JPH09194647A - 自動車内装材表皮用難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及びそれを用いた積層シート - Google Patents

自動車内装材表皮用難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及びそれを用いた積層シート

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JPH09194647A
JPH09194647A JP8318584A JP31858496A JPH09194647A JP H09194647 A JPH09194647 A JP H09194647A JP 8318584 A JP8318584 A JP 8318584A JP 31858496 A JP31858496 A JP 31858496A JP H09194647 A JPH09194647 A JP H09194647A
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真 一 秋田谷
Akinori Arai
井 明 徳 新
Toyokazu Nakauchi
内 豊 和 仲
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 エチレン・α-オレフィン系共重合体エラ
ストマー(A)50〜70wt%、ポリプロピレン樹脂(B)35〜21w
t%及び低密度ポリエチレン樹脂(C)15 〜9wt%からなるオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)100重量部
と、鉱物油(e)10 〜30重量部とからなるオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物(G) 100 重量部を、メラミ
ン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)25 〜50重量部、特定の
1,3,5ートリアジン誘導体(j)8 〜17重量部及び滑剤(f)0.
1 〜3 重量部と配合してなるオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物。 【効果】 カレンダー成形法における一次成形性及びシ
ボ付け、圧空成形法および真空成形法等における二次成
形性のいずれにも優れ、かつ得られる成型品が自動車内
装材用途に適する柔軟性及び難燃性を備えるとともに、
火災等の際の熱分解に伴う腐食性のガス又は有毒ガス等
の発生が極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車内装材表皮用
の難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、お
よびそれを用いた積層体に関する。更に詳しくは、本発
明は、カレンダー成形法における一次成形性及びシボ付
け、圧空成形法および真空成形法等における二次成形性
のいずれにも優れ、かつ得られる成型品が自動車内装材
用途に適する柔軟性及び難燃性を備えるとともに、火災
等の際の熱分解に伴う腐食性のガス又は有毒ガス等の発
生が、ハロゲン系難燃剤が配合された組成物と比較し
て、極めて低い自動車内装材表皮用難燃性オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物、およびそれを用いた積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂(PVC)は、従来よ
り、自動車内装材の表皮シートとして多用されて来た
が、その軽量性及びリサイクル性等に問題を残してい
た。そこで、最近では、このような塩化ビニル樹脂の代
替材料として、柔軟性を備えると共に軽量で、かつリサ
イクル性に問題の少ないオレフィン系樹脂(PO)が自
動車内装材の表皮シート材料として使用されるようにな
って来た。
【0003】ところが、近年、自動車業界においても安
全性が最優先となっているという背景から、自動車内装
材に対する難燃化の要求が高まっており、オレフィン系
樹脂で作成された自動車内装材の表皮シートにも「米国
自動車安全基準FMVSS302」(以下「FMVS
S」と略記することがある)に代表されるような高度な
難燃性を要求されるようになってきた。
【0004】最近のオレフィン系樹脂に対する難燃化技
術の主流は、ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモンを
オレフィン系樹脂に配合して難燃性を付与する技術であ
ったが、この技術には燃焼時又は成形時に有害性及び腐
食性のハロゲン系ガス発生を伴うといった問題があっ
た。
【0005】このような問題を解決する一手段としてノ
ン(非)ハロゲン難燃剤をオレフィン系樹脂に配合する
技術が既に提供されている。例えば、具体的には、特開
昭53−92855号公報、特開昭54−29350号
公報、特開昭54−77658号公報、特開昭56−2
6954号公報、特開昭57−87462号公報及び特
開昭60−110738号公報等には、ノンハロゲン難
燃剤として含水無機化合物(例えば水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等)を用
いる技術が既に提案されている。
【0006】しかしながら、このような含水無機化合物
を用いてFMVSSの基準を満たす為には、多量の含水
無機化合物をオレフィン樹脂に配合しなければならな
い。その結果、得られる組成物は成形加工性の低下を来
たすばかりでなく、この組成物を用いたシートが自動車
内装材シートに要求される軽量性を満足させないという
問題があった。
【0007】また、熱可塑性樹脂又はポリプロピレン樹
脂にポリ燐酸アンモニウムとトリアジン誘導体とを配合
する方法(例えば特開昭59−147050号公報、特
開平1−193347号公報及び特開平2−26385
1号公報等参照)が提案されている。このような方法で
得られた組成物は、成形加工性が比較的良好で、加工時
又は燃焼時での有害性ガス又は腐食性ガスの発生も少な
いという利点を有している。しかしながら、この組成物
を用いたシート等は、自動車内装材としては柔軟性に依
然として改善の余地を残していた。
【0008】オレフィン樹脂を用いた組成物を成形して
得たシート等の柔軟性を改善する為に、本発明者等は、
既に、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ燐酸ア
ンモニウム及びトリアジン誘導体からなり、良好な成形
性(射出成形、押出成形)と、高度な難燃性及び柔軟性
とを兼備した難燃性組成物を提案している(特開平5−
331322号公報参照)。
【0009】しかしながら、この難燃性組成物は、上述
のように成形性、難燃性並びに柔軟性には優れるもの
の、カレンダー成形法によるシートの成形性及び真空成
形における加工性において、改善余地があることが見出
された。
【0010】即ち、オレフィン系熱可塑性エラストマー
を使用した自動車内装材用表皮シートの成形法として
は、カレンダー成形法又はTダイ押出成形法が一般的で
あって、特にカレンダー成形は歩留まりの非常に高い成
形法であることから、他の成型法及び加工法と比べ抜群
の生産性を誇っている。
【0011】また塩化ビニル樹脂の代替としてオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーを使用する場合には、塩化ビ
ニル樹脂製シート製造時の製造ラインで新たな成形機も
周辺機器も購入せずに成形可能であることが要請され
る。
【0012】しかしながら、上述の難燃性オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物では、組成物原材料をカレ
ンダーロールに巻き付けて混練しながら、カレンダー成
形法でシートとしようとすると、平行するロール間に挟
持されてシート化される組成物が、挟持される直前でバ
ンク(樹脂たまり)を形成し、このバンク原材料が均一
に混練されないままで滞留するという傾向があることが
新たに判った。このようなバンクは、これがそのまませ
り上がる通称「ベロ出し現象」を起こす他、カレンダー
ロールに粘着して製品歩留りを低下させる等の問題を発
生させる。
【0013】また、更に、この難燃性オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物は、カレンダー成形に続く真空
成形法における加工時に延伸性不良に起因する型破れを
生じ易いという問題をも残していることが判った。
【0014】カレンダー成形法における一次成形性に優
れたオレフィンエラストマー組成物としては例えば、下
掲のものが提案されている:エチレン・α−オレフィン
共重合体エラストマー、ポリプロピレン樹脂及び鉱物油
系軟化剤から成る混練物を有機ペルオキシドの存在のも
とに動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマー、
およびこれにポリエチレン樹脂を添加混練した熱可塑性
エラストマー組成物(特公平2−37942号公報参
照);カレンダー成形法に於ける成形性及び真空成形法
に於ける加工性に優れたα−オレフィン系共重合体エラ
ストマー及びポリオレフィン系樹脂を含有する部分的に
架橋された熱可塑性エラストマー、およびα−オレフィ
ン系共重合体エラストマー及びポリオレフィン系樹脂を
含有する部分的に架橋された熱可塑性エラストマーを含
有する熱可塑性エラストマー組成物(特開平6−136
205号公報参照)。
【0015】しかしながら、本発明者等の実験によれ
ば、上記のオレフィン系熱可塑性エラストマーに、前述
したポリ燐酸アンモニウム及びトリアジン誘導体を配合
した組成物は確かに上記特許公報に開示された範囲の特
定部分においてカレンダー加工性を満足することが認め
られるものの、併せて必要とされる二次加工性、特に真
空成形性を満足しない、つまりこの組成物を用いたシー
トの真空成形時に、シートの延伸性不良に起因する型破
れが発生するという問題点のあることが判明した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決しようとするものであり、カレ
ンダー成形法における一次成形性及びシボ付け、圧空成
