〜9(19
91)]。
【0017】また、MIM型を多数個並べて画像表示装
置に応用した例は、たとえば本出願人による特開平3−
55738に開示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述の各
種の冷陰極素子を多数個並べたマルチ電子ビーム源、な
らびにこれを用いた画像表示装置を研究してきたが、冷
陰極素子に意図しないスパイク状の電圧が印加されてし
まうという問題が発生していることを見出した。例え
ば、図1や図7に示すようなマルチ電子ビーム源におい
ても、本来は意図していないスパイク状の電圧が電子放
出素子に印加されてしまう問題が発生していた。
【0019】まず、図1の場合について説明する。
【0020】図中、ESは電子放出素子、Ep1〜Epl及
びEm1〜Emlは配線電極を示しており、L列の素子が配
列形成されている。本装置は、L列の素子列を任意の組
合わせで駆動することが可能である。たとえば、電極E
m1〜Emlにはすべて0[V]の電圧を印加しておき、電
極Ep1〜Eplのうち駆動を希望する素子列の電極にはV
E[V]を、駆動を希望していない素子列の電極には0
[V]を印加すれば、所望の素子列だけを選択的に駆動
することが可能である。したがって、素子列を1列ずつ
順次に走査してゆくことももちろん可能である。
【0021】このようなマルチ電子ビーム源は、素子列
と直交するグリッド電極を付加することにより、XYマ
トリクス型の電子ビーム源を構成できるため、たとえば
平板型CRTなどの表示装置への応用が期待されるとこ
ろである。
【0022】しかしながら、図1に示したマルチ電子ビ
ーム源を電気回路で駆動する場合、本来休止中の素子列
にスパイク状の電圧が印加されるという問題が発生して
いた。図2と図3は、かかる問題を説明するための図で
ある。
【0023】まず、図2は、上述の図1のマルチ電子ビ
ーム源を駆動するために用いる電気回路の典型例を示し
たものである。図に示すように、Ep1〜Eplの各配線電
極には、たとえば電界効果トランジスタ(FET)の様
なスイッチング素子がトーテムポール型に接続されてい
る。各FETのゲート信号GP1〜GPl及びGN1〜
GNlを適宜制御することにより、各配線電極には0
[V](グランドレベル)かまたはVE[V]を選択的
に印加することができる。また、Em1〜Emlの各配線電
極は、0[V](グランドレベル)が印加されている。
【0024】図3は、前記図2の電気回路によりマルチ
電子ビーム源を駆動する際に、各部に印加される電圧を
例示するためのグラフである。同図において(1)に示
すように、休止期間をはさみながら、第1列目から順次
素子列を駆動してゆく場合を想定する(かかる駆動方法
は、マルチ電子ビーム源を平板型CRT等に応用する場
合、一般に行われる方法である)。
【0025】このような駆動を行なうに当たり、配線電
極Ep1〜Ep3には同図(2)〜(4)に示すようなタイ
ミングでVE[V]の矩形電圧パルスが印加される。ま
た、配線電極Em1〜Emlには、同図(5)に示すように
0[V]が印加される。たとえば第1列目の電子放出素
子には(2)と(5)の差電圧が印加されるのであるか
ら、(1)において示された第1素子列の駆動タイミン
グにおいてのみVE[V]がかかることになる。以下同
様に、第2列目の電子放出素子には(3)と(5)の差
電圧、第3列目の電子放出素子には(4)と(5)の差
電圧がかかることになる。
【0026】しかしながら、各素子列に印加される電圧
を、実際にオシロスコープなどを用いて観測してみる
と、同図(6)〜(8)に示すように、他の素子列をオ
ンまたはオフするタイミングにおいて、スパイク状の電
圧SPが印加されることが判った。
【0027】このようなスパイク状の電圧SPが発生す
る原因には、電気的なノイズによりFETが瞬間的に誤
動作してしまうことや、隣接する配線電極との間の相互
インダクタンスにより電気的な誘導が発生することや、
配線電極のインダクタンス、キャパシタンス、レジスタ
ンス等により電子放出素子に到達するまでに印加電圧波
形が変形してしまうこと、等が考えられる。
【0028】このようなスパイク状の電圧の振幅が比較
的大きかった場合には、電子放出素子から電子ビームが
出力されてしまう。即ち、短時間ではあるが本来は意図
していないタイミングにおいて、電子ビームが出力され
てしまうことになる。その結果、たとえばこのマルチ電
子ビーム源を平板型CRTに応用した場合には、画面上
に本来表示すべき画像とは無関係の発光が生じ、画像に
ノイズが見えたり表示コントラストが低下したりして、
極めて不都合であった。
【0029】以上、図1のマルチ電子ビーム源において
発生した問題を説明したが、次に図7のマルチ電子ビー
ム源の場合について説明する。
【0030】図7において、ESは電子放出素子、EC1
〜ECMは行方向配線電極、ER1〜ERNは列方向配線電極
である。このマルチ電子ビーム源においては、M×N個
の電子放出素子を行列状に配置し、各素子を行方向配線
電極と列方向配線電極とで電気的に接続し、マトリクス
配線を構成している。なお、本図においてはX方向と平
行に並ぶ素子グループを素子行と呼び、Y方向と平行に
並ぶ素子グループを素子列と呼ぶことにする。従って、
図7では、第1行〜第M行の素子行と、第1列〜第N列
の素子列がある。
【0031】このようなマルチ電子ビーム源を駆動する
場合、素子行を1行ずつ順次選択して駆動するのが一般
的な方法である。そして、前述の図1の場合と異なり、
図7のマルチ電子ビーム源の場合には、選択された素子
行の中の所望の電子放出素子だけから電子ビームを放出
させることが可能である。これについて、図8〜図11
を使って説明する。
【0032】図8は、電子放出素子ESとして用いられ
る冷陰極素子の一般的な特性を示すグラフで、横軸は素
子に印加する電圧を、縦軸は素子から放出される電子ビ
ーム電流を表わしている。一般に、冷陰極素子に印加す
る電圧が閾値電圧Vthを越えるまでは、素子からは電
子ビームは放出されず、閾値電圧Vth以上の電圧に対
しては印加電圧の増大に伴って放出される電子ビームも
増大する。そこで、VE/2では電子ビームは放出され
ないが、VEでは電子ビームが放出されるような電圧VE
を設定することは容易にできる。そこで、このように設
定した電圧VEを用いた駆動方法について説明する。
【0033】たとえば、マルチ電子ビーム源の中の1行
目の素子行を選択し、そのうちの2〜5列目の電子放出
素子からだけ電子ビームを放出させようとする場合につ
いて説明する。図9は、この意図に基づいて各配線電極
に印加する電圧を示す図である。図のように、行方向配
線電極EC1〜EC6のうち、1行目の配線電極EC1には0
[V]を、それ以外のEC2〜EC6にはVE/2[V]を
印加する。また、列方向配線ER1〜ER6のうち、2〜5
列目の配線電極ER2〜ER5にはVE[V]を、ER1とER
6にはVE/2[V]を印加する。各電子放出素子には、
各々の接続している列方向配線電極の電圧と行方向配線
電圧の電圧の差電圧が印加されるため、同図中に黒塗り
で示した電子放出素子にはVE[V]が、斜線または横
軸のストライプで示した電子放出素子にはVE/2
[V]が、ドットで示した電子放出素子には0[V]が
印加されることになる。即ち、意図した電子放出素子に
は電子放出閾値を超える電圧VE[V]が印加され、電
子ビームが出力されるが、それ以外の電子放出素子から
は電子ビームが出力されない。
【0034】以上に例示したように、駆動を希望する素
子行の行方向配線電極には0[V]を、他の素子行の行
方向配線電極にはVE/2[V]を印加すれば、駆動す
る素子行を選択することが可能である。さらに、選択し
た素子行の電子放出素子のうち、電子ビームを出力させ
ようとする列の列方向配線電極にはVE[V]を、電子
ビームを出力させない列の列方向配線電極にはVE/2
[V]を印加すれば、その意図を達成することができ
る。なお、上記の方法では、電子ビームを出力させよう
とする列の列方向配線電極に印加する電圧を一義的にV
E[V]と定めたため、出力される電子ビームの強度も
一義的にI1に定まったが、前記図8の電子放出特性に
あわせてVth〜VE[V]の範囲から適当な大きさの電
圧を選んで印加すれば、出力させる電子ビームの強度を
0〜I1の範囲で制御することも可能である。
【0035】このようなマルチ電子ビーム源は、それ自
身でXYマトリクス型の電子ビーム源を構成しており、
たとえば平板型CRTなどの表示装置への応用が期待さ
れるところである。
【0036】しかしながら、図7のマルチ電子ビーム源
を実際に電気回路で駆動した場合、本来意図していない
スパイク状の電圧が電子放出素子に印加されてしまうと
いう問題が発生していた。図10〜図12は、かかる問
題を説明するための図である。
【0037】まず、図10は、前記図7のマルチ電子ビ
ーム源を駆動するために用いる電気回路の典型例を示し
たものである。図に示すように、各配線電極には、たと
えば電界効果トランジスタ(FET)の様なスイッチン
グ素子がトーテムポール型に接続されている。行方向配
線電極EC1〜ECMに接続された回路は、該配線電極にV
E/2[V]かまたは0[V]を選択的に印加するため
の回路であり、また列方向配線電極ER1〜ERNに接続さ
れた回路は、該配線電極にVE[V]かまたはVE/2
[V]を選択的に印加するための回路である。各FET
のゲート信号GPC1〜GPCM、GNC1〜GNCM、GPR1
〜GPRN、GNR1〜GNRNを適宜制御することにより、
各配線電極に所望の電圧を選択的に印加するものであ
る。
【0038】図11は、該マルチ電子ビーム源の任意の
駆動パターンの1例を説明するための図である。図に示
すように、マルチ電子ビーム源からE字型のパターン
(図中に斜線で示す)にしたがって電子ビームを放出さ
せようと意図した場合を例にして以下の説明を進める。
マルチ電子ビーム源を駆動する一般的な手順としては、
1行目、2行目、3行目、・・・の順に、1行ずつ素子
行を駆動してゆき、図11のE字型パターンを完成させ
てゆく。この駆動手順の時間的な推移を図12の(1)
に示す。
【0039】各素子行を駆動する際の各配線電極への電
圧の印加方法は、先に説明した通りであり、たとえば、
1行目を駆動する場合は、前記図9で説明したのとまっ
たく同様に各配線電極に駆動電圧を印加すれば良い。配
線電極EC1〜EC4及びER1〜ER4について、印加される
電圧の時間的推移を図12の(2)から(9)に示す。
【0040】このような手順に従い前記図10の電気回
路で駆動した場合に、実際に各電子放出素子にかかる印
加電圧をオシロスコープなどを用いて観測してみると、
本来意図していないスパイク状の電圧が印加される場合
があることが判った。たとえば、図10の中でA,B,
Cで示した3素子を例に取ると、それぞれについて観測
された電圧波形は図12の(10)〜(12)のようで
あった。図中、SP(n)あるいはSP(T)で示すの
が、本来意図していないスパイク状の電圧である。
【0041】このようなスパイク状の電圧のうちSP
(n)が発生する原因には、電気的なノイズによりFE
Tが瞬間的に誤動作してしまうことや、隣接する配線電
極との間の相互インダクタンスにより電気的に誘導が発
生することや、配線電極のインダクタンス、キャパシタ
ンス、レジスタンス等により電子放出素子に到達するま
でに印加電圧波形が変形してしまう事、などが考えられ
る。また、SP(T)が発生する主たる原因としては、
行方向配線電極を駆動するFETと列方向配線電極を駆
動するFETの動作タイミングにずれが生じた事が考え
られる。
【0042】このようなスパイク状の電圧の振幅が比較
的大きかった場合には、電子放出素子から不要な電子ビ
ームが出力されてしまう。即ち、短時間ではあるが本来
は意図していないタイミングにおいて、電子ビームが出
力されてしまうことになる。その結果、たとえばこのマ
ルチ電子ビーム源を平板型CRTに応用した場合には、
画面状に本来表示すべき画像とは無関係の発光が生じ、
画像にノイズが見えたり表示コントラストが低下したり
して、極めて不都合であった。
【0043】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であり、複数の電子放出素子を有するマルチ電子ビーム
源において、ノイズ電圧により発生していた不要な電子
ビームをカットオフすることを可能とするマルチ電子ビ
ーム源及びこれを用いた画像表示装置を提供することを
目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるマルチ電子ビーム源は以下の構成を備
えている。すなわち、M本の行方向配線電極とN本の列
方向配線電極とによりマトリクス配線された複数の電子
放出素子が基板平面上に行列状に設けられた基板と、
記複数の電子放出素子のそれぞれに対応した位置に通過
口を有し、前記電子放出素子から放出される電子を集束
するための集束電圧が印加される平板状の制御電極と、
前記行方向配線電極を介して走査信号を印加し、列方向
配線電極を介して表示画像データに基づく変調信号を印
加することで各電子放出素子に駆動信号を印加する駆動
手段と、前記駆動手段による前記走査信号のオン/オフ
タイミングにおいて、前記制御電極に電子ビームをカッ
トオフするためのカットオフ電圧が印加された状態とな
るように、該制御電極へ該カットオフ電圧を印加するカ
ットオフ電圧印加手段とを備える。
【0045】また、本発明によるマルチ電子ビーム源の
駆動方法は、M本の行方向配線電極とN本の列方向配線
電極とによりマトリクス配線された複数の電子放出素子
が基板平面上に行列状に設けられた基板と、前記複数の
電子放出素子のそれぞれに対応した位置に通過口を有
し、前記電子放出素子から放出される電子を集束するた
めの集束電圧が印加される平板状の制御電極とを備えた
電子ビーム源の駆動方法であって、前記制御電極に電子
を集束するための集束電圧を印加しながら、前記行方向
配線電極を介して走査信号を印加し、列方向配線電極を
介して表示画像データに基づく変調信号を印加すること
で各電子放出素子に駆動信号を与え、前記駆動信号の印
加の過程で生じる前記走査信号のオン/オフタイミング
において、前記制御電極に電子ビームをカットオフする
ためのカットオフ電圧が印加された状態となるように、
該制御電極へ該カットオフ電圧を印加することを特徴と
する。
【0046】又、上記の目的を達成するための本発明の
画像表示装置は、上記マルチ電子ビーム源と、該マルチ
電子ビーム源上に電子ビームの照射により可視画像を形
成するための蛍光体ターゲットとを備える。
【0047】
【作用】上記の構成によれば、M本の行方向配線電極と
N本の列方向配線電極とによりマトリクス配線された複
数の電子放出素子が基板平面上に行列状に設けられた基
板と、前記複数の電子放出素子のそれぞれに対応した位
置に通過口を有し、前記電子放出素子から放出される電
子を集束するための集束電圧が印加される平板状の制御
電極とが設けられる。基板上の各電子放出素子に対して
は、前記行方向配線電極を介して走査信号を印加し、列
方向配線電極を介して表示画像データに基づく変調信号
を印加することで、駆動信号が印加される。そして、上
記走査信号のオン/オフタイミングにおいて、上記制御
電極に電子ビームをカットオフするためのカットオフ電
圧が印加された状態となるように、該制御電極へ該カッ
トオフ電圧が印加される。
【0048】又、上記の画像表示装置の構成によれば、
上述のマルチ電子ビーム源を備え、ノイズ電圧により発
生した電子ビームが蛍光体ターゲットに到達することが
阻止される。このため、例えばスパイク状電圧が電子放
出素子に印加されることにより生じていた不要の電子ビ
ームの発生、並びにその電子ビームの発生に起因した表
示画像のノイズやコントラスト低下といった問題が防止
される。
【0049】
【実施例】以下に添付の図面を参照して本発明の好適な
実施例を説明する。
【0050】(参考例) 図4は、参考例における平板型表示装置の回路構成であ
る。図中、201は表示パネル、202はスイッチング
素子アレイ、203はタイミング制御回路、204はシ
フトレジスタ、205はラインメモリ、206はゲート
アレイ、207はD/A変換器である。以下、各部の機
能と、回路全体の動作について、図5と図6を参照しな
がら説明する。
【0051】まず、表示パネル201は、たとえば図5
に一部切り欠きの斜視図で示すような平板型CRTであ
る。図5において、VCはガラス製の真空容器で、その
一部であるFPはフェースプレート(即ち表示面)を示
している。フェースプレートFPの内面には、たとえば
ITOを材料とする透明電極が形成され、さらにその内
側には赤、緑、青の蛍光体がモザイク状に塗り分けら
れ、CRTの分野では公知のメタルバック処理が施され
ている(透明電極、蛍光体、メタルバックは図示せ
ず)。また、真空容器VCには、気密性を持った端子E