形法および真空成形法等における二次成形性のいずれに
も優れ、かつ得られる成型品が自動車内装材用途に適す
る柔軟性及び難燃性を備えるとともに、火災等の際の熱
分解に伴う腐食性のガス又は有毒ガス等の発生が、ハロ
ゲン系難燃剤が配合された組成物と比較して、極めて低
い自動車内装材表皮用難燃性オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物、およびそれを用いた積層体を提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動車内装
材表皮用の難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物は、エチレン・α-オレフィン系共重合体エラスト
マー(A)(ムーニー粘度:ML1+4(100℃)40〜10
0)50〜70重量%、ポリプロピレン樹脂(B)(結晶
融点140〜165℃、エチレン成分含有量1〜2重量
%)35〜21重量%および低密度ポリエチレン樹脂
(C)(密度0.90〜0.93g/cm3,結晶融点102〜
118℃)15〜9重量%からなるオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物(D)100重量部と、鉱物油(e)
10〜30重量部、好ましくは15〜25重量部と、か
らなる油展オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
(G)、および前記油展オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物(G)100重量部に対して、25〜50重量
部、好ましくは28〜40重量部のメラミン被覆ポリ燐
酸アンモニウム(h)、8〜17重量部、好ましくは10
〜13重量部の下記の一般式(I)で表される化学構造を
有する1,3,5-トリアジン誘導体(j)、および0.1〜3
重量部、好ましくは0.5〜2重量部の滑剤(f)を含む
ことを特徴としている。
【0018】
【化2】
【0019】(式中、Xはモルホリノ基又はピペリジノ
基、Yはピペラジンから誘導される2価の基、nは1以
上の数である) 本発明に係る難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物では、前記ポリプロピレン樹脂(B)が、結晶性プ
ロピレン−エチレン共重合体又は結晶性プロピレン単独
重合体と、エチレン成分含有量0.5〜4重量%のプロ
ピレン−エチレン共重合体とからなるプロピレン重合体
組成物であり、かつその重合体組成物全体が、エチレン
成分含有量1〜2重量%であることが望ましい。
【0020】本発明に係る積層体は、ポリオレフィン系
樹脂から形成される発泡体シートと上記難燃性オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物から形成される難燃性
シートとからなることを特徴としている。
【0021】本発明に係る積層体では、前記発泡体シー
トが、発泡倍率20〜30倍かつ平均肉厚1〜3mmであ
り、前記難燃性シートが、平均肉厚0.25〜0.45mm
であることが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動車内装材
表皮用の難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物およびそれを用いた積層体に付き、具体的に説明す
る。
【0023】本発明に係る自動車内装材表皮用の難燃性
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、特定量の
油展オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(G)と、
各々特定定量のメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム
(h)、1,3,5-トリアジン誘導体(j)、および滑剤(f)と
からなる。
【0024】また、本発明で用いられる油展オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物(G)は、特定のエチレン
・α-オレフィン系共重合体エラストマー(A)、ポリプ
ロピレン樹脂(B)および低密度ポリエチレン樹脂(C)か
らなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)
と、鉱物油(e)とを混練して得られる。
【0025】以下、先ずオレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物(D)の各成分を説明する。 <エチレン・α-オレフィン系共重合体エラストマー
(A)>本発明で、オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物(D)の調製に用いられるエチレン・α-オレフィン
系共重合体エラストマー(A)は、エチレンとα-オレフ
ィン系モノマーとから形成された非晶性又は低結晶性共
重合体であって、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が4
0〜100、好ましくは70〜90であある。
【0026】ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が40を
大きく下回るエチレン・α−オレフィン系共重合体エラ
ストマーを用いた組成物は、カレンダー成形時でのカレ
ンダーロールへの密着性が悪化する。他方、ムーニー粘
度が100を大きく超えるエチレン・α−オレフィン系
共重合体エラストマーを用いた組成物は、平行するロー
ル間に挟持される直前でバンク(樹脂たまり)を形成
し、これがそのまませり上がる通称「ベロ出し現象」を
起こす。
【0027】このようなオレフィン系共重合体エラスト
マー(A)としては、具体的にはエチレン−プロピレン共
重合体エラストマー(以下「EPM」と略称することが
ある)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
エラストマー(以下「EPDM」と略称することがあ
る)等を挙げることができる。その中でもそのプロピレ
ン成分含有量が25〜30重量%、好ましくは26〜2
8重量%のEPM又はEPDMが特に好ましい。
【0028】なお、本発明で好ましく用いられるEPD
M中の非共役ジエン成分含有量は、沃素価で表わすと通
常10〜20、好ましくは12〜15である。このよう
なEPDMに用いられる非共役ジエンとしては、5-エチ
リデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン又は1,4
-ヘキサジエンが例示される。
【0029】<ポリプロピレン樹脂(B)>本発明で、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)の調製に用
いられるポリプロピレン樹脂(B)は、その結晶融点が1
40℃〜165℃、好ましくは150〜156℃である
プロピレン系結晶性樹脂であって、そのエチレン成分含
有量が1〜2重量%、好ましくは1.2〜1.6重量%
である。
【0030】そのエチレン成分含有量が2重量%を大き
く超えるポリプロピレン樹脂を用いた組成物をシートに
成形し、二次加工、例えばシボ付け及び真空成形を行な
った場合、二次加工であるシボ付け時にシボ付けロール
に粘着したり、或いはこれに続く真空成形時にシボ消え
が発生する等の問題がある。また、そのエチレン成分含
有量が0.5重量%を大きく下回るポリプロピレン樹脂
を用いた組成物をシートに成形した場合、真空成形時に
屡型破れを生ずる等の問題がある。
【0031】このようなポリプロピレン樹脂(B)は樹脂
組成物であってもよく、特に結晶性プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体又はプロピレン結晶性単独重合体
と、エチレン成分含有量が通常0.5〜4重量%のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体とからなり、そのエ
チレン成分含有量が1〜2重量%、好ましくは1.2〜
1.6重量%である樹脂組成物であることが望ましい。
【0032】また、ポリプロピレン樹脂(B)は、特に限
定されないが、そのメルトフローレート(MFR(230
℃;2.16kgf))が通常1〜50g/10min、好ましくは5〜
10g/10minであることが望ましい。
【0033】<低密度ポリエチレン樹脂(C)>低密度ポ
リエチレン樹脂は、分枝状ポリエチレンであり、この枝
別れが稠密な分子配列を妨げる結果、低密度であり、強
靱かつ柔軟性を有している。
【0034】本発明で、オレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物(D)の調製に用いられる低密度ポリエチレン
樹脂(C)は、その真密度が0.90〜0.93g/cm3、好
ましくは0.91〜0.92g/cm3であり、結晶融点が1
02〜118℃、好ましくは104〜112℃のエチレ
ン系結晶性重合体である。
【0035】ポリエチレン樹脂成分として、上記密度を
有する低密度ポリエチレン樹脂(D)の代わりに他のポリ
エチレン樹脂、例えば直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(L-LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)
からなる樹脂組成物を用いてカレンダー成型法によって
シートを成形し、これを真空成形法によって二次加工し
た場合、カレンダー成形時の良好な成形性(ロール加工
性)および真空成形時の良好な加工性を同時には充足し
難い。
【0036】本発明で用いられる低密度ポリエチレン樹
脂(C)は、特に限定されないが、そのメルトインデック
ス(MI(190℃、2.16kgf))が通常1〜20g/10min、好
ましくは1〜10g/10min、更に好ましくは2〜5g/10m
inであることが望ましい。
【0037】本発明で、油展オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(G)の調製に用いられるオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物(D)は、以上説明した成分
(A)、(B)および(C)の内、エチレン・α-オレフィン
系共重合体(A)を、50〜70重量%、好ましくは54
〜64重量%の量で含んでいる。
【0038】エチレン・α-オレフィン系共重合体エラ
ストマー(A)の含有量が50重量%を大きく下回る組成
物(D'1)を用い、これに鉱物油(e)および後述の添加剤
(h)、(j)および(f)を加えて得た組成物を用い、カレ
ンダー成形法によりシートを成形した場合、カレンダー
ロールに粘着を生ずる。他方、このエラストマー(A)の
含有量が70重量%を大きく超える組成物(D'2)を用い
た場合、カレンダーロール上に形成されたバンクによる
通称「ベロ出し」現象が発生する他、得られたシートを
用いた二次加工時において、真空成形時での型破れ及び
/又はシボ付け不良等の不具合を生ずる。
【0039】本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物(D)は、以上説明したポリプロピレ
ン樹脂(B)を、35〜21重量%、好ましくは32〜2
5重量%の量で含んでいる。
【0040】ポリプロピレン樹脂(B)の含有量が35重
量%を大きく超える組成物(D'3)を用い、これに鉱物油
(e)および後述の添加剤(h)、(j)および(f)を加えて
得た組成物を用い、カレンダー成形法によりシートを成
形した場合、カレンダーロールに粘着を生ずる。他方、
このポリプロピレン樹脂(B)の含有量が21重量%を大
きく下回る組成物(D'4)を用いた場合、カレンダーロー
ル上に形成されたバンクによる通称「ベロ出し」現象が
発生する他、得られたシートを用いた二次加工時に、真
空成形時での型破れ及び/又はシボ付け不良等の不具合
を生ずる。
【0041】また、本発明で用いられるオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物(D)は、以上説明した低密度
ポリエチレン樹脂(C)を、15〜9重量%、好ましくは
14〜11重量%の量で含んでいる。
【0042】低密度ポリエチレン樹脂(C)の含有量が1
5重量%を大きく超える組成物(D'5)を用い、これに鉱
物油(e)および後述の添加剤(h)、(j)および(f)を加
えて得た組成物を用い、カレンダー成形法によりシート
を成形しした場合、カレンダーロール上に形成されるバ
ンクによる通称「ベロ出し」現象が発生する他、得られ
たシートを用いた二次加工でのシボ付与性が低下する。
また、他方このポリエチレン樹脂(C)の含有量が9重量
%を大きく下回る組成物(D'6)を用いた場合には、カレ
ンダーロール表面への過度の粘着を生ずる。
【0043】本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物(D)は、カレンダー成形における成
形性及び真空成形における加工性の観点から、以上説明
した樹脂成分(A)、(B)及び(C)を架橋を生じさせずに
混合して製造することが望ましい。
【0044】具体的には、オレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物(D)は、エチレン・α-オレフィン系共重
合体エラストマー(A)、ポリプロピレン樹脂(B)及び低
密度ポリエチレン樹脂(C)をそれぞれ所定量で配合し、
攪拌混合装置[例えばヘンシェルミキサー(商品名)、
スーパーミキサー又はタンブラーミキサー等]に装入
し、通常1〜10min攪拌混合して調製することができ
る。特に、タンブラーミキサーを用いれば約10minを
要する一方、スーパーミキサーは、約3minの攪拌混合
によって目的の組成物(D)を調製でき、好適である。
【0045】また、必要に応じてオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物(D)をスクリュウ押出機等を用いて
通常170〜250℃、好ましくは210〜230℃の
温度で溶融混練し、押出してペレット化(造粒)するこ
とも可能である。
【0046】本発明で用いられる油展オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物(G)は、このようなオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物(D)と鉱物油(e)とを含
んでいる。
【0047】本発明に用いられる鉱物油(e)は、特に限
定されないが、カレンダー成形法における一次成形性を
向上させるという特性に加えて、得られた成形品の機械
的特性を改良するという観点から、高沸点の石油留分、
例えばパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油及びアロ
マティック系鉱物油等が好適に用いられ、中でも色相や
臭気等の点でパラフィン系鉱物油が最適である。
【0048】このような油展オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(G)では、鉱物油(e)は、上記オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物(D)100重量部に対
して、10〜30重量部、好ましくは15〜25重量部
の量で含まれる。
【0049】上記鉱物油(e)の添加量が30重量部を大
きく超える油展オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物(G'1)を用い、これに後述の添加剤(h)、(i)および
(j)を加えた組成物から得られるシート又は成型品は、
所定値よりも低い強度及び低い難燃性を示す。また、他
方鉱物油(e)の添加量が10重量部を大きく下回る油展
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(G'2)を用い
た場合、カレンダー成型時にロール表面に過度の粘着を
生ずる。
【0050】本発明に用いられる油展オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物(G)は、組成物(D)と同様の観
点から、成分(D)および(e)を、樹脂成分同士が架橋を
生じないように、混合して製造することが望ましい。具
体的には、油展オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物(G)は、所定量のオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物(D)に鉱物油(e)を添加して、上述したオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物(D)と同様にして製造
することができる。また、得られた油展オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物(G)は、同様に、スクリュウ
押出機等を用いてペレット化(造粒)してもよい。
【0051】本発明に係る難燃性オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物(F)は、このような油展オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物(G)とともに、各々メラ
ミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)、1,3,5-トリアジン
誘導体(j)および滑剤(f)とを含んでいる。
【0052】以下、これら添加剤(h)、(j)および(f)
の各々を詳細に説明する。 <メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)>本発明で用
いられるメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)とは、
ポリ燐酸アンモニウムからなる芯材表面に、メラミンを
付加および/または付着させた粒状体である。このよう
なメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)としては、例
えば、下記一般式(II): (NH4n+2n3n+1 ... (II) (式中nは2を超える正数である)で表される非ハロゲ
ン系難燃剤の粒子表面にメラミンを付加及び/又は付着
させたものが例示できる。
【0053】芯材としてのポリ燐酸アンモニウムは、ポ
リ燐酸アンモニウムとして市販されている。市販品とし
ては、具体的には、商標「スミセーフ−P」(住友化学
社製)、商標「エクソリット−422」(ヘキスト社
製)、商標「エクソリット−700」(ヘキスト社製)、
商標「フォスチェックP/40」(モンサント社製)等を
挙げることができる。
【0054】また、メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム
(h)の原料としては、特開平4−300204公報号に
記載されたII型ポリ燐酸アンモニウム微粒子も用いるこ
とができる。II型ポリ燐酸アンモニウム粉末は例えば次
の方法で得ることができる。
【0055】等モルのリン酸ジアンモニウムと五酸化リ
ンとを温度290〜300℃で加熱攪拌し、次いで尿素
が0.5倍モルとなる量の尿素水溶液(濃度77重量
%)を噴霧しながら添加し、引き続きアンモニア雰囲気
下で数時間、温度250〜270℃で焼成してII型ポリ
燐酸アンモニウム粉末を得る。
【0056】本発明で用いられるメラミン被覆ポリ燐酸
アンモニウム(h)は、このようなポリ燐酸アンモニウム
を用い、下記方法により製造可能である。第一段階とし
て予備加熱されたニーダー等の加熱混練装置内に上記一
般式(II)で示される粉末状ポリ燐酸アンモニウムを投入
し、該ポリ燐酸アンモニウム粉末が溶融せずにしかも該
ポリ燐酸アンモニウム中のアンモニアが容易に脱離を起
こす温度即ち300℃以下、好ましくは200〜280
℃において0.5〜5時間加熱する。この加熱処理によ
って、本来ポリ燐酸アンモニウム中に化学量論量で存在
しているアンモニアの一部(化学量論量のアンモニアに
対して5〜10重量%)が脱離する。このようにして得
たポリ燐酸アンモニウム(以下、「アンモニア不足ポリ
燐酸アンモニウム」と総称することがある)の表面は、