Vが設けられており、この端子EVを通じて透明電極と
メタルバックに真空容器外の電源VHから加速電圧を印
加することができる。
【0052】また、Sは前記真空容器VCの底面に固定
されたガラス基板で、その上面には前記図1で説明した
方法でN×L個の電子放出素子が配列形成されている。
該電子放出素子は、配線Ep1〜Epl及びEm1〜Emlによ
り、列ごとに電気的に並列に接続されており、該配線は
気密性の端子EXp1〜EXpl及びEXm1〜EXmlによっ
て真空容器外と電気的に接続されている。
【0053】また、基板SとフェースプレートFPの中
間には、ストライプ上のグリッド電極GRが設けられて
いる。グリッド電極GRは、前記電子放出素子の列とは
直交する方向(即ち図中のY方向)と平行にN本設けら
れており、各グリッド電極には電子ビームを透過させる
ための空孔Ghが設けられている。空孔Ghは、図5の
例のように各電子放出素子に対応して1個ずつ設けても
良いし、あるいは微小な孔を多数設けても良い。各グリ
ッド電極は、気密性の端子G1〜GNによって真空容器外
と電気的に接続されている。
【0054】本表示パネルでは、L列の電子放出素子列
とN行のグリッド電極により、XYマトリクスが構成さ
れている。電子放出素子列を1列ずつ順次駆動(走査)
するのと同期してN本のグリッド電極に画像1ライン分
の変調信号を同時に印加することにより、蛍光体への電
子ビーム照射量を制御し、画像を1ラインずつ表示して
いくものである。
【0055】図4に戻り、表示パネル201の端子EV
には加速電圧印加用の高電圧電源VHが接続されてお
り、この電源より、たとえば、10[kV]の高電圧が
供給される。
【0056】また、端子EXm1〜EXmlは、グランドレ
ベル(即ち0[V])と電気的に接続されている。ま
た、端子EXp1〜EXplの各々には、スイッチング素子
アレイ202のスイッチング素子S1〜Slがそれぞれ接
続されている。各スイッチング素子の動作により、グラ
ンドレベル(即ち0[V])か、または電源VEの出力
電圧が選択されて端子に印加される。スイッチング素子
アレイ202を構成するスイッチング素子S1〜Slを、
図4においては模式的に示したが、要するに制御信号T
SCANに基づいてグランドレベルか電源VEを選択して接
続できれば良いのであり、たとえば前記図2で示したよ
うなトーテムポール型に接続されたFETペアを用いれ
ば良い。
【0057】また、シフトレジスタ204は、外部から
伝送されるシリアル画像データをタイミング制御回路2
03の発生するクロック信号TSFTに基づいてシリアル
/パラレル変換する。本参考例の表示パネル201は、
1ライン当たりN画素を有するものであるから、シリア
ル/パラレル変換された1ライン分の画像データは、I
D1〜IDNのN個の信号としてシフトレジスタ204から
出力される。なお、ID1〜IDNの各画像データは、例え
ば256階調を表現するものであれば、8bitの多値
データとしてシフトレジスタから出力されるが、図を簡
略化するために、各信号線は1本の線で図示してある。
【0058】また、ラインメモリ205は、前記シフト
レジスタ204の出力した1ライン分の画像データを、
タイミング制御回路203の発生する制御信号TMRYに
基づきラッチする。図中、I’D1〜I’DNで示すのはラ
インメモリ205の出力信号である。
【0059】また、ゲートアレイ206は、前記ライン
メモリ205の出力信号I’D1〜I’DNとタイミング制
御回路203の発生する制御信号TOFFの論理席を演算
するためのゲートアレイである。図4においては、信号
線I’DNに接続されるゲートアレイ部分を点線で囲み詳
細に図示したが、他のゲートアレイも同様の構成となっ
ている。即ち、8bitの画像データと制御信号TOFF
との論理積を演算するようにANDゲートが接続されて
いる。
【0060】前記ゲートアレイ206の出力信号I”D1
〜I”DNは、N個のD/A変換器207により、画像デ
ータに応じたアナログ電圧信号VG1〜VGNに変換されて
出力される。該信号VG1〜VGNは、端子G1〜GNを介し
て表示パネル201の各変調グリッドに印加される。
【0061】以上、各部の機能を説明したが、次に本
考例の表示装置の全体の動作を図6のタイミングチャー
トを参照しながら説明する。
【0062】図6の(1)に示すのは、上記の図4のシ
フトレジスタ204に不図示の画像情報源から入力され
るシリアル画像データで、画像の1ライン目、2ライン
目、3ライン目、・・・というふうにライン順次(各ラ
イン内では画素順次)で送られてくるものとする。
【0063】前記シリアル画像データに同期して、タイ
ミング制御回路203からシフトレジスタ204に図6
の(2)に示すようなシフトクロックTSFTが送られ
る。シフトレジスタ204は、シフトクロックTSFTに
基づき1ライン分のシリアル画像データをシリアル/パ
ラレル変換する。シリアル/パラレル変換が完了するの
と同期して、タイミング制御回路203はラインメモリ
205に対して、(3)に示すようにメモリーロードタ
イミング信号TMRYを発生する。したがってラインメモ
リ205から出力される内容は、(4)に示すように前
記メモリーロードタイミングTMRYに同期して、1ライ
ン目画像データ、2ライン目画像データ、・・・という
ように内容が切り替えられていく。
【0064】一方、タイミング制御回路203は、表示
するラインの電子放出素子列を適宜のタイミングで駆動
するために、スイッチング素子アレイ202に対して制
御信号TSCANを発生するが、その内容を(5)に示す。
図中、例えばS1=VE,S2〜Sl=0と示される場合に
は、スイッチング素子S1はVE[V]を、S2〜Slの各
スイッチング素子は、0[V]を選択的に接続すること
を意味している。
【0065】このようにスイッチング素子を動作させる
結果、各電子放出素子列には図6の(6)、(7)、
(8)に例示するような波形の電圧が印加される。電子
放出素子列に印加される電圧には、従来技術の項で説明
したようなスパイク状電圧SPが発生することになる。
即ち、スパイク状電圧SPが、スイッチング素子アレイ
202の中のスイッチング素子が切り換えられるタイミ
ング(図6の (5)に矢印aとして示すタイミング)
に同期して発生する。スパイク状電圧の持続する長さ
は、スイッチング素子の動作速度のばらつきや、スイッ
チング素子から電子放出素子列までの電気回路定数によ
り決まるが、本参考例においてはスパイク状電圧が電子
放出素子列に印加される期間中は、変調グリッドに電子
ビームをカットするカットオフ電位VCUTOFFを印加する
よう制御する。
【0066】好ましくは、スパイク状電圧が電子放出素
子列に印加される前後少なくとも100[ns]以上の
期間にわたりカットオフ電位VCUTOFFを印加するように
制御するものであり、本参考例においては図4のゲート
アレイ206に適当なカットオフタイミング信号TOFF
を入力することにより行なうものである。
【0067】即ち、TOFFに0レベルを入力するとゲー
トアレイ206の出力は全て0となるが、これは画像デ
ータを黒レベルに変換することと等価であり、D/A変
換器207はその間は電子ビームをカットオフする電位
VCUTOFFを出力する。
【0068】図6の(9)に、カットオフタイミング信
号TOFFを例示するが、図中に上記の(5)で説明した
スパイク状電圧の開始点(矢印a)も示す。TOFFは少
なくとも、矢印aの前100[ns]から、矢印aの後
SP+100[ns]の期間にわたり0レベルとなる
よう制御されている。なお、図中bで示す期間はTOFF
は0レベルとなるよう制御されているが、これは表示す
べき1ライン目の画像データがラインメモリ205にセ
ットされるまで変調グリッドをカットオフ状態に保つた
めである。
【0069】以上説明したカットオフタイミング信号T
OFFをゲートアレイ206に入力することにより、D/
A変換器207の出力電圧VG1〜VGNは図6の(10)
に示すようなグリッド変調電圧となる。図中の斜線部
は、画像データに応じて各グリッドごとに毎ライン異な
るレベルとなり、電子放出素子列から放出される電子ビ
ームを適宜変調して画像を形成する。その際、スパイク
状印加電圧により電子放出素子列から放出される不要な
電子ビームは、変調グリッド(グリッド電極GR)によ
りカットオフされるため蛍光面には到達しない。このた
め、従来問題となっていた画像のノイズやコントラスト