アンモニアの脱離によって、ヒドロキシル基(オキシ
基)が形成されて酸性を示す様になる。アンモニア不足
ポリ燐酸アンモニウムは、具体的には、1重量%懸濁水
溶液のpHが4〜6を示す程度にアンモニア不足状態と
なっていることが望ましい。
【0057】なお、アンモニア不足ポリ燐酸アンモニウ
ムは、ポリ燐酸アンモニウムの公知の製造工程において
アンモニアの結合量を化学量論量以下とすることによっ
ても製造できる。
【0058】次いで第二段階として、例えばアンモニア
脱離を行なったのと同一の装置で、アンモニア不足ポリ
燐酸アンモニウム粉末を、その融点未満かつメラミンが
昇華し得る温度、具体的には250〜300℃の温度で
メラミンを添加して、アンモニア不足ポリ燐酸アンモニ
ウム粒子表面に該メラミンを付加及び/又は付着させ
る。この反応で使用されるメラミンはメラミンモノマー
として市販されているものを使用すれば足りる。
【0059】ここで「付加」とは添加されたメラミンが
ポリ燐酸アンモニウムに由来する酸性のヒドロキシル基
(オキシ基)とイオン的に結合した状態を意味する。従
って、「付加」したメラミンは加熱されても安定であっ
て再度脱離することはない。また、「付着」とは、添加
されたメラミンがポリ燐酸アンモニウム粒子の表面に吸
着された状態を意味し、加熱の継続によってポリ燐酸ア
ンモニウム粒子の表面に吸着しているメラミンが昇華と
吸着とを繰り返して最終的には酸性ヒドロキシル基とイ
オン的に結合する。
【0060】この際にメラミンは、ポリ燐酸アンモニウ
ムに対して0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重
量%の量で添加されることが望ましい。添加されたメラ
ミンは全量ポリ燐酸アンモニウム粒子表面に付加及び/
又は付着し、その結果メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウ
ム(h)が得られる。
【0061】このようなメラミン被覆ポリ燐酸アンモニ
ウム(h)は、これをオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物中に混入した場合、高温又は炎との接触等による
熱分解に際しても、非引火性ガス(水、二酸化炭素、窒
素等)と炭素質残渣のみを生じ、腐食性ガス、ハロゲン
系ガス又は有毒性ガスの発生を殆ど伴わない。
【0062】<1,3,5-トリアジン誘導体成分(j)>本発
明で用いられる1,3,5-トリアジン誘導体成分(j)とは、
非ハロゲン系難燃剤であって、1位、3位および5位の
位置で窒素原子を含む六員環復素化合物の誘導体であ
る。このような1,3,5-トリアジン誘導体成分(j)は、例
えば、下記の一般式(I) :
【0063】
【化3】
【0064】(式中、Xはモルホリノ基又はピペリジノ
基、Yはピペラジンから誘導される2価の基、nは1以
上、好ましくは2〜50であって通常は約11である)
で表わされる。
【0065】このような1,3,5-トリアジン誘導体成分
(j)の好適具体例としては、置換基Xがモルホリノ基で
ある2-ピペラジニレン-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジン
のオリゴマー又はポリマー、および置換基Xがピペリジ
ノ基である2-ピペラジニレン-4-ピペリジノ-1,3,5-トリ
アジンのオリゴマー又はポリマー等を挙げることができ
る。
【0066】2-ピペラジニレン-4-モルホリノ-1,3,5-ト
リアジンのポリマーは、例えば以下の方法で製造するこ
とができる。等モルの2,6-ジハロ-4-モルホリノ-1,3,5-
トリアジン(例えば2,6-ジクロロ-4- モルホリノ-1,3,5
-トリアジン又は2,6,-ジブロモ-4-モルホリノ-1,3,5-ト
リアジン)とピペラジンとを、有機塩基(例えばトリエ
チルアミン又は、トリブチルアミン等)又は無機塩基
(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は炭酸
ナトリウム等)の共存下、例えばキシレン等の不活性溶
媒中で、好ましくはこの種の不活性溶媒の沸点以下の温
度に加熱して反応させる。
【0067】反応終了後に、反応混合物を濾過して固形
物を分離し、分離された固形物を沸騰水で洗浄し、この
際副生物の塩を該沸騰水に溶解させて除去した後に、残
存する固形物を乾燥する。
【0068】得られる2-ピペラジニレン-4-モルホリノ-
1,3,5-トリアジンの性状は以下の通りである: ・溶解性:水及び通常の有機溶剤に不溶; ・融点:無し(分解点310℃付近); ・嵩密度:0.3g/cc; ・構造式:下記の一般式(III)に示す。
【0069】
【化4】
【0070】(式中、nは11である) このような1,3,5−トリアジン誘導体成分(j)は、これ
をオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に混入し
た場合、高温又は炎との接触等による熱分解に際して
も、非引火性ガス(水、二酸化炭素、窒素等)と炭素質
残渣のみを生じ、腐食性ガス、ハロゲン系ガス又は有毒
性ガスを殆ど伴わない。
【0071】また、1,3,5-トリアジン誘導体(j)は上記
メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)との相乗効果に
よって、本発明の自動車内装材表皮用の難燃性オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物で形成されたシート又
は他の成形品に優れた難燃性を付与し、かつ燃焼時だけ
でなく成形品の成形時にも腐食性ガス、ハロゲン系ガス
又は有毒性ガスを殆ど発生させない。
【0072】<滑剤(f)>本発明で用いられる滑剤(f)
とは、本発明の自動車内装材表皮用の難燃性オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物をカレンダー成形する際
に、溶融した該熱可塑性エラストマー組成物とある程度
の相溶性を保持しながらそれに流動性を与え、それによ
ってロール表面に対する摩擦抵抗を減少させてロールへ
の粘着を防ぐと共にその加工を容易にする。
【0073】このような機能を有する滑剤(f)として
は、例えば、パラフィン系高級炭化水素;高級脂肪酸、
高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド及び高級脂肪酸ア
ルキルエステル(高級脂肪酸と脂肪族一価または多価ア
ルコールとのエステル)等の高級脂肪酸系化合物;高級
脂肪族アルコール;ポリエーテル;フタル酸ジアミド及
びフタル酸エステル等の芳香族カルボン酸系化合物;ジ
アミン/カルボン酸縮合体;シリコーン(珪素樹脂);
天然及び合成ロジン;およびこれら化合物の2種以上か
らなる複合系滑剤等を挙げることができる。
【0074】このような滑剤(f)としては、具体的に
は、パラフィン系高級炭化水素としてのパラフィンワッ
クス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、硬化
ひまし油;高級脂肪酸としてのステアリン酸、パルミチ
ン酸、ラウリン酸、オレイン酸;高級脂肪酸金属塩とし
てのステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛;高
級脂肪酸アミドとしてのステアリン酸アミド、オレイン
酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアロア
ミド、エチレンビスラウロアミド、ステアロオレオアミ
ド;高級脂肪酸アルキルエステルとしてのブチルステア
レート、エチレングリコールモノステアレート、グリセ
リンジステアレート;高級脂肪族アルコールとしてのス
テアリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイル
アルコール、ラウリルアルコール;ポリエーテルとして
のエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体;フ
タル酸エステルとしてのビス(2-エチルヘキシル)フタ
レート;ジアミン/カルボン酸縮合体としてのキシリレ
ンジアミン/脂肪族カルボン酸縮合物(wax:例えば
分子量1000程度);シリコーンとしてのポリジメチルシ
ロキサン等を例示することができる。これら滑剤は、単
独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0075】本発明に係る自動車内装材表皮用の難燃性
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(F)は、上述
の油展オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(G)1
00重量部に対して、メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウ
ム(h)を25〜50重量部、好ましくは30〜40重量
部の量で含んでいる。
【0076】メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(h)の
添加量が50重量部を大きく超える組成物からカレンダ
ー成形法によりシートを成形し、次いで真空成形法によ
り二次加工した場合、カレンダーロール上に形成される
バンクによる通称「ベロ出し」現象が発生する他、得ら
れるシート状成型品の機械的強度が低下し、かつこれを
用いた真空成形時に型破れを生じ易い。他方組成物中の
アンモニウム塩(h)の添加量が25重量部を大きく下回
る場合には、得られるシートに所望の難燃性を付与する
ことができない。
【0077】本発明の難燃性オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(F)は、油展オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物である組成物(G)100重量部に対し
て、1,3,5-トリアジン誘導体(j)を8〜17重量部、好
ましくは10〜13重量部の量で含んでいる。
【0078】1,3,5-トリアジン誘導体(j)の添加量が1
7重量部を大きく超える組成物からカレンダー成形法に
よりシートを成形し、次いで真空成形法により二次加工
した場合、カレンダーロール上に形成されるバンクによ
る通称「ベロ出し」現象が発生する他、得られるシート
状成型品の機械的強度が低下し、かつ真空成形時に型破
れを生じ易い。他方組成物の1,3,5-トリアジン誘導体
(j)の添加量が8重量部を大きく下回る場合には、得ら
れるシートに所望の難燃性を付与することができない。
【0079】また、本発明の自動車内装材表皮用の難燃
性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(F)は、油
展オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(G)100
重量部に対して、滑剤(f)を0.1〜3重量部、好まし
くは0.1〜2重量部の量で含んでいる。
【0080】滑剤(f)の添加量が0.1重量部を大きく
下回る組成物からカレンダー成形法によりシートを成形
した場合、カレンダーロールルへの過度の粘着性を発現
する。他方滑剤(f)の添加量が3重量部を大きく超える
場合、成形中または成形後のシート表面に滑剤が移行
し、その結果として、カレンダー成形の際に往々にして
カレンダーロールへの巻付き不良を起こす他、製品シー
トの塗装性不良及び/又は外観不良をを来たす。
【0081】このような難燃性オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(F)は、組成物(D)、(G)と同様の観
点から、成分(D)、(h)、(j)および(f)を、樹脂成分
同士に架橋を生じさせないように混合して製造すること
が望ましい。具体的には、難燃性オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物(F)は、所定量の油展オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物(G)に添加剤(h)、(i)お
よび(j)を添加して、上述したオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物(D)と同様にして製造することができ
る。また、得られた耐熱性オレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物(F)は、同様に、スクリュウ押出機等を用
いてペレット化(造粒)してもよい。
【0082】また、本発明における難燃性熱可塑性エラ
ストマー組成物にあっては、本発明の目的を損なわない
範囲において、他の各種添加剤および充填剤を配合する
ことができる。このような添加剤としては、例えば酸化
防止剤、帯電防止剤、銅害防止剤、中和剤(例えばステ
アリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等)、紫外線吸収
剤、老化防止剤又は顔料等を例示することができる。
【0083】本発明の難燃性オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物(F)は、これをシート状に成形した場
合、自動車内装材用途に適する柔軟性及び難燃性を備
え、かつ火災等の際の熱分解に伴う腐食性のガス又は有
毒ガス等の発生が極めて低い。
【0084】本発明に係る積層体は、この難燃性オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物(F)からなる難燃性
シートと、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートとを積層
してなり、このポリオレフィン系樹脂発泡体シートは積
層体に更に柔らかい触感(ソフト感)を与える。
【0085】本発明の積層体で用いられる難燃性シート
は、難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
(F)をカレンダー成形法によりシートに成形し、次いで
加圧成形等により二次加工してその表面にシボ付けする
等、模様を形成して製造することができる。
【0086】このような難燃性シートは非発泡であるこ
とが望ましく、その平均肉厚0.25〜0.45mm、好ま
しくは0.3〜0.4mmのものである。本発明の積層体で
用いられる発泡体シートは、ポリオレフィン系樹脂を原
材料としているが、このようなポリオレフィン系樹脂と
しては、発泡させることにより、柔軟な成形品としうる
従来公知の何れのポリオレフィン系樹脂を用いてもよ
い。
【0087】このようなポリオレフィン系樹脂として
は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を例
示できる。また、発泡体シートは、このようなポリレフ
ィン系樹脂と、従来公知の発泡剤、例えばアゾジカルボ
ニルアミド等、及び架橋助剤、例えばジビニルベンゼン
等とを押出機中で発泡剤の分解温度以下の温度で溶融混
合し、Tダイより押し出してシート状成形体を得、次い
でこのシートに電子線照射を行なって樹脂成分を架橋さ
せ、さらにこのシートを発泡剤の分解温度以上の条件で
発泡させることにより製造することができる。
【0088】このような発泡体シートは、その発泡倍率
が通常20〜30倍、好ましくは23〜28倍であり、
平均肉厚が通常1〜3mm、好ましくは1.5〜2.5mmで
あることが望ましい。
【0089】本発明に係る積層体は、上記の発泡シート
と非発泡難燃性シートとを積層して貼合わせることによ
って製造することができる。この貼合せの法は、特に限
定されないが、例えば、予め製造された発泡シートと難
燃性シートとを、両者の貼合せ面が融着可能な温度で、
押圧積層する熱貼合せ法(heat-lamination method)が
好適である。
【0090】このようにして得られた積層体は、二次加
工性に優れており、真空成形法によって、所望の凹凸形
状を付与することが可能である。
【0091】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、これらの実施例及び比較例における特
性評価に用いられた試験方法は以下の通りである。 (1)ロールへの粘着性(通称「ロール粘着性」)評価 試料作成装置:2本ロール[ロールサイズ200mmφ×
500mm、加工温度175℃、回転速度12rpm/14rp
m、10min混練(西村工機社製)]を用いた。 試料作成操作:ロール間隙をでき上がりのシート厚みが
0.35mmとなるべき値に設定する。ペレット試料をロ
ールに巻き付けながら溶融混練し、10min後に練り上
がったシートをロールから剥離し、シート状試験片をサ
ンプリングする。
【0092】この溶融混練の操作において、ロールから
竹ヘラ等で混練シートを剥離(切り替えし)させる際に
感知される粘着性およびその際のシート化された原料の
収率から、下記4段階の評価を行なった。評価結果の中
の○及び◎を合格と判定した。
【0093】◎・・・非常に容易に剥離可能(サンプリ
ング可能:収率80%以上) ○・・・容易に剥離可能(サンプリング可能:収率40
%以上80%未満) △・・・剥離困難(サンプリング辛くも可能:収率40
%未満) ×・・・剥離が不可能(サンプリング不能)。 (2)ロール上のバンク部からの通称「ベロ出し」性評価 上記(1)項におけるロール粘着性評価の際に、ペレット
試料をロールに巻き付けながら混練するとロール上の間
隙にバンク(樹脂たまり)が形成される。この際にバン
クを形成した材料が混練されずにバンク状で滞留し、さ
らにせり上がって来る状態を「ベロ出し」と呼ぶ。
【0094】本件試験ではこのベロ出し性を4段階で評
価した。評価結果の中で○及び◎を合格と判定した。 ◎・・・ベロ出しが全く無く、バンクが順調にに混練さ
れている。
【0095】○・・・ベロ出しが殆ど無く、バンクがか
なり均一に混練されている。 △・・・バンク部の一部分からベロ出しが発生している
が、それ以上にせり上がらずにその場で滞留 ×・・・バンク部の一部分又は全体からベロがせり上が
って来る。 (3)真空成形時の耐型破れ性の評価 上記(1)項で得られたシート状試験片(難燃性シート:
肉厚0.35mm)と発泡PPシート(肉厚2mm;発泡倍率
25倍)とを相互に熱融着させて積層し、この積層体か
ら試験片(JISK6301 1号ダンベル)を得る。次に恒温槽
(110℃)中でこの試験片を引張り試験に供して、観
測された「引張り破断伸び率」を5段階で評価して、こ
れを真空成形時の耐型破れ性の指標とする。
【0096】なお、用いられた試験片の表面に亀裂又は
孔が発生した場合にはその時点の伸び率を引張り破断伸
び率とした。引張り条件はJIS−K6301に準拠し
た。評価結果の中で○及び◎を合格と判定した。
【0097】 ◎・・・300%≦伸び率 ○・・・250%≦伸び率<300% △・・・200%≦伸び率<250% ×・・・150%≦伸び率<200% ××・・・・・・・伸び率<150%。 (4)シボ残存度合評価 上記(1)項で得られたシート状試験片(肉厚0.35m
m)に加熱プレス(温度200℃)でシボ付け(皮シボ
調)を行ない、次にシボ付けシート表面の平均粗さ(R
a)1を測定する。 測定装置:表面粗さ計(小坂研究所製)、 測定条件:平均粗さ測定距離40mm、測定速度0.5mm/
sec、カットオフ0.8mm)。
【0098】更にこのシボ付けシートをドライオーブン
中に静置(140℃;3min)した後に、シボ付け面に表
面平滑な耐食鋼(通称「ステンレス」)製の平板を載
せ、更にこの耐食鋼製平板の上に荷重(2.4kgf)を載
せてドライオーブン中に静置(140℃;5min)する。
その後サンプルを取り出し、手早く荷重と耐食鋼製平板
とを取り去ってシートを室温にまで自然冷却する。冷却
の後にシボ付けシートのシボの残存率をシボ面の平均粗
さ(Ra)2に基づいて前述の測定装置および測定条件で測
定する。
【0099】シボ保持量を以下の式によって算出し、そ
の値をシボ残存率とする。このシボ残存率を真空成形後
のシボの残存率の指標として位置付け、5段階で評価
し、評価の中で○及び◎を合格と判定する。 シボ残存率=[(Ra)2/(Ra)1]×100(%) [ここで、(Ra)2:加熱後の表皮シボ;(Ra)1:加熱前の
表皮シボ]。
【0100】 ◎・・・75%≦シボ残存率 ○・・・60%≦シボ残存率<75% △・・・50%≦シボ残存率<60% ×・・・40%≦シボ残存率<50% ××・・・・・・シボ残存率<40%。 (5)難燃性 上記(3)項で得られた積層体(難燃性シート(肉厚0.