の低下を完全に除去することが可能となる。
【0070】なお、上記参考例では、ゲートアレイ20
6及びD/A変換器207に十分高速な回路を用いたた
め、これらの動作時間による信号遅延を特に調整せずに
カットオフタイミングTOFFを定めたが、これらの動作
時間が大きい場合には、図6の(9)の矢印aに対して
動作時間分だけカットオフタイミングを先行させる必要
がある。要は、スパイク状電圧が印加される前後に所定
の時間的な余裕を持たせてかっとオフ電圧が印加されれ
ばよい。本参考例では、少なくとも100[ns]にわ
たり、変調グリッドに実効的にカットオフ電圧が印加さ
れる構成としている。
【0071】(実施例) 図13に示すのは、本発明の実施例の平板型表示装置の
回路構成である。図中、301は表示パネル、302は
スイッチング素子アレイ、303はタイミング制御回
路、304はシフトレジスタ、305はラインメモリ
ー、306は切り替えスイッチ、307はD/A変換器
である。以下、各部の機能と、回路全体の動作につい
て、図14と図15を参照しながら説明する。
【0072】まず、表示パネル301は、例えば図14
に一部切り欠きの斜視図で示すような平板型CRTであ
る。図14において、VCはガラス製の真空容器で、そ
の一部であるFPはフェースプレート(即ち表示面)を
示している。フェースプレートFPの内面には、例えば
ITOを材料とする透明電極が形成され、さらにその内
側には赤、緑、青の蛍光体がモザイク状に塗り分けら
れ、CRTの分野では公知のメタルバック処理が施され
ている(透明電極、蛍光体、メタルバックは図示せ
ず)。また、真空容器VCには、気密性を持った端子E
Vが設けられており、この端子EVを通じて透明電極とメ
タルバックに真空容器外の電源VHから加速電圧を印加
することができる。
【0073】また、Sは前記真空容器VCの底面に固定
されたガラス基板で、その上面には前記図7で説明した
方法でM×N個の電子放出素子が配列形成されている。
該電子放出素子は、配線EC1〜ECM及びER1〜ERNによ
り、単純マトリクス状に接続されており、該配線は気密
性の端子EXC1〜EXCM及びEXR1〜EXRNによって真空容
器外と電気的に接続されている。
【0074】また、基板SとフェースプレートFPの中
間には、平板上の集束用グリッド電極GLが設けられて
いる。集束用グリッド電極GLは、前記基板Sとは平行
に設けられており、基板上のS上の電子放出素子と対応
して空孔Ghが設けられている。集束用グリッド電極G
Lは、的後の電圧VLを印加する事により、電子放出素
子から放出された電子ビームに対して集束レンズとして
作用する。この作用により、蛍光体上の輝点の形状を良
好なものとする事が可能である。なお、集束用グリッド
電極GLは、気密性の端子EXGLによって真空容器外と
電気的に接続されている。
【0075】本表示パネルでは、基板上の多数の電子放
出素子により、XYマトリクスが構成されている。行方
向配線電極に走査信号を印加して電子放出素子行を1列
ずつ順次駆動(走査)するのと同期してN本の列方向配
線電極に画像1ライン分の変調信号を同時に印加するこ
とにより、蛍光体への電子ビーム照射量を制御し、画像
を1ラインずつ表示して行くものである。
【0076】図13に戻り、表示パネル301の端子E
Vには加速電圧印加用の高電圧電源VHが接続されてお
り、この電源より、例えば10[kV]の高電圧が供給
される。
【0077】また、端子EXC1〜EXCMの各々には、スイ
ッチング素子アレイ302のスイッチング素子S1〜SM
がそれぞれ接続されており、各スイッチング素子の動作
により、グランドレベル(即ち0[V])か、または電
源VE/2の出力電圧が選択されて端子に印加される。
スイッチング素子アレイ302を構成するスイッチング
素子S1〜SMを、図13においては模式的に示したが、
要するに制御信号TSCANに基づいてグランドレベルか電
源VE/2を選択して接続できれば良いのであり、例え
ば前記図10で示したようなトーテムポール型に接続さ
れたFETペアを用いれば良い。
【0078】また、シフトレジスタ304は、外部から
伝送されるシリアル画像データをタイミング制御回路3
03の発生するクロック信号TSFTに基づいてシリアル
/パラレル変換する。本実施例の表示パネルは、1ライ
ン当たりN画素を有するものであるから、シリアル/パ
ラレル変換された1ライン分の画像データは、ID1〜I
DNのN個の信号としてシフトレジスタ304から出力さ
れる。なお、ID1〜IDNの各画像データは、例えば25
6階調を表現するものであれば、8bitの多値データ
としてシフトレジスタから出力されるが、図を簡略化す
るために、各信号線を1本の線で図示してある。
【0079】また、ラインメモリ305は、前記シフト
レジスタ304の出力した1ライン分の画像データを、
タイミング制御回路303の発生する制御信号TMRYに
基づきラッチする。図中、I’D1〜I’DNで示すのはラ
インメモリ305の出力信号である。
【0080】前記ラインメモリ305の出力信号I’D1
〜I’DNは、N個のD/A変換器307により、画像デ
ータに応じた変調信号VR1〜VRNに変換されて出力され
る。該信号VR1〜VRNは、端子EXR1〜EXRNを介して表
示パネル301の各列方向配線電極に印加される。
【0081】また、電圧源VLは、表示パネル301の
集束用グリッド電極に集束電位を供給するための電圧源
である。
【0082】また、切り替えスイッチ306は、タイミ
ング制御回路303の発生するカットオフタイミング制
御信号TOFFに基づき、集束用グリッド電極に印加する
電圧を電圧源VLの出力電圧からカットオフ電圧(本実
施例の場合は0[V]である)に切り替えるためのスイ
ッチである。
【0083】以上、各部の機能を説明したが、次に実施
の表示装置の全体の動作を図15のタイミングチャー
トを参照しながら説明する。(1)に示すのは、前記図
13のシフトレジスタ304に不図示の画像情報源から
入力されるシリアル画像データで、画像の1ライン目、
2ライン目、3ライン目、・・・というふうにライン順
次(各ライン内は画素順次)で送られてくるものとす
る。前記シリアル画像データに同期して、タイミング制
御回路303からシフトレジスタ304に図15の
(2)に示すようなシフトクロックTSFTが送られる。
シフトレジスタ304は、シフトクロックTSFTに基づ
き1ライン分のシリアル画像データをシリアル/パラレ
ル変換する。シリアル/パラレル変換が完了するのと同
期して、タイミング制御回路303はラインメモリ30
5に対して、(3)に示すようにメモリロードタイミン
グ信号TMRYを発生する。したがって、ラインメモリ3
05から出力される内容は、(4)に示すように前記メ
モリロードタイミングTMRYに同期して、1ライン目画
像データ、2ライン目画像データ、・・・というように
内容が切り替えられていく。
【0084】D/A変換器307は、ラインメモリ30
5から送られる前記(4)で示される画像データをD/
A変換し、電子放出素子から放出される電子ビームを変
調するための変調電圧として図15の(6)に示すタイ
ミングで出力する。
【0085】一方、タイミング制御回路303は、表示
するラインの電子放出素子行を適宜のタイミングで走査
するために、スイッチング素子アレイ302に対して制
御信号TSCANを発生するが、その内容を(5)に示す。
図中、例えばS1=0,S2〜SM=VE/2と示される場
合には、スイッチング素子S1は0[V]を、S2〜SM
の各スイッチング素子はVE/2[V]を選択的に接続
することを意味している。このようにスイッチング素子
を動作させる結果、電子放出素子行を1行目から順次走
査することができ、走査中の行方向配線電極には0
[V]、それ以外の行方向配線にはVE/2[V]が印
加される。
【0086】以上の様な駆動手順により電子放出素子に
は画像データに応じた駆動信号が印加されるが、その
際、駆動信号には、従来技術の項で説明したようなスパ
イク状電圧SPが発生することになる。即ち、スパイク
状電圧SPが、スイッチング素子アレイ302の中のス
イッチング素子が切り換えられるタイミング(図15の
(5)に矢印aとして示すタイミング)に同期して発生
する。スパイク状電圧の持続する長さは、スイッチング
素子の動作速度のバラツキや、スイッチング素子から電
子放出素子列までの電気回路定数により決まるが、本実
施例においてはスパイク状電圧が電子放出素子列に印加