35mm)//発泡PPシート(肉厚2mm))をシート状試
験片とし、FMVSS−302に準拠してその燃焼性を
評価した。なお、試験時には難燃性シート(肉厚0.3
5mm)側を接炎面とした。判定基準は燃焼速度100mm
/min未満を合格とした。
【0101】また、実施例及び比較例に用いられたエチ
レン・α−オレフィン系共重合体エラストマー、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、鉱物油、ポリ燐酸ア
ンモニウム、1,3,5-トリアジン誘導体、滑剤及び他の添
加剤等を下記のように略称する。
【0102】(エチレン・α−オレフィン系共重合体エ
ラストマー) (A1) :エチレン−プロピレン−5-エチリデン-2-ノル
ボルネン共重合体エラストマー(プロピレン成分含有量
28重量%、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)88、置換
ノルボルネン成分含有量(沃素価基準で)15); (A2) :エチレン−プロピレン−5-エチリデン-2-ノル
ボルネン共重合体エラストマー(プロピレン成分含有量
26重量%、ムーニー粘度:ML1+4(100℃)38、置換
ノルボルネン成分含有量(沃素価基準で)19); (ポリプロピレン樹脂) (B1) :プロピレン−エチレン結晶性共重合体(結晶融
点154℃、エチレン成分含有量1.4重量%、MFR
(230℃;2.16kgf)8g/10min); (B2) :プロピレン−エチレン結晶性共重合体(結晶融
点146℃、エチレン成分含有量2.5重量%、MFR
(230℃;2.16kgf)8g/10min)50重量%、及び(B3) 5
0重量%からなり、エチレン成分含有量1.2重量%の
樹脂組成物; (B3) :プロピレン結晶性単独重合体(結晶融点164
℃、MFR(230℃;2.16kgf)8g/10min); (B4) :プロピレン−エチレン結晶性共重合体(結晶融
点159℃、エチレン成分含有量0.2重量%、MFR
(度230℃;2.16kgf)10g/10min); (B5) :プロピレン−エチレン結晶性共重合体(結晶融
点138℃、エチレン成分含有量4.6重量%、MFR
(230℃;2.16kgf)2g/10min); (B6) :プロピレン−エチレン結晶性共重合体(結晶融
点165℃、エチレン成分含有量7.5重量%、MFR
(230℃;2.16kgf)0.6g/10min); (ポリエチレン樹脂) (C1) :低密度ポリエチレン樹脂(結晶融点107℃、
密度0.90〜0.93g/cm3;MI(190℃;2.16kgf)2g/1
0min); (C2) :高密度ポリエチレン樹脂(結晶融点135℃、
密度0.95〜0.97g/cm3;MI(190℃;2.16kgf)5g/1
0min); (C3) :直鎖状低密度ポリエチレン樹脂[結晶融点12
3℃、密度0.92〜0.94g/cm3,MI(190℃;2.16kg
f)8g/10min]; (鉱物油) (e1) :パラフィン系鉱物油(動粘度380cSt(40℃);
商標:ダイアナプロセスオイルPW380(出光興産社
製)); (e2) :ナフテン系鉱物油; (ポリ燐酸アンモニウム) (h1) :メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム; (h2) :市販ポリ燐酸アンモニウム(商標:Exolite 422
(ヘキスト社製)); (1,3,5-トリアジン誘導体) (j1) :2-ピペラジニレン-4-モルホリノ-1,3,5-トリア
ジンのポリマー(重合度(n)=約11); (滑剤) (f1) :キシリレンジアミン脂肪族カルボン酸ジアミド
[商品名:ライトアマイドWH-195(共栄社化学社
製)]; (加工安定剤) (z1) :テトラキス[メチレン 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4
-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン[商品
名:Irganox 1010(日本チバガイキー社製)]; (z2) :ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-ペンタエリ
スリトールジホスファイト(商品名:MERK PEP-24G(旭
電化社製)); (z3) :ステアリン酸カルシウム(滑剤としても作用す
る)
【0103】
【実施例1】 <組成物(G1)の調製>組成物(D1)((A1)60重量
%、(B1)28重量%及び(C1)12重量%からなる重合
体組成物)100重量部に伸展油として(e1)20重量
部及び加工安定剤として複合安定剤((z1)0.1重量
部、(z2)0.1重量部及び(z3)0.1重量部からなる組
合せ)をヘンシェルミキサー(商品名)内で混合した。
得られた混合物を二軸押出機(L/D=45、商品名KTX-44
(神戸製鋼所製))に装入して230℃で溶融混練し、
押出してペレット状の組成物(G1)を得た。
【0104】上記の組成物(G1)100重量部に対して
難燃剤((h1)33重量部及び(j1)11重量部)並びに
滑剤(f1)1重量部を添加してヘンシェルミキサー(商
品名)内で混合した。得られた混合物を二軸押出機(L/
D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に供給して20
0℃で溶融混練し、押出してペレット状の最終組成物
(F1)を得た。最終組成物(F1)へ到る処方を表1に示
す。
【0105】得られた最終組成物(F1)を用いて、上述
の特性評価、即ちカレンダー成形時の(1)ロールへの粘
着性および(2)ロール上のバンクからのベロ出し性、並
びにシート状試験片に対する(3)真空成形時の耐型破れ
性、(4)シボ残存度合い及び(5)難燃性(燃焼速度)の
測定および評価を行なった。それらの結果を表4に示
す。
【0106】
【実施例2】組成物(D2)((A1)50重量%、(B1)3
5重量%及び(C1)15重量%からなる組成物)を用い
た以外には実施例1と同じ処方で同様に操作して組成物
(G2)を得、これを用いて実施例1におけると同じ処方
で同様に操作して最終組成物(F2)を得た。この最終組
成物(F2)へ到る処方を表1に示す。
【0107】最終組成物(F2)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0108】
【実施例3】組成物(D3)((A1)70重量%、(B1)2
1重量%及び(C1)9重量%からなる組成物)を用いて
組成物(G3)を得た以外には実施例1におけると同じ処
方で同様に操作して最終組成物(F3)を得た。この最終
組成物(F3)へ到る処方を表1に示す。
【0109】最終組成物(F3)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0110】
【比較例1】組成物(D4)((A1)40重量%、(B1)4
2重量%及び(C1)18重量%からなる組成物)を用い
た以外には実施例1と同じ処方で同様に操作して組成物
(G4)を得、これを用いて実施例1と同様に操作して最
終組成物(F4)を得た。この最終組成物(F4)へ到る処方
を表1に示す。
【0111】最終組成物(F4)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0112】
【比較例2】組成物(D5)((A1)80重量%、(B1)1
4重量%及び(C1)6重量%からなる組成物)を用いた
以外には実施例1におけると同じ処方で同様に操作して
組成物(G5)を得、これを用いて実施例1におけると同
一処方で同様に操作して最終組成物(F5)を得た。
【0113】この最終組成物(F5)へ到る処方を表1に
示す。最終組成物(F5)およびシート状試験片の特性評
価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なった。得
られた測定結果を表4に示す。
【0114】表4にも示されるように、実施例1〜3の
各最終組成物[それぞれ(F1)、(F2)、(F3)]及びそれ
らから得られた各シート試験片は評価項目の何れにも問
題無く合格した。
【0115】比較例1の最終組成物(F4)はロール粘着
性の点で不合格であった。また、比較例2の最終組成物
(F5)はベロ出し性の点で、その組成物(F5)から得られ
たシート試験片は真空成形時の耐型破れ性及びシボ残存
率の点で不合格であった。
【0116】
【実施例4】実施例1の組成物(G1)と同一の処方の組
成物(G6)100重量部に対して、難燃剤((h1)25重
量部及び(j1)8重量部)並びに滑剤として(f1)1重量
部を添加してヘンシェルミキサー(商品名)を用いて一
括混合した。この混合物を二軸押出機(L/D=45、商品名K
TX-44(神戸製鋼所製))に装入して200℃において
溶融混練し、押出してペレット状の最終組成物(F6)を
得た。この最終組成物(F6)へ到る処方を表1に示す。
【0117】最終組成物(F6)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0118】
【実施例5】実施例1の組成物(G1)と同一の処方の組
成物(G7)100重量部に対して、難燃剤((h1)50重
量部及び(j1)17重量部)並びに滑剤として(f1)1重
量部を添加してヘンシェルミキサー(商品名)を用いて
一括混合した。この混合物を二軸押出機(L/D=45、商品
名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入し、200℃におい
て溶融混練し、押出してペレット状の最終組成物(F7)
を得た。この最終組成物(F7)へ到る処方を表1に示
す。
【0119】最終組成物(F7)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0120】
【比較例3】実施例1の組成物(G1)と同一の処方の組
成物(G8)100重量部に対して難燃剤((h1)20重量
部及び(j1)4重量部)並びに滑剤として(f1)1重量
部)を添加してヘンシェルミキサー(商品名)を用いて
一括混合した。この混合物を二軸押出機(L/D=45、商品
名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入して200℃におい
て溶融混練し、押出してペレット状の最終組成物(F8)
を得た。この最終組成物(F8)へ到る処方を表1に示
す。
【0121】最終組成物(F8)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0122】
【比較例4】実施例1の組成物(G1)と同一の処方の組