される期間中は、集束用グリッド電極に電子ビームをカ
ットするカットオフ電位VCUTOFFを印加するよう制御す
る。好ましくは、スパイク状電圧が電子放出素子列に印
加される前後少なくとも100[ns]以上の期間にわ
たりカットオフ電位VCUTOFFを印加するように制御する
ものであり、本実施例においては図13の切り替えスイ
ッチ306に適当なカットオフタイミング信号TOFFを
入力する事により行なうものである。即ち、TOFFに0
レベルを入力すると切り替えスイッチ306はカットオ
フ電位(グランドレベル)を端子EXGLに接続する。し
たがって、集束用グリッド電極GLはその間は電子ビー
ムをカットオフする電位VCUTOFFを出力する。図15の
(7)に、カットオフタイミング信号TOFFを例示する
が、図中に前記(5)で説明したスパイク状電圧の開始
点(矢印a)も示す。TOFFは少なくとも、矢印aの前
100[ns]から、矢印aの後SPの発生期間+10
0[ns]の期間にわたり0レベルとなるよう制御され
ている。なお、図中bで示す期間TOFFは0レベルとな
るよう制御されているが、これは表示すべき1ライン目
の画像データがラインメモリ305にセットされるまで
集束用グリッド電極をカットオフ状態に保つためであ
る。以上説明したカットオフタイミング信号TOFFを切
り替えスイッチ306に入力することにより、集束用グ
リッド電極に印加される電圧(集束電圧)は、図15の
(8)に示すような電圧となる。
【0087】以上の方法により、スパイク状印加電圧に
より電子放出素子列から放出される不要な電子ビーム
は、集束用グリッド電極によりカットオフされるため蛍
光面には到達しない。このため、従来問題となっていた
画像のノイズやコントラストの低下を完全に除去するこ
とができた。なお、上記実施例では、切り替えスイッチ
306に十分高速な回路を用いたため、これらの動作時
間により信号遅延を特に調整せずにカットオフタイミン
グTOFFを定めたが、これらの動作時間が大きな場合に
は、前記図15の(5)の矢印aに対して動作時間分だ
けカットオフタイミングを先行させる必要がある。要
は、スパイク状電圧が印加される前後に所定の時間的余
裕を持たせて集束用グリッド電極に実効的にカットオフ
電位が印加されればよい。本実施例では、スパイク上電
圧が印加される前後に、少なくとも100[ns]にわ
たり、集束用グリッド電極に実効的にカットオフ電位が
印加される構成としている。
【0088】次に、上記参考例及び実施例の表示パネル
に用いたマルチ電子ビーム源の製造方法について説明す
る。尚、上記参考例実施例の表示パネルに用いられる
電子ビーム源は、夫々その配線形態は異なるものの、電
子放出素子等は同様の工程で製造することが可能であ
る。ここでは、マトリクス配線を適用した実施例の表示
パネルに用いられるマルチ電子ビーム源を説明する。本
実施例の画像表示装置に用いるマルチ電子ビーム源は、
冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、
冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制限はない。し
たがって、例えば表面伝導型放出素子やFE型、あるい
はMIM型などの冷陰極素子を用いることができる。
【0089】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子のなかでも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。
即ち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対位
置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極めて
高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や製
造コストの低減を達成するためには不利な要因となる。
また、MIM型では、絶縁層と上電極の薄膜を薄くして
しかも均一にする必要があるが、これも大面積化や製造
コストの低減を達成するには不利な要因となる。その
点、表面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なた
め、大面積化や製造コストの低減が容易である。また、
発明者らは、表面伝導型放出素子のなかでも、電子放出
部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成したものが取
り分け電子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行える
ことを見出している。したがって、高輝度で大画面の画
像表示装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好
適であるといえる。そこで、上記実施例の表示パネルに
おいては、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜か
ら形成した表面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず
好適な表面伝導型放出素子について基本的な構成と製法
及び特性を説明し、その後で多数の素子を単純マトリク
ス配線したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0090】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。 (平面型の表面伝導型放出素子)まず最初に、平面型の
表面伝導型放出素子の素子構成と製法について説明す
る。
【0091】図16に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面図(a)および断面
図(b)である。図中、1101は基板、1102と1
103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は
通電フォーミング処理により形成した電子放出部、11
13は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0092】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2 を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0093】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn2O3 −SnO2 をはじめとする金属
酸化物、ポリシリコンなどの半導体などの中から適宜材
料を選択して用いればよい。電極を形成するには、たと
えば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、
エッチングなどのパターンニング技術を組み合わせて用
いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば
印刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0094】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメータの範囲から適当な数値を選んで
設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好ま
しいのは数マイクロメータより数十マイクロメータの範
囲である。また、素子電極の厚さdについては通常は数
百オングストロームから数マイクロメータの範囲から適
当な数値が選ばれる。
【0095】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なりあった構造が観測される。
【0096】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0097】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pbなどをはじめとする金属や、PdO,Sn
O2 ,In2 O3 ,PbO,Sb2 O3 ,などをはじめ
とする酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,Ce