成物(G9)100重量部に対して、難燃剤((h1)75重
量部及び(j1)25重量部)及び滑剤として(f1)1重量
部を添加してヘンシェルミキサー(商品名)を用いて混
合した。この混合物を二軸押出機(L/D=45、商品名KTX-4
4(神戸製鋼所製))に装入して200℃において溶融
混練し、押出してペレット状の最終組成物(F9)を得
た。この最終組成物(F9)へ到る処方を表1に示す。
【0123】最終組成物(F9)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。表4にも示される
ように、実施例4及び5の各最終組成物(それぞれ(F
6)、(F7))からなるそれぞれの試験片は評価項目の何れ
にも問題無く合格した。
【0124】比較例3の最終組成物(F8)から形成され
たシート試験片は燃焼速度の点で不合格であった。比較
例4の最終組成物(F9)は(1)ロール粘着性及び(2)ベ
ロ出し性の点で並びに最終組成物(F9)から形成された
シート試験片は(3)真空成形時の耐型破れ性の点で不合
格であった。
【0125】
【実施例6】組成物(D10)((A1)60重量%、(B2)2
8重量%及び(C1)12重量%からなる組成物)に伸展
油として鉱物油(e1)20重量部を用いた以外は、実施
例1と同じ処方で同様に操作して組成物(G10)を得た。
この組成物(G10)を用いた以外は、実施例1と同じ処方
で同様に操作して最終組成物(F10)を得た。この最終組
成物(F10)へ到る処方を表2に示す。
【0126】最終組成物(F10)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0127】
【比較例5】実施例1の組成物(D1)と同一の処方の組
成物(D11)100重量部に対して、鉱物油(e1)を5重
量部用いた以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作し
て組成物(G11)を得た。この組成物(G11)を用いた以外
は、実施例1と同じ処方で同様に操作して最終組成物
(F11)を得た。最終組成物(F11)へ到る処方を表2に示
した。
【0128】最終組成物(F11)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0129】
【比較例6】実施例1の組成物(D1)と同一の処方の組
成物(D12)100重量部に対して、鉱物油(e1)を40
重量部用いた以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作
して組成物(G12)を得た。その組成物(G12)を用いた以
外は実施例1と同じ処方で同様に操作して最終組成物
(F12)を得た。この最終組成物(F12)へ到る処方は表2
に示す。
【0130】最終組成物(F12)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0131】
【比較例7】実施例1の組成物(D1)と同一の処方の組
成物(D13)100重量部に対して、鉱物油(e1)を20
重量部用いた以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作
して組成物(G13)を得た。この組成物(G13)を用い、か
つ滑剤を配合しない外は、実施例1と同じ処方で同様に
操作して最終組成物(F13)を得た。最終組成物(F13)へ
到る処方を表2に示す。
【0132】最終組成物(F13)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0133】
【比較例8】組成物(D14)((A2)60重量%、(B1)2
8重量%及び(C1)12重量%からなる組成物)を用い
た以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作して組成物
(G14)を得た。この組成物(G14)を用いる外には実施例
1と同じ処方で同様に操作して最終組成物(F14)を得
た。最終組成物(F14)へ到る処方を表2に示す。
【0134】最終組成物(F14)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0135】
【比較例9】組成物(D15)((A1)60重量%、(B3)2
8重量%及び(C1)12重量%からなる組成物)を用い
た以外には実施例1と同じ処方で同様に操作して組成物
(G15)を得た。その組成物(G15)を用いた以外は、実施
例1と同じ処方で同様に操作して最終組成物(F15)を得
た。最終組成物(F15)へ到る処方を表2に示した。
【0136】最終組成物(F15)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0137】
【比較例10】組成物(D16)((A1)60重量%、(B4)
28重量%及び(C1)12重量%からなる組成物)を用
いた以外には実施例1と同一の処方で同様に操作して組
成物(G16)を得た。この組成物(G16)を用いた以外は、
実施例1と同じ処方で同様に操作して最終組成物(F16)
を得た。最終組成物(F16)へ到る処方を表2に示す。
【0138】最終組成物(F16)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0139】
【比較例11】組成物(D17)((A1)60重量%、(B5)
28重量%及び(C1)12重量%からなる組成物)を用
いた以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作して組成
物(G17)を得た。この組成物(G17)を用いる以外には実
施例1と同じ処方で同用に操作して最終組成物(F17)を
得た。最終組成物( F17)へ到る処方を表2に示す。
【0140】最終組成物(F17)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0141】
【比較例12】組成物(D18)((A1)60重量%、(B1)
28重量%及び(C2)12重量%からなる組成物)を用
いた以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作して組成
物(G18)を得た。この組成物(G18)を用いた以外は、実
施例1と同じ処方で同様に操作して最終組成物(F18)を
得た。最終組成物( F18)へ到る処方を表2に示す。
【0142】最終組成物(F18)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。
【0143】
【比較例13】組成物(D19)((A1)60重量%、(B1)
28重量%及び(C3)12重量%からなる組成物)を用
いた以外は、実施例1と同じ処方で同様に操作して組成
物(G19)を得た。この組成物(G19)を用いた以外は、実
施例1と同一処方で同様に操作して最終組成物(F19)を
得た。最終組成物(F19)へ到る処方を表2に示す。
【0144】最終組成物(F19)およびシート状試験片の
特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行なっ
た。得られた測定結果を表4に示す。表4にも示される
ように、実施例6の最終組成物(F10)及びそれから形成
されたシート試験片は評価項目の何れにも問題無く合格
した。
【0145】比較例5の最終組成物(F11)はロール粘着
性及びベロ出し性の双方の点で不合格であった。比較例
6の最終組成物(F12)から形成されたシート試験片は燃
焼速度及びシボ残存度合いの双方の点で不合格であっ
た。
【0146】比較例7の最終組成物(F13)はロール粘着
性の点で不合格であった。比較例8の最終組成物(F14)
はロール粘着性の点で不合格であった。比較例9の最終
組成物(F15)はロール粘着性の点で及びそれから形成さ
れたシート試験片は真空成形時の耐型破れ性の双方の点
で不合格であった。
【0147】比較例10の最終組成物(F16)はロール粘
着性の点で及びそれから形成されたシート試験片は真空
成形時の耐型破れ性の双方の点で不合格であった。比較
例11の最終組成物(F17)から形成されたシート試験片
はシボ残存度合いの点で不合格であった。
【0148】比較例12の最終組成物(F18)から形成さ
れたシート試験片は真空成形時の耐型破れ性の点で不合
格であった。比較例13の最終組成物(F19)はロール粘
着性の点で不合格であった。
【0149】
【比較例14】組成物(D20)((A1)70重量%、(B3)
15重量%及びエチレン系樹脂(C)には属しないがそれ
に対応する成分としてポリイソブチレン樹脂 (商品名:
ビスタネックスMML-100(エッソ石油会社製)) 15重
量%からなる組成物)100重量部に、伸展油として鉱
物油(e2)30重量部、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン(架橋剤)0.25重量部及び
ジビニルベンゼン(架橋助剤)0.25重量部)を添加
し、これに実施例1におけると同一の加工安定剤を同量
で配合し、これをヘンシェルミキサー(商品名)に装入
して一括混合した。得られた混合物を二軸押出機(L/D=
45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入して230
℃で溶融混練及び架橋を行なった後に押出してペレット
状の組成物(G20)を得た。
【0150】得られたペレット(G20)77重量部に、
(C1)23重量部、難燃剤((h1)33重量部及び(j1)
11重量部)および滑剤(f1)1重量部を配合してヘン
シェルミキサー内で混合した。得られた混合物を二軸押
出機(L/D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入
して200℃で溶融混練し、押出してペレット状の最終
組成物(F20)を得た。この最終組成物(F20)へ到る処方
は表3に示す。
【0151】最終組成物(F20))およびシート状試験片
の特性評価試験(1)〜(5)を実施例1と同様に行な
った。得られた測定結果を表4に示す。
【0152】
【比較例15】組成物(D21)((A1)80重量部及び(B
3)20重量部)に鉱物油(e2)30重量部、加工助剤と
して実施例1と同一の複合安定剤(実施例1と同量)、
架橋剤として1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン(架橋剤)0. 25重量部及びジビニルベ
ンゼン(架橋助剤)0.25重量部をヘンシェルミキサ
ー(商品名)内で混合した。得られた混合物を二軸押出
機(L/D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入し