B6 YB4 ,GdB4 ,などをはじめとする硼化物や、
TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等をはじめ
とする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,などをはじ
めとする窒化物やSi,Ge,などをはじめとする半導
体や、カーボン、などがあげられ、これらの中から適宜
選択される。
【0098】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したがそのシート抵抗値については、1
0の3乗から10の7乗[オーム/□]の範囲に含まれ
るよう設定した。
【0099】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図16の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順で積層してもさしつかえない。
【0100】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図16においては模式的に示してある。
【0101】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物によりなる薄膜で、電子放出部1105およびそ
の近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミ
ング処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことに
より形成する。
【0102】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのが更に好ましい。
【0103】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図16においては模式
的に示してある。また、平面図(a)においては、薄膜
1113の一部を除去した素子を図示した。
【0104】以上、好ましい素子の基本構造を述べた
が、本実施例においては以下のような素子を用いた。
【0105】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメータ]とした。
【0106】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメータ]とした。
【0107】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図17の(a)〜(d)
は、表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断
面図で、各部材の表記(参照番号)は前記図16と同一
である。
【0108】1)まず、図17(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。形成するにあたっては、あらかじめ基板1101
を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、素子電
極の材料を堆積させる(堆積する方法としては、たとえ
ば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用いれば
よい)。その後、堆積した電極材料を、フォトリソグラ
フィー・エッチング技術を用いてパターニングし、
(a)に示した一対の素子電極(1102と1103)
を形成する。
【0109】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。形成するにあたっては、ま
ず前記(a)の基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、
加熱焼成処理して微粒子膜を成膜した後、フォトリソグ
ラフィー・エッチングにより所定の形状にパターニング
する。ここで、有機金属溶剤とは、導電性薄膜に用いる
微粒子の材料を主要元素とする有機金属化合物の溶液で
ある(具体的には、本実施例では主要元素としてPdを
用いた。また、実施例では塗布方法として、ディッピン
グ法を用いたが、それ以外のたとえばスピンナー法やス
プレー法を用いてもよい)。
【0110】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施例で用いた有機金属溶液の塗布
による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ法、
あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0111】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0112】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0113】通電方法をより詳しく説明するために、図
18に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施例の場合には同図に示したようにパルス幅
T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加し
た。その際には三角波パルスの波高値Vpfを、順次昇
圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモニタ
するためのモニタパルスPmを適宜の間隔で三角波パル
スの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計1111
で計測した。
【0114】実施例においては、たとえば、10のマイ
ナス5乗[torr]程度の真空雰囲気下において、た
とえばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を
10[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに
0.1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス
印加するたびに1回の割で、モニタパルスPmを挿入し
た。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがないよう
に、モニタパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定し
た。そして、素子電極1102と1103の間の電気抵
抗が1×10の6乗[オーム]になった段階、即ちモニ
タパルス印加時に電流計1111で計測される電流が1
×10のマイナス7乗[A]以下になった段階で、フォ
ーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0115】なお、上記の方法は、本実施例の表面伝導
型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微粒
子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0116】4)次に、図17の(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0117】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである(図においては、炭素
もしくは炭素化合物によりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した)。なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0118】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0119】通電方法をより詳しく説明するために、図
19の(a)に、活性化用電源1112から印加する適
宜の電圧波形の一例を示す。本実施例においては、一定
電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行っ