て230℃で溶融混練し、架橋を行ないながら押出して
ペレット状の架橋された組成物(G21)を得た。
【0153】次に組成物(D22)((A1)50重量部及び
(B3)50重量部からなる組成物)をヘンシェルミキサ
ー(商品名)内で混合し、得られた混合物を二軸押出機
(L/D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入して
230℃で溶融混練し、押出してペレット(D22)を得
た。
【0154】得られたペレット状の架橋された組成物
(G21)60重量部、ペレット(D22)40重量部、難燃剤
((h1)33重量部及び(j1)11重量部)、及び滑剤と
して(f1)1重量部を配合してヘンシェルミキサー(商
品名)内で混合した。えられた混合物を二軸押出機(L/
D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入して20
0℃で溶融混練し、押出してペレット状の最終組成物
(F21)を得た。この最終組成物( F21)へ到る処方は表
3に示す。
【0155】得られたペレット状の最終組成物(F21)お
よびシート状試験片の特性評価試験(1)〜(5)を実
施例1と同様に行なった。得られた測定結果を表4に示
す。
【0156】
【比較例16】組成物(D23)((A1)50重量部及び(B
6)50重量部)に、実施例1と同一の加工安定剤(実施
例1と同量)、架橋剤として1,3-ビス(t-ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン(架橋剤)0.5重量部及
びジビニルベンゼン(架橋助剤)0.5重量部をヘンシ
ェルミキサー(商品名)内で混合した。得られた混合物
を二軸押出機(L/D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所
製))に装入して230℃で溶融混練しながら架橋を行
ない、押出して架橋ペレット状組成物(G23)を得た。
【0157】得られた架橋ペレット状組成物(G23)10
0重量部に、難燃剤((h1)29重量部及び(j1)14重
量部)、及び滑剤(f1)1重量部を配合してヘンシェル
ミキサー(商品名)内で混合した。得られた混合物を二
軸押出機(L/D=45、 商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に
装入して200℃で溶融混練し、押出してペレット状の
最終組成物(F23)を得た。この最終組成物(F23)へ到る
処方を表3に示す。
【0158】得られたペレット状の最終組成物(F23)お
よびシート状試験片の特性評価試験(1)〜(5)を実
施例1と同様に行なった。得られた測定結果を表4に示
す。
【0159】
【比較例17】組成物(D24)((A1)50重量部及び(B
6)50重量部)及び実施例1と同一の加工安定剤(実施
例1と同量)をヘンシェルミキサー(商品名)内で混合
した。得られた混合物を二軸押出機(L/D=45、商品名KTX
-44(神戸製鋼所製))に装入して230℃において溶
融混練及び押出してペレット状の組成物(G24)を得た。
【0160】得られたペレット状の組成物(G24)100
重量部に対して、難燃剤として((h1)29重量部及び
(j1)14重量部)及び滑剤として(f1)1重量部を配合
し、ヘンシェルミキサー(商品名)内で一括混合した。
得られた混合物を二軸押出機(L/D=45、商品名KTX-44
(神戸製鋼所製))に装入して200℃にて溶融混練及
び押出してペレット状の最終組成物(F24)を得た。この
最終組成物(F24)へ到る処方を表3に示す。
【0161】得られたペレット状の最終組成物(F24)お
よびシート状試験片の特性評価試験(1)〜(5)を実
施例1と同様に行なった。得られた測定結果を表4に示
す。
【0162】
【比較例18】組成物(D25)((A2)38重量部、(B6)
42重量部及び(C2)20重量部)、実施例1と同一の
加工安定剤(実施例1と同量)をヘンシェルミキサー
(商品名)内で混合した。得られた混合物を二軸押出機
(L/D=45、商品名KTX-44(神戸製鋼所製))に装入して
230℃において溶融混練し、押出してペレット状の組
成物(G25)を得た。
【0163】得られたペレット状の組成物(G25)100
重量部に対して、難燃剤として((h1)38重量部及び
(j1)15重量部)、及び滑剤として(f1)1重量部を配
合してヘンシェルミキサー(商品名)内で混合した。得
られた混合物を二軸押出機(L/D=45、商品名KTX-44(神
戸製鋼所製))に装入して200℃において溶融混練
し、押出してペレット状の最終組成物(F25)を得た。こ
の最終組成物(F25)へ到る処方を表3に示す。
【0164】得られたペレット状の最終組成物(F25)お
よびシート状試験片の特性評価試験(1)〜(5)を実
施例1と同様に行なった。得られた測定結果を表4に示
す。表4にも示されるように、比較例14〜16の最終
組成物(それぞれ(F20)、(F21)および(F23))は(1)
ロール粘着性、(2)ベロ出し性並びに前記の組成物から
形成されたシート試験片に対する(3)真空成形時の耐型
破れ性、(4)シボ残存率及び(5)難燃性の全てにおいて
同時には合格できなかった。
【0165】また、比較例17及び18の最終組成物
((F24)、(F25))は(1)ロール粘着性及び(2)ロール
バンク部ベロ出し性において、得られたシート試験片は
(3)真空成形時の耐型破れ性、(4)シボ残存率及び(5)
難燃性の全てにおいて同時に合格することはできなかっ
た。
【0166】
【表1】
【0167】
【表2】
【0168】
【表3】
【0169】
【表4】
【0170】
【発明の効果】本発明に係る自動車内装材表皮用の難燃
性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、カレン
ダー成形法における一次成形性及びシボ付け、圧空成形
法および真空成形法等における二次成形性のいずれにも
優れ、かつ得られる成型品が自動車内装材用途に適する
柔軟性及び難燃性を備えるとともに、火災等の際の熱分
解に伴う腐食性のガス又は有毒ガス等の発生が、ハロゲ
ン系難燃剤が配合された組成物と比較して、極めて低
い。
【0171】また、本発明に係る積層体は、自動車内装
材用途に適する柔軟性及び難燃性を備えるとともに、柔
らかい触感(ソフト感)に優れ、かつ二次加工性にも優
れているため、自動車内装材、具体的にはドアトリム、
インストルメントパネル及び天井等の表皮材に極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 23/08 23:16 23:04 23:10) (72)発明者 新 井 明 徳 茨城県土浦市東中貫町5番地3号 ロンシ ール工業株式会社内 (72)発明者 仲 内 豊 和 茨城県土浦市東中貫町5番地3号 ロンシ ール工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・α-オレフィン系共重合体エ
    ラストマー(A)(ムーニー粘度:ML1+4(100℃)40〜
    100)50〜70重量%、ポリプロピレン樹脂(B)
    (結晶融点140〜165℃、エチレン成分含有量1〜
    2重量%)35〜21重量%および低密度ポリエチレン
    樹脂(C)(密度0.90〜0.93g/cm3、結晶融点10
    2〜118℃)15〜9重量%からなるオレフィン系熱
    可塑性エラストマー組成物(D)100重量部と、鉱物油
    (e)10〜30重量部と、からなる油展オレフィン系熱
    可塑性エラストマー組成物(G)、および前記油展オレフ
    ィン系熱可塑性エラストマー組成物(G)100重量部に
    対して、25〜50重量部のメラミン被覆ポリ燐酸アン
    モニウム(h)、8〜17重量部の下記の一般式(I)で表
    される化学構造を有する1,3,5-トリアジン誘導体(j)、
    および0.1〜3重量部の滑剤(f)を含むことを特徴と
    する自動車内装材表皮用の難燃性オレフィン系熱可塑性
    エラストマー組成物: 【化1】 (式中、Xはモルホリノ基又はピペリジノ基であり、Y
    はピペラジンから誘導される2価の基であり、nは1以
    上の数である)。
  2. 【請求項2】 前記ポリプロピレン樹脂(B)が、結晶性
    プロピレン−エチレン共重合体又は結晶性プロピレン単
    独重合体と、エチレン成分含有量0.5〜4重量%のプ
    ロピレン−エチレン共重合体とからなるプロピレン重合
    体組成物であり、その重合体組成物全体が、エチレン成
    分含有量1〜2重量%である請求項1に記載の自動車内
    装材表皮用の難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記鉱物油(e)が、前記オレフィン系熱
    可塑性エラストマー組成物(D)100重量部に対して、
    15〜25重量部含まれる請求項1又は2に記載の自動
    車内装材表皮用の難燃性オレフィン系熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  4. 【請求項4】 前記滑剤(f)が、前記油展オレフィン系
    熱可塑性エラストマー組成物(G)100重量部に対し
    て、0.5〜2重量部含まれる請求項1〜3の何れかに
    記載の自動車内装材表皮用の難燃性オレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 前記メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム
    (h)が、前記油展オレフィン系熱可塑性エラストマー組
    成物(G)100重量部に対して、28〜40重量部含ま
    れる請求項1〜4の何れかに記載の自動車内装材表皮用
    の難燃性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン系樹脂から形成される発
    泡体シートと請求項1〜5の何れかに記載の難燃性オレ
    フィン系熱可塑性エラストマー組成物から形成される南
    燕性シートとからなる自動車内装材表皮用の積層体。
  7. 【請求項7】 前記発泡体シートが、発泡倍率20〜3
    0倍かつ平均肉厚1〜3mmであり、前記難燃性シート
    が、平均肉厚0.25〜0.45mmである請求項6に記載
    の自動車内装材表皮用の積層体。
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