たが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、
パルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10
[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施例
の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表
面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応
じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0120】図17の(d)に示す1114は該表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノード電極で、直流高電圧電源1115および電
流計1116が接続されている(なお、基板1101
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる)。
【0121】活性化用電源1112から電圧を印加する
間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電活性
化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源1112
の動作を制御する。電流計1116で計測された放出電
流Ieの一例を図19(b)に示すが、活性化電源11
12からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過と
ともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほと
んど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほぼ
飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加を
停止し、通電活性化処理を終了する。
【0122】なお、上述の通電条件は、本実施例の表面
伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝導
型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて条
件を適宜変更するのが望ましい。
【0123】以上のようにして、図17(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0124】(垂直型の表面伝導型素子)次に、電子放
出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面伝導
型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち垂直
型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0125】図20は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0126】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、前記図16の平面型における素子電極間L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1
204については、前記平面型の説明中に列挙した材料
を同様に用いることが可能である。また、段差形成部材
1206には、たとえばSiO2 のような電気的に絶縁
性の材料を用いる。
【0127】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図21の(a)〜(f)は、製造工
程を説明するための断面図で、各部材の表記(参照番
号)は前記図20と同一である。
【0128】1)まず、図21(a)に示すように、基
板1201上に素子電極1203を形成する。
【0129】2)次に、同図(b)に示すように、段差
形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、たとえばSiO2 をスパッタ法で積層すればよい
が、たとえば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を
用いてもよい。
【0130】3)次に、同図(c)に示すように、絶縁
層の上に素子電極1202を形成する。
【0131】4)次に、同図(d)に示すように、絶縁
層の一部を、たとえばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0132】5)次に、同図(e)に示すように、微粒
子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成する
には、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗布法など
の成膜技術を用いればよい。
【0133】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する(図
17(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング
処理と同様の処理を行えばよい)。
【0134】7)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積させる(図17(d)を用いて説明した
平面型の通電活性化処理と同様の処理を行えばよい)。
【0135】以上のようにして、図21(f)に示す垂
直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0136】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0137】図22に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、
これらの特性は、素子の大きさや形状等の設計パラメー
タを変更することにより変化するものであるため、2本
のグラフは各々任意単位で図示した。
【0138】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0139】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。すな
わち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを
持った非線形素子である。
【0140】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0141】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0142】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。
【0143】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0144】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素
子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。
【0145】図23に示すのは、前記図14の表示パネ
ルに用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上
には、前記図16で示したものと同様な表面伝導型放出
素子が配列され、これらの素子は行方向配線電極100
3と列方向配線電極1004により単純マトリクス状に
配線されている。行方向配線電極1003と列方向配線
電極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不
図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれてい
る。
【0146】図23のA−A’に沿った断面を、図24
に示す。
【0147】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線電極1003、列方向配
線電極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面
伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、
行方向配線電極1003および列方向配線電極1004
を介して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電
活性化処理を行うことにより製造した。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明よれば、
マルチ電子ビーム源に於いて、スパイク状電圧により発
生していた不要な電子ビームをカットオフすることが可
能となる。このため、マルチ電子ビーム源を応用した画
像表示装置に於いて、不要な電子放出に起因した画像の
ノイズ発生やコントラストの低下といった問題を除去す
ることが可能となり、画像表示装置の利用価値を大いに
高めることが可能となる。
【0149】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例のマルチ電子ビーム源の電子放出素子の
配置を示す図である。
【図2】図1の電子ビーム電子源に適用される駆動回路
の1例を示す図である。
【図3】従来発生していたスパイクノイズの問題を説明
するためのタイムチャートである。
【図4】参考例の表示装置の基本構成を示したブロック
図である。
【図5】参考例の平板型表示パネルの一部を切り欠いて
示した斜視図である。
【図6】参考例の動作を説明するためのタイムチャート
である。
【図7】実施例のマルチ電子ビーム源の電子放出素子の
配置を示す図である。
【図8】電子放出素子の典型的な特性を示しす図であ
る。
【図9】図7のマルチ電子ビーム源へ電圧を印加する方
法を説明する図である。
【図10】図7のマルチ電子ビーム源に適用される駆動
回路の1例を示す図である。
【図11】図7のマルチ電子ビーム源を駆動するパター
ンの1例を示す図である。
【図12】従来発生していたスパイクノイズの問題を説
明するためのタイムチャートである。
【図13】実施例の表示装置の基本構成を示したブロッ
ク図である。
【図14】実施例の平板型表示パネルの一部を切り欠い
て示した斜視図である。
【図15】実施例の動作を説明するためのタイムチャー
トである。
【図16】実施例及び参考例で用いた平面型の表面伝導
型放出素子の平面図及び断面図である。
【図17】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図18】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形を
示す図である。
【図19】通電活性化処理の際の印加電圧波形と、放出
電流Ieの変化を表す図である。
【図20】実施例及び参考例で用いた垂直型の表面伝導
型放出素子の断面図である。
【図21】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図22】実施例及び参考例で用いた表面伝導型放出素
子の典型的な特性を示すグラフである。
【図23】実施例及び参考例で用いたマルチ電子ビーム
源の基板の平面図である。
【図24】実施例及び参考例で用いたマルチ電子ビーム
源の基板の一部断面図である。
【図25】従来の表面伝導型放出素子の平面図である。
【図26】従来のFE型素子の断面図である。
【図27】従来のMIM型素子の断面図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/316 H01J 3/18 H01J 29/62 H01J 31/12 G09G 3/20 - 3/22

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M本の行方向配線電極とN本の列方向配
    線電極とによりマトリクス配線された複数の電子放出素
    子が基板平面上に行列状に設けられた基板と、前記複数の電子放出素子のそれぞれに対応した位置に通
    過口を有し、 前記電子放出素子から放出される電子を集
    束するための集束電圧が印加される平板状の制御電極
    と、 前記行方向配線電極を介して走査信号を印加し、列方向
    配線電極を介して表示画像データに基づく変調信号を印
    加することで各電子放出素子に駆動信号を印加する駆動
    手段と、前記駆動手段による前記走査信号のオン/オフタイミン
    グにおいて、前記制御電極に電子ビームをカットオフす
    るためのカットオフ電圧が印加された状態となるよう
    に、該制御電極へ該カットオフ電圧を印加するカットオ
    フ電圧印加手段と を備えることを特徴とするマルチ電子
    ビーム源。
  2. 【請求項2】 前記カットオフ電圧印加手段は、少なく
    とも前記駆動手段による前記走査信号のオン/オフによ
    って生じるスパイク状電圧が前記電子放出素子に印加さ
    れていると想定される期間にわたって前記カットオフ電
    圧が前記制御電極に印加されるように動作することを特
    徴とする請求項に記載のマルチ電子ビーム源。
  3. 【請求項3】 前記カットオフ電圧印加手段は、前記走
    査信号のオン/オフタイミングに同期したスパイク状電
    圧の発生タイミングの前後の所定期間に渡って前記カッ
    トオフ電圧を前記制御電極に印加することを特徴とする
    請求項1に記載のマルチ電子ビーム源。
  4. 【請求項4】 前記所定期間は100ナノ秒以上である
    ことを特徴とする請求項3に記載のマルチ電子ビーム
    源。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    のマルチ電子ビーム源と、 該マルチ電子ビーム源上に電子ビームの照射により可視
    画像を形成するための蛍光体ターゲットとを備えること
    を特徴とする画像表示装置。
  6. 【請求項6】 M本の行方向配線電極とN本の列方向配
    線電極とによりマトリクス配線された複数の電子放出素
    子が基板平面上に行列状に設けられた基板と、 前記複数の電子放出素子のそれぞれに対応した位置に通
    過口を有し、前記電子放出素子から放出される電子を集
    束するための集束電圧が印加される平板状の制御電極と
    を備えた電子ビーム源の駆動方法であって、 前記制御電極に電子を集束するための集束電圧を印加し
    ながら、前記行方向配線電極を介して走査信号を印加
    し、列方向配線電極を介して表示画像データに基づく変
    調信号を印加することで各電子放出素子に駆動信号を与
    え、 前記駆動信号の印加の過程で生じる前記走査信号のオン
    /オフタイミングにおいて、前記制御電極に電子ビーム
    をカットオフするためのカットオフ電圧が印加された状
    態となるように、該制御電極へ該カットオフ電圧を印加
    することを特徴とするマルチ電子ビーム源の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記カットオフ電圧は、少なくとも前記
    走査信号のオン/オフによって生じるスパイク状電圧が
    前記電子放出素子に印加されていると想定される期間に
    わたって前記制御電極に印加されることを特徴とする請
    求項6に記載のマルチ電子ビーム源の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記カットオフ電圧は、前記走査信号の
    オン/オフタイミングに同期したスパイク状電圧の発生
    タイミングの前後の所定期間に渡って前記制御電極に印
    加されることを特徴とする請求項6に記載のマルチ電子
    ビーム源。
  9. 【請求項9】 前記所定期間は100ナノ秒以上である
    ことを特徴とする請求項8に記載のマルチ電子ビーム源
    の駆動方法。
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KR102580288B1 (ko) * 2021-07-19 2023-09-19 한양대학교 에리카산학협력단 모듈러 구조물에 적용되는 제진 시스템 및 방법

